コンデンサの並列回路をアドミタンスで攻略!
第32講「RC並列回路」へようこそ!
前回の第31講では、RL並列回路を学んだな。コイルのサセプタンスは負(\( B_L = -\frac{1}{\omega L} < 0 \))で、電流が電圧より遅れる「遅れ力率」やった。
今回は、抵抗 \( R \) とコンデンサ \( C \) が並列に接続されたRC並列回路を学ぶで!コンデンサはコイルと真逆の性質を持っていて、サセプタンスが正になるんや。
「コイルとコンデンサ、どっちがプラスでどっちがマイナスか混乱する…」という声をよく聞くけど、大丈夫!今回でしっかり整理して、違いを完璧に理解しよう。
🎯 この講座で学ぶこと
📘 RC並列回路の構成:回路図と各素子の役割
📗 アドミタンスの計算:\( Y = \frac{1}{R} + j\omega C \)
📙 合成インピーダンス:\( Z = \frac{1}{Y} \) の求め方
📕 電流の分流:各枝に流れる電流の計算
📒 ベクトル図:電圧・電流の位相関係(進み力率)
コイルとコンデンサの違いを水で例えると、コイルは「重い水車」みたいなもんで、流れ始めるのに時間がかかる(電流が遅れる)。一方、コンデンサは「バネ付きのピストン」みたいなもんで、押されたらすぐに反応する(電流が進む)。この違いが、サセプタンスの符号の違いに現れるんやで!
まずはRC並列回路の構成を確認しよう!
RC並列回路は、抵抗 \( R \) とコンデンサ \( C \) が並列に接続された回路や。並列接続やから、RL並列回路と同じく、両方の素子には同じ電圧 \( V \) がかかるのがポイントやで。
ただし、コンデンサはコイルとは逆の性質を持ってる。コイルでは電流が電圧より遅れたけど、コンデンサでは電流が電圧より進むんや。これがRC並列回路の大きな特徴やで。
回路図を見てみ。電源から流れ出た全電流 \( I \) は、分岐点で2つに分かれる。一方は抵抗 \( R \) を通る電流 \( I_R \)、もう一方はコンデンサ \( C \) を通る電流 \( I_C \) や。
📌 RC並列回路の基本
⚡ 電圧 \( V \) は両素子で共通
⚡ 電流は分流:\( \dot{I} = \dot{I}_R + \dot{I}_C \)
⚡ \( I_R \) は \( V \) と同相
⚡ \( I_C \) は \( V \) より90°進み
次に、各素子のアドミタンスを確認しよう!
第30講で学んだように、アドミタンスはインピーダンスの逆数や。並列回路ではアドミタンスを足し算するだけで合成できるから、計算がめっちゃ楽になるんやったな。
まず、抵抗 \( R \) のアドミタンスから。これはRL並列のときと同じや。
抵抗は電圧と電流が同相やから、アドミタンスは純粋な実数になる。虚部はゼロや。
次に、コンデンサ \( C \) のアドミタンス。ここがコイルとの違いが出るところや!
【コンデンサのインピーダンス】
\( Z_C = \frac{1}{j\omega C} = -\frac{j}{\omega C} = -jX_C \)
(\( X_C = \frac{1}{\omega C} \):容量性リアクタンス)
【コンデンサのアドミタンス】
\( Y_C = \frac{1}{Z_C} = j\omega C = jB_C \)
(\( B_C = \omega C \):容量性サセプタンス)
ここで注目!コンデンサのサセプタンス \( B_C = \omega C \) は正の値や!コイルのサセプタンス \( B_L = -\frac{1}{\omega L} \) が負やったのと真逆やで。
📌 サセプタンスの符号(超重要!)
⚡ コイル:\( B_L = -\frac{1}{\omega L} < 0 \)(負)→ 電流遅れ
⚡ コンデンサ:\( B_C = \omega C > 0 \)(正)→ 電流進み
⚡ 覚え方:「コンデンサは正(C)、コイルは負(L)」
ほな、RC並列回路の合成アドミタンスを求めよう!
並列回路やから、各素子のアドミタンスを足し算するだけやで。これがアドミタンスを使う最大のメリットや!
【合成アドミタンス】
\( Y = Y_R + Y_C \)
\( = G + jB_C \)
\( = \frac{1}{R} + j\omega C \)
RL並列回路との違いに注目してくれ!RL並列では \( Y = \frac{1}{R} - j\frac{1}{\omega L} \) で虚部が負やったけど、RC並列では \( Y = \frac{1}{R} + j\omega C \) で虚部が正になるんや。
【合成アドミタンスの成分】
コンダクタンス:\( G = \frac{1}{R} \) [S]
サセプタンス:\( B = \omega C = B_C \) [S](正の値)
RC並列回路の合成アドミタンスは、実部が正(コンダクタンス)、虚部も正(容量性サセプタンス)になる。これは回路全体が容量性であることを示してるんや。
【アドミタンスの大きさ】
\( |Y| = \sqrt{G^2 + B_C^2} = \sqrt{\left(\frac{1}{R}\right)^2 + (\omega C)^2} \) [S]
【アドミタンスの位相角】
\( \theta_Y = \tan^{-1}\frac{B_C}{G} = \tan^{-1}\frac{\omega C}{\frac{1}{R}} = \tan^{-1}(\omega CR) \)
→ 位相角は正(容量性だから)
📌 RC並列回路の合成アドミタンス
⚡ \( Y = \frac{1}{R} + j\omega C \)
⚡ 実部 \( G = \frac{1}{R} > 0 \)
⚡ 虚部 \( B_C = \omega C > 0 \)(容量性)
⚡ 位相角は正(電流が電圧より進む)
ほな、合成アドミタンスの計算問題や!
\( R = 20 \) Ω と \( X_C = 20 \) Ω のコンデンサが並列に接続されている。合成アドミタンス \( Y \) はどれか?
惜しかったな!各素子のアドミタンスを確認しよう。
【計算】
抵抗のアドミタンス:\( Y_R = \frac{1}{R} = \frac{1}{20} = 0.05 \) S
コンデンサのアドミタンス:\( Y_C = j\frac{1}{X_C} = j\frac{1}{20} = j0.05 \) S
(コンデンサのサセプタンスは正やで!)
合成:\( Y = Y_R + Y_C = 0.05 + j0.05 \) S
コンデンサのサセプタンスは正になることを覚えといてな!コイルとは逆やで。
この合成アドミタンスの絶対値 \( |Y| \) に最も近いものはどれか?
さすがや!コンデンサのサセプタンスが正になることを覚えてたな。
ほな、合成インピーダンスまで求めてみよう。
\( Y = 0.05 + j0.05 \) S のときの合成インピーダンス \( Z \) はどれか?
次は合成インピーダンスを求める方法を見ていこう!
アドミタンス \( Y \) が分かれば、インピーダンス \( Z \) は逆数を取るだけや。ただし、複素数の逆数を取るには分母を有理化する必要があるで。
【合成インピーダンスの計算】
\( Y = G + jB_C = \frac{1}{R} + j\omega C \) のとき
\( Z = \frac{1}{Y} = \frac{1}{G + jB_C} \)
【分母の有理化】
\( Z = \frac{1}{G + jB_C} \times \frac{G - jB_C}{G - jB_C} = \frac{G - jB_C}{G^2 + B_C^2} \)
\( = \frac{G}{G^2 + B_C^2} - j\frac{B_C}{G^2 + B_C^2} \)
ここで、\( B_C > 0 \)(容量性)やから、\( -jB_C \) は負の虚数になる。つまり、合成インピーダンスの虚部は負になって、容量性リアクタンスを持つことが分かるな。
ここでRL並列との違いを整理しておこう。
📌 合成インピーダンスの求め方
⚡ 方法①:\( Z = \frac{1}{Y} \)(アドミタンスの逆数)
⚡ 方法②:\( Z = \frac{Z_R \cdot Z_C}{Z_R + Z_C} \)(積÷和)
⚡ RC並列では虚部が負(容量性)
⚡ 方法①の方が計算が楽なことが多い!
ほな、具体的な計算例で確認しよう!
【例題】
\( R = 8 \) Ω と \( X_C = 6 \) Ω のコンデンサが並列に接続されている。
合成アドミタンス \( Y \) と合成インピーダンス \( Z \) を求めよ。
【STEP 1】各素子のアドミタンス
\( Y_R = \frac{1}{R} = \frac{1}{8} \) S
\( Y_C = j\frac{1}{X_C} = j\frac{1}{6} \) S
【STEP 2】合成アドミタンス
\( Y = Y_R + Y_C = \frac{1}{8} + j\frac{1}{6} \) S
通分すると:\( Y = \frac{3}{24} + j\frac{4}{24} = \frac{3 + j4}{24} \) S
【STEP 3】アドミタンスの大きさ
\( |Y| = \sqrt{\left(\frac{3}{24}\right)^2 + \left(\frac{4}{24}\right)^2} = \frac{\sqrt{9 + 16}}{24} = \frac{5}{24} \) S
おっ、\( 3:4:5 \) の直角三角形パターンが出てきたな!これ、電験三種では頻出やから覚えといてな。
【STEP 4】合成インピーダンス
\( Z = \frac{1}{Y} = \frac{24}{3 + j4} \)
分母を有理化:\( Z = \frac{24(3 - j4)}{(3 + j4)(3 - j4)} = \frac{24(3 - j4)}{9 + 16} = \frac{24(3 - j4)}{25} \)
\( = \frac{72 - j96}{25} = \frac{72}{25} - j\frac{96}{25} = 2.88 - j3.84 \) Ω
虚部が負になってるやろ?これがRC並列回路が容量性である証拠や。
📌 計算のポイント
⚡ 通分して \( \frac{a + jb}{c} \) の形にすると楽
⚡ \( 3:4:5 \)、\( 5:12:13 \)、\( 8:15:17 \) は頻出パターン
⚡ 分母の有理化を忘れずに!
次は電流の分流について学ぼう!
RC並列回路では、電源電圧 \( V \) が両素子に共通でかかる。せやから、各素子に流れる電流は、オームの法則(交流版)で簡単に求められるんや。
ここで大事なのは、\( I_R \) と \( I_C \) は位相が90°ずれてるということや。せやから、全電流 \( I \) を求めるときは、単純に足し算するんじゃなくて、ベクトル合成する必要があるで。
【全電流のベクトル合成】
複素数表示:\( \dot{I} = \dot{I}_R + \dot{I}_C = I_R + jI_C \)
(\( I_R \) は実部、\( I_C \) は虚部で正)
RL並列のときは \( I_L \) が虚部で負(電流遅れ)やったけど、RC並列では \( I_C \) が虚部で正(電流進み)になる。これがベクトル図での違いとして現れるんや。
📌 電流の分流(RC並列)
⚡ \( I_R = \frac{V}{R} \)(\( V \) と同相)
⚡ \( I_C = \frac{V}{X_C} \)(\( V \) より90°進み)
⚡ \( I = \sqrt{I_R^2 + I_C^2} \)
⚡ 全電流 \( I \) は電圧 \( V \) より進む(進み力率)
ほな、電流の計算問題や!
\( R = 30 \) Ω と \( X_C = 40 \) Ω のコンデンサが並列に接続され、\( V = 120 \) V の交流電圧が加えられている。全電流 \( I \) はいくらか?
惜しかったな!各枝の電流から計算してみよう。
【計算】
抵抗を流れる電流:\( I_R = \frac{V}{R} = \frac{120}{30} = 4 \) A
コンデンサを流れる電流:\( I_C = \frac{V}{X_C} = \frac{120}{40} = 3 \) A
\( I_R \) と \( I_C \) は90°位相がずれてるから:
\( I = \sqrt{I_R^2 + I_C^2} = \sqrt{4^2 + 3^2} = \sqrt{16 + 9} = \sqrt{25} = 5 \) A
\( 3:4:5 \) の直角三角形パターンやな!\( I_R + I_C = 7 \) A とはならないことに注意やで。
全電流 \( I \) は電圧 \( V \) に対してどれだけ進んでいるか?
さすがや!ベクトル合成を理解してるな。
ほな、力率まで計算してみよう。
この回路の力率 \( \cos\phi \) はいくらか?
ここでRC並列回路のベクトル図の描き方をまとめよう!
並列回路のベクトル図では、電圧 \( V \) を基準にして描くのがポイントや。これはRL並列と同じやな。
【ベクトル図の描き方】
① 電圧 \( \dot{V} \) を基準(横軸の正の向き)に描く
② 抵抗電流 \( \dot{I}_R \) を電圧と同じ向きに描く
③ コンデンサ電流 \( \dot{I}_C \) を電圧から90°進んだ向き(上向き)に描く
④ 全電流 \( \dot{I} = \dot{I}_R + \dot{I}_C \) をベクトル合成で描く
RL並列との大きな違いは、コンデンサ電流 \( I_C \) が上向き(進み方向)になることや。せやから、全電流 \( I \) も電圧 \( V \) より進むことになる。これが「進み力率」の正体やで。
📌 ベクトル図のポイント(RL並列との比較)
⚡ RL並列 → \( I_L \) が下向き(遅れ)→ 遅れ力率
⚡ RC並列 → \( I_C \) が上向き(進み)→ 進み力率
⚡ どちらも電圧 \( V \) を基準に描く
⚡ 位相角 \( \phi = \tan^{-1}\frac{I_C}{I_R} \)
ここでRC並列回路の力率について整理しよう!
力率 \( \cos\phi \) は、電圧と電流の位相差 \( \phi \) から計算できるんやったな。RC並列回路では、電流が電圧より進むから、進み力率になる。これがRL並列(遅れ力率)との大きな違いや。
【力率の計算方法①】電流の比から
\( \cos\phi = \frac{I_R}{I} = \frac{I_R}{\sqrt{I_R^2 + I_C^2}} \)
【力率の計算方法②】アドミタンスから
\( \cos\phi = \frac{G}{|Y|} = \frac{G}{\sqrt{G^2 + B_C^2}} \)
【力率の計算方法③】インピーダンスから
\( \cos\phi = \frac{R_{eq}}{|Z|} \)
(\( R_{eq} \) は合成インピーダンスの実部)
どの方法を使っても同じ答えになるで。問題で与えられている情報によって使いやすい方法を選ぼう。
力率の計算式自体は同じやけど、位相角 \( \phi \) の符号が違う。RL並列では \( \phi < 0 \)(遅れ)、RC並列では \( \phi > 0 \)(進み)や。でも \( \cos\phi \) の値は両方とも正の値になるから、「進み」か「遅れ」かを明記することが大事やで。
📌 力率の表記(超重要!)
⚡ RL並列:「力率 0.8(遅れ)」のように表記
⚡ RC並列:「力率 0.8(進み)」のように表記
⚡ 電験三種では「進み」「遅れ」の区別が重要!
⚡ 力率の値が同じでも、進み・遅れで回路の性質が全く違う
力率計算の具体例を見てみよう!
【例題】
\( R = 30 \) Ω と \( X_C = 40 \) Ω のコンデンサが並列接続されている。
力率 \( \cos\phi \) を求めよ。
【方法①】電流の比から計算
電圧を \( V \) とすると、
\( I_R = \frac{V}{R} = \frac{V}{30} \)
\( I_C = \frac{V}{X_C} = \frac{V}{40} \)
\( I = \sqrt{I_R^2 + I_C^2} = V\sqrt{\frac{1}{30^2} + \frac{1}{40^2}} = V\sqrt{\frac{1}{900} + \frac{1}{1600}} \)
ここで通分すると、
\( \frac{1}{900} = \frac{16}{14400}, \quad \frac{1}{1600} = \frac{9}{14400} \)
\( I = V\sqrt{\frac{16 + 9}{14400}} = V \cdot \frac{5}{120} = \frac{V}{24} \)
したがって、
\( \cos\phi = \frac{I_R}{I} = \frac{\frac{V}{30}}{\frac{V}{24}} = \frac{24}{30} = \frac{4}{5} = 0.8 \)(進み)
【方法②】アドミタンスから計算(より簡単!)
\( G = \frac{1}{R} = \frac{1}{30} \) S
\( B_C = \frac{1}{X_C} = \frac{1}{40} \) S
\( |Y| = \sqrt{G^2 + B_C^2} = \sqrt{\frac{1}{900} + \frac{1}{1600}} = \frac{5}{120} = \frac{1}{24} \) S
\( \cos\phi = \frac{G}{|Y|} = \frac{\frac{1}{30}}{\frac{1}{24}} = \frac{24}{30} = 0.8 \)(進み)
どちらの方法でも同じ結果になったな!\( 3:4:5 \) の直角三角形パターンが現れてるから、暗算でも計算できるで。
📌 力率計算のコツ
⚡ アドミタンスから計算する方法が一番楽
⚡ \( 3:4:5 \) パターンなら \( \cos\phi = 0.8 \) または \( 0.6 \)
⚡ RC並列は必ず「進み力率」
⚡ 答えには必ず「進み」「遅れ」を明記!
ほな、合成インピーダンスの計算問題や!
\( R = 6 \) Ω と \( X_C = 8 \) Ω のコンデンサが並列に接続されている。合成インピーダンス \( |Z| \) はいくらか?
惜しかったな!アドミタンスから計算してみよう。
【計算】
\( Y = \frac{1}{R} + j\frac{1}{X_C} = \frac{1}{6} + j\frac{1}{8} \)
通分:\( Y = \frac{4}{24} + j\frac{3}{24} = \frac{4 + j3}{24} \)
\( |Y| = \frac{\sqrt{4^2 + 3^2}}{24} = \frac{5}{24} \) S
\( |Z| = \frac{1}{|Y|} = \frac{24}{5} = 4.8 \) Ω
\( 3:4:5 \) の三角形パターンを使うと楽に計算できるで!
この回路の合成アドミタンス \( |Y| \) はいくらか?
さすがや!\( 3:4:5 \) パターンを使いこなせてるな。
ほな、合成インピーダンスの虚部を求めてみよう。
この回路の合成インピーダンス \( Z \) の虚部(リアクタンス成分)はいくらか?
次はRC並列回路の電力について学ぼう!
電力の考え方は、RL並列回路と同じや。有効電力は抵抗だけで消費され、コンデンサは電力を消費しない(無効電力のみ)。
コンデンサは電力を「消費」するんやなくて、電源との間で電力を「やりとり」してる。これが無効電力や。
ここで重要なポイント!コンデンサの無効電力は負の値として扱うことが多いんや。これは、コイルの無効電力(正)と区別するためやで。
【無効電力の符号】
・コイル:\( Q_L > 0 \)(無効電力を消費する側)
・コンデンサ:\( Q_C < 0 \)(無効電力を供給する側)
※ ただし、絶対値で表すこともある(問題文で確認)
📌 RC並列回路の電力
⚡ 有効電力 \( P = \frac{V^2}{R} \)(抵抗で消費)
⚡ 無効電力 \( Q_C = \frac{V^2}{X_C} \)(コンデンサで授受)
⚡ 皮相電力 \( S = \sqrt{P^2 + Q_C^2} = VI \)
⚡ 力率 \( \cos\phi = \frac{P}{S} \)(進み)
電力三角形を使って電力の関係を整理しよう!
有効電力 \( P \)、無効電力 \( Q \)、皮相電力 \( S \) の関係は、直角三角形で表すことができる。これを「電力三角形」と呼ぶんや。
RL並列回路では無効電力 \( Q_L \) が下向きやったけど、RC並列回路では \( Q_C \) が上向きになる。これは、電流のベクトル図と同じ関係や。
力率は電力三角形からも求められるで。
【力率と電力の関係】
\( \cos\phi = \frac{P}{S} \)
\( P = S\cos\phi = VI\cos\phi \)
\( Q = S\sin\phi = VI\sin\phi \)
📌 電力三角形のポイント
⚡ \( P \):横軸(有効電力、実際に仕事をする)
⚡ \( Q \):縦軸(無効電力、エネルギーを蓄積・放出)
⚡ \( S \):斜辺(皮相電力、総合的な大きさ)
⚡ RC並列では \( Q_C \) が上向き(コイルとは逆)
電力計算の具体例を見てみよう!
【例題】
\( R = 40 \) Ω と \( X_C = 30 \) Ω のコンデンサが並列に接続され、
\( V = 120 \) V の交流電圧が加えられている。
有効電力 \( P \)、無効電力 \( Q_C \)、皮相電力 \( S \)、力率を求めよ。
【STEP 1】有効電力
\( P = \frac{V^2}{R} = \frac{120^2}{40} = \frac{14400}{40} = 360 \) W
【STEP 2】無効電力
\( Q_C = \frac{V^2}{X_C} = \frac{120^2}{30} = \frac{14400}{30} = 480 \) var
【STEP 3】皮相電力
\( S = \sqrt{P^2 + Q_C^2} = \sqrt{360^2 + 480^2} = \sqrt{129600 + 230400} \)
\( = \sqrt{360000} = 600 \) VA
おっ、ここでも \( 3:4:5 \) パターンやな!\( 360:480:600 = 3:4:5 \) になってる。
【STEP 4】力率
\( \cos\phi = \frac{P}{S} = \frac{360}{600} = 0.6 \)(進み)
並列回路では、\( P = \frac{V^2}{R} \)、\( Q = \frac{V^2}{X} \) で直接計算できるのが楽やな。電圧が共通やから、こういう計算ができるんや。
📌 電力計算のポイント
⚡ 並列回路では \( V \) が共通 → \( P = \frac{V^2}{R} \)、\( Q = \frac{V^2}{X} \)
⚡ \( 3:4:5 \) パターンが頻出!
⚡ 力率には必ず「進み」を明記
ほな、総合問題に挑戦や!
\( R = 20 \) Ω と \( X_C = 15 \) Ω のコンデンサが並列に接続され、\( V = 60 \) V の交流電圧が加えられている。有効電力 \( P \) はいくらか?
惜しかったな!有効電力は抵抗で消費される電力やで。
【計算】
有効電力は抵抗 \( R \) だけで消費される。
コンデンサは電力を消費しない(無効電力のみ)。
\( P = \frac{V^2}{R} = \frac{60^2}{20} = \frac{3600}{20} = 180 \) W
並列回路では、抵抗にかかる電圧 = 電源電圧 \( V \) やから、\( P = \frac{V^2}{R} \) で直接計算できるで!
この回路の無効電力 \( Q_C \) はいくらか?
さすがや!電力計算もバッチリやな。
ほな、皮相電力と力率も求めてみよう。
この回路の皮相電力 \( S \) と力率 \( \cos\phi \) の組み合わせとして正しいのはどれか?
RC並列回路の重要公式を表にまとめておくで!
| 項目 | 公式 |
|---|---|
| 抵抗のアドミタンス | \( Y_R = \frac{1}{R} \) |
| コンデンサのアドミタンス | \( Y_C = j\omega C = j\frac{1}{X_C} \) |
| 合成アドミタンス | \( Y = \frac{1}{R} + j\frac{1}{X_C} \) |
| 合成インピーダンス | \( Z = \frac{1}{Y} \)(虚部は負) |
| 抵抗電流 | \( I_R = \frac{V}{R} \)(電圧と同相) |
| コンデンサ電流 | \( I_C = \frac{V}{X_C} \)(電圧より90°進み) |
| 全電流 | \( I = \sqrt{I_R^2 + I_C^2} \) |
| 力率 | \( \cos\phi = \frac{I_R}{I} = \frac{G}{|Y|} \)(進み) |
| 有効電力 | \( P = \frac{V^2}{R} \) |
| 無効電力 | \( Q_C = \frac{V^2}{X_C} \) |
🔑 RL並列との比較(超重要!)
⚡ RL並列:サセプタンス負、電流遅れ、遅れ力率
⚡ RC並列:サセプタンス正、電流進み、進み力率
⚡ どちらも \( Y = G + jB \) で足し算するだけ!
第32講「RC並列回路」の総まとめや!
今回は、RC並列回路をアドミタンスを使って解析する方法を学んだな。コンデンサのサセプタンスが正になることが、RL並列回路との最大の違いやった。
🎯 この講座で学んだこと
✅ RC並列の構成:電圧が共通、電流が分流
✅ アドミタンス:\( Y = \frac{1}{R} + j\frac{1}{X_C} \)(虚部が正!)
✅ 電流の分流:\( I_R \) は同相、\( I_C \) は90°進み
✅ ベクトル図:電圧を基準に描く、\( I_C \) は上向き
✅ 力率:進み力率、\( \cos\phi = G/|Y| \)
🔑 最も大事なポイント
「コンデンサは正、コイルは負」これさえ覚えておけば、RL並列との違いは完璧に区別できる!次回のRLC並列回路では、この2つを組み合わせた回路を学ぶで。コイルとコンデンサが打ち消し合う効果も出てくるから、楽しみにしといてな!
次回の第33講「RLC並列回路」では、抵抗・コイル・コンデンサの3つが並列に接続された回路を学ぶ。コイルとコンデンサの無効電力が打ち消し合うことで、力率が改善される現象も理解できるようになるで!