アドミタンスで並列回路を攻略しよう!
第31講「RL並列回路」へようこそ!
前回の第30講で、アドミタンスの基本概念を学んだな。アドミタンス \( Y = G + jB \) は並列回路の計算をシンプルにしてくれる強力なツールやった。
今回は、そのアドミタンスを実際に使ってRL並列回路を解析していくで!抵抗 \( R \) とコイル \( L \) が並列に接続された回路は、電験三種でも頻出のパターンや。
「直列回路は解けるけど、並列になると急に難しく感じる…」という人も多いと思う。でも大丈夫!アドミタンスを使えば、並列回路も直列回路と同じくらいシンプルに解けるようになるで。
🎯 この講座で学ぶこと
📘 RL並列回路の構成:回路図と各素子の役割
📗 アドミタンスの計算:\( Y = \frac{1}{R} - j\frac{1}{\omega L} \)
📙 合成インピーダンス:\( Z = \frac{1}{Y} \) の求め方
📕 電流の分流:各枝に流れる電流の計算
📒 ベクトル図:電圧・電流の位相関係
並列回路は「分かれ道」みたいなもんや。電流は抵抗の道とコイルの道、どちらにも流れていく。それぞれの道の「通りやすさ」がアドミタンスで、全体の通りやすさは各道の通りやすさを足し合わせたものになる。これが並列回路でアドミタンスを足し算する理由やねん!
まずはRL並列回路の構成を確認しよう!
RL並列回路は、抵抗 \( R \) とコイル \( L \)(インダクタンス)が並列に接続された回路や。並列接続やから、両方の素子には同じ電圧 \( V \) がかかるのがポイントやで。
この回路のポイントを整理しよう。
【RL並列回路の特徴】
・電圧 \( V \) は \( R \) と \( L \) で共通(並列だから)
・全電流 \( I \) は分流して \( I_R \) と \( I_L \) になる
・\( I = I_R + I_L \)(キルヒホッフの電流則)
直列回路では電流が共通で電圧が分配されたけど、並列回路では電圧が共通で電流が分配されるんや。この違いをしっかり押さえておこう!
📌 RL並列回路の基本
⚡ 並列接続 → 電圧 \( V \) が共通
⚡ 電流は分流:\( I = I_R + I_L \)
⚡ 各素子の電流は独立に計算できる
ほな、各素子のアドミタンスを確認しよう!
前回学んだように、並列回路ではアドミタンスを足し算して合成できる。まずは抵抗 \( R \) とコイル \( L \) それぞれのアドミタンスを求めるで。
【抵抗 R のアドミタンス】
インピーダンス:\( Z_R = R \)
アドミタンス:\( Y_R = \frac{1}{R} \) [S]
→ 実数(コンダクタンス \( G = \frac{1}{R} \))
【コイル L のアドミタンス】
インピーダンス:\( Z_L = j\omega L = jX_L \)
アドミタンス:\( Y_L = \frac{1}{j\omega L} = \frac{1}{jX_L} \)
\( = \frac{1}{jX_L} \times \frac{-j}{-j} = \frac{-j}{X_L} = -j\frac{1}{\omega L} \) [S]
→ 負の虚数(誘導性サセプタンス \( B_L = -\frac{1}{\omega L} \))
ここで重要なのは、コイルのサセプタンスは負の値になるということや。前回も学んだけど、リアクタンス \( X_L \) は正やのに、サセプタンス \( B_L \) は負になる。符号が逆転するんやったな。
📌 各素子のアドミタンス
⚡ 抵抗:\( Y_R = \frac{1}{R} \)(実数、正)
⚡ コイル:\( Y_L = -j\frac{1}{\omega L} \)(虚数、負)
⚡ コイルのサセプタンス \( B_L = -\frac{1}{\omega L} < 0 \)
いよいよ合成アドミタンスを求めるで!
並列回路の最大の利点は、アドミタンスを単純に足し算できることやったな。RL並列回路の合成アドミタンス \( Y \) は、抵抗とコイルのアドミタンスを足すだけや。
この式を \( Y = G + jB \) の形で整理すると:
【合成アドミタンスの成分】
コンダクタンス:\( G = \frac{1}{R} \) [S]
サセプタンス:\( B = -\frac{1}{\omega L} = B_L \) [S](負の値)
RL並列回路の合成アドミタンスは、実部が正(コンダクタンス)、虚部が負(誘導性サセプタンス)になる。これは回路全体が誘導性であることを示してるんや。
【アドミタンスの大きさ】
\( |Y| = \sqrt{G^2 + B^2} = \sqrt{\left(\frac{1}{R}\right)^2 + \left(\frac{1}{\omega L}\right)^2} \) [S]
【アドミタンスの位相角】
\( \theta_Y = \tan^{-1}\frac{B}{G} = \tan^{-1}\frac{-\frac{1}{\omega L}}{\frac{1}{R}} = \tan^{-1}\left(-\frac{R}{\omega L}\right) \)
→ 位相角は負(誘導性だから)
📌 RL並列回路の合成アドミタンス
⚡ \( Y = \frac{1}{R} - j\frac{1}{\omega L} \)
⚡ 実部 \( G = \frac{1}{R} > 0 \)
⚡ 虚部 \( B = -\frac{1}{\omega L} < 0 \)(誘導性)
⚡ 位相角は負(電流が電圧より遅れる)
ほな、合成アドミタンスの計算問題や!
\( R = 10 \) Ω と \( X_L = 10 \) Ω のコイルが並列に接続されている。合成アドミタンス \( Y \) はどれか?
惜しかったな!各素子のアドミタンスを確認しよう。
【計算】
抵抗のアドミタンス:\( Y_R = \frac{1}{R} = \frac{1}{10} = 0.1 \) S
コイルのアドミタンス:\( Y_L = -j\frac{1}{X_L} = -j\frac{1}{10} = -j0.1 \) S
(コイルのサセプタンスは負やで!)
合成:\( Y = Y_R + Y_L = 0.1 - j0.1 \) S
コイルのサセプタンスが負になることを忘れんようにな!
この合成アドミタンスの絶対値 \( |Y| \) に最も近いものはどれか?
さすがや!コイルのサセプタンスが負になることを覚えてたな。
ほな、合成インピーダンスまで求めてみよう。
\( Y = 0.1 - j0.1 \) S のときの合成インピーダンス \( Z \) はどれか?
次は合成インピーダンスを求める方法を見ていこう!
アドミタンス \( Y \) が分かれば、インピーダンス \( Z \) は逆数を取るだけや。ただし、複素数の逆数を取るには分母を有理化する必要があるで。
【合成インピーダンスの計算】
\( Y = G + jB = \frac{1}{R} - j\frac{1}{\omega L} \) のとき
\( Z = \frac{1}{Y} = \frac{1}{G + jB} \)
【分母の有理化】
\( Z = \frac{1}{G + jB} \times \frac{G - jB}{G - jB} = \frac{G - jB}{G^2 + B^2} \)
\( = \frac{G}{G^2 + B^2} - j\frac{B}{G^2 + B^2} \)
ここで、\( B < 0 \)(誘導性)やから、\( -jB \) は正の虚数になる。つまり、合成インピーダンスの虚部は正になって、誘導性リアクタンスを持つことが分かるな。
もう一つ便利な公式がある。RL並列回路の合成インピーダンスは、直接こう書くこともできるんや。
📌 合成インピーダンスの求め方
⚡ 方法①:\( Z = \frac{1}{Y} \)(アドミタンスの逆数)
⚡ 方法②:\( Z = \frac{Z_R \cdot Z_L}{Z_R + Z_L} \)(積÷和)
⚡ RL並列では虚部が正(誘導性)
⚡ 方法①の方が計算が楽なことが多い!
ほな、具体的な計算例で確認しよう!
【例題】
\( R = 6 \) Ω と \( X_L = 8 \) Ω のコイルが並列に接続されている。
合成アドミタンス \( Y \) と合成インピーダンス \( Z \) を求めよ。
【STEP 1】各素子のアドミタンス
\( Y_R = \frac{1}{R} = \frac{1}{6} \) S
\( Y_L = -j\frac{1}{X_L} = -j\frac{1}{8} \) S
【STEP 2】合成アドミタンス
\( Y = Y_R + Y_L = \frac{1}{6} - j\frac{1}{8} \) S
通分すると:\( Y = \frac{4}{24} - j\frac{3}{24} = \frac{4 - j3}{24} \) S
【STEP 3】アドミタンスの大きさ
\( |Y| = \sqrt{\left(\frac{4}{24}\right)^2 + \left(\frac{3}{24}\right)^2} = \frac{\sqrt{16 + 9}}{24} = \frac{5}{24} \) S
【STEP 4】合成インピーダンス
\( Z = \frac{1}{Y} = \frac{24}{4 - j3} = \frac{24(4 + j3)}{(4 - j3)(4 + j3)} = \frac{24(4 + j3)}{16 + 9} \)
\( = \frac{24(4 + j3)}{25} = \frac{96 + j72}{25} = 3.84 + j2.88 \) Ω
または、\( |Z| = \frac{1}{|Y|} = \frac{24}{5} = 4.8 \) Ω と計算してもOKや。
この例は 3:4:5 の三角形パターンを使ってるで!\( \frac{1}{6} : \frac{1}{8} = 4:3 \) やから、アドミタンスの大きさは \( \frac{5}{24} \) S になる。電験ではこういう「きれいな数字」が出ることが多いから、3:4:5 パターンは見逃さんようにな!
📌 計算のポイント
⚡ まずアドミタンスを足し算
⚡ 通分すると計算しやすい
⚡ 3:4:5 パターンを活用
⚡ \( |Z| = \frac{1}{|Y|} \) で検算
ここで電流の分流について学ぼう!
並列回路では、全電流 \( I \) が各枝に分かれて流れる。RL並列回路では、抵抗に流れる電流 \( I_R \) とコイルに流れる電流 \( I_L \) に分流するんや。
並列回路では電圧が共通やから、各枝の電流はオームの法則で簡単に求められる。
【各枝の電流】
抵抗を流れる電流:\( \dot{I}_R = \frac{\dot{V}}{R} = \dot{V} Y_R \)
コイルを流れる電流:\( \dot{I}_L = \frac{\dot{V}}{jX_L} = \dot{V} Y_L \)
【全電流】
\( \dot{I} = \dot{I}_R + \dot{I}_L = \dot{V}(Y_R + Y_L) = \dot{V} Y \)
ここで、電圧 \( \dot{V} \) を基準(位相角0°)にすると、各電流の位相関係が見えてくる。
【位相関係】
・\( \dot{I}_R \):電圧 \( \dot{V} \) と同相(抵抗だから)
・\( \dot{I}_L \):電圧 \( \dot{V} \) より90°遅れ(コイルだから)
・\( \dot{I} \):電圧 \( \dot{V} \) より0°〜90°遅れ(RとLの比率による)
📌 電流の分流
⚡ \( I_R = \frac{V}{R} \)(電圧と同相)
⚡ \( I_L = \frac{V}{X_L} \)(電圧より90°遅れ)
⚡ \( I = \sqrt{I_R^2 + I_L^2} \)(大きさ)
⚡ 全電流は電圧より遅れる(誘導性)
ほな、電流の計算問題や!
\( R = 20 \) Ω と \( X_L = 20 \) Ω のコイルが並列に接続され、\( V = 100 \) V の交流電圧が加えられている。全電流 \( I \) の大きさはいくらか?
惜しかったな!各枝の電流から計算してみよう。
【計算】
抵抗を流れる電流:\( I_R = \frac{V}{R} = \frac{100}{20} = 5 \) A
コイルを流れる電流:\( I_L = \frac{V}{X_L} = \frac{100}{20} = 5 \) A
\( I_R \) と \( I_L \) は90°位相がずれてるから:
\( I = \sqrt{I_R^2 + I_L^2} = \sqrt{5^2 + 5^2} = \sqrt{50} = 5\sqrt{2} \approx 7.07 \) A
\( I_R + I_L = 10 \) A とはならないことに注意!位相が違うからベクトル的に合成する必要があるで。
全電流 \( I \) は電圧 \( V \) に対してどれだけ遅れているか?
さすがや!ベクトル合成を理解してるな。
ほな、力率まで計算してみよう。
この回路の力率 \( \cos\phi \) はいくらか?
ここでRL並列回路のベクトル図の描き方をまとめよう!
並列回路のベクトル図では、電圧 \( V \) を基準にして描くのがポイントや。並列回路では電圧が共通やからな。
【ベクトル図の描き方】
① 電圧 \( \dot{V} \) を基準(横軸の正の向き)に描く
② 抵抗電流 \( \dot{I}_R \) を電圧と同じ向きに描く
③ コイル電流 \( \dot{I}_L \) を電圧から90°遅れた向き(下向き)に描く
④ 全電流 \( \dot{I} = \dot{I}_R + \dot{I}_L \) をベクトル合成で描く
直列回路では電流を基準にしたけど、並列回路では電圧を基準にする。これが直列と並列の大きな違いやな。
📌 ベクトル図のポイント
⚡ 並列回路 → 電圧 \( V \) を基準に描く
⚡ \( I_R \) は \( V \) と同相(同じ向き)
⚡ \( I_L \) は \( V \) より90°遅れ(下向き)
⚡ \( I \) は \( I_R \) と \( I_L \) のベクトル和
⚡ 位相角 \( \phi = \tan^{-1}\frac{I_L}{I_R} \)
ここでRL並列回路の力率について整理しよう!
力率 \( \cos\phi \) は、電圧と電流の位相差 \( \phi \) から計算できるんやったな。RL並列回路では、電流が電圧より遅れるから、遅れ力率になる。
【力率の計算方法①】電流の比から
\( \cos\phi = \frac{I_R}{I} = \frac{I_R}{\sqrt{I_R^2 + I_L^2}} \)
【力率の計算方法②】アドミタンスから
\( \cos\phi = \frac{G}{|Y|} = \frac{G}{\sqrt{G^2 + B^2}} \)
【力率の計算方法③】インピーダンスから
\( \cos\phi = \frac{R_{eq}}{|Z|} \)
(\( R_{eq} \) は合成インピーダンスの実部)
どの方法を使っても同じ答えになるけど、問題で与えられている情報によって使いやすい方法を選ぶとええで。
📌 RL並列回路の力率
⚡ \( \cos\phi = \frac{I_R}{I} = \frac{G}{|Y|} \)
⚡ RL並列 → 遅れ力率
⚡ \( R = X_L \) のとき、\( \cos\phi = \frac{1}{\sqrt{2}} \approx 0.707 \)
⚡ \( R \) が大きいほど力率は高くなる
ここでRL直列回路との比較をしておこう!
同じ \( R \) と \( L \) でも、直列接続と並列接続では特性が違うんや。この違いを理解しておくと、問題を解くときに役立つで。
| 項目 | RL直列回路 | RL並列回路 |
|---|---|---|
| 共通の量 | 電流 \( I \) | 電圧 \( V \) |
| 計算に便利な量 | インピーダンス \( Z \) | アドミタンス \( Y \) |
| 合成公式 | \( Z = R + jX_L \) | \( Y = \frac{1}{R} - j\frac{1}{X_L} \) |
| ベクトル図の基準 | 電流 \( I \) | 電圧 \( V \) |
| 位相関係 | \( V \) が \( I \) より進む | \( I \) が \( V \) より遅れる |
| 力率 | 遅れ力率 | 遅れ力率 |
直列でも並列でも、RL回路は遅れ力率になる点は同じや。これはコイル(誘導性素子)の特性やからな。
覚え方のコツを教えるで!「直列はインピーダンス、並列はアドミタンス」と覚えよう。それぞれの回路で便利な量を使えば、計算が楽になる。直列では \( Z \) を足して、並列では \( Y \) を足す。シンプルやろ?
📌 直列と並列の比較
⚡ 直列:電流共通、\( Z \) を足す
⚡ 並列:電圧共通、\( Y \) を足す
⚡ どちらも RL なら遅れ力率
⚡ ベクトル図の基準が違う
ほな、合成インピーダンスの問題や!
\( R = 6 \) Ω と \( X_L = 8 \) Ω のコイルが並列に接続されている。合成インピーダンスの大きさ \( |Z| \) はいくらか?
惜しかったな!アドミタンスから計算してみよう。
【計算】
\( Y_R = \frac{1}{6} \) S、\( Y_L = -j\frac{1}{8} \) S
\( Y = \frac{1}{6} - j\frac{1}{8} \) S
通分:\( Y = \frac{4}{24} - j\frac{3}{24} = \frac{4 - j3}{24} \) S
\( |Y| = \frac{\sqrt{4^2 + 3^2}}{24} = \frac{5}{24} \) S
\( |Z| = \frac{1}{|Y|} = \frac{24}{5} = 4.8 \) Ω
3:4:5 の三角形パターンを使うと計算が楽になるで!
この回路の合成アドミタンスの絶対値 \( |Y| \) はいくらか?
さすがや!3:4:5 パターンを見抜いたな。
ほな、合成インピーダンスの成分まで求めてみよう。
この回路の合成インピーダンス \( Z \) の虚部(リアクタンス成分)はいくらか?
ここでRL並列回路の周波数特性を見てみよう!
コイルのリアクタンス \( X_L = \omega L = 2\pi f L \) は周波数 \( f \) に比例するんやったな。これがRL並列回路の特性にどう影響するか見てみよう。
【低周波数のとき(\( f \) が小さい)】
・\( X_L = 2\pi f L \) → 小さい
・\( |Y_L| = \frac{1}{X_L} \) → 大きい(コイルに電流が流れやすい)
・回路全体のアドミタンス → 大きい
・回路全体のインピーダンス → 小さい
【高周波数のとき(\( f \) が大きい)】
・\( X_L = 2\pi f L \) → 大きい
・\( |Y_L| = \frac{1}{X_L} \) → 小さい(コイルに電流が流れにくい)
・回路全体のアドミタンス → \( Y_R = \frac{1}{R} \) に近づく
・回路全体のインピーダンス → \( R \) に近づく
つまり、RL並列回路は高周波ではほぼ抵抗のみの特性になり、低周波ではインピーダンスが下がるという特性がある。
📌 周波数特性
⚡ 低周波:\( X_L \) 小 → \( |Z| \) 小
⚡ 高周波:\( X_L \) 大 → \( |Z| \approx R \)
⚡ 周波数が上がるとインピーダンスが増加
⚡ 最終的に \( R \) に漸近する
ここで電験での出題パターンを整理しておこう!
電験三種では、RL並列回路に関する問題がいくつかのパターンで出題される。よくあるパターンを押さえておくと、本番で迷わず解けるようになるで。
【パターン①】合成インピーダンスを求める
与えられる情報:\( R \)、\( X_L \)(または \( L \)、\( f \))
求めるもの:\( Z \) または \( |Z| \)
解法:アドミタンスを足して \( Y \) を求め、\( Z = \frac{1}{Y} \)
【パターン②】各枝の電流を求める
与えられる情報:\( V \)、\( R \)、\( X_L \)
求めるもの:\( I_R \)、\( I_L \)、\( I \)
解法:\( I_R = \frac{V}{R} \)、\( I_L = \frac{V}{X_L} \)、\( I = \sqrt{I_R^2 + I_L^2} \)
【パターン③】力率を求める
与えられる情報:\( R \)、\( X_L \)(または電流値)
求めるもの:\( \cos\phi \)
解法:\( \cos\phi = \frac{I_R}{I} = \frac{G}{|Y|} \)
【パターン④】電力を求める
与えられる情報:\( V \)、\( R \)、\( X_L \)
求めるもの:有効電力 \( P \)、無効電力 \( Q \)
解法:\( P = \frac{V^2}{R} \)(抵抗での消費)、\( Q = \frac{V^2}{X_L} \)(コイルでの授受)
どのパターンでも、まずアドミタンスで考えるのが並列回路攻略のコツや!
📌 電験頻出パターン
⚡ 合成インピーダンス → アドミタンスから
⚡ 各枝の電流 → オームの法則
⚡ 力率 → \( \cos\phi = G/|Y| \)
⚡ 電力 → 抵抗で消費、コイルで授受
最後に電験本番レベルの問題を解いてみよう!
【例題】
周波数 \( f = 50 \) Hz の交流電源(\( V = 200 \) V)に、\( R = 40 \) Ω の抵抗と \( L = 0.1 \) H のコイルが並列に接続されている。
① 合成インピーダンスの大きさ \( |Z| \) を求めよ。
② 全電流の大きさ \( |I| \) を求めよ。
③ 回路の力率を求めよ。
【解答】
準備:リアクタンスの計算
\( X_L = 2\pi f L = 2\pi \times 50 \times 0.1 = 10\pi \approx 31.4 \) Ω
①合成インピーダンス
\( Y = \frac{1}{R} - j\frac{1}{X_L} = \frac{1}{40} - j\frac{1}{31.4} = 0.025 - j0.0318 \) S
\( |Y| = \sqrt{0.025^2 + 0.0318^2} = \sqrt{0.00164} \approx 0.0405 \) S
\( |Z| = \frac{1}{|Y|} \approx \frac{1}{0.0405} \approx 24.7 \) Ω
②全電流
\( |I| = \frac{V}{|Z|} = \frac{200}{24.7} \approx 8.1 \) A
(または \( |I| = V \times |Y| = 200 \times 0.0405 \approx 8.1 \) A)
③力率
\( \cos\phi = \frac{G}{|Y|} = \frac{0.025}{0.0405} \approx 0.617 \)(遅れ)
ほな、総合問題に挑戦や!
\( R = 30 \) Ω と \( X_L = 40 \) Ω のコイルが並列に接続され、\( V = 120 \) V の交流電圧が加えられている。有効電力 \( P \) はいくらか?
惜しかったな!有効電力は抵抗で消費される電力やで。
【計算】
有効電力は抵抗 \( R \) だけで消費される。
コイルは電力を消費しない(無効電力のみ)。
\( P = \frac{V^2}{R} = \frac{120^2}{30} = \frac{14400}{30} = 480 \) W
並列回路では、抵抗にかかる電圧 = 電源電圧 \( V \) やから、\( P = \frac{V^2}{R} \) で直接計算できるで!
この回路の無効電力 \( Q \) はいくらか?
さすがや!電力計算もバッチリやな。
ほな、皮相電力と力率も求めてみよう。
この回路の皮相電力 \( S \) と力率 \( \cos\phi \) の組み合わせとして正しいのはどれか?
RL並列回路の重要公式を表にまとめておくで!
| 項目 | 公式 |
|---|---|
| 抵抗のアドミタンス | \( Y_R = \frac{1}{R} \) |
| コイルのアドミタンス | \( Y_L = -j\frac{1}{\omega L} = -j\frac{1}{X_L} \) |
| 合成アドミタンス | \( Y = \frac{1}{R} - j\frac{1}{X_L} \) |
| 合成インピーダンス | \( Z = \frac{1}{Y} \) |
| 抵抗電流 | \( I_R = \frac{V}{R} \)(電圧と同相) |
| コイル電流 | \( I_L = \frac{V}{X_L} \)(電圧より90°遅れ) |
| 全電流 | \( I = \sqrt{I_R^2 + I_L^2} \) |
| 力率 | \( \cos\phi = \frac{I_R}{I} = \frac{G}{|Y|} \)(遅れ) |
| 有効電力 | \( P = \frac{V^2}{R} \) |
| 無効電力 | \( Q = \frac{V^2}{X_L} \) |
🔑 第31講の重要ポイント
⚡ 並列回路 → アドミタンスを足し算
⚡ コイルのサセプタンスは負(\( B_L < 0 \))
⚡ RL並列は遅れ力率
⚡ 電流はベクトル合成で求める
⚡ 有効電力は抵抗のみで消費
第31講「RL並列回路」の総まとめや!
今回は、アドミタンスを使ってRL並列回路を解析する方法を学んだな。並列回路ではアドミタンスを足し算するだけで合成できるから、計算がめっちゃ楽になるんやった。
🎯 この講座で学んだこと
✅ RL並列の構成:電圧が共通、電流が分流
✅ アドミタンス:\( Y = \frac{1}{R} - j\frac{1}{X_L} \)
✅ 電流の分流:\( I_R \) は同相、\( I_L \) は90°遅れ
✅ ベクトル図:電圧を基準に描く
✅ 力率:遅れ力率、\( \cos\phi = G/|Y| \)
🔑 最も大事なポイント
「並列回路はアドミタンスで攻略!」これを覚えておけば、どんな並列回路でも解けるようになるで。次回以降も、同じ考え方でRC並列、RLC並列と進んでいこう!
次回の第32講「RC並列回路」では、抵抗とコンデンサの並列回路を学ぶで。コンデンサのサセプタンスは正になるから、コイルとは逆の特性を持つ。しっかり比較しながら学んでいこう!