三相交流

二電力計法|三相電力の測定原理と計算【電験三種 理論】

2台の電力計で三相電力と力率を測定する方法をマスター!

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ようこそ!第22講「二電力計法」へ!

前回の第21講では、三相回路の力率と力率改善について学んだな。今日は三相電力を実際に測定する方法について学んでいくで!

ところで、三相電力を測定するとき、ふつうに考えたら電力計が3台必要やと思うやろ?でも実は、たった2台の電力計で三相電力が測れる方法があるんや。それが今日学ぶ「二電力計法」や!

🎯 この講座で学ぶこと

📘 二電力計法の原理:なぜ2台で三相電力が測れるのか

📗 結線方法:電力計をどう接続するか

📙 電力の計算:\( P = P_1 + P_2 \) の使い方

📕 力率の計算:\( \tan\phi \) を求める公式

📔 特殊な場合:力率1、0.5、0のときの電力計の読み

二電力計法は、「3人分の仕事量を2人の報告から計算する」みたいなもんや。たとえば、3人がそれぞれ何個の荷物を運んだか知りたいとき、全員に聞かなくても、2人に聞けば残り1人の分も計算で分かる場合があるやろ?それと同じ原理を使うんや。

電験三種では、二電力計法の結線図から電力を求める問題や、電力計の読みから力率を求める問題がよく出るで。しっかりマスターしていこう!

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まずは二電力計法の原理を理解しよう!

普通、三相回路の電力を測るには、各相に1台ずつ電力計を接続して、3台分の読みを足せばええわけや。でも、三相3線式回路(中性線がない回路)では、2台の電力計だけで全電力を測定できるんや。

なんでそんなことができるんやろ?その秘密はキルヒホッフの電流則にあるんや。三相3線式回路では、3本の線を流れる電流の和は常にゼロになる。つまり:

\( I_a + I_b + I_c = 0 \)
対称三相回路では、3相の電流の瞬時値の和は常にゼロ

この関係を使うと、3相のうち1相の電流は、残り2相の電流から計算できることになるんや。せやから、電力も2台分の測定で全体が分かるってわけや。

なぜ2台で測れるのか? 三相3線式の性質 3本の電線を流れる電流の和 Ia + Ib + Ic = 0 1相の電流は他の2相から 計算できる! 二電力計法の原理 電力計3台 → 電力計2台 P = P₁ + P₂ 2台の電力計の読みを 足すだけで三相電力が分かる!

二電力計法が使える条件

三相3線式の回路であること

・負荷は平衡(対称)でも不平衡でもOK

・Y結線でもΔ結線でも適用可能

※ 三相4線式(中性線あり)には使えないので注意!

次のステップで、実際にどうやって電力計を接続するか見ていこう!

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次は二電力計法の結線方法を学ぼう!

電力計には2つの端子があるんや。1つは電流コイル(電流を測る部分)、もう1つは電圧コイル(電圧を測る部分)や。

二電力計法では、この2台の電力計を次のように接続するんや:

二電力計法の結線図 三相 電源 a相 電力計 W₁ Ia b相 Ib (共通線・基準) c相 電力計 W₂ Ic Vab Vcb 三相 負荷 電力計の電流コイル:各相の電流を測定 電力計の電圧コイル:b相を共通にして線間電圧を測定

結線のポイント

【電力計 \( W_1 \)】

・電流コイル:a相の電流 \( I_a \) を測定

・電圧コイル:a-b間の線間電圧 \( V_{ab} \) を測定

【電力計 \( W_2 \)】

・電流コイル:c相の電流 \( I_c \) を測定

・電圧コイル:c-b間の線間電圧 \( V_{cb} \) を測定

b相が共通の基準線になっている!

📌 覚えておくポイント

⚡ 電力計は2台使用する

⚡ 3相のうち1相(b相)を共通線として使う

⚡ 残り2相(a相とc相)に電力計を接続

⚡ 電圧コイルは共通線(b相)を基準に接続

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さあ、ここからが本題や。\( P = P_1 + P_2 \) がなぜ成り立つのか、導出していこう!

電力計の読みは「電圧 × 電流 × 力率」やったな。各電力計が何を測っているか、瞬時値で考えてみよう。

各電力計の読み(瞬時電力)

電力計 \( W_1 \) の瞬時電力:

\( p_1 = v_{ab} \cdot i_a \)

電力計 \( W_2 \) の瞬時電力:

\( p_2 = v_{cb} \cdot i_c \)

ここで、線間電圧を相電圧で表すと...

線間電圧と相電圧の関係

\( v_{ab} = v_a - v_b \)(a相とb相の電圧の差)

\( v_{cb} = v_c - v_b \)(c相とb相の電圧の差)

これを使って \( p_1 + p_2 \) を計算すると...

2つの電力計の和

\( p_1 + p_2 = v_{ab} \cdot i_a + v_{cb} \cdot i_c \)

\( = (v_a - v_b) \cdot i_a + (v_c - v_b) \cdot i_c \)

\( = v_a \cdot i_a + v_c \cdot i_c - v_b \cdot (i_a + i_c) \)

ここで、\( i_a + i_b + i_c = 0 \) より \( i_a + i_c = -i_b \) だから:

\( = v_a \cdot i_a + v_c \cdot i_c - v_b \cdot (-i_b) \)

\( = v_a \cdot i_a + v_b \cdot i_b + v_c \cdot i_c \)

→ これは三相全体の瞬時電力そのものや!

つまり、2台の電力計の読みを足すだけで、三相全体の電力が求められるんや!

\( P = P_1 + P_2 \)
\( P \):三相電力 [W]、\( P_1 \)・\( P_2 \):各電力計の読み [W]
二電力計法の基本公式 P = P₁ + P₂ 電力計W₁の読み P₁ = VabIa cosθ₁ 電力計W₂の読み P₂ = VcbIc cosθ₂

📌 導出のポイント

⚡ キルヒホッフの電流則 \( I_a + I_b + I_c = 0 \) を利用

⚡ 2台の電力計の和が三相電力の式と一致する

⚡ この公式は負荷が不平衡でも成立する

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よっしゃ、ここで確認問題や!

二電力計法の基本を確認するで。

🧠 問題1(10点)

二電力計法で三相電力を測定したところ、電力計 \( W_1 \) の読みが \( 500 \) W、電力計 \( W_2 \) の読みが \( 300 \) W であった。三相電力 \( P \) [W] はいくらか。

サポートルート

二電力計法の基本公式を確認しよか。

二電力計法の公式

三相電力 \( P \) は、2台の電力計の読みを足すだけ!

\( P = P_1 + P_2 \)

今回は \( P_1 = 500 \) W、\( P_2 = 300 \) W やから...

🔄 確認問題

\( P = 500 + 300 = \) ? W

発展ルート

さすがや!発展問題いくで。

二電力計法の特殊なケースを考えてみよう。

🔥 発展問題(15点)

二電力計法で三相電力を測定したところ、電力計 \( W_1 \) の読みが \( 600 \) W、電力計 \( W_2 \) の読みが \( -200 \) W(逆振れ)であった。三相電力 \( P \) [W] はいくらか。

💡 ヒント:電力計が逆振れ(マイナス)する場合も、公式 \( P = P_1 + P_2 \) はそのまま使える

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次は、二電力計法のもう一つの重要な使い方を学ぼう!

実は、二電力計法では三相電力だけやなくて、力率も求められるんや!これがめちゃくちゃ便利なポイントやで。

なんでそんなことができるんやろ?秘密は、2台の電力計の読みの「差」にあるんや。

2台の電力計の読み(平衡三相負荷の場合)

対称三相回路で負荷の力率角が \( \phi \) のとき:

\( P_1 = V_L I_L \cos(30° - \phi) \)

\( P_2 = V_L I_L \cos(30° + \phi) \)

※ \( V_L \):線間電圧、\( I_L \):線電流

この2つの式を見ると、\( P_1 \) と \( P_2 \) の値は力率角 \( \phi \) によって変わることが分かるな。力率角が大きくなると(力率が悪くなると)、2台の読みの差が大きくなるんや。

力率角と電力計の読みの関係 Vab Vcb Ia 30° 30° φ 読みの関係 W₁:Vab と Ia のなす角 → (30° − φ) W₂:Vcb と Ic のなす角 → (30° + φ) φ が大きい(力率悪い) → P₁ と P₂ の差が大きい

📌 ポイント

⚡ 電力計 \( W_1 \) は \( (30° - \phi) \) の角度で電力を測る

⚡ 電力計 \( W_2 \) は \( (30° + \phi) \) の角度で電力を測る

⚡ 力率角 \( \phi \) が大きいほど、2台の読みの差が大きくなる

⚡ この関係を使って力率を計算できる!

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ほな、力率を求める公式を導出しよう!

さっきの2つの式を使って、\( P_1 + P_2 \) と \( P_1 - P_2 \) を計算してみるで。

P₁ + P₂ の計算

\( P_1 + P_2 = V_L I_L \cos(30° - \phi) + V_L I_L \cos(30° + \phi) \)

和積の公式 \( \cos A + \cos B = 2\cos\frac{A+B}{2}\cos\frac{A-B}{2} \) を使うと:

\( = 2 V_L I_L \cos 30° \cos \phi \)

\( = 2 V_L I_L \times \frac{\sqrt{3}}{2} \times \cos \phi \)

\( = \sqrt{3} V_L I_L \cos \phi \)

→ これは三相電力 \( P \) の公式そのもの!

P₁ − P₂ の計算

\( P_1 - P_2 = V_L I_L \cos(30° - \phi) - V_L I_L \cos(30° + \phi) \)

和積の公式 \( \cos A - \cos B = -2\sin\frac{A+B}{2}\sin\frac{A-B}{2} \) を使うと:

\( = 2 V_L I_L \sin 30° \sin \phi \)

\( = 2 V_L I_L \times \frac{1}{2} \times \sin \phi \)

\( = V_L I_L \sin \phi \)

ここで、\( \frac{P_1 - P_2}{P_1 + P_2} \) を計算すると...

tanφ の導出

\( \frac{P_1 - P_2}{P_1 + P_2} = \frac{V_L I_L \sin\phi}{\sqrt{3} V_L I_L \cos\phi} \)

\( = \frac{\sin\phi}{\sqrt{3} \cos\phi} = \frac{\tan\phi}{\sqrt{3}} \)

よって:

\( \tan\phi = \sqrt{3} \times \frac{P_1 - P_2}{P_1 + P_2} \)

\( \tan\phi = \sqrt{3} \times \frac{P_1 - P_2}{P_1 + P_2} \)
この式から力率角 \( \phi \) が求まり、\( \cos\phi \) で力率が分かる
二電力計法による力率計算 tanφ = √3 × (P₁ − P₂) / (P₁ + P₂) ① 電力計の読み P₁, P₂ を測定 ② tanφ を計算 ③ cosφ を求める (力率が分かる)

📌 二電力計法の2つの公式

⚡ 三相電力:\( P = P_1 + P_2 \)(を使う)

⚡ 力率角:\( \tan\phi = \sqrt{3} \times \frac{P_1 - P_2}{P_1 + P_2} \)(差と和を使う)

⚡ この2つの公式で、電力と力率の両方が求められる!

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二電力計法には、覚えておくべき特殊なケースがあるんや!

力率によって、2台の電力計の読みがどう変わるか見てみよう。これは電験三種で超頻出やで!

力率 \( \cos\phi \) 力率角 \( \phi \) \( P_1 \) と \( P_2 \) の関係 特徴
1.0(100%) \( P_1 = P_2 \) 2台の読みが等しい
0.866(86.6%) 30° \( P_2 = \frac{1}{2} P_1 \) \( P_2 \) は \( P_1 \) の半分
0.5(50%) 60° \( P_2 = 0 \) 1台の読みがゼロ
0(0%) 90° \( P_1 = -P_2 \) 2台の読みが逆符号
力率と電力計の読みの関係 力率 1.0 φ = 0° P₁ P₂ P₁ = P₂ 力率 0.866 φ = 30° P₁ P₂ P₂ = ½P₁ 力率 0.5 φ = 60° P₁ P₂=0 P₂ = 0 力率 0 φ = 90° +P₁ −P₂ P₁ = −P₂ 📌 電験三種で頻出のパターン • 力率 1.0 → P₁ = P₂(等しい)→ P = 2P₁ = 2P₂ • 力率 0.5 → P₂ = 0(ゼロ)→ P = P₁(1台だけで測れる!) • 力率 0 → P₁ = −P₂(逆符号)→ P = 0(有効電力ゼロ) ※ 力率0.5未満では一方の電力計が逆振れ(マイナス)する

力率0.5が境界線になってるんや。力率が0.5より悪くなると、片方の電力計がマイナスを示す(逆振れする)。これは「電気が行ったり来たりしすぎて、一方の電力計には逆向きに見える」みたいなイメージやな。

📌 覚えておくべき特殊ケース

⚡ \( \cos\phi = 1 \)(\( \phi = 0° \))→ \( P_1 = P_2 \)

⚡ \( \cos\phi = 0.5 \)(\( \phi = 60° \))→ \( P_2 = 0 \)

⚡ \( \cos\phi = 0 \)(\( \phi = 90° \))→ \( P_1 = -P_2 \)

⚡ \( \cos\phi < 0.5 \) では電力計が逆振れする

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よっしゃ、確認問題や!

特殊なケースについて確認するで。

🧠 問題2(10点)

二電力計法で三相電力を測定したところ、2台の電力計の読みが等しく、どちらも \( 400 \) W を示した。この三相負荷の力率 \( \cos\phi \) はいくらか。

サポートルート

特殊なケースを確認しよか。

電力計の読みと力率の関係

・\( P_1 = P_2 \)(等しい)→ 力率 \( \cos\phi = 1.0 \)

・\( P_2 = 0 \)(一方がゼロ)→ 力率 \( \cos\phi = 0.5 \)

・\( P_1 = -P_2 \)(逆符号)→ 力率 \( \cos\phi = 0 \)

今回は \( P_1 = P_2 = 400 \) W で等しいから...

🔄 確認問題

\( P_1 = P_2 \) のとき、力率 \( \cos\phi \) は?

発展ルート

さすがや!発展問題いくで。

力率を計算で求めてみよう。

🔥 発展問題(15点)

二電力計法で三相電力を測定したところ、\( P_1 = 500 \) W、\( P_2 = 100 \) W であった。\( \tan\phi \) の値はいくらか。

💡 ヒント:\( \tan\phi = \sqrt{3} \times \frac{P_1 - P_2}{P_1 + P_2} \)

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ここで、具体的な計算例を見てみよう!

電験三種でよく出るパターンの計算を練習しておくで。

【例題1】三相電力と力率を求める

二電力計法で三相電力を測定した。

\( P_1 = 800 \) W、\( P_2 = 200 \) W のとき、

三相電力 \( P \) と力率 \( \cos\phi \) を求めよ。

【解答】

① 三相電力 \( P \)

\( P = P_1 + P_2 = 800 + 200 = 1000 \) W

② 力率角の計算

\( \tan\phi = \sqrt{3} \times \frac{P_1 - P_2}{P_1 + P_2} \)

\( = \sqrt{3} \times \frac{800 - 200}{800 + 200} \)

\( = \sqrt{3} \times \frac{600}{1000} \)

\( = \sqrt{3} \times 0.6 = 1.039 \)

③ 力率の計算

\( \tan\phi = 1.039 \) より \( \phi \approx 46.1° \)

\( \cos\phi = \cos 46.1° \approx 0.694 \)

答え:\( P = 1000 \) W、\( \cos\phi \approx 0.69 \)

【例題2】電力計の読みが一方ゼロの場合

二電力計法で測定したところ、\( P_1 = 600 \) W、\( P_2 = 0 \) W であった。

三相電力 \( P \) と力率 \( \cos\phi \) を求めよ。

【解答】

① 三相電力:\( P = 600 + 0 = 600 \) W

② \( P_2 = 0 \) は力率 0.5 の特殊ケース!

∴ \( \cos\phi = 0.5 \)

(検算)\( \tan\phi = \sqrt{3} \times \frac{600 - 0}{600 + 0} = \sqrt{3} \)

\( \phi = 60° \) → \( \cos 60° = 0.5 \) ✓

📌 計算のコツ

⚡ まず \( P_1 \) と \( P_2 \) の大小関係を確認

⚡ 特殊ケース(等しい、一方ゼロ、逆符号)なら暗記で即答

⚡ 一般の場合は公式で \( \tan\phi \) を計算

⚡ \( \tan\phi \) から \( \cos\phi \) を求める(三角関数の関係を使う)

よし、ここまでで二電力計法の基本は完璧や!後半では、さらに実践的な問題に挑戦していくで。

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ここからは電力計が逆振れする場合について詳しく見ていこう!

さっき、力率が0.5より悪いと電力計がマイナスを示すって言ったな。これは実際の測定でもよく起こることなんや。

なんで逆振れするんやろ?それは、力率角 \( \phi \) が大きくなると、電力計 \( W_2 \) が測定する角度 \( (30° + \phi) \) が \( 90° \) を超えてしまうからなんや。

逆振れが起こる条件

電力計 \( W_2 \) は角度 \( (30° + \phi) \) で電力を測る。

\( 30° + \phi > 90° \) のとき、つまり \( \phi > 60° \) のとき、

\( \cos(30° + \phi) < 0 \) となり、\( P_2 < 0 \)(逆振れ)

\( \phi = 60° \) は \( \cos\phi = 0.5 \) に対応するから、

力率 0.5 未満で逆振れが発生!

電力計の逆振れと対処法 逆振れが起こる条件 力率 cosφ < 0.5 (力率角 φ > 60°) 対処法 電流コイルの接続を 逆にして測定し直す 逆振れ時の計算方法 読みが逆振れしたら、その値をマイナスとして計算 P = P₁ + (−|P₂|) = P₁ − |P₂|

【例】逆振れがある場合の計算

\( W_1 \) の読み:\( 700 \) W

\( W_2 \) の読み:逆振れして \( 100 \) W(接続を逆にして測定)

→ \( P_2 = -100 \) W として計算

\( P = P_1 + P_2 = 700 + (-100) = 600 \) W

\( \tan\phi = \sqrt{3} \times \frac{700 - (-100)}{700 + (-100)} = \sqrt{3} \times \frac{800}{600} = \frac{4\sqrt{3}}{3} \)

📌 逆振れのポイント

⚡ 力率 0.5 未満で \( W_2 \) が逆振れする

⚡ 実際の測定では、接続を逆にして正の値を読む

⚡ 計算では、その値をマイナスとして扱う

⚡ 公式 \( P = P_1 + P_2 \) はそのまま使える(\( P_2 \) が負になるだけ)

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二電力計法の適用範囲と注意点を整理しておこう!

二電力計法は非常に便利な測定法やけど、使える条件と使えない条件があるんや。ここをしっかり押さえておくことが大事やで。

二電力計法の適用条件 ✓ 使える場合 • 三相3線式回路 • Y結線、Δ結線どちらもOK • 平衡負荷、不平衡負荷どちらもOK • 電源側・負荷側どちらでも測定可 ✗ 使えない場合 • 三相4線式回路 (中性線に電流が流れる場合) • 単相回路 (そもそも三相じゃない) 💡 なぜ三相4線式には使えないの? 三相4線式では中性線(N線)に電流が流れることがある。 このとき Ia + Ib + Ic ≠ 0 となり、二電力計法の前提が崩れる。

電験三種でのポイント

問題文に「三相3線式」とあれば二電力計法が使える!

【よくある問題パターン】

・「二電力計法で測定した」→ 三相3線式の前提

・「\( P_1 = ○○ \) W、\( P_2 = △△ \) W」→ 電力と力率を求める

・「力率が0.5のとき、電力計の読みは?」→ 特殊ケースの知識

ちなみに、不平衡負荷(3相の負荷が異なる場合)でも二電力計法は使えるんやで。これは「3人の報告から全体の仕事量を計算する」のと同じで、一人ひとりの仕事量が違っても、2人の報告があれば全体は計算できるってことや。ただし、力率を求める公式は平衡負荷の場合にしか使えないから注意やで。

📌 まとめ:二電力計法の特徴

三相3線式回路専用の測定法

⚡ \( P = P_1 + P_2 \) は平衡・不平衡どちらでも成立

⚡ \( \tan\phi = \sqrt{3} \frac{P_1 - P_2}{P_1 + P_2} \) は平衡負荷のみ適用可

⚡ 中性線がある三相4線式には使えない

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よっしゃ、確認問題や!

力率を計算で求める問題にチャレンジするで。

🧠 問題3(10点)

二電力計法で平衡三相負荷の電力を測定したところ、\( P_1 = 1000 \) W、\( P_2 = 0 \) W であった。この負荷の力率 \( \cos\phi \) はいくらか。

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特殊なケースを思い出してみよう。

電力計の読みと力率(特殊ケース)

・\( P_1 = P_2 \)(等しい)→ \( \cos\phi = 1.0 \)

\( P_2 = 0 \)(一方がゼロ)→ \( \cos\phi = 0.5 \)

・\( P_1 = -P_2 \)(逆符号)→ \( \cos\phi = 0 \)

今回は \( P_2 = 0 \) だから...?

🔄 確認問題

\( P_2 = 0 \) のとき、力率 \( \cos\phi \) は?

発展ルート

さすがや!発展問題いくで。

逆振れがある場合の計算をやってみよう。

🔥 発展問題(15点)

二電力計法で三相電力を測定したところ、\( W_1 \) は \( 500 \) W を示し、\( W_2 \) は逆振れして \( 100 \) W を示した(接続を逆にして測定)。三相電力 \( P \) [W] はいくらか。

💡 ヒント:逆振れした値はマイナスとして計算する

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三相電力の測定法を比較しておこう!

二電力計法以外にも三相電力を測定する方法があるんや。それぞれの特徴を知っておくと、問題で使い分けができるようになるで。

測定法 電力計の数 適用条件 特徴
一電力計法 1台 平衡負荷のみ \( P = 3 \times \)(1台の読み)
二電力計法 2台 三相3線式
(平衡・不平衡OK)
\( P = P_1 + P_2 \)
力率も測定可能
三電力計法 3台 三相4線式
(平衡・不平衡OK)
\( P = P_1 + P_2 + P_3 \)
測定法の選び方 三相電力を測定したい 三相3線式? or 三相4線式? 三相3線式 → 二電力計法(2台) 三相4線式 → 三電力計法(3台)

一電力計法(参考)

平衡三相負荷の場合、各相の電力は等しい。

せやから、1相分だけ測定して3倍すれば全電力が分かる。

\( P = 3 \times P_{1相} \)

ただし、不平衡負荷には使えないので、

実用上は二電力計法が最もよく使われる

📌 測定法の選び方

三相3線式二電力計法(最も一般的)

⚡ 三相4線式 → 三電力計法

⚡ 平衡負荷のみ → 一電力計法でも可

⚡ 電験三種では二電力計法が圧倒的に頻出!

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電験三種の頻出パターンをまとめておこう!

二電力計法の問題は、いくつかのパターンに分類できるんや。パターンを知っておけば、本番で迷わずに解けるで。

電験三種 頻出パターン パターン① P₁, P₂ から電力を求める P = P₁ + P₂ 単純な足し算でOK パターン② P₁, P₂ から力率を求める tanφ = √3(P₁−P₂)/(P₁+P₂) tanφ → cosφ に変換 パターン③ 特殊ケースの判定 P₁ = P₂ → cosφ = 1 P₂ = 0 → cosφ = 0.5 パターン④ 逆振れがある場合 P₂ をマイナスで計算 cosφ < 0.5 の判定 パターン⑤(応用) 力率から P₁, P₂ の比を求める cosφ → tanφ → (P₁−P₂)/(P₁+P₂) → P₁:P₂

【覚えておくと便利】tanφ → cosφ の変換

\( \cos\phi = \frac{1}{\sqrt{1 + \tan^2\phi}} \)

または、電卓で \( \phi = \tan^{-1}(\tan\phi) \) を求めてから \( \cos\phi \) を計算

【よく出る値】

・\( \tan\phi = 0 \) → \( \cos\phi = 1 \)

・\( \tan\phi = \frac{\sqrt{3}}{3} \approx 0.577 \) → \( \cos\phi = 0.866 \)

・\( \tan\phi = \sqrt{3} \approx 1.732 \) → \( \cos\phi = 0.5 \)

📌 試験対策のポイント

⚡ まず「何を求めるか」を確認(電力?力率?)

⚡ 特殊ケース(P₁=P₂、P₂=0)なら即答できる

⚡ 一般の場合は公式に代入して計算

⚡ 逆振れがあれば、その値をマイナスで扱う

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最終問題の前に、公式を整理しておこう!

二電力計法で使う公式は、実はそんなに多くないんや。ここでしっかり頭に入れておこう。

二電力計法 公式まとめ 【三相電力】 P = P₁ + P₂ 【力率角】 tanφ = √3(P₁−P₂)/(P₁+P₂) P₁ = V_L I_L cos(30°−φ) P₂ = V_L I_L cos(30°+φ) ※ これらは平衡三相負荷の場合 特殊ケース(暗記必須!) • cosφ = 1.0(φ = 0°) P₁ = P₂ • cosφ = 0.5(φ = 60°) P₂ = 0 • cosφ = 0(φ = 90°) P₁ = −P₂

覚え方のコツ

【電力】→ を使う:\( P = P_1 + P_2 \)

【力率】→ 差と和の比を使う:\( \tan\phi = \sqrt{3} \times \frac{差}{和} \)

電力は足す、力率は差÷和に√3」と覚えよう!

📌 試験直前チェック

✅ \( P = P_1 + P_2 \)(電力は足し算)

✅ \( \tan\phi = \sqrt{3} \times \frac{P_1 - P_2}{P_1 + P_2} \)(力率角の計算)

✅ \( P_1 = P_2 \) → 力率 1.0

✅ \( P_2 = 0 \) → 力率 0.5

✅ 力率 < 0.5 → 逆振れあり

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よっしゃ、最終問題や!

総合的な計算問題にチャレンジするで。

🧠 問題4(10点)

二電力計法で平衡三相負荷の電力を測定したところ、\( P_1 = 1200 \) W、\( P_2 = 400 \) W であった。三相電力 \( P \) [W] と \( \tan\phi \) の値を求め、正しい組み合わせを選べ。

サポートルート

順番に計算していこう。

計算の手順

① 三相電力 \( P \):

\( P = P_1 + P_2 = 1200 + 400 = 1600 \) W

② 力率角 \( \tan\phi \):

\( \tan\phi = \sqrt{3} \times \frac{P_1 - P_2}{P_1 + P_2} \)

\( = \sqrt{3} \times \frac{1200 - 400}{1200 + 400} \)

\( = \sqrt{3} \times \frac{800}{1600} = \sqrt{3} \times \frac{1}{2} \)

🔄 確認問題

\( P = 1600 \) W、\( \tan\phi = \sqrt{3} \times \frac{1}{2} = \frac{\sqrt{3}}{2} \) やな。正しい組み合わせは?

発展ルート

さすがや!発展問題いくで。

力率も計算してみよう。

🔥 発展問題(15点)

先ほどの問題(\( P_1 = 1200 \) W、\( P_2 = 400 \) W)で、\( \tan\phi = \frac{\sqrt{3}}{2} \) であった。このとき、力率 \( \cos\phi \) の値はいくらか。

💡 ヒント:\( \cos\phi = \frac{1}{\sqrt{1 + \tan^2\phi}} \) または \( \tan\phi = \frac{\sqrt{3}}{2} \) から \( \phi \) を求める

メインルート

お疲れさま!二電力計法、よく頑張ったな!

今日学んだ二電力計法は、電験三種の三相交流分野で超重要なテーマや。実際の試験では、電力計の読みから電力や力率を求める問題がよく出るから、しっかり復習しておいてな!

🎯 今日学んだこと(最終確認)

✅ 二電力計法の原理(\( I_a + I_b + I_c = 0 \) を利用)

✅ 結線方法(2台の電力計、b相を共通線に)

✅ 三相電力:\( P = P_1 + P_2 \)

✅ 力率角:\( \tan\phi = \sqrt{3} \times \frac{P_1 - P_2}{P_1 + P_2} \)

✅ 特殊ケース(\( P_1 = P_2 \)、\( P_2 = 0 \)、\( P_1 = -P_2 \))

✅ 逆振れの対処法(マイナスとして計算)

次の第23講では、「三相電力の計算問題」について学ぶで。Y結線・Δ結線の様々な三相電力計算を実践的に練習していこう!今日学んだ二電力計法も含めて、総合的な計算力を身につけていくで。

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第22講「二電力計法」、これで完了や!

最後に、今日の講座で学んだ最重要ポイントをもう一度確認しておこう。

二電力計法 最終チェックシート 【原理】 三相3線式で Ia + Ib + Ic = 0 を利用 → 電力計2台で三相電力が測れる 【公式】 P = P₁ + P₂ tanφ = √3 × (P₁−P₂)/(P₁+P₂) 【特殊ケース】 cosφ = 1.0 P₁ = P₂ cosφ = 0.5 P₂ = 0 cosφ = 0 P₁ = −P₂ 【注意点】 • 三相3線式専用(三相4線式には使えない) • cosφ < 0.5 で逆振れ(マイナスで計算) • P = P₁ + P₂ は不平衡負荷でも成立 • tanφの公式は平衡負荷のみ適用可

これでPart 4「三相電力と測定」の4講目が終了や。次回は三相電力の計算問題を集中的に練習していくで。今日の内容をしっかり復習して、次に備えよう!

🎉 第22講 完了!

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📊 学習内容の振り返り

  • ✅ 二電力計法の原理(\( I_a + I_b + I_c = 0 \))
  • ✅ 結線方法(b相を共通線に、a相とc相に電力計)
  • ✅ 三相電力:\( P = P_1 + P_2 \)
  • ✅ 力率角:\( \tan\phi = \sqrt{3} \times \frac{P_1 - P_2}{P_1 + P_2} \)
  • ✅ 特殊ケース(力率1、0.5、0)
  • ✅ 逆振れの対処法