三相交流

有効・無効・皮相電力|三相のP・Q・S計算を完全理解【電験三種 理論】

電力の3兄弟 P・Q・S の関係を電力三角形で完全マスター!

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ようこそ!第20講「有効・無効・皮相電力」へ!

前回の第19講では、三相電力の基本公式 \( P = \sqrt{3} V_L I_L \cos\phi \) を学んだな。この \( P \) は有効電力って呼ばれるもんやったけど、実は電力にはもう2種類あるんや。それが無効電力 \( Q \)皮相電力 \( S \) や!

この3つの電力は「電力の3兄弟」みたいなもんで、お互いに密接な関係があるんや。今日はこの関係を電力三角形というツールを使って完全に理解していくで!

🎯 この講座で学ぶこと

📘 有効電力 \( P \):実際に仕事をする電力 [W]

📗 無効電力 \( Q \):仕事をしないけど必要な電力 [var]

📙 皮相電力 \( S \):見かけ上の電力 [VA]

📕 電力三角形:\( P \)・\( Q \)・\( S \) の関係を図で理解

📔 関係式:\( S^2 = P^2 + Q^2 \) の導出と活用

電力の3兄弟を日常生活で例えると、こんな感じや。お店で買い物するとき、「実際に使えるお金(有効電力)」「お店に預けておくデポジット(無効電力)」「財布から出した総額(皮相電力)」みたいな関係やな。全部出したお金のうち、実際に商品を買えるのは一部だけ、ってイメージや。

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まずは有効電力 \( P \) の復習からや!

有効電力は、前回の講座でも学んだ通り、実際に仕事をする電力のことや。モーターを回したり、ヒーターで熱を出したり、照明を光らせたり...こういう「実際の仕事」に使われる電力が有効電力なんや。

なんで「有効」って名前がついてるかというと、電気エネルギーが有効に使われているからや。熱や運動エネルギーに変換されて、ちゃんと仕事をしてくれるんやな。

\( P = \sqrt{3} V_L I_L \cos\phi \) [W]
\( P \):有効電力、\( V_L \):線間電圧、\( I_L \):線電流、\( \cos\phi \):力率

ここで大事なのは\( \cos\phi \)(コサイン・ファイ)や。これは力率と呼ばれるもので、「供給された電力のうち、どれだけが有効に使われているか」を表す割合やねん。

有効電力のポイント

・記号:\( P \)(Power の P)

・単位:W(ワット)または kW

・意味:実際に仕事(熱・光・動力)に変換される電力

・特徴:力率 \( \cos\phi \) が掛かっている

有効電力 P のイメージ 電源 P 負荷 (モーター等) 仕事 熱・光 動力 etc. 有効電力 \( P \) は実際の仕事に変換される!

📌 有効電力のまとめ

⚡ 有効電力 \( P \) = 実際に仕事をする電力

⚡ 単位は W(ワット)

⚡ 公式に \( \cos\phi \)(力率)が含まれる

⚡ 電気代の計算に使われるのはこの有効電力!

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次は無効電力 \( Q \) について学んでいこう!

「無効」って聞くと、「役に立たない電力」みたいに思うかもしれんけど、それはちょっと違うんや。無効電力は仕事はしないけど、回路の動作には必要な電力なんや。

どういうことか説明しよう。交流回路にはコイル(インダクタンス)やコンデンサがあるやろ。これらの素子は、電気エネルギーを一時的に蓄えて、また放出するという動作をするんや。この「蓄える→放出→蓄える→放出...」の繰り返しで、電力が電源と負荷の間を行ったり来たりするんやな。

無効電力は「お店のデポジット」みたいなもんや。例えば、ショッピングカートを使うとき、100円入れて使って、返却したら100円が戻ってくるやろ。この100円は一時的に預けてるだけで、買い物(仕事)には使われてない。でも、カートを使うためには必要なお金や。無効電力もこれと同じで、仕事はしないけど回路を動かすために必要なんや。

特にモーターは、コイルの塊みたいなもんやから、無効電力をたくさん消費するんや。モーターが回転磁界を作るためには、この無効電力が必要不可欠なんやで。

無効電力 Q のイメージ 電源 Q 行ったり来たり コイル (モーター等) エネルギーを 蓄える↔放出 の繰り返し 無効電力 \( Q \) は電源と負荷の間を往復するだけ → 仕事はしないけど、回路動作に必要!

無効電力のポイント

・記号:\( Q \)(Quantity of reactive power の Q)

・単位:var(バール)または kvar

・意味:電源と負荷の間を往復する電力(仕事はしない)

・発生源:コイル(遅れ)、コンデンサ(進み)

📌 無効電力が必要な理由

⚡ モーターの回転磁界を作るため

⚡ 変圧器の磁束を維持するため

⚡ 送電線のインダクタンスによる電圧降下を補償するため

→ 仕事はしないけど、電力系統には必要不可欠!

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ほな、無効電力 \( Q \) の計算式を見ていこう!

有効電力の公式を思い出してみ。\( P = \sqrt{3} V_L I_L \cos\phi \) やったな。ここで \( \cos\phi \) は力率で、電圧と電流の位相差 \( \phi \) のコサインやった。

無効電力の公式は、これとよく似てるんや。違いは、\( \cos\phi \) が \( \sin\phi \) に変わるだけや!

\( Q = \sqrt{3} V_L I_L \sin\phi \) [var]
\( Q \):無効電力、\( V_L \):線間電圧、\( I_L \):線電流、\( \sin\phi \):力率角のサイン

なんで \( \sin\phi \) になるかっていうと、電圧と電流の位相関係を考えれば分かるんや。

交流回路では、電圧と電流に位相差 \( \phi \) があると、電流を「電圧と同相の成分」と「電圧と90°ずれた成分」に分解できるんや。同相成分が有効電力に、90°ずれた成分が無効電力に関係するんやで。

電流の分解と P・Q の関係 V I I cosφ I sinφ φ 有効電力 P = V × I cosφ (電圧と同相成分) → 仕事をする 無効電力 Q = V × I sinφ (電圧と90°ずれた成分) → 仕事しない

三相回路の P と Q の公式比較

【有効電力】\( P = \sqrt{3} V_L I_L \cos\phi \) [W]

【無効電力】\( Q = \sqrt{3} V_L I_L \sin\phi \) [var]

→ 違いは \( \cos\phi \) か \( \sin\phi \) かだけ!

📌 無効電力の公式まとめ

⚡ \( Q = \sqrt{3} V_L I_L \sin\phi \) [var]

⚡ \( P \) の公式の \( \cos\phi \) を \( \sin\phi \) に置き換えるだけ

⚡ 単位は var(バール)、kvar(キロバール)

⚡ 遅れ力率(誘導性)のとき \( Q > 0 \)、進み力率(容量性)のとき \( Q < 0 \)

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よっしゃ、ここで確認問題や!

有効電力 \( P \) と無効電力 \( Q \) の違いを確認するで。

🧠 問題1(10点)

三相交流回路において、有効電力 \( P \) と無効電力 \( Q \) の公式の違いとして正しいものはどれか。

サポートルート

公式を並べて確認してみよか。

公式の比較

【有効電力】

\( P = \sqrt{3} V_L I_L \cos\phi \)

\( \cos\phi \)(力率)を使う

【無効電力】

\( Q = \sqrt{3} V_L I_L \sin\phi \)

\( \sin\phi \) を使う

さて、どちらがどちらの関数を使う?

🔄 確認問題

有効電力 \( P \) の公式で使うのは?

発展ルート

さすがや!発展問題いくで。

実際に無効電力を計算してみよう。

🔥 発展問題(15点)

三相交流回路で、線間電圧 \( V_L = 200 \) V、線電流 \( I_L = 10 \) A、力率 \( \cos\phi = 0.8 \)(遅れ)のとき、無効電力 \( Q \) の値として最も近いものはどれか。

💡 ヒント:\( \cos\phi = 0.8 \) のとき \( \sin\phi = 0.6 \)、\( \sqrt{3} \approx 1.73 \)

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3つ目の電力、皮相電力 \( S \) について学んでいこう!

「皮相」って聞き慣れん言葉やな。これは「表面的な」「見かけの」という意味や。つまり皮相電力は見かけ上の電力、言い換えると電源が供給している電力の総量のことなんや。

電圧 \( V \) をかけて電流 \( I \) が流れたら、その積 \( V \times I \) が皮相電力や。力率とか位相差とか関係なく、単純に電圧と電流を掛けるだけやから、計算は一番シンプルやで。

\( S = \sqrt{3} V_L I_L \) [VA]
\( S \):皮相電力、\( V_L \):線間電圧、\( I_L \):線電流

注目してほしいんやけど、この公式には\( \cos\phi \) も \( \sin\phi \) もないやろ。純粋に電圧と電流の積だけなんや。

皮相電力は「財布から出した総額」みたいなもんや。お店で5000円出したとして、そのうち4000円が商品代(有効電力)、残り1000円がデポジット(無効電力)やとする。財布から出した5000円という総額が皮相電力に相当するんや。実際に商品を買えたのは4000円分やけど、出したお金の総額は5000円っていう感じやな。

皮相電力 S のイメージ 電源 V × I S 見かけの電力 負荷 P 仕事 Q 往復 \( S \) = 電源から供給される見かけ上の電力の総量

皮相電力のポイント

・記号:\( S \)(Scheinleistung:ドイツ語で皮相電力)

・単位:VA(ボルトアンペア)または kVA

・意味:電源が供給する見かけ上の電力の総量

・特徴:\( \cos\phi \) も \( \sin\phi \) も含まない(純粋な V×I)

📌 皮相電力の重要ポイント

⚡ 皮相電力 \( S \) = 見かけ上の電力

⚡ 単位は VA(ボルトアンペア)、W ではない!

⚡ 変圧器やケーブルの容量は皮相電力 [VA] で表す

⚡ \( S \geq P \) が常に成り立つ(\( S = P \) は力率1のときだけ)

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ここで3つの電力の単位を整理しておこう!

有効電力、無効電力、皮相電力は、それぞれ異なる単位を使うんや。これ、めっちゃ大事やから、しっかり覚えてな!

なんで単位を分けてるかっていうと、3つの電力は「同じ次元(電圧×電流)」やけど、物理的な意味が違うからなんや。単位で区別することで、「これは有効電力の話」「これは皮相電力の話」って一目で分かるようにしてるんやで。

電力の種類 記号 単位 意味
有効電力 \( P \) W(ワット) 実際に仕事をする電力
無効電力 \( Q \) var(バール) 往復するだけの電力
皮相電力 \( S \) VA(ボルトアンペア) 見かけ上の総電力

単位の覚え方

P(有効電力)→ Watt(ワット)

 → 電気代に関係する電力やから「W」!

Q(無効電力)→ var(ボルトアンペア・リアクティブ)

 → reactive(反応する=往復する)の r が入ってる!

S(皮相電力)→ VA(ボルトアンペア)

 → そのまま V×A やから分かりやすい!

電力の単位まとめ P 有効電力 W(ワット) Q 無効電力 var(バール) S 皮相電力 VA

📌 単位を間違えない!

⚡ 有効電力 \( P \) → W(電気代の計算に使う)

⚡ 無効電力 \( Q \) → var(Wと区別するため専用の単位)

⚡ 皮相電力 \( S \) → VA(変圧器の容量などに使う)

⚡ 試験では単位を見て、どの電力か判断することも多い!

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いよいよ登場!電力三角形や!

有効電力 \( P \)、無効電力 \( Q \)、皮相電力 \( S \) の3つには、実は美しい関係があるんや。それが直角三角形の関係なんやで!

なぜ直角三角形になるかっていうと、\( P \) は \( \cos\phi \) に比例、\( Q \) は \( \sin\phi \) に比例してるからや。\( \cos^2\phi + \sin^2\phi = 1 \) という三角関数の公式を使うと、\( P^2 + Q^2 = S^2 \) という関係が出てくるんや。これ、まさに三平方の定理(ピタゴラスの定理)やな!

電力三角形 P [W] 有効電力 Q [var] 無効電力 S [VA] 皮相電力 φ 三平方の定理 S² = P² + Q² cosφ = P/S

電力三角形の導出

\( P = \sqrt{3} V_L I_L \cos\phi \)

\( Q = \sqrt{3} V_L I_L \sin\phi \)

\( S = \sqrt{3} V_L I_L \)

ここで \( \sqrt{3} V_L I_L = S \) とおくと:

\( P = S \cos\phi \)、\( Q = S \sin\phi \)

両辺を2乗して足すと:

\( P^2 + Q^2 = S^2 \cos^2\phi + S^2 \sin^2\phi \)

\( = S^2 (\cos^2\phi + \sin^2\phi) = S^2 \times 1 = S^2 \)

よって:\( S^2 = P^2 + Q^2 \)

\( S^2 = P^2 + Q^2 \) または \( S = \sqrt{P^2 + Q^2} \)
電力三角形の関係式(三平方の定理)

📌 電力三角形のポイント

⚡ \( P \)(有効電力)は底辺(水平方向)

⚡ \( Q \)(無効電力)は高さ(垂直方向)

⚡ \( S \)(皮相電力)は斜辺

⚡ 角度 \( \phi \) は力率角(\( \cos\phi \) = 力率)

\( S^2 = P^2 + Q^2 \)(三平方の定理)

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よっしゃ、確認問題や!

電力三角形の関係を確認するで。

🧠 問題2(10点)

有効電力 \( P \)、無効電力 \( Q \)、皮相電力 \( S \) の関係として正しいものはどれか。

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電力三角形を思い出してみよか。

電力三角形の確認

・\( P \)(有効電力)→ 底辺

・\( Q \)(無効電力)→ 高さ

・\( S \)(皮相電力)→ 斜辺

直角三角形やから三平方の定理が使える!

斜辺² = 底辺² + 高さ²

🔄 確認問題

三平方の定理を電力に当てはめると?

発展ルート

さすがや!発展問題いくで。

電力三角形を使った計算問題や。

🔥 発展問題(15点)

ある三相負荷で、有効電力 \( P = 6 \) kW、無効電力 \( Q = 8 \) kvar のとき、皮相電力 \( S \) の値として正しいものはどれか。

💡 ヒント:\( S = \sqrt{P^2 + Q^2} \)

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電力三角形から力率も読み取れるんや!

電力三角形を見ると、角度 \( \phi \) と3つの電力の関係が分かるやろ。三角関数の定義から、力率 \( \cos\phi \) は次のように表せるんや。

\( \cos\phi = \frac{P}{S} \)
力率 = 有効電力 ÷ 皮相電力

この式はめっちゃ重要や!力率は「皮相電力のうち、どれだけが有効電力か」を表す割合なんやな。力率が1(100%)なら、供給された電力がすべて有効に使われてるってことや。

電力三角形から分かる関係式

【力率】\( \cos\phi = \frac{P}{S} \)

【有効電力】\( P = S \cos\phi \)

【無効電力】\( Q = S \sin\phi \)

【無効率】\( \sin\phi = \frac{Q}{S} \)

力率と電力三角形 P Q S φ 関係式 cosφ = P/S (力率) sinφ = Q/S (無効率) tanφ = Q/P

計算例:力率を求める

有効電力 \( P = 8 \) kW、皮相電力 \( S = 10 \) kVA のとき

\( \cos\phi = \frac{P}{S} = \frac{8}{10} = 0.8 \)

→ 力率は 0.8(80%)

📌 力率の計算まとめ

⚡ \( \cos\phi = \frac{P}{S} \)(有効電力 ÷ 皮相電力)

⚡ 力率が高いほど効率的(電力を有効に使えている)

⚡ 力率1のとき \( P = S \)、\( Q = 0 \)(純抵抗負荷)

⚡ 電験三種では「力率を求めよ」という問題が頻出!

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ここで三相電力の3つの公式を整理しておこう!

有効電力 \( P \)、無効電力 \( Q \)、皮相電力 \( S \) の公式を並べてみると、その美しい関係がよく分かるで。

電力 公式(線間電圧・線電流版) 単位
有効電力 \( P \) \( P = \sqrt{3} V_L I_L \cos\phi \) W
無効電力 \( Q \) \( Q = \sqrt{3} V_L I_L \sin\phi \) var
皮相電力 \( S \) \( S = \sqrt{3} V_L I_L \) VA

見てみ、3つの公式の違いは最後の部分だけやろ。\( \sqrt{3} V_L I_L \) は共通で、そこに \( \cos\phi \) を掛けるか、\( \sin\phi \) を掛けるか、何も掛けないかの違いなんや。

公式の覚え方

基本形:\( \sqrt{3} V_L I_L \) ← これが皮相電力 \( S \)

有効電力:\( S \times \cos\phi = P \) → 「仕事をする」分

無効電力:\( S \times \sin\phi = Q \) → 「往復する」分

つまり、\( S \) を \( \cos\phi \) と \( \sin\phi \) で分解したのが \( P \) と \( Q \) や!

三相電力公式の関係 S = √3 V_L I_L 皮相電力 [VA] ×cosφ ×sinφ P = √3 V_L I_L cosφ 有効電力 [W] Q = √3 V_L I_L sinφ 無効電力 [var] S² = P² + Q² の関係が成り立つ!

また、相電圧・相電流版の公式もあるで。こちらは \( \sqrt{3} \) の代わりに \( 3 \) を使う形や。

相電圧・相電流版の公式

\( P = 3 V_p I_p \cos\phi \) [W]

\( Q = 3 V_p I_p \sin\phi \) [var]

\( S = 3 V_p I_p \) [VA]

→ 線間・線電流版と結果は同じ値になる!

📌 公式選択のポイント

⚡ 問題で与えられているのが線間電圧・線電流なら → \( \sqrt{3} V_L I_L \) 版

⚡ 問題で与えられているのが相電圧・相電流なら → \( 3 V_p I_p \) 版

⚡ どちらを使っても、最終的な答えは同じになる!

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実際にP・Q・S をすべて計算する例を見てみよう!

電験三種では、条件を与えられて「有効電力、無効電力、皮相電力をそれぞれ求めよ」という問題がよく出るんや。

【例題】P・Q・S をすべて求める

三相交流回路で、線間電圧 \( V_L = 200 \) V、線電流 \( I_L = 10 \) A、

力率 \( \cos\phi = 0.8 \)(遅れ)のとき、\( P \)、\( Q \)、\( S \) を求めよ。

【解答】

まず、\( \cos\phi = 0.8 \) から \( \sin\phi \) を求める:

\( \sin\phi = \sqrt{1 - \cos^2\phi} = \sqrt{1 - 0.64} = \sqrt{0.36} = 0.6 \)

【皮相電力 S】

\( S = \sqrt{3} V_L I_L \)

\( = 1.73 \times 200 \times 10 \)

\( = 3460 \) VA ≈ 3.46 kVA

【有効電力 P】

\( P = \sqrt{3} V_L I_L \cos\phi \)

\( = 3460 \times 0.8 \)

\( = 2768 \) W ≈ 2.77 kW

または:\( P = S \cos\phi = 3460 \times 0.8 = 2768 \) W

【無効電力 Q】

\( Q = \sqrt{3} V_L I_L \sin\phi \)

\( = 3460 \times 0.6 \)

\( = 2076 \) var ≈ 2.08 kvar

または:\( Q = S \sin\phi = 3460 \times 0.6 = 2076 \) var

最後に、検算として電力三角形の関係を確認しよう:

【検算】

\( S^2 = P^2 + Q^2 \) を確認

\( P^2 + Q^2 = 2768^2 + 2076^2 \)

\( = 7661824 + 4310176 = 11972000 \)

\( S^2 = 3460^2 = 11971600 \)

→ ほぼ一致!(誤差は丸めによるもの)✓

📌 計算のコツ

⚡ まず \( S = \sqrt{3} V_L I_L \) を計算

⚡ 次に \( P = S \cos\phi \)、\( Q = S \sin\phi \) で求めると楽!

⚡ \( \cos\phi = 0.8 \) なら \( \sin\phi = 0.6 \)(3:4:5の直角三角形)

⚡ 検算は \( S^2 = P^2 + Q^2 \) で確認

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よっしゃ、確認問題や!

実際に計算してみよう。

🧠 問題3(10点)

三相交流回路で、線間電圧 \( V_L = 400 \) V、線電流 \( I_L = 10 \) A のとき、皮相電力 \( S \) の値として最も近いものはどれか。

💡 ヒント:\( \sqrt{3} \approx 1.73 \)

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皮相電力の公式を確認しよか。

皮相電力の公式

\( S = \sqrt{3} V_L I_L \)

→ \( \cos\phi \) も \( \sin\phi \) も要らない

→ 単純に \( \sqrt{3} \times V_L \times I_L \) を計算するだけ

\( V_L = 400 \) V、\( I_L = 10 \) A を代入してみ?

🔄 確認問題

\( 1.73 \times 400 \times 10 \) の計算結果は?

発展ルート

さすがや!発展問題いくで。

電力三角形を使った逆算問題や。

🔥 発展問題(15点)

ある三相負荷で、皮相電力 \( S = 10 \) kVA、無効電力 \( Q = 6 \) kvar のとき、有効電力 \( P \) の値として正しいものはどれか。

💡 ヒント:\( S^2 = P^2 + Q^2 \) を変形して \( P \) を求める

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ここで変圧器の容量について触れておこう!

変圧器やケーブルの容量は、なぜか「○○ kW」ではなく「○○ kVA」で表されてるのを見たことあるやろ?これには重要な理由があるんや。

変圧器の銘板には「100 kVA」とか書いてあるけど、これは皮相電力で表示してるんや。なんでかっていうと、変圧器にとって重要なのは「実際に流れる電流」やからなんや。

変圧器は電流が流れると、巻線が発熱するんや。この発熱は電流の大きさで決まる。力率が1でも0.5でも、同じ電流が流れたら同じだけ発熱する。せやから、変圧器の容量は「どれだけの電流を流せるか」で決めなあかん。それが皮相電力 \( S = \sqrt{3} V_L I_L \) [VA] なんや。

変圧器の容量は皮相電力 [VA] で表す 変圧器 定格容量 100 kVA 力率0.8のとき使える有効電力 P = 100 × 0.8 = 80 kW 力率1.0のとき使える有効電力 P = 100 × 1.0 = 100 kW

変圧器容量と有効電力の関係

変圧器容量 \( S \) [kVA] のとき、使える有効電力は:

\( P = S \times \cos\phi \) [kW]

【例】100 kVA の変圧器

・力率 1.0 → \( P = 100 \times 1.0 = 100 \) kW

・力率 0.8 → \( P = 100 \times 0.8 = 80 \) kW

・力率 0.6 → \( P = 100 \times 0.6 = 60 \) kW

力率が低いと、使える有効電力が減る!

📌 皮相電力で容量を表す理由

⚡ 変圧器・ケーブルの容量は kVA(皮相電力)で表示

⚡ 理由:発熱は電流で決まり、力率に関係ないから

⚡ 有効電力は \( P = S \times \cos\phi \) で計算

⚡ 力率が低いと、同じ変圧器でも使える有効電力が減る

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力率と電力系統の効率について考えてみよう!

力率が低いと、なんで問題なんやろ?実は、同じ有効電力を得るために、より大きな電流が必要になるからなんや。

有効電力の公式 \( P = \sqrt{3} V_L I_L \cos\phi \) を変形すると:

\( I_L = \frac{P}{\sqrt{3} V_L \cos\phi} \)
同じ有効電力 \( P \) を得るために必要な線電流

見てみ、分母に \( \cos\phi \) があるやろ。力率が小さくなると、電流が大きくなるんや!

【例】同じ 8 kW を得るために必要な電流

(線間電圧 200 V の場合)

【力率 1.0 のとき】

\( I_L = \frac{8000}{1.73 \times 200 \times 1.0} = \frac{8000}{346} \approx 23.1 \) A

【力率 0.8 のとき】

\( I_L = \frac{8000}{1.73 \times 200 \times 0.8} = \frac{8000}{277} \approx 28.9 \) A

【力率 0.6 のとき】

\( I_L = \frac{8000}{1.73 \times 200 \times 0.6} = \frac{8000}{208} \approx 38.5 \) A

同じ 8 kW の有効電力を使うのに、力率が悪いと電流がどんどん増えていくやろ。電流が増えると何が問題かっていうと:

力率低下の問題点 ① 電力損失の増加 損失 = I²R 電流↑ → 損失↑↑ ② 設備容量の増大 大きな電流 → 太い電線 大容量の変圧器が必要 ③ 電圧降下の増加 電流↑ → 電圧降下↑ 末端の電圧が下がる

📌 力率が低いと困る理由

⚡ 同じ有効電力を得るのに、大きな電流が必要

⚡ 電力損失(\( I^2 R \))が増加 → 電気代↑

⚡ 変圧器・電線を大きくする必要 → 設備費↑

⚡ 電圧降下が大きくなる → 電圧品質↓

→ だから力率改善が重要!(次回詳しく学ぶ)

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電験三種での出題パターンを整理しておこう!

P・Q・S に関する問題は、電験三種で超頻出や。主な出題パターンを覚えておくと、本番で慌てずに解けるで。

パターン 与えられる条件 求めるもの
基本計算 \( V_L \), \( I_L \), \( \cos\phi \) \( P \), \( Q \), \( S \)
電力三角形 \( P \) と \( Q \) \( S \) または \( \cos\phi \)
逆算 \( S \) と \( \cos\phi \) \( P \), \( Q \)
変圧器容量 容量 [kVA] と \( \cos\phi \) 使える有効電力 [kW]

パターン別の解法

【パターン1:基本計算】

\( S = \sqrt{3} V_L I_L \)、\( P = S \cos\phi \)、\( Q = S \sin\phi \)

【パターン2:電力三角形から \( S \) を求める】

\( S = \sqrt{P^2 + Q^2} \)

【パターン3:電力三角形から力率を求める】

\( \cos\phi = \frac{P}{S} \)

【パターン4:逆算で \( P \) や \( Q \) を求める】

\( P = \sqrt{S^2 - Q^2} \) または \( Q = \sqrt{S^2 - P^2} \)

よく使う数値の組み合わせ 3 : 4 : 5 の三角形 cosφ = 0.8、sinφ = 0.6 P : Q : S = 4 : 3 : 5 例:P=8kW, Q=6kvar, S=10kVA 例:P=40kW, Q=30kvar, S=50kVA 5 : 12 : 13 の三角形 cosφ ≈ 0.38、sinφ ≈ 0.92 P : Q : S = 5 : 12 : 13 例:P=5kW, Q=12kvar, S=13kVA

📌 試験対策のポイント

⚡ \( \cos\phi = 0.8 \) → \( \sin\phi = 0.6 \) は超頻出!

⚡ 3:4:5、5:12:13 などの整数比を覚えておく

⚡ 単位(W, var, VA)を見て、どの電力か判断

⚡ 検算は \( S^2 = P^2 + Q^2 \) で確認

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よっしゃ、最後の確認問題や!

力率を求める問題にチャレンジしよう。

🧠 問題4(10点)

ある三相負荷で、有効電力 \( P = 12 \) kW、皮相電力 \( S = 15 \) kVA のとき、力率 \( \cos\phi \) の値として正しいものはどれか。

サポートルート

力率の求め方を確認しよか。

力率の公式

電力三角形から:

\( \cos\phi = \frac{P}{S} \)

つまり:力率 = 有効電力 ÷ 皮相電力

\( P = 12 \) kW、\( S = 15 \) kVA を代入してみ?

🔄 確認問題

\( 12 \div 15 \) の計算結果は?

発展ルート

さすがや!発展問題いくで。

変圧器容量の問題や。

🔥 発展問題(15点)

定格容量 50 kVA の変圧器がある。負荷の力率が 0.6(遅れ)のとき、この変圧器で供給できる最大の有効電力 \( P \) の値として正しいものはどれか。

💡 ヒント:\( P = S \times \cos\phi \)

メインルート

お疲れさま!有効・無効・皮相電力、よく頑張ったな!

今日学んだ「電力の3兄弟」は、三相交流の計算でめっちゃ重要な概念や。特に電力三角形の関係は、いろんな問題で使えるから、しっかり覚えておいてな!

🎯 今日学んだこと(最終確認)

✅ 有効電力 \( P = \sqrt{3} V_L I_L \cos\phi \) [W]:仕事をする電力

✅ 無効電力 \( Q = \sqrt{3} V_L I_L \sin\phi \) [var]:往復する電力

✅ 皮相電力 \( S = \sqrt{3} V_L I_L \) [VA]:見かけの総電力

✅ 電力三角形:\( S^2 = P^2 + Q^2 \)

✅ 力率:\( \cos\phi = P / S \)

✅ 変圧器容量は皮相電力 [VA] で表す

次の第21講では、「三相回路の力率」についてもっと詳しく学ぶで。力率計算はもちろん、「力率改善」という重要なテーマも登場する。進相コンデンサを使って無効電力を減らし、効率を上げる方法を学んでいこう!

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第20講「有効・無効・皮相電力」、これで完了や!

最後に、今日の講座で学んだ最重要ポイントをもう一度確認しておこう。

P・Q・S 最終チェックシート 【3つの電力公式】 有効電力 P √3 V_L I_L cosφ [W] 無効電力 Q √3 V_L I_L sinφ [var] 皮相電力 S √3 V_L I_L [VA] 【電力三角形】 S² = P² + Q² 【力率】 cosφ = P / S cosφ = 0.8 → sinφ = 0.6 を覚えておこう!

これでPart 4「三相電力と測定」の2講目が終了や。次回は力率について深掘りして、力率改善の方法も学んでいくで。今日の内容をしっかり復習して、次に備えよう!

🎉 第20講 完了!

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📊 学習内容の振り返り

  • ✅ 有効電力 \( P \):実際に仕事をする電力 [W]
  • ✅ 無効電力 \( Q \):往復する電力 [var]
  • ✅ 皮相電力 \( S \):見かけの総電力 [VA]
  • ✅ 電力三角形:\( S^2 = P^2 + Q^2 \)
  • ✅ 力率の計算:\( \cos\phi = P / S \)
  • ✅ 変圧器容量と皮相電力の関係