W = (1/2)LI² とエネルギー密度
よっしゃ!第19講スタートや!
今回は「磁気エネルギー」を学ぶで。
コイルに蓄えられるエネルギーの話や!
📚 この講座で学ぶこと
✅ コイルにエネルギーが蓄えられる理由
✅ 磁気エネルギー W = (1/2)LI²
✅ エネルギー密度 w = (1/2)BH
✅ 静電エネルギーとの比較
✅ 実用的な計算問題
💡 なぜ磁気エネルギーを学ぶ?
コイルはコンデンサと並ぶ「エネルギーを蓄える素子」。
モーター、変圧器、電源回路など、あらゆる電気機器で活躍!
静電エネルギーと対で覚えると理解が深まるで。
まずはなぜコイルにエネルギーが蓄えられるかを考えよか!
📌 エネルギーが蓄えられる理由
🔹 コイルに電流を流そうとする
🔹 自己誘導起電力 e = -L(dI/dt) が発生
🔹 この起電力に逆らって電流を流す
🔹 電源は仕事をする(エネルギーを供給)
🔹 その仕事が磁界のエネルギーとして蓄えられる!
💡 コンデンサとの比較
コンデンサ:電圧をかけると電荷が溜まる → 静電エネルギー
コイル:電流を流すと磁界ができる → 磁気エネルギー
どちらも「逆らって仕事をする」ことでエネルギーが蓄えられる!
磁気エネルギーの公式を導出するで!
【導出】電源がする仕事
① 微小時間 dt に電流が dI 変化
② 自己誘導起電力: e = L(dI/dt)
③ 電源がする仕事: dW = e × I × dt = LI dI
④ 0 → I まで積分:
\( W = \int_0^I LI \, dI = L \left[ \frac{I^2}{2} \right]_0^I = \frac{1}{2}LI^2 \)
W: 磁気エネルギー [J]
L: 自己インダクタンス [H]
I: 電流 [A]
💡 静電エネルギーとの比較
コンデンサ: \( W = \frac{1}{2}CV^2 \)
コイル: \( W = \frac{1}{2}LI^2 \)
形が似てる!C↔L、V↔I の対応やな。
💡 1/2 がつく理由
電流を 0 から I まで増やすとき、エネルギーは徐々に蓄えられる。
最初は少し、最後は多く → 平均すると「半分」の効果。
これが 1/2 の正体や!(積分の結果と同じ)
磁気エネルギーの公式はいろんな形に変形できるで!
Ψ = LI: 鎖交磁束 [Wb]
📌 対応関係
🔹 L(インダクタンス)↔ C(キャパシタンス)
🔹 I(電流)↔ V(電圧)
🔹 Ψ(鎖交磁束)↔ Q(電荷)
💡 3つの公式の使い分け
W = (1/2)LI²:L と I が分かっているとき(最も基本)
W = (1/2)ΨI:鎖交磁束 Ψ が与えられているとき
W = Ψ²/(2L):電流を消去したいとき
問題に合わせて使いやすい形を選ぼう!
ほな、最初の問題いくで!
自己インダクタンス L = 0.5 H のコイルに 4 A の電流が流れている。
このコイルに蓄えられている磁気エネルギーは何 J か?
💡 ヒント
基本公式 W = (1/2)LI² を使おう。
I² を先に計算するとミスが減るで!
公式に代入しよか!
W = (1/2)LI²
L = 0.5 H
I = 4 A
I² = 16
💡 計算の順序
① I² = 4² = 16 を先に計算
② (1/2) × 0.5 × 16 を計算
③ 0.25 × 16 = 4 J
W = (1/2) × 0.5 × 16 = ?
発展問題!電流を2倍にしたらどうなる?
電流を 4 A から 8 A に増やすと、磁気エネルギーは何倍になる?
💡 考えるポイント
W ∝ I² なので、電流が2倍になると…
エネルギーは 2² = ? 倍になる
次はエネルギー密度を学ぶで!
磁界の「単位体積あたりのエネルギー」や。
📌 エネルギーの所在
🔹 エネルギーは「コイル」に蓄えられるのではない
🔹 磁界が存在する空間に蓄えられる!
🔹 静電界のエネルギーも同様(電界空間に蓄積)
💡 エネルギーの「場所」を考える
コイルの導線自体にエネルギーがあるわけではない。
コイルの中や周りにできる「磁界の空間」にエネルギーが蓄えられる。
だから「単位体積あたりのエネルギー」を考えると便利!
エネルギー密度の公式を導出するで!
【導出】ソレノイドで考える
① W = (1/2)LI²
② L = μN²S/l、H = NI/l より I = Hl/N
③ W = (1/2) × (μN²S/l) × (Hl/N)² = (1/2)μH² × Sl
④ 体積 V = Sl なので: w = W/V = (1/2)μH²
w: エネルギー密度 [J/m³]
B: 磁束密度 [T]
H: 磁界の強さ [A/m]
μ: 透磁率 [H/m]
💡 覚え方
静電: w = (1/2)εE² = (1/2)DE
磁気: w = (1/2)μH² = (1/2)BH
ε↔μ、E↔H、D↔B の対応や!
💡 3つの形の使い分け
w = (1/2)μH²:H と μ が分かっているとき
w = (1/2)BH:B と H の両方が分かっているとき(最も便利)
w = B²/(2μ):B と μ が分かっているとき
エネルギー密度から全エネルギーを求める方法も覚えとこか!
V: 磁界が存在する体積 [m³]
【計算例】
B = 0.5 T、H = 2000 A/m の磁界が
V = 0.01 m³ の空間にある場合
w = (1/2) × 0.5 × 2000 = 500 J/m³
W = 500 × 0.01 = 5 J
📌 ポイント
🔹 均一な磁界: W = w × V
🔹 不均一な磁界: W = ∫w dV(積分が必要)
💡 電験での出題パターン
① W = (1/2)LI² から直接計算(最も多い)
② w = (1/2)BH から体積を掛けて計算
③ ソレノイドや環状鉄心の問題で両方を使う
どちらのアプローチでも同じ答えになる!
エネルギー密度の問題いくで!
磁束密度 B = 2 T、磁界の強さ H = 10⁴ A/m の磁界がある。
エネルギー密度 w は何 J/m³ か?
💡 ヒント
B と H の両方が分かっているから、w = (1/2)BH が便利!
公式 w = (1/2)BH を使おう!
w = (1/2)BH
B = 2 T
H = 10⁴ A/m
w = (1/2) × 2 × 10⁴
💡 計算のコツ
(1/2) × 2 = 1 だから、答えは 1×10⁴ になる!
先に約分できるものは約分すると楽やで。
(1/2) × 2 × 10⁴ = ?
発展問題!この磁界の透磁率を考えてみ。
B = 2 T、H = 10⁴ A/m のとき、透磁率 μ = B/H は?
(μ₀ = 4π×10⁻⁷ ≈ 1.26×10⁻⁶ H/m として)
💡 考えるポイント
μ = B/H = 2 / 10⁴ = 2×10⁻⁴ H/m
μ₀ ≈ 1.26×10⁻⁶ なので、μ/μ₀ ≈ 160
これは比透磁率 μᵣ ≈ 160 の磁性体!
2つのコイルがある場合のエネルギーを見ていこか!
+: 和動接続(磁束が強め合う)
-: 差動接続(磁束が弱め合う)
📌 符号の決め方
🔹 和動(磁束が同方向): +MI₁I₂
🔹 差動(磁束が逆方向): -MI₁I₂
💡 和動と差動の違い
和動:2つのコイルの磁束が同じ向き → 磁界が強め合う → エネルギー増加
差動:2つのコイルの磁束が逆向き → 磁界が弱め合う → エネルギー減少
変圧器は和動接続が基本!
磁気エネルギーの実用的な意味を確認しよか!
💡 注意:スイッチを切るとき
コイルに蓄えられたエネルギーは瞬時に消えない!
急にスイッチを切ると → 高電圧が発生(アーク放電)
これを防ぐためにダイオードやスナバ回路を使う。
💡 なぜ高電圧が発生する?
e = -L(dI/dt) で、dI/dt が急激に大きくなると誘導起電力 e も大きくなる。
スイッチを切ると電流が急に0になろうとする → 高電圧発生!
これがリレーやスイッチの接点を傷める原因になるんや。
静電エネルギーと磁気エネルギーの比較をまとめるで!
| 項目 | 静電(コンデンサ) | 磁気(コイル) |
|---|---|---|
| 素子 | C [F] | L [H] |
| エネルギー | (1/2)CV² | (1/2)LI² |
| 密度 | (1/2)εE² = (1/2)DE | (1/2)μH² = (1/2)BH |
| 蓄積場所 | 電界空間 | 磁界空間 |
| 維持に必要 | 電圧(電流不要) | 電流(継続供給) |
📌 重要な違い
🔹 コンデンサ: 充電後は電流不要でエネルギー保持
🔹 コイル: 電流を流し続けないとエネルギー保持できない
💡 試験での対応表の使い方
静電の公式を覚えていれば、対応を入れ替えるだけで磁気の公式が作れる!
C→L、V→I、Q→Ψ、ε→μ、E→H、D→B
これを覚えておくと公式を忘れても導出できるで。
応用問題いくで!
L = 2 H のコイルに蓄えられている磁気エネルギーが 100 J であった。
このとき流れている電流は何 A か?
💡 ヒント
W = (1/2)LI² を I について解こう。
I² = 2W/L → I = √(2W/L)
公式を変形して I を求めよう!
W = (1/2)LI² より
I² = 2W/L = 2×100/2 = 100
I = √100
💡 計算の流れ
① 公式を I² = の形に変形
② 数値を代入して I² を求める
③ ルートを取って I を求める
√100 = ?
発展問題!このコイルの鎖交磁束も考えてみ。
L = 2 H、I = 10 A のとき、鎖交磁束 Ψ = LI は何 Wb か?
💡 考えるポイント
Ψ = LI は単純な掛け算。
単位も確認:[H]×[A] = [Wb](ウェーバ)
磁気回路の空隙におけるエネルギーを考えよか!
📌 なぜ空隙にエネルギーが集中?
🔹 w = B²/(2μ) だから、μ が小さいと w が大きい
🔹 空隙では μ = μ₀(鉄の数千分の1)
🔹 同じ B でも、空隙の w は数千倍!
💡 磁気抵抗との関係
空隙は磁気抵抗も大きく、エネルギー密度も大きい
→ エネルギーは「通りにくい場所」に蓄えられる!
💡 この考え方の応用
変圧器の鉄心にわざと空隙を入れることがある。
① インダクタンスを調整できる
② 直流成分があっても飽和しにくい
スイッチング電源のチョークコイルでよく使われる設計や。
エネルギーから電磁石の吸引力も導けるで!
F: 吸引力 [N]
B: 空隙の磁束密度 [T]
S: 空隙の断面積 [m²]
【導出のイメージ】
空隙のエネルギー W = (B²/2μ₀) × S × g
(g: 空隙の長さ)
力 = エネルギーの変化率
F = dW/dg = B²S/(2μ₀)
📌 この公式は重要!
🔹 電磁継電器(リレー)の動作原理
🔹 電磁クラッチ・ブレーキ
🔹 リニアモーターの推進力計算にも応用
💡 なぜ B² に比例?
エネルギー密度 w = B²/(2μ₀) が B の2乗に比例するから。
磁束密度を2倍にすると、吸引力は4倍になる!
強力な電磁石を作るには、いかに大きな B を作るかが重要。
吸引力の計算例を見てみよか!
【例題】
空隙の磁束密度 B = 1 T
空隙の断面積 S = 10⁻³ m²(10 cm²)
電磁石の吸引力 F を求めよ。
【解答】
F = B²S/(2μ₀)
= 1² × 10⁻³ / (2 × 4π×10⁻⁷)
= 10⁻³ / (8π×10⁻⁷)
≈ 10⁻³ / (2.51×10⁻⁶)
≈ 400 N(約40 kgf)
💡 意外と大きな力!
たった10 cm²の面積で約40 kgの力が出る
電磁石は小さくても強力なのがわかるな!
💡 計算のコツ
2μ₀ = 2 × 4π×10⁻⁷ ≈ 8π×10⁻⁷ ≈ 2.5×10⁻⁶
この値を覚えておくと、電磁力の計算が楽になる!
B²S / (2.5×10⁻⁶) で概算できるで。
総合問題いくで!
エネルギー密度 w = 2000 J/m³ の磁界が、体積 V = 0.05 m³ の空間に存在する。
この磁界に蓄えられている全エネルギーは何 J か?
💡 ヒント
均一な磁界なら、W = w × V で計算できる!
エネルギー密度 × 体積 や!
W = w × V
= 2000 × 0.05
💡 計算のコツ
2000 × 0.05 = 2000 × (5/100) = 2000/20 = 100
または 2000 × 0.05 = 200 × 0.5 = 100
2000 × 0.05 = ?
発展問題!w = (1/2)BH から B と H の関係を考えてみ。
w = 2000 J/m³ で、B = 2 T のとき、H は何 A/m か?
(ヒント: w = (1/2)BH)
💡 考えるポイント
w = (1/2)BH を H について解くと
H = 2w/B = 2×2000/2 = 2000 A/m
磁気エネルギーの重要ポイントをまとめるで!
| 項目 | 公式 |
|---|---|
| コイルのエネルギー | W = (1/2)LI² |
| 別表現 | W = (1/2)ΨI = Ψ²/(2L) |
| エネルギー密度 | w = (1/2)μH² = (1/2)BH |
| 別表現 | w = B²/(2μ) |
| 全エネルギー | W = w × V(均一磁界) |
| 電磁石の吸引力 | F = B²S/(2μ₀) |
💡 次の講座への準備
第20講では磁気の応用を学ぶで!
電磁誘導の応用や電磁力の計算をまとめるで。
💡 試験での出題パターン
① W = (1/2)LI² から直接計算
② エネルギーから電流を逆算(I = √(2W/L))
③ w = (1/2)BH × 体積 V での全エネルギー計算
④ 電磁石の吸引力 F = B²S/(2μ₀)
お疲れ様!第19講「磁気エネルギー」完了や!
📚 今日学んだこと
✅ コイルのエネルギー: W = (1/2)LI²
✅ エネルギー密度: w = (1/2)BH
✅ 磁界空間にエネルギーが蓄えられる
✅ 空隙にエネルギーが集中する
✅ 電磁石の吸引力: F = B²S/(2μ₀)
磁気エネルギーは交流回路やパワエレで超重要!
コンデンサとの対比で覚えると忘れにくいで。
💡 磁気エネルギーマスターへの道
静電エネルギーとの対応表を完全に覚えれば、公式を忘れても大丈夫!
C↔L、V↔I、Q↔Ψ、ε↔μ、E↔H、D↔B
これで磁気の分野は完璧や!次は応用編で総まとめ!
お疲れさん!第19講「磁気エネルギー」終了や!
💡 今日のまとめ
磁気エネルギーは「磁界の空間」に蓄えられる。
W = (1/2)LI² と w = (1/2)BH を覚えておけば、
コイルや電磁石のエネルギー計算はバッチリ!