起磁力、磁気抵抗、磁気のオームの法則
よっしゃ!第17講スタートや!
今回は「磁気回路」を学ぶで。
電気回路と対比しながら理解していこう!
前回学んだ相互インダクタンスや変圧器も、実は磁気回路の考え方がベースになってるんや。
📚 この講座で学ぶこと
✅ 磁気回路の基本概念
✅ 起磁力 F = NI [A]
✅ 磁気抵抗 Rm = l/(μS)
✅ 磁気回路のオームの法則
✅ 直列・並列磁気回路
💡 磁気回路のすごいところ
磁気の複雑な現象を、電気回路と同じ方法で計算できる!
オームの法則を知ってれば、磁気回路もすぐ理解できるで。
変圧器やモーターの設計に必須の知識や!
まずは磁気回路のイメージを掴もか!
📌 磁気回路とは?
🔹 磁束 Φ が流れる経路
🔹 電気回路の「電流が流れる経路」に対応
🔹 鉄心などの磁性体が主な通り道
🔹 空気中も通るが、磁気抵抗が大きい
💡 電気回路との比較イメージ
電気回路:電池が電圧を発生 → 電線に電流が流れる
磁気回路:コイルが起磁力を発生 → 鉄心に磁束が流れる
電線の代わりに鉄心、電流の代わりに磁束と考えるとわかりやすい!
電気回路との対比で理解するのがコツや!
| 電気回路 | 磁気回路 |
|---|---|
| 電流 I [A] | 磁束 Φ [Wb] |
| 起電力 V [V] | 起磁力 F [A] |
| 抵抗 R [Ω] | 磁気抵抗 Rm [A/Wb] |
| V = IR | F = ΦRm |
💡 覚え方
電気回路で V=IR なら
磁気回路で F=ΦRm
「電圧→起磁力」「電流→磁束」「抵抗→磁気抵抗」と置き換えるだけ!
💡 対応表の覚え方
V(電圧)→ F(起磁力):どちらも「流す原動力」
I(電流)→ Φ(磁束):どちらも「流れるもの」
R(抵抗)→ Rm(磁気抵抗):どちらも「流れにくさ」
電気と磁気はそっくりな法則で動いてるんや!
まずは起磁力 F から詳しく見ていこか!
F: 起磁力 [A](アンペア)
N: コイルの巻数
I: 電流 [A]
📌 起磁力のポイント
🔹 磁束を流す「原動力」(電気の起電力に対応)
🔹 単位は [A](アンペア)または [AT](アンペアターン)
🔹 巻数 N を増やすと起磁力も増える
💡 起磁力を増やす方法
F = NI だから、起磁力を増やすには…
方法①:電流 I を増やす(パワーアップ!)
方法②:巻数 N を増やす(コイルをたくさん巻く)
電流を増やせない場合は巻数で稼ぐのが実用的やで!
ほな、最初の問題いくで!
500回巻きのコイルに 2 A の電流を流した。
起磁力 F は何 A か?
💡 ヒント
使う公式:F = NI
N(巻数)と I(電流)を掛けるだけ!シンプルや。
公式に代入するだけや!
F = NI
N = 500
I = 2 A
💡 計算の手順
巻数 × 電流 = 起磁力
500 × 2 = ?
F = 500 × 2 = ?
発展問題!電気回路との対応を考えてみ。
起磁力 F = NI は、電気回路のどの量に対応する?
💡 考えるポイント
Step3の対比表を思い出そう!
起磁力は「磁束を流す原動力」やったな。
電気回路で「電流を流す原動力」は何やった?
次は磁気抵抗 Rm を学ぶで!
Rm: 磁気抵抗 [A/Wb] または [H⁻¹]
l: 磁路の長さ [m]
μ: 透磁率 [H/m]
S: 断面積 [m²]
📌 磁気抵抗のポイント
🔹 l(長さ)が大きい → Rm 大(磁束が流れにくい)
🔹 S(断面積)が大きい → Rm 小(磁束が流れやすい)
🔹 μ(透磁率)が大きい → Rm 小(磁束が流れやすい)
💡 電気抵抗との違いに注目!
電気抵抗:R = ρl/S(ρは抵抗率、大きいと流れにくい)
磁気抵抗:Rm = l/(μS)(μは透磁率、大きいと流れやすい)
ρ(抵抗率)とμ(透磁率)は逆の意味!混同注意や。
鉄と空気の磁気抵抗を比較しよか!
💡 空隙(エアギャップ)の影響
鉄心にわずかな空隙があると...
空気の磁気抵抗 >> 鉄の磁気抵抗
→ 全体の磁気抵抗が大幅に増加!
💡 なぜ空気は磁気抵抗が大きいのか
透磁率の比較:鉄 μ ≈ 数千×μ₀ vs 空気 μ = μ₀
つまり鉄は空気の数千倍も磁束が通りやすい!
Rm = l/(μS) の分母に μ があるから、μ が小さいと Rm が大きくなるんや。
磁気回路のオームの法則を確認しよか!
または \( \Phi = \frac{F}{R_m} = \frac{NI}{R_m} \)
📌 公式の使い方
🔹 磁束を求める: Φ = F/Rm = NI/Rm
🔹 起磁力を求める: F = ΦRm
🔹 磁気抵抗を求める: Rm = F/Φ
💡 電気のオームの法則との対比
電気:I = V/R(電流 = 電圧 ÷ 抵抗)
磁気:Φ = F/Rm(磁束 = 起磁力 ÷ 磁気抵抗)
完全に同じ形!電気回路の問題が解ければ、磁気回路も解けるで。
磁気回路の計算問題いくで!
起磁力 F = 800 A、磁気抵抗 Rm = 4×10⁵ A/Wb の磁気回路がある。
磁束 Φ は何 Wb か?
💡 ヒント
使う公式:Φ = F / Rm
電気回路の I = V/R と同じ形!
オームの法則を変形して使おう!
Φ = F / Rm
= 800 / (4×10⁵)
= 800 / 400000
💡 指数計算のコツ
800 = 8×10² なので
8×10² ÷ 4×10⁵ = 2×10⁻³
800 ÷ 400000 = ?
発展問題!コイルの条件を考えてみ。
起磁力 F = 800 A を得るのに、200回巻きのコイルを使う場合、電流は何 A 必要か?
💡 考えるポイント
F = NI を変形すると I = F/N
巻数と電流の関係を考えよう。
直列磁気回路を見ていこか!
📌 直列磁気回路のポイント
🔹 磁気抵抗は足し算(電気の直列と同じ)
🔹 同じ磁束 Φ が全ての部分を通る
🔹 空隙があると Rm が急増する
💡 電気回路との対応
電気の直列:R = R₁ + R₂(同じ電流が流れる)
磁気の直列:Rm = Rm1 + Rm2(同じ磁束が通る)
まさに同じ計算方法!
空隙の磁気抵抗を計算してみよか!
【例題】
空隙の長さ g = 1 mm = 10⁻³ m
断面積 S = 4×10⁻⁴ m²
空気の透磁率 μ₀ = 4π×10⁻⁷ H/m
【解答】
Rg = g / (μ₀S)
= 10⁻³ / (4π×10⁻⁷ × 4×10⁻⁴)
= 10⁻³ / (16π×10⁻¹¹)
≈ 2×10⁶ A/Wb
💡 わずか1mmの空隙でも...
磁気抵抗が非常に大きくなる!
だから変圧器は鉄心を密着させることが重要。
💡 実務での重要性
変圧器の鉄心は、薄い鋼板を積み重ねて作る。
積層の隙間をできるだけ小さくしないと、磁気抵抗が増大して効率が悪くなる!
だから変圧器メーカーは積層技術にこだわるんや。
並列磁気回路も確認しとこか!
📌 並列磁気回路のポイント
🔹 磁束が分岐する: Φ = Φ₁ + Φ₂
🔹 合成磁気抵抗は逆数の和
🔹 電気回路の並列抵抗と同じ計算法
💡 並列の特徴
電気の並列:電流が分岐(I = I₁ + I₂)
磁気の並列:磁束が分岐(Φ = Φ₁ + Φ₂)
磁気抵抗が小さい経路に多くの磁束が流れるで!
直列磁気回路の問題いくで!
鉄心の磁気抵抗 R鉄 = 1×10⁵ A/Wb
空隙の磁気抵抗 Rg = 4×10⁵ A/Wb
が直列の磁気回路がある。
合成磁気抵抗 Rm は何 A/Wb か?
💡 ヒント
直列の合成磁気抵抗は?
電気回路の直列抵抗と同じ計算方法や!
直列は足し算や!
Rm = R鉄 + Rg
= 1×10⁵ + 4×10⁵
💡 指数が同じなら係数だけ足す
1×10⁵ + 4×10⁵ = (1+4)×10⁵
1×10⁵ + 4×10⁵ = ?
発展問題!比率を考えてみ。
この磁気回路で、空隙の磁気抵抗は全体の何%を占める?
💡 考えるポイント
空隙 Rg = 4×10⁵
全体 Rm = 5×10⁵(さっき計算した)
割合 = 空隙 ÷ 全体 × 100%
パーミアンスという量も紹介しとくで!
P: パーミアンス [Wb/A] または [H]
磁気抵抗の逆数
📌 パーミアンスのポイント
🔹 P が大きい = 磁束が流れやすい
🔹 電気のコンダクタンス G に対応
🔹 並列の計算で便利: P = P₁ + P₂
💡 パーミアンスを使うメリット
並列磁気回路では逆数の和を計算するのが面倒…
パーミアンスなら足し算だけで計算できる!
P = P₁ + P₂(電気のコンダクタンスと同じ)
磁気回路の計算手順をまとめるで!
📌 計算の流れ
① F = NI で起磁力を計算
② Rm = l/(μS) で各部の磁気抵抗を計算
③ 直列なら足す、並列なら逆数の和
④ Φ = F/Rm で磁束を求める
💡 試験対策のコツ
磁気回路の問題は、電気回路に置き換えて解く!
F→V、Φ→I、Rm→R と置き換えれば、いつものオームの法則で解ける。
直列・並列の計算法もまったく同じや。
総合例題を解いてみよか!
【例題】
環状鉄心(μr=2000、l=0.5m、S=4×10⁻⁴m²)に
1mmの空隙がある。
200回巻きのコイルに5A流したときの磁束Φは?
【解答】
① F = NI = 200 × 5 = 1000 A
② R鉄 = l/(μ₀μrS) ≈ 5×10⁵ A/Wb
③ Rg = g/(μ₀S) ≈ 2×10⁶ A/Wb
④ Rm = R鉄 + Rg ≈ 2.5×10⁶ A/Wb
⑤ Φ = F/Rm = 1000/(2.5×10⁶) = 4×10⁻⁴ Wb
💡 注目ポイント
空隙はたった1mmなのに、磁気抵抗の80%以上を占める!
💡 この例題から学べること
空隙がわずかでも、全体の磁気抵抗に大きく影響する。
だから実際の変圧器やモーターは、空隙をできるだけ小さくするよう設計されてるんや。
総合問題いくで!
磁気回路の磁気抵抗が Rm = 2×10⁶ A/Wb である。
磁束 Φ = 5×10⁻⁴ Wb を得るために必要な起磁力 F は何 A か?
💡 ヒント
使う公式:F = Φ × Rm
電気回路の V = I × R と同じ形!
オームの法則を使おう!
F = Φ × Rm
= (5×10⁻⁴) × (2×10⁶)
= 5 × 2 × 10⁻⁴⁺⁶
= 10 × 10²
💡 指数計算のコツ
10⁻⁴ × 10⁶ = 10⁻⁴⁺⁶ = 10²
指数は足し算するだけ!
10 × 10² = ?
発展問題!コイルの設計を考えてみ。
起磁力 F = 1000 A を得るのに、電流を 2 A しか流せない場合、コイルの巻数は何回必要か?
💡 考えるポイント
F = NI を変形すると N = F/I
電流が少ない分、巻数で稼ぐ!
磁気回路の重要ポイントをまとめるで!
| 項目 | 公式 |
|---|---|
| 起磁力 | F = NI [A] |
| 磁気抵抗 | Rm = l/(μS) [A/Wb] |
| オームの法則 | F = ΦRm |
| 直列 | Rm = Rm1 + Rm2 |
| 並列 | 1/Rm = 1/Rm1 + 1/Rm2 |
| パーミアンス | P = 1/Rm = μS/l [H] |
💡 次の講座への準備
第18講では磁性体とヒステリシスを学ぶで!
B-H曲線や鉄損について理解しよう。
💡 試験での出題パターン
① 起磁力の計算(F = NI)
② 磁気抵抗の計算(Rm = l/(μS))
③ 直列磁気回路の合成(足し算)
④ 空隙の影響を問う問題
これらのパターンを押さえておけば安心!
お疲れ様!第17講「磁気回路」完了や!
📚 今日学んだこと
✅ 起磁力: F = NI(磁束の原動力)
✅ 磁気抵抗: Rm = l/(μS)
✅ オームの法則: F = ΦRm
✅ 空隙の磁気抵抗は非常に大きい
✅ 電気回路との対比で計算できる
💡 磁気回路マスターへの道
磁気回路は、電気回路の知識をそのまま活用できる!
F = ΦRm と V = IR の対応さえ覚えれば、
直列・並列の計算も全く同じ方法でできるで。
磁気回路は電気回路と対比すると覚えやすい!
「V→F、I→Φ、R→Rm」の置き換えを忘れんといてな。
お疲れさん!第17講「磁気回路」終了や!
💡 今日のまとめ
磁気回路は電気回路の「鏡」のような存在。
F = ΦRm を使いこなせば、変圧器やモーターの設計も理解できる!
次回は磁性体の特性を詳しく学ぶで。