e = -dΦ/dt と速度起電力 e = vBL
よっしゃ!第14講スタートや!
今回は「誘導起電力の計算」を学ぶで。
前回学んだファラデーの法則を使って、実際に計算できるようになろう!
前回は「電磁誘導とは何か」「ファラデーの法則」「レンツの法則」を学んだな。今回は具体的な計算方法を身につけるで!
📚 この講座で学ぶこと
✅ e = -N(dΦ/dt) の計算方法
✅ 速度起電力 e = vBL の導出
✅ フレミング右手の法則
✅ 導体棒の運動と起電力
✅ 回転コイルの交流起電力
💡 今回の公式の関係
基本:e = -N(dΦ/dt)(ファラデーの法則)
↓ 導体棒が動く場合に適用すると
派生:e = vBL(速度起電力)
つまり e = vBL は、ファラデーの法則の「特殊ケース」なんや。今回はこの関係を理解しながら計算力を身につけるで!
まずは前回のファラデーの法則を復習しよか!
📌 復習ポイント
🔹 磁束 Φ が変化すると起電力 e が発生
🔹 N は巻数(N倍になる)
🔹 マイナスはレンツの法則(向きの情報)
今回は「磁束がどう変化するか」を具体的に計算するで!
💡 磁束Φの変化を「見える化」
磁束 Φ = B × S(磁束密度 × 面積)やったな。
ということは、Φを変化させるには...
① B(磁束密度)を変える:電磁石の電流を変える
② S(面積)を変える:導体を動かして回路の面積を変える
今回は特に②の「導体を動かす」パターンに注目するで!
磁束 Φ = BS を変化させる2つのパターンを確認するで!
💡 今回のメインテーマ
パターン②の「導体棒を動かす」ケースを詳しく学ぶで!
これが速度起電力 e = vBL につながるんや。
💡 なぜパターン②が重要なのか
理由1:発電機の原理
火力・水力・原子力発電所の発電機は、すべてコイルを回転させて(面積変化で)電気を作ってる。
理由2:電験で頻出
「導体棒がレール上を滑る」という設定の問題が非常によく出題される。
理由3:公式が単純
e = vBL は3つの値を掛けるだけの簡単な公式で、計算しやすい。
磁界中で導体棒を動かす状況を考えよか!
📌 設定
🔹 磁束密度 B(一様、紙面奥向き)
🔹 導体棒の長さ L
🔹 速度 v で右に移動
🔹 コイルを貫く面積 S が増加していく!
💡 この状況のイメージ
導体棒がレールの上を滑っていく様子を想像してな。
導体棒が右に動くと、U字型レールと導体棒で作られる「閉回路」の面積が増える。
面積が増える → 磁束 Φ = BS が増える → 起電力が発生!
これがファラデーの法則の具体例なんや。
ほな、最初の問題いくで!
導体棒が動いたときの面積変化を考えよう。
導体棒が速度 v で Δt 秒間動いたとき、面積の増加量 ΔS はいくらか?
(導体棒の長さを L とする)
📌 ヒント
面積 = 縦 × 横
縦は導体棒の長さ L、横は導体棒が移動した距離やで!
サポート問題で確認しよか!
面積の求め方
縦 = L、横 = v × Δt
ΔS = L × (v × Δt) = ?
ΔS = L × v × Δt と書くと、どれと同じ?
発展問題や!微分形式で考えてみ。
面積 S = L × x(x は導体棒の位置)のとき、dS/dt を求めよ。
ただし、dx/dt = v とする。
さあ、速度起電力の公式を導出するで!
ファラデーの法則から派生させるのがポイントや。
【導出】速度起電力 e = vBL
① 磁束の変化量: ΔΦ = B × ΔS = B × (vLΔt) = BvLΔt
② 起電力(N=1): |e| = ΔΦ/Δt = BvLΔt/Δt = vBL
e: 誘導起電力 [V]
v: 導体の速度 [m/s]
B: 磁束密度 [T]
L: 導体の長さ [m]
💡 覚え方
「ブイ・ビー・エル」で覚えよう!
v × B × L = 速度 × 磁束密度 × 長さ
💡 なぜ e = vBL になるのか(直感的理解)
v(速度)が大きい:
速く動くほど、短時間で多くの磁力線を横切る → 起電力が大きい
B(磁束密度)が大きい:
磁界が強いほど、横切る磁力線の本数が多い → 起電力が大きい
L(長さ)が大きい:
導体が長いほど、面積変化が大きい → 起電力が大きい
3つの要素が全部掛け算で効くから、どれを増やしても起電力は大きくなるで!
起電力の向きを決める法則を学ぼか!
📌 左手と右手の使い分け
🔹 右手: 発電機(運動 → 電気)
🔹 左手: モーター(電気 → 運動)
💡 左手・右手の覚え方
語呂合わせ:「発電機は右利き」
発電所では電気を「生み出す」→ 右手(フレミング右手の法則)
モーターは電気を「使う」→ 左手(フレミング左手の法則)
指の対応(両手とも同じ):
・親指 → 運動・力の方向(Motion/Movement)
・人差し指 → 磁界B(磁界はBから始まる)
・中指 → 電流・起電力(Current/EMF)
具体的な状況で起電力の向きを確認しよか!
💡 電子の観点でも理解できる
導体棒が動くと、中の電子も速度 v で動く
→ 電子にローレンツ力 F = qvB がかかる
→ 電子が一方に偏り、起電力が発生!
💡 起電力の向きの決め方(3つの方法)
方法1:フレミング右手の法則
親指(v)→右、人差し指(B)→奥 → 中指(e)→上
方法2:ローレンツ力で考える
電子は負電荷なので、v×Bと逆向きに力を受ける → 電子が下に移動 → 上端が+
方法3:レンツの法則で考える
磁束が増加 → それを妨げる向きに電流 → 右ネジの法則で電流の向きを決定
試験では、自分が使いやすい方法を1つ確実にマスターしておこう!
ほな、計算問題いくで!
e = vBL を使って解いてみよう。
磁束密度 B = 0.5 T の一様な磁界中で、長さ L = 0.4 m の導体棒を磁界に垂直に v = 10 m/s で動かした。
発生する起電力は何 V か?
📌 計算のヒント
磁界に「垂直」に動かしてるから、sinθ = 1(θ = 90°)
つまり e = vBL をそのまま使えるで!
公式に代入するだけや!
e = vBL を使う
v = 10 m/s
B = 0.5 T
L = 0.4 m
e = 10 × 0.5 × 0.4 = ?
発展問題!抵抗を考えてみよか。
起電力と抵抗から電流を求めるんや。
上の状況で、回路全体の抵抗が 0.5 Ω のとき、回路に流れる電流は何 A か?
📌 ヒント
起電力 e = 2 V(さっき計算した値)
オームの法則 I = e/R を使おう!
導体棒が斜めに動く場合を考えよか!
θ: 磁界Bと速度vのなす角
📌 ポイント
🔹 θ = 90°(垂直)のとき: e = vBL(最大)
🔹 θ = 0°(平行)のとき: e = 0(起電力なし)
💡 なぜsinθが出てくるのか
速度vを「磁界Bに垂直な成分」と「平行な成分」に分解すると...
垂直成分 v sinθ:磁力線を横切る → 起電力に寄与
平行成分 v cosθ:磁力線に沿って動く → 起電力に寄与しない
だから e = (v sinθ) × B × L = vBL sinθ になるんや。
覚え方:ローレンツ力 F = qvB sinθ と同じ構造!「角度があったらsinθ」と覚えよう。
いよいよ回転コイルの話や!これが発電機の原理やで。
📌 回転コイルのポイント
🔹 コイル面と磁界のなす角 θ が変化
🔹 θ = ωt(ω: 角速度、t: 時間)
🔹 磁束 Φ = BS cosθ = BS cos(ωt)
💡 なぜ Φ = BS cosθ なのか
コイル面に対する磁束は、磁界Bの「コイル面に垂直な成分」だけが有効。
コイル面の法線nと磁界Bのなす角がθのとき、有効な成分は B cosθ。
だから Φ = (B cosθ) × S = BS cosθ になるんや。
コイルが1回転すると:
θ = 0° → Φ = BS(最大)
θ = 90° → Φ = 0(磁力線がコイル面に平行)
θ = 180° → Φ = -BS(逆向きで最大)
このように磁束が周期的に変化するから、交流が発生するんや!
回転コイルの起電力の公式を導出するで!
これがいよいよ交流発電機の原理や!
【導出】回転コイルの起電力
① 磁束: Φ = BS cos(ωt)
② 起電力: e = -N(dΦ/dt)
③ 微分: dΦ/dt = -BSω sin(ωt)
④ よって: e = NBSω sin(ωt)
Em = NBSω: 起電力の最大値 [V]
ω: 角速度 [rad/s]
💡 交流の誕生!
sin(ωt) があるから正弦波交流が発生する!
これが交流発電機の原理や!
💡 磁束と起電力の位相差
磁束:Φ = BS cos(ωt)
起電力:e = NBSω sin(ωt)
cosとsinの関係から、起電力は磁束より90°(π/2)位相が進む。
物理的な意味:
・磁束が最大のとき(cosの山)→ 起電力は0(sinの0点)
・磁束の変化が最大のとき → 起電力が最大
つまり「磁束の変化率」が起電力を決めるから、こうなるんや。
回転コイルの問題いくで!
Em = NBSω を使って解こう。
100回巻き、面積 0.02 m² のコイルが、磁束密度 0.5 T の一様な磁界中で 50 rad/s で回転している。
発生する起電力の最大値は何 V か?
📌 計算のヒント
N = 100、B = 0.5、S = 0.02、ω = 50
これらを Em = NBSω に代入するだけや!
順番に計算しよか!
Em = NBSω を使う
N = 100
B = 0.5 T
S = 0.02 m²
ω = 50 rad/s
Em = 100 × 0.5 × 0.02 × 50 = ?
発展問題!周波数との関係を考えてみ。
ω = 50 rad/s のとき、発生する交流の周波数 f [Hz] はいくらか?
(ヒント: ω = 2πf)
📌 ヒント
ω = 2πf を f について解くと、f = ω/(2π)
π ≈ 3.14 を使って計算しよう!
回転コイルから発生する交流波形を確認しよか!
📌 波形の特徴
🔹 ωt = π/2 のとき: e = Em(最大)
🔹 ωt = π のとき: e = 0
🔹 ωt = 3π/2 のとき: e = -Em(最小)
🔹 周期 T = 2π/ω、周波数 f = ω/(2π)
💡 日本の商用電源との関係
東日本:f = 50 Hz → ω = 2π × 50 = 100π rad/s
西日本:f = 60 Hz → ω = 2π × 60 = 120π rad/s
発電機のコイルが1秒間に50回転(東日本)または60回転(西日本)してるんや。
周期と周波数の関係:
T = 1/f、ω = 2πf = 2π/T
これは交流回路でも頻出の関係式やで!
実効値との関係も確認しとこか!
これは交流回路でとても重要な概念やで。
【例】
最大値 Em = 100 V のとき
実効値 E = 100 / √2 ≈ 70.7 V
💡 実効値とは?
交流の「実質的な大きさ」を表す値
家庭のコンセント「100V」は実効値のこと!
最大値は 100 × √2 ≈ 141 V
💡 なぜ実効値を使うのか
交流の瞬時値は時々刻々変化する。でも「平均的にどれくらいの仕事ができるか」を知りたいことが多い。
実効値の定義:
「同じ抵抗に流したとき、直流と同じ発熱量(電力)を与える値」
正弦波の場合、これを計算すると Em/√2 になるんや。
覚え方:√2 ≈ 1.41 だから、最大値は実効値の約1.41倍!
ここで公式の使い分けをまとめるで!
📌 使い分けのコツ
🔹 導体棒が動く問題 → e = vBL
🔹 コイルが回転する問題 → Em = NBSω
🔹 磁束の変化量が与えられた問題 → e = N(ΔΦ/Δt)
💡 問題文のキーワードで公式を選ぶ
「導体棒」「レール上を滑る」「速度v」→ e = vBL
「回転するコイル」「角速度ω」「発電機」→ Em = NBSω
「磁束が○秒で△Wb変化」→ e = N(ΔΦ/Δt)
「斜めに動く」「角度θ」→ e = vBL sinθ
試験では、問題文をしっかり読んで、どの状況かを判断することが大事やで!
総合問題いくで!
今まで学んだことを使って解いてみよう。
B = 0.8 T、L = 0.5 m、v = 5 m/s のとき、
発生する起電力は何 V か?
公式を確認しながら計算しよ!
e = vBL
= 5 × 0.8 × 0.5
= 5 × 0.4 = ?
5 × 0.4 = ?
発展問題!エネルギーを考えてみ。
起電力 2 V、回路の抵抗 0.4 Ω のとき、導体棒が受ける磁気力(反作用)は何 N か?
(ヒント: I = e/R、F = BIL)
誘導起電力の計算重要ポイントをまとめるで!
試験前の復習用にしっかり確認しとこ。
| 公式 | 用途 |
|---|---|
| \( e = -N \frac{d\Phi}{dt} \) | 基本式(ファラデー) |
| \( e = vBL \) | 導体棒の運動 |
| \( e = vBL\sin\theta \) | 斜め方向の運動 |
| \( E_m = NBS\omega \) | 回転コイルの最大値 |
| \( e = E_m\sin(\omega t) \) | 交流起電力 |
| \( E = E_m / \sqrt{2} \) | 実効値 |
💡 今日の最重要ポイント3つ!
① e = vBL:導体が磁界中を動くと起電力が発生(「ブイ・ビー・エル」で覚える)
② フレミング右手の法則:発電機の向き判定に使う(親指v、人差し指B、中指e)
③ Em = NBSω:回転コイルの最大起電力(交流発電機の原理)
💡 次の講座への準備
第15講では自己インダクタンスを学ぶで!
「コイル自身が作る磁束」による誘導現象や。
コイルに電流を流すと磁束ができる → 電流が変化すると磁束も変化 → 自分自身に起電力が誘導される!
お疲れ様!第14講「誘導起電力の計算」完了や!
これで発電機の原理から計算方法までマスターできたで!
📚 今日学んだこと
✅ 速度起電力: e = vBL
✅ フレミング右手の法則: 起電力の向き
✅ 角度がある場合: e = vBL sinθ
✅ 回転コイル: Em = NBSω
✅ 交流の発生: e = Em sin(ωt)
📝 試験直前の最終チェック
□ e = vBL を正しく使えてる?
□ フレミング右手の法則で向きを判定できる?
□ 角度θがあったら sinθ を掛けることを忘れてない?
□ 回転コイルの Em = NBSω を覚えてる?
□ 実効値 = 最大値/√2 の関係を理解してる?
速度起電力 e = vBL は電験でよく出る公式や!
「ブイ・ビー・エル」で覚えといてな。
💡 次回予告:自己インダクタンス
次回は自己インダクタンス Lを学ぶで!
コイルに電流を流す → コイル自身が磁束を作る → 電流が変化すると、自分自身に起電力が誘導される
これを自己誘導といい、その係数が自己インダクタンス Lなんや。
公式は e = -L(dI/dt)。今回のファラデーの法則の応用やで!
お疲れさん!第14講「誘導起電力の計算」終了や!
📝 今日のまとめ
✅ 速度起電力 e = vBL
✅ 角度あり e = vBL sinθ
✅ 回転コイル Em = NBSω
✅ 交流起電力 e = Em sin(ωt)
✅ 実効値 E = Em/√2