第19講:試験本番で「どの手法を使うか」を瞬時に判断する力を身につけよう
さあ、ついに第19講や!直流回路もいよいよ大詰めやで。
ここまで18講かけて、オームの法則から始まって、直列・並列、キルヒホッフ、テブナン、ブリッジ、ミルマン、電力、最大電力、電池の内部抵抗…って、ほんまにたくさんの「道具」を学んできたな。一つひとつの道具の使い方はもう分かってるはずや。
せやけどな、試験本番で一番大事なのは「どの道具をいつ使うか」の判断力なんや。
たとえば、大工さんが「金づちの使い方は完璧」「ノコギリも使える」「カンナも得意」って言っても、「この場面ではどれを使うべきか」が分からんかったら仕事にならんやろ?電験三種も全く同じで、問題を見た瞬間に「あ、これはテブナンやな」とか「分圧で一発やん」って判断できる力が合否を分けるんや。
📌 この講座で学ぶこと
⚡ 解法選択のフローチャート ─ 問題を見た瞬間の判断基準
⚡ 時短テクニック ─ 和分の積・分圧分流の「即使い」
⚡ 電験三種の頻出パターン ─ 合成抵抗、分圧分流、KVL、テブナン、ブリッジ
⚡ 回路の対称性 ─ 知ってるだけで一瞬で解ける裏ワザ
⚡ 試験本番の時間配分と戦略
ここまで学んだ知識を「実戦で使える武器」に変える、いわば総合演習みたいな回や。ラストスパート、気合い入れていこか!
まずは「なんで解法選択がそんなに大事なんか」ってところから話そか。
電験三種の理論科目は、試験時間が90分で問題数はだいたい20問前後や。つまり、1問あたり約4〜5分で解かなあかん計算になる。これ、結構シビアやで。
ここで考えてみてほしいんやけど、同じ回路の問題でも、解き方によって計算量がまったく違うことがあるんや。たとえば、2つの電源がある回路で特定の抵抗に流れる電流を求める問題。キルヒホッフの法則で連立方程式を立てて解いたら、式を3つ立てて行列計算して…ってやると5分以上かかるかもしれん。でも、テブナンの定理を使えば、開放電圧と内部抵抗を求めて割り算1回で終わり。2分もかからんこともある。
これ、カーナビと同じや。目的地に行くのに「一般道をグネグネ走る」のと「高速道路でビューンと行く」のとでは、到着時間が全然違うやろ?問題を解くときも、最短ルートを見つけるのが大事なんや。回り道しても答えは出るかもしれんけど、試験時間は限られてるからな。
せやから、この講座では「問題を見た瞬間にどの手法を使うか判断する力」を徹底的に鍛えていくで。具体的には、問題の特徴を見抜くポイントを整理して、パターンごとに最適な解法をマッチングさせる練習をしていく。
「全部キルヒホッフで解く」みたいな力技は、時間があるときならええけど、試験本番では通用せえへん。スマートに解く力を、ここでしっかり身につけような。
ほな、解法選択のフローチャートを作っていこか。問題を見たときに「まず何をチェックするか」を順番に整理するで。
電験三種の直流回路の問題って、ぱっと見は色々あるように見えるけど、実は「何を求めるか」と「回路の構造」の2つで、使うべき手法がほぼ決まるんや。ここを見抜くのがコツやで。
この図をじっくり見てみ。ポイントは大きく分けて3つの判断基準があるってことや。
🔍 判断基準① 電源の数
電源が1つだけなら、オームの法則+直並列合成+分圧分流で大体いける。2つ以上あるなら、キルヒホッフかテブナンか重ね合わせの出番や。
🔍 判断基準② 回路の形
ブリッジの形(菱形に4つの抵抗+対角線に検流計)が見えたら、まず平衡条件をチェックする。平衡してたら対角線を無視できるから一気に簡単になるで。
🔍 判断基準③ 何を求めるか
「特定の1つの抵抗の電流だけ知りたい」ならテブナンが最強。「回路全体の電流分布を知りたい」ならキルヒホッフ。「並列電源の共通電圧」ならミルマン。目的に合わせて道具を選ぶんや。
この3つの判断基準を頭に叩き込んどけば、問題を見た瞬間に「あ、これはこっちのルートやな」って分かるようになる。次のステップからは、各パターンの具体的なテクニックを見ていくで。
フローチャートが頭に入ったところで、次は計算を速くするための時短テクニックを伝授するで。
電験三種は「分かってるのに時間が足りない」で落ちる人がめっちゃ多い。せやから、1秒でも速く正確に計算する技術は、知識と同じくらい大事なんや。
⚡ テク① 和分の積(2本の並列は暗算で)
2つの抵抗 \( R_1 \) と \( R_2 \) の並列合成は、いちいち逆数にせんでも
\( R = \frac{R_1 R_2}{R_1 + R_2} \)(積÷和)で一発や。
例:6Ωと3Ωの並列 → \( \frac{6 \times 3}{6 + 3} = \frac{18}{9} = 2 \) Ω
これを「和分の積」って覚えとけ。試験中に何度も使うで。
⚡ テク② 同じ抵抗n本の並列は「÷n」
同じ値の抵抗がn本並列に並んでたら、合成抵抗は元の値をnで割るだけ。
例:4Ωが3本並列 → \( \frac{4}{3} \) Ω。これだけ。
逆数を3つ足して…なんてやってたら時間の無駄やで。
⚡ テク③ 分圧・分流は「比率」で一発
分圧の法則:直列回路の電圧は抵抗の比で分配。
\( V_1 = V \times \frac{R_1}{R_1 + R_2} \)
分流の法則:並列回路の電流は相手の抵抗の比で分配。
\( I_1 = I \times \frac{R_2}{R_1 + R_2} \) ←「自分」やなくて「相手」やで!
この2つを使えば、わざわざオームの法則で全部の電流を求めてから掛け算する…みたいな遠回りをせんで済む。
⚡ テク④ 「倍数」で分数を回避
計算途中で分数が出そうなとき、最初から全体に共通の倍数をかけて整数にしてから計算すると、ミスが減る。
例:\( \frac{1}{R} = \frac{1}{3} + \frac{1}{6} \) → 両辺に6をかけると \( \frac{6}{R} = 2 + 1 = 3 \) → \( R = 2 \) Ω
分数同士の足し算を通分する手間がなくなるで。
⚡ テク⑤ 検算の習慣をつける
計算が終わったら、「答えが常識的にありえる値か」をチェックする癖をつけよう。
・並列合成抵抗は、最も小さい個々の抵抗より必ず小さい
・直列合成抵抗は、最も大きい個々の抵抗より必ず大きい
・電圧降下の合計は電源電圧と一致するはず
これだけで計算ミスの半分以上は防げるで。
📌 時短テクニックまとめ
⚡ 2本並列 → 和分の積(積÷和)で暗算
⚡ n本同値並列 → 「÷n」で即答
⚡ 分圧・分流 → 比率の式を即使い
⚡ 分数 → 共通倍数をかけて整数化
⚡ 検算 → 「ありえる値か?」を最後にチェック
これらのテクニックは、1つずつは地味に見えるかもしれん。でもな、試験で20問解く中でそれぞれ30秒ずつ節約できたら、合計10分の余裕が生まれるんや。10分あったら見直しもできるし、難問にじっくり取り組むこともできる。ほんまに大きいで。
ほな、さっそく問題で練習や。まずは解法選択の判断力を試すで。
次の状況をよう読んで、「どの手法で解くのが最も効率的か」を選んでな。問題自体を解くんやなくて、最短ルートを選ぶのがポイントやで。
次の回路がある:2つの電圧源(\( E_1 \)、\( E_2 \))と3つの抵抗(\( R_1 \)、\( R_2 \)、\( R_3 \))が接続されている。このとき、\( R_3 \) に流れる電流だけを求めたい。
最も効率的な解法はどれか?
大丈夫や、解法選択のコツを一緒に整理しよか。
問題文のキーワードをもう一度見てみ。「2つの電圧源」と「\( R_3 \) に流れる電流だけ」って書いてあるやろ?
ポイント整理
・電源が1つだけ → オームの法則+直並列で解ける
・電源が2つ以上 → キルヒホッフ or テブナン or 重ね合わせ
・「特定の1箇所だけ知りたい」→ テブナンが最速
・「回路全体の電流分布」→ キルヒホッフ
・ブリッジ形 → まず平衡条件チェック
今回は「電源2つ」+「特定の1箇所」。このパターンに当てはまる手法はどれやろ?
電源が2つあり、特定の抵抗1つの電流を知りたいとき、最適な手法は?
さすがやな!テブナンを選べるってことは、フローチャートがしっかり頭に入ってる証拠や。
ほな、もうちょっと判断力を試す問題いくで。今度は「テブナンではない」パターンや。
次の状況を考えよ:電源が1つ、4つの抵抗が菱形に接続され、対角線上に検流計が接続されている。この検流計に電流が流れるか判定したい。最も効率的な手法は?
💡 ヒント:回路の「形」に注目せよ。
ここからは、電験三種で実際に出る頻出パターンを1つずつ攻略していくで。最初は一番基本的な「直並列合成+分圧」のパターンや。
このパターンは電験三種でほぼ毎回出ると言ってええくらい定番中の定番や。問題の見た目は色々やけど、やることは同じ。「回路を段階的にシンプルにして、分圧や分流で目的の値を求める」。これだけ。
上の回路を見てみ。\( R_1 \) が直列、\( R_2 \) と \( R_3 \) が並列に接続されてる典型パターンや。ここで「\( A-B \) 間の電圧を求めよ」って聞かれたらどうする?
📝 解法の手順(テンプレート)
Step 1: 並列部分を合成 → \( R_{23} = \frac{R_2 R_3}{R_2 + R_3} \)
Step 2: 全体の合成抵抗 → \( R_{全} = R_1 + R_{23} \)
Step 3: 全電流 → \( I = \frac{E}{R_{全}} \)
Step 4: 分圧で目的の電圧 → \( V_{AB} = E \times \frac{R_{23}}{R_1 + R_{23}} \)
ここで大事なのは、Step 4 の分圧の式に注目してほしい。実は、Step 1〜3をすっ飛ばして、いきなり分圧の式で答えを出せるんや。全電流をわざわざ求めなくても、電圧の比率だけで答えが出る。これが分圧を「即使い」するテクニックや。
試験本番では、「この手順で解ける」と分かったら、最短ルートだけ計算して選択肢を照合するのが鉄則やで。途中の値が選択肢になってない場合は、最終答えだけ計算すればOKや。
次は頻出パターン②「分流で電流を求める」や。これも超頻出やけど、ミスしやすいポイントがあるから要注意やで。
分流の法則って覚えてるか?並列接続のとき、「各枝に流れる電流は相手の抵抗に比例する」ってルールや。ここが直感に反するから間違いやすいねん。
たとえば、高速道路で車線が2つに分かれるとき、「広い道(抵抗小さい)」のほうに車がたくさん流れるやろ?分流も同じで、抵抗が小さいほうにたくさん電流が流れる。でも式に書くときは「相手の抵抗」を分子に置くんや。なんでかって言うと、「相手の抵抗が大きい=相手側は流れにくい=自分のほうにたくさん来る」っていう関係やからやな。
この「分子は相手の抵抗」っていうのは、電験受験生が一番間違えやすいポイントのひとつや。試験中に焦ってると、ついつい自分の抵抗を分子に置いてまう。これを防ぐコツは、計算した後に検算することや。
🔍 分流の検算チェック
① \( I_1 + I_2 = I \)(元の電流に一致するか?)
② 抵抗が小さい方に大きい電流が流れているか?
③ 極端な例で確認:\( R_1 = 0 \) なら全電流が \( R_1 \) 側に流れるはず
たとえば \( R_1 = 2\Omega \)、\( R_2 = 8\Omega \) で全電流 \( I = 5 \) A のとき:
\( I_1 = 5 \times \frac{8}{2+8} = 5 \times \frac{8}{10} = 4 \) A(抵抗小→電流大 ✅)
\( I_2 = 5 \times \frac{2}{2+8} = 5 \times \frac{2}{10} = 1 \) A(抵抗大→電流小 ✅)
検算:\( 4 + 1 = 5 \) A ✅ ばっちりやな。
もし間違えて \( I_1 = 5 \times \frac{2}{10} = 1 \) A って計算してしまったら、「あれ?抵抗小さい方なのに電流少ないぞ?」って検算で気付けるわけや。この検算習慣が試験本番を救うで。
ほな、次のステップで実際に計算問題を解いてみよか!
ほな、頻出パターン①②を組み合わせた実践問題や。直並列合成+分圧のテクニックをフル活用してみ。
上の回路で、\( E = 10 \) V、\( R_1 = 2 \) Ω、\( R_2 = 6 \) Ω、\( R_3 = 3 \) Ω のとき、\( R_2 \) にかかる電圧はいくらか?
一緒に手順を追っていこか。この問題のカギは「まず並列部分を合成する」ことやで。
Step 1: R2 と R3 の並列合成
\( R_{23} = \frac{R_2 \times R_3}{R_2 + R_3} = \frac{6 \times 3}{6 + 3} = \frac{18}{9} = 2 \) Ω
Step 2: 分圧で電圧を求める
R1 と R23 が直列やから、R23 にかかる電圧は分圧で求まる。
R2 と R3 は並列やから、R2 にかかる電圧 = R3 にかかる電圧 = R23 にかかる電圧や。
\( V_{23} = 10 \times \frac{R_{23}}{R_1 + R_{23}} = 10 \times \frac{2}{2 + 2} = 10 \times \frac{1}{2} = \) ? V
上の計算の結果、\( R_2 \) にかかる電圧は何Vになる?
正解!分圧を「即使い」できたな。ほな、さらに一歩進んだ問題を解いてみ。
上と同じ回路(\( E = 10 \) V、\( R_1 = 2 \) Ω、\( R_2 = 6 \) Ω、\( R_3 = 3 \) Ω)で、\( R_3 \) に流れる電流を求めよ。
💡 ヒント:R2 にかかる電圧が分かっているなら、オームの法則で…
次の頻出パターンはキルヒホッフの法則(KVL)を使った計算や。これは電源が2つ以上ある回路で、回路全体の電流分布を知りたいときに使う定番手法やな。
「キルヒホッフ」って聞くだけで身構える人もおるけど、実はやることはシンプルや。「閉回路を一周したら電圧の合計はゼロになる」っていうルールを使って式を立てるだけ。ポイントは「効率よく式を立てる」ことやで。
上の回路みたいに、電源が2つあって単一ループになってる場合。これはKVLで一発で解けるで。
📝 KVLの式の立て方(単一ループ)
ループを一周して、起電力の和=電圧降下の和 にする:
\( E_1 - E_2 = I(R_1 + R_2) \)
(\( E_1 \) と \( E_2 \) の向きが逆なら引き算、同じ向きなら足し算)
→ \( I = \frac{E_1 - E_2}{R_1 + R_2} \)
ここでめっちゃ大事なポイントがある。電流の向きを仮定するとき、計算結果がマイナスになっても大丈夫やということや。マイナスが出たら「仮定と逆向きに流れてる」ってだけの話で、絶対値が電流の大きさになる。
これ、試験本番で焦ってると「マイナスが出た!間違えた!」って思ってしまう人がおるけど、マイナスは間違いやない。むしろ正しく解けてる証拠のこともある。落ち着いて対処しような。
📌 KVLの効率的な使い方
⚡ 電流の向きはどっちに仮定してもOK(マイナスが出たら逆向き)
⚡ 単一ループなら式は1本だけ → 一次方程式で即解ける
⚡ 複数ループなら連立方程式 → 式の数=未知電流の数にする
⚡ 電圧源の向きと電流の向きが同じなら+、逆なら−
ほな、KVLの計算問題いくで。さっきの単一ループのパターンや。
単一ループ回路で、\( E_1 = 10 \) V、\( R_1 = 2 \) Ω、\( E_2 = 4 \) V、\( R_2 = 3 \) Ω が接続されている。2つの電源は互いに逆向き(\( E_1 \) が電流を押し出す方向、\( E_2 \) が逆らう方向)のとき、回路に流れる電流 \( I \) はいくらか?
落ち着いて一緒にやろか。KVLの基本に立ち返るで。
ポイント整理
・2つの電源が「逆向き」 → 起電力は引き算になる
・\( E_1 \) が電流を押す、\( E_2 \) が逆らう → 正味の起電力は \( E_1 - E_2 \)
・全抵抗は \( R_1 + R_2 \)(直列やから足し算)
・電流 \( I = \frac{E_1 - E_2}{R_1 + R_2} = \frac{10 - 4}{2 + 3} = \frac{?}{?} \)
\( \frac{10 - 4}{2 + 3} \) を計算すると?
完璧や!KVLの基本はバッチリやな。ほな発展問題。今度は「電池の内部抵抗」が絡むパターンや。
起電力 \( E_1 = 12 \) V(内部抵抗 \( r_1 = 1 \) Ω)と \( E_2 = 6 \) V(内部抵抗 \( r_2 = 2 \) Ω)が同じ向きに直列接続され、外部抵抗 \( R = 3 \) Ω に接続されている。\( R \) に流れる電流はいくらか?
💡 ヒント:同じ向きなら起電力は足し算、内部抵抗も足し算。
次は頻出パターン④「テブナンの定理」や。電験三種で最も威力を発揮する武器と言ってもええくらい重要やで。
テブナンの定理がどういうときに使えるか、もう一度おさらいしておこか。ポイントは「特定の1つの抵抗(負荷)に流れる電流だけを知りたいとき」や。この条件に当てはまったら、迷わずテブナンを使え。キルヒホッフで連立方程式を解くより圧倒的に速い。
📝 テブナンの手順(3ステップ)
Step 1: 求めたい抵抗(\( R_L \))を取り外す → 開放端子を作る
Step 2: 開放電圧 \( V_0 \) を求める(取り外した端子間の電圧)
Step 3: 内部抵抗 \( R_0 \) を求める(電圧源を短絡して端子から見た抵抗)
結果: \( I_L = \frac{V_0}{R_0 + R_L} \)
ここで試験本番で一番ミスしやすいポイントを教えとくで。Step 3 の「電圧源を短絡」のところや。
📌 電源除去のルール(超重要!)
⚡ 電圧源 → 短絡(導線で置き換え)…電圧を0Vにするイメージ
⚡ 電流源 → 開放(取り外す)…電流を0Aにするイメージ
⚠️ 「電圧源を開放」は大間違い!ここを逆に覚えてる人がめっちゃ多いで!
覚え方のコツ:「電圧源は力持ちやから短絡しても大丈夫(電線で繋いでも壊れない)」「電流源は繊細やから開放して休ませる」…みたいなイメージで覚えとき。物理的には正確やないけど、試験中に思い出すための語呂合わせとしては使えるで。
テブナンは一見すると手順が多く見えるけど、実際に計算してみると「分圧で開放電圧を出して、和分の積で内部抵抗を出して、割り算1回」で終わることが多い。キルヒホッフの連立方程式よりはるかに楽やで。
特に「回路の一部だけが変わる(負荷抵抗の値だけが変わる)問題」では、テブナン等価回路を一回求めておけば、あとは負荷の値を代入するだけで何パターンでも解ける。これが試験で大きな武器になるんや。
テブナンの実践問題や。手順通りにやれば必ず解けるで!
\( E = 24 \) V、\( R_1 = 6 \) Ω、\( R_2 = 3 \) Ω が直列接続されている回路で、\( R_1 \) と \( R_2 \) の接続点 a と下部導線の点 b の間に負荷 \( R_L \) が接続されている。端子 a-b 間のテブナン等価回路(開放電圧 \( V_0 \) と内部抵抗 \( R_0 \))はどれか?
💡 ヒント:RL を外してから、開放電圧は分圧で、内部抵抗は電源を短絡して求める。
テブナンは手順さえ覚えたら機械的にできるで。一緒にやろか。
Step 1: RL を取り外す
a-b 間が開放状態になる。このとき回路は E=24V に R1=6Ω と R2=3Ω が直列接続されてるだけ。でも RL を外したから、R2 には電流が流れへん(a-b が開放やから)。せやから…実は電流は R1 を通って R2 を通って…いや、RL がないと電流の帰り道がないから、電流はゼロやな。
あ、ちょっと待って。R2 は a点の先にあるけど、bは下部導線に繋がってる。RL を外したら、a-b 間は開放。電流はR1→R2と流れて右側から戻る。つまり a 点の電位を求めればええんや。
開放電圧 \( V_0 = 24 \times \frac{R_2}{R_1 + R_2} \) …ん?ここは回路の繋がり方をよう見なあかん。a は R1 と R2 の間の点、b は下部導線。R1→R2 が直列で E に繋がってる。RL を外すと a-b 間に電流は流れへん。a の電位は分圧で求まる。
Step 2: 開放電圧 V₀
RL を外した状態で、E から R1, R2 を通る回路に電流 \( I = \frac{24}{6+3} = \frac{24}{9} = \frac{8}{3} \) A が流れる。
a-b 間の電圧は R2 の両端の電圧に等しい:
\( V_0 = I \times R_2 = \frac{8}{3} \times 3 = 8 \) V
Step 3: 内部抵抗 R₀
電圧源を短絡 → R1 と R2 が並列に見える:
\( R_0 = \frac{6 \times 3}{6 + 3} = \frac{18}{9} = 2 \) Ω
上の計算から、テブナン等価回路は V₀ = ? V、R₀ = ? Ω
テブナン完璧やな!ほなら、等価回路を使って実際の電流も求めてみ。
テブナン等価回路が \( V_0 = 8 \) V、\( R_0 = 2 \) Ω と分かった。ここに \( R_L = 6 \) Ω を接続したとき、\( R_L \) に流れる電流と消費電力はいくらか?
さあ、次は頻出パターン⑤「ブリッジ回路」や。ホイートストンブリッジは電験三種でほんまによく出る。しかも、知ってるか知らんかで解答時間が天と地ほど変わる問題やで。
ブリッジ回路の攻略法は、実はめっちゃシンプルや。まず平衡条件をチェックする。これだけ。
「対辺の積」ってのは、ブリッジの菱形で向かい合う位置にある抵抗同士の掛け算のことや。ここで絶対に間違えたらあかんのが「隣り合う辺」と「向かい合う辺」の区別や。
📝 ブリッジ回路の攻略手順
Step 1: 平衡条件 \( R_1 R_4 = R_2 R_3 \) をチェック
Step 2(平衡の場合): 検流計(対角線)の電流 = 0 → 取り外してOK → 直並列に分解して合成
Step 2(非平衡の場合): テブナンの定理で検流計に流れる電流を求める
平衡してるときは、対角線の抵抗(検流計)を無視できるから、\((R_1 + R_3)\) と \((R_2 + R_4)\) の並列として合成抵抗が求まる。これは一瞬で計算できるから、平衡の場合はマジで楽やで。
ブリッジ回路の実践問題や!まず平衡かどうか判定して、合成抵抗を求めてみ。
ホイートストンブリッジ回路で、\( R_1 = 2 \) Ω、\( R_2 = 4 \) Ω、\( R_3 = 3 \) Ω、\( R_4 = 6 \) Ω、対角線に検流計 G が接続されている。このブリッジの平衡判定と、端子 A-C 間の合成抵抗を求めよ。
一緒に手順を確認しよか。
Step 1: 平衡条件チェック
対辺の積を計算する:
\( R_1 \times R_4 = 2 \times 6 = 12 \)
\( R_2 \times R_3 = 4 \times 3 = 12 \)
12 = 12 → 平衡!
Step 2: 合成抵抗
平衡やから検流計を無視できる。
左腕:\( R_1 + R_3 = 2 + 3 = 5 \) Ω
右腕:\( R_2 + R_4 = 4 + 6 = 10 \) Ω
並列合成:\( \frac{5 \times 10}{5 + 10} = \frac{50}{15} = \) ?
\( \frac{50}{15} \) を約分すると?
完璧や!平衡ブリッジはもう余裕やな。ほな、非平衡のケースにも触れておこか。
ブリッジ回路で \( R_1 = 2 \) Ω、\( R_2 = 4 \) Ω、\( R_3 = 5 \) Ω、\( R_4 = 6 \) Ω のとき、このブリッジは平衡しているか?平衡条件の式を用いて判定せよ。
次は最大電力供給と電池の複合パターンの問題や。第17講・第18講で学んだ内容が合わさった問題で、電験でも頻出やで。
最大電力供給の条件を思い出してみ。\( R_L = R_0 \)(負荷抵抗=内部抵抗)のとき最大。そして最大電力は \( P_{max} = \frac{E^2}{4R_0} \) や。これをパッと使えるかどうかが勝負の分かれ目やで。
起電力 \( E = 12 \) V、内部抵抗 \( r = 3 \) Ω の電池に負荷抵抗 \( R_L \) を接続する。\( R_L \) で消費される電力が最大となる条件と、そのときの最大電力はいくらか?
大丈夫、公式を確認していこか。
最大電力供給の条件
・条件:\( R_L = r \)(内部抵抗と等しいとき最大)
・最大電力:\( P_{max} = \frac{E^2}{4r} \)
・今回:\( E = 12 \) V、\( r = 3 \) Ω
・\( R_L = 3 \) Ω のとき
・\( P_{max} = \frac{12^2}{4 \times 3} = \frac{144}{12} = \) ? W
④の「\( R_L = 0 \) で最大」はよくある引っかけや。\( R_L = 0 \) は短絡状態で、全電力が内部抵抗で消費されてしまうから、負荷の電力はゼロになるんやで。
\( \frac{144}{12} \) の計算結果は?
さすが、即答やな!ほな、数値を変えたバージョンで定着させよか。
起電力 \( E = 20 \) V、内部抵抗 \( r = 5 \) Ω の電源に負荷 \( R_L \) を接続する。最大電力供給の条件を満たす \( R_L \) の値と最大電力を求めよ。
さて、ここからは知ってるだけで一瞬で解ける「対称性」のテクニックを紹介するで。これは裏ワザ的なテクニックやけど、知ってる人と知らん人で解答時間に大差がつく、いわば差がつくポイントや。
「回路の対称性」ってなんのことかって言うと、回路の中に左右対称や上下対称な構造があるときに、その対称性を利用して計算を大幅にショートカットできるテクニックのことや。
たとえば、左右対称な形をしたお皿に水を注いだら、左と右に均等に流れるやろ?それと同じで、回路が対称なら電流も対称に流れるから、わざわざ全部計算せんでも「半分だけ考えればOK」ってことになるんや。
一番典型的なのがデルタ(Δ)結線の合成抵抗や。3つの抵抗が三角形に接続されてる回路で、2つの端子間の合成抵抗を求める問題。これはパッと見は複雑やけど、構造を理解すれば簡単や。
3本とも同じ \( R \) の場合、A-B間の合成抵抗を求めてみよか。A-B間を見ると:
📝 Δ結線の合成抵抗(同じ値Rの場合)
A-B間の直接のルート:\( R \)(1本)
A→C→Bの迂回ルート:\( R + R = 2R \)(直列2本)
この2つのルートが並列になってる!
\( R_{AB} = \frac{R \times 2R}{R + 2R} = \frac{2R^2}{3R} = \frac{2R}{3} \)
つまり、3本とも同じRのΔ結線なら、任意の2端子間の合成抵抗は \( \frac{2}{3}R \) や。これは覚えておく価値あるで。
📌 対称性テクニックのまとめ
⚡ 対称な回路では「同じ電位の点を見つける」→ その点は短絡できる
⚡ 3本同値のΔ結線 → 2端子間の合成は \( \frac{2}{3}R \)
⚡ ブリッジが平衡 → 対角線を無視できる(これも対称性の一種)
⚡ 対称な回路に電流を流すと、対称な位置に等しい電流が流れる
対称性のテクニックは「見抜けるかどうか」がすべてや。見抜けたら30秒で解ける問題が、見抜けへんかったら5分かかるなんてこともある。普段の勉強で色々な回路を見て、「ここ対称やな」って気づく目を養っておくことが大事やで。
対称性の理解を確認するで。さっき学んだΔ結線の考え方を使ってみ。
3本の \( 2 \) Ω の抵抗がΔ(デルタ)結線で三角形に接続されている。任意の2端子間の合成抵抗はいくらか?
落ち着いて考えよか。まず基本から確認するで。
ポイント整理
6Ωの抵抗が3本並列接続されているとき、合成抵抗はいくら?
同じ値 \( R \) が \( n \) 本並列 → \( \frac{R}{n} \)
→ \( \frac{6}{3} = 2 \) Ω
この「同値n本並列 = R/n」のルールを覚えておくだけで、多くの対称回路の問題がサクサク解けるようになるで。
ほな、Δ結線の問題に戻ろか。2端子間を見ると「直接1本(2Ω)」と「迂回2本直列(2+2=4Ω)」が並列やったな。
\( 2 \) Ω と \( 4 \) Ω の並列合成(和分の積)はいくら?
ええぞ!\( \frac{2}{3}R \) の公式が使えたな。ほな今度は、3本の抵抗が全部違う値のΔ結線の問題や。
Δ結線で \( R_{AB} = 3 \) Ω、\( R_{BC} = 6 \) Ω、\( R_{CA} = 2 \) Ω のとき、端子 A-B 間の合成抵抗はいくらか?
💡 ヒント:A-B直接ルートと、A→C→B迂回ルートの並列と考える。
ここまでたくさんの計算テクニックと頻出パターンを学んできたな。最後に、試験本番での時間配分と戦略をまとめるで。
電験三種の理論科目は、正直なところ「知識はあるのに時間が足りなくて落ちる」人がめっちゃ多い。せやから、時間管理そのものが得点力なんや。
📝 試験本番の時間配分(目安)
最初の5分:全問題にざっと目を通す。簡単な問題と難しい問題をマーキング
次の60分:簡単な問題から順に解く。1問4分以内を目安に
次の15分:残った難問に取り組む
最後の10分:見直し(特に分流の分子、電源の短絡/開放、単位ミス)
📌 本番で使える7つの鉄則
⚡ 鉄則① 簡単な問題から解く(難問に時間を取られない)
⚡ 鉄則② 1問5分以上考えたら飛ばす(後で戻ってくる)
⚡ 鉄則③ 解法を選んでから計算を始める(計算しながら迷わない)
⚡ 鉄則④ 途中式を書く(検算しやすくなる)
⚡ 鉄則⑤ 分数のまま計算し、最後に小数に変換(計算ミス防止)
⚡ 鉄則⑥ 選択肢を先に見る(概算で絞れることがある)
⚡ 鉄則⑦ 「ありえない答え」を消去法で除外(並列合成>個別抵抗なら計算ミス)
試験はマラソンと同じや。全力ダッシュで最初の5問を解いても、後半でバテたら意味がない。ペース配分を意識して、「取れる問題を確実に取る」のが合格への最短ルートやで。
| 解法 | 使う場面 | 計算量の目安 |
|---|---|---|
| 直並列合成+分圧分流 | 1電源・直並列回路 | 少ない ⭐ |
| テブナンの定理 | 特定負荷の電流を求める | 中程度 ⭐⭐ |
| ブリッジ平衡条件 | 菱形回路・平衡判定 | 少ない ⭐ |
| キルヒホッフ(KVL) | 複数電源・全電流分布 | 多い ⭐⭐⭐ |
| 重ね合わせの原理 | 多電源・各電源の寄与 | 多い ⭐⭐⭐ |
| ミルマンの定理 | 並列電源の共通電圧 | 中程度 ⭐⭐ |
| 最大電力条件 | R_L=R_0 の確認 | 少ない ⭐ |
この表を頭に入れておけば、問題を見た瞬間に「この解法なら計算量少ないから先にやろう」って判断できるようになるで。解法選択は試験戦略そのものやということを忘れんとこな。
最後は総合実戦問題や。ここまで学んだ知識をフル動員して解いてみ!
起電力 \( E = 24 \) V、内部抵抗 \( r = 2 \) Ω の電池に、\( R_1 = 6 \) Ω と \( R_2 = 3 \) Ω が並列接続されている。\( R_1 \) での消費電力はいくらか?
この問題は複数のテクニックを組み合わせるで。ステップごとに一緒にやろか。
Step 1: 並列部分の合成抵抗
\( R_{12} = \frac{6 \times 3}{6 + 3} = \frac{18}{9} = 2 \) Ω
Step 2: 全体の抵抗と電流
\( R_{全} = r + R_{12} = 2 + 2 = 4 \) Ω
\( I = \frac{24}{4} = 6 \) A
Step 3: 端子電圧
端子電圧(並列部分にかかる電圧)= \( E - rI = 24 - 2 \times 6 = 12 \) V
R1 と R2 は並列やから、同じ電圧 12V がかかる。
端子電圧が 12V のとき、\( R_1 = 6 \) Ω に流れる電流は \( \frac{12}{6} = 2 \) A。消費電力 \( P = I^2 R \) はいくら?
総合問題も完璧やな!ほなラスト、この回路の電力効率を考えてみ。
同じ回路(\( E = 24 \) V、\( r = 2 \) Ω、\( R_1 = 6 \) Ω、\( R_2 = 3 \) Ω の並列)で、電源から供給される全電力に対する負荷(\( R_1 \) と \( R_2 \))で消費される電力の割合(効率)はいくらか?
💡 ヒント:全電力 = EI、負荷電力 = V端子 × I
お疲れさん!第19講の計算テクニックと電験頻出パターン、しっかり学びきったな!
今回は「知識を実戦で使える武器に変える」がテーマやった。ここまで18講分の知識を、どう組み合わせて、どの場面で使うかを徹底的に練習してきたわけや。
📌 第19講の最重要ポイント
⚡ 解法選択フロー:電源の数→回路の形→求めるもの の3段階で判断
⚡ 時短テクニック:和分の積、同値n本÷n、分圧分流の即使い
⚡ 分流の注意:分子は「相手の」抵抗(自分の抵抗ではない!)
⚡ テブナン:特定の1箇所の電流 → 最強の時短ツール
⚡ 電源除去ルール:電圧源→短絡、電流源→開放
⚡ ブリッジ:まず対辺の積で平衡チェック → 平衡なら対角線無視
⚡ 対称性:Δ結線の同値3本 → 2端子間 = 2R/3
⚡ 検算習慣:「ありえる値か?」のチェックで計算ミスを防ぐ
ここまでの知識と戦略があれば、電験三種の直流回路の問題は怖くないで。道具は全部揃った。あとは過去問で実戦練習を繰り返して、「この問題はこの解法」っていう判断力を体に染み込ませるだけや。筋トレと同じで、繰り返すことで反射的に動けるようになるで!
次の第20講は直流回路の総まとめや。全20講の知識を最終確認して、直流回路単元を完全制覇するで。ラスト1講、最後まで走りきろか!
📚 次回予告:第20講「直流回路 総まとめ」
いよいよ最終講!全20講の知識を最終確認して、直流回路単元を完全制覇する。重要公式の一覧、解法チャートの完成版、電験三種での対策まとめを一気に仕上げるで。最後まで全力でいこか!