第18講:理想電源と実際の電池の違いを知り、端子電圧の計算をマスターしよう
おう、第18講へようこそや!
前回の第17講では最大電力供給の条件 \( R_L = R_0 \) を学んだな。「負荷抵抗と内部抵抗が等しいとき、電力が最大になる」っていう、あの重要な法則やった。
今回はその「内部抵抗」をもっと深掘りして、電池の回路をしっかりマスターするで。
こんな経験ないか?
新品の乾電池をテスターで測ったら1.5Vあったのに、懐中電灯に入れてスイッチを入れたら、テスターの表示が1.3Vくらいに下がった——。
「あれ?電池の電圧って1.5Vちゃうん?なんで減るねん?」って思ったことあるやろ。
この「電圧が下がる」現象の正体が、まさに内部抵抗なんや。電池の中にある「見えない抵抗」が電流を流すたびに電圧を食っていくんやな。今回はこの仕組みを完全に理解して、計算できるようになるで!
📚 この講座で学ぶこと
⚡ 起電力 E と端子電圧 V の違いを正しく理解する
⚡ 端子電圧の公式 \( V = E - rI \) の意味と使い方をマスターする
⚡ 電池の直列接続・並列接続の合成起電力と合成内部抵抗を求める
⚡ 短絡電流 \( I = E/r \) の概念と危険性を理解する
⚡ 電験三種の典型的な電池回路の計算問題を解けるようになる
電池の内部抵抗は、直流回路の総仕上げとして避けて通れないテーマや。前回の最大電力とも密接に関わってるし、電験三種でも定番の出題パターンやから、しっかりいこか!
まずは「理想電源」と「実際の電池」の違いをハッキリさせておこか。
これまでの講座で「電源 E [V]」って書いてきたやろ。あの記号で描く電源は、基本的に理想電源や。つまり「内部抵抗ゼロ、いくら電流を流しても電圧が下がらない夢のような電源」っていうことやな。
でも、現実にはそんな電源は存在せえへん。乾電池、鉛蓄電池、リチウムイオン電池……どんな電池でも、必ず内部に抵抗を持ってるんや。
これを水道ポンプで例えるとな。
理想電源 = パイプが無限に太いポンプ。水圧(電圧)がどれだけ水を流しても全く下がらない。夢のポンプや。
実際の電池 = パイプがちょっと細いポンプ。水を大量に流すと、ポンプ内部のパイプで水圧がロスされて、出口の水圧が下がる。流す水が多いほど、ロスも大きくなるんや。
左の理想電源では、どんなに電流が流れても端子電圧は E のまま変わらん。でも右の実際の電池では、電流 I が流れると内部抵抗 r で電圧が \( rI \) だけ降下するから、端子電圧が E より下がってしまうんや。
📌 2つの概念を区別しよう
⚡ 起電力 E:電池が本来持っている電圧(電流ゼロのときに測れる値)
⚡ 端子電圧 V:実際に外部回路に供給される電圧(電流が流れると E より小さくなる)
⚡ V = E のときは、電流が流れていない(開放状態)のときだけ!
ほな、今回の最重要公式を導出するで。
内部抵抗 \( r \) を持つ電池に、外部抵抗(負荷)\( R \) を接続した回路を考えよう。キルヒホッフの第2法則(電圧則)を使うと、閉回路を一周して……
【端子電圧の導出】
閉回路の電圧則:\( E = rI + RI \)
ここで、端子電圧 V は負荷 R にかかる電圧やから \( V = RI \)。
よって:\( E = rI + V \)
整理すると:
この式、めっちゃシンプルやけど、意味をしっかり理解してほしいんや。
\( E \) は電池が「生み出す」電圧。\( rI \) は内部抵抗が「食ってしまう」電圧。その差し引きが、外に出てくる端子電圧 \( V \) や。電流 I が大きくなるほど、\( rI \) のロスが増えて、端子電圧 V は下がっていく。
給料で例えてみよか。
起電力 E = 「額面の給料」(総支給額)
内部抵抗でのロス rI = 「税金・社会保険料」(天引き額)
端子電圧 V = 「手取りの給料」(実際に使えるお金)
稼ぐ額(E)が同じでも、税率(r)が高いほど、手取り(V)は少なくなる。しかも、たくさん働いて稼ぐ(I が大きい)ほど、税率(rI)の影響も大きくなる——。まさに電池の端子電圧と同じ構造やな!
ここで、よく使う関連式もまとめておくで。
📌 電池回路の基本公式セット
⚡ 端子電圧:\( V = E - rI \)(放電時)
⚡ 回路の電流:\( I = \frac{E}{r + R} \)
⚡ 端子電圧(Rで表す):\( V = \frac{R}{r + R} \times E \)(分圧の形!)
⚡ 開放時(I = 0):\( V = E \)(端子電圧 = 起電力)
⚡ 短絡時(R = 0):\( I_{short} = \frac{E}{r} \)(最大電流、非常に危険!)
分圧の形で書けるのが面白いやろ?電池の内部抵抗 r と外部抵抗 R で、起電力 E を分圧してるだけなんや。第4講で学んだ分圧の法則がここでも活きてくるで。
\( V = E - rI \) っていう式、これをグラフにすると電池の性質が一目で分かるようになるで。
この式は、横軸に電流 I、縦軸に端子電圧 V をとると右下がりの直線になるんや。数学で言う \( y = b - ax \) の形やな。
このグラフの読み方を押さえておこう。
① Y切片(I = 0 の点):端子電圧 = 起電力 E。電流が流れてない状態やから、内部抵抗でのロスがゼロ。テスターで電池を測ったときの値がこれに近いで。
② X切片(V = 0 の点):短絡電流 \( I = E/r \)。負荷なし(R = 0)で電池をショートさせた状態。全エネルギーが内部抵抗で熱に変わるから非常に危険や。絶対にやったらアカン!
③ 直線の傾き:\( -r \)(内部抵抗のマイナス)。傾きが急なほど、内部抵抗が大きい=電流を流すと端子電圧がガクッと下がるっていうことやな。
📌 V-I特性の読み取りポイント
⚡ Y切片 = 起電力 E(開放電圧)
⚡ 傾き = −r(内部抵抗)
⚡ X切片 = 短絡電流 \( E/r \)
⚡ 古い電池ほど r が大きくなり、グラフの傾きが急になる
⚡ 電験三種ではV-I特性グラフから E と r を読み取る問題が出るで!
ほな、基本公式の確認問題やで!
起電力 \( E = 12 \) V、内部抵抗 \( r = 0.5 \) Ω の電池に、外部抵抗 \( R = 5.5 \) Ω を接続した。このとき、電池の端子電圧 V はいくらか。
大丈夫、手順を確認しよか。
計算手順
① 電流を求める:\( I = \frac{E}{r + R} = \frac{12}{0.5 + 5.5} = \frac{12}{6} = 2 \) A
② 端子電圧:\( V = E - rI = 12 - 0.5 \times 2 = 12 - 1 = 11 \) V
③ 検算:\( V = RI = 5.5 \times 2 = 11 \) V ✓
上の回路で、内部抵抗 r で消費(損失)される電力はいくらか?
基本はバッチリやな!ほな応用問題や。
ある電池の端子電圧を測定したところ、外部抵抗 \( R = 10 \) Ω のとき \( V = 10 \) V、\( R = 4 \) Ω のとき \( V = 8 \) V であった。この電池の起電力 E と内部抵抗 r を求めよ。
💡 ヒント:2つの条件から連立方程式を立てるんや。
ここでちょっと大事な話をするで。短絡電流についてや。
もし外部抵抗を繋がずに、電池の両端を直接導線で繋いだらどうなるか?つまり \( R = 0 \) の状態やな。
内部抵抗 r だけが電流を制限するから、非常に大きな電流が一気に流れるんや。
たとえば、起電力 1.5V、内部抵抗 0.1Ω の乾電池を短絡させたら、\( I = 1.5/0.1 = 15 \) A もの電流が流れる。普通の乾電池で15Aやで!このエネルギーは全部内部抵抗で熱に変わるから、電池がめちゃくちゃ熱くなる。下手したら液漏れ、変形、最悪の場合は発火・爆発の危険があるんや。
ダムの放水に例えると分かりやすいで。
ダム(電池)の水位(起電力E)が高くて、放水口(外部抵抗R)を全開にしたら、ものすごい勢いで水が流れ出すやろ?このとき水の流れを制限してるのは放水路の幅(内部抵抗r)だけ。放水路が広い(rが小さい)ほど、もっとすごい勢いで水が出る。
これが短絡状態。制御不能な大電流が流れて、いろんなものを壊してしまうんや。
短絡時のもう一つの特徴は、端子電圧が完全にゼロになること。\( V = E - rI = E - r \times \frac{E}{r} = E - E = 0 \)。起電力の全てが内部抵抗で消費されてしまうから、外部には一切電圧が出てこえへんのや。
📌 短絡電流のまとめ
⚡ 短絡電流:\( I_{short} = E / r \)(外部抵抗なしの最大電流)
⚡ 短絡時の端子電圧:\( V = 0 \) V
⚡ 全エネルギーが内部抵抗で熱に変換される(非常に危険!)
⚡ 電験三種では「短絡時の電流は?」という問題で出ることがあるで
ここで、放電だけやなくて充電の場合も押さえておこう。電験三種では充電の問題もたまに出るからな。
放電ってのは、電池から外部に電流が流れ出ること。このとき端子電圧は \( V = E - rI \) で起電力より低くなるんやったな。
じゃあ、充電は?充電は、外部の電源から電池に電流を「押し込む」こと。電流の向きが放電時と逆になるんや。
充電時は、電流が逆向きに流れるから、内部抵抗での電圧降下も逆の効果を生む。つまり、充電器は起電力 E に加えて、内部抵抗のロス分 rI も余分に「押し込む」必要があるんや。
📌 放電と充電の端子電圧
⚡ 放電時:\( V = E - rI \)(端子電圧 < 起電力)
⚡ 充電時:\( V = E + rI \)(端子電圧 > 起電力)
⚡ 開放時:\( V = E \)(電流ゼロ、端子電圧 = 起電力)
⚡ 符号の違いは電流の向きが逆になることが原因
電験三種では「放電時」の問題が圧倒的に多いけど、たまに充電の問題も出るから、この符号の違いは必ず押さえとこな。
ここまでの内容をまとめて確認する問題やで!
起電力 \( E = 6 \) V、内部抵抗 \( r = 0.3 \) Ω の電池がある。この電池の端子を導線で短絡したとき、流れる短絡電流はいくらか。
短絡は「R = 0」の状態やったな。
短絡電流の計算
短絡時は外部抵抗 R = 0 やから:
\( I_{short} = \frac{E}{r + R} = \frac{E}{r + 0} = \frac{E}{r} \)
\( = \frac{6}{0.3} = 20 \) A
たった6Vの電池でも、短絡させたら20Aもの電流が流れるんや。怖いやろ?
短絡時の端子電圧はいくらか?
バッチリやな!ほな、充電の問題もいっとくか。
起電力 \( E = 12 \) V、内部抵抗 \( r = 0.4 \) Ω の蓄電池を 5 A の電流で充電している。このとき、充電器の端子電圧はいくら以上必要か。
💡 ヒント:充電時は V = E + rI やで。
ここからは電池を複数個つなぐ場合を学ぶで。まずは直列接続からや。
直列接続は、電池を「一列に並べて」つなぐ方法や。テレビのリモコンの乾電池とか、懐中電灯の電池とか、日常的にもよく使うつなぎ方やな。
同じ電池を n 個直列につなぐとどうなるか?
起電力はそれぞれ E ずつ「積み上がる」から、合成起電力は nE。単純に足し算やな。1.5Vの電池を4個直列にしたら 6V になるのは直感通りやろ。
内部抵抗も同じように直列に並ぶから、合成内部抵抗は nr。これも足し算や。抵抗の直列合成と同じ原理やで。
直列にすると電圧は高くなるけど、内部抵抗も大きくなる。つまり電圧は上がるが、大電流には向かないっていう特性があるわけやな。
📌 直列接続のポイント
⚡ 合成起電力:n倍になる(電圧アップ)
⚡ 合成内部抵抗:n倍になる(電流は取りにくくなる)
⚡ 用途:高い電圧が必要なとき(懐中電灯、リモコンなど)
直列接続の計算問題やで!
起電力 \( E = 1.5 \) V、内部抵抗 \( r = 0.2 \) Ω の乾電池を 4 個直列に接続し、外部抵抗 \( R = 5.2 \) Ω を接続した。このとき回路に流れる電流 I と、外部抵抗の端子電圧 V を求めよ。
順番に計算していこか。
Step 1:合成起電力と合成内部抵抗
合成起電力:\( E_{total} = 4 \times 1.5 = 6 \) V
合成内部抵抗:\( r_{total} = 4 \times 0.2 = 0.8 \) Ω
Step 2:電流を求める
\( I = \frac{E_{total}}{r_{total} + R} = \frac{6}{0.8 + 5.2} = \frac{6}{6} = 1 \) A
Step 3:端子電圧
\( V = RI = 5.2 \times 1 = 5.2 \) V
検算:\( V = E_{total} - r_{total} \times I = 6 - 0.8 \times 1 = 5.2 \) V ✓
4個直列の内部抵抗で消費される電力は合計いくらか?
計算バッチリやな!ほな、ちょっとひねるで。
起電力 \( E = 1.5 \) V、内部抵抗 \( r = 0.5 \) Ω の電池を n 個直列につなぎ、\( R = 7 \) Ω の外部抵抗に 1 A を流したい。電池は最低何個必要か。
💡 ヒント:nE = I × (nr + R) を n について解くんやで。
次は並列接続やで。直列とは全然違う性質やから、しっかり区別してな。
並列接続は、電池を「横に並べて」つなぐ方法や。全ての電池のプラス同士、マイナス同士を繋ぐんやな。
並列接続のポイントは、起電力が変わらないことや。
「えっ、電池を増やしたのに電圧が上がらんの?」って思うかもしれんけど、考えてみてくれ。並列接続は同じ電圧の電池を横に並べてるだけやから、全体の電圧は1個分のまま変わらんのや。水道で言えば、同じ水圧のポンプを並列に並べても水圧は上がらんけど、流せる水の量(電流)が増えるのと同じ原理やな。
内部抵抗は並列合成やから、\( r/n \) に小さくなる。これが並列接続の最大のメリットで、大きな電流が取り出せるようになるんや。
📌 直列と並列の比較(超重要!)
⚡ 直列:起電力 nE(n倍)、内部抵抗 nr(n倍)→ 高電圧向き
⚡ 並列:起電力 E(変わらず)、内部抵抗 r/n(1/n)→ 大電流向き
⚡ 電験三種では「直列か並列かで合成値がどう変わるか」は必須知識やで!
並列接続の計算問題いくで!
起電力 \( E = 1.5 \) V、内部抵抗 \( r = 0.6 \) Ω の乾電池を 3 個並列に接続し、外部抵抗 \( R = 1.8 \) Ω を接続した。回路に流れる電流 I はいくらか。
並列接続では起電力と内部抵抗がどうなるか、確認やで。
Step 1:合成起電力と合成内部抵抗
合成起電力:\( E_{total} = E = 1.5 \) V(変わらない!)
合成内部抵抗:\( r_{total} = r/n = 0.6/3 = 0.2 \) Ω
Step 2:電流を求める
\( I = \frac{E_{total}}{r_{total} + R} = \frac{1.5}{0.2 + 1.8} = \frac{1.5}{2} = 0.75 \) A
もし電池が1個だけだったら、同じ R = 1.8Ω に流れる電流はいくらか?
並列の計算もバッチリやな!ほな比較問題いくで。
起電力 \( E = 2 \) V、内部抵抗 \( r = 1 \) Ω の電池が6個ある。外部抵抗 \( R = 1 \) Ω に最大の電流を流すには、6個の電池をどのように接続すればよいか。
💡 ヒント:直列6個、並列6個、直列2個×並列3組 など、複数の接続方法を比較してみ。
実は、電験三種では直列だけ・並列だけやなくて、直列と並列を組み合わせた「直並列混合接続」の問題もよく出るんや。
たとえば「m 個直列にしたものを n 組並列」というパターン。これが一番よく出る形やで。
【m 個直列 × n 組並列の公式】
合成起電力:\( E_{total} = mE \)(直列で m 倍)
1組の内部抵抗:\( mr \)(直列で m 倍)
それを n 組並列にするから:
合成内部抵抗:\( r_{total} = \frac{mr}{n} \)
この公式は直列と並列の両方の知識を同時に使うものやから、整理して覚えておくとええで。
消防車のホースで考えてみよう。1本のホースを長く繋ぐ(直列)と、遠くまで届く高い水圧(高電圧)が得られるけど、水量(電流)は少ない。ホースを短いまま何本も並べる(並列)と、水圧は上がらんけど、大量の水(大電流)を送れる。
直並列混合は、適度な長さのホースを複数セット用意するようなもんや。電圧もそこそこ、電流もそこそこのバランス型やな。
📌 電池の接続パターンまとめ
⚡ 直列 n 個:E→nE、r→nr
⚡ 並列 n 個:E→E、r→r/n
⚡ m直列×n並列:E→mE、r→mr/n
⚡ 合計の電池数は常に m × n 個
直並列混合の計算問題にいくで!
起電力 \( E = 1.5 \) V、内部抵抗 \( r = 0.3 \) Ω の電池が12個ある。これを 3 個直列 × 4 組並列にして外部抵抗 \( R = 4.275 \) Ω に接続した。回路に流れる電流 I はいくらか。
直並列の問題は、手順をきっちり踏めば難しくないで。
Step 1:合成起電力
3個直列やから:\( E_{total} = 3 \times 1.5 = 4.5 \) V
Step 2:合成内部抵抗
1組の内部抵抗:\( 3 \times 0.3 = 0.9 \) Ω
これが4組並列:\( r_{total} = 0.9 / 4 = 0.225 \) Ω
Step 3:電流を求める
\( I = \frac{4.5}{0.225 + 4.275} = \frac{4.5}{4.5} = 1 \) A
上の回路の端子電圧 V はいくらか?
直並列の計算もバッチリやな!ほな、前回の最大電力と組み合わせた問題や。
先ほどの電池群(合成起電力 4.5V、合成内部抵抗 0.225Ω)から外部抵抗に最大電力を取り出すとき、その最大電力はいくらか。
💡 ヒント:第17講の Pmax = E²/(4R0) の出番やで!
ここで電験三種でよく出る応用パターンを扱うで。それは起電力が異なる電池の直列接続や。
今まで「同一電池をn個」って言ってたけど、実際の試験では違う起電力の電池が直列に繋がれてることがある。その場合は単純に足し算するだけやで。
異なる電池の直列接続
合成起電力:\( E_{total} = E_1 + E_2 + E_3 + \cdots \)(足し算)
合成内部抵抗:\( r_{total} = r_1 + r_2 + r_3 + \cdots \)(足し算)
※ ただし、逆向きの電池は起電力をマイナスとして計算する
上の回路で、\( E_1 = 12 \) V(正方向)、\( r_1 = 1 \) Ω、\( E_2 = 4 \) V(逆向きに接続)、\( r_2 = 1 \) Ω、\( R = 6 \) Ω のとき、回路に流れる電流 I はいくらか。
逆向き電池がポイントやな。
逆向き電池の扱い方
E2 は逆向きやから、合成起電力は引き算になる:
\( E_{total} = E_1 - E_2 = 12 - 4 = 8 \) V
内部抵抗は向きに関係なく足し算:
\( r_{total} = r_1 + r_2 = 1 + 1 = 2 \) Ω
\( I = \frac{8}{2 + 6} = \frac{8}{8} = 1 \) A
内部抵抗は電流の向きに関係なく「邪魔する」から、逆向きでも足し算やで!
逆向きに接続された電池 E2 は、回路の中でどんな役割をしているか?
逆向き電池もしっかり処理できてるな!ほな、実用的な問題や。
先ほどの回路(\( E_1 = 12 \) V、\( r_1 = 1 \) Ω、\( E_2 = 4 \) V逆向き、\( r_2 = 1 \) Ω、\( R = 6 \) Ω、\( I = 1 \) A)で、逆向き電池 E2 の端子電圧 \( V_2 \) はいくらか。
💡 ヒント:E2は「充電されている状態」と考えられるで。V = E + rI か V = E - rI か?
ここで少し実用的な話をしよか。内部抵抗のことを知ってると、日常生活で役立つ場面が結構あるんやで。
🔋 なぜ古い電池は力が弱いのか?
新品の電池は内部抵抗が小さいけど、使い込むと化学反応が劣化して内部抵抗が大きくなるんや。すると、同じ電流を流しても端子電圧の低下が激しくなって、機器がちゃんと動かんくなる。テスターで測ったら「まだ1.4Vあるのに……」っていうのは、無負荷の起電力が残ってるだけで、内部抵抗が大きくて電流を流すと電圧がガクッと落ちてる状態なんや。
🚗 車のバッテリー上がり
冬の朝にエンジンがかからんくなった経験ないか?あれも内部抵抗が関係してる。寒いと電解液の抵抗が増えて、セルモーターに必要な大電流を流せんくなるんや。バッテリーの起電力自体はあるのに、内部抵抗のせいで電圧が落ちてエンジンが回らん——これが「バッテリー上がり」の正体の一つやな。
📱 スマホの急速充電
スマホの急速充電器が通常より高い電圧(5V→9Vなど)を使うのも内部抵抗が関係してる。充電時は \( V = E + rI \) やから、大電流で急速充電するには高い電圧が必要なんや。USB PD(Power Delivery)技術はまさにこの原理を応用してるで。
📌 内部抵抗の実用知識
⚡ 電池は使うほど内部抵抗が増加 → 端子電圧低下
⚡ 温度が低いと内部抵抗が増加 → 冬場のバッテリー不良
⚡ 大電流用途ほど内部抵抗の影響が大きい
⚡ 急速充電には高い電圧が必要(V = E + rI)
総合問題にいくで。今回の知識をフル活用してな!
起電力 \( E = 2 \) V、内部抵抗 \( r = 0.5 \) Ω の同一電池を、2 個直列 × 3 組並列に接続して外部抵抗 R に電流を供給する。外部抵抗 R で最大電力を得るための R の値と、そのときの最大電力 \( P_{max} \) を求めよ。
前回学んだ最大電力と今回の電池接続を組み合わせる問題やな。
Step 1:合成起電力と合成内部抵抗
2個直列:E = 2×2 = 4V、r = 2×0.5 = 1Ω(1組分)
3組並列:E = 4V(変わらず)、r = 1/3 Ω
Step 2:最大電力の条件
\( R = r_{total} = 1/3 \) Ω
\( P_{max} = \frac{E^2}{4r_{total}} = \frac{4^2}{4 \times 1/3} = \frac{16}{4/3} = 12 \) W
最大電力のとき、この回路に流れる電流はいくらか?
電池の接続+最大電力、完璧に融合できてるな!
同じ6個の電池(E = 2V、r = 0.5Ω)を「3個直列 × 2組並列」にした場合、外部抵抗 R で得られる最大電力はいくらか。先ほどの「2個直列 × 3組並列」の場合と比較して、どちらが大きいか。
💡 ヒント:合成起電力と合成内部抵抗を求めてから Pmax を計算してみ。
今回学んだ内容を一枚にまとめるで!
| 電池の内部抵抗と端子電圧 まとめ | |
|---|---|
| 端子電圧(放電時) | \( V = E - rI \) |
| 端子電圧(充電時) | \( V = E + rI \) |
| 回路の電流 | \( I = \frac{E}{r + R} \) |
| 短絡電流 | \( I_{short} = E / r \)(端子電圧 = 0) |
| 直列 n 個 | 起電力 = nE、内部抵抗 = nr |
| 並列 n 個 | 起電力 = E、内部抵抗 = r/n |
| m直列 × n並列 | 起電力 = mE、内部抵抗 = mr/n |
| V-I特性 | 右下がり直線、Y切片 = E、傾き = −r |
📌 電験三種での出題パターン
⚡ パターン1:V = E - rI で端子電圧を計算
⚡ パターン2:V-I特性グラフから E と r を読み取る
⚡ パターン3:電池の直列・並列接続の合成値を求める
⚡ パターン4:直並列混合+外部抵抗の回路計算
⚡ パターン5:電池の接続+最大電力の組み合わせ
ラスト問題やで!V-I特性グラフの読み取り問題にチャレンジや!
ある電池のV-I特性を測定したところ、次の結果が得られた。
・I = 0.5 A のとき V = 11 V
・I = 2 A のとき V = 8 V
この電池の起電力 E [V] と内部抵抗 r [Ω] を求めよ。
V-I特性の読み取りは連立方程式で解くのが確実やで。
Step 1:2つの式を立てる
V = E - rI を各測定点に適用:
① \( 11 = E - 0.5r \)(I=0.5A, V=11V)
② \( 8 = E - 2r \)(I=2A, V=8V)
Step 2:連立方程式を解く
①−② :\( 11 - 8 = (E - 0.5r) - (E - 2r) \)
\( 3 = 1.5r \)
\( r = 2 \) Ω
①に代入:\( 11 = E - 0.5 \times 2 = E - 1 \)
\( E = 12 \) V
この電池の短絡電流はいくらか?
V-I特性の読み取りもバッチリやな!最後の仕上げ問題やで。
先ほどの電池(E = 12V、r = 2Ω)から外部抵抗に最大電力を取り出すとき、外部抵抗の値とそのときの最大電力を求めよ。
💡 ヒント:第17講の公式がここでも使えるで!
お疲れさま!第18講「電池の内部抵抗と端子電圧」、完走やで!ほんまよう頑張ったな!
📚 第18講のまとめ
⚡ 実際の電池には内部抵抗 r があり、端子電圧は起電力より低くなる
⚡ 放電時の端子電圧:\( V = E - rI \)
⚡ 充電時の端子電圧:\( V = E + rI \)
⚡ V-I特性は右下がり直線(Y切片 = E、傾き = −r)
⚡ 直列n個:起電力 nE、内部抵抗 nr
⚡ 並列n個:起電力 E、内部抵抗 r/n
⚡ 短絡電流 \( I = E/r \) は非常に危険
内部抵抗は直流回路の最後のピースとも言える大事な概念や。これを理解すれば、電源回路の問題は怖くないで。次回はいよいよ直流回路の計算テクニックと電験頻出パターンの総まとめに入るで!
📚 次回予告:第19講「計算テクニックと電験頻出パターン」
次回はこれまで学んだ直流回路の全知識を活かして、電験三種で頻出の計算パターンを徹底攻略するで。解法選択のフローチャート、時間短縮テクニック、定番出題パターンの整理など、試験直前に見返したくなる内容満載や!