共振条件と共振周波数をマスターしよう!
第36講「直列共振とは」へようこそ!
前回までの Part 5「並列回路」で、直並列回路の計算テクニックをマスターしたな。今回からは Part 6「共振回路」に入っていくで!
「共振」って聞いたことあるか?ブランコを漕ぐとき、タイミングを合わせると大きく揺れるやろ?あれが共振や。電気回路でも同じような現象が起きるんやで。しかも、この共振現象はラジオのチューニングやフィルタ回路など、実用的にめちゃくちゃ重要なんや!
🎯 この講座で学ぶこと
📘 共振とは何か:コイルとコンデンサの相互作用
📗 直列共振の条件:\( X_L = X_C \) が成り立つとき
📙 共振周波数:\( f_0 = \frac{1}{2\pi\sqrt{LC}} \) の導出と意味
📕 共振時のインピーダンス:最小になる理由
📒 共振時の電流と電圧:電流最大・電圧拡大現象
共振は「ブランコの原理」と同じや。ブランコは自然に揺れる周期(固有周期)を持ってる。その周期に合わせて力を加えると、どんどん大きく揺れる。これが共振や。電気回路でも、LとCの組み合わせで決まる「固有の周波数」があって、その周波数の電源をつなぐと特別なことが起きるんやで!
まずはRLC直列回路を復習しよう!
共振を理解するには、RLC直列回路のインピーダンスをしっかり押さえておく必要があるんや。第20講で学んだ内容を思い出してみよか。
RLC直列回路のインピーダンスは、抵抗R、誘導性リアクタンス \( X_L \)、容量性リアクタンス \( X_C \) を使って表せる。ここで重要なのは、\( X_L \) と \( X_C \) の符号が逆ということや。
この式を見ると、虚数部は \( X_L - X_C \) になってるな。つまり、コイルのリアクタンス \( X_L \) とコンデンサのリアクタンス \( X_C \) が打ち消し合う方向に働くんや。
なぜ打ち消し合うかというと、コイルは電流より電圧が90°進み、コンデンサは電流より電圧が90°遅れるからや。つまり、LとCの電圧は互いに180°逆向きなんやな!
📌 ここがポイント
⚡ コイル:電圧が電流より90°進む(\( +jX_L \))
⚡ コンデンサ:電圧が電流より90°遅れる(\( -jX_C \))
⚡ 直列接続では、LとCの電圧は逆向きで打ち消し合う
ほな、いよいよ本題の「共振とは何か」を説明するで!
さっき見たように、RLC直列回路のインピーダンスの虚数部は \( X_L - X_C \) や。ここで、もし\( X_L = X_C \) になったらどうなる?
そう、虚数部がゼロになるんや!
【\( X_L = X_C \) のとき】
\( Z = R + j(X_L - X_C) = R + j \times 0 = R \)
インピーダンスが純抵抗 R だけになるんや!これが直列共振と呼ばれる状態や。
共振状態では、コイルとコンデンサのリアクタンスが完全に打ち消し合って、回路全体としては「まるでコイルもコンデンサも無いかのように」振る舞う。これがめちゃくちゃ重要なポイントや!
📌 直列共振のポイント
⚡ 共振条件:\( X_L = X_C \)
⚡ 共振時のインピーダンス:\( Z = R \)(最小値)
⚡ LとCのリアクタンスが完全に打ち消し合う
⚡ 回路は純抵抗として振る舞う
次は共振周波数を求めてみよう!
共振条件は \( X_L = X_C \) やったな。これを具体的な式に展開してみるで。
まず、それぞれのリアクタンスを思い出そう。
【リアクタンスの式】
誘導性リアクタンス:\( X_L = \omega L = 2\pi f L \)
容量性リアクタンス:\( X_C = \frac{1}{\omega C} = \frac{1}{2\pi f C} \)
共振条件 \( X_L = X_C \) に代入すると...
【共振周波数の導出】
\( \omega L = \frac{1}{\omega C} \)
両辺に \( \omega \) を掛けて:\( \omega^2 L = \frac{1}{C} \)
\( \omega^2 = \frac{1}{LC} \)
\( \omega_0 = \frac{1}{\sqrt{LC}} \) ←これが共振角周波数
角周波数 \( \omega = 2\pi f \) やから、周波数 \( f \) に直すと...
この公式、めちゃくちゃ重要やで!電験三種では頻出中の頻出や。
注目してほしいのは、共振周波数は L と C だけで決まるということ。抵抗 R は関係ないんや。つまり、同じ L と C の組み合わせなら、R がいくつでも共振周波数は同じになる。
ブランコで例えると、L はブランコの紐の長さ、C は重りの重さみたいなもんや。紐が長いほど、重りが重いほど、ゆっくり揺れる(周波数が低い)。電気回路でも同じで、L や C が大きいほど共振周波数は低くなるんやで。
📌 共振周波数のポイント
⚡ 共振角周波数:\( \omega_0 = \frac{1}{\sqrt{LC}} \) [rad/s]
⚡ 共振周波数:\( f_0 = \frac{1}{2\pi\sqrt{LC}} \) [Hz]
⚡ L と C のみで決まる(R は無関係)
⚡ L や C が大きいほど \( f_0 \) は小さくなる
ほな、共振周波数の計算問題や!
インダクタンス \( L = 10 \) mH、静電容量 \( C = 100 \) μF のRLC直列回路がある。この回路の共振周波数 \( f_0 \) はおよそいくらか?
※ \( \sqrt{10} \approx 3.16 \) として計算
惜しかったな!単位変換がポイントや。一緒に計算してみよう。
【単位変換】
\( L = 10 \) mH \( = 10 \times 10^{-3} = 10^{-2} \) H
\( C = 100 \) μF \( = 100 \times 10^{-6} = 10^{-4} \) F
【共振周波数の計算】
\( f_0 = \frac{1}{2\pi\sqrt{LC}} \)
\( LC = 10^{-2} \times 10^{-4} = 10^{-6} \)
\( \sqrt{LC} = \sqrt{10^{-6}} = 10^{-3} \)
\( f_0 = \frac{1}{2\pi \times 10^{-3}} = \frac{1000}{2\pi} \approx \frac{1000}{6.28} \approx 159 \) Hz
共振周波数は約 159 Hz やな!
この回路の共振角周波数 \( \omega_0 \) はおよそいくらか?
さすがや!共振周波数の計算はバッチリやな。
ほな、応用問題に挑戦してみよう。共振周波数を2倍にしたい場合を考えるで。
ある RLC 直列回路の共振周波数が \( f_0 \) である。この回路の共振周波数を \( 2f_0 \) にするには、静電容量 C をどのように変えればよいか?(インダクタンス L は変えない)
次は共振時のインピーダンス特性を詳しく見ていこう!
共振時に \( Z = R \) になるのは分かったな。これが何を意味するか、もう少し深掘りするで。
RLC直列回路のインピーダンスの大きさは \( |Z| = \sqrt{R^2 + (X_L - X_C)^2} \) や。ここで、周波数を変えていくと \( X_L \) と \( X_C \) がどう変化するか考えてみよう。
【周波数による変化】
\( X_L = 2\pi f L \) → 周波数 f に比例して増加
\( X_C = \frac{1}{2\pi f C} \) → 周波数 f に反比例して減少
グラフを見ると、\( X_L \) と \( X_C \) が交わる点があるやろ?これが共振周波数 \( f_0 \) や。この点で \( X_L = X_C \) が成り立つ。
共振周波数より低い領域(\( f < f_0 \))では \( X_C > X_L \) やから容量性、高い領域(\( f > f_0 \))では \( X_L > X_C \) やから誘導性になる。共振点ではちょうど中間で、純抵抗になるんやな。
📌 周波数による回路の性質変化
⚡ \( f < f_0 \):\( X_C > X_L \) → 容量性(電流が電圧より進む)
⚡ \( f = f_0 \):\( X_L = X_C \) → 純抵抗(同相)
⚡ \( f > f_0 \):\( X_L > X_C \) → 誘導性(電流が電圧より遅れる)
共振時の電流について見ていこう!
オームの法則から、電流は \( I = \frac{V}{Z} \) で求まるな。共振時のインピーダンスは \( Z = R \) で最小になる。ということは...
そう!共振時に電流は最大になるんや!
これは非常に重要な性質で、直列共振の大きな特徴の一つや。周波数を変えていくと、共振周波数 \( f_0 \) のときだけ電流がピークになる。
この電流のピーク特性を利用したのがラジオのチューニングや。特定の周波数(放送局の周波数)に共振するように L と C を調整すると、その周波数の電波だけ大きな電流が流れて選択できるんやで。
ラジオの選局ダイヤルを回すと、実はコンデンサの容量が変わってるんや。それによって共振周波数が変わり、聴きたい放送局の周波数に合わせることができる。まさに共振現象の実用例やな!
📌 共振時の電流特性
⚡ 共振時:\( I = \frac{V}{R} \) で最大
⚡ インピーダンス最小 → 電流最大
⚡ 電圧と電流は同相(位相差ゼロ)
⚡ 力率 = 1(最良の状態)
ここからがめちゃくちゃ面白いところや!共振時の電圧拡大現象を見ていこう!
共振時、LとCのリアクタンスは打ち消し合って回路全体としてはゼロになる。でも、LとCそれぞれには電圧がかかってるんや。しかも、その電圧がすごいことになる!
共振時の電流は \( I_0 = \frac{V}{R} \) やったな。このときコイルにかかる電圧 \( V_L \) を計算してみよう。
【コイルの電圧】
\( V_L = I_0 \times X_L = \frac{V}{R} \times X_L = V \times \frac{X_L}{R} \)
ここで、\( \frac{X_L}{R} \) の部分に注目!もし \( X_L > R \) なら、電源電圧 V より大きな電圧がコイルにかかることになる!
上の例を見てくれ。電源電圧が 100V なのに、コイルとコンデンサにはそれぞれ 1000V もの電圧がかかってる!これが電圧拡大現象や。
「え、電源より大きい電圧ってありえるの?」って思うやろ。ベクトル図を見ると分かるけど、\( V_L \) と \( V_C \) は逆向きやから、合計するとゼロになる。全体としては \( V = V_R \) だけが残るから、矛盾はないんや。
📌 電圧拡大現象のポイント
⚡ 共振時、L と C には電源より大きな電圧がかかりうる
⚡ \( V_L = V_C = I_0 \times X_L = V \times \frac{X_L}{R} \)
⚡ \( V_L \) と \( V_C \) は逆向きで打ち消し合う
⚡ 電圧拡大率 \( \frac{X_L}{R} \) は次講で学ぶ「Q値」に相当
ほな、共振時のインピーダンスと電流の問題や!
R = 5 Ω、L = 20 mH、C = 50 μF の RLC 直列回路に、電圧 V = 10 V の交流電源を接続する。共振周波数で動作させたとき、回路に流れる電流はいくらか?
惜しかったな!共振時のポイントを確認しよう。
共振時の最大のポイントは、インピーダンスが R だけになることや。L や C の値は共振周波数を決めるのに使うけど、電流の計算には直接使わへん。
【共振時の計算】
共振時:\( Z = R = 5 \) Ω
電流:\( I = \frac{V}{Z} = \frac{V}{R} = \frac{10}{5} = 2 \) A
共振時は \( I = V / R \) だけで計算できるんやで!
この回路を共振周波数で動作させたとき、力率はいくらか?
さすがや!共振時の電流計算はバッチリやな。
ほな、電圧拡大現象の計算にも挑戦してみよう。
同じ回路(R = 5 Ω、L = 20 mH、C = 50 μF、V = 10 V)を共振周波数で動作させたとき、コイルにかかる電圧 \( V_L \) はおよそいくらか?
※ 共振周波数 \( f_0 \approx 159 \) Hz として計算
ここで直列共振の条件をまとめておこう!
直列共振は、いくつかの等価な条件で表すことができるんや。どれも同じ状態を別の角度から見たものやで。
| 条件の表現 | 式 | 意味 |
|---|---|---|
| リアクタンス条件 | \( X_L = X_C \) | L と C のリアクタンスが等しい |
| 角周波数条件 | \( \omega L = \frac{1}{\omega C} \) | リアクタンス式を展開 |
| 共振角周波数 | \( \omega_0 = \frac{1}{\sqrt{LC}} \) | 共振が起こる角周波数 |
| 共振周波数 | \( f_0 = \frac{1}{2\pi\sqrt{LC}} \) | 共振が起こる周波数 |
| インピーダンス条件 | \( Z = R \)(最小) | 虚数部がゼロ |
| 電流条件 | \( I = V/R \)(最大) | 電流が最大値をとる |
| 位相条件 | \( \phi = 0 \) | 電圧と電流が同相 |
| 力率条件 | \( \cos\phi = 1 \) | 力率が最大(最良) |
これらは全部同じ状態を表してる。問題文でどの条件が与えられても、「あ、共振状態やな」と気づけるようにしておこう!
📌 共振状態の見分け方
⚡ 「\( X_L = X_C \)」と書かれていたら → 共振
⚡ 「インピーダンス最小」と書かれていたら → 共振
⚡ 「電流最大」と書かれていたら → 共振
⚡ 「力率 = 1」と書かれていたら → 共振
⚡ 「電圧と電流が同相」と書かれていたら → 共振
ここからは共振時の位相関係をもう少し詳しく見ていこう!
共振状態では、回路全体のインピーダンスが純抵抗 R になるから、電源電圧と電流は同相になる。これは力率が1になるということや。
でも、LとCそれぞれの電圧はどうなってるんやろう?ここをしっかり理解しておくと、電験の問題がグッと解きやすくなるで。
ベクトル図を見ると、\( V_L \) は電流 I より 90° 進み、\( V_C \) は 90° 遅れてる。つまり、\( V_L \) と \( V_C \) は互いに 180° 逆向き(逆位相)なんや。
共振時は \( |V_L| = |V_C| \) やから、この2つが完全に打ち消し合う。結果として、電源電圧は \( V_R \) だけになり、電流と同相になるんやな。
【共振時の電圧関係】
\( \vec{V} = \vec{V_R} + \vec{V_L} + \vec{V_C} \)
共振時:\( \vec{V_L} + \vec{V_C} = 0 \)(打ち消し合う)
よって:\( \vec{V} = \vec{V_R} \)
📌 共振時の位相まとめ
⚡ \( V_R \) と I:同相(0°)
⚡ \( V_L \) と I:\( V_L \) が 90° 進み
⚡ \( V_C \) と I:\( V_C \) が 90° 遅れ
⚡ \( V_L \) と \( V_C \):逆位相(180°)で打ち消し合う
共振の位相関係を正弦波の波形で見てみよう!
ベクトル図は「ある瞬間」の位相関係を表してたけど、波形図なら時間の流れも含めて理解できるで。
波形を見ると、I と \( V_R \) は完全に重なってる(同相)のが分かるな。そして、\( V_L \) と \( V_C \) はちょうど逆向きに変化してる。
ある瞬間、\( V_L \) が最大のプラスなら \( V_C \) は最大のマイナス。この2つを足すと常にゼロになる。これが「打ち消し合う」ということの正体や。
シーソーをイメージするとええで。\( V_L \) と \( V_C \) は、シーソーの両端みたいなもんや。一方が上がれば他方は下がる。そして、支点(中央)はいつも同じ高さ=ゼロを保つ。共振回路でも同じことが起きてるんやな。
📌 波形から分かること
⚡ I と \( V_R \) は常に同じタイミングで変化(同相)
⚡ \( V_L \) は I より 1/4 周期(90°)先にピークを迎える
⚡ \( V_C \) は I より 1/4 周期(90°)後にピークを迎える
⚡ \( V_L + V_C = 0 \) が常に成り立つ
ほな、電圧拡大現象の計算問題や!
R = 10 Ω の RLC 直列回路が共振状態にあり、電源電圧 V = 20 V、共振時のリアクタンス \( X_L = X_C = 100 \) Ω である。このとき、コイルにかかる電圧 \( V_L \) はいくらか?
惜しかったな!電圧拡大の計算手順を確認しよう。
【計算手順】
① 共振時の電流:\( I = \frac{V}{R} = \frac{20}{10} = 2 \) A
② コイルの電圧:\( V_L = I \times X_L = 2 \times 100 = 200 \) V
電源電圧が 20V なのに、コイルには 200V もかかってる!これが電圧拡大現象や。拡大率は \( \frac{X_L}{R} = \frac{100}{10} = 10 \) 倍やな。
この回路で、コンデンサにかかる電圧 \( V_C \) はいくらか?
さすがや!電圧拡大の計算もバッチリやな。
ほな、電力に関する問題にも挑戦してみよう。
同じ回路(R = 10 Ω、V = 20 V、共振状態)で消費される有効電力はいくらか?
ここで共振の応用例を見ていこう!
直列共振の「特定の周波数で電流が最大になる」という性質は、実際の電子機器でめちゃくちゃ活用されてるんや。
特に重要なのは「選択性」という概念や。共振回路を使うと、たくさんの周波数が混ざった信号の中から、欲しい周波数だけを「選んで」取り出せるんや。
ラジオを例にすると、空中には数多くの放送局からの電波が飛び交ってる。共振回路の \( f_0 \) を聴きたい局の周波数に合わせると、その周波数だけ大きな電流が流れて受信できるわけや。
共振回路は「音叉」に似てるな。特定の高さの音だけに反応して振動する音叉みたいに、共振回路も特定の周波数だけに強く反応するんや。この「選択的に反応する」性質が、電子機器で大活躍してるんやで。
📌 直列共振の応用
⚡ ラジオの選局:可変Cで共振周波数を調整
⚡ フィルタ回路:特定周波数を通過/除去
⚡ センサー:共振周波数の変化を検出
⚡ 共通するのは「選択性」の活用
電験三種で役立つ共振周波数の計算テクニックを紹介するで!
共振周波数の公式 \( f_0 = \frac{1}{2\pi\sqrt{LC}} \) は、そのまま計算すると大変やろ。いくつかの計算テクニックを覚えておくと楽になるで。
【テクニック1:単位の標準化】
L を [mH]、C を [μF] で与えられたら...
\( f_0 = \frac{1}{2\pi\sqrt{L[\text{mH}] \times C[\mu\text{F}] \times 10^{-9}}} \)
\( = \frac{1}{2\pi \times 10^{-4.5} \times \sqrt{L \times C}} \)
\( \approx \frac{5033}{\sqrt{L[\text{mH}] \times C[\mu\text{F}]}} \) [Hz]
覚えにくければ、毎回きちんと単位変換するのが確実や。
【テクニック2:共振条件からの逆算】
「共振周波数で \( X_L = 50 \) Ω」と分かっているとき...
\( X_L = 2\pi f_0 L = 50 \) Ω
\( f_0 = \frac{50}{2\pi L} \) で求められる
【テクニック3:比の計算】
L または C を n 倍にしたとき、\( f_0 \) は何倍?
\( f_0 \propto \frac{1}{\sqrt{LC}} \) やから...
・L を n 倍 → \( f_0 \) は \( \frac{1}{\sqrt{n}} \) 倍
・C を n 倍 → \( f_0 \) は \( \frac{1}{\sqrt{n}} \) 倍
・LC を n 倍 → \( f_0 \) は \( \frac{1}{\sqrt{n}} \) 倍
特にテクニック3は試験でよく使うで。「周波数を2倍にするには C を1/4にする」みたいな問題が出たら、比で考えると速い!
📌 計算テクニックまとめ
⚡ 単位は [H] と [F] に統一してから計算
⚡ \( X_L = X_C \) の条件を活用
⚡ 比の問題は \( f_0 \propto \frac{1}{\sqrt{LC}} \) を使う
⚡ \( f_0 \) を k 倍にするには、C(または L)を \( \frac{1}{k^2} \) 倍
直列共振を扱う上での注意点をまとめておこう!
電験の問題を解くとき、以下のポイントに気をつけると間違いを防げるで。
⚠️ 注意点1:電圧拡大の危険性
共振時、LやCには電源電圧の何倍もの電圧がかかることがある。実際の回路では、この高電圧で部品が破損したり、感電の危険が生じることがあるんや。
⚠️ 注意点2:「共振」の見分け方
問題文で「共振状態」と明示されていない場合でも、以下の条件があれば共振を疑うこと:
・\( X_L = X_C \) または \( \omega L = \frac{1}{\omega C} \)
・「インピーダンス最小」「電流最大」
・「力率 = 1」「位相差 = 0」
・\( f = \frac{1}{2\pi\sqrt{LC}} \) で動作
⚠️ 注意点3:直列共振と並列共振の違い
次の第38講で学ぶ「並列共振」とは性質が真逆や!
・直列共振:Z 最小、I 最大
・並列共振:Z 最大、I 最小
どちらの共振かを必ず確認すること!
⚠️ 注意点4:R = 0 の場合
理想的な回路で R = 0 とすると、共振時に Z = 0 となり、I = V/0 = ∞ となってしまう。実際にはどんな回路でも多少の抵抗があるので無限大にはならへんけど、非常に大きな電流が流れる可能性があることは覚えておこう。
ブランコを共振周波数でずっと押し続けたら、どんどん振幅が大きくなって危険やろ?電気回路の共振でも同じことが起きうるんや。だから、実際の設計では共振を「利用する」だけでなく「制御する」ことも重要なんやで。
最後の問題や!総合問題に挑戦してみよう!
R = 20 Ω、L = 0.1 H、C = 10 μF の RLC 直列回路がある。この回路の共振周波数 \( f_0 \) はおよそいくらか?
※ \( \pi \approx 3.14 \)、\( \sqrt{10} \approx 3.16 \) として計算
惜しかったな!丁寧に計算してみよう。
【単位変換】
\( L = 0.1 \) H \( = 10^{-1} \) H
\( C = 10 \) μF \( = 10 \times 10^{-6} = 10^{-5} \) F
【共振周波数の計算】
\( LC = 10^{-1} \times 10^{-5} = 10^{-6} \)
\( \sqrt{LC} = \sqrt{10^{-6}} = 10^{-3} \)
\( f_0 = \frac{1}{2\pi\sqrt{LC}} = \frac{1}{2 \times 3.14 \times 10^{-3}} \)
\( = \frac{1}{6.28 \times 10^{-3}} = \frac{1000}{6.28} \approx 159 \) Hz
共振周波数は約 159 Hz やな!
この共振周波数において、誘導性リアクタンス \( X_L \) はおよそいくらか?
※ \( X_L = 2\pi f_0 L \) で計算
さすがや!共振周波数の計算もバッチリやな。
ほな、電圧拡大率も求めてみよう。これは次講で学ぶ「Q値」につながる重要な値や。
この回路(R = 20 Ω、L = 0.1 H、C = 10 μF)を共振周波数で動作させたとき、電圧拡大率 \( \frac{X_L}{R} \) はおよそいくらか?
※ 共振時 \( X_L \approx 100 \) Ω として計算
直列共振の重要公式を表にまとめておくで!
| 項目 | 公式・値 |
|---|---|
| 共振条件 | \( X_L = X_C \) |
| 共振角周波数 | \( \omega_0 = \frac{1}{\sqrt{LC}} \) [rad/s] |
| 共振周波数 | \( f_0 = \frac{1}{2\pi\sqrt{LC}} \) [Hz] |
| 共振時インピーダンス | \( Z = R \)(最小値) |
| 共振時電流 | \( I = \frac{V}{R} \)(最大値) |
| 力率 | \( \cos\phi = 1 \) |
| 位相差 | \( \phi = 0 \)(同相) |
| コイル・コンデンサ電圧 | \( V_L = V_C = I \times X_L = V \times \frac{X_L}{R} \) |
| 電圧拡大率 | \( \frac{X_L}{R} = \frac{\omega_0 L}{R} \)(= Q値) |
🔑 直列共振マスターへの道
⚡ 共振条件 \( X_L = X_C \) を見抜く
⚡ 共振時は \( Z = R \) で計算がシンプルに
⚡ 電圧拡大現象に注意
⚡ 次講の「Q値」で選択性を定量化
第36講「直列共振とは」の総まとめや!
今回は、交流回路の中でも特に重要な「共振」という現象について学んだな。直列共振は、コイルとコンデンサのリアクタンスが打ち消し合って、回路が純抵抗として振る舞う状態やった。
🎯 この講座で学んだこと
✅ 共振とは:\( X_L = X_C \) となり、LとCが打ち消し合う状態
✅ 共振周波数:\( f_0 = \frac{1}{2\pi\sqrt{LC}} \)(LとCで決まる)
✅ 共振時の特徴:Z最小、I最大、力率=1、同相
✅ 電圧拡大現象:L、Cには電源より大きな電圧がかかりうる
✅ 応用:ラジオ選局、フィルタ、センサーなど
🔑 最も大事なポイント
直列共振では「インピーダンス最小=電流最大」がキーワードや。問題で「共振」と出てきたら、まず \( Z = R \) として計算を始めるとええで。そして、電圧拡大現象も忘れずに!
次の第37講では、共振の「鋭さ」を表すQ値(Quality Factor)について学ぶで。Q値が分かると、共振回路の選択性がどれくらいかを定量的に評価できるようになる。直列共振の理解をさらに深めていこな!