交流回路

複素アドミタンスとは?Y=G+jBの計算【電験三種 理論】

並列回路の計算を劇的に簡単にする「逆数」の発想!

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第12講「複素アドミタンス」へようこそ!

前回の第11講では、複素インピーダンス \( Z = R + jX \) を学んだな。交流回路の「電流の流れにくさ」を複素数で表現することで、直流回路と同じようにオームの法則が使えるようになった。

今回は、そのインピーダンスの「逆数」である複素アドミタンスを学ぶで。「流れにくさ」の逆数やから、「流れやすさ」を表す量や。

「なんでわざわざ逆数を考えるん?」って思うかもしれんけど、これが並列回路の計算でめちゃくちゃ便利になるんや。直列回路でインピーダンスの足し算が便利やったように、並列回路ではアドミタンスの足し算が便利なんやで!

🎯 この講座で学ぶこと

📘 複素アドミタンスとは:\( Y = \frac{1}{Z} \)、電流の「流れやすさ」

📗 \( Y = G + jB \):コンダクタンスGとサセプタンスB

📙 R・L・Cのアドミタンス:各素子のアドミタンス表現

📕 並列回路の計算:アドミタンスの足し算で簡単に

📒 インピーダンスとの変換:\( Z \) と \( Y \) の相互変換

直流回路で「抵抗R」と「コンダクタンスG = 1/R」があったように、交流回路でも「インピーダンスZ」と「アドミタンスY = 1/Z」がペアになってるんや。状況に応じて使い分けることで、計算がグッと楽になるで!

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まずは「複素アドミタンスとは何か」から説明していこう!

直流回路では、抵抗 \( R \) の逆数をコンダクタンス \( G = \frac{1}{R} \) と呼んで、「電流の流れやすさ」を表してたよな。単位はジーメンス [S] やった。

交流回路でも同じ発想で、インピーダンス \( Z \) の逆数を考える。これが複素アドミタンス \( Y \)や。

\( Y = \frac{1}{Z} \) [S](ジーメンス)
複素アドミタンス:インピーダンスの逆数

インピーダンス \( Z \) が「電流の流れにくさ」を表すのに対して、アドミタンス \( Y \) は「電流の流れやすさ」を表す。\( Z \) が大きいほど流れにくい(\( Y \) が小さい)、\( Z \) が小さいほど流れやすい(\( Y \) が大きい)という関係やな。

インピーダンスとアドミタンスの関係 インピーダンス Z 電流の「流れにくさ」 Z = R + jX 単位:Ω(オーム) 直列回路で便利 逆数 アドミタンス Y 電流の「流れやすさ」 Y = G + jB 単位:S(ジーメンス) 並列回路で便利

交流回路のオームの法則も、アドミタンスを使って書き換えられるで。

【オームの法則の2つの書き方】

インピーダンス版:\( \dot{V} = \dot{I} Z \) → \( \dot{I} = \frac{\dot{V}}{Z} \)

アドミタンス版:\( \dot{I} = \dot{V} Y \) → \( \dot{V} = \frac{\dot{I}}{Y} \)

📌 複素アドミタンスのポイント

⚡ \( Y = \frac{1}{Z} \):インピーダンスの逆数

⚡ 「電流の流れやすさ」を表す

⚡ 単位はジーメンス [S](= Ω⁻¹)

⚡ オームの法則:\( \dot{I} = \dot{V} Y \)

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次に、複素アドミタンスの標準的な表し方を見てみよう!

インピーダンスが \( Z = R + jX \) と書けたように、アドミタンスも実部と虚部に分けて表せるんや。

\( Y = G + jB \) [S]
複素アドミタンスの直交形式(標準形)

ここで、\( G \) はコンダクタンス、\( B \) はサセプタンスと呼ぶんや。どちらも単位はジーメンス [S] やで。

Y = G + jB の意味 Y = G + jB G:コンダクタンス (Conductance) • 実数部分(抵抗成分の逆数的) • エネルギーを消費する成分 B:サセプタンス (Susceptance) • 虚数部分(リアクタンスの逆数的) • エネルギーを蓄積・放出する成分

インピーダンスの \( R \) と \( X \) に対応する形で、アドミタンスには \( G \) と \( B \) があるんや。ただし注意が必要で、単純に \( G = 1/R \)、\( B = 1/X \) とはならへんことが多い。これは後で詳しく説明するで。

インピーダンス Z アドミタンス Y
\( R \):抵抗(レジスタンス) \( G \):コンダクタンス
\( X \):リアクタンス \( B \):サセプタンス
\( Z = R + jX \) \( Y = G + jB \)
単位:Ω(オーム) 単位:S(ジーメンス)

📌 Y = G + jB のポイント

⚡ \( G \):コンダクタンス(実部)、エネルギーを消費

⚡ \( B \):サセプタンス(虚部の係数)、位相をずらす

⚡ 単位はどちらも [S](ジーメンス)

⚡ インピーダンスとは「対応するけど逆数ではない」関係

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ここで、R・L・C 各素子のアドミタンスを見てみよう!

各素子のインピーダンスの逆数を取れば、アドミタンスが求まるで。

R・L・Cのアドミタンス 抵抗 R インピーダンス Z = R アドミタンス Y = 1/R = G コイル L インピーダンス Z = jωL アドミタンス Y = -j/(ωL) コンデンサ C インピーダンス Z = 1/(jωC) アドミタンス Y = jωC 複素平面上での位置(インピーダンスと逆!) Re Im G(実軸) -jB_L +jB_C

ここで注目してほしいのが、コイルとコンデンサのアドミタンスの符号や。インピーダンスと正負が逆転してるんや!

【コイルのアドミタンス】

\( Y_L = \frac{1}{Z_L} = \frac{1}{j\omega L} \)

分母の \( j \) を消すために、分子分母に \( -j \) を掛ける:

\( = \frac{1}{j\omega L} \times \frac{-j}{-j} = \frac{-j}{-j^2 \cdot \omega L} = \frac{-j}{\omega L} \)

したがって:\( Y_L = -\frac{j}{\omega L} = -jB_L \)(\( B_L = \frac{1}{\omega L} \))

素子 インピーダンス Z アドミタンス Y
抵抗 R \( R \)(実数) \( G = \frac{1}{R} \)(実数)
コイル L \( +j\omega L \)(+j \( -\frac{j}{\omega L} \)(−j
コンデンサ C \( -\frac{j}{\omega C} \)(−j \( +j\omega C \)(+j

💡 符号が逆転する理由

\( j \) の逆数を考えてみ。\( \frac{1}{j} = \frac{1}{j} \times \frac{-j}{-j} = \frac{-j}{-j^2} = \frac{-j}{1} = -j \) やろ?

つまり、\( j \) で割ると \( -j \) になるから、インピーダンスとアドミタンスで符号が逆転するんや。

📌 R・L・Cのアドミタンス

抵抗:\( Y_R = G = \frac{1}{R} \)(実数)

コイル:\( Y_L = -jB_L = -\frac{j}{\omega L} \)(負の虚数)

コンデンサ:\( Y_C = +jB_C = j\omega C \)(正の虚数)

⚡ インピーダンスと虚数部の符号が逆転する!

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ほな、R・L・Cのアドミタンスの理解を確認する問題や!

🧠 問題1

抵抗 \( R = 5 \) Ω のアドミタンス(コンダクタンス)\( G \) はいくらか?

サポートルート

惜しかったな!コンダクタンスの求め方を確認しよう。

【コンダクタンスの計算】

公式:\( G = \frac{1}{R} \)

数値を代入:

\( G = \frac{1}{5} = \) 0.2 S

抵抗のアドミタンス(コンダクタンス)は実数になるのがポイントや。虚数部分はないで。

🔄 確認問題

抵抗 \( R = 10 \) Ω のコンダクタンス \( G \) は?

発展ルート

さすがや!コンダクタンスの基本はバッチリやな。

ほな、コンデンサのアドミタンスも計算してみよう。インピーダンスと符号が逆になるのがポイントやで。

🔥 発展問題

静電容量 \( C = 100 \) μF のコンデンサに、角周波数 \( \omega = 100 \) rad/s の交流を流したとき、アドミタンス \( Y_C \) はいくらか?

(ヒント:\( Y_C = j\omega C \))

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ここからがアドミタンスの真骨頂や!

アドミタンスが本当に威力を発揮するのは、並列回路の計算のときや。なんでかって言うと、並列回路でアドミタンスを使えば、足し算だけで合成できるからやねん。

\( Y_{合成} = Y_1 + Y_2 + Y_3 + \cdots \)
並列接続の合成アドミタンス

これ、インピーダンスで並列合成しようとすると、\( \frac{1}{Z_{合成}} = \frac{1}{Z_1} + \frac{1}{Z_2} + \cdots \) って複雑な計算が必要やった。でもアドミタンスなら単純な足し算でOKなんや!

並列回路の合成:インピーダンス vs アドミタンス インピーダンスで計算 Z₁ Z₂ 合成式: 1/Z = 1/Z₁ + 1/Z₂ → 分数計算が複雑... 😢 アドミタンスで計算 Y₁ Y₂ 合成式: Y = Y₁ + Y₂ → ただの足し算! 😊

なぜこうなるかを理解するために、並列回路の電流を考えてみよう。並列回路では各枝路の電流の合計が全体の電流になるやろ。

【並列回路での電流】

全体の電流:\( I = I_1 + I_2 \)

オームの法則より:\( I_1 = VY_1 \)、\( I_2 = VY_2 \)

したがって:\( I = VY_1 + VY_2 = V(Y_1 + Y_2) \)

全体のアドミタンス:\( Y = Y_1 + Y_2 \)

📌 並列回路とアドミタンスのポイント

⚡ 並列回路の合成アドミタンス = 各素子のアドミタンスの和

⚡ 複雑な分数計算が不要になる!

⚡ 直列でインピーダンス、並列でアドミタンスを使うと便利

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実際の回路でRC並列回路の合成アドミタンスを計算してみよう!

抵抗 \( R \) とコンデンサ \( C \) を並列に接続した回路を考えるで。

RC並列回路 R C 合成アドミタンス Y = G + jωC = G + jB_C

各素子のアドミタンスを求めて、足し合わせるだけや。

【RC並列回路の合成アドミタンス】

抵抗のアドミタンス:\( Y_R = G = \frac{1}{R} \)

コンデンサのアドミタンス:\( Y_C = j\omega C = jB_C \)

合成アドミタンス:

\( Y = Y_R + Y_C = G + jB_C = \frac{1}{R} + j\omega C \)

具体的な数値で計算してみよう。\( R = 10 \) Ω、\( \omega C = 0.05 \) S のとき:

【計算例】

\( G = \frac{1}{R} = \frac{1}{10} = 0.1 \) S

\( B_C = \omega C = 0.05 \) S

合成アドミタンス:\( Y = 0.1 + j0.05 \) S

大きさ:\( |Y| = \sqrt{0.1^2 + 0.05^2} = \sqrt{0.0125} \approx 0.112 \) S

💡 インピーダンスに戻すには?

アドミタンスからインピーダンスを求めるには、\( Z = \frac{1}{Y} \) を計算すればええ。複素数の割り算(逆数)になるから、極形式が便利やで。

📌 RC並列回路のまとめ

⚡ \( Y = G + jB_C = \frac{1}{R} + j\omega C \)

⚡ 実部 \( G \):コンダクタンス(抵抗の逆数)

⚡ 虚部 \( B_C \):容量性サセプタンス(\( +j \))

⚡ コンデンサは正の虚数(インピーダンスとは逆!)

メインルート

次はRL並列回路のアドミタンスを見てみよう!

抵抗 \( R \) とコイル \( L \) を並列に接続した回路や。

RL並列回路 R L 合成アドミタンス Y = G - j/(ωL) = G - jB_L

【RL並列回路の合成アドミタンス】

抵抗のアドミタンス:\( Y_R = G = \frac{1}{R} \)

コイルのアドミタンス:\( Y_L = -\frac{j}{\omega L} = -jB_L \)

合成アドミタンス:

\( Y = Y_R + Y_L = G - jB_L = \frac{1}{R} - \frac{j}{\omega L} \)

RC並列ではコンデンサが \( +j \) やったけど、RL並列ではコイルが \( -j \) になる。インピーダンスとは符号が逆になるのを忘れんようにな!

並列回路 合成アドミタンス 虚部の符号
RC並列 \( Y = G + jB_C \) \( +j \)(容量性)
RL並列 \( Y = G - jB_L \) \( -j \)(誘導性)

📌 RL並列回路のまとめ

⚡ \( Y = G - jB_L = \frac{1}{R} - \frac{j}{\omega L} \)

⚡ コイルのアドミタンスは負の虚数(\( -j \))

⚡ インピーダンスのコイル(\( +j \))とは符号が逆!

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ほな、並列回路の合成アドミタンスの問題や!

🧠 問題2

\( G = 0.1 \) S と \( B_C = 0.05 \) S(コンデンサ)を並列接続したとき、合成アドミタンス \( Y \) はいくらか?

サポートルート

惜しかったな!並列回路のアドミタンス合成を確認しよう。

【並列回路の合成アドミタンス】

コンダクタンス:\( G = 0.1 \) S

コンデンサのサセプタンス:\( B_C = 0.05 \) S(+j

合成アドミタンス:

\( Y = G + jB_C = \) \( 0.1 + j0.05 \) S

コンデンサのアドミタンスは正の虚数(\( +j \))やで。インピーダンスでは \( -j \) やったのと逆やな。

🔄 確認問題

\( G = 0.2 \) S と \( B_L = 0.1 \) S(コイル)を並列接続したとき、合成アドミタンス \( Y \) は?

発展ルート

さすがや!並列合成の基本はバッチリやな。

ほな、合成アドミタンスの大きさも求めてみよう!

🔥 発展問題

\( Y = 0.3 + j0.4 \) S の大きさ \( |Y| \) はいくらか?

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ここでインピーダンス Z とアドミタンス Y の相互変換をマスターしよう!

回路計算では、状況に応じて Z と Y を行ったり来たりすることが多い。変換の方法をしっかり覚えておくとええで。

\( Y = \frac{1}{Z} \) ⇔ \( Z = \frac{1}{Y} \)
インピーダンスとアドミタンスは互いに逆数

具体的に \( Z = R + jX \) から \( Y = G + jB \) を求める方法を見てみよう。

【Z から Y への変換】

\( Y = \frac{1}{Z} = \frac{1}{R + jX} \)

分母を実数化するために、共役複素数を掛ける:

\( = \frac{1}{R + jX} \times \frac{R - jX}{R - jX} = \frac{R - jX}{R^2 + X^2} \)

\( = \frac{R}{R^2 + X^2} - j\frac{X}{R^2 + X^2} \)

したがって、\( G \) と \( B \) は次のようになる。

\( G = \frac{R}{R^2 + X^2} \) 、 \( B = -\frac{X}{R^2 + X^2} \)
Z = R + jX から Y = G + jB への変換
Z ⇔ Y 変換の注意点 ⚠️ 重要な注意 一般に \( G \neq \frac{1}{R} \)、\( B \neq \frac{1}{X} \) 単純に実部・虚部の逆数を取るのではなく、 複素数の逆数計算(共役を使う)が必要!

ただし、純粋な抵抗だけ(\( X = 0 \))や純粋なリアクタンスだけ(\( R = 0 \))の場合は、単純に逆数でOKや。

場合 変換式
純抵抗(\( X = 0 \)) \( G = \frac{1}{R} \)、\( B = 0 \)
純リアクタンス(\( R = 0 \)) \( G = 0 \)、\( B = -\frac{1}{X} \)
一般の場合 \( G = \frac{R}{R^2+X^2} \)、\( B = -\frac{X}{R^2+X^2} \)

📌 Z ⇔ Y 変換のポイント

⚡ \( Y = \frac{1}{Z} \)、\( Z = \frac{1}{Y} \)(複素数の逆数)

⚡ 一般に \( G \neq 1/R \)、\( B \neq 1/X \)

⚡ 変換には共役複素数を使う

⚡ 極形式なら簡単:\( |Y| = \frac{1}{|Z|} \)、角度は符号反転

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実は、極形式を使うと Z ⇔ Y の変換がめっちゃ簡単になるんや!

直交形式での変換は共役複素数を使って計算が面倒やったけど、極形式なら一発で変換できるで。

\( Z = |Z| \angle \theta \) ⇔ \( Y = \frac{1}{|Z|} \angle (-\theta) \)
極形式での変換:大きさは逆数、角度は符号反転
極形式での Z ⇔ Y 変換 インピーダンス Z Z = |Z|∠θ 例:Z = 10∠30° 大きさ:10 Ω 角度:+30° アドミタンス Y Y = (1/|Z|)∠(-θ) 例:Y = 0.1∠-30° 大きさ:0.1 S 角度:-30°

変換のルールは簡単や:

大きさは逆数:\( |Y| = \frac{1}{|Z|} \)

角度は符号反転:\( \theta_Y = -\theta_Z \)

【極形式での変換例】

\( Z = 5 \angle 53° \) Ω を \( Y \) に変換

大きさ:\( |Y| = \frac{1}{5} = 0.2 \) S

角度:\( \theta_Y = -53° \)

したがって:\( Y = 0.2 \angle (-53°) \) S

💡 なぜ角度の符号が反転するの?

\( Z = |Z| e^{j\theta} \) のとき、\( Y = \frac{1}{Z} = \frac{1}{|Z|} e^{-j\theta} \) となる。指数の符号が反転するから、角度も反転するんやな。

📌 極形式での変換まとめ

⚡ 大きさ:\( |Y| = \frac{1}{|Z|} \)(逆数)

⚡ 角度:\( \theta_Y = -\theta_Z \)(符号反転)

⚡ 極形式なら計算がめっちゃ簡単!

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ここでインピーダンスとアドミタンスの使い分けのコツをまとめておこう!

どちらを使うかは、回路の接続方式によって決まるんや。

Z と Y の使い分け 直列回路 → インピーダンス Z Z = Z₁ + Z₂ + ... (足し算で合成) 😊 並列回路 → アドミタンス Y Y = Y₁ + Y₂ + ... (足し算で合成) 😊
回路 使うべき量 合成方法
直列回路 インピーダンス Z \( Z = Z_1 + Z_2 + \cdots \)(足し算)
並列回路 アドミタンス Y \( Y = Y_1 + Y_2 + \cdots \)(足し算)
直並列混合 両方使い分け 部分ごとに Z か Y で計算

💡 覚え方

🔸 直列 = Z(インピーダンス)で足し算

🔸 並列 = Y(アドミタンス)で足し算

どちらも「足し算」で合成できる形を使うのがコツや!

📌 使い分けのまとめ

⚡ 直列回路 → インピーダンス Z を使う

⚡ 並列回路 → アドミタンス Y を使う

⚡ どちらも「足し算」で合成できる!

⚡ 状況に応じて Z ⇔ Y の変換を活用

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ほな、Z ⇔ Y 変換の問題や!

🧠 問題3

インピーダンス \( Z = 4 \angle 60° \) Ω をアドミタンスに変換すると?

サポートルート

惜しかったな!極形式での Z → Y 変換を確認しよう。

【極形式での変換】

\( Z = 4 \angle 60° \) Ω

大きさ:\( |Y| = \frac{1}{|Z|} = \frac{1}{4} = 0.25 \) S

角度:\( \theta_Y = -\theta_Z = -60° \)

したがって:\( Y = \) \( 0.25 \angle (-60°) \) S

極形式での変換は「大きさは逆数、角度は符号反転」やで!

🔄 確認問題

\( Z = 10 \angle 30° \) Ω をアドミタンスに変換すると?

発展ルート

さすがや!極形式の変換はバッチリやな。

ほな、直交形式での変換にも挑戦してみよう!

🔥 発展問題

\( Z = 3 + j4 \) Ω のとき、アドミタンス \( Y \) の実部(コンダクタンス G)はいくらか?

(ヒント:\( G = \frac{R}{R^2 + X^2} \)、\( |Z|^2 = 3^2 + 4^2 = 25 \))

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インピーダンス三角形と同様に、アドミタンス三角形も描けるで!

複素アドミタンス \( Y = G + jB \) を複素平面上にプロットすると、インピーダンス三角形と似た三角形ができる。ただし、角度の符号が逆になるんや。

アドミタンス三角形 Re [S] Im [S] O G B Y Y = G + jB 公式 |Y| = √(G² + B²) θ_Y = tan⁻¹(B/G) θ_Y = -θ_Z

アドミタンス三角形から、アドミタンスの大きさと位相角が求められるで。

\( |Y| = \sqrt{G^2 + B^2} \) [S]
アドミタンスの大きさ
\( \theta_Y = \tan^{-1} \frac{B}{G} = -\theta_Z \)
アドミタンスの位相角(インピーダンスと符号が逆)

📌 アドミタンス三角形のポイント

⚡ 横軸(実軸):コンダクタンス \( G \)

⚡ 縦軸(虚軸):サセプタンス \( B \)

⚡ 斜辺:アドミタンスの大きさ \( |Y| \)

⚡ 角度:インピーダンスの位相角と符号が逆

メインルート

次はRLC並列回路の合成アドミタンスを見てみよう!

抵抗R、コイルL、コンデンサCの3つを並列接続した回路や。アドミタンスを使えば、足し算だけで合成できるで。

RLC並列回路 R L C 合成アドミタンス Y = G + j(B_C - B_L) = 1/R + j(ωC - 1/ωL) B_C と B_L が打ち消し合う

【RLC並列回路の合成アドミタンス】

抵抗:\( Y_R = G = \frac{1}{R} \)

コイル:\( Y_L = -jB_L = -\frac{j}{\omega L} \)

コンデンサ:\( Y_C = +jB_C = j\omega C \)

合成アドミタンス:

\( Y = Y_R + Y_L + Y_C \)

\( = G + (-jB_L) + jB_C \)

\( = G + j(B_C - B_L) \)

コイルとコンデンサのサセプタンスが打ち消し合う形になってるな。\( B_C = B_L \) のとき、虚部がゼロになって並列共振が起こるんや。

📌 RLC並列回路のポイント

⚡ \( Y = G + j(B_C - B_L) \)

⚡ \( B_C > B_L \):容量性(\( +j \))

⚡ \( B_C < B_L \):誘導性(\( -j \))

⚡ \( B_C = B_L \):並列共振(\( Y = G \) で最小)

メインルート

ここで、並列回路を含む計算の流れをまとめておこう!

並列回路の計算では、アドミタンスを使うと効率的や。典型的な計算の流れを見てみよう。

並列回路の計算フロー STEP 1 各素子のアドミタンスを求める(Y = 1/Z) STEP 2 アドミタンスを足し算で合成(Y = Y₁ + Y₂ + ...) STEP 3 必要に応じてインピーダンスに変換(Z = 1/Y) STEP 4 オームの法則で電圧・電流を計算

具体例を見てみよう。10 Ω の抵抗と \( j5 \) Ω のコイルが並列接続された回路に 100 V を加えたとき、全体の電流を求める。

【計算例】

STEP 1:各素子のアドミタンス

\( Y_R = \frac{1}{10} = 0.1 \) S

\( Y_L = \frac{1}{j5} = -\frac{j}{5} = -j0.2 \) S

STEP 2:合成アドミタンス

\( Y = Y_R + Y_L = 0.1 - j0.2 \) S

STEP 3:大きさを計算

\( |Y| = \sqrt{0.1^2 + 0.2^2} = \sqrt{0.05} \approx 0.224 \) S

STEP 4:電流を計算

\( I = V \times |Y| = 100 \times 0.224 = 22.4 \) A

📌 計算の流れまとめ

⚡ 並列部分 → アドミタンスで足し算

⚡ 直列部分 → インピーダンスで足し算

⚡ 最後に必要な形(Z または Y)に変換

⚡ オームの法則で電圧・電流を計算

メインルート

最後は総合問題や!今まで学んだことを使って解いてみよう。

🧠 問題4

\( G = 0.3 \) S と \( B_C = 0.4 \) S(コンデンサ)を並列接続した回路に、電圧 \( V = 100 \) V を加えたとき、流れる電流 \( I \) の大きさはいくらか?

(ヒント:\( I = V \times |Y| \))

サポートルート

惜しかったな!並列回路の電流計算を確認しよう。

【並列回路の電流計算】

① 合成アドミタンス

\( Y = G + jB_C = 0.3 + j0.4 \) S

② アドミタンスの大きさ

\( |Y| = \sqrt{0.3^2 + 0.4^2} = \sqrt{0.09 + 0.16} = \sqrt{0.25} = 0.5 \) S

③ 電流の大きさ

\( I = V \times |Y| = 100 \times 0.5 = \) 50 A

0.3-0.4-0.5 は「3-4-5の三角形」を0.1倍したものやで!

🔄 確認問題

\( Y = 0.6 + j0.8 \) S の回路に 50 V を加えたとき、電流 \( I \) は?

発展ルート

さすがや!並列回路の計算、バッチリやな。

ほな、インピーダンスに変換する問題にも挑戦してみよう!

🔥 発展問題

\( Y = 0.3 + j0.4 \) S の回路の合成インピーダンス \( Z \) の大きさ \( |Z| \) はいくらか?

(ヒント:\( |Z| = \frac{1}{|Y|} \))

メインルート

複素アドミタンスの重要公式を整理しておこう!

項目 公式
アドミタンスの定義 \( Y = \frac{1}{Z} \) [S]
直交形式 \( Y = G + jB \)
抵抗のアドミタンス \( Y_R = G = \frac{1}{R} \)
コイルのアドミタンス \( Y_L = -jB_L = -\frac{j}{\omega L} \)
コンデンサのアドミタンス \( Y_C = +jB_C = j\omega C \)
並列合成 \( Y = Y_1 + Y_2 + \cdots \)
極形式での変換 \( |Y| = \frac{1}{|Z|} \)、\( \theta_Y = -\theta_Z \)
インピーダンス vs アドミタンス 直列回路 → インピーダンス Z で足し算 並列回路 → アドミタンス Y で足し算 どちらも「足し算」で合成できる形を使う!

📌 符号の対応(要注意!)

⚡ コイル:インピーダンス \( +j \) ⇔ アドミタンス \( -j \)

⚡ コンデンサ:インピーダンス \( -j \) ⇔ アドミタンス \( +j \)

⚡ 逆数を取ると符号が反転する!

メインルート

第12講「複素アドミタンス」の総まとめや!

今回は、インピーダンスの逆数である「複素アドミタンス」について学んだな。アドミタンスを使うと、並列回路の計算が劇的に簡単になることが分かったやろ。

🎯 この講座で学んだこと

複素アドミタンスとは:\( Y = \frac{1}{Z} \)(電流の流れやすさ)

\( Y = G + jB \):コンダクタンスGとサセプタンスB

R・L・Cのアドミタンス:符号がインピーダンスと逆転

並列回路の計算:\( Y = Y_1 + Y_2 + \cdots \)(足し算)

極形式での変換:大きさは逆数、角度は符号反転

使い分け:直列→Z、並列→Y

🔑 最も大事なポイント

インピーダンスとアドミタンスは「逆数」の関係にある。直列回路ではインピーダンス、並列回路ではアドミタンスを使えば、どちらも「足し算」で合成できる。

これを理解しておけば、複雑な回路でも効率よく計算できるようになるで!

次回の第13講「複素数を用いた交流回路の解法」では、今まで学んだ複素インピーダンスと複素アドミタンスを使って、実際の交流回路を解く方法を総合的に学ぶで。直並列混合回路や、より実践的な問題に挑戦していくから、楽しみにしててな!

結果発表

お疲れさまや!第12講「複素アドミタンス」、完走やな!

📊 学習結果

獲得スコア 0 / 100点

正解数:0 / 0

発展問題挑戦:0

🎯 今回マスターした内容

⚡ 複素アドミタンス \( Y = G + jB \)

⚡ R・L・Cのアドミタンス表現

⚡ 並列回路の合成(足し算)

⚡ Z ⇔ Y の相互変換

⚡ 直列→Z、並列→Y の使い分け