交流回路

フェーザの計算|極形式と直交形式の変換【電験三種 理論】

極形式と直交形式を使いこなす!実践的な計算テクニック

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第8講「フェーザの計算」へようこそ!

前回は、フェーザの基本概念と、極形式・直交形式という2つの表し方を学んだな。今回は、それらを使った実践的な計算テクニックを身につけていくで!

電験三種の交流回路の問題は、ほとんどがフェーザ計算で解ける。せやから、ここで計算力をしっかり鍛えておくことが、合格への近道なんや。

🎯 この講座で学ぶこと

📘 形式変換の実践:極形式 ⇔ 直交形式の変換計算

📗 加算・減算:直交形式を使った計算テクニック

📙 乗算・除算:極形式を使った計算テクニック

📕 正弦波との変換:v = Vm sin(ωt+θ) ⇔ フェーザ

📒 総合問題:交流回路への応用

今回の講座のキーワードは「加減は直交、乗除は極」や。この使い分けをマスターすれば、どんな交流計算も怖くなくなるで!

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まずは「極形式から直交形式への変換」を復習しながら、実際に計算してみよう!

前回学んだ通り、極形式 Z = |Z|∠θ を直交形式 Z = a + jb に変換するには、三角関数を使うんやったな。なぜ三角関数を使うのか、もう一度確認しておこう。

複素平面上でベクトルを考えてみ。長さ |Z| で角度 θ のベクトルがあるとする。このベクトルの「横方向の成分」と「縦方向の成分」を求めたいわけや。

極形式から直交形式への変換 実軸 (a) 虚軸 (jb) O Z = |Z|∠θ a = |Z|cosθ b = |Z|sinθ θ Z = |Z|cosθ + j|Z|sinθ = a + jb

図を見てわかるように、直角三角形の関係から、横の長さ(実部 a)は |Z|cosθ、縦の長さ(虚部 b)は |Z|sinθ になるんや。これは高校数学の三角比そのものやな。

\( a = |Z| \cos\theta, \quad b = |Z| \sin\theta \)
極形式 → 直交形式の変換公式

実際に計算してみよう。Z = 10∠60° を直交形式に変換するで。

【例題】10∠60° を直交形式に変換

① |Z| = 10、θ = 60° を確認

② 実部 a = 10 × cos60° = 10 × 0.5 = 5

③ 虚部 b = 10 × sin60° = 10 × 0.866 ≒ 8.66

④ 答え:Z = 5 + j8.66

ポイントは、cosは実部(横)、sinは虚部(縦)という対応や。これは「cos = 横、sin = 縦」と覚えておくとええで。

📌 極形式→直交形式のポイント

実部 a = |Z|cosθ(横方向の成分)

虚部 b = |Z|sinθ(縦方向の成分)

⚡ 「cos = 横、sin = 縦」と覚える

⚡ 電卓で計算する場合は角度モード(DEG)を確認!

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次は逆方向、「直交形式から極形式への変換」や!

直交形式 Z = a + jb が与えられたとき、これを極形式 Z = |Z|∠θ に変換したい。つまり、「大きさ」と「角度」を求めるわけや。

これも直角三角形の関係を使う。さっきの図を思い出してみ。a と b がわかってるなら、斜辺の長さ |Z| と角度 θ を求められるやろ?

直交形式から極形式への変換 実軸 虚軸 a = 3 b = 4 |Z| = ? θ = ? Z = 3 + j4 大きさ(ピタゴラス) |Z| = √(a² + b²) 角度(逆正接) θ = tan⁻¹(b/a)

大きさ |Z| は、直角三角形の斜辺やからピタゴラスの定理を使う。角度 θ は、「縦÷横」の逆正接(アークタンジェント)で求めるんや。

\( |Z| = \sqrt{a^2 + b^2}, \quad \theta = \tan^{-1}\frac{b}{a} \)
直交形式 → 極形式の変換公式

実際に計算してみよう。Z = 3 + j4 を極形式に変換するで。

【例題】3 + j4 を極形式に変換

① a = 3、b = 4 を確認

② 大きさ |Z| = √(3² + 4²) = √(9 + 16) = √25 = 5

③ 角度 θ = tan⁻¹(4/3) = tan⁻¹(1.333...) ≒ 53.1°

④ 答え:Z = 5∠53.1°

この「3-4-5」の直角三角形は電験でもよく出るから、覚えておくとええで。角度は約53°や。

💡 計算のコツ

tan⁻¹ の計算は電卓が必須や。電験三種では関数電卓を使えるから、「SHIFT + tan」または「tan⁻¹」ボタンで計算できる。角度モードが「DEG」(度)になってることを確認してな!

📌 直交形式→極形式のポイント

大きさ |Z| = √(a² + b²)(ピタゴラスの定理)

角度 θ = tan⁻¹(b/a)(逆正接)

⚡ 3-4-5 → 5∠53°、1-1-√2 → √2∠45° は頻出!

⚡ 電卓の角度モード(DEG)を確認

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ここで「特殊角度」の変換をまとめておこう。これを覚えておくと、計算がめっちゃ速くなるで!

電験三種でよく出る角度は、0°、30°、45°、60°、90° の5つや。これらの三角関数の値は暗記しておくべきやで。

角度 θ cosθ sinθ tanθ
1 0 0
30° √3/2 ≒ 0.866 1/2 = 0.5 1/√3 ≒ 0.577
45° 1/√2 ≒ 0.707 1/√2 ≒ 0.707 1
60° 1/2 = 0.5 √3/2 ≒ 0.866 √3 ≒ 1.732
90° 0 1 ∞(定義なし)

これを使って、特殊角度の変換例をいくつか見てみよう。

【特殊角度の変換例】

10∠0° = 10×1 + j×10×0 = 10 + j0(実数)

10∠90° = 10×0 + j×10×1 = j10(純虚数)

10∠45° = 10×0.707 + j×10×0.707 ≒ 7.07 + j7.07

10∠30° = 10×0.866 + j×10×0.5 ≒ 8.66 + j5

10∠60° = 10×0.5 + j×10×0.866 ≒ 5 + j8.66

特殊角度のフェーザ(すべて大きさ10) Re Im 30° 45° 60° 90° 10 j10 0°, 30°, 45°, 60°, 90° の変換は暗記が近道!

特に覚えてほしいのは、0°と90°や。0°は純粋な実数、90°は純粋な虚数(j だけ)になる。これは感覚的にも納得できるやろ?

📌 特殊角度の変換(暗記推奨)

:cosθ = 1、sinθ = 0 → 実数のみ

90°:cosθ = 0、sinθ = 1 → 虚数のみ(j のみ)

45°:cosθ = sinθ = 1/√2 → 実部と虚部が同じ

⚡ 30°と60°は cos と sin が入れ替わる関係

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ここで形式変換の問題に挑戦してみよう!

極形式から直交形式、直交形式から極形式、両方の変換ができるか確認するで。

🧠 問題1

フェーザ Z = 6 + j8 を極形式で表すと?

(ヒント:有名な直角三角形を思い出そう)

サポートルート

惜しかったな!直交形式から極形式への変換を確認しよう。

Z = 6 + j8 やから、a = 6、b = 8 やな。これを極形式にするには、大きさと角度を求めるんやったな。

【Z = 6 + j8 の変換手順】

① 大きさ |Z| = √(6² + 8²) = √(36 + 64) = √100 = 10

② 角度 θ = tan⁻¹(8/6) = tan⁻¹(1.333) ≒ 53°

6-8-10 は 3-4-5 の2倍の三角形やで。角度は同じ約53°になるんや。

🔄 確認問題

Z = 5∠30° を直交形式で表すと?(cos30° ≒ 0.866、sin30° = 0.5)

発展ルート

さすがや!形式変換はバッチリやな。

ほな、少し難しい問題に挑戦してみよう。負の角度(第4象限)の変換や。

🔥 発展問題

フェーザ Z = 8 - j6 を極形式で表すと?

(虚部がマイナスの場合、角度はどうなる?)

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ここからは「フェーザの加算・減算」を学んでいくで!

フェーザの足し算・引き算は、直交形式で計算するのが鉄則や。なぜかというと、直交形式なら「実部どうし、虚部どうし」を別々に計算できるからなんや。

極形式で足し算しようとすると、大変なことになる。例えば 5∠30° + 3∠60° を直接計算しようとしても、角度を足すわけにはいかへんやろ?

加減算は直交形式で! 極形式で加算? 5∠30° + 3∠60° = 8∠90° ??? ↑ これは間違い! 😵 直接計算できない 直交形式で加算 (a₁+jb₁) + (a₂+jb₂) = (a₁+a₂) + j(b₁+b₂) 実部と虚部を別々に足すだけ! 😊 超簡単!
\( (a_1 + jb_1) + (a_2 + jb_2) = (a_1 + a_2) + j(b_1 + b_2) \)
直交形式の加算:実部どうし、虚部どうしを加える
\( (a_1 + jb_1) - (a_2 + jb_2) = (a_1 - a_2) + j(b_1 - b_2) \)
直交形式の減算:実部どうし、虚部どうしを引く

要するに、実部は実部どうし、虚部は虚部どうしで計算すればOKなんや。これは複素数の基本やったな。

📌 加減算のルール

⚡ 加減算は必ず直交形式で行う

⚡ 実部どうし、虚部どうしを別々に計算

⚡ 極形式のままでは加減算できない!

⚡ 極形式で与えられたら、まず直交形式に変換

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実際に加減算の計算例を見てみよう!

電験三種の問題では、「電圧の合成」や「電流の合成」で加減算を使うことが多いで。

【例題1】V̇₁ + V̇₂ を求めよ

V̇₁ = 30 + j40 [V]、V̇₂ = 50 - j20 [V]

V̇₁ + V̇₂ = (30 + 50) + j(40 + (-20))

    = (30 + 50) + j(40 - 20)

    = 80 + j20 [V]

簡単やろ?実部どうし(30と50)を足して80、虚部どうし(40と-20)を足して20になるだけや。

次は、極形式で与えられた場合の例を見てみよう。

【例題2】İ₁ + İ₂ を求めよ

İ₁ = 10∠0° [A]、İ₂ = 10∠60° [A]

【Step1】直交形式に変換

İ₁ = 10∠0° = 10×cos0° + j×10×sin0° = 10 + j0

İ₂ = 10∠60° = 10×cos60° + j×10×sin60° = 10×0.5 + j×10×0.866

      = 5 + j8.66

【Step2】加算

İ₁ + İ₂ = (10 + 5) + j(0 + 8.66) = 15 + j8.66 [A]

必要に応じて、結果を極形式に戻すこともあるで。

【続き】結果を極形式に変換

|İ| = √(15² + 8.66²) = √(225 + 75) = √300 ≒ 17.3 [A]

θ = tan⁻¹(8.66/15) = tan⁻¹(0.577) ≒ 30°

∴ İ₁ + İ₂ = 17.3∠30° [A]

💡 計算の流れ

① 極形式で与えられたら → 直交形式に変換

② 直交形式で加減算を実行

③ 必要なら極形式に戻す

この3ステップを覚えておけばOKや!

📌 加減算の計算手順

⚡ 極形式なら、まず直交形式に変換

⚡ 実部どうし、虚部どうしを計算

⚡ 答えが極形式で必要なら、再変換

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ここで「フェーザ図」と加算の関係を視覚的に理解しておこう!

フェーザの加算は、実はベクトルの加算と同じなんや。2つのベクトルを「つなげる」か「平行四辺形の対角線を取る」と、合成ベクトルが求まる。

フェーザの加算 = ベクトルの加算 Re Im O V̇₁ = 10∠0° V̇₂ = 10∠60° V̇₁ + V̇₂ = 15 + j8.66 ≒ 17.3∠30° ベクトルをつなげる または 平行四辺形の対角線 = 合成ベクトル フェーザ図を描けば、加算結果をイメージできる!

この図を見ると、V̇₁(赤)と V̇₂(青)を「つなげた」先が合成ベクトル(緑)になってるのがわかるな。

フェーザ図を描く習慣をつけると、計算ミスの確認にも使えるで。「だいたいこれくらいの大きさ・角度になるはず」という見当がつくからな。

💡 減算の場合は?

V̇₁ - V̇₂ を求めたい場合は、V̇₂ の向きを逆にして(180°回転させて)加算すればええんや。つまり -V̇₂ = -a₂ - jb₂ にしてから足すわけやな。

📌 フェーザ図のメリット

⚡ 加算結果を視覚的に確認できる

⚡ 計算結果の妥当性チェックに使える

⚡ 位相関係(進み・遅れ)が一目でわかる

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ここで加減算の問題に挑戦してみよう!

直交形式での計算、しっかりできるか確認するで。

🧠 問題2

次の2つのフェーザの和(V̇₁ + V̇₂)を求めよ。

V̇₁ = 40 + j30 [V]、V̇₂ = 20 - j10 [V]

サポートルート

惜しかったな!加算の基本を確認しよう。

直交形式の加算は、実部どうし、虚部どうしを別々に足すんやったな。

【V̇₁ + V̇₂ の計算】

V̇₁ = 40 + j30、V̇₂ = 20 - j10 やから...

実部:40 + 20 = 60

虚部:30 + (-10) = 30 - 10 = 20

∴ V̇₁ + V̇₂ = 60 + j20 [V]

虚部のマイナス(-j10)に注意やで。「+」と「-」を間違えやすいから気をつけてな。

🔄 確認問題

V̇₁ - V̇₂ を求めよ。(V̇₁ = 40 + j30、V̇₂ = 20 - j10)

発展ルート

さすがや!加算はバッチリやな。

ほな、極形式から変換して加算する問題に挑戦してみよう。

🔥 発展問題

İ₁ = 10∠0° [A] と İ₂ = 10∠90° [A] の和の大きさは何 A か?

(ヒント:まず直交形式に変換してから加算)

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次は「フェーザの乗算」を学んでいくで!

乗算(掛け算)は、加減算とは逆に極形式で計算するのが鉄則や。なぜかというと、極形式なら「大きさは掛ける、角度は足す」だけで済むからなんや。

直交形式で掛け算しようとすると、展開してj²=-1を使って...と、かなり面倒になるやろ?

乗算は極形式で! 直交形式で乗算? (a₁+jb₁)(a₂+jb₂) = a₁a₂ + ja₁b₂ + ja₂b₁ + j²b₁b₂ = (a₁a₂-b₁b₂) + j(a₁b₂+a₂b₁) 😵 展開が大変! 極形式で乗算 (|Z₁|∠θ₁)(|Z₂|∠θ₂) = |Z₁||Z₂|∠(θ₁+θ₂) 大きさは掛ける、角度は足す! 😊 超簡単!
\( |Z_1| \angle \theta_1 \times |Z_2| \angle \theta_2 = |Z_1||Z_2| \angle (\theta_1 + \theta_2) \)
極形式の乗算:大きさは掛ける、角度は足す

この公式、めっちゃシンプルやろ?大きさどうしを掛けて、角度どうしを足す。これだけや。

【例題】5∠30° × 4∠20° を計算せよ

大きさ:5 × 4 = 20

角度:30° + 20° = 50°

答え:20∠50°

これが極形式の威力や。直交形式でやったら展開して整理して...と、何倍も時間がかかる計算が、2行で終わるんやで。

📌 極形式の乗算ルール

大きさは掛ける:|Z₁| × |Z₂|

角度は足す:θ₁ + θ₂

⚡ 直交形式で与えられたら、まず極形式に変換!

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次は「フェーザの除算」や!

除算(割り算)も、乗算と同じく極形式で計算するのが鉄則や。乗算が「大きさは掛ける、角度は足す」やったから、除算は...そう、その逆になるんや。

\( \frac{|Z_1| \angle \theta_1}{|Z_2| \angle \theta_2} = \frac{|Z_1|}{|Z_2|} \angle (\theta_1 - \theta_2) \)
極形式の除算:大きさは割る、角度は引く

大きさどうしを割って、角度どうしを引く。乗算の逆やから覚えやすいやろ?

【例題】20∠70° ÷ 4∠30° を計算せよ

大きさ:20 ÷ 4 = 5

角度:70° - 30° = 40°

答え:5∠40°

これも2行で終わりや。直交形式で割り算しようとしたら、共役複素数を掛けて分母を実数化して...と、めちゃくちゃ大変になるで。

乗算と除算のルール(対比) 乗算(×) 大きさは掛ける 角度は足す |Z₁||Z₂|∠(θ₁+θ₂) 除算(÷) 大きさは割る 角度は引く (|Z₁|/|Z₂|)∠(θ₁-θ₂) 乗除算は極形式が圧倒的に楽!

💡 覚え方のコツ

乗算 = 大きさ掛ける・角度足す」「除算 = 大きさ割る・角度引く

乗算と除算は逆の操作、これをセットで覚えると忘れへんで!

📌 極形式の除算ルール

大きさは割る:|Z₁| ÷ |Z₂|

角度は引く:θ₁ - θ₂

⚡ 乗算の逆操作と覚える!

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ここで「乗除算の実践的な応用」を見てみよう!

電験三種で最も頻繁に使うのが、交流回路のオームの法則や。フェーザを使えば、直流と同じ形で計算できるんやで。

\( \dot{V} = \dot{I} \cdot Z \quad \Leftrightarrow \quad \dot{I} = \frac{\dot{V}}{Z} \)
交流のオームの法則(フェーザ表示)

V̇ は電圧フェーザ、İ は電流フェーザ、Z はインピーダンスや。直流の V = IR と同じ形やろ?違いは、すべてが複素数(フェーザ)になってることだけや。

【例題】電圧と電流からインピーダンスを求める

電圧 V̇ = 100∠30° [V]、電流 İ = 5∠-15° [A] のとき、

インピーダンス Z を求めよ。

Z = V̇ / İ = 100∠30° ÷ 5∠-15°

大きさ:100 ÷ 5 = 20 [Ω]

角度:30° - (-15°) = 30° + 15° = 45°

答え:Z = 20∠45° [Ω]

角度を引くとき、マイナスを引くからプラスになる(30° - (-15°) = 45°)ところに注意やで。

【例題】インピーダンスと電流から電圧を求める

インピーダンス Z = 10∠60° [Ω]、電流 İ = 3∠20° [A] のとき、

電圧 V̇ を求めよ。

V̇ = İ × Z = 3∠20° × 10∠60°

大きさ:3 × 10 = 30 [V]

角度:20° + 60° = 80°

答え:V̇ = 30∠80° [V]

このように、オームの法則を使った計算が極形式ならサクサクできるんや。これが電験三種の交流問題を解く基本中の基本やで。

📌 交流オームの法則(フェーザ)

V̇ = İ × Z(電圧 = 電流 × インピーダンス)

İ = V̇ / Z(電流 = 電圧 ÷ インピーダンス)

Z = V̇ / İ(インピーダンス = 電圧 ÷ 電流)

⚡ すべて極形式で計算するのが楽!

メインルート

ここで乗除算の問題に挑戦してみよう!

極形式での計算、しっかりできるか確認するで。

🧠 問題3

電圧 V̇ = 100∠60° [V]、インピーダンス Z = 20∠30° [Ω] のとき、

電流 İ の大きさと位相を求めよ。

サポートルート

惜しかったな!オームの法則と除算のルールを確認しよう。

電流を求めるには İ = V̇ / Z やったな。これは除算やから、「大きさは割る、角度は引く」を使うで。

【İ = V̇ / Z の計算】

V̇ = 100∠60°、Z = 20∠30° やから...

大きさ:100 ÷ 20 = 5 [A]

角度:60° - 30° = 30°

∴ İ = 5∠30° [A]

🔄 確認問題

İ = 4∠20° [A]、Z = 25∠40° [Ω] のとき、電圧 V̇ は?

発展ルート

さすがや!乗除算はバッチリやな。

ほな、乗算と除算を組み合わせた問題に挑戦してみよう。

🔥 発展問題

次の計算結果を極形式で表せ。

\( \frac{10\angle 80° \times 6\angle 40°}{12\angle 30°} \)

メインルート

ここからは「正弦波とフェーザの相互変換」を学んでいくで!

電験三種の問題では、正弦波 v = Vm sin(ωt + θ) の形で電圧や電流が与えられることが多い。これをフェーザに変換して計算し、必要なら正弦波に戻す、という流れが基本や。

まずは正弦波 → フェーザの変換から見ていこう。

正弦波からフェーザへの変換 正弦波 v = Vm sin(ωt + θ) Vm = 最大値(振幅) θ = 初期位相 フェーザ V̇ = V∠θ V = Vm/√2(実効値) θ = 初期位相(そのまま) 最大値を実効値に変換するのがポイント!

変換のポイントは2つだけや:

【正弦波 → フェーザの変換ルール】

大きさ:最大値 Vm を実効値 V に変換

  V = Vm / √2 ≒ Vm × 0.707

位相:初期位相 θ はそのまま使う

なぜ実効値を使うかというと、電力計算や実用的な値は実効値で表すのが標準やからや。家庭のコンセントの「100V」も実効値やで。

【例題】v = 141 sin(ωt + 45°) [V] をフェーザに変換

① 最大値 Vm = 141 V

② 実効値 V = 141 / √2 = 141 / 1.414 ≒ 100 V

③ 位相 θ = 45°(そのまま)

∴ V̇ = 100∠45° [V]

📌 正弦波→フェーザ変換のポイント

大きさ = Vm / √2(最大値→実効値)

角度 = θ(初期位相そのまま)

⚡ √2 ≒ 1.414、1/√2 ≒ 0.707 を覚えておく

メインルート

次は逆方向、「フェーザ → 正弦波」の変換や!

フェーザで計算した結果を、最終的に正弦波の式で答えなければならない問題もある。その場合は、さっきの逆をすればええんや。

フェーザから正弦波への変換 フェーザ V̇ = V∠θ V = 実効値 θ = 位相 正弦波 v = Vm sin(ωt + θ) Vm = V × √2(最大値) θ = 位相(そのまま) 実効値を最大値に変換するのがポイント!

【フェーザ → 正弦波の変換ルール】

最大値:実効値 V を最大値 Vm に変換

  Vm = V × √2 ≒ V × 1.414

位相:位相 θ はそのまま使う

③ 角周波数 ω は問題で与えられた値を使う

【例題】V̇ = 100∠30° [V]、f = 50Hz のとき正弦波で表せ

① 実効値 V = 100 V

② 最大値 Vm = 100 × √2 ≒ 141 V

③ 位相 θ = 30°(そのまま)

④ 角周波数 ω = 2πf = 2π × 50 = 100π [rad/s]

∴ v = 141 sin(100πt + 30°) [V]

注意点として、角度をラジアン [rad] で表す場合は、30° = π/6 rad のように変換する必要があるで。問題の指示をよく確認してな。

📌 フェーザ→正弦波変換のポイント

最大値 Vm = V × √2(実効値→最大値)

位相 θはそのまま

⚡ 角周波数 ω は別途求める(ω = 2πf)

⚡ 角度の単位(度 or ラジアン)に注意!

メインルート

ここで「計算の使い分け」を総まとめしておこう!

フェーザ計算で最も大事なのは、「加減は直交、乗除は極」という使い分けや。これを間違えると、計算量が爆発的に増えるか、そもそも計算できなくなる。

フェーザ計算の使い分け(完全版) 直交形式 Z = a + jb 得意な計算 ✅ 加算(足し算) ✅ 減算(引き算) 苦手な計算 ❌ 乗算(展開が大変) ❌ 除算(共役が必要) 「実部と虚部を別々に」 極形式 Z = |Z|∠θ 得意な計算 ✅ 乗算(大きさ掛×角足) ✅ 除算(大きさ割÷角引) 苦手な計算 ❌ 加算(直接できない) ❌ 減算(直接できない) 「大きさと角度を別々に」 加減は直交、乗除は極!

この図を頭に入れておけば、どんな問題が来ても迷わへん。

💡 計算の流れ(まとめ)

① 正弦波で与えられたら → フェーザに変換(実効値+位相)

② 加減算が必要なら → 直交形式で計算

③ 乗除算が必要なら → 極形式で計算

④ 必要に応じて形式を変換しながら進める

⑤ 正弦波で答えるなら → 最大値に戻して式を作る

📌 計算形式の使い分け(暗記必須)

加算・減算 → 直交形式(a + jb)

乗算・除算 → 極形式(|Z|∠θ)

⚡ 「加減は直交、乗除は極」と覚える!

メインルート

最後に総合問題に挑戦や!

正弦波からフェーザへの変換、そして計算までできるか確認するで。

🧠 問題4

電圧 v = 141 sin(ωt + 60°) [V] をフェーザで表すと?

(フェーザは実効値で表すものとする)

サポートルート

惜しかったな!正弦波からフェーザへの変換を確認しよう。

フェーザで使うのは実効値やったな。最大値ではないで!

【v = 141 sin(ωt + 60°) をフェーザに】

① 最大値 Vm = 141 V

② 実効値 V = Vm/√2 = 141/1.414 ≒ 100 V

③ 位相 θ = 60°(そのまま)

∴ V̇ = 100∠60° [V]

🔄 確認問題

i = 7.07 sin(ωt - 45°) [A] のフェーザ表示は?

発展ルート

さすがや!変換はバッチリやな。

ほな、変換と計算を組み合わせた総合問題に挑戦してみよう。

🔥 発展問題

V̇₁ = 60 + j80 [V] と V̇₂ = 40 - j30 [V] の合成電圧 V̇₁ + V̇₂ の大きさは何Vか?

メインルート

フェーザの計算を一覧表でまとめておこう!

項目 内容・公式
極→直交変換 a = |Z|cosθ、b = |Z|sinθ
直交→極変換 |Z| = √(a²+b²)、θ = tan⁻¹(b/a)
加算・減算 直交形式で計算(実部+実部、虚部+虚部)
乗算 極形式:大きさは掛ける、角度は足す
除算 極形式:大きさは割る、角度は引く
正弦波→フェーザ V = Vm/√2(実効値)、θはそのまま
フェーザ→正弦波 Vm = V×√2(最大値)、θはそのまま
交流オームの法則 V̇ = İZ、İ = V̇/Z、Z = V̇/İ
最重要ポイント 加減は直交、乗除は極! この使い分けを間違えなければ、フェーザ計算は怖くない!

📌 特殊角度の値(暗記推奨)

⚡ cos0° = 1、sin0° = 0

⚡ cos30° = √3/2 ≒ 0.866、sin30° = 0.5

⚡ cos45° = sin45° = 1/√2 ≒ 0.707

⚡ cos60° = 0.5、sin60° = √3/2 ≒ 0.866

⚡ cos90° = 0、sin90° = 1

メインルート

第8講「フェーザの計算」の総まとめや!

今回は、フェーザを使った実践的な計算テクニックを学んだな。極形式と直交形式の使い分け、正弦波との変換、オームの法則の適用と、盛りだくさんやったけど、しっかりついてこれたか?

🎯 この講座で学んだこと

極形式→直交形式:a = |Z|cosθ、b = |Z|sinθ

直交形式→極形式:|Z| = √(a²+b²)、θ = tan⁻¹(b/a)

加減算:直交形式で計算(実部と虚部を別々に)

乗算:極形式で「大きさは掛ける、角度は足す」

除算:極形式で「大きさは割る、角度は引く」

正弦波⇔フェーザ:最大値と実効値の変換(√2倍)

交流オームの法則:V̇ = İZ の適用

🔑 最も大事なポイント

「加減は直交、乗除は極」—これがフェーザ計算の黄金ルールや。

この使い分けをマスターすれば、電験三種の交流回路問題の大半は解けるようになるで。

今回学んだ計算テクニックは、次回以降のR・L・C回路、インピーダンス、電力計算すべての基礎になるから、しっかり復習しておいてな!

次回の第9講「複素数の四則演算」では、より複雑な複素数計算と、実際の回路問題への応用を学んでいくで。今回の内容をしっかり復習してから進んでな!

結果発表

お疲れさまや!第8講「フェーザの計算」、完走やな!

📊 学習結果

獲得スコア 0 / 100点

正解数:0 / 0

発展問題挑戦:0

🎯 今回マスターした内容

⚡ 極形式 ⇔ 直交形式の相互変換

⚡ 加減算は直交形式で計算

⚡ 乗除算は極形式で計算

⚡ 正弦波とフェーザの変換(√2倍)

⚡ 交流オームの法則(V̇ = İZ)