損失を制する者が効率を制す!最大効率の秘密に迫ろう
よっしゃ!第14講、スタートや!
前回の第13講では、変圧器の2大損失について学んだな。鉄損 \( P_i \) は電圧(磁束密度)で決まるほぼ一定の損失、銅損 \( P_c = I^2 r \) は負荷電流の2乗に比例する損失やったな。
今回はいよいよ、その損失の知識を使って変圧器の効率を計算していくで。そして、今日の最大の目玉は「最大効率の条件」や。
「どんな負荷のときに効率が一番ええんやろ?」「なんで鉄損=銅損のとき最大になるんやろ?」っていう疑問に、数式の丸暗記やなくて本質から答えられるようになるのが目標やで。
📚 この講座で学ぶこと
⚡ 変圧器の効率の定義と基本公式
⚡ 負荷率 m を使った効率の表し方
⚡ 最大効率条件 \( P_i = P_c \) の本質的な理由
⚡ 最大効率時の負荷率 \( m = \sqrt{P_i / P_{cn}} \) の導出
⚡ 効率計算の電験頻出パターン
前回の損失の知識がそのまま武器になるから、しっかりついてきてな!
まず「効率」って何やねん?っていう根本的なところから始めよか。
効率っていうのは、入力に対して、どれだけ有効に出力できたかを表す指標や。変圧器に限らず、あらゆる機器に共通する考え方やで。
💡 身近な例で考えてみよか。キミが100円の材料を買ってきて、料理を作って売ったとする。80円分の料理ができたなら「効率80%」、50円分しかできなかったら「効率50%」ってことや。残りの差額は?それが「損失」、つまり作業中にこぼしたり焦がしたりした分やな。
変圧器の場合、入力は一次側から入る電力 \( P_1 \)、出力は二次側から出る電力 \( P_2 \)やから、効率 \( \eta \)(イータ)は:
これが効率の最も基本的な定義や。でもな、この式だけやと計算しにくいことが多い。なぜかというと、入力 \( P_1 \) を直接測るのが結構大変やからや。
そこで、入力と出力の関係を思い出してみよか。入力された電力は全て、出力+損失になるはずやな。つまり:
この関係を使えば、効率の式を損失を使った形に書き換えられるんや。
ほな、効率の公式をもう少し実用的な形に変形していくで。
\( P_1 = P_2 + P_i + P_c \) を \( \eta = \frac{P_2}{P_1} \) に代入すると:
これが変圧器の効率を計算するときの基本中の基本の式や。電験三種では、ほぼ毎回この形を使うで。
ここで大事なのは、出力 \( P_2 \) の表し方や。変圧器の出力は次のように書ける:
単相変圧器の場合やで。三相の場合は \( \sqrt{3} \) がつくけど、今回はまず単相で理解しよか。
さて、ここで負荷率(ふかりつ)という超重要な概念を導入するで。負荷率 \( m \) は、「定格容量に対して、今どれだけの負荷をかけてるか」を表す値や。
たとえば、定格容量 10kVA の変圧器に 5kVA の負荷をつなげたら、負荷率は \( m = 0.5 \)(50%)ということや。定格いっぱいで使ってたら \( m = 1 \)(100%)やな。
この負荷率 \( m \) を使うと、出力と銅損をスッキリ表せるんや:
📌 負荷率 m を使った表現
⚡ 出力:\( P_2 = m \cdot S_n \cdot \cos\phi = m \cdot P_n \cdot \cos\phi \)
⚡ 銅損:\( P_c = m^2 \cdot P_{cn} \)(定格銅損の m² 倍)
⚡ 鉄損:\( P_i \)(負荷率に関係なく一定!)
銅損が \( m^2 \) に比例するのは、前回学んだ通り \( P_c = I^2 r \) で電流の2乗に比例するからやな。負荷電流が定格の \( m \) 倍なら、銅損は \( m^2 \) 倍になるわけや。
ほな、負荷率 \( m \) を使って効率の式を完成させるで。これが電験三種で一番よく使う形や。
\( P_2 = m S_n \cos\phi \)、\( P_c = m^2 P_{cn} \) を代入すると:
この式をじーっと見てみ。分子も分母も \( m \) が入ってるけど、鉄損 \( P_i \) だけは \( m \) に関係ないんや。ここがミソやで。
ほな、具体的な数値で計算してみよか。
💡 計算例:定格容量 \( S_n = 10 \) kVA、鉄損 \( P_i = 100 \) W、定格銅損 \( P_{cn} = 200 \) W の変圧器が、負荷率 \( m = 1 \)(定格負荷)、力率 \( \cos\phi = 1 \) で運転しているときの効率は?
代入してみると:
\( \eta = \frac{1 \times 10000 \times 1}{1 \times 10000 \times 1 + 100 + 1^2 \times 200} \times 100 \)
\( = \frac{10000}{10000 + 100 + 200} \times 100 = \frac{10000}{10300} \times 100 \)
\( \approx 97.1 \) %
変圧器の効率は通常95〜99%とかなり高いんや。回転機(モーター)が80〜95%くらいなのと比べると、変圧器はめちゃくちゃ効率のいい機器やで。理由は簡単で、回転部分がないから機械損(摩擦損や風損)がゼロやからや。
ほな、ここまでの理解度を確認してみよか!
ほな、第1問いくで!効率の基本を確認しよう。
変圧器の効率 \( \eta \) を表す式として正しいものはどれか。ただし、\( P_2 \) は出力、\( P_i \) は鉄損、\( P_c \) は銅損とする。
大丈夫やで、もう一回整理しよか。
効率の基本は「出力 ÷ 入力」やったな。分子が出力、分母が入力。入力は「出力+損失」やから、分母は \( P_2 + P_i + P_c \) になるんや。
①は分子と分母が逆になってるから、1より大きくなってしまう。効率が100%超えるのはおかしいやろ?③は出力からさらに損失を引いてるから、出力より小さくなってしまう。
変圧器の入力 \( P_1 \) と出力 \( P_2 \) の関係として正しいのはどれ?
さすがや!基本はバッチリやな。ほな、もうちょっと踏み込んだ問題いくで。
定格容量 20 kVA、鉄損 150 W、定格銅損 300 W の変圧器が、力率 1.0、定格負荷(\( m = 1 \))で運転しているときの効率 [%] に最も近いものはどれか。
ええ感じやな!ここからは力率 \( \cos\phi \) が効率にどう影響するかを見ていくで。
さっきの効率の式をもう一回見てみ:
\( \eta = \frac{m S_n \cos\phi}{m S_n \cos\phi + P_i + m^2 P_{cn}} \times 100 \)
力率 \( \cos\phi \) が小さくなると、分子の出力は小さくなるのに、分母の損失(\( P_i + m^2 P_{cn} \))は変わらへん。ということは?
力率が低いと効率も下がるんや!
これは直感的にも分かるやろ?力率が低いということは、見かけの電流(皮相電流)は流れてるけど、実際に仕事をしてる有効電力は少ないということや。でも銅損は電流の2乗に比例するから、仕事してない分の電流でも銅損は発生するんや。もったいないやろ?
💡 たとえるなら、10人のチームで仕事してるとする。力率1.0やと10人全員が働いてる。力率0.8やと、10人のうち8人しか実際に働いてなくて、2人はサボってるのに給料(損失)は10人分かかる…みたいな感じやな。
ということは、同じ変圧器でも力率1.0のときが最も効率が良いということや。電験の問題で「力率1のとき」という条件がよく出てくるのは、そういう理由やで。
ほな、もう少し実践的な計算例をやってみよか。
💡 計算例:定格容量 50 kVA、鉄損 \( P_i = 300 \) W、定格銅損 \( P_{cn} = 600 \) W の変圧器が、負荷率 \( m = 0.5 \)(半分の負荷)、力率 \( \cos\phi = 0.8 \)(遅れ)で運転しているときの効率を求めよ。
【Step 1】出力を求める
\( P_2 = m \times S_n \times \cos\phi = 0.5 \times 50000 \times 0.8 = 20000 \) W = 20 kW
【Step 2】銅損を求める
\( P_c = m^2 \times P_{cn} = 0.5^2 \times 600 = 0.25 \times 600 = 150 \) W
注目!銅損は定格の 600W ではなく、\( m^2 \) 倍の 150W や。半分の負荷でも銅損は1/4になるんやで。
【Step 3】鉄損はそのまま
\( P_i = 300 \) W(負荷率に関係なく一定)
【Step 4】効率を計算
\( \eta = \frac{20000}{20000 + 300 + 150} \times 100 = \frac{20000}{20450} \times 100 \approx 97.8 \) %
📌 計算のコツ
⚡ 出力の計算:\( m \times S_n \times \cos\phi \)(3つの掛け算)
⚡ 銅損の計算:\( m^2 \times P_{cn} \)(負荷率を2乗するのを忘れずに!)
⚡ 鉄損はそのまま使う(\( m \) は関係なし)
⚡ \( S_n \) の単位を [kVA] → [VA] に変換するのを忘れずに!
ほな、問題で確認してみよか!
ほな、第2問や!実際に効率を計算してみよう。
定格容量 10 kVA、鉄損 \( P_i = 80 \) W、定格銅損 \( P_{cn} = 200 \) W の変圧器が、負荷率 \( m = 1 \)(定格負荷)、力率 \( \cos\phi = 1 \) で運転しているときの効率 [%] に最も近い値はどれか。
大丈夫やで、順番にやってみよか。
まず、定格負荷(\( m = 1 \))で力率1.0やから:
出力 \( P_2 = 1 \times 10000 \times 1 = 10000 \) W
銅損 \( P_c = 1^2 \times 200 = 200 \) W
鉄損 \( P_i = 80 \) W
\( \eta = \frac{10000}{10000 + 80 + 200} \times 100 = \frac{10000}{10280} \times 100 \)
上の計算で、\( \frac{10000}{10280} \times 100 \) に最も近い値はどれ?
さすがや!ほな、力率を変えたパターンいくで。
同じ変圧器(10 kVA、\( P_i = 80 \) W、\( P_{cn} = 200 \) W)が負荷率 \( m = 0.5 \)、力率 \( \cos\phi = 0.8 \) で運転しているとき、効率 [%] に最も近いものはどれか。
さて、ここからが今日の最大のヤマ場や。「いったい、どんな負荷のときに効率が最大になるんやろ?」という問題に切り込んでいくで。
効率の式をもう一回書くと:
\( \eta = \frac{m S_n \cos\phi}{m S_n \cos\phi + P_i + m^2 P_{cn}} \times 100 \)
この式で、力率 \( \cos\phi \) は負荷で決まる定数として固定して考えよう。すると、効率 \( \eta \) は負荷率 \( m \) だけの関数になるんや。
ここでちょっと発想を変えるで。「効率が最大」ということは、「損失の割合が最小」ということやな。つまり、入力に対する損失の比率が一番小さくなるポイントを探せばええんや。
損失の割合を \( L \) とすると:
\( L = \frac{P_i + m^2 P_{cn}}{m S_n \cos\phi + P_i + m^2 P_{cn}} \)
これを \( m \) で微分してゼロとする…というのが数学的なアプローチやけど、もっと分かりやすい方法があるんや。
効率の式を変形して、1 kW あたりの損失で考えてみよか。出力 \( P_2 = m S_n \cos\phi \) に対する損失の比率は:
\( \frac{\text{損失}}{P_2} = \frac{P_i + m^2 P_{cn}}{m S_n \cos\phi} = \frac{P_i}{m S_n \cos\phi} + \frac{m P_{cn}}{S_n \cos\phi} \)
ここがポイントや!右辺を見てくれ。第1項 \( \frac{P_i}{m S_n \cos\phi} \) は \( m \) が大きくなると小さくなる(鉄損は一定やから、負荷が増えるほど1単位あたりの鉄損は薄まる)。第2項 \( \frac{m P_{cn}}{S_n \cos\phi} \) は \( m \) が大きくなると大きくなる(銅損は負荷に比例して増える)。
つまり、減っていく項と増えていく項の合計が最小になるポイントが最大効率点ということや!
前のステップで、「出力あたりの損失」は鉄損の項(mが増えると減少)と銅損の項(mが増えると増加)の和やって分かったな。
数学的に「減少する項+増加する項の和が最小」になるのは、2つの項が等しくなるときや。これは相加平均・相乗平均の関係(AM-GM不等式)から導かれる有名な結果やで。
つまり:
\( \frac{P_i}{m S_n \cos\phi} = \frac{m P_{cn}}{S_n \cos\phi} \)
両辺に \( m S_n \cos\phi \) をかけると:
\( P_i = m^2 P_{cn} \)
ここで \( m^2 P_{cn} \) は何かというと…そう、実際の銅損 \( P_c \) そのものや!
めっちゃシンプルやろ?鉄損と銅損が等しくなる負荷のとき、変圧器の効率は最大になるんや。
これは丸暗記するんやなくて、「一定の損失と可変の損失が釣り合うとき、トータルの効率が最大になる」という本質を理解しとくことが大事やで。
ほな、この最大効率条件の理解を確認するで!
変圧器の効率が最大になる条件として正しいものはどれか。
大丈夫やで、もう一回整理しよか。
①の「定格負荷のとき」は間違いや。定格負荷のとき効率が最大とは限らへん。鉄損より銅損の方がかなり大きい場合、定格より軽い負荷で最大効率になるんや。
③の「無負荷のとき」も間違い。無負荷やと出力がゼロやから、効率もゼロになるで。損失(鉄損)だけ発生して出力なしや。
正解のヒント:一定の損失(鉄損)と可変の損失(銅損)が等しくなるときに、出力あたりの損失が最小になって効率が最大になるんやで。
変圧器の鉄損 \( P_i \) は負荷電流に対してどう変化する?
さすがや!ほな、最大効率条件をもう少し深掘りするで。
変圧器の最大効率条件「鉄損 = 銅損」について、誤っているものはどれか。
最大効率条件が \( P_i = P_c \) だと分かったところで、次は「具体的にどの負荷率のとき最大効率になるか」を求めるで。
最大効率条件 \( P_i = P_c \) に、\( P_c = m^2 P_{cn} \) を代入すると:
\( P_i = m^2 P_{cn} \)
これを \( m \) について解くと:
\( m^2 = \frac{P_i}{P_{cn}} \)
この公式は超重要!電験三種でド定番の出題パターンやで。
具体例で確認してみよか。鉄損 \( P_i = 100 \) W、定格銅損 \( P_{cn} = 400 \) W の変圧器の場合:
\( m = \sqrt{\frac{100}{400}} = \sqrt{0.25} = 0.5 \)
つまり、定格の50%の負荷のときに効率が最大になるんや。定格いっぱいで使うよりも、半分の負荷の方が効率がいいということやで。
📌 ここがポイント
⚡ 鉄損 < 定格銅損 の場合 → 最大効率は定格負荷より軽い負荷で発生
⚡ 鉄損 = 定格銅損 の場合 → 最大効率は定格負荷(\( m = 1 \))で発生
⚡ 鉄損 > 定格銅損 の場合 → \( m > 1 \) となるが、通常はこのケースは稀
実際の変圧器では鉄損 < 定格銅損のことが多いから、最大効率は定格負荷より軽い負荷で発生することがほとんどや。だいたい定格の40〜80%くらいの負荷で最大効率になるで。
ここで、効率曲線をグラフで見てみよか。負荷率 \( m \) に対して効率 \( \eta \) がどう変わるか、一目で分かるで。
グラフを見ると、効率は負荷率 \( m = 0.5 \) のところでピークを迎えてるのが分かるな。このとき鉄損100W = 銅損100W(\( m^2 \times 400 = 0.25 \times 400 = 100 \) W)で、ちゃんと鉄損=銅損になってるやろ。
軽い負荷側(左)では鉄損の影響が大きく、重い負荷側(右)では銅損の影響が大きい。その両方が釣り合うポイントが最大効率やってことが、曲線の形からも読み取れるで。
ほな、計算問題で確認していこか!
ほな、第4問!最大効率時の負荷率を計算してみよう。
鉄損 \( P_i = 200 \) W、定格銅損 \( P_{cn} = 800 \) W の変圧器が最大効率となる負荷率 \( m \) はいくらか。
大丈夫やで。公式に当てはめるだけや。
最大効率時の負荷率は \( m = \sqrt{\frac{P_i}{P_{cn}}} \) やったな。
\( m = \sqrt{\frac{200}{800}} = \sqrt{0.25} \)
\( \sqrt{0.25} \) の値はいくら?
さすがや!ほな、さらに一歩進んだ問題やで。
定格容量 50 kVA、鉄損 150 W、定格銅損 600 W の変圧器がある。最大効率となるときの負荷 [kVA] はいくらか。
ほな、第5問!今度は最大効率の値そのものを求める問題やで。
定格容量 20 kVA、鉄損 \( P_i = 120 \) W、定格銅損 \( P_{cn} = 480 \) W の変圧器の最大効率 [%](力率 \( \cos\phi = 1 \) のとき)に最も近い値はどれか。
大丈夫やで、順番にやっていこか。
Step1:最大効率時の負荷率を求める
\( m = \sqrt{\frac{120}{480}} = \sqrt{0.25} = 0.5 \)
Step2:最大効率時は鉄損=銅損やから、損失合計は:
損失 = \( P_i + P_c = 120 + 120 = 240 \) W
Step3:出力を求める
\( P_2 = 0.5 \times 20000 \times 1 = 10000 \) W
\( \eta = \frac{10000}{10000 + 240} \times 100 \) に最も近い値は?
さすがや!ほな、力率を変えた応用問題やで。
同じ変圧器(20 kVA、\( P_i = 120 \) W、\( P_{cn} = 480 \) W)の最大効率を、力率 \( \cos\phi = 0.8 \) のときで求めると [%] に最も近い値はどれか。
ここまでで効率の基本と最大効率条件はバッチリやな。ここからは電験三種で実際に出題される計算パターンを整理していくで。
電験三種の効率問題は、だいたい次の3パターンに分かれるんや。
📌 電験頻出!効率計算の3パターン
⚡ パターン①:負荷率 m、力率 cosφ が与えられて「効率を求めよ」
⚡ パターン②:「最大効率となる負荷率(または負荷 [kVA])を求めよ」
⚡ パターン③:「最大効率の値 [%] を求めよ」
パターン①はすでにやったな。\( \eta = \frac{mS_n\cos\phi}{mS_n\cos\phi + P_i + m^2 P_{cn}} \times 100 \) に代入するだけや。
パターン②は \( m = \sqrt{\frac{P_i}{P_{cn}}} \) を使う。ただし注意点がある。問題で「負荷 [kVA]」を聞かれた場合は、求めた \( m \) に定格容量 \( S_n \) をかけるのを忘れたらあかんで。
つまり、最大効率時の負荷 = \( m \times S_n \) [kVA] やな。
パターン③は二段階の計算が必要や。
Step1:\( m = \sqrt{\frac{P_i}{P_{cn}}} \) で最大効率時の負荷率を求める
Step2:最大効率時は \( P_i = P_c \) やから、損失 = \( 2P_i \)(鉄損の2倍)と覚えておくと計算が速い
Step3:\( \eta_{max} = \frac{m S_n \cos\phi}{m S_n \cos\phi + 2P_i} \times 100 \) で一発計算
💡 計算の裏ワザ:最大効率時は鉄損=銅損やから、損失合計は \( 2P_i \) と書ける。わざわざ銅損を別に計算せんでええから、計算がめっちゃ速くなるで!
ほな、試験で間違えやすいポイントを先回りで押さえておくで。ここを知ってるだけで、ケアレスミスがグッと減るはずや。
⚠️ 要注意!よくある間違いトップ4
⚡ 間違い①:銅損に \( m^2 \) をかけ忘れる → 定格銅損をそのまま使ってしまう
⚡ 間違い②:\( S_n \) の単位変換ミス → kVA を VA に直し忘れて桁がズレる
⚡ 間違い③:負荷率の公式で \( m = \frac{P_i}{P_{cn}} \)(ルートを忘れる)
⚡ 間違い④:最大効率=定格負荷と思い込む → 通常は定格より軽い負荷!
特に間違い①は致命的やで。\( m \neq 1 \) のとき、銅損は定格銅損とは違うことを常に意識しとかなあかん。銅損 = \( m^2 \times P_{cn} \) や。
間違い③もよくあるミスや。正しくは \( m = \sqrt{\frac{P_i}{P_{cn}}} \) で、ルートがついてるんや。ルートを忘れると値が全然違ってくるで。
もう一つ、電験でたまに出るひっかけパターンを紹介しとく。
💡 「ある変圧器の鉄損は 100W、定格負荷での銅損は 400W である。この変圧器の効率が最大となるのは定格負荷の何 [%] のときか。」
→ \( m = \sqrt{\frac{100}{400}} = 0.5 \) → 50% のとき
「定格負荷の何 [%]」と聞かれてるから、\( m \times 100 = 50 \) % と答える。\( m = 0.5 \) のまま答えるとバツやで!問われ方に注意や。
ほな、総合的な計算問題で腕試しや!
ほな、第6問!総合的な計算問題やで。
定格容量 100 kVA、鉄損 500 W、定格銅損 2000 W の変圧器がある。この変圧器が最大効率となるときの負荷 [kVA] はいくらか。
大丈夫やで。二段階で解けるで。
Step1:負荷率を求める
\( m = \sqrt{\frac{500}{2000}} = \sqrt{0.25} = 0.5 \)
Step2:負荷 [kVA] を求める
負荷 = \( m \times S_n = 0.5 \times 100 \) = ?
\( 0.5 \times 100 \) kVA はいくら?
さすがや!ほな、最大効率の値まで求める問題やで。
上記の変圧器(100 kVA、\( P_i = 500 \) W、\( P_{cn} = 2000 \) W)の最大効率 [%](力率 1.0)に最も近い値はどれか。
ほな、第7問!知識の確認問題やで。
変圧器の効率に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
大丈夫やで、一つずつ確認しよか。
①は正しい。変圧器は回転部分がないから、効率がとても高いんやったな。
③は正しい。力率が低いと有効電力(出力)が減るのに損失は変わらんから、効率は下がるんや。
④も正しい。鉄損は磁束(電圧)で決まるから、負荷電流にはほとんど影響されへん。
問題は②やけど…「常に定格負荷時」かどうかがポイントやで。
通常の変圧器で最大効率になるのはどんなとき?
さすがや!ほな、応用問題やで。
ある変圧器の鉄損が 200 W、定格負荷時の銅損が 200 W である。この変圧器について正しい記述はどれか。
ラスト!第8問、今日の総仕上げやで!
定格容量 50 kVA、鉄損 200 W、定格銅損 800 W の単相変圧器がある。この変圧器に力率 0.8(遅れ)の負荷をつないだとき、最大効率 [%] に最も近い値はどれか。
大丈夫やで、3ステップで確実に解けるで。
Step1:最大効率時の負荷率
\( m = \sqrt{\frac{200}{800}} = \sqrt{0.25} = 0.5 \)
Step2:出力
\( P_2 = 0.5 \times 50000 \times 0.8 = 20000 \) W
Step3:損失(最大効率時は鉄損=銅損やから \( 2 \times 200 = 400 \) W)
\( \eta = \frac{20000}{20000 + 400} \times 100 \) に最も近い値は?
さすがや!最後に応用問題やで。
定格容量 100 kVA の変圧器が負荷率 0.6、力率 0.8 で運転しているとき、効率が 97.5% であった。このとき鉄損と銅損の比が \( P_i : P_c = 1 : 2 \) であるとすると、鉄損 \( P_i \) [W] に最も近い値はどれか。
お疲れさま!第14講、よう頑張ったな!
今日学んだことを最後にまとめるで。
📝 第14講のまとめ
⚡ 効率の基本式:\( \eta = \frac{P_2}{P_2 + P_i + P_c} \times 100 \) [%]
⚡ 負荷率 m を使った効率:\( \eta = \frac{mS_n\cos\phi}{mS_n\cos\phi + P_i + m^2 P_{cn}} \times 100 \)
⚡ 最大効率条件:鉄損 = 銅損(\( P_i = m^2 P_{cn} \))
⚡ 最大効率時の負荷率:\( m = \sqrt{\frac{P_i}{P_{cn}}} \)
⚡ 最大効率時の損失合計 = \( 2P_i \)(裏ワザ!)
⚡ 力率が低いと効率も低下する
⚡ 通常の変圧器では、最大効率は定格負荷より軽い負荷で得られる
「なぜ鉄損=銅損で最大効率?」の理由を本質から説明できるようになったのが、今日の最大の収穫やで。一定の損失と可変の損失が釣り合うとき、出力あたりの損失が最小になるっていう考え方は、変圧器以外にも使える汎用的な原理やからな。
📚 次回予告:第15講「全日効率」
次回は「1日を通して」の効率を考える全日効率を学ぶで。変圧器は24時間つなぎっぱなしやから、負荷が時間帯によって変わる現実的な運転条件での効率を考えるんや。鉄損が「1日中ずっと発生し続ける」ことの影響が浮き彫りになるで!