鉄損は一定、銅損は負荷の2乗に比例!損失の正体を見抜こう
よっしゃ!第13講のスタートや!
前回の第12講では、電圧変動率の公式を学んだな。百分率抵抗降下 \( p \) と百分率リアクタンス降下 \( q \) を使って、力率によって電圧変動率がどう変わるかを理解したはずや。
今回のテーマは「変圧器の損失」や。変圧器は理想変圧器と違って、内部でエネルギーの一部が熱に変わってしまう。この「失われるエネルギー」のことを損失と呼ぶんや。
損失には大きく分けて鉄損と銅損の2種類がある。この2つの性質の違いが分かれば、次の第14講「効率の計算」や第15講「全日効率」がスムーズに理解できるようになるで。つまり、この講座は効率計算の土台になる超重要な回なんや。
📚 この講座で学ぶこと
⚡ 変圧器の損失とは何か(入力と出力の差)
⚡ 鉄損の正体:ヒステリシス損と渦電流損
⚡ 銅損の正体:\( I^2 r \) 損
⚡ 鉄損と銅損の負荷特性の違い(一定 vs 2乗比例)
⚡ 無負荷損・負荷損の分類と測定法
⚡ 損失を減らす工夫(ケイ素鋼板・積層鉄心)
ほな、さっそく「変圧器の損失って何やねん?」ってところから始めよか!
まず、変圧器の損失って何なのかを確認しよか。
理想変圧器では、入力電力 \( P_1 \) がそのまま出力電力 \( P_2 \) として取り出せたよな。つまり \( P_1 = P_2 \) やった。でも現実の変圧器はそうはいかへん。内部で一部のエネルギーが熱に変わってしまうんや。
この「失われたエネルギー」が損失や。式で書くとこうなる。
入力が100Wなのに出力が95Wしかなかったら、差の5Wが損失や。この5Wは変圧器の内部で熱に変わっとるわけやな。
💡 たとえば、水道管で水を送ることを考えてみ。蛇口から入れた水の量(入力)と、反対側から出てくる水の量(出力)に差があったら、途中でどこか漏れとるよな。変圧器の損失もこれと同じイメージや。入力した電力の一部が、途中で「漏れて」熱になってしまうんやで。
ほんで、この損失は大きく2種類に分かれるんや。
鉄損 \( P_i \) は鉄心(コア)の中で発生する損失。そして銅損 \( P_c \) は巻線(コイル)で発生する損失や。
この2つの性質の違いが、今回の講座で一番大事なポイントやで。ほな、まず鉄損から詳しく見ていこか。
ほな、鉄損の正体を解き明かしていくで。
鉄損は「鉄心の中で発生する損失」やったな。変圧器の鉄心には交流磁束が流れてるから、その磁束の変化によってエネルギーが熱に変わるんや。
鉄損は2つの成分に分けられる。ヒステリシス損 \( P_h \) と 渦電流損 \( P_e \) や。
① ヒステリシス損 \( P_h \)
鉄心の中の磁束は、交流やから毎秒何十回も方向が入れ替わるよな。鉄心の中の小さな磁石(磁区)は、その磁束の向きに合わせて向きを変えようとする。でも磁区の向きを変えるのにはエネルギーが必要なんや。このエネルギーが熱として失われるのがヒステリシス損や。
💡 イメージとしては、「針金を何回も曲げたり戻したりすると、針金が熱くなる」のと似てるで。金属の内部構造が繰り返し変形させられることで、エネルギーが熱に変わるんや。磁区の「向き変え」も同じようなもんやな。
ヒステリシス損の大きさは次の式で表される。
ポイントは、周波数 \( f \) に1乗で比例するってことや。
② 渦電流損 \( P_e \)
こっちは少し仕組みが違う。鉄心の中を磁束が変化すると、ファラデーの法則によって鉄心そのものに誘導起電力が生じるんや。鉄は電気を通す導体やから、この誘導起電力によって鉄心の中をぐるぐる電流が流れてしまう。この電流を渦電流(うず電流)と呼ぶ。
渦電流が流れると、鉄心の抵抗で \( I^2 R \) の熱が発生する。これが渦電流損や。
渦電流損は周波数 \( f \) の2乗に比例する。ヒステリシス損は1乗やから、高周波になるほど渦電流損の割合が大きくなるんやで。
まとめると、鉄損は鉄心の中で起こる2つの現象の合計や。
次は、この鉄損がどんな特徴を持っているのか、特に「負荷が変わっても鉄損は変わらない」という超重要ポイントを説明するで。
さて、鉄損の一番大事な特徴を説明するで。
さっき見た鉄損の公式をもう一回見てみ。
この式をよーく見てみ。鉄損を決める要素は \( f \)(周波数)と \( B_m \)(最大磁束密度)だけやろ?負荷電流 \( I \) はどこにも入ってへんんや。
なんでかっていうと、鉄心の中を流れる磁束は、一次側に印加される電圧と周波数で決まるんや。二次側にどれだけ電流が流れてるか(つまり負荷がどれだけあるか)は、鉄心の中の磁束にはほとんど影響を与えへん。
電力系統の電圧と周波数は基本的に一定(たとえば100V/50Hzとか200V/60Hz)やから、鉄損はほぼ一定になるんや。負荷が0%でも100%でも、鉄損はほとんど変わらへん。
📌 鉄損の最重要ポイント
⚡ 鉄損は電圧と周波数で決まる
⚡ 負荷の大きさに関係なくほぼ一定
⚡ 変圧器を電源につないでいるだけで常に発生する
⚡ 別名「無負荷損」とも呼ばれる(※厳密には若干異なるが、ほぼ等しい)
「無負荷損」っていう名前もよく使われるで。これは「負荷をつなげてない状態(無負荷)でも発生する損失」っていう意味や。変圧器を電源につないだだけで、何もつなげてへんのに鉄損は発生してるんやで。
💡 車のエンジンに例えると、アイドリング状態での燃費消費みたいなもんや。車を走らせなくても(負荷ゼロでも)、エンジンをかけてるだけで燃料は消費される。鉄損はこの「アイドリングのエネルギー消費」に相当するんやな。
ちなみに、鉄損は無負荷試験(第16講で詳しくやるで)で測定できる。変圧器の二次側を開放した状態(負荷ゼロ)で測定するんや。このとき巻線に流れる電流はごくわずかやから、銅損はほぼゼロ。測定される損失≒鉄損になるわけやな。
ほな、鉄損の特徴が分かったところで、問題で確認してみよか!
ほな、第1問や!鉄損の特徴を確認するで。
変圧器の鉄損に関する記述として、正しいものはどれか。
大丈夫やで、整理しよか。
変圧器の損失は2種類あったな。鉄損は鉄心で発生、銅損は巻線で発生。この「どこで発生するか」がまず大事なポイントや。
鉄損はさらに2つに分かれるんやったな。磁区の向き変えで発生する「ヒステリシス損」と、鉄心に流れる渦電流で発生する「渦電流損」や。
ほな、もう1問やってみよか。
変圧器の鉄損は、どこで発生する損失か。
基本はバッチリやな!ほな、もう少し深いところを聞くで。
変圧器のヒステリシス損 \( P_h \) と渦電流損 \( P_e \) の周波数依存性について、正しいものはどれか。
次は銅損を見ていくで。
銅損はその名の通り、銅の巻線(コイル)で発生する損失や。巻線は銅線でできてるから「銅損」って呼ばれるんやな。
原理はめちゃくちゃシンプルや。巻線には抵抗 \( r \) がある。そこに電流 \( I \) が流れると、オームの法則とジュールの法則で熱が発生する。
一次巻線と二次巻線の両方に抵抗があるから、銅損は両方の合計になるんや。
第9講のインピーダンス換算を使えば、もっとシンプルに書ける。たとえば一次側に換算すると:
どっちの式を使っても結果は同じやで。大事なのは、銅損は電流の2乗に比例するってことや。
💡 銅損のイメージは「電気ストーブ」や。電気ストーブのニクロム線(抵抗)に電流が流れると熱が出るよな。変圧器の巻線も同じで、電流が流れれば必ず発熱する。しかも電流が2倍になったら発熱は4倍、3倍になったら9倍と、2乗で急激に増えるんや。
ここで、鉄損との決定的な違いが見えてくるな。鉄損は負荷に関係なく一定やったけど、銅損は負荷電流の大きさでガラリと変わるんや。次のステップで、この違いをもっと掘り下げるで。
銅損の最重要ポイントを押さえるで。
銅損 \( P_c = I^2 r \) の式で、抵抗 \( r \) は巻線の物理的な性質やから基本的に一定や(温度で多少変わるけど、ここでは無視してOK)。つまり、銅損は負荷電流 \( I \) の2乗に比例する。
ここで「負荷率」っていう便利な概念を導入しよか。負荷率 \( m \) は、実際の負荷電流が定格電流の何割かを表す比率や。
たとえば定格電流が10Aの変圧器に5Aの電流が流れていたら、負荷率 \( m = 0.5 \)(50%負荷)やな。
定格電流時(\( m = 1 \))の銅損を定格銅損 \( P_{cn} \) とすると、任意の負荷率での銅損はこうなる。
この式がめちゃくちゃ大事!たとえば…
・負荷率 \( m = 0.5 \)(半分の負荷)なら → 銅損は \( 0.5^2 = 0.25 \) → 定格の25%
・負荷率 \( m = 0.8 \) なら → 銅損は \( 0.8^2 = 0.64 \) → 定格の64%
・負荷率 \( m = 1.0 \)(定格)なら → 銅損は \( 1.0^2 = 1.0 \) → 定格の100%
📌 鉄損と銅損の比較まとめ
⚡ 鉄損 \( P_i \):負荷に関係なく一定(電圧・周波数で決まる)
⚡ 銅損 \( P_c \):負荷電流の2乗に比例(\( P_c = m^2 P_{cn} \))
⚡ 全損失:\( P_{loss} = P_i + m^2 P_{cn} \)
この「鉄損は一定、銅損は2乗比例」という性質が、次の第14講で学ぶ最大効率条件(鉄損=銅損)につながっていくんやで。
ほな、銅損の特徴を問題で確認しよか!
ほな、第2問!銅損の特徴を確認するで。
変圧器の定格銅損が 500 W のとき、負荷率 0.6(60%負荷)における銅損 [W] はいくらか。
計算の手順を確認しよか。
銅損の公式は \( P_c = m^2 \cdot P_{cn} \) やったな。負荷率 \( m \) の2乗を定格銅損にかけるんや。
「負荷率0.6」ってことは「定格電流の60%の電流が流れてる」ということ。0.6の2乗は \( 0.6 \times 0.6 = 0.36 \) やな。
銅損の公式 \( P_c = m^2 \cdot P_{cn} \) で、負荷率 \( m = 0.5 \) のとき、\( m^2 \) の値はいくらか。
計算はバッチリやな!ほな、もう少し実践的な問題や。
定格容量 10 kVA、定格銅損 400 W の変圧器がある。二次側に力率0.8で 6 kW の負荷を接続したとき、銅損 [W] はいくらか。
ここまでの内容を、グラフで整理しよか。損失と負荷率の関係をグラフにすると、鉄損と銅損の違いが一目瞭然になるで。
このグラフをよーく見てみ。
鉄損 \( P_i \)(灰色の水平線)は負荷率が変わっても一定や。変圧器が電源につながってる限り、常に同じ値で消費され続ける。
銅損 \( P_c \)(赤い放物線)は負荷率の2乗に比例して増えていく。無負荷(m=0)では銅損はゼロ、負荷が増えるほど急激に大きくなる。
そして全損失(緑の破線)は鉄損と銅損の合計やから、鉄損を底上げした形の放物線になるんや。
このグラフの形は電験三種でもよく出るから、しっかりイメージを持っておいてな。ほな、グラフの読み取り問題いくで!
第3問!損失の負荷特性を確認するで。
変圧器の鉄損を \( P_i \)、定格銅損を \( P_{cn} \)、負荷率を \( m \) とするとき、全損失 \( P_{loss} \) を表す式として正しいものはどれか。
ポイントを整理しよか。
全損失 = 鉄損 + 銅損 やな。ほんで…
・鉄損 \( P_i \) は一定(負荷率 m は関係ない)
・銅損は \( m^2 \times P_{cn} \)(負荷率の2乗に比例)
「2乗」を忘れがちやけど、\( P_c = I^2 r \) の \( I^2 \) を思い出してな。電流の「2乗」やから、負荷率も「2乗」になるんや。
変圧器の鉄損は負荷が変わるとどうなるか。
公式はバッチリやな!ほな、数値計算で確認するで。
鉄損 200 W、定格銅損 800 W の変圧器がある。負荷率 0.5 のときの全損失 [W] はいくらか。
ここで、損失のもう一つの分類法を学んでおこか。
さっきは損失を「発生場所」で分類した(鉄心→鉄損、巻線→銅損)。でも、電験の問題では「負荷に依存するかどうか」で分類することも多いんや。
【無負荷損(固定損)】
負荷に関係なく一定の損失。変圧器を電源に接続しているだけで発生する。
→ 鉄損 \( P_i \) がこれに該当する
【負荷損(可変損)】
負荷電流の大きさに依存して変化する損失。
→ 銅損 \( P_c \) がこれに該当する
📌 2つの分類軸
⚡ 発生場所で分類:鉄損(鉄心)+ 銅損(巻線)
⚡ 負荷依存で分類:無負荷損(一定)+ 負荷損(可変)
⚡ 実質的には、鉄損 ≒ 無負荷損、銅損 ≒ 負荷損
「厳密には」という注意点もあるで。無負荷でもわずかな励磁電流が流れるから、ごくわずかな銅損は発生する。また、負荷時には漏れ磁束の変化で鉄心に追加の損失が生じることもある。でも電験の計算問題では、鉄損=無負荷損、銅損=負荷損として扱ってOKや。
ほんで、この分類が試験で使われるのは無負荷試験と短絡試験の問題の時や。
・無負荷試験:二次側開放(負荷ゼロ)で測定 → 鉄損が分かる
・短絡試験:二次側短絡+低電圧で測定 → 銅損が分かる
第16講・17講で詳しくやるけど、今はこの対応関係だけ頭に入れておいてな。
もう一つ、実は損失にはもう1種類あるんや。漂遊負荷損(ストレー損)っていうやつや。
これは、変圧器の鉄心や巻線以外の金属部分(タンク、クランプ、ボルトなど)に漏れ磁束が鎖交して、そこに渦電流が流れることで発生する損失なんや。
でもな、この漂遊負荷損は量としては鉄損や銅損に比べて非常に小さい。電験三種の計算問題では基本的に無視してOKや。「そういうのもあるんやな」程度の理解でええで。
💡 レストランの経費に例えると、食材費(鉄損)と人件費(銅損)が大きな2本柱。漂遊負荷損は「おしぼり代」みたいなもんや。確かに存在するけど、経営分析では大きな2つに注目すればOKってことやな。
ということで、電験三種では「損失=鉄損+銅損」と考えればバッチリや。ほな、ここまでの分類を問題で確認しよか!
第4問!損失の分類を確認するで。
変圧器の損失に関する記述として、誤っているものはどれか。
整理しよか。大事なのは「鉄損は一定、銅損は可変」やったな。
鉄損は電圧と周波数で決まるから、負荷が変わっても変わらへん。これを「無負荷損」とも呼ぶ。無負荷試験で測れる。
銅損は \( I^2 r \) やから、負荷電流の2乗に比例する。「負荷損」とも呼ぶ。短絡試験で測れる。
変圧器の銅損を測定するために行う試験はどれか。
分類はバッチリやな!ほな、少し考えさせる問題いくで。
変圧器の無負荷試験において測定される損失が、ほぼ鉄損と等しくなる理由として最も適切なものはどれか。
第5問!ここからは計算問題で実力を試すで。
定格容量 20 kVA の変圧器がある。定格負荷時の銅損が 600 W のとき、この変圧器に 12 kVA の負荷を接続した場合の銅損 [W] はいくらか。
計算のコツを伝授するで!
まず負荷率 \( m \) を求めるんや。
\( m = \frac{\text{実際の負荷}}{定格容量} = \frac{12}{20} = 0.6 \)
次に、銅損の公式 \( P_c = m^2 \times P_{cn} \) に代入するだけ。
\( P_c = 0.6^2 \times 600 = 0.36 \times 600 = 216 \) [W]
手順は「①負荷率を求める」→「②2乗する」→「③定格銅損にかける」の3ステップや。
定格容量 50 kVA の変圧器に 25 kVA の負荷がかかっている。負荷率 \( m \) はいくらか。
計算は完璧やな!ほな、全損失の計算までやってみよか。
定格容量 50 kVA の変圧器がある。鉄損が 300 W、定格銅損が 750 W のとき、負荷率 0.8 での全損失 [W] はいくらか。
損失の計算ができるようになったところで、次は「どうやって損失を減らすか」を見ていくで。
まず鉄損を減らす工夫から。鉄損にはヒステリシス損と渦電流損があったよな。それぞれに対策があるんや。
① ヒステリシス損を減らす → ケイ素鋼板を使う
鉄にケイ素(シリコン)を数%混ぜた「ケイ素鋼板」を使うと、ヒステリシスループの面積が小さくなる。ヒステリシスループの面積はヒステリシス損に比例するから、面積が小さくなれば損失も小さくなるんや。
ちなみに、ケイ素を添加すると電気抵抗率も上がるから、渦電流損も同時に減るんやで。ケイ素鋼板は一石二鳥の優れモノなんや。
② 渦電流損を減らす → 鉄心を積層する(薄い鋼板を重ねる)
渦電流は鉄心の断面をぐるぐる回る電流やったな。鉄心が一枚の厚い鉄の塊やったら、大きなループで渦電流が流れてしまう。
そこで、薄いケイ素鋼板を絶縁して積み重ねる(積層する)ことで、渦電流のループを小さく分断するんや。ループが小さくなれば、渦電流も小さくなって損失が減る。
📌 鉄損低減のポイント(電験頻出!)
⚡ ケイ素鋼板の使用 → ヒステリシス損と渦電流損の両方を低減
⚡ 鉄心の積層(薄板+絶縁)→ 渦電流損のみを低減
⚡ 積層はヒステリシス損には効果なし(磁区の性質は板の厚さに関係しない)
ここ、電験で超よく出るポイントやで。「積層すると何が減る?」と聞かれたら答えは「渦電流損」。「ケイ素を添加すると何が減る?」と聞かれたら「ヒステリシス損と渦電流損の両方」や。間違えやすいところやから、しっかり区別してな。
次は銅損を減らす工夫と、電験で狙われやすいポイントをまとめるで。
銅損を減らすには?
銅損 \( P_c = I^2 r \) やから、抵抗 \( r \) を小さくすればええ。巻線の抵抗を小さくするには、導体の断面積を大きくする(太い銅線を使う)か、導電率の高い材料を使うかや。
でもな、断面積を大きくしすぎると巻線が太くなって変圧器自体が大きくなるし、コストも上がる。実際の設計では、効率とサイズとコストのバランスを取ってるんやで。
電験三種の頻出パターン
損失に関する電験の出題パターンを整理しておくで。
📌 電験で狙われるポイント
⚡ 「鉄損は一定か可変か?」→ 一定
⚡ 「銅損は何に比例するか?」→ 負荷電流の2乗
⚡ 「積層鉄心で減るのは?」→ 渦電流損のみ
⚡ 「ケイ素添加で減るのは?」→ ヒステリシス損と渦電流損の両方
⚡ 「鉄損を測る試験は?」→ 無負荷試験
⚡ 「銅損を測る試験は?」→ 短絡試験
⚡ 「効率が最大になる条件は?」→ 鉄損 = 銅損(次回詳しく!)
特に「積層」と「ケイ素添加」の効果の違いは、選択肢のひっかけで出てくるから要注意やで。
ほな、鉄損低減に関する問題いくで!
第6問!電験でよく出る鉄損対策の問題や。
変圧器の鉄心を薄い鋼板に分割して絶縁し、積み重ねる(積層する)目的として、最も適切なものはどれか。
整理しよか。鉄損には2種類あったな。
・ヒステリシス損:磁区の向きが繰り返し変わることで発生。材料の性質に依存。積層では減らない。
・渦電流損:鉄心内に渦状の電流が流れて発生。鉄心を薄くして渦電流のループを分断すれば減らせる。
積層する = 薄い板に分ける = 渦電流のループを小さくする。やから効果があるのは渦電流損だけや。
渦電流損を減らすために、変圧器の鉄心はどのような構造にするか。
バッチリ!ほな、ケイ素鋼板の効果も合わせた問題や。
変圧器の鉄心材料にケイ素鋼板を使用する効果として、正しいものはどれか。
第7問!全損失の計算問題や。ここまでの知識を総動員してみ。
定格容量 100 kVA の変圧器がある。鉄損が 500 W、定格銅損が 2000 W である。この変圧器を負荷率 0.5 で運転したときの全損失 [W] はいくらか。
全損失の計算手順を確認しよか。
全損失 = 鉄損 + 銅損 やったな。
・鉄損:一定やからそのまま 500 W
・銅損:\( m^2 \times P_{cn} = 0.5^2 \times 2000 = 0.25 \times 2000 = 500 \) W
・全損失:\( 500 + 500 = 1000 \) W
鉄損はそのまま、銅損は \( m^2 \) をかける。これだけ覚えとけばOKや。
変圧器の全損失の公式として正しいものはどれか。
計算は完璧や!ほな、次回の予習も兼ねて考えてみ。
鉄損 400 W、定格銅損 1600 W の変圧器がある。鉄損と銅損が等しくなる負荷率 \( m \) はいくらか。
ラスト!第8問は総合問題や。今回の講座で学んだことを全部使って答えてみ。
変圧器の損失に関する記述として、誤っているものはどれか。
惜しかったな。もう一回ポイントを確認しよか。
「積層」と「ケイ素添加」の効果を混同しやすいんや。
・積層:渦電流のループを分断する → 渦電流損のみ低減
・ケイ素添加:ヒステリシス損低減 + 電気抵抗率上昇で渦電流損も低減 → 両方低減
「両方低減」はケイ素添加であって、積層ではない。ここがひっかけポイントやで。
次のうち、ヒステリシス損と渦電流損の両方を低減できるのはどれか。
完璧や!ほな、応用力を試す最後の一問!
定格容量 50 kVA、鉄損 250 W、定格銅損 1000 W の変圧器がある。力率0.8の負荷を30 kWで運転したとき、全損失 [W] に最も近いものはどれか。
お疲れさん!第13講「変圧器の損失」、これで完了や!
今回学んだ内容を最後にまとめるで。
📌 第13講のまとめ
⚡ 変圧器の損失 = 鉄損 Pᵢ + 銅損 Pᶜ
⚡ 鉄損 = ヒステリシス損 \( P_h \) + 渦電流損 \( P_e \)
⚡ 鉄損は負荷に関係なくほぼ一定(≒無負荷損)
⚡ 銅損 \( P_c = I^2 r \) は負荷電流の2乗に比例
⚡ 任意負荷の銅損:\( P_c = m^2 P_{cn} \)
⚡ 全損失:\( P_{loss} = P_i + m^2 P_{cn} \)
⚡ 積層鉄心 → 渦電流損のみ低減
⚡ ケイ素鋼板 → ヒステリシス損と渦電流損の両方低減
📚 次回予告:第14講「変圧器の効率と最大効率条件」
今回学んだ鉄損と銅損の知識を使って、変圧器の効率を計算する方法を学ぶで。特に「鉄損=銅損のときに効率が最大になる」という重要な条件を、数式で証明していくで!
ほな、結果を見てみよか!
📚 次回予告:第14講「変圧器の効率と最大効率条件」
効率の計算方法と、鉄損=銅損で効率が最大になる理由を徹底解説!今回の損失の知識がそのまま活きるで。