変圧器

三相変圧器とは?結線の種類と特徴をわかりやすく解説【電験三種 機械】

Y結線・Δ結線の全パターンを完全マスター!

進捗: 0%
メインルート

よっしゃ!ここからは変圧器シリーズの新章、Part 5「結線と並行運転」に突入するで!

これまでの19講で、変圧器の基本原理・等価回路・効率・試験法・%Zまで学んできたな。全部単相変圧器をベースにした話やった。でもな、実際の電力系統は三相交流で動いてるんや。

発電所から送られる電気は三相交流。工場のモーターも三相交流で動く。ということは、三相の電圧を変換する仕組みが絶対に必要やろ?それが今回学ぶ「三相変圧器」と「三相結線」なんや。

ここが変圧器分野の中でも電験三種で超頻出のテーマやで。特に結線方式の違いや電圧・電流の計算は、ほぼ毎年出題されるレベル。気合い入れていこか!

📚 この講座で学ぶこと

⚡ 三相変圧器の2つのタイプ(三相一体型・単相3台組み合わせ)

⚡ Y結線とΔ結線の基本(線間電圧・相電圧の関係)

⚡ 4種類の三相結線(Y-Y、Δ-Δ、Y-Δ、Δ-Y)の特徴

⚡ 角変位(位相差30°)の意味

⚡ 第三高調波の問題と対策

ほな、さっそく始めよか!まずは「三相変圧器って何やねん?」ってところからや!

メインルート

まず基本中の基本から。三相の電圧を変換するには、どうすればええと思う?

答えは大きく2つあるんや。

1つ目は「単相変圧器を3台使う」方法。これまで学んできた単相変圧器を3台並べて、各相(a相・b相・c相)にそれぞれ1台ずつ割り当てるんや。家電でいうと、同じテレビを3台買って並べるようなもんやな。

2つ目は「三相一体型の変圧器を1台使う」方法。1つの鉄心に三相分の巻線をまとめて巻いたもので、3台分の機能を1台でこなすんや。

三相変圧器の2つのタイプ 単相変圧器3台 a相 単相 b相 単相 c相 単相 メリット:1台故障でも交換容易 デメリット:設置面積が大きい 三相一体型 a b c メリット:小型・軽量・安価 デメリット:1相故障→全体停止 ※実際の電力系統では両方使われている 大容量・重要系統 → 単相3台、一般 → 三相一体型

実際の電力系統ではどっちも使われてるんやけど、大容量や重要な系統では「単相3台」が選ばれることが多い。なんでかっていうと、1台壊れても残り2台で運転を続けられる可能性があるからや(これはV結線っていうて、次の講座で詳しくやるで)。

一方、一般的な配電用変圧器では「三相一体型」が主流や。小型で安いからな。電柱の上に乗ってるトランスも三相一体型が多いで。

📌 ここがポイント

⚡ 単相3台:保守性に優れるが大型・高価

⚡ 三相一体型:小型・軽量・安価だが保守性に劣る

⚡ どちらを使っても「結線方式」は同じ考え方

さて、どちらのタイプでも重要なのが「どうやって結線するか」や。次のステップで、結線の基本であるY結線とΔ結線を学んでいくで。

メインルート

三相変圧器の結線を理解するには、まずY結線(スター結線)Δ結線(デルタ結線)の2つの基本を押さえなあかん。

三相交流には3本の線(a相・b相・c相)があるよな。この3本をどうやって変圧器の巻線に繋ぐか、その方法が「Y」と「Δ」の2種類あるんや。

Y結線(スター結線)は、3つの巻線の片方の端を1点に集めてつなぐ方法や。星(☆)みたいな形になるから「スター」って呼ぶんやな。集まった点を「中性点」って言うで。

Δ結線(デルタ結線)は、3つの巻線を三角形(△)の形に繋ぐ方法や。巻線の終わりと次の巻線の始まりを順番に繋いでいくんやな。

Y結線とΔ結線の比較 Y結線(スター) 中性点 N a b c VP(相電圧) 中性点接地が可能 Δ結線(デルタ) a b c 中性点なし

この2つの結線方式の最大の違いは何やと思う?それは「中性点があるかないか」や。

Y結線は中性点があるから、そこを接地(アース)できる。これは電力系統の安全性にとって超重要なポイントなんや。地絡事故が起きたときに確実に検出できるし、異常電圧の抑制にも役立つからな。

一方、Δ結線には中性点がない。やから接地はできへんけど、後で学ぶ「第三高調波の循環」という大きなメリットがあるんや。

📌 ここがポイント

Y結線:中性点あり → 接地可能 → 系統保護に有利

Δ結線:中性点なし → 接地不可 → 第三高調波を吸収できる

⚡ 三相変圧器は一次側と二次側で別々の結線を選べる

次は、Y結線とΔ結線で電圧と電流がどう変わるかを見ていくで。ここが計算問題の核心部分や!

メインルート

ここが三相結線の計算で最も重要なところやで。しっかり頭に入れてな。

まず用語を整理しよか。三相回路には2種類の電圧と2種類の電流があるんや。

相電圧(\( V_P \)):1つの巻線にかかる電圧。巻線の両端の電位差のことや。

線間電圧(\( V_L \)):2本の電線の間の電圧。実際に外部回路に現れる電圧で、計測器で測る電圧はこっちや。

同じように、相電流(\( I_P \))は巻線を流れる電流、線電流(\( I_L \))は外部の電線を流れる電流やで。

ほんで、Y結線とΔ結線でこれらの関係が変わるんや。ここが超重要!

【Y結線(スター)】
\( V_L = \sqrt{3} \, V_P \) (線間電圧 = √3 × 相電圧)
\( I_L = I_P \) (線電流 = 相電流)
Y結線では電圧が√3倍、電流はそのまま
【Δ結線(デルタ)】
\( V_L = V_P \) (線間電圧 = 相電圧)
\( I_L = \sqrt{3} \, I_P \) (線電流 = √3 × 相電流)
Δ結線では電圧はそのまま、電流が√3倍

なんでY結線で電圧が \( \sqrt{3} \) 倍になるかっていうと、2つの相電圧のベクトル差が線間電圧になるからや。120°の位相差がある2つのベクトルの差は、もとの \( \sqrt{3} \) 倍になるんやな。

覚え方のコツを教えるで。「Y結線は電圧に√3」「Δ結線は電流に√3」や。

Y結線の「Y」を上下逆さにすると「∧」(三角の上半分)みたいやろ。この形が「電圧を押し上げる」イメージで覚えるんや。逆にΔは三角形やから「電流を広げる」イメージや。ちょっと強引やけど、試験前に忘れへんようにするにはこういうゴロ合わせも大事やで。

📌 超重要公式まとめ

⚡ Y結線:\( V_L = \sqrt{3} V_P \)、\( I_L = I_P \)

⚡ Δ結線:\( V_L = V_P \)、\( I_L = \sqrt{3} I_P \)

⚡ この関係は変圧器だけでなく三相回路全般で使う超基本!

よし、ここまでの理解を確認する問題いくで!

メインルート

ほな、第1問や!Y結線の基本公式を使った計算問題やで。

🧠 問題1(10点)

三相変圧器のY結線側において、相電圧が 3,810 V であるとき、線間電圧はおよそいくらか。

サポートルート

大丈夫やで、もう一回整理しよか。

Y結線の公式は \( V_L = \sqrt{3} \, V_P \) やったな。相電圧 \( V_P \) に \( \sqrt{3} \approx 1.732 \) を掛ければ線間電圧 \( V_L \) が出るんや。

今回は相電圧が3,810Vやから、\( 3{,}810 \times 1.732 \approx 6{,}599 \) V、つまり約6,600Vやな。

ちなみに「6,600V」っていうのは日本の高圧配電線の標準電圧やで。覚えておくと試験で役立つ数字や。

🔄 確認問題

Y結線において、線間電圧と相電圧の関係として正しいのはどちらか。

発展ルート

さすがや!基本はバッチリやな。ほな、Δ結線の方も確認するで。

🔥 発展問題(15点)

Δ結線の三相回路で、線電流が 100 A のとき、各巻線を流れる相電流はおよそいくらか。

メインルート

さて、Y結線とΔ結線の基本が分かったところで、いよいよ三相変圧器の4つの結線方式を1つずつ見ていくで。

まずはY-Y結線(スター・スター結線)から。一次側も二次側もY結線にする方式や。

Y-Y結線の最大のメリットは、一次・二次の両方に中性点があることや。両方とも接地できるから、系統の保護がやりやすい。高電圧系統では特に重要なポイントやな。

ところがや、Y-Y結線には致命的な弱点があるんや。それが「第三高調波による波形歪み」問題や。

変圧器の鉄心は磁気飽和するから、磁化電流に第三高調波成分が含まれるんや。Y結線では第三高調波電流の流れ道がないから、磁束に第三高調波が乗ってしまう。その結果、二次電圧の波形が歪んで、正弦波やなくて歪んだ波形になってしまうんや。

これは電力品質にとって大問題や。せやから、Y-Y結線は単独ではあまり使われへん。使う場合は第三高調波対策として「Δ結線の安定巻線(三次巻線)」を追加することが多いんや。

📌 Y-Y結線のまとめ

⚡ メリット:両側に中性点あり → 接地可能

⚡ デメリット:第三高調波で電圧波形が歪む

⚡ 対策:Δ結線の第三巻線(安定巻線)を追加

⚡ 電験では「Y-Y結線の欠点」として超頻出!

メインルート

次はΔ-Δ結線(デルタ・デルタ結線)や。一次側も二次側もΔ結線にする方式やで。

Δ-Δ結線のメリットはいくつかあるんやけど、最大の特徴は第三高調波が問題にならないことや。なんでかっていうと、Δ結線の中を第三高調波電流が循環できるからなんや。

三相の第三高調波は各相が同位相(同じタイミングで同じ方向)になるんや。Y結線やとこの同相成分の電流は流れ道がないけど、Δ結線は閉回路になってるから、第三高調波電流がΔの中をぐるぐる循環することができる。外部に出ていかへんのや。

もう1つのメリットは、単相3台で構成している場合、1台が故障してもV結線で運転を継続できることや。これは次の講座で詳しくやるで。

ただし、デメリットもある。Δ結線は中性点がないから、接地ができへん。高電圧系統で中性点接地が必要な場合には不向きなんや。

📌 Δ-Δ結線のまとめ

⚡ メリット:第三高調波が循環 → 電圧波形が歪まない

⚡ メリット:1台故障時にV結線で継続運転が可能

⚡ デメリット:中性点がない → 接地できない

⚡ 用途:比較的低電圧の配電系統など

ここまでで Y-Y と Δ-Δ の特徴を学んだな。ほな、理解度を確認する問題いくで!

メインルート

Y-Y結線とΔ-Δ結線の特徴、ちゃんと頭に入ったか確認するで。

🧠 問題2(10点)

Y-Y結線の欠点として最も適切なものはどれか。

サポートルート

もう一回整理しよか。Y-Y結線は両側にY結線を使う方式やったな。

Y結線には中性点があるから、①の「中性点がない」は間違いやで。むしろ中性点があるのがY-Y結線のメリットやったよな。

Y-Y結線の最大の問題は、第三高調波電流の流路がないこと。Δ結線がないから、第三高調波が磁束に乗ってしまい、電圧の波形が歪むんやったな。

🔄 確認問題

Δ結線が第三高調波に強い理由は次のうちどれか。

発展ルート

さすがや!ほな、もうちょっと深い知識を確認するで。

🔥 発展問題(15点)

Y-Y結線の第三高調波対策として、Δ結線の第三巻線(安定巻線)を追加する方法がある。この第三巻線の役割として最も正しいのはどれか。

メインルート

次はY-Δ結線(スター・デルタ結線)や。一次側がY結線、二次側がΔ結線の組み合わせやで。

Y-Δ結線は、Y結線とΔ結線のいいとこ取りをした結線方式なんや。

一次側がY結線やから中性点を接地できる。これで系統の保護ができる。二次側がΔ結線やから第三高調波を吸収できる。Y-Y結線の弱点を見事にカバーしてるわけや。

ただし、Y-Δ結線で注意が必要なのは電圧の計算や。一次側と二次側で結線方式が違うから、線間電圧の比が巻数比と一致しないんや。

具体的に計算してみよか。一次側Y結線で線間電圧 \( V_{1L} \) のとき:

・一次相電圧:\( V_{1P} = \frac{V_{1L}}{\sqrt{3}} \)

・巻数比 \( a = \frac{N_1}{N_2} \) とすると、二次相電圧:\( V_{2P} = \frac{V_{1P}}{a} = \frac{V_{1L}}{\sqrt{3} \cdot a} \)

・二次側はΔ結線やから、線間電圧 = 相電圧:\( V_{2L} = V_{2P} = \frac{V_{1L}}{\sqrt{3} \cdot a} \)

\( V_{2L} = \frac{V_{1L}}{\sqrt{3} \cdot a} \)
Y-Δ結線の線間電圧比(一次Y、二次Δ)

つまり、Y-Δ結線では線間電圧比が巻数比の \( \sqrt{3} \) 倍だけ違うんや。巻数比 \( a \) のまま電圧が変わるΔ-Δ結線とは計算が変わってくるから注意やで。

📌 Y-Δ結線のまとめ

⚡ 一次Y → 中性点接地が可能

⚡ 二次Δ → 第三高調波を吸収

⚡ 線間電圧比 ≠ 巻数比(√3の補正が必要)

⚡ 主な用途:降圧用変圧器(送電 → 配電)

ほな、Y-Δ結線の計算問題にチャレンジや!

メインルート

Y-Δ結線の電圧計算、実際にやってみるで。

🧠 問題3(15点)

一次側Y結線、二次側Δ結線の三相変圧器がある。巻数比 \( a = N_1 / N_2 = 10 \)、一次側の線間電圧が 6,600 V のとき、二次側の線間電圧はおよそいくらか。

サポートルート

落ち着いて順番に計算しよか。

①まず、一次側はY結線やから、相電圧を求めるで:
\( V_{1P} = \frac{V_{1L}}{\sqrt{3}} = \frac{6{,}600}{1.732} \approx 3{,}810 \) V

②次に、巻数比 a = 10 で割って二次の相電圧を出す:
\( V_{2P} = \frac{3{,}810}{10} = 381 \) V

③最後に、二次はΔ結線やから線間電圧 = 相電圧:
\( V_{2L} = V_{2P} = 381 \) V

🔄 確認問題

Y-Δ結線で、二次側の線間電圧を求める公式として正しいのはどちらか。

発展ルート

正解や!ほな逆パターン、もし二次線間電圧から一次線間電圧を求める問題を考えてみ。

🔥 発展問題(15点)

Y-Δ結線の三相変圧器(巻数比 a = 10)で、二次側の線間電圧を 200 V にしたい。一次側の線間電圧はおよそいくらに設定すればよいか。

メインルート

次はΔ-Y結線(デルタ・スター結線)や。一次側がΔ結線、二次側がY結線の組み合わせやで。

Δ-Y結線はY-Δ結線の逆パターンやな。でも、用途が全然違うんや。

Δ-Y結線は主に昇圧用に使われるんや。発電所で発電された電気を送電線に送り出すとき、電圧を上げる必要があるよな。そのときにΔ-Y結線の変圧器が使われるんや。

一次側がΔ結線やから第三高調波を吸収できる。二次側がY結線やから中性点を接地できる。送電系統の保護にぴったりの組み合わせなんや。

電圧の計算はY-Δの逆や。一次Δ、二次Yのとき:

・一次はΔやから、相電圧 = 線間電圧:\( V_{1P} = V_{1L} \)

・二次相電圧:\( V_{2P} = \frac{V_{1P}}{a} = \frac{V_{1L}}{a} \)

・二次はYやから:\( V_{2L} = \sqrt{3} \cdot V_{2P} = \frac{\sqrt{3} \cdot V_{1L}}{a} \)

\( V_{2L} = \frac{\sqrt{3} \cdot V_{1L}}{a} \)
Δ-Y結線の線間電圧比(一次Δ、二次Y)

Y-Δ結線では \( \sqrt{3} \) で割ったけど、Δ-Y結線では \( \sqrt{3} \) を掛けるんや。逆パターンやから√3の位置も逆になるってことやな。

📌 Δ-Y結線のまとめ

⚡ 一次Δ → 第三高調波を吸収

⚡ 二次Y → 中性点接地が可能

⚡ \( V_{2L} = \frac{\sqrt{3} \cdot V_{1L}}{a} \)

⚡ 主な用途:昇圧用(発電所 → 送電線)

メインルート

ここで、三相結線の重要な特性である「角変位」について学ぶで。

角変位とは、一次側と二次側の線間電圧の位相差のことや。同じ種類の結線同士(Y-YやΔ-Δ)なら角変位は0°やけど、異なる結線の組み合わせ(Y-ΔやΔ-Y)では30°の角変位が生じるんや。

なんで30°の位相差が出るかっていうと、Y結線の線間電圧は2つの相電圧のベクトル差やから、相電圧に対して30°回転した方向を向くんや。一方、Δ結線の線間電圧は相電圧そのまま。この差が30°の角変位として現れるわけやな。

角変位の概念 Y-Y / Δ-Δ結線 角変位 = 0° V₁ V₂ 位相が同じ Y-Δ / Δ-Y結線 角変位 = 30° V₁ V₂ 30° 30°の位相差あり

この角変位が重要になるのは、変圧器の並行運転のときや。並行運転するには角変位が同じでなければならない。Y-Y結線の変圧器とY-Δ結線の変圧器は角変位が違うから、並行運転できへんのや。

📌 角変位のまとめ

⚡ Y-Y結線、Δ-Δ結線 → 角変位

⚡ Y-Δ結線、Δ-Y結線 → 角変位 30°

⚡ 並行運転するには角変位が一致する必要がある

⚡ 電験三種では「30°」という数字が狙われやすい!

ほな、角変位の理解を確認するで!

メインルート

角変位についての問題や。電験でよく出るポイントやで。

🧠 問題4(10点)

Y-Δ結線またはΔ-Y結線の三相変圧器において、一次側と二次側の線間電圧の間に生じる角変位はいくらか。

サポートルート

角変位のルールは簡単やで。

同じ結線どうし(Y-YやΔ-Δ)なら角変位は違う結線の組み合わせ(Y-ΔやΔ-Y)なら角変位は30°。これだけ覚えればOKや。

🔄 確認問題

角変位が0°となる結線の組み合わせはどれか。

発展ルート

よっしゃ!ほな応用問題や。

🔥 発展問題(15点)

次の変圧器の組み合わせのうち、並行運転ができないのはどれか。

メインルート

ここまでの4つの結線方式を比較する問題や。整理できてるか確認するで!

🧠 問題5(20点)

次の三相結線のうち、第三高調波による電圧波形の歪みが最も起きやすいのはどれか。

サポートルート

第三高調波のポイントを思い出してみ。

Δ結線が一つでもあれば、第三高調波電流はΔの閉回路で循環できるから問題にならへん。つまり、②Δ-Δ、③Y-Δ、④Δ-Yは全部大丈夫なんや。

Δ結線がどこにもないY-Y結線だけが、第三高調波の循環路がなくて波形が歪むんやで。

🔄 確認問題

第三高調波対策として有効なのはどちらか。

発展ルート

バッチリやな!ほな、実際の電力系統での使い分けを問う問題や。

🔥 発展問題(20点)

送電系統の昇圧用変圧器(発電所→送電線)に Δ-Y 結線が多く採用される理由の組み合わせとして最も適切なものはどれか。
A:一次Δで第三高調波を吸収できる
B:二次Yで中性点接地が可能
C:角変位が0°で並行運転しやすい
D:線間電圧比が巻数比と一致する

メインルート

ここで第三高調波について、もうちょっと詳しく掘り下げるで。電験三種では第三高調波に関する出題がかなり多いから、しっかり理解しといてな。

まず、なんで変圧器に第三高調波が発生するかをおさらいしよか。変圧器の鉄心は磁気飽和するんやったな。磁束を正弦波にしようとすると、飽和の影響で磁化電流(励磁電流)が正弦波にならへん。この歪んだ電流には第三高調波成分が含まれるんや。

三相交流の第三高調波には特別な性質がある。基本波は各相が120°ずつずれてるよな。ところが、第三高調波は3倍の周波数やから、120° × 3 = 360° ずれる。360°ずれるということは、結局全部同じ位相ってことなんや。

つまり、a相もb相もc相も、第三高調波は同じ方向に流れようとする。Y結線では3本の線に同じ方向の電流が流れようとしても、中性線がなければ流れ道がない。せやからY-Y結線(中性線なし)では第三高調波電流が流れられないんや。

流れられない電流の代わりに何が起こるかっていうと、磁束に第三高調波が乗ってしまい、結果として誘導電圧の波形が歪む。これがY-Y結線の問題の本質や。

一方、Δ結線は閉回路になってるから、同位相の第三高調波電流はΔの中をぐるぐる循環できる。外部には出ていかへんけど、Δの中を回ることで磁束を正弦波に保てるんや。

📌 第三高調波のポイント

⚡ 三相の第三高調波は全相が同位相(零相成分)

⚡ Y結線(中性線なし)では流れ道がない → 磁束が歪む

⚡ Δ結線では循環電流として流れる → 磁束は正弦波を維持

⚡ Y-Y結線の対策:Δ巻線(安定巻線・第三巻線)を追加

メインルート

ここで、4つの結線方式を表で一気に比較しとくで。電験三種の試験直前にこの表だけ見直すのも効果的や。

📊 三相結線方式の比較表

Y-Y結線:角変位0°、中性点あり(両側)、第三高調波に弱い

Δ-Δ結線:角変位0°、中性点なし、第三高調波OK、V結線可能

Y-Δ結線:角変位30°、中性点あり(一次)、降圧用に使用

Δ-Y結線:角変位30°、中性点あり(二次)、昇圧用に使用

電験三種での出題パターンを整理すると、次のようなものが多いで。

パターン①:結線方式の特徴を問う問題。「Y-Y結線の欠点は?」「Δ結線の第三高調波に対する利点は?」のように、各結線の長所・短所を聞いてくるパターンや。正誤問題や穴埋めで出ることが多い。

パターン②:電圧・電流の計算問題。「Y-Δ結線で一次線間電圧がXXVのとき、二次線間電圧は?」のように、\( \sqrt{3} \) の扱いを間違えやすいところを突いてくるんや。

パターン③:角変位と並行運転の条件。「並行運転できる組み合わせはどれか?」という形で出ることがある。角変位が同じ結線どうしでないと並行運転できへんという知識が問われるんや。

試験対策のコツ:結線方式の問題は「暗記」だけやなくて「理屈」で覚えると忘れにくいで。「なぜY-Y結線は第三高調波に弱いのか?」→「Δがないから循環路がない」。「なぜΔ-Y結線が昇圧に使われるのか?」→「二次Yで中性点接地ができるから」。理屈で覚えれば、選択肢を見たときに自信を持って答えられるで。

メインルート

ほな、Δ-Y結線の計算問題や。Y-Δの逆パターン、しっかり区別できるか確認するで!

🧠 問題6(15点)

一次側Δ結線、二次側Y結線の三相変圧器がある。巻数比 \( a = N_1 / N_2 = 10 \)、一次側の線間電圧が 66,000 V のとき、二次側の線間電圧はおよそいくらか。

サポートルート

Δ-Y結線の計算手順を確認しよか。

①一次はΔ結線やから、相電圧 = 線間電圧:
\( V_{1P} = V_{1L} = 66{,}000 \) V

②巻数比で割って二次相電圧を出す:
\( V_{2P} = \frac{66{,}000}{10} = 6{,}600 \) V

③二次はY結線やから、線間電圧 = √3 × 相電圧:
\( V_{2L} = \sqrt{3} \times 6{,}600 \approx 11{,}431 \) V

ポイントは「Δ側は相=線間」「Y側は√3倍」という基本を忘れへんことや。

🔄 確認問題

Δ結線では、相電圧と線間電圧の関係はどうなるか。

発展ルート

計算もバッチリやな!ほな応用問題や。

🔥 発展問題(20点)

Δ-Y結線(巻数比 a = 10)の三相変圧器で、二次側線間電圧を 6,600 V にしたい場合、一次側線間電圧はおよそいくらに設定すればよいか。

メインルート

結線方式の知識を総合的に問う問題や。誤りを見抜けるかがポイントやで!

🧠 問題7(20点)

三相変圧器の結線に関する記述のうち、誤っているものはどれか。

サポートルート

1つずつ確認していこか。

①「Y-Y結線は第三高調波で波形が歪む」→ これは正しいで。Δがないから循環路がない。

②「Δ結線は第三高調波電流の循環路を提供する」→ これも正しい。

③「Y-Δ結線では角変位は生じない」→ これがおかしいで!Y-Δ結線では30°の角変位が生じるはずやな。

④「三相一体型は小型・軽量」→ 正しい。

🔄 確認問題

Y-Δ結線とΔ-Y結線の角変位は何度か。

発展ルート

さすがや!ほな、もう一段上の問題やで。

🔥 発展問題(20点)

三相変圧器のY-Y結線に第三巻線(安定巻線)をΔ結線で追加した場合の記述として、誤っているものはどれか。

メインルート

ラスト問題や!今日学んだことの総まとめやで。全力でいこか!

🧠 問題8(25点)

送電系統の昇圧用変圧器にΔ-Y結線が多く採用される理由の組み合わせとして最も適切なものはどれか。
A:一次側Δ結線で第三高調波電流を吸収できる
B:二次側Y結線で中性点接地が可能になる
C:角変位が0°であるため並行運転しやすい
D:線間電圧比が巻数比とそのまま一致する

サポートルート

1つずつ確認していこか。

A「一次Δで第三高調波吸収」→ 正しい。Δ結線は第三高調波の循環路を提供するんやったな。

B「二次Yで中性点接地が可能」→ 正しい。Y結線の特徴やで。

C「角変位が0°」→ 誤り。Δ-Yは異種結線やから角変位は30°やで。

D「線間電圧比が巻数比と一致」→ 誤り。Δ-Yでは√3が入るから一致しない。

🔄 確認問題

Δ-Y結線のメリットとして正しい組み合わせは AとB / CとD のどちらか。

発展ルート

最後の仕上げや!実際の電力系統を意識した問題いくで。

🔥 発展問題(20点)

ある発電所で、発電機出力の線間電圧 22,000 V をΔ-Y結線の変圧器(巻数比 a = 2)で昇圧し送電線に送る。送電線側の線間電圧はおよそいくらか。

メインルート

お疲れさん!第20講「三相変圧器と三相結線」の内容をまとめるで。

📚 第20講のまとめ

⚡ 三相変圧器は「単相3台」か「三相一体型」の2タイプ

⚡ Y結線:\( V_L = \sqrt{3} V_P \)、\( I_L = I_P \)、中性点あり

⚡ Δ結線:\( V_L = V_P \)、\( I_L = \sqrt{3} I_P \)、中性点なし

⚡ Y-Y結線:第三高調波で波形歪み(安定巻線で対策)

⚡ Δ-Δ結線:第三高調波OK、V結線へ移行可能

⚡ Y-Δ結線:降圧用、\( V_{2L} = V_{1L} / (\sqrt{3} \cdot a) \)

⚡ Δ-Y結線:昇圧用、\( V_{2L} = \sqrt{3} \cdot V_{1L} / a \)

⚡ 角変位:同種結線 → 0°、異種結線 → 30°

この講座の内容は電験三種の頻出中の頻出やから、公式と特徴をしっかり覚えておいてな。特にY-Y結線の欠点角変位30°は定番の出題ポイントやで。

次の第21講では、各結線方式のさらに詳しい比較と電圧・電流の計算をやるで。今回の基本がしっかりできてれば、次もスムーズに進めるはずや!

🎉 第20講 完了!

今回のスコア 0

📊 学習の記録

    📚 次回予告:第21講「三相結線の比較と電圧・電流計算」

    Y-Y・Δ-Δ・Y-Δ・Δ-Y結線の詳しい比較と、実際の計算問題を徹底演習!

    次の講座へ進む