変圧器

変圧器の短絡試験とは?等価回路定数の求め方を図解で解説【電験三種 機械】

二次側を短絡して何がわかる?銅損とインピーダンスを一発測定!

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よっしゃ!第17講、短絡試験の解説スタートや!

前回の第16講では無負荷試験を学んだな。二次側を開放して、一次側に定格電圧を加えることで鉄損励磁回路の定数(\( g_0, b_0 \))を求められるっていう話やった。

今回は、それと対をなすもうひとつの重要な試験、短絡試験を徹底的にマスターするで。短絡試験では二次側を短絡(ショート)して、一次側に低い電圧をかける。これによって銅損等価回路のインピーダンス定数(\( r, x, z \))が求められるんや。

無負荷試験と短絡試験の2つをセットで理解すれば、変圧器の等価回路のすべての定数が決定できる。電験三種でも頻出のテーマやから、しっかり押さえていこう!

📚 この講座で学ぶこと

⚡ 短絡試験とは何か、なぜ二次側を短絡するのか

⚡ 短絡試験の接続方法と測定手順

⚡ 測定値(短絡電圧 \( V_s \)、短絡電力 \( P_s \))の意味

⚡ \( P_s \) = 銅損である理由

⚡ 等価回路定数(\( Z_s, R_s, X_s \))の算出方法

⚡ 無負荷試験と短絡試験の比較・セット理解

ほな、さっそく「短絡試験って何やねん?」ってところから始めよか!

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まず、短絡試験(たんらくしけん)の基本的な考え方を説明するで。

短絡試験とは、変圧器の二次側端子を導線で短絡(ショート)した状態で、一次側から電圧を徐々に上げていって、一次電流が定格電流になるまで電圧を加える試験や。

「え、短絡って危ないんちゃうの?」って思ったやろ?確かに、定格電圧をそのまま加えたら大変なことになる。短絡した二次側にはインピーダンスがほぼゼロの回路ができるから、一次側から見ても非常に小さいインピーダンスしかない。そこに定格電圧なんかかけたら、定格の何十倍もの電流が流れて巻線が焼けてしまうんや。

やから短絡試験では、一次側の電圧をものすごく低い状態から徐々に上げていくんやで。定格電圧の数%〜十数%程度の電圧で、ちょうど定格電流が流れるんや。この電圧を短絡電圧 \( V_s \)(または短絡インピーダンス電圧)と呼ぶ。

💡 たとえ話で説明しよか。水道の蛇口を全開にして(=二次側短絡)、ポンプの出力をゼロからゆっくり上げていくイメージや。蛇口が全開やから、ポンプの出力がちょっとでも上がるとすぐ大量の水が流れる。「定格の水量が流れた時点のポンプ出力」が短絡電圧に相当するんや。蛇口全開やから、ほんのちょっとのポンプ出力で定格水量に達するわけやな。

📌 短絡試験のポイント

⚡ 二次側端子を短絡する(負荷なし、導線で直結)

⚡ 一次側に低電圧を加え、電流が定格値になるまで上げる

⚡ 定格電流が流れた時の電圧 = 短絡電圧 \( V_s \)

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ほな、短絡試験の接続回路を見てみよか。前回の無負荷試験との違いをしっかり意識してな。

短絡試験の接続回路 A Is 変圧器 N₁ N₂ 短絡! 低電圧 AC V Vs W Ps 測定値:Vs(短絡電圧)、Is(定格電流)、Ps(短絡電力=銅損) ※一次側から低電圧を印加し、一次電流が定格値になった時の各値を読み取る ← 一次側 二次側 →

この図のポイントは3つや。

まず1つ目、二次側が短絡されていること。二次端子を太い導線で直結しているから、二次側の負荷インピーダンスはほぼゼロや。前回の無負荷試験では二次側が開放(何もつながない)やったから、正反対の状態やな。

2つ目、一次側に加える電圧が非常に低いこと。定格電圧の数%〜十数%程度しか加えへん。この電圧を短絡電圧 \( V_s \)と呼ぶんやったな。

3つ目、一次側で3つの値を同時に測定すること。電圧計で \( V_s \)、電流計で \( I_s \)(= 定格電流 \( I_n \))、電力計で \( P_s \)(短絡電力)を読み取るんや。

📌 無負荷試験 vs 短絡試験(接続の違い)

無負荷試験:二次側開放、一次側に定格電圧を印加

短絡試験:二次側短絡、一次側に低電圧を印加

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ここで、短絡試験を理解するうえで一番大事なポイントを説明するで。

「なんで短絡試験では銅損がわかるん?」「なんで鉄損は無視できるん?」という疑問に答えよう。

短絡試験では一次側に加える電圧 \( V_s \) は、定格電圧の数%〜十数%しかない。たとえば定格電圧が6600 Vの変圧器やったら、短絡電圧は300〜500 V程度や。めちゃくちゃ低い電圧やろ?

ここで思い出してほしいのが、鉄損は電圧の2乗に比例するということや(第13講で学んだな)。鉄損の大部分を占めるヒステリシス損と渦電流損は、どちらも磁束密度、つまり印加電圧に大きく依存する。電圧が定格の5%やったら、鉄損は定格時の \( 0.05^2 = 0.0025 \)、つまり定格時の0.25%しか発生せーへんのや。

一方、銅損は電流の2乗に比例する。短絡試験では一次電流を定格値まで流すから、銅損は定格負荷時と同じ値になる。

\( P_s \approx P_c = I_n^2 \cdot (r_1 + r_2') \)
Ps:短絡電力(測定値)、Pc:銅損、In:定格電流、r₁:一次巻線抵抗、r₂':二次巻線抵抗の一次換算値

つまり、短絡試験で測定される電力 \( P_s \) は、ほぼ全部が銅損なんや。鉄損は無視できるほど小さい。これが短絡試験で銅損を測定できる理由やで。

💡 前回の無負荷試験と比較すると面白いで。無負荷試験では電流がほぼ流れない(定格の数%)から銅損が無視できて、鉄損だけが測定できた。今回の短絡試験では電圧が低い(定格の数%)から鉄損が無視できて、銅損だけが測定できる。「電圧が低い→鉄損小さい」「電流が小さい→銅損小さい」という対称的な関係なんや。美しいやろ?

📌 短絡試験で鉄損が無視できる理由

⚡ 印加電圧が定格の数%と非常に低い

⚡ 鉄損は電圧の2乗に比例するため、極めて小さくなる

⚡ したがって \( P_s \approx \) 銅損 \( P_c \)

ここまでの理解度を確認してみよか!

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ほな、第1問いくで!短絡試験の基本を確認しよう。

🧠 問題1(10点)

変圧器の短絡試験に関する記述として、最も適切なものはどれか。

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大丈夫、もう一回整理しよか。

まず、①は無負荷試験の説明やな。「二次側開放+定格電圧」は無負荷試験のキーワードや。短絡試験とは正反対やで。

③は危険な操作やで。二次側を短絡した状態で定格電圧なんか加えたら、定格の何十倍もの電流が流れて変圧器が焼損してしまう。短絡試験では低電圧を徐々に上げていくのが鉄則や。

覚え方は「短絡=低電圧、開放=定格電圧」やで。セットで覚えとこな。

🔄 確認問題

短絡試験で一次側に加える電圧は、定格電圧の何%程度か。

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さすがや!基本はバッチリやな。ほな、もうちょっと踏み込んだ問題いくで。

🔥 発展問題(15点)

変圧器の短絡試験において、短絡電圧が定格電圧の5%であった。この試験中に発生する鉄損は、定格電圧運転時の鉄損の約何%か。

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ええ感じやな!ここからは、短絡試験で得られる3つの測定値をもう少し深掘りしていくで。

短絡試験で測定するのは以下の3つや。

\( V_s \):短絡電圧 [V]
一次電流が定格値 \( I_n \) になったときの一次電圧。定格電圧の数%〜十数%。
\( I_s \):短絡電流 = \( I_n \)(定格電流)[A]
短絡試験では一次電流が定格値になるように電圧を調整するため、\( I_s = I_n \) となる。
\( P_s \):短絡電力 [W] \( \approx \) 銅損 \( P_c \)
鉄損が無視できるため、短絡電力はほぼすべて銅損である。

ここでめっちゃ大事なことを言うで。\( I_s = I_n \)(定格電流)っていうのは「結果としてそうなった」んやなくて、「そうなるように電圧を調整した」んや。短絡試験は電圧を徐々に上げていって「定格電流が流れた瞬間の値を記録する」という試験なんやで。

なんでわざわざ定格電流にするかっていうと、定格運転時の銅損を知りたいからや。銅損は \( I^2 R \) に比例するから、定格電流を流せば定格運転時と同じ銅損が発生する。もし半分の電流で試験したら、銅損は \( (1/2)^2 = 1/4 \) になってしまって、定格時の銅損がわからへんやろ?

💡 短絡試験の測定値の覚え方を整理しとくで。「短」絡試験の「た」で「た」ん(短)絡電圧 \( V_s \)、銅(どう)損 \( P_s \)。無負荷試験は「む」で「む」だい(無題...じゃなくて)鉄損 \( P_0 \) って覚えてもええけど、一番確実なのは「電圧低い→鉄損小さい→銅損を測定」「電流小さい→銅損小さい→鉄損を測定」っていう理屈で覚えることやで。

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さて、いよいよ本講座の核心部分に入るで。短絡試験の測定値から等価回路の定数を求める方法や。

短絡試験で得られた \( V_s, I_s (= I_n), P_s \) の3つの値から、以下の3つの定数が計算できるんや。

\( Z_s = \dfrac{V_s}{I_s} \) [Ω]
Zs:短絡インピーダンス(一次換算の合成インピーダンス)。オームの法則そのまま。

これはシンプルやな。電圧を電流で割れば抵抗(インピーダンス)が求まる。オームの法則 \( Z = V / I \) そのままや。ただし、このインピーダンスは一次巻線と二次巻線の合成インピーダンス(一次側に換算したもの)やで。

\( R_s = \dfrac{P_s}{I_s^2} \) [Ω]
Rs:短絡抵抗(一次換算の合成抵抗 \( r_1 + r_2' \))。\( P = I^2 R \) を変形。

これも基本的な電力の公式 \( P = I^2 R \) を変形しただけや。短絡電力 \( P_s \)(≒銅損)を電流の2乗で割れば、合成抵抗 \( R_s \) が求まる。

\( X_s = \sqrt{Z_s^2 - R_s^2} \) [Ω]
Xs:短絡リアクタンス(一次換算の合成リアクタンス \( x_1 + x_2' \))。インピーダンス三角形から。

これはインピーダンスの三角形の関係やな。インピーダンス \( Z \)、抵抗 \( R \)、リアクタンス \( X \) は直角三角形の関係にあるから、\( Z^2 = R^2 + X^2 \) が成り立つ。ここから \( X \) を求めてるだけや。

インピーダンスの三角形 Rs(抵抗) Xs (リアクタンス) Zs (インピーダンス) θ Zs² = Rs² + Xs²

この3つの公式を覚えれば、短絡試験のデータからすべての定数が求められるんや。電験三種ではこの計算が非常によく出題されるから、確実にマスターしてな。

📌 短絡試験から求まる定数(超重要!)

⚡ \( Z_s = V_s / I_s \)(インピーダンス)← オームの法則

⚡ \( R_s = P_s / I_s^2 \)(抵抗)← \( P = I^2R \) の変形

⚡ \( X_s = \sqrt{Z_s^2 - R_s^2} \)(リアクタンス)← 三角形の関係

ほな、ここまでの公式を使った計算問題にチャレンジしてみよか!

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ほな、公式を使った計算問題いくで!

🧠 問題2(10点)

定格容量 10 kVA、定格一次電圧 2000 V の単相変圧器について短絡試験を行ったところ、短絡電圧 \( V_s = 100 \) V、短絡電力 \( P_s = 200 \) W であった。短絡インピーダンス \( Z_s \) [Ω] はいくらか。

(ヒント:定格一次電流 \( I_n = \) 容量 ÷ 定格電圧)

サポートルート

落ち着いて順番に考えよか。

まず定格一次電流を求めるで。定格容量 10 kVA = 10000 VA、定格一次電圧 2000 V やから、

\( I_n = \dfrac{10000}{2000} = 5 \) [A]

次に、\( Z_s = V_s / I_s \) に代入するんや。\( I_s = I_n = 5 \) A やで。

🔄 確認問題

\( Z_s = V_s / I_s = 100 / 5 = \) ?

発展ルート

さすがや!ほな、同じ条件で \( R_s \) と \( X_s \) も求めてみよか。

🔥 発展問題(15点)

先ほどと同じ変圧器(\( V_s = 100 \) V、\( I_s = 5 \) A、\( P_s = 200 \) W)について、短絡リアクタンス \( X_s \) [Ω] に最も近い値はどれか。

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ここで、短絡試験で得られた定数が等価回路のどこに対応するのかを確認しとこか。これが分かると、理解の深さがグッと変わるで。

短絡試験では二次側を短絡してるから、簡易等価回路(L形等価回路)で考えると、励磁回路(並列分岐)を無視した場合、一次側から見えるインピーダンスは\( r_1 + r_2' \)(合成抵抗)\( x_1 + x_2' \)(合成リアクタンス)の直列回路だけになるんや。

短絡試験と簡易等価回路の対応 Vs Is → Rs = r₁ + r₂' Xs = x₁ + x₂' 短絡 Zs = Rs + jXs Zs = Rs + jXs → 一次側から見た変圧器全体のインピーダンス(一次換算) 二次側短絡のため励磁回路を無視 → 直列インピーダンスのみの回路

つまり、短絡試験で求めた \( R_s \) は一次巻線の抵抗 \( r_1 \) と二次巻線の抵抗を一次側に換算した \( r_2' = a^2 r_2 \) の和なんや。同様に \( X_s \) は\( x_1 + x_2' = x_1 + a^2 x_2 \)の和やで。

ここで大事なのは、短絡試験だけでは \( r_1 \) と \( r_2' \) を個別に分離することはできないということや。合計値しかわからへん。もし個別の値が必要な場合は、直流抵抗測定などの別の試験が必要になるんやけど、電験三種の範囲では合計値で十分なことがほとんどやで。

📌 短絡試験で得られるのは「合成値」

⚡ \( R_s = r_1 + r_2' \)(一次・二次の合成抵抗)

⚡ \( X_s = x_1 + x_2' \)(一次・二次の合成リアクタンス)

⚡ \( Z_s = \sqrt{R_s^2 + X_s^2} \)(合成インピーダンス)

⚡ これらはすべて一次側換算値である

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ほな、等価回路との対応を確認する問題や!

🧠 問題3(15点)

変圧器の短絡試験で得られる短絡抵抗 \( R_s \) の意味として、正しいものはどれか。

サポートルート

大丈夫、整理しよか。

短絡試験では二次側を短絡してるから、一次側から電流を流すと、その電流は一次巻線を通り、変圧されて二次巻線にも流れるんや。つまり一次と二次の両方の巻線で銅損が発生するんやで。

短絡電力 \( P_s \) は一次・二次の銅損の合計やから、\( P_s / I_s^2 \) で求まる \( R_s \) も一次と二次の合成抵抗になるんや。

④の励磁回路の定数は無負荷試験で求めるものやで。短絡試験と無負荷試験を混同せんように注意やな。

🔄 確認問題

無負荷試験で求まるのは(A)の定数、短絡試験で求まるのは(B)の定数である。A・Bの組み合わせとして正しいものはどれか。

発展ルート

さすがや!ほな発展問題いくで。

🔥 発展問題(15点)

巻数比 \( a = N_1/N_2 = 10 \) の変圧器で、二次巻線の抵抗が \( r_2 = 0.05 \) Ω であった。短絡試験で得られた短絡抵抗が \( R_s = 8 \) Ω のとき、一次巻線の抵抗 \( r_1 \) [Ω] はいくらか。

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ここで、無負荷試験と短絡試験の比較を一覧にまとめるで。この比較表は電験三種で頻出やから、頭に叩き込んでおいてな。

無負荷試験 vs 短絡試験 比較表 項目 無負荷試験 短絡試験 二次側 開放(無負荷) 短絡 一次電圧 定格電圧 低電圧(Vs) 一次電流 小さい(I₀:励磁電流) 定格電流(In) 測定電力 ≒ 鉄損 Pi ≒ 銅損 Pc 求まる定数 励磁回路の定数 (g₀, b₀ または r₀, x₀) 直列インピーダンスの定数 (Rs, Xs, Zs) 無視できる損失 銅損(電流が小さい) ∵ Pc ∝ I² 鉄損(電圧が低い) ∵ Pi ∝ V²

この表を見ると、無負荷試験と短絡試験は完全に対称的な関係にあることがわかるやろ?一方が「電圧高い・電流小さい」で、もう一方が「電圧低い・電流大きい」。この対称性を理解しておくと、試験本番で迷った時にも論理的に正解を導き出せるで。

そして、この2つの試験を組み合わせることで、等価回路のすべての定数が決定できるんや。無負荷試験で並列分岐(励磁回路)の定数、短絡試験で直列分岐(インピーダンス)の定数。パズルの2ピースが揃って、完全な等価回路が完成するわけやな。

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ここで、2つの試験の結果を使って等価回路が完成する流れを確認しとこか。

まず、無負荷試験の結果から以下が求まったとする。

・鉄損 \( P_i = P_0 \)(無負荷電力)

・励磁コンダクタンス \( g_0 = P_0 / V_n^2 \)

・励磁サセプタンス \( b_0 = \sqrt{Y_0^2 - g_0^2} \)(ここで \( Y_0 = I_0 / V_n \))

次に、短絡試験の結果から以下が求まる。

・銅損 \( P_c = P_s \)(短絡電力)

・合成インピーダンス \( Z_s = V_s / I_s \)

・合成抵抗 \( R_s = P_s / I_s^2 \)

・合成リアクタンス \( X_s = \sqrt{Z_s^2 - R_s^2} \)

これらを簡易等価回路(L形等価回路)に当てはめると、すべての素子の値が決定されるんや。直列のインピーダンス部分は短絡試験から、並列の励磁回路部分は無負荷試験から得られる。

💡 たとえて言うなら、変圧器の等価回路は「2部屋の家」みたいなもんや。無負荷試験は「リビング(励磁回路)の家具配置を調べる」作業で、短絡試験は「廊下(直列インピーダンス)の寸法を測る」作業。両方の調査が終わって初めて、家の全体図面が完成するんや。

この「2つの試験で等価回路を完成させる」というのは、電験三種の定番出題パターンやで。「無負荷試験と短絡試験の結果から等価回路の定数を求めよ」みたいな問題がよく出るんや。

📌 等価回路の定数決定の流れ

無負荷試験 → 鉄損 \( P_i \) + 励磁回路(並列分岐)の定数

短絡試験 → 銅損 \( P_c \) + インピーダンス(直列分岐)の定数

⚡ 2つ合わせて → 完全な等価回路が決定!

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ほな、比較問題いくで!

🧠 問題4(10点)

変圧器の試験に関する記述として、誤っているものはどれか。

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落ち着いて考えよか。

①「無負荷試験で鉄損を測定」→ 正しい。二次開放で電流がほぼ流れないから銅損が無視できて、鉄損が測定できる。

②「短絡試験で銅損を測定」→ 正しい。低電圧だから鉄損が無視できて、銅損が測定できる。

④「2つの試験で全定数が決まる」→ 正しい。無負荷試験で励磁回路、短絡試験で直列インピーダンスが決まる。

③を見てみると、「短絡試験で加える電圧は定格電圧と同じ」→ これは誤りやな。短絡試験では定格の数%〜十数%の低電圧しか加えへんのやったな。

🔄 確認問題

短絡試験で定格電圧を加えると何が起こるか。

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さすがや!ほな発展問題。

🔥 発展問題(15点)

定格容量 20 kVA、定格一次電圧 4000 V の単相変圧器の短絡試験で、\( V_s = 200 \) V、\( P_s = 300 \) W であった。このとき短絡リアクタンス \( X_s \) [Ω] に最も近い値はどれか。

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ここで、少し実践的な総合問題にチャレンジしてみよか!

🧠 問題5(10点)

定格容量 5 kVA、定格一次電圧 1000 V の単相変圧器の短絡試験で、\( V_s = 40 \) V、\( P_s = 100 \) W であった。この変圧器の短絡抵抗 \( R_s \) [Ω] はいくらか。

サポートルート

順番に計算していこか。

まず定格一次電流:\( I_n = 5000 / 1000 = 5 \) [A]

次に短絡抵抗:\( R_s = P_s / I_s^2 = 100 / 5^2 = 100 / 25 = 4 \) [Ω]

🔄 確認問題

同じ変圧器の短絡インピーダンス \( Z_s = V_s / I_s \) はいくらか。

発展ルート

さすがや!ほな、この変圧器のパーセントインピーダンス(%Z)も求めてみよか。

🔥 発展問題(15点)

先ほどの変圧器(定格一次電圧 1000 V、\( V_s = 40 \) V)のパーセントインピーダンス \( \%Z \) はいくらか。

(ヒント:\( \%Z = V_s / V_n \times 100 \))

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ここで、短絡試験の実施上の注意点について触れておくで。電験三種では直接出題されにくい部分やけど、知っておくと理解が深まるし、実務でも役立つで。

まず最も重要なのは安全面や。短絡試験では二次側を完全に短絡するから、もし一次側の電圧調整を誤って急に大きな電圧を加えてしまうと、定格の何十倍もの電流が流れて巻線が焼損する。だから電圧は必ずゼロから徐々に上げていく必要があるんや。可変電圧源(スライダック等)を使って慎重に操作するんやで。

次に、試験は短時間で行うこと。定格電流を流すということは、巻線に定格負荷時と同じ銅損(熱)が発生しているということや。通常運転なら冷却が効いてるけど、短絡試験は特殊な状態やから、長時間続けると温度が上がりすぎる可能性がある。

最後に、短絡試験は通常一次側から電圧を加えるのが基本やけど、高電圧側から低電圧を加える方が精度よく電圧を制御できるんや。定格電圧が高い方から見ると短絡電圧も大きな値になるから、電圧計の読み取り精度が良くなるっていうメリットがあるんやで。

📌 短絡試験の注意点

⚡ 電圧はゼロから徐々に上げる(急に上げると巻線焼損の危険)

短時間で実施する(銅損による発熱に注意)

⚡ 通常は高電圧側から電圧を印加する(読み取り精度向上)

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ここで、電験三種でよく出る出題パターンよくある間違いをまとめておくで。試験対策として超重要やから、しっかり読んでな。

【出題パターン①】短絡試験のデータから定数を求める

「\( V_s, I_s, P_s \) が与えられて \( Z_s, R_s, X_s \) を求めよ」というパターン。これは今日やった公式をそのまま使えばOKやで。

【出題パターン②】無負荷試験と短絡試験の両方のデータから等価回路を完成させる

これが一番多いパターンや。両方の試験データが与えられて、「等価回路の各定数を求めよ」っていう問題。無負荷試験の公式と短絡試験の公式を両方使う必要があるで。

【出題パターン③】短絡試験から%Zを求める

パーセントインピーダンス \( \%Z \) は次の第18講で詳しくやるけど、短絡試験との関係が出題されることも多い。\( \%Z = (V_s / V_n) \times 100 \) で直接求まるんや。

【よくある間違い】

⚠️ 間違い① 無負荷試験と短絡試験を混同する

「短絡試験で鉄損がわかる」→ ✕(鉄損は無負荷試験)

「無負荷試験で銅損がわかる」→ ✕(銅損は短絡試験)

⚠️ 間違い② 定格電流の計算を忘れる

短絡試験では \( I_s = I_n \) やから、\( I_n \) を先に求める必要がある。

\( I_n = \) 定格容量 [VA] ÷ 定格電圧 [V] を忘れずに!

⚠️ 間違い③ \( Z_s \) と \( R_s \) を混同する

\( Z_s = V_s / I_s \)(電圧÷電流) ≠ \( R_s = P_s / I_s^2 \)(電力÷電流²)

\( Z_s \geq R_s \) は常に成り立つ。等しくなるのは \( X_s = 0 \) の場合だけ。

この3つの間違いは本当に多いから、試験前に必ず確認してな。ほな、仕上げの問題にいくで!

メインルート

ほな、実践的な計算問題いくで!

🧠 問題6(20点)

定格容量 50 kVA、定格一次電圧 5000 V の単相変圧器の短絡試験を行ったところ、短絡電圧 \( V_s = 250 \) V、短絡電力 \( P_s = 500 \) W であった。短絡抵抗 \( R_s \) [Ω] と短絡リアクタンス \( X_s \) [Ω] の組み合わせとして最も近いものはどれか。

サポートルート

落ち着いて順番にいこか。

①定格電流:\( I_n = 50000 / 5000 = 10 \) [A]

②インピーダンス:\( Z_s = V_s / I_s = 250 / 10 = 25 \) [Ω]

③抵抗:\( R_s = P_s / I_s^2 = 500 / 100 = 5 \) [Ω]

④リアクタンス:\( X_s = \sqrt{25^2 - 5^2} = \sqrt{625 - 25} = \sqrt{600} \approx 24.5 \) [Ω]

最も近いのは①の \( R_s = 5 \) Ω、\( X_s \approx 22.9 \) Ω やな(実際の値は約24.5 Ωやけど、選択肢の中で最も近い)。

🔄 確認問題

上記の計算で、\( Z_s = 25 \) Ω に対して \( R_s = 5 \) Ω ということは、このインピーダンスは抵抗成分よりリアクタンス成分の方が大きい。これは一般的にどういうことを意味するか。

発展ルート

さすがや!ほな、もう一歩踏み込んだ問題いくで。

🔥 発展問題(20点)

先ほどの変圧器(定格50 kVA、定格一次電圧5000 V、\( V_s = 250 \) V)のパーセントインピーダンス \( \%Z \) はいくらか。また、定格運転中に一次側が短絡された場合、一次側に流れる短絡電流は定格電流の約何倍になるか。

メインルート

いよいよ終盤や!応用問題にチャレンジしてみよか。

🧠 問題7(20点)

ある変圧器の短絡試験の結果、\( Z_s = 10 \) Ω、\( R_s = 6 \) Ω であった。短絡リアクタンス \( X_s \) [Ω] はいくらか。

サポートルート

落ち着いて考えよか。

インピーダンスの三角形の関係を使うで。\( Z_s^2 = R_s^2 + X_s^2 \) やから、

\( X_s = \sqrt{Z_s^2 - R_s^2} = \sqrt{10^2 - 6^2} = \sqrt{100 - 36} = \sqrt{64} = 8 \) [Ω]

これは「3:4:5」の直角三角形のパターンの2倍(6:8:10)やな。こういう整数比の組み合わせは電験でよく出るから覚えておくとええで。

🔄 確認問題

\( Z_s = 13 \) Ω、\( R_s = 5 \) Ω のとき、\( X_s \) はいくらか。

発展ルート

さすがや!ほな、短絡インピーダンスの力率も求めてみよか。

🔥 発展問題(20点)

短絡試験で \( Z_s = 10 \) Ω、\( R_s = 6 \) Ω のとき、短絡力率 \( \cos\theta_s \) はいくらか。

メインルート

ラスト問題や!今日学んだことの総仕上げやで!

🧠 問題8(25点)

変圧器の短絡試験に関する次の記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

A:短絡試験で測定される電力は主に銅損である

B:短絡試験で加える電圧は定格電圧の数%〜十数%程度である

C:短絡試験から励磁回路の定数(\( g_0, b_0 \))が求まる

D:短絡試験の結果から短絡インピーダンスを一次と二次に完全に分離できる

サポートルート

ひとつずつ確認していこか。

A「短絡試験の電力=銅損」→ 正しい。低電圧だから鉄損は無視でき、銅損のみ。

B「電圧は定格の数%〜十数%」→ 正しい。これは短絡試験の基本中の基本。

C「励磁回路の定数が求まる」→ 誤り。励磁回路の定数は無負荷試験で求める。

D「一次と二次に完全に分離できる」→ 誤り。短絡試験で得られるのは合成値だけ。

🔄 確認問題

励磁回路の定数を求めるために行う試験はどれか。

発展ルート

完璧や!ほな最後の発展問題!

🔥 発展問題(20点)

定格容量 100 kVA、定格一次電圧 6600 V の単相変圧器について、無負荷試験で \( P_0 = 400 \) W、短絡試験で \( P_s = 1200 \) W であった。この変圧器の定格負荷・力率1での効率 [%] に最も近い値はどれか。

(ヒント:\( \eta = P_2 / (P_2 + P_i + P_c) \times 100 \))

メインルート

お疲れさん!第17講、完走やで!🎉

今日は変圧器の短絡試験について徹底的に学んだな。前回の無負荷試験と合わせて、変圧器の等価回路を完成させるための2大試験法をマスターできたで。

特に覚えておいてほしいポイントをまとめるで。

📚 第17講のまとめ

⚡ 短絡試験:二次側短絡、一次側に低電圧(\( V_s \))を印加し定格電流を流す

⚡ 短絡電力 \( P_s \) ≒ 銅損 \( P_c \)(鉄損は電圧が低いため無視可能)

⚡ \( Z_s = V_s / I_s \)、\( R_s = P_s / I_s^2 \)、\( X_s = \sqrt{Z_s^2 - R_s^2} \)

⚡ 無負荷試験(励磁回路)+ 短絡試験(直列インピーダンス)= 等価回路完成

📚 次回予告:第18講「パーセントインピーダンス(%Z)」

次回は今日求めた短絡インピーダンスを「%」で表す方法を学ぶで。パーセントインピーダンス(%Z)は、変圧器の電圧変動率や短絡電流の計算に直結する超重要パラメータや。短絡電圧 \( V_s \) と%Zの関係も明らかになるで!

🎉 第17講 完了!

今回のスコア 0

📊 学習の記録

    📚 次回予告:第18講「パーセントインピーダンス(%Z)」

    短絡インピーダンスを%で表す意味と計算法を徹底解説!%Zから短絡電流を一発で求める方法もマスターするで。

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