等価回路を「ひとつの世界」にまとめる魔法のテクニック!
よっしゃ、第9講スタートや!
前回の第8講では、変圧器の等価回路の基本を学んだな。一次側には一次抵抗 \( r_1 \) と一次漏れリアクタンス \( x_1 \)、二次側には二次抵抗 \( r_2 \) と二次漏れリアクタンス \( x_2 \) があって、それぞれ理想変圧器をはさんで別々に存在してるっていう話やった。
でもな、ここで困ったことがあるんや。一次側と二次側で電圧や電流の大きさが違うから、そのままやと回路計算がめちゃくちゃ面倒なんや。一次側は6600V、二次側は200Vみたいに、桁が全然ちゃうやろ?
そこで今回学ぶのが「換算」というテクニックや。一次側と二次側のすべてのパラメータを同じ基準に統一することで、理想変圧器を取り除いた1つの閉回路として計算できるようになるんやで。
📚 この講座で学ぶこと
⚡ 一次換算(二次側→一次側に統一)の方法と公式
⚡ 二次換算(一次側→二次側に統一)の方法と公式
⚡ 換算等価回路の描き方
⚡ 換算しても電力が変わらない理由
⚡ 電験での換算の使い分け
この「換算」を理解できたら、次の簡易等価回路や電圧変動率の計算がスムーズに進むで。電験の計算問題でも必ず使う超重要テクニックやから、しっかり押さえていこな!
まず、「そもそもなんで換算なんてせなあかんの?」というところから説明するで。
前回学んだ等価回路を思い出してみ。一次側と二次側の間に理想変圧器がおるやろ。この理想変圧器が厄介なんや。
普通の回路計算やったら、抵抗とリアクタンスを足し算したり、オームの法則 \( V = IZ \) を使ったりするよな。でも理想変圧器がおると、一次側と二次側で電圧の大きさも電流の大きさも違うから、単純に足し算ができへんのや。
💡 身近な例で言うと、こんな感じや。日本円とドルが混ざった買い物リストがあったとする。「りんご 100円 + バナナ 2ドル = ???」って、これそのまま足せへんやろ? どっちかの通貨に揃えてから計算せなあかん。100円 + 300円(2ドル×150円/ドル)= 400円、みたいにな。変圧器の換算も、これと全く同じ発想なんや。
つまり、換算とは「一次側と二次側の値を、どちらか一方の基準に統一する」ことや。統一してしまえば、理想変圧器を取り除いて、1つの単純な回路として計算できるようになるんやで。
上の図を見てくれ。換算前は一次側と二次側が別々の世界やったけど、換算後は全部が1つの世界になってるやろ。これが換算の最大のメリットや。
ほな、具体的にどうやって換算するのか、見ていこか。
まずは一次換算から説明するで。
一次換算とは、二次側のすべての値を一次側の基準に変換することや。つまり「二次側の抵抗やリアクタンス、電圧、電流を、一次側から見た値に置き換える」んやな。
第5講でインピーダンス変換を学んだのを覚えてるか?あのとき「二次側のインピーダンス \( Z_2 \) は、一次側から見ると \( a^2 Z_2 \) に見える」って話をしたやろ。あれが一次換算の核心なんや。
ここで巻数比を確認しとこう。
この巻数比 \( a \) を使って、二次側の各値を一次側に換算する公式はこうなるで。
インピーダンスは \( a^2 \) 倍になるんやったな。これが一次換算の核心中の核心や。
ほな、電圧と電流はどうなるか?ここがちょっとややこしいけど、理想変圧器の関係式を思い出せばすぐ分かるで。
なんでこうなるか説明するな。理想変圧器では \( V_1 = a V_2 \) やったやろ?二次電圧を一次側の基準で見ると \( a \) 倍になるわけや。同じように \( I_1 = I_2 / a \) やから、二次電流は \( 1/a \) 倍になる。
📌 一次換算のまとめ
⚡ インピーダンス(r, x, Z)→ \( a^2 \) 倍
⚡ 電圧(V)→ \( a \) 倍
⚡ 電流(I)→ \( \frac{1}{a} \) 倍
覚え方のコツを教えたるわ。「インピーダンスは a の2乗、電圧は a の1乗、電流は a のマイナス1乗」って覚えるんや。指数が 2, 1, -1 と並んでるやろ? オームの法則 \( Z = V / I \) から考えたら自然に出てくるで。\( a^2 = a \div (1/a) = a \times a \) やからな。
ほな、一次換算した等価回路を描いてみるで。
やることは単純や。前回学んだ等価回路から理想変圧器を取り除いて、二次側の値を全部 \( a^2 \) 倍(電圧は \( a \) 倍、電流は \( 1/a \) 倍)に置き換えるだけや。
見てくれ!理想変圧器が消えたやろ。代わりに、二次側の抵抗とリアクタンスが緑色で表示されてるけど、これが一次換算された値や。
この回路やったら、一次側の \( r_1, x_1 \) と換算後の \( r_2', x_2' \) を単純に足し算できるやろ。
これで「電圧降下 = 電流 × インピーダンス」という単純なオームの法則で計算できるようになったんや。理想変圧器がおったままやと、こんなシンプルにはならへんかったで。
ほな、ここまでの理解度を確認してみよか!
ほな、第1問や!一次換算の基本を確認するで。
巻数比 \( a = N_1/N_2 = 30 \) の変圧器がある。二次側の漏れリアクタンス \( x_2 = 0.02 \, \Omega \) を一次側に換算した値 \( x_2' \) はいくらか。
大丈夫、もう一回整理しよか。
一次換算のインピーダンスは\( a^2 \) 倍するんやったな。\( a = 30 \) やから、\( a^2 = 30^2 = 900 \) や。
せやから \( x_2' = a^2 \times x_2 = 900 \times 0.02 = 18 \, \Omega \) になるんやで。①の0.6Ωは \( a \) 倍しただけ(1乗の間違い)、③の900Ωは \( a^2 \) だけを答えてもうてるパターンやな。
一次換算で電圧 \( V_2 \) を換算するときは何倍するか。
よっしゃ、基本はバッチリやな。ほな、もうちょっと踏み込んだ問題いくで。
巻数比 \( a = 20 \) の変圧器で、二次抵抗 \( r_2 = 0.01 \, \Omega \)、二次漏れリアクタンス \( x_2 = 0.03 \, \Omega \) である。一次換算した合成インピーダンスの大きさ \( |Z_2'| \) はいくらか。
ええ感じやな!ここからは、一次換算の逆バージョン、二次換算を学ぶで。
二次換算とは、一次側のすべての値を二次側の基準に変換することや。さっきの通貨のたとえで言えば、「全部をドルに統一する」パターンやな。
考え方は一次換算の逆や。一次換算では二次側を \( a^2 \) 倍して大きくしたやろ? 二次換算では一次側を \( 1/a^2 \) 倍して小さくするんや。
一次換算と二次換算を並べて比較してみると、パターンが見えてくるで。
見事に真逆の関係になってるやろ。一次換算で \( a^2 \) 倍したものは、二次換算では \( 1/a^2 \) 倍。電圧の \( a \) 倍は \( 1/a \) 倍。電流の \( 1/a \) 倍は \( a \) 倍。ぜんぶひっくり返すだけやから、どっちか覚えればもう片方も自動的に分かるで。
ほな、二次換算等価回路を描いてみるで。
今度は一次側の値を全部 \( 1/a^2 \) 倍して、二次側の基準に合わせるんや。
一次換算のときと比べてみてくれ。今度は一次側が緑色(換算された側)で、二次側がそのままの値になってるやろ。
二次換算での合成値はこうなるで。
ここで大事なポイントを言うとくで。一次換算の合成インピーダンスと二次換算の合成インピーダンスには、こんな関係があるんや。
つまり、一次換算で求めた値と二次換算で求めた値は、\( a^2 \) 倍の関係になるんや。どっちで計算しても、最終的な結果(電力や効率など)は同じになるで。
ほな、次は二次換算の理解を確認しよか!
ほな、第2問や!二次換算を確認するで。
巻数比 \( a = N_1/N_2 = 10 \) の変圧器がある。一次抵抗 \( r_1 = 5 \, \Omega \) を二次側に換算した値 \( r_1' \) はいくらか。
落ち着いて考えよか。二次換算やから、一次側の値を\( 1/a^2 \) 倍するんや。
\( a = 10 \) やから \( a^2 = 100 \)。したがって \( r_1' = r_1 / a^2 = 5 / 100 = 0.05 \, \Omega \) やで。
②の0.5Ωは \( 1/a \) 倍した間違い、③の50Ωは \( a \) 倍した間違いや。二次換算は「小さくなる」方向やから、5Ωより小さい値が正解のはずやな。
二次換算でインピーダンスを何倍するか。
さすがや!ほな応用問題いくで。
巻数比 \( a = 20 \) の変圧器で、一次側の抵抗 \( r_1 = 8 \, \Omega \)、一次側の漏れリアクタンス \( x_1 = 12 \, \Omega \)、二次側の抵抗 \( r_2 = 0.02 \, \Omega \)、二次側の漏れリアクタンス \( x_2 = 0.03 \, \Omega \) である。二次換算した合成抵抗 \( r' \) と合成リアクタンス \( x' \) の値はいくらか。
ここで、ものすごく大事な話をするで。「換算しても電力は変わらない」という原則や。
「値を \( a^2 \) 倍したり \( 1/a^2 \) 倍したりしてるのに、電力は変わらへんの?」って思うやろ。これがちゃんと成り立つ理由を説明するな。
二次側の銅損(抵抗での消費電力)を考えてみ。換算前の銅損は \( P_{c2} = I_2^2 r_2 \) やな。
これを一次換算するとどうなるか。電流は \( I_2' = I_2 / a \)、抵抗は \( r_2' = a^2 r_2 \) に変わるから:
見てくれ!\( a^2 \) が見事に打ち消し合って、換算前と同じ \( I_2^2 r_2 \) になったやろ。
これは偶然やないで。電圧と電流の換算比率がちょうど逆の関係になるように設計されてるんや。電圧が \( a \) 倍なら電流は \( 1/a \) 倍。掛け合わせると \( a \times 1/a = 1 \) で、電力 \( P = VI \) は変わらへん。
💡 通貨のたとえに戻ると、「りんご1個100円」を「りんご1個 約0.67ドル」と換算しても、りんごの実際の価値は変わらへんやろ?表現する通貨が変わっただけで、モノの本質は同じ。換算も同じで、電力や効率といった本質的な量は換算によって変わらないんやで。
📌 電力保存の原則
⚡ 換算しても電力は変わらない(\( P = I^2R \) も \( P = V^2/R \) も同じ値になる)
⚡ 換算しても効率は変わらない
⚡ 換算しても力率は変わらない
⚡ 変わるのは「電圧・電流・インピーダンスの数値」だけ
この原則を理解しとくと、「あれ?換算方法を間違えた?」ってなったときに、電力が合うかどうかでチェックできるで。
第3問や!電力保存の理解を確認するで。
変圧器の二次側で \( I_2 = 50 \, \text{A} \)、\( r_2 = 0.04 \, \Omega \) のとき、二次銅損は \( P_{c2} = 100 \, \text{W} \) である。巻数比 \( a = 10 \) で一次換算した場合、一次換算後の銅損 \( (I_2')^2 r_2' \) はいくらか。
ここは考え方が大事なところやで。
さっき学んだ通り、換算しても電力は変わらへん。せやから、二次銅損が100Wなら、一次換算後も100Wのままや。
実際に確認してみよか。\( I_2' = 50/10 = 5 \, \text{A} \)、\( r_2' = 10^2 \times 0.04 = 4 \, \Omega \)。したがって \( (I_2')^2 r_2' = 5^2 \times 4 = 25 \times 4 = 100 \, \text{W} \) や。ほらな、ちゃんと一致するやろ。
換算によって変わらないものはどれか。
電力保存はバッチリやな。ほな、もう一歩踏み込むで。
巻数比 \( a = 20 \) の変圧器で、一次換算の合成抵抗が \( r = 20 \, \Omega \) であった。このとき二次換算の合成抵抗 \( r' \) はいくらか。
ここまでで、一次換算と二次換算の両方を学んだな。ほな、ここで2つの違いをしっかり整理しとこか。
まず、どちらの換算を使っても最終結果(電力・効率・力率)は同じになるということは、もう分かったな。じゃあなんで2つあるねん?って思うやろ。
答えは「どっちが計算しやすいか」は問題によって違うからや。
たとえば、電圧変動率の計算では、一次電圧 \( V_1 \) が基準になることが多い。せやから、全部一次側に合わせる一次換算の方が計算しやすい場合が多いんや。
一方、二次側の端子電圧 \( V_2 \) を直接求めたい場合は、二次換算の方が都合がええこともある。
電験三種の問題では、一次換算を使う問題が圧倒的に多いんや。でも「二次換算で求めなさい」って指定されることもあるから、両方できるようにしとかなあかんで。
📌 使い分けのポイント
⚡ 一次換算が多い場面:電圧変動率、%Z計算、一次側基準の問題
⚡ 二次換算が多い場面:二次端子電圧の計算、負荷側から見た解析
⚡ 電験のコツ:問題文で「一次側に換算」「二次側に換算」の指定を見逃すな!
ほな、もうちょっと具体的に、どんなときにどっちの換算を使うか見ていこか。
実は電験三種では、問題文に必ず「どっちに換算するか」のヒントが書いてあるんや。それを見逃さへんことが大事やで。
よくあるパターンを紹介するな。
パターン①:「一次側に換算した等価回路を用いて...」
→ これはそのまま一次換算を使えばOK。二次側の値を全部 \( a^2 \) 倍するだけや。
パターン②:「二次側に換算した合成インピーダンスは...」
→ 二次換算で出した値が与えられてる。その値をそのまま使って計算すればええ。
パターン③:「一次側に換算した抵抗降下とリアクタンス降下が...」
→ これも一次換算の値が与えられてるパターン。\( I_1(r_1 + r_2') \) や \( I_1(x_1 + x_2') \) のことやな。
パターン④:指定がない場合
→ 基本的には一次換算で解くのが無難や。電験の出題者も一次換算前提で作問してることが多い。
💡 もうひとつ覚えておいてほしいことがあるで。問題で「二次側に換算した合成抵抗 \( r = 0.05 \, \Omega \)」って与えられたとき、これを一次換算の値に変換するには \( a^2 \) 倍すればええんや。\( r_{\text{一次}} = a^2 \times r_{\text{二次}} = a^2 \times 0.05 \) ってな。一次と二次の換算値の変換は \( a^2 \) 倍(または \( 1/a^2 \) 倍)で自由にできるんやで。
ほな、ここまでの理解を問題で確認しよか!
第4問や!換算の使い分けを確認するで。
変圧器の等価回路に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
整理しよか。まず①は間違いや。換算方法が違っても、効率は同じになるんやったな(電力保存の原則)。
③も間違い。二次換算は一次側を \( 1/a^2 \) 倍するんや。\( a^2 \) 倍するんは一次換算の方やで。
②が正解。一次換算では、二次側の値を一次側基準に合わせるために\( a^2 \) 倍するんや。
二次換算で一次側の電圧 \( V_1 \) を換算するとき、何倍するか。
正解やな!ほな発展問題いくで。
巻数比 \( a = 10 \) の変圧器で、一次換算の合成リアクタンスが \( x = 5 \, \Omega \) である。二次側に流れる電流が \( I_2 = 100 \, \text{A} \) のとき、一次換算等価回路を使って求めた合成リアクタンスによる電圧降下(リアクタンス降下)はいくらか。
第5問!実際の計算問題にチャレンジや。
定格容量 10 kVA、一次電圧 2000 V、二次電圧 200 V の変圧器がある。一次抵抗 \( r_1 = 2 \, \Omega \)、二次抵抗 \( r_2 = 0.02 \, \Omega \) のとき、一次換算の合成抵抗 \( r \) はいくらか。
落ち着いて順番にやっていこか。
まず巻数比を求めるで。\( a = V_1 / V_2 = 2000 / 200 = 10 \)。
次に二次抵抗を一次換算:\( r_2' = a^2 r_2 = 100 \times 0.02 = 2 \, \Omega \)。
最後に合成:\( r = r_1 + r_2' = 2 + 2 = 4 \, \Omega \)。
①の2.02Ωは換算せずにそのまま足した間違い、③の22Ωは \( a \) 倍(1乗)にした間違いやな。
巻数比 \( a \) は何から求められるか。
さすがやな!ほな、この問題の続きを発展させるで。
同じ変圧器(a = 10, 定格容量 10 kVA)で、一次換算の合成抵抗 \( r = 4 \, \Omega \) である。定格電流が流れたときの全銅損はいくらか。
ここからは、電験三種で実際にどう出題されるかを見ていくで。
電験での換算問題には、大きく分けて3つの出題パターンがあるんや。
【パターンA:換算値を求める問題】
「二次側のリアクタンスを一次側に換算せよ」みたいな、換算そのものを問う問題や。これは今回学んだ公式をそのまま使えばOK。\( a^2 \) 倍するか \( 1/a^2 \) 倍するかを間違えへんようにするのがポイントやで。
【パターンB:換算値が与えられて計算する問題】
「一次側に換算した合成抵抗が \( r = 4 \, \Omega \)、合成リアクタンスが \( x = 6 \, \Omega \) のとき、電圧変動率を求めよ」みたいなパターン。この場合は換算済みの値をそのまま使って計算するだけや。自分で換算する必要はないけど、どっちに換算された値なのかを読み取る必要があるんやで。
【パターンC:等価回路定数から総合計算する問題】
一次・二次の抵抗とリアクタンスが個別に与えられて、「一次側に換算して効率を求めよ」みたいな問題。これは換算→合成→計算の全工程をやるパターンや。ステップ数が多いから、計算ミスに注意が必要やで。
📌 電験での注意点
⚡ 問題文に「一次換算」「二次換算」の指定があるか必ず確認
⚡ 巻数比 \( a \) が直接与えられない場合は \( V_1/V_2 \) から求める
⚡ \( a^2 \) と \( a \) を間違えるのが最も多いミス
ここで、受験生がよくやる間違いを紹介しとくで。これを知っておくだけで、ひっかけ問題に強くなれるで。
❌ 間違い①:\( a^2 \) と \( a \) を混同する
インピーダンスは \( a^2 \) 倍やのに、\( a \) 倍だけしてしまう間違い。電圧が \( a \) 倍やから、つられて全部 \( a \) 倍にしてしまうパターンやな。インピーダンスだけは「2乗」やから気をつけてな。
❌ 間違い②:換算の方向を逆にする
一次換算なのに \( 1/a^2 \) 倍してしまう(二次換算と混同する)パターン。対策は「一次換算は値が大きくなる方向」と覚えること。一次側は高圧(電圧が大きい)やから、インピーダンスも大きくなるのが自然やろ。
❌ 間違い③:換算せずにそのまま足す
\( r_1 + r_2 \) みたいに、換算せずに直接足してしまうミス。一次側と二次側は電圧レベルが違うから、必ず換算してから足すんやで。通貨のたとえを思い出してくれ。
❌ 間違い④:巻数比の逆数を使ってしまう
\( a = N_1/N_2 \) なのに \( a = N_2/N_1 \) で計算してしまうミス。電験では \( a = V_1/V_2 \) で求めることが多いけど、降圧変圧器なら \( a > 1 \) になるはずやから、値が1より大きいかどうかで確認できるで。
💡 実は、間違い①②③④は全部つながってるんや。根本にあるのは「何のために換算するか」の理解不足。換算は「同じ基準に揃えるため」にやるんやということを忘れなければ、自然と正しい方向(大きくすべきか小さくすべきか)が分かるようになるで。
ほな、ここから実戦形式の問題で腕試しや!
第6問!ひっかけパターンを見抜けるか?
一次電圧 6600 V、二次電圧 220 V の変圧器がある。二次側の漏れリアクタンスが \( x_2 = 0.01 \, \Omega \) のとき、一次側に換算した漏れリアクタンス \( x_2' \) はいくらか。
ステップバイステップでやっていこか。
まず巻数比を求める:\( a = V_1/V_2 = 6600/220 = 30 \)。
次に一次換算:\( x_2' = a^2 x_2 = 30^2 \times 0.01 = 900 \times 0.01 = 9 \, \Omega \)。
①の0.3Ωは \( a \) 倍しただけの間違い(\( 30 \times 0.01 \))、②の3Ωは計算ミスやな。
一次換算でインピーダンスが大きくなるのはなぜか。
基本計算はバッチリやな。ほな発展問題や。
一次電圧 6600 V、二次電圧 220 V の変圧器で、一次抵抗 \( r_1 = 2.4 \, \Omega \)、一次漏れリアクタンス \( x_1 = 4.5 \, \Omega \)、二次抵抗 \( r_2 = 0.004 \, \Omega \)、二次漏れリアクタンス \( x_2 = 0.005 \, \Omega \) である。一次換算の合成インピーダンスの大きさ \( |Z| \) に最も近い値はどれか。
第7問!換算の公式まとめと応用問題や。
変圧器の一次換算に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
さっきの公式まとめ表をもう一回見てみよか。
一次換算では、電圧は \( a \) 倍、電流は \( 1/a \) 倍、インピーダンスは \( a^2 \) 倍やったな。
②は「電流を一次換算すると \( a \) 倍」と書いてあるけど、正しくは\( 1/a \) 倍やで。高圧側は電圧が高い分、電流は小さくなるから \( 1/a \) 倍が正解なんや。
一次換算で電流が \( 1/a \) 倍になる理由はどれか。
よう見抜いたな!ほな発展問題いくで。
ある変圧器の一次換算合成インピーダンスが \( Z = 3 + j4 \, \Omega \) である。巻数比 \( a = 10 \) のとき、二次換算合成インピーダンスの大きさ \( |Z'| \) はいくらか。
いよいよ最終問題や!今回の総まとめとして、実戦レベルの問題にチャレンジしてみ。
定格容量 20 kVA、一次電圧 6000 V、二次電圧 200 V の単相変圧器がある。一次抵抗 \( r_1 = 3.6 \, \Omega \)、一次漏れリアクタンス \( x_1 = 5.4 \, \Omega \)、二次抵抗 \( r_2 = 0.004 \, \Omega \)、二次漏れリアクタンス \( x_2 = 0.006 \, \Omega \) のとき、一次換算の合成インピーダンスの大きさ \( |Z| \) に最も近い値はどれか。
順番に計算していこか。
① 巻数比を求める
\( a = V_1/V_2 = 6000/200 = 30 \)、\( a^2 = 900 \)
② 二次側を一次換算
\( r_2' = 900 \times 0.004 = 3.6 \, \Omega \)
\( x_2' = 900 \times 0.006 = 5.4 \, \Omega \)
③ 合成する
\( r = 3.6 + 3.6 = 7.2 \, \Omega \)
\( x = 5.4 + 5.4 = 10.8 \, \Omega \)
④ 大きさを求める
\( |Z| = \sqrt{7.2^2 + 10.8^2} = \sqrt{51.84 + 116.64} = \sqrt{168.48} \fallingdotseq 13 \, \Omega \)
合成インピーダンスの大きさを求める式はどれか。
さすがや!最終問題クリアやな。ほな、これをさらに発展させるで。
同じ変圧器(a = 30, 定格容量 20 kVA)で、一次換算の合成インピーダンスが \( Z = 7.2 + j10.8 \, \Omega \) である。定格一次電流が流れたときの全銅損と、合成インピーダンスにおけるリアクタンス降下はそれぞれいくらか。(定格一次電流 \( I_1 = 20000/6000 \fallingdotseq 3.33 \, \text{A} \))
お疲れさま!第9講「一次換算と二次換算」、これで完了やで!
今回は変圧器の等価回路を実際に計算で使えるようにするための重要なテクニック「換算」を学んだな。
📚 今回のまとめ
⚡ 一次換算:二次側の値を一次側基準に統一(Z は a² 倍、V は a 倍、I は 1/a 倍)
⚡ 二次換算:一次側の値を二次側基準に統一(Z は 1/a² 倍、V は 1/a 倍、I は a 倍)
⚡ 電力保存:換算しても電力・効率・力率は変わらない
⚡ 使い分け:電験では一次換算が圧倒的に多い、問題文の指定を必ず確認
⚡ 注意点:a² と a の混同、換算方向の逆転、換算せずに足すミスに注意
今日学んだ換算は、次回以降の簡易等価回路や電圧変動率の計算で必ず使うテクニックやで。ここをしっかり身につけておけば、この先の計算問題がスムーズに解けるようになるで!
📚 次回予告:第10講「簡易等価回路とL形等価回路」
次回は、今回学んだ換算等価回路をさらにシンプルにする「簡易等価回路」を学ぶで。励磁回路を省略したり位置を移動させたりして、実用的な計算ができるL形等価回路を完成させるんや!