変圧器

理想変圧器とは?巻数比と電圧・電流の関係をわかりやすく解説【電験三種 機械】

巻数比 a を制するものが変圧器を制する!

進捗: 0%
メインルート

よっしゃ!変圧器シリーズ第4講、スタートや!

前回の第3講では変圧器の構造について学んだな。鉄心の中を磁束が通って、一次巻線と二次巻線がその鉄心に巻きついてるっていう構造や。内鉄型と外鉄型の違いも覚えてるか?

今回はいよいよ、変圧器の計算の核心部分に入っていくで。「理想変圧器」っていう概念を使って、巻数比と電圧・電流の関係を徹底的に理解するのが今日のゴールや。

「理想変圧器」って聞くと難しそうに感じるかもしれんけど、実はこれは計算をめっちゃシンプルにするための道具なんや。現実の変圧器には損失とかいろんな面倒なことがあるけど、まずは理想的な状態で基本の関係を押さえる。そうすることで、後から現実の変圧器を学ぶときにスムーズに理解できるんやで。

📚 この講座で学ぶこと

⚡ 理想変圧器の定義と3つの仮定

⚡ 巻数比 \( a \) の定義と意味

⚡ 巻数比と電圧の関係 \( V_1 / V_2 = a \)

⚡ 巻数比と電流の関係 \( I_1 / I_2 = 1/a \)

⚡ 理想変圧器における電力保存の法則

この講座で出てくる公式は、変圧器の全25講を通じて何度も何度も使う超重要公式やから、しっかり身につけていこな!

メインルート

まず、「理想変圧器」って何やねん?っていう話からやで。

現実の変圧器には、いろんな「面倒な要素」がある。たとえば、巻線には電気抵抗があるし、鉄心の中では磁束の一部が漏れてしまうし、鉄心自体にも損失(鉄損)が発生する。こういう要素をぜんぶ考えながら計算すると、めっちゃ複雑になるんや。

せやから、まずは「損失が一切ない完璧な変圧器」を考えるんや。これが「理想変圧器」やで。

身近なたとえで言うと、物理で「摩擦のない面」とか「空気抵抗のない自由落下」を考えるのと同じ発想やな。まず理想的な条件で基本法則を理解して、その後で現実の複雑さを加えていく。これが科学の定石や。

📌 理想変圧器の3つの仮定

仮定①:巻線の抵抗がゼロ(銅損なし)

仮定②:鉄心の透磁率が無限大(鉄損なし・漏れ磁束なし)

仮定③:すべての磁束が一次・二次巻線を完全に鎖交する(磁束の漏れなし)

この3つの仮定をじっくり見ていこか。

仮定①「巻線の抵抗がゼロ」ってどういうことか。現実の巻線は銅線やから、わずかながら電気抵抗がある。電流が流れると \( I^2 r \) の銅損(ジュール熱)が発生する。理想変圧器ではこの抵抗がゼロやから、巻線で電力が消費されることはないんや。

仮定②「透磁率が無限大」は、鉄心が磁束を完璧に通すっていう意味や。透磁率が無限大ということは、鉄心を磁化するのに必要な電流(励磁電流)がゼロになるんや。また、鉄損(ヒステリシス損と渦電流損)もゼロになる。

仮定③「磁束の漏れなし」は、一次巻線が作った磁束がぜんぶ鉄心の中を通って、100%二次巻線を貫くっていうことや。現実には一部の磁束が空気中に漏れてしまうんやけど、理想変圧器ではそれがない。

💡 3つの仮定をまとめると、理想変圧器は「エネルギーのロスが一切ない、100%効率の完璧な変圧器」ってことや。入力した電力が一切無駄なく、そのまま出力される。まるで「パーフェクトなバケツリレー」で、水(エネルギー)を一滴もこぼさず次に渡せるイメージやな。

ほな、次はこの理想変圧器を使って、巻数比っていう大事な概念を導入するで!

メインルート

さて、理想変圧器の仮定がわかったところで、いよいよ巻数比の話に入るで。

変圧器には一次巻線と二次巻線がある。一次巻線の巻数を \( N_1 \)、二次巻線の巻数を \( N_2 \) とするやろ。この2つの巻数の比が巻数比(変圧比)や。記号は \( a \) を使うで。

📌 巻数比の定義

\( a = \dfrac{N_1}{N_2} \)

一次巻線の巻数 ÷ 二次巻線の巻数

めっちゃシンプルやろ?でもここで超重要な注意点がある。巻数比は「一次÷二次」の順番やで。これを逆にしてしまう人が多いんやけど、絶対に「一次が分子、二次が分母」で覚えてくれ。

具体例を出そか。たとえば、一次巻線が1000回巻き、二次巻線が100回巻きの変圧器があるとする。このとき巻数比は:

\( a = \dfrac{N_1}{N_2} = \dfrac{1000}{100} = 10 \)

巻数比 \( a = 10 \) や。この場合、一次側の巻数が二次側の10倍ってことやな。

巻数比のイメージ N₁ 1000 回巻 N₂ 100 回巻 Φ 一次側 二次側 a = N₁/N₂ = 10

巻数比の値によって、変圧器の種類が分かれるんや。

\( a > 1 \) のとき(降圧変圧器):一次巻線の方が巻数が多い。電圧を下げる変圧器や。たとえば6600Vを100Vに落とす柱上変圧器は \( a = 66 \) やで。

\( a < 1 \) のとき(昇圧変圧器):二次巻線の方が巻数が多い。電圧を上げる変圧器や。発電所の出口で数千Vを数十万Vに上げるのがこのタイプやな。

\( a = 1 \) のとき(絶縁変圧器):巻数が同じで電圧は変わらない。一次側と二次側を電気的に絶縁するために使うんや。

💡 巻数比は「ギア比」みたいなもんやで。自転車のギアを変えると、ペダルを1回転したときの車輪の回転数が変わるやろ?変圧器の巻数比も同じで、一次側と二次側の「変換比率」を決めてるんや。

この巻数比 \( a \) がわかれば、電圧と電流がどうなるか計算できるんや。次のステップでいよいよ電圧の関係を導くで!

メインルート

ほな、いよいよ巻数比と電圧の関係を導いていくで。

変圧器の原理は第2講で学んだ「電磁誘導」やったな。鉄心の中を変化する磁束 \( \Phi \) が通ると、巻線に起電力(EMF)が誘導される。これがファラデーの法則や。

ファラデーの法則によると、巻数 \( N \) の巻線を貫く磁束 \( \Phi \) が変化するとき、誘導起電力 \( e \) は次のようになる:

\( e = N \dfrac{d\Phi}{dt} \)

これは「磁束の変化率に巻数をかけたもの」が起電力やってことや。ここが出発点やで。

理想変圧器では、同じ磁束 \( \Phi \) が一次巻線と二次巻線の両方を貫く(仮定③:漏れ磁束なし)。せやから:

一次側の誘導起電力:\( e_1 = N_1 \dfrac{d\Phi}{dt} \)

二次側の誘導起電力:\( e_2 = N_2 \dfrac{d\Phi}{dt} \)

ここで、\( \dfrac{d\Phi}{dt} \) の部分は一次も二次もまったく同じやんな。同じ鉄心の中を通る同じ磁束やから当然や。

ほな、一次と二次の比を取ってみよか:

\( \dfrac{e_1}{e_2} = \dfrac{N_1 \cdot \frac{d\Phi}{dt}}{N_2 \cdot \frac{d\Phi}{dt}} = \dfrac{N_1}{N_2} = a \)

見てくれ!\( \dfrac{d\Phi}{dt} \) が分子・分母で打ち消し合って、起電力の比は巻数の比に等しいってことがわかったやろ!

さらに、理想変圧器では巻線に抵抗がない(仮定①)から、端子電圧 \( V \) と起電力 \( e \) が等しくなる。つまり \( V_1 = e_1 \)、\( V_2 = e_2 \) や。

📌 巻数比と電圧の関係(超重要公式)

\( \dfrac{V_1}{V_2} = \dfrac{N_1}{N_2} = a \)

電圧の比 = 巻数の比 = 巻数比

この公式の意味を具体的に考えてみよか。

たとえば、巻数比 \( a = 10 \) の変圧器に一次電圧 \( V_1 = 1000 \) V を加えたとする。二次電圧は:

\( V_2 = \dfrac{V_1}{a} = \dfrac{1000}{10} = 100 \) V

1000Vが100Vに変換された!巻数が10倍なら、電圧は10分の1になるんやな。これが「降圧」や。

💡 電圧と巻数が比例するのは、こう考えるとわかりやすいで。1回巻くごとに磁束の変化で小さな起電力が1つ生まれる。10回巻けば10個の小さな起電力が直列につながる。100回巻けば100個。つまり、巻数が多いほど起電力が大きくなるんや。だから巻数の比がそのまま電圧の比になるわけやな。

よっしゃ、電圧の関係がわかったな。ここまでの理解度を確認してみよか!

メインルート

ほな、第1問いくで!巻数比と電圧の基本を確認しよう。

🧠 問題1(10点)

一次巻線が2000回、二次巻線が200回の理想変圧器がある。一次側に6600Vの電圧を加えたとき、二次側の電圧はいくらか。

サポートルート

大丈夫やで、一緒に整理しよか。

まず、巻数比を求めるんや。\( a = \dfrac{N_1}{N_2} = \dfrac{2000}{200} = 10 \)

次に、電圧の関係式を使うで。\( \dfrac{V_1}{V_2} = a \) やから、\( V_2 = \dfrac{V_1}{a} = \dfrac{6600}{10} = 660 \) V や。

ポイントは「まず巻数比を求める → 次に電圧を計算する」という2ステップの手順やで。これはどんな問題でも同じ流れや。

🔄 確認問題

巻数比 \( a = 20 \) の変圧器で一次電圧が4400Vのとき、二次電圧はいくらか。

発展ルート

さすがや!基本はバッチリやな。ほな、もうちょっと踏み込んだ問題いくで。

🔥 発展問題(15点)

理想変圧器において、二次側の電圧が一次側より高くなる条件として正しいものはどれか。

メインルート

ええ感じやな!電圧の関係がわかったところで、次は電流の関係を導いていくで。

ここで使うのが、理想変圧器の最大の特徴:「入力電力 = 出力電力」や。

理想変圧器では損失がゼロやから、一次側に入力された電力はそっくりそのまま二次側に出力される。つまり:

\( V_1 I_1 = V_2 I_2 \)

これが電力保存の式や。変圧器はエネルギーを「作る」ことも「消す」こともできない。電圧を変えるかわりに、電流が逆方向に変わるんや。

この式を変形してみよか。\( \dfrac{V_1}{V_2} = \dfrac{I_2}{I_1} \) やろ。左辺は巻数比 \( a \) やから:

\( a = \dfrac{I_2}{I_1} \) → つまり \( \dfrac{I_1}{I_2} = \dfrac{1}{a} = \dfrac{N_2}{N_1} \)

📌 巻数比と電流の関係(超重要公式)

\( \dfrac{I_1}{I_2} = \dfrac{N_2}{N_1} = \dfrac{1}{a} \)

電流の比は巻数比の逆数

ここがめっちゃ大事なポイントやで!電圧は巻数に比例するけど、電流は巻数に反比例するんや。

具体例で確認しよか。さっきと同じ巻数比 \( a = 10 \) の変圧器で、一次電流 \( I_1 = 1 \) A のとき:

\( I_2 = a \cdot I_1 = 10 \times 1 = 10 \) A

一次側は1Aやったのに、二次側では10Aに増えてる!電圧が10分の1になった代わりに、電流は10倍になったんや。

これを電力で確認すると:

一次側:\( V_1 \times I_1 = 1000 \times 1 = 1000 \) W

二次側:\( V_2 \times I_2 = 100 \times 10 = 1000 \) W

ピッタリ同じ!電力は保存されてるな。

💡 これは「水道のホース」で考えるとわかりやすいで。太いホースを細いホースにつなぐと、水の勢い(圧力=電圧)は変わるけど、流れる水の総量(流量×圧力=電力)は変わらへんやろ?変圧器も同じで、電圧を下げたら電流は増える、電圧を上げたら電流は減る。電力というパイの大きさは変わらないんや。

ほな次のステップで、電圧と電流の関係をまとめた図を見てみよか!

メインルート

ここで、これまで学んだ理想変圧器の関係を図でまとめて整理するで。

理想変圧器の電圧・電流関係 理想変圧器 a : 1 N₁ N₂ V₁ I₁ V₂ I₂ 負荷 【3つの基本関係】 V₁/V₂ = a I₁/I₂ = 1/a V₁I₁ = V₂I₂ P₁ = V₁I₁ P₂ = V₂I₂ P₁ = P₂

この図を見ながら、3つの関係を頭に叩き込んでくれ。

① 電圧は巻数に比例:巻数が多い方が電圧が高い。\( V_1/V_2 = a \)

② 電流は巻数に反比例:巻数が多い方が電流は小さい。\( I_1/I_2 = 1/a \)

③ 電力は保存される:入力電力 = 出力電力。\( V_1 I_1 = V_2 I_2 \)

ここで初学者がつまずきやすいポイントを先に言うとくで。「電圧が下がるなら電流も下がるんちゃうの?」って思ってしまう人がおるんや。でも逆やで!電圧が下がると電流は増える。なぜなら、電力(V×I)は一定やから、Vが小さくなったらIが大きくならないと辻褄が合わへんのや。

これは日常生活でも同じやで。家庭のコンセントは100Vやけど、送電線は何十万Vで送電してる。なんでそんな高い電圧で送るかっていうと、電圧を高くすれば電流が小さくなるから、送電線での電力損失 \( I^2 r \) を減らせるからや。つまり、高電圧送電は変圧器のおかげで成り立ってるんやで。

📌 電圧と電流の関係を覚えるコツ

⚡ 「電圧が上がれば電流は下がる」「電圧が下がれば電流は上がる」

⚡ 理由:電力(V×I)が一定だから → シーソーの関係!

ほな、電流の関係もしっかり理解できたか、問題で確認するで!

メインルート

ほな、第2問いくで!今度は電流の関係や。

🧠 問題2(10点)

巻数比 \( a = 20 \) の理想変圧器の二次側に5Aの電流が流れている。一次側の電流はいくらか。

サポートルート

大丈夫やで、電流の計算を整理しよか。

電流の関係式は \( \dfrac{I_1}{I_2} = \dfrac{1}{a} \) やったな。これを変形すると \( I_1 = \dfrac{I_2}{a} \) になるで。

\( I_1 = \dfrac{5}{20} = 0.25 \) A

ポイントは「巻数比が大きい(降圧)→ 一次電流は二次電流より小さい」ってことや。電圧が下がった分、電流が増えるんやで。

🔄 確認問題

理想変圧器で電圧を半分に下げた場合、電流はどうなるか。

発展ルート

さすがや!ほな、ちょっと実践的な問題いくで。

🔥 発展問題(15点)

定格容量10kVAの理想変圧器で、一次電圧が6600V、二次電圧が220Vである。二次側の定格電流はおよそいくらか。

メインルート

ここで電力保存の話をもう少し深堀りしておこか。これは変圧器を理解するうえで本当に大事な概念やからな。

理想変圧器では \( V_1 I_1 = V_2 I_2 \) が成り立つ。これは「入力電力 = 出力電力」っていう意味やったな。でもな、ここでよくある誤解を潰しておきたい。

「変圧器って電圧を上げられるんやから、エネルギーも増やせるんちゃうの?」って考える人がおるんや。たとえば100Vを10000Vに昇圧したら、電力も100倍になるんちゃうかって。

答えは絶対にNOや。変圧器はエネルギーの変換装置であって、エネルギーの増幅装置やない。電圧を100倍に上げたら、電流は100分の1になる。だから電力(V×I)は変わらへんのや。

これはエネルギー保存の法則そのものや。もし変圧器で電力を増やせるなら、永久機関ができてしまう。物理法則がそれを許さへんのやで。

電力保存のイメージ(降圧の場合) 一次側 V₁ = 1000V(高い) I₁ = 1A(小さい) 変圧器 a = 10 二次側 V₂ = 100V(低い) I₂ = 10A(大きい) P₁ = 1000W P₂ = 1000W

この図を見てくれ。電圧は10分の1に下がったけど、電流は10倍に増えてる。だから電力はどっちも1000Wで同じや。シーソーの片方が下がったら、もう片方が上がる。でも全体の重さ(電力)は変わらん。これが理想変圧器の本質やで。

実際の変圧器では、巻線の抵抗や鉄心の損失があるから、出力電力は入力電力より少し小さくなる。でも大型の変圧器なら効率は99%以上にもなるから、理想変圧器の仮定はかなり現実に近いんやで。

メインルート

ほな第3問、電力保存の理解を確認するで!

🧠 問題3(15点)

理想変圧器に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

サポートルート

大丈夫やで、もう一回整理しよか。

①は正しいで。電圧を2倍にしたら電流は半分、電圧を10倍にしたら電流は10分の1になる。V×Iが一定やからな。

②も正しい。これが理想変圧器の大前提や。損失がゼロやから、入力=出力や。

③が間違いや。変圧器は電力を増やすことはできない。電圧を上げても電流が下がるだけで、電力(V×I)は変わらへんのや。

🔄 確認問題

理想変圧器で電圧を5倍に昇圧した。電流はどうなるか。

発展ルート

さすがや!ほな、送電の話と絡めた問題いくで。

🔥 発展問題(15点)

送電時に電圧を10倍に昇圧して送電する場合、同じ電力を送るのに必要な電流は何分の1になるか。また、送電線の抵抗による電力損失 \( I^2r \) は何分の1になるか。

メインルート

さて、ここからは理想変圧器の公式を使って、実際の電力系統での使われ方を考えてみよか。

電力系統では変圧器は「降圧」と「昇圧」の2通りで使われるんやったな。これを巻数比 \( a \) で整理するで。

降圧変圧器( \( a > 1 \) )は、一次側の巻数が二次側より多い変圧器や。電柱の上についてる柱上変圧器がこれやで。6600Vを100V/200Vに降圧して、各家庭に届けてるんや。巻数比は \( a = 6600/200 = 33 \) とか \( a = 6600/100 = 66 \) とかになるな。

昇圧変圧器( \( a < 1 \) )は、二次側の巻数が一次側より多い変圧器や。発電所の出口でこれが使われてる。発電機の出力は数千V〜2万V程度やけど、これを27万5千V〜50万Vに昇圧して送電するんや。なぜ昇圧するかというと、さっき学んだ通り、電圧を上げれば電流が減って送電損失が激減するからやで。

電力系統における変圧器の役割 発電所 2万V 昇圧 a < 1 50万V (高電圧=低電流) 降圧 a > 1 6600V 降圧 a > 1 家庭 100V 昇圧のメリット 電流を減らして 送電損失(I²r)を削減 → 高電圧送電が経済的 降圧のメリット 安全な電圧に変換 家電製品で使える100V → 人体への安全性確保

こうやって見ると、発電所から家庭まで電気が届く過程で、変圧器は何回も電圧を変換してるんやで。昇圧して高電圧で効率よく送電し、降圧して安全な電圧で使う。この繰り返しが現代の電力系統の基本なんや。

💡 電力系統を物流にたとえると、昇圧変圧器は「大型トラックへの積み替え」、降圧変圧器は「宅配便の小分け」みたいなもんや。長距離は大型トラック(高電圧)で効率よく運んで、最後の配達は小さな軽トラ(低電圧)で家庭まで届ける。変圧器はこの「積み替え」を担ってるんやな。

メインルート

ここで、計算の型をしっかり身につけとこか。電験三種では「巻数比→電圧→電流」の流れで計算する問題がめっちゃ出るからな。

📌 計算の3ステップ

① 巻数比を求める:\( a = \dfrac{N_1}{N_2} \)

② 電圧を求める:\( V_2 = \dfrac{V_1}{a} \) または \( V_1 = a \cdot V_2 \)

③ 電流を求める:\( I_1 = \dfrac{I_2}{a} \) または \( I_2 = a \cdot I_1 \)

ほな、具体的な計算例をやってみるで。

【例題】一次巻線3300回、二次巻線150回の理想変圧器がある。一次側に6600Vの電圧を加え、二次側に20Aの電流が流れた。二次電圧と一次電流を求めよ。

ステップ①:巻数比を求める

\( a = \dfrac{N_1}{N_2} = \dfrac{3300}{150} = 22 \)

ステップ②:二次電圧を求める

\( V_2 = \dfrac{V_1}{a} = \dfrac{6600}{22} = 300 \) V

ステップ③:一次電流を求める

\( I_1 = \dfrac{I_2}{a} = \dfrac{20}{22} \approx 0.909 \) A

検算として電力を確認しよか:

一次側:\( P_1 = 6600 \times 0.909 \approx 6000 \) W

二次側:\( P_2 = 300 \times 20 = 6000 \) W

バッチリ一致!電力が保存されてるのが確認できたな。

この「検算で電力が一致するか確認する」っていうのは、試験で計算ミスを防ぐためのめっちゃ有効なテクニックやで。V₁×I₁とV₂×I₂が一致しなかったら、どこかで計算を間違えてるってことやからな。

メインルート

ほな第4問、計算力を試すで!

🧠 問題4(10点)

一次電圧6600V、二次電圧110Vの理想変圧器がある。この変圧器の巻数比 \( a \) はいくらか。

サポートルート

落ち着いて計算しよか。巻数比 \( a \) は電圧の比からも求められるで。

\( a = \dfrac{V_1}{V_2} = \dfrac{6600}{110} = 60 \)

電圧比がそのまま巻数比になるのが、理想変圧器の便利なところやな。

🔄 確認問題

一次電圧2200V、二次電圧110Vの場合、巻数比はいくらか。

発展ルート

さすがや!ほな、逆方向から考える問題いくで。

🔥 発展問題(15点)

二次側に50Ωの負荷が接続された巻数比30の理想変圧器がある。一次側から見た二次側負荷のインピーダンス(一次換算値)はいくらか。(ヒント:次の第5講で学ぶ内容の先取りです)

メインルート

第5問は総合的な計算問題やで!

🧠 問題5(20点)

一次巻線が4000回、二次巻線が200回の理想変圧器がある。一次電圧が6600Vのとき、二次側に接続された負荷に33Aの電流が流れた。この変圧器の二次電圧と一次電流をそれぞれ求め、正しい組み合わせを選べ。

サポートルート

順番にやっていこか。3ステップの手順を使うんやで。

①巻数比:\( a = \dfrac{4000}{200} = 20 \)

②二次電圧:\( V_2 = \dfrac{6600}{20} = 330 \) V

③一次電流:\( I_1 = \dfrac{33}{20} = 1.65 \) A

検算:\( 6600 \times 1.65 = 10890 \) W、\( 330 \times 33 = 10890 \) W → 一致!

🔄 確認問題

巻数比20で二次電流が33Aのとき、一次電流を求める式はどれか。

発展ルート

完璧やな!ほな、電験三種の過去問レベルの問題いくで。

🔥 発展問題(20点)

定格一次電圧6600V、定格二次電圧210V、定格容量50kVAの理想変圧器がある。二次側に力率1.0の負荷を接続して定格運転した場合の二次電流と一次電流の組合せとして、最も近いものはどれか。

メインルート

さて、ここまで理想変圧器の公式をがっつり学んできたな。ここで理想と現実のギャップについても触れておこか。

理想変圧器では「損失ゼロ」を仮定してたけど、現実の変圧器では以下のような損失が発生するんや。

① 銅損(巻線の抵抗損):巻線に電流が流れると、巻線の抵抗 \( r \) によって \( I^2 r \) の熱損失が生じる。これが銅損や。負荷電流の2乗に比例するから、負荷が大きくなるほど銅損も大きくなるで。

② 鉄損(鉄心の損失):鉄心の中で磁束が変化すると、ヒステリシス損と渦電流損が発生する。これらをまとめて鉄損と呼ぶ。鉄損は負荷に関係なくほぼ一定で、電圧と周波数で決まるんや。

③ 漏れ磁束:一次巻線が作った磁束のうち、一部が鉄心の外に漏れて二次巻線を貫かないことがある。この漏れ磁束は「漏れリアクタンス」として等価回路で表されるで。

でもな、現実の変圧器でも効率は非常に高いんや。大型の電力用変圧器なら効率99%以上は普通やで。つまり、理想変圧器の仮定は「ほぼ現実に近い近似」なんや。

せやから、電験三種の計算問題では基本的に理想変圧器の公式を使って計算し、必要に応じて損失分を補正するっていうアプローチになるんや。この「理想+補正」の考え方が第6講以降で学ぶ「等価回路」につながっていくで。

📌 理想変圧器の公式が使える場面

⚡ 「理想変圧器」と明記された問題 → そのまま使える

⚡ 「損失を無視する」と書かれた問題 → そのまま使える

⚡ 概算・見積もりレベルの計算 → 十分使える

⚡ 実際の変圧器の問題 → 補正が必要(第6講以降で学ぶ)

メインルート

電験三種で変圧器の問題を解くとき、よくある間違いパターンを先に知っておくと、本番でミスを防げるで。ここは試験対策として超重要やからな。

❌ 間違い①:巻数比の分子と分母を逆にする

巻数比 \( a \) は必ず「一次÷二次」\( = N_1/N_2 \) や。「二次÷一次」で計算してしまうと、すべての答えが逆転してしまう。一次が分子、二次が分母。これは絶対に間違えたらあかん。

❌ 間違い②:電流比の向きを電圧比と同じにする

電圧比は \( V_1/V_2 = a \) やけど、電流比は \( I_1/I_2 = 1/a \) で逆数になる。ここを混同して「電流も巻数に比例する」と勘違いするパターンが多いんや。電圧は巻数に比例、電流は巻数に反比例。この違いを叩き込んでくれ。

❌ 間違い③:変圧器で電力が増幅されると思う

何度も言うけど、理想変圧器では \( V_1 I_1 = V_2 I_2 \) や。電圧を10倍にしても電力は10倍にならへん。電流が10分の1になるから、電力は同じや。

❌ 間違い④:容量(kVA)と電力(kW)を混同する

変圧器の容量は「皮相電力」で \( S = V \times I \) [VA] で表す。電力 \( P = V I \cos\phi \) [W] とは違うんや。力率が1でない限り、\( S \neq P \) やで。ただし、理想変圧器で力率1の問題なら \( S = P \) になるから、問題文をよく読むことが大事や。

💡 覚え方のコツを教えるで。「電圧と巻数は仲良し(比例)、電流と巻数は天邪鬼(反比例)」って覚えるんや。なんで電流が天邪鬼かっていうと、電力を一定に保つために、電圧と逆方向に動かないとあかんからやな。

ほな、これらの間違いパターンを踏まえて問題を解いてみよか!

メインルート

第6問や!間違いパターンを見抜けるか試すで。

🧠 問題6(15点)

理想変圧器に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

サポートルート

整理しよか。巻数比 \( a = N_1/N_2 \) が大きいということは、一次巻線の方がずっと巻数が多いということやで。

①について:\( I_2 = a \cdot I_1 \) やから、aが大きいと二次電流は大きくなる。だから①は間違いや。

②について:電圧が上がると電流は下がる。逆方向に変化するから②も間違いやな。

③について:\( V_2 = V_1/a \) やから、aが大きいと二次電圧は小さくなる。これが正しいで!

🔄 確認問題

巻数比が大きくなると、二次電流はどうなるか。

発展ルート

さすがや!ほな、応用問題いくで。

🔥 発展問題(20点)

一次電圧22000V、二次電圧6600Vの理想変圧器がある。二次側に力率0.8(遅れ)の三相負荷が接続され、二次側の線電流が100Aであった。この変圧器の容量〔kVA〕に最も近いものはどれか。(ヒント:三相の皮相電力 \( S = \sqrt{3} V I \))

メインルート

第7問や!公式の使い分けを確認するで。

🧠 問題7(15点)

巻数比 \( a = 30 \) の理想変圧器の一次側に6600Vを加えた。二次側の電圧 \( V_2 \) と、二次側に10Aが流れたときの一次電流 \( I_1 \) の組み合わせとして正しいものはどれか。

サポートルート

一つずつ確認していこか。

二次電圧:\( V_2 = \dfrac{V_1}{a} = \dfrac{6600}{30} = 220 \) V

一次電流:\( I_1 = \dfrac{I_2}{a} = \dfrac{10}{30} = \dfrac{1}{3} \) A

ポイントは、電圧はaで割る、電流もaで割るということや。降圧変圧器では二次側の電圧は小さく、一次側の電流は小さくなるんやで。

🔄 確認問題

V₂ = 220V、I₁ = 1/3Aのとき、P₁ = V₁ × I₁ と P₂ = V₂ × I₂ は等しくなるか。

発展ルート

さすがや!ほな最後の発展問題や。

🔥 発展問題(20点)

理想変圧器の一次巻線に6600Vを加え、二次巻線に10Ωの純抵抗負荷を接続したところ、二次電流が22Aとなった。このときの巻数比 \( a \) として正しいものはどれか。

メインルート

ラスト!第8問は今日の総まとめ問題やで!

🧠 問題8(25点)

理想変圧器に関する記述A〜Dについて、正しいものの組み合わせはどれか。

A:電圧の比は巻数の比に等しい

B:電流の比は巻数の比に等しい

C:入力電力は出力電力より常に大きい

D:電圧を上げると電流は下がり、電力は保存される

サポートルート

ひとつずつ確認しよか。

A:\( V_1/V_2 = N_1/N_2 = a \) → 正しい。電圧比=巻数比やで。

B:電流比は \( I_1/I_2 = 1/a = N_2/N_1 \) → 巻数の逆比になるから間違い。「電流比=巻数比」ではなく「電流比=巻数比の逆数」やで。

C:理想変圧器では入力=出力 → 間違い。「常に大きい」のは現実の変圧器の話やな。

D:電圧↑なら電流↓、V×I=一定 → 正しい

せやから、正しいのはAとDの組み合わせやで。

🔄 確認問題

理想変圧器で「電流の比は巻数の比の逆数」になる理由は何か。

発展ルート

完璧や!ほな、最後の発展問題いくで!

🔥 発展問題(20点)

理想変圧器の二次側に接続された負荷のインピーダンスを \( Z_2 \) とする。一次側から見た等価インピーダンス \( Z_1' \) を巻数比 \( a \) で表した式として正しいものはどれか。

メインルート

お疲れさん!第4講、完走やで!🎉

今日は変圧器シリーズの中でも最重要の回やったで。ここで学んだ3つの公式は、この先の全講座で何度も使うことになる。しっかり身につけておいてな。

📌 今日のまとめ:3つの超重要公式

巻数比:\( a = \dfrac{N_1}{N_2} \) (一次÷二次)

電圧の関係:\( \dfrac{V_1}{V_2} = a \) (巻数に比例)

電流の関係:\( \dfrac{I_1}{I_2} = \dfrac{1}{a} \) (巻数に反比例)

電力保存:\( V_1 I_1 = V_2 I_2 \) (入力=出力)

特に覚えておいてほしいのは、「電圧は巻数に比例、電流は巻数に反比例、でも電力は保存される」というポイントや。このシーソーの関係がすべての基本やで。

📚 次回予告:第5講「インピーダンス変換」

次回は、二次側の負荷を一次側に換算する「インピーダンス変換」を学ぶで。\( Z' = a^2 Z \) という公式が登場する。今日学んだ電圧比と電流比の関係から、なぜ a² になるのかを導出するで!

🎉 第4講 完了!

今回のスコア 0

📊 学習の記録

    📚 次回予告:第5講「インピーダンス変換」

    Z' = a²Z の意味を徹底解説!二次側の負荷を一次側に換算する方法を学び、等価回路への橋渡しをします。

    次の講座へ進む