同期機

第10講 電圧変動率

ε = (E - V) / V × 100 の意味と計算

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よっしゃ!第10講いくで!

今回のテーマは「電圧変動率」や。

発電機の負荷が変わったとき、端子電圧がどれだけ変化するかを表す指標やで。

計算問題でよく出るから、しっかりマスターしよな!

📚 この講座で学ぶこと

✅ 電圧変動率の定義

✅ 電圧変動率の計算方法

✅ 力率による電圧変動率の変化

✅ 簡略式を使った計算

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まず電圧変動率の定義から説明するで。

\( \varepsilon = \dfrac{V_0 - V_n}{V_n} \times 100 \) [%]
\(\varepsilon\): 電圧変動率
\(V_0\): 無負荷時の端子電圧
\(V_n\): 定格負荷時の端子電圧

言葉で言うと:

「定格負荷を外したとき、電圧が何%上がるか」

電圧変動率のイメージ 定格負荷時 Vn 端子電圧 負荷を 外す 無負荷時 V₀ (= E) 電圧上昇 ε = (V₀ - Vn) / Vn × 100 [%]
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ここで重要なポイント!

無負荷時は電機子電流がゼロやから...

無負荷時(\(I_a = 0\)):

電圧方程式 \(\dot{E} = \dot{V} + jX_s\dot{I}_a\) で

\(I_a = 0\) やから...

\(V_0 = E\)(誘導起電力そのもの)

\( \varepsilon = \dfrac{E - V_n}{V_n} \times 100 \) [%]
無負荷電圧 \(V_0\) を誘導起電力 \(E\) で置き換えた形

🔑 ポイント

・電圧変動率はE と Vn の差で決まる

・E が Vn より大きいほど、電圧変動率も大きい

・前回学んだベクトル図の知識が活きてくるで!

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電圧変動率は力率によって大きく変わるんや。

ベクトル図を思い出しながら見ていこか。

力率別の電圧変動率 遅れ力率 E >> V ε:大(正) 電圧が大きく上昇 力率1 E > V ε:中(正) 電圧が上昇 進み力率 E ≈ V ε:小または負 電圧変化小/低下も 力率 cosθ ε 0 遅れ 1 進み

🔑 覚えておこう

遅れ力率:電圧変動率大(正)

力率1:電圧変動率中(正)

進み力率:電圧変動率小または負

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ほな、確認問題や!

🧠 問題1

同期発電機の電圧変動率が最も大きくなる力率はどれか?

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ベクトル図を思い出そか。

電圧変動率 = (E - V) / V

・遅れ力率:E が V より大きく離れる → ε大

・力率1:E が V よりやや大きい → ε中

・進み力率:E と V が近い → ε小

💡 ポイント

遅れ力率では減磁作用で電圧降下が大きい

→ 負荷を外すと電圧が大きく上がる!

🔄 確認問題

電圧変動率が負になることがあるのはどの力率?

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さすがや!ほな発展問題いくで。

🔥 発展問題

電圧変動率が負になるとはどういう状態か?

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実際に電圧変動率を計算する方法を見ていこか。

ベクトル図から E を求めて計算する方法や。

ベクトル図から E を求める V Ia θ RaIa jXsIa E E = √[(V + RaIa cosθ + XsIa sinθ)² + (XsIa cosθ - RaIa sinθ)²]

💡 この式は複雑...

試験ではRa を無視した簡略式がよく使われる!

次のステップで説明するで。

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電機子抵抗 \(R_a\) を無視した簡略式を覚えよう!

\( E = \sqrt{(V\cos\theta + X_sI_a)^2 + (V\sin\theta)^2} \)
\(E\): 誘導起電力
\(V\): 端子電圧、\(\theta\): 力率角
\(X_s\): 同期リアクタンス、\(I_a\): 電機子電流

遅れ力率の場合(\(\cos\theta\) 遅れ):

\( E = \sqrt{(V\cos\theta + X_sI_a)^2 + (V\sin\theta)^2} \)

進み力率の場合(\(\cos\theta\) 進み):

\( E = \sqrt{(V\cos\theta - X_sI_a)^2 + (V\sin\theta)^2} \)

※ \(X_sI_a\) の符号がマイナスになる!

⚠️ 注意点

・遅れ力率:\(X_sI_a\) を足す

・進み力率:\(X_sI_a\) を引く

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力率1の場合は特に簡単やで!

力率1のとき(\(\cos\theta = 1, \sin\theta = 0\)):

\( E = \sqrt{(V + X_sI_a)^2 + 0^2} \)

\( E = V + X_sI_a \)

\( E = V + X_sI_a \)(力率1の場合)
力率1では E と V が同相で、単純な足し算になる

電圧変動率:

\( \varepsilon = \dfrac{E - V}{V} \times 100 = \dfrac{X_sI_a}{V} \times 100 \)

🔑 力率1の電圧変動率

\( \varepsilon = \dfrac{X_sI_a}{V} \times 100 = \%X_s \)(百分率リアクタンス)

定格運転時は百分率同期リアクタンスに等しい!

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ほな、計算問題や!

🧠 問題2

同期発電機の定格電圧 \(V = 200\) V、同期リアクタンスによる電圧降下 \(X_sI_a = 40\) V のとき、力率1での電圧変動率は何%か?(電機子抵抗は無視)

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力率1の公式を使おか。

力率1での計算:

\( E = V + X_sI_a = 200 + 40 = 240 \) V

\( \varepsilon = \dfrac{E - V}{V} \times 100 \)

\( = \dfrac{240 - 200}{200} \times 100 \)

\( = \dfrac{40}{200} \times 100 = 20\% \)

💡 別解

\( \varepsilon = \dfrac{X_sI_a}{V} \times 100 = \dfrac{40}{200} \times 100 = 20\% \)

🔄 確認問題

この問題で誘導起電力 E はいくら?

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さすがや!ほな発展問題いくで。

🔥 発展問題

同じ条件(\(V = 200\) V、\(X_sI_a = 40\) V)で、遅れ力率0.8のとき誘導起電力 E はいくらか?(電機子抵抗無視、\(\sin\theta = 0.6\))

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さらに簡単な近似式もあるで。

\(\%Z_s\) を使った便利な式や!

\( \varepsilon \approx \%R_a \cos\theta + \%X_s \sin\theta \)(遅れ)
\(\%R_a\): 百分率電機子抵抗
\(\%X_s\): 百分率同期リアクタンス
※ Ra無視の場合は第1項がなくなる

Ra無視(\(\%R_a = 0\))の場合:

遅れ力率:\( \varepsilon \approx \%X_s \sin\theta \)

力率1:\( \varepsilon \approx 0 \)(\(\sin 0 = 0\) やけど...実際は \(\%X_s\) になる)

💡 実用的な覚え方

・遅れ力率が大きいほど(\(\sin\theta\)↑)電圧変動率↑

・同期リアクタンスが大きいほど(\(\%X_s\)↑)電圧変動率↑

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前回学んだ短絡比との関係も確認しとこか。

短絡比と電圧変動率の関係 Ks 大 %Zs 小 電圧変動率 小 Ks 小 %Zs 大 電圧変動率 大 水力発電機(Ks大)は電圧安定、火力発電機(Ks小)は電圧変動大

🔑 つながりを整理

Ks大 → %Zs小 → 電圧変動率 小(電圧安定)

Ks小 → %Zs大 → 電圧変動率 大(電圧変動)

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ほな、問題や!

🧠 問題3

電圧変動率を小さくするための設計として正しいものはどれか?

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関係を整理しよか。

電圧変動率を小さくするには:

・\(\%Z_s\) を小さくする

・つまり \(K_s\) を大きくする

(\(K_s = 100 / \%Z_s\) の関係)

💡 ポイント

電圧変動率小 ← %Zs小 ← Ks大

🔄 確認問題

水力発電機と火力発電機、電圧変動率が小さいのは?

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さすがや!ほな発展問題いくで。

🔥 発展問題

電圧変動率を小さくするために短絡比を大きくすると、トレードオフとして発生する問題は?

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実際の発電機では自動電圧調整器(AVR)を使って電圧変動を抑制してるで。

自動電圧調整器(AVR)の動作 電圧低下 AVR 検出・制御 励磁電流 増加 E↑ → V回復 負荷変動による電圧変化を 自動的に補正

🔑 AVRの役割

・端子電圧を監視

・電圧低下 → 励磁↑ → E↑ → V回復

・電圧上昇 → 励磁↓ → E↓ → V低下

→ 電圧を一定に保つ

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ここまでの内容を総整理するで!

電圧変動率のまとめ 定義 ε = (E - V) / V × 100 [%] 力率の影響 遅れ:大 / 1:中 / 進み:小 力率1の計算 E = V + XsIa ε = %Xs 短絡比との関係 Ks大 → ε小(安定) Ks小 → ε大(変動) 実機での対策 AVR(自動電圧調整器)で励磁を制御
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よっしゃ、総合問題や!

🧠 総合問題

同期発電機の電圧変動率に関する記述として、誤っているものはどれか?

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各選択肢を確認しよか。

選択肢の確認:

① 遅れ力率 → ε 大(正) → 正しい

② 進み力率 → ε が負になることも → 正しい

③ Ks大 → ε大 → 誤り!(Ks大 → ε小)

④ AVRで励磁調整 → 正しい

💡 ポイント

Ks大 → %Zs小 → 電圧変動率 小

逆の関係に注意!

🔄 確認問題

電圧変動率が負とはどういう意味?

お疲れさん!第10講「電圧変動率」終了や!

🏆
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サポート利用
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発展正解

📝 今日のまとめ

✅ 電圧変動率:\(\varepsilon = (E - V) / V \times 100\) [%]

✅ 遅れ力率で大、進み力率で小または負

✅ 力率1:\(E = V + X_sI_a\)、\(\varepsilon = \%X_s\)

✅ Ks大 → %Zs小 → 電圧変動率 小

✅ AVRで励磁を調整して電圧を一定に保つ

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