同期機

第8講 等価回路とベクトル図

電圧方程式と力率別ベクトル図をマスター

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よっしゃ!第8講いくで!

今回のテーマは「等価回路とベクトル図」や。

前回学んだ同期インピーダンスを使って、実際の回路とベクトル図を描けるようになろな!

電験三種ではベクトル図から電圧や電流を求める問題がよく出るから、しっかりマスターしよ!

📚 この講座で学ぶこと

✅ 同期発電機の等価回路

✅ 電圧方程式の意味

✅ 力率別のベクトル図の描き方

✅ 内部相差角δの意味

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まず、同期発電機の等価回路を見てみよか。

同期発電機の等価回路(1相分) E Ra jXs V 負荷へ Ia 誘導起電力 電機子抵抗 同期リアクタンス 端子電圧

🔑 等価回路の構成

・\(E\):誘導起電力(励磁で作る)

・\(R_a\):電機子抵抗

・\(jX_s\):同期リアクタンス(電機子反作用+漏れ)

・\(V\):端子電圧(負荷に供給)

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等価回路から電圧方程式を導くで!

\( \dot{E} = \dot{V} + (R_a + jX_s)\dot{I}_a \)
\(\dot{E}\): 誘導起電力(フェーザ)
\(\dot{V}\): 端子電圧(フェーザ)
\(\dot{I}_a\): 電機子電流(フェーザ)

式の意味:

誘導起電力 = 端子電圧 + インピーダンス降下

つまり、Eの一部がZsで消費されて、残りがVになる

💡 Ra無視の場合(よく使う)

\( \dot{E} = \dot{V} + jX_s\dot{I}_a \)

または

\( \dot{V} = \dot{E} - jX_s\dot{I}_a \)

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ここで重要なのが\(jX_s\dot{I}_a\)の意味や。

\(j\) の意味:

・\(j\) は「90°進める」という意味

・\(jX_s\dot{I}_a\) は、電流 \(\dot{I}_a\) より90°進んだ方向

jXs・Ia の方向 Ia jXs・Ia 90° j を掛けると 90°進む (反時計回り)

🔑 覚えておこう

・\(jX_s\dot{I}_a\) は電流 \(\dot{I}_a\) より90°進んだ方向

・これがベクトル図を描くときのポイント!

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ほな、確認問題や!

🧠 問題1

同期発電機の電圧方程式(Ra無視)として正しいものはどれか?

サポートルート

OK、等価回路から考えよか。

キルヒホッフの電圧則:

E から出発して一周すると...

\( E = V + Z_s \cdot I_a \)

Ra無視で \(Z_s = jX_s\) やから...

\( \dot{E} = \dot{V} + jX_s\dot{I}_a \)

💡 覚え方

誘導起電力 = 端子電圧 + 電圧降下

「E は V より大きい」イメージ!

🔄 確認問題

端子電圧 V を求める式は?

発展ルート

さすがや!ほな発展問題いくで。

🔥 発展問題

電機子抵抗 Ra を考慮した場合の電圧方程式として正しいものは?

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次はベクトル図(フェーザ図)について説明するで。

ベクトル図とは:

・交流の電圧や電流を矢印(ベクトル)で表す図

・矢印の長さ = 大きさ(実効値)

・矢印の向き = 位相

🔑 ベクトル図の描き方(基本ルール)

① まず基準を決める(通常は端子電圧 V)

② 電流 Ia の位相は力率で決まる

③ jXs・Ia は Ia より90°進み

④ E = V + jXs・Ia でベクトル的に足す

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まず一番シンプルな力率1の場合から見ていこか。

ベクトル図(力率1:cosθ = 1) O V Ia (Vと同相) jXsIa E δ 力率1のとき Ia と V は同相 jXsIa は上向き

力率1のベクトル図の特徴:

① 電流 Ia は電圧 V と同じ方向

② jXs・Ia は V に対して垂直上向き

③ E は V と jXs・Ia のベクトル和

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次は遅れ力率の場合や。これが一番よく出るで!

ベクトル図(遅れ力率) V Ia θ jXsIa E δ 遅れ力率:Ia が V より遅れる(時計回り方向)→ δ が大きくなる

🔑 遅れ力率のポイント

・電流 Ia は電圧 V より遅れる(下向きにずれる)

・jXs・Ia も下に傾くから、E は V より大きくなる

・内部相差角 δ も大きくなる

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ほな、問題いくで!

🧠 問題2

同期発電機で遅れ力率の負荷に電力を供給しているとき、誘導起電力 E と端子電圧 V の大きさの関係として正しいものは?

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ベクトル図を思い出そか。

遅れ力率の場合:

・Ia が V より下に傾く

・jXs・Ia が V を大きく伸ばす方向に加わる

・結果、E は V より大きくなる

💡 覚え方

遅れ力率 → 減磁作用 → 電圧降下大 → E > V

🔄 確認問題

遅れ力率で内部相差角δはどうなる?

発展ルート

ええぞ!ほな発展問題や。

🔥 発展問題

同期発電機で遅れ力率が大きくなると(力率が悪化すると)、同じ端子電圧を維持するために励磁電流はどうすべきか?

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最後は進み力率の場合や。

ベクトル図(進み力率) V Ia θ jXsIa E δ 進み力率:Ia が V より進む(反時計回り)→ E が V より小さくなることも

🔑 進み力率のポイント

・電流 Ia は電圧 V より進む(上向きにずれる)

・jXs・Ia が V を打ち消す方向に加わることも

・場合によってはE < V になることもある!

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3つの力率を比較してまとめるで!

力率 Iaの位相 E と V の関係 δの大きさ
遅れ Vより遅れ E > V(大) 大きい
力率1 Vと同相 E > V(中) 中程度
進み Vより進み E ≈ V または E < V 小さい

🔑 試験でよく問われるポイント

・遅れ力率 → E が一番大きい(電圧降下大)

・進み力率 → E が小さくなる(電圧上昇することも)

・電機子反作用の話と一致してるで!

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ほな、問題や!

🧠 問題3

同期発電機のベクトル図において、\(jX_s\dot{I}_a\) の方向として正しいものは?

サポートルート

\(j\) の意味を復習しよか。

\(j\) の意味:

・\(j\) は「90°進める」演算子

・\(j \times\) ベクトル = そのベクトルを反時計回りに90°回転

💡 覚え方

\(jX_s\dot{I}_a\) は Ia より90°進んだ方向

🔄 確認問題

\(-j\) を掛けるとベクトルはどうなる?

発展ルート

さすがや!ほな発展問題いくで。

🔥 発展問題

電機子抵抗 Ra を考慮した場合、ベクトル図で \(R_a\dot{I}_a\) はどの方向になるか?

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ベクトル図に出てきた内部相差角 δ について詳しく説明するで。

δ(デルタ)= E と V の位相差
E が V より進んでいる角度
内部相差角 δ の意味 V E δ δ の重要性 ・有効電力に関係 ・δ↑ → 出力↑ ・δ = 90° で最大出力

🔑 内部相差角δのポイント

・δ が大きいほど出力が大きい

・δ = 90° で最大出力(安定限界)

・δ > 90° になると脱調(同期外れ)

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最後に同期電動機との違いを確認しとこか。

同期発電機 同期電動機
電圧方程式 \(\dot{E} = \dot{V} + jX_s\dot{I}_a\) \(\dot{V} = \dot{E} + jX_s\dot{I}_a\)
E と V E が V より進む V が E より進む
電力の向き 機械→電気 電気→機械

⚠️ 試験での注意

問題文が「発電機」か「電動機」かを必ず確認!

電圧方程式の形が変わるで。

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ここまでの内容を総整理するで!

等価回路とベクトル図のまとめ 電圧方程式(発電機) Ė = V̇ + jXsİa (Ra無視の場合) j の意味 90° 進める jXsIa は Ia より90°進み 力率別のE・V関係 遅れ力率 E >> V 力率1 E > V 進み力率 E ≈ V 内部相差角 δ:Eが Vより進む角度(出力に関係)
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よっしゃ、総合問題や!

🧠 総合問題

同期発電機の等価回路とベクトル図に関する記述として、誤っているものはどれか?

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各選択肢を確認しよか。

選択肢の確認:

① jXs・Ia は Ia より90°進み → 正しい

② 遅れ力率で E > V → 正しい

③ 進み力率でδが大きくなる → 誤り!(小さくなる)

④ δ = 90° で最大出力 → 正しい

💡 ポイント

進み力率では jXs・Ia が V を打ち消す方向に働くから、

E と V の差が小さくなり、δも小さくなる

🔄 確認問題

遅れ力率と進み力率、どちらがδが大きい?

お疲れさん!第8講「等価回路とベクトル図」終了や!

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📝 今日のまとめ

✅ 電圧方程式:\(\dot{E} = \dot{V} + jX_s\dot{I}_a\)(発電機)

✅ \(jX_s\dot{I}_a\) は Ia より90°進んだ方向

✅ 遅れ力率:E >> V、進み力率:E ≈ V

✅ 内部相差角δ:Eが Vより進む角度

✅ δ = 90° で最大出力(安定限界)

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