すべり s ひとつで電力の配分が丸わかり!
よっしゃ!第14講「電力の公式」を始めるで!
前回の第13講では、誘導電動機の電力の流れを学んだな。電源から入った電力 \( P_1 \) が、一次銅損・鉄損を経て二次入力 \( P_g \) になり、そこからさらに二次銅損 \( P_{c2} \) と機械出力 \( P_2 \) に分かれるっていう流れやった。
今回はいよいよ、その二次入力 \( P_g \) がどんな割合で分配されるかを数式で表す公式を学ぶで。これがまた、めちゃくちゃキレイな式になるんや。なんとすべり \( s \) だけで電力の配分が決まるんやで!
📚 この講座で学ぶこと
⚡ 二次銅損の公式 \( P_{c2} = sP_g \) の導出と意味
⚡ 機械出力の公式 \( P_2 = (1-s)P_g \) の導出と意味
⚡ 電力の比の関係 \( P_g : P_{c2} : P_2 = 1 : s : (1-s) \)
⚡ すべりと電力配分の関係を視覚的に理解
⚡ 電験三種で頻出の電力計算問題の解き方
この公式をマスターしたら、誘導電動機の電力計算は怖いもんなしやで。ほな、始めよか!
まずは前回の復習から入ろか。二次入力 \( P_g \)のことを思い出してほしいんや。
誘導電動機に電源から入る電力を \( P_1 \) とするやろ。この \( P_1 \) から一次銅損 \( P_{c1} \)(一次巻線の抵抗で発生する熱損失)と鉄損 \( P_i \)(鉄心のヒステリシス損や渦電流損)を引いたものが、回転磁界を通じて回転子に伝わる電力や。これが二次入力 \( P_g \)、別名「同期ワット」とも呼ばれるんやったな。
なんで「同期ワット」って呼ぶかっていうと、この電力は回転磁界(同期速度 \( N_s \) で回る)を介して伝わるエネルギーやからや。つまり、固定子の回転磁界から回転子へ「空間を超えて」渡される電力なんやで。
さて、この二次入力 \( P_g \) が回転子に入ったら、次はどうなるか?回転子の中で二次銅損 \( P_{c2} \)(回転子の導体の抵抗による損失)が発生して、残りが機械出力 \( P_2 \)(実際に軸を回す力に変わるエネルギー)になるんや。
この図が今回の講座の核心や。二次入力 \( P_g \) のうち、すべり \( s \) の割合が銅損になり、残りの \( (1-s) \) の割合が機械出力になる。なぜこんなキレイな関係になるのか、これから順を追って導出していくで!
いきなり公式を導出する前に、まずはイメージを掴もか。
🍰 二次入力 \( P_g \) を1ホールのケーキにたとえてみよう。
このケーキを2つに切り分けるんやけど、その切り方を決めるのがすべり \( s \)や。
すべりが \( s = 0.05 \)(5%)の場合、ケーキの5%が「二次銅損」(熱として失われるロス分)、残りの95%が「機械出力」(実際に仕事をする分)になる。
すべりが小さいほど、ロスが少なくて、たくさんの電力が機械出力に回るってことやな!
これ、めちゃくちゃ直感的やろ?普通の運転状態ではすべりは2〜5%くらいやから、二次入力のほとんど(95〜98%)が機械出力になるんや。二次銅損はたったの2〜5%だけ。誘導電動機がエネルギー効率の良い機械やと言われる理由のひとつがここにあるんやで。
ほな、なぜすべり \( s \) が電力の配分を決めるのか?その理由を数式で確認していこか。
カギになるのは、前に学んだ等価回路の考え方や。誘導電動機の二次側等価回路では、回転子の抵抗が \( \frac{r_2}{s} \) と表されるんやったな。この \( \frac{r_2}{s} \) を次のように分解してみるで。
この式の右辺を見てみ。最初の \( r_2 \) は回転子の実際の抵抗で、ここで消費される電力が二次銅損 \( P_{c2} \) や。二番目の \( r_2 \cdot \frac{1-s}{s} \) は機械出力を表す「仮想的な抵抗」で、ここで「消費」される電力が機械出力 \( P_2 \) として軸から取り出されるんや。
この分解がめちゃくちゃ重要や。等価回路上では「抵抗」として見えるけど、実際には回転子が回転することで軸から取り出される機械エネルギーを表してるんやで。
ここがポイントや。二次電流 \( I_2 \) は直列回路を流れるから、どちらの抵抗にも同じ電流が流れる。せやから、各部分で消費される電力の比は抵抗の比そのものになるんや。
\( r_2 \) と \( r_2 \cdot \frac{1-s}{s} \) の比を取ると、\( r_2 \) が打ち消し合って \( s : (1-s) \) になる。つまり、二次銅損と機械出力の比は \( s : (1-s) \) という、すべりだけで決まるシンプルな関係になるんやで!
ほな、いよいよ公式を導出するで。まずは二次銅損 \( P_{c2} = sP_g \) から行こか。
三相誘導電動機の二次側を考えると、二次電流を \( I_2 \)、回転子の1相あたりの抵抗を \( r_2 \) とすると、三相分の二次銅損は次のようになるな。
ステップ① 二次銅損の基本式
\( P_{c2} = 3 I_2^2 r_2 \) [W]
一方、二次入力 \( P_g \) は、二次側等価回路で考えると、\( \frac{r_2}{s} \) の抵抗で消費される電力全体やから:
ステップ② 二次入力の等価回路表現
\( P_g = 3 I_2^2 \cdot \frac{r_2}{s} \) [W]
ここで、ステップ①をステップ②で割ってみるで。
ステップ③ 比を取る
\( \frac{P_{c2}}{P_g} = \frac{3 I_2^2 r_2}{3 I_2^2 \cdot \frac{r_2}{s}} = \frac{r_2}{\frac{r_2}{s}} = \frac{r_2 \cdot s}{r_2} = s \)
見事に \( 3I_2^2 \) も \( r_2 \) も消えて、\( s \) だけが残ったな!両辺に \( P_g \) をかければ:
📌 この公式の意味
⚡ 二次銅損は、二次入力のうち「すべり \( s \) の割合」に等しい
⚡ すべりが大きいほど、二次銅損が増える(効率が悪くなる)
⚡ すべりが0なら二次銅損もゼロ(ただし、すべり0では誘導電動機は動かない)
たとえば、すべり \( s = 0.04 \)(4%)で運転している誘導電動機があるとしよう。二次入力が \( P_g = 50 \) kW なら、二次銅損は:
\( P_{c2} = 0.04 \times 50 = 2 \) kW
たったの2 kWや。50 kWのうちの2 kWしか熱として失われへん。これが誘導電動機の効率の良さの秘密のひとつやで。
次は、残りの機械出力 \( P_2 \) の公式を導出するで!
ほな、ここまでの理解を確認する問題や!
三相誘導電動機の二次入力(同期ワット)が \( P_g = 30 \) kW、すべりが \( s = 0.05 \) のとき、二次銅損 \( P_{c2} \) はいくらか。
二次銅損の公式をもう一度確認しよか。\( P_{c2} = sP_g \) やったな。
すべり \( s \) は「二次入力のうち、どれだけの割合が熱として失われるか」を表してるんや。
すべり \( s = 0.03 \)、二次入力 \( P_g = 100 \) kW のとき、二次銅損はいくらか。
三相誘導電動機の二次銅損が 2 kW、機械出力が 38 kW であるとき、この電動機のすべり \( s \) はいくらか。
よっしゃ、次は機械出力 \( P_2 = (1-s)P_g \) の導出やで。
これは実はめちゃくちゃ簡単や。二次入力 \( P_g \) から二次銅損 \( P_{c2} \) を引けば、残りが機械出力 \( P_2 \) になるやろ?
ステップ① 基本関係
\( P_2 = P_g - P_{c2} \)
ここに、さっき導出した \( P_{c2} = sP_g \) を代入するで。
ステップ② 代入
\( P_2 = P_g - sP_g = P_g(1 - s) \)
はい、出ました!
こっちも等価回路からの導出を確認しとこか。二次側等価回路で、機械出力を表す等価抵抗は \( r_2 \cdot \frac{1-s}{s} \) やった。ここで消費される電力は:
等価回路からの導出
\( P_2 = 3I_2^2 \cdot r_2 \cdot \frac{1-s}{s} \)
一方 \( P_g = 3I_2^2 \cdot \frac{r_2}{s} \) やから
\( \frac{P_2}{P_g} = \frac{r_2 \cdot \frac{1-s}{s}}{\frac{r_2}{s}} = (1-s) \)
こちらの方法でも同じ結果が出るな。どちらのアプローチでも \( P_2 = (1-s)P_g \) が導けるんや。
📌 機械出力の公式のポイント
⚡ 機械出力は二次入力の \( (1-s) \) の割合
⚡ すべりが小さいほど機械出力の割合が大きい(効率がいい)
⚡ 通常運転時(s = 0.02〜0.05)では 95〜98% が機械出力に!
さっきの例と同じ条件で確認しよか。\( s = 0.04 \)、\( P_g = 50 \) kW なら:
\( P_2 = (1 - 0.04) \times 50 = 0.96 \times 50 = 48 \) kW
50 kW 中 48 kW が機械出力で、2 kW が二次銅損。合計 48 + 2 = 50 kW で、ちゃんと \( P_g \) と一致するな!
ここまでの2つの公式をまとめると、めちゃくちゃキレイな比の関係が見えてくるんや。
二次入力 \( P_g \)、二次銅損 \( P_{c2} \)、機械出力 \( P_2 \) を並べてみ。
この比の関係は電験三種で超頻出やで。なんでかっていうと、この式ひとつで \( P_g \)、\( P_{c2} \)、\( P_2 \) のどれか一つと \( s \) が分かれば、残りの2つが全部求められるからや。
この図を見ると、普通の運転状態(すべり5%)では二次銅損はほんの一部で、ほとんどが機械出力になってるのが一目瞭然やな。
ちなみに、この比の関係を使えば、いろんな逆算ができるようになるで。たとえば:
「機械出力が 38 kW で、すべりが 0.05 のとき、二次入力はいくら?」
→ \( P_2 = (1-s)P_g \) より \( P_g = \frac{P_2}{1-s} = \frac{38}{0.95} = 40 \) kW
「二次入力が 40 kW で、すべりが 0.05 のとき、二次銅損はいくら?」
→ \( P_{c2} = sP_g = 0.05 \times 40 = 2 \) kW
こんな感じで、比の関係を自在に使いこなせるようになることが今回の最大の目標やで!
比の関係を使いこなす問題いくで!
三相誘導電動機の二次入力が \( P_g = 80 \) kW、すべりが \( s = 0.04 \) のとき、機械出力 \( P_2 \) はいくらか。
機械出力の公式を確認しよか。\( P_2 = (1-s)P_g \) やで。すべり \( s \) の分だけ銅損として失われて、残りの \( (1-s) \) の割合が機械出力になるんや。
\( P_g = 50 \) kW、\( s = 0.02 \) のとき、機械出力 \( P_2 \) はいくらか。
三相誘導電動機の機械出力が \( P_2 = 57 \) kW、二次銅損が \( P_{c2} = 3 \) kW のとき、すべり \( s \) はいくらか。
ここで、電験三種に出そうな本格的な計算例を一緒にやってみよか。
📝 例題:4極、60 Hz の三相誘導電動機が 1728 min⁻¹ で運転している。一次入力 \( P_1 = 55 \) kW、一次銅損 \( P_{c1} = 2 \) kW、鉄損 \( P_i = 1.5 \) kW のとき、二次銅損 \( P_{c2} \) と機械出力 \( P_2 \) を求めよ。
この問題は、今まで学んだ知識を総動員する必要があるで。ステップバイステップでやっていこか。
ステップ① 同期速度を求める
\( N_s = \frac{120f}{p} = \frac{120 \times 60}{4} = 1800 \) min⁻¹
ステップ② すべりを求める
\( s = \frac{N_s - N}{N_s} = \frac{1800 - 1728}{1800} = \frac{72}{1800} = 0.04 \)
ステップ③ 二次入力を求める
\( P_g = P_1 - P_{c1} - P_i = 55 - 2 - 1.5 = 51.5 \) kW
ステップ④ 二次銅損を求める
\( P_{c2} = sP_g = 0.04 \times 51.5 = 2.06 \) kW
ステップ⑤ 機械出力を求める
\( P_2 = (1-s)P_g = (1 - 0.04) \times 51.5 = 0.96 \times 51.5 = 49.44 \) kW
検算してみよか。\( P_{c2} + P_2 = 2.06 + 49.44 = 51.5 \) kW で、\( P_g \) と一致するな。完璧や!
📌 計算手順のまとめ
⚡ ① 同期速度 \( N_s \) を求める
⚡ ② すべり \( s \) を求める
⚡ ③ 二次入力 \( P_g = P_1 - P_{c1} - P_i \) を求める
⚡ ④ \( P_{c2} = sP_g \) と \( P_2 = (1-s)P_g \) を計算
この手順は電験三種でも定番中の定番やから、体に染み込ませるくらい繰り返し練習してほしいで。
ほな、自分で計算してみる問題や!
6極、50 Hz の三相誘導電動機が 960 min⁻¹ で運転している。二次入力が \( P_g = 40 \) kW のとき、機械出力 \( P_2 \) はいくらか。
この問題はまず同期速度とすべりを求めるところからやな。6極、50 Hz なら \( N_s = \frac{120 \times 50}{6} = 1000 \) min⁻¹ や。回転速度が 960 min⁻¹ やから、すべりは \( s = \frac{1000 - 960}{1000} = 0.04 \) やで。
すべりが \( s = 0.04 \)、二次入力が \( P_g = 40 \) kW のとき、二次銅損 \( P_{c2} \) はいくらか。
4極、60 Hz の三相誘導電動機において、一次入力 \( P_1 = 45 \) kW、一次銅損 \( P_{c1} = 1.5 \) kW、鉄損 \( P_i = 1 \) kW、回転速度 \( N = 1710 \) min⁻¹ のとき、機械出力 \( P_2 \) [kW] として最も近い値はどれか。
ここで、すべりと電力配分の関係をグラフで視覚的に理解しておこか。
すべり \( s \) が変わると、二次入力 \( P_g \) のうち二次銅損と機械出力の配分がどう変わるかを見てみるで。
このグラフから読み取れることを整理するで。
すべりが小さいとき(定格運転域、s = 0.02〜0.05):緑の線(機械出力の割合)がほぼ1.0(100%)に近い。つまり、二次入力のほとんどが機械出力になり、二次銅損はわずかしかない。これが誘導電動機の通常運転の状態や。
すべりが大きいとき(始動時、s = 1):赤の線と緑の線が入れ替わる。すべり \( s = 1 \) では二次銅損の割合が100%、機械出力は0%。つまり、始動の瞬間は二次入力が全部熱になってしまうんや!だから始動時は電動機が発熱するんやで。
\( s = 0.5 \) のところで2つの線が交差してるな。このとき二次銅損と機械出力が等しくなる。でも、こんなに大きなすべりで運転することは通常ないから、あくまで理論上の話やで。
📌 すべりと電力配分の関係
⚡ すべりが小さい → 銅損小、機械出力大 → 効率がいい
⚡ すべりが大きい → 銅損大、機械出力小 → 効率が悪い
⚡ 始動時(s=1)→ 全部銅損、機械出力ゼロ → 大きな発熱!
グラフの理解を確認する問題やで!
三相誘導電動機の始動時(s = 1)における二次銅損と機械出力について、正しい記述はどれか。
始動時は s = 1 やったな。公式に代入してみ。\( P_{c2} = sP_g = 1 \times P_g = P_g \)(全部銅損)、\( P_2 = (1-s)P_g = (1-1)P_g = 0 \)(機械出力ゼロ)や。
すべり \( s = 0 \) のとき(理論上の値)、二次銅損と機械出力はどうなるか。
ある三相誘導電動機の二次入力が \( P_g = 60 \) kW である。このとき、二次銅損が機械出力の \( \frac{1}{19} \) であった。すべり \( s \) はいくらか。
ここでちょっと立ち止まって、電力公式の物理的な意味をもう少し深掘りしてみようか。
「なんですべり \( s \) がそのまま電力の配分比になるねん?」って疑問に思わへんか?これにはちゃんとした物理的な理由があるんや。
回転磁界は同期速度 \( N_s \) で回ってるな。この回転磁界が回転子にトルク \( T \) を与えてるとする。すると、回転磁界が伝える電力(=二次入力 \( P_g \))は:
一方、回転子は実際には速度 \( N \) で回ってるやろ。回転子が実際に出す機械出力は:
この2つの式の比を取ってみ。
比を取る
\( \frac{P_2}{P_g} = \frac{T \cdot \omega}{T \cdot \omega_s} = \frac{\omega}{\omega_s} = \frac{N}{N_s} \)
ここで、すべりの定義 \( s = \frac{N_s - N}{N_s} \) から \( \frac{N}{N_s} = 1 - s \) やから:
\( \frac{P_2}{P_g} = 1 - s \) → つまり \( P_2 = (1-s)P_g \) !
すべりの定義そのものから、自然に電力公式が導けるんや。すべり \( s \) は「同期速度と実際の速度の差の割合」やから、その差の分だけ電力が「損失」として失われるということなんやな。
🚂 たとえるなら、回転磁界は「速度 \( N_s \) で走る列車」、回転子は「速度 \( N \) で走る別の列車」や。
回転磁界の列車が回転子の列車を押して動かしてるイメージやけど、速度差がある分だけエネルギーが摩擦熱(=二次銅損)として失われるんや。
この「速度差の割合」がまさにすべり \( s \) であり、失われるエネルギーの割合と一致するってわけや。
物理的な意味を理解したところで、応用問題や!
三相誘導電動機の機械出力 \( P_2 \) と二次入力 \( P_g \) の関係として正しいものはどれか。ただし、\( N_s \) は同期速度、\( N \) は回転子の回転速度とする。
ヒントを出すで。\( P_2 = (1-s)P_g \) で、\( s = \frac{N_s - N}{N_s} \) やったな。これを代入すると \( 1 - s = 1 - \frac{N_s - N}{N_s} = \frac{N}{N_s} \) になるで。
二次銅損 \( P_{c2} \) を \( N_s \) と \( N \) で表すとどうなるか。
三相誘導電動機において、トルク \( T \) [N·m]、同期角速度 \( \omega_s \) [rad/s]、すべり \( s \) を用いて二次銅損 \( P_{c2} \) を表すとどうなるか。
次は逆算問題やで。機械出力からすべりや二次入力を求めるパターンや。
三相誘導電動機の機械出力が \( P_2 = 47.5 \) kW、すべり \( s = 0.05 \) のとき、二次入力 \( P_g \) はいくらか。
逆算のコツを教えるで。\( P_2 = (1-s)P_g \) を \( P_g \) について解くと \( P_g = \frac{P_2}{1-s} \) になるんや。つまり、機械出力を \( (1-s) \) で割ればええだけやで。
\( P_2 = 48 \) kW、\( s = 0.04 \) のとき、\( P_g \) はいくらか。
三相誘導電動機の二次銅損が 1.5 kW のとき、二次入力 \( P_g \) は 50 kW であった。このとき、回転速度 \( N \) [min⁻¹] として最も近い値はどれか。ただし、極数は 4、電源周波数は 50 Hz とする。
ここで、電験三種でよく出る出題パターンと間違いやすいポイントを整理しとくで。
まず、電験で出る電力公式の問題パターンは大きく4つや。
パターン① 直接計算型:すべりと二次入力が与えられて、二次銅損や機械出力を求める。これは一番基本やな。\( P_{c2} = sP_g \)、\( P_2 = (1-s)P_g \) をそのまま使えばOKや。
パターン② 逆算型:機械出力や二次銅損が与えられて、二次入力やすべりを逆算する。\( P_g = \frac{P_2}{1-s} \) や \( s = \frac{P_{c2}}{P_g} \) を使うパターンやで。
パターン③ 総合計算型:回転速度・極数・周波数・一次入力が与えられて、最終的に機械出力を求める。すべりの計算から始めて、ステップバイステップで解くパターンや。step9で練習した手順そのものやな。
パターン④ 比の活用型:二次銅損と機械出力の比から、すべりを求めたりする問題。\( P_{c2} : P_2 = s : (1-s) \) を使いこなすパターンやで。
📌 よくある間違い
⚡ 間違い①:\( P_{c2} = sP_1 \) としてしまう → ×!二次入力 \( P_g \) にかけるのが正解で、一次入力 \( P_1 \) ではない!
⚡ 間違い②:すべりの計算で同期速度を間違える → 極数と周波数から \( N_s = \frac{120f}{p} \) を正確に求めること!
⚡ 間違い③:\( P_2 = sP_g \) と \( P_{c2} = (1-s)P_g \) を逆に覚える → 「s は損」「(1-s) は出力」と覚えよう!
💡 覚え方のコツ:「s は Sonshitsu(損失)の s」と覚えるとええで!すべり s が大きいほど損失が大きいんやから、\( P_{c2} = sP_g \) のほうが二次銅損(損失)や。残りの \( (1-s) \) が機械出力(有効な部分)やな。
もうひとつ大事なポイント。\( P_{c2} = sP_g \) の \( P_g \) は「二次入力」であって「一次入力」ではないということや。一次入力 \( P_1 \) からは一次銅損と鉄損を引いたものが二次入力 \( P_g \) やから、ここを間違えたら全部ズレてしまうで。問題文をよく読んで、何が与えられているか確認するクセをつけよう!
ほな、電験三種の本番を想定した問題いくで!
4極、50 Hz の三相誘導電動機が 1440 min⁻¹ で運転している。一次入力 \( P_1 = 25 \) kW、一次銅損 \( P_{c1} = 1 \) kW、鉄損 \( P_i = 0.5 \) kW のとき、二次銅損 \( P_{c2} \) [kW] として最も近い値はどれか。
手順を確認しよか。まず同期速度 \( N_s = \frac{120 \times 50}{4} = 1500 \) min⁻¹。次にすべり \( s = \frac{1500 - 1440}{1500} = \frac{60}{1500} = 0.04 \)。二次入力 \( P_g = 25 - 1 - 0.5 = 23.5 \) kW。ここまで分かったら次の問題を解いてみ。
\( s = 0.04 \)、\( P_g = 23.5 \) kW のとき、\( P_{c2} \) として最も近い値はどれか。
上と同じ条件で、この電動機の軸に直結された負荷に供給される機械出力 \( P_2 \) [kW] として最も近い値はどれか。ただし、機械損は無視する。
ほな、今回学んだ電力公式をまとめておこか。ここは試験直前の最終チェックにも使えるで!
この表にまとめた6つの関係を全部覚える必要はないで。赤枠の \( P_{c2} = sP_g \) と緑枠の \( P_2 = (1-s)P_g \) の2つが核心や。この2つさえ覚えていれば、残りは全部導けるからな。
次がいよいよ最終問題やで。ここまでの知識を全部使って解いてみよう!
最終問題や!今回学んだことの総まとめやで!
三相誘導電動機について、次の記述のうち誤っているものはどれか。
ポイントを確認しよか。今回学んだ公式は \( P_{c2} = sP_g \) と \( P_2 = (1-s)P_g \) やったな。ここで重要なのは「\( P_g \)(二次入力)にかける」ということや。「\( P_1 \)(一次入力)にかける」のではないで。
\( P_{c2} = sP_g \) の \( P_g \) とは何か。
6極、60 Hz の三相誘導電動機がある。一次入力 \( P_1 = 35 \) kW、一次銅損 \( P_{c1} = 1.5 \) kW、鉄損 \( P_i = 1 \) kW、回転速度 \( N = 1140 \) min⁻¹ のとき、この電動機の機械出力 \( P_2 \) [kW] として最も近い値はどれか。
お疲れさま!第14講「電力の公式」を完走したで!
今回学んだ内容を最後にもう一度振り返ろか。
📚 第14講のまとめ
⚡ 二次銅損:\( P_{c2} = sP_g \) → すべりの割合だけ損失になる
⚡ 機械出力:\( P_2 = (1-s)P_g \) → 残りが有効な出力になる
⚡ 比の関係:\( P_g : P_{c2} : P_2 = 1 : s : (1-s) \)
⚡ 物理的意味:\( P_2/P_g = N/N_s \) であり、速度比がそのまま電力比
⚡ 始動時(s=1)は全部銅損、定格時(s≈0.03)はほぼ全部が機械出力
このたった2つの公式で、誘導電動機の電力問題はほぼ全部解けるようになるんや。すべり \( s \) という一つの量が、こんなにたくさんのことを教えてくれるのが誘導電動機の美しさやな。
次回の第15講では、今回学んだ電力公式を使って効率の計算に進むで。一次入力から最終的な出力までの効率をどう求めるか、損失の内訳はどうなっているか、さらに深く掘り下げていくで!
📚 次回予告:第15講「効率の計算」
今回学んだ電力公式を使って、誘導電動機の効率を計算する方法を学ぶで。損失の内訳と効率向上のポイントを徹底解説!