T形等価回路を「使える形」に変身させよう!
おう、よう来たな!今日は第12講「L形等価回路」やで。
前回の第11講では、誘導電動機の等価回路の基本を学んだな。変圧器と同じ考え方で、一次側と二次側をひとつの回路にまとめたT形等価回路を見たやろ。
でもな、T形等価回路って、そのままやと計算がめちゃくちゃ面倒なんや。並列の励磁回路が途中にあるから、分流の計算とかが必要になって、電験の試験時間内に解くのは正直キツい。
そこで登場するのが、今日の主役「L形等価回路」や。これはT形等価回路を「近似」して、計算しやすい形に変身させたもんなんや。
📚 この講座で学ぶこと
⚡ T形等価回路からL形等価回路への変換方法
⚡ 励磁回路を一次側端子に移動する理由
⚡ L形等価回路を使った計算のやり方
⚡ \( \frac{r_2}{s} \) の物理的意味
⚡ 電験三種でのL形等価回路の出題パターン
電験三種では、L形等価回路を使った計算問題が超頻出やで。ここをしっかり理解しておくことが、誘導機の得点力に直結するんや。
まず、前回学んだT形等価回路を復習しよか。
誘導電動機の等価回路は、変圧器と同じ考え方で作るんやったな。固定子(一次側)と回転子(二次側)の間は、回転磁界を通じて電磁的に結合してるから、変圧器と同じように一次側と二次側をひとつの回路にまとめることができるんや。
T形等価回路の構成要素をおさらいしとこか。
📌 T形等価回路の構成要素
⚡ 一次側:一次抵抗 \( r_1 \)、一次漏れリアクタンス \( x_1 \)
⚡ 励磁回路(並列):励磁コンダクタンス \( g_0 \)、励磁サセプタンス \( b_0 \)
⚡ 二次側:二次抵抗 \( \frac{r_2'}{s} \)、二次漏れリアクタンス \( x_2' \)
ここで注意してほしいんやけど、二次側の値には「'(ダッシュ)」がついてるやろ?これは二次側の値を一次側に換算した値やで。巻数比 \( a = \frac{N_1}{N_2} \) を使って、\( r_2' = a^2 r_2 \)、\( x_2' = a^2 x_2 \) のように換算してるんや。
そして、二次側の抵抗が \( \frac{r_2'}{s} \) になってるのは、すべり \( s \) の効果で、回転子の抵抗が見かけ上大きくなるからやったな。停止時(\( s=1 \))は \( r_2' \) そのものやけど、通常運転時(\( s \approx 0.03 \))は \( \frac{r_2'}{0.03} \approx 33 r_2' \) とめっちゃ大きくなるんや。
この図がT形等価回路や。名前の通り、回路がT字型になってるのが特徴やで。励磁回路が一次インピーダンスと二次インピーダンスの「間」に並列接続されてるんや。
この形で計算しようとすると、まず電源電圧 \( V_1 \) から一次インピーダンスで電圧降下が起こり、その残りが励磁回路と二次側に分流する...っていう計算になるから、かなり複雑になるんや。
ほな、なぜT形等価回路を簡略化する必要があるのかを考えてみよか。
T形等価回路で二次電流 \( I_2' \) を求めようとすると、こんな手順が必要になるんや。
まず電源電圧 \( V_1 \) から出発して、一次インピーダンス \( r_1 + jx_1 \) での電圧降下を差し引いて、励磁回路の両端にかかる電圧を求める。次に、その電圧で励磁回路に流れる電流と二次側に流れる電流に分流する。この分流の計算が、並列回路の複素数計算やからめちゃくちゃ手間がかかるんや。
これ、たとえるなら「東京から大阪に行くのに、毎回名古屋で乗り換えの計算をせなあかん」みたいなもんや。直通で行ければ楽やのに、途中で分岐が入ることで一気に計算量が増えてしまうんやな。
実は、誘導電動機にはありがたい性質があるんや。それは、励磁電流 \( I_0 \) が一次電流 \( I_1 \) に比べてかなり小さいということやで。
具体的に言うと、通常の誘導電動機では励磁電流は定格電流の30〜50%程度や。変圧器やと励磁電流は1〜5%くらいで、もっと小さいんやけど、誘導電動機は回転子と固定子の間に空隙(エアギャップ)があるから、励磁に必要な電流がちょっと大きめなんやな。
でもな、30〜50%とはいえ、一次インピーダンスでの電圧降下は全体の数%程度しかない。つまり、励磁回路の接続位置を少しずらしても、回路全体の電流や電力にはほとんど影響がないんや。
この性質を利用して、励磁回路の位置を移動させることで計算を楽にしよう、というのがL形等価回路の発想なんやで。
📌 L形等価回路にする理由
⚡ T形等価回路は並列分岐があり計算が複雑
⚡ 励磁電流は一次電流に比べ小さいので、位置をずらしても誤差は小さい
⚡ 励磁回路を端に寄せると、直列回路として計算できるようになる
さて、いよいよL形等価回路への変換や!
やることは実はシンプルやで。T形等価回路で一次インピーダンス \( r_1 + jx_1 \) と二次側の「間」にあった励磁回路を、一次側の端子側(電源側)に移動させるだけや。
つまり、こういうことや。
上の図を見てくれ。T形では励磁回路 \( Y_0 \) が一次インピーダンスと二次インピーダンスの「間」にあったのが、L形では電源の直後に移動してるやろ?
これによって何が嬉しいかっていうと、二次側の計算が直列回路だけで済むようになるんや。電源電圧 \( V_1 \) がそのまま一次インピーダンスと二次インピーダンスの直列回路にかかると近似できるから、二次電流 \( I_2' \) は単純に次の式で求められるようになるんやで。
T形やと分流の計算が必要やったのに、L形ならオームの法則で一発で二次電流が求められる。これがL形等価回路の最大のメリットなんやで。
「L形」という名前は、回路の形がアルファベットのLをひっくり返した形に見えるからや。励磁回路が縦棒、一次+二次のインピーダンスが横棒で、全体がL字型になってるんやな。
ほな、第1問いくで!T形からL形への変換について確認しよう。
誘導電動機のL形等価回路は、T形等価回路のどの部分をどのように変更したものか。最も適切なものを選べ。
大丈夫やで、もう一回整理しよか。
T形等価回路で計算が面倒になる原因は、励磁回路が「途中」にあることやったな。一次インピーダンスと二次インピーダンスの間に挟まってるから、分流の計算が必要になるんや。
L形等価回路では、この励磁回路を電源の直後(一次端子側)に移動させるんや。一次側のインピーダンスや二次側のインピーダンスは省略せえへんで。全部残したまま、励磁回路の位置だけ変えるんや。
こうすると、二次側の計算がぐっとシンプルになるんやったな。
L形等価回路で、二次電流 \( I_2' \) を求める計算はどのタイプになるか。
正解やな!ほな、もうちょっと深い問題いくで。
T形等価回路からL形等価回路への近似が成り立つ主な理由として、最も適切なものはどれか。
ここで、L形等価回路の近似が成り立つ条件をもう少し詳しく見ていくで。
T形等価回路で、励磁回路にかかる電圧を考えてみよう。電源電圧 \( V_1 \) から一次インピーダンス \( (r_1 + jx_1) \) での電圧降下を引いた残りが、励磁回路にかかる電圧 \( E_1 \) やったな。
ここで重要なのは、一次インピーダンスでの電圧降下 \( I_1(r_1 + jx_1) \) が電源電圧 \( V_1 \) に比べて非常に小さいということや。通常の誘導電動機では、この電圧降下は電源電圧のわずか数%程度しかないんやで。
つまり、\( E_1 \approx V_1 \) と見なせるんや。
これはどういうことかっていうと、励磁回路が一次インピーダンスの前にあっても後にあっても、かかる電圧はほぼ同じということや。せやから、励磁回路を電源側に移動しても、励磁電流はほとんど変わらへんし、回路全体の動作にもほぼ影響がないんやな。
たとえるなら、100万円の買い物をする時に、「消費税を計算してから手数料を引くか」「手数料を引いてから消費税を計算するか」の違いみたいなもんや。手数料が100円程度やったら、どっちの順番でも結果はほぼ同じやろ?それと同じ理屈やで。
📌 L形近似が成り立つ条件
⚡ 一次インピーダンスでの電圧降下が小さいこと(\( V_1 \) の数%以下)
⚡ つまり \( E_1 \approx V_1 \) とみなせること
⚡ 大型の誘導電動機ほど近似精度が良い(一次インピーダンスの影響が相対的に小さい)
ちなみに、電験三種の問題ではL形等価回路が使えることを前提にした出題がほとんどや。「T形で厳密に計算せよ」なんて問題はまず出えへんから安心してや。
ほな、ここでL形等価回路の完全な図をしっかり見ていくで。電験三種では、この回路図を正確に理解してることが前提になるからな。
これがL形等価回路の完全な図や。重要なポイントを確認しよか。
まず、励磁回路(\( g_0 \) と \( b_0 \) の並列)が電源 \( V_1 \) の直後に接続されてるな。電源電圧 \( V_1 \) がそのまま励磁回路に加わるから、励磁電流 \( I_0 \) は次の式で簡単に求められるんや。
そして、その右側は一次インピーダンスと二次インピーダンスの直列接続やで。ここに流れる電流が二次電流 \( I_2' \)(一次換算値)で、直列回路やからオームの法則で一発計算や。
一次電流 \( I_1 \) は、この2つの電流の和で求められるんやで。
ここまでの計算の流れをまとめると、L形等価回路を使えば、まず \( I_2' \) を直列回路で求めて、次に \( I_0 \) を求めて、最後に足し合わせるだけ。T形の分流計算に比べて、格段に楽やな。
ほな、L形等価回路の理解を確認するで!
L形等価回路において、二次電流 \( I_2' \)(一次換算値)を求める式として正しいものはどれか。
大丈夫や、整理しようか。
L形等価回路では、二次電流 \( I_2' \) は一次と二次のインピーダンスが直列接続された回路に流れる電流やで。
直列回路の合成インピーダンスは、抵抗成分どうし、リアクタンス成分どうしをそれぞれ足し合わせるんや。抵抗成分は \( r_1 + \frac{r_2'}{s} \)、リアクタンス成分は \( x_1 + x_2' \) やな。
そして合成インピーダンスの大きさは \( Z = \sqrt{R^2 + X^2} \) で求めるから、電流は \( I = V / Z \) や。二次側だけでも一次側だけでもなく、両方の合計で割るのがポイントやで。
L形等価回路で、直列インピーダンスの合成リアクタンスはどれか。
さすがや!ほな、応用問題いくで。
L形等価回路において、すべり \( s \) が非常に小さい(\( s \to 0 \))とき、二次電流 \( I_2' \) はどうなるか。最も適切なものを選べ。
さて、ここからL形等価回路を理解する上で超重要なポイントに入るで。それは \( \frac{r_2'}{s} \) の物理的意味や。
等価回路には \( \frac{r_2'}{s} \) という不思議な形の抵抗が出てくるやろ。「なんですべりで割るねん?」って思うかもしれんけど、これにはちゃんとした物理的意味があるんや。
実は、\( \frac{r_2'}{s} \) はこう分解できるんやで。
右辺を見てくれ。2つの項に分かれたやろ?
最初の \( r_2' \) は純粋な二次巻線の抵抗や。ここで消費される電力が二次銅損(\( P_{c2} = I_2'^2 r_2' \))になるんや。実際の回転子の巻線で熱として失われるエネルギーやな。
2つめの \( r_2' \cdot \frac{1-s}{s} \) は機械出力に相当する等価抵抗やで。ここで消費される電力が機械出力(\( P_m = I_2'^2 \cdot r_2' \cdot \frac{1-s}{s} \))になるんや。つまり、回転子が実際に回転する仕事に変換されるエネルギーやな。
お金で例えるとこうや。毎月の給料(二次入力 \( P_g \))のうち、一部は税金(二次銅損 \( r_2' \))として引かれて、残りが手取り(機械出力 \( r_2' \cdot \frac{1-s}{s} \))になる。 \( \frac{r_2'}{s} \) は「税金+手取り」つまり給料全体を表してるんやで。
この分解が重要な理由は、電力計算と直結するからやで。等価回路の中で「どこの抵抗で電力が消費されるか」を見ることで、二次銅損と機械出力をそれぞれ求められるんや。
ちなみに、通常運転時のすべりが \( s = 0.03 \) やとすると、\( \frac{1-s}{s} = \frac{0.97}{0.03} \approx 32 \) や。つまり、機械出力に相当する抵抗は二次巻線抵抗の約32倍もあるんやで。これは、二次入力の大部分(97%)が機械出力に変換されてることを意味してるんや。
ほな、r₂'/s の理解を確認するで!
誘導電動機の等価回路で \( \frac{r_2'}{s} \) を分解すると \( r_2' + r_2' \cdot \frac{1-s}{s} \) となる。このうち \( r_2' \cdot \frac{1-s}{s} \) の部分で消費される電力は何を表すか。
整理しようか。\( \frac{r_2'}{s} \) は2つに分解できるんやったな。
前半の \( r_2' \) は回転子の巻線抵抗そのもので、ここで消費される電力は巻線が発熱する「二次銅損」やで。
後半の \( r_2' \cdot \frac{1-s}{s} \) は実際には抵抗ではなく、回転子が回転することで仕事をする部分を等価的に抵抗で表したもんや。ここで消費される電力が「機械出力」なんやで。
つまり、一次銅損は一次側の \( r_1 \) で消費されるものやから、二次側の話とは別やで。
\( \frac{r_2'}{s} \) のうち、二次銅損に対応する部分はどちらか。
さすがや!ほな、数値で確認してみよか。
二次巻線抵抗の一次換算値が \( r_2' = 0.2 \) [Ω]、すべり \( s = 0.04 \) のとき、機械出力に相当する等価抵抗 \( r_2' \cdot \frac{1-s}{s} \) の値はいくらか。
ほな、L形等価回路を使った計算の基本手順をまとめるで。電験三種の問題を解く時は、この手順に沿って計算すると確実や。
まず、L形等価回路で計算する時の全体の流れを説明するな。
ステップ① 合成インピーダンスを求める
一次インピーダンスと二次インピーダンスの直列合成を計算するで。
抵抗成分:\( R = r_1 + \frac{r_2'}{s} \)
リアクタンス成分:\( X = x_1 + x_2' \)
合成インピーダンスの大きさ:\( Z = \sqrt{R^2 + X^2} \)
ステップ② 二次電流(一次換算値)を求める
オームの法則で一発や。
\( I_2' = \frac{V_1}{Z} = \frac{V_1}{\sqrt{(r_1 + \frac{r_2'}{s})^2 + (x_1 + x_2')^2}} \)
ステップ③ 各種電力を求める
二次銅損:\( P_{c2} = I_2'^2 \cdot r_2' \)
機械出力:\( P_m = I_2'^2 \cdot r_2' \cdot \frac{1-s}{s} \)
二次入力:\( P_g = I_2'^2 \cdot \frac{r_2'}{s} = P_{c2} + P_m \)
この3ステップが基本の流れや。特にステップ①と②は直列回路のオームの法則そのものやから、めちゃくちゃシンプルやろ?
T形等価回路やったら、ここに分流計算が入ってきて大変やったんやけど、L形にしたおかげでスッキリ3ステップで求められるようになったんや。
ちなみに、一次電流 \( I_1 \) が必要な時は、ステップ②の後に励磁電流 \( I_0 = V_1 Y_0 \) を求めて \( I_1 = I_0 + I_2' \) とするんやで。ただし、電験三種では二次電流と電力の計算が聞かれることが多いから、上の3ステップだけで解ける問題が大半や。
ほな、具体的な数値を使った計算例を一緒にやってみよか。
📝 例題
三相誘導電動機のL形等価回路の定数が以下の通りである。すべり \( s = 0.05 \) のとき、二次電流 \( I_2' \) と機械出力 \( P_m \) を求めよ。ただし、電源電圧は \( V_1 = 200 \) [V](相電圧)とする。
\( r_1 = 0.5 \) [Ω]、\( x_1 = 1.0 \) [Ω]、\( r_2' = 0.5 \) [Ω]、\( x_2' = 1.0 \) [Ω]
ステップ① 合成インピーダンス
まず \( \frac{r_2'}{s} = \frac{0.5}{0.05} = 10 \) [Ω] やな。
抵抗成分:\( R = r_1 + \frac{r_2'}{s} = 0.5 + 10 = 10.5 \) [Ω]
リアクタンス成分:\( X = x_1 + x_2' = 1.0 + 1.0 = 2.0 \) [Ω]
合成インピーダンス:\( Z = \sqrt{10.5^2 + 2.0^2} = \sqrt{110.25 + 4} = \sqrt{114.25} \approx 10.69 \) [Ω]
ステップ② 二次電流
\( I_2' = \frac{V_1}{Z} = \frac{200}{10.69} \approx 18.71 \) [A]
ステップ③ 機械出力
機械出力に相当する抵抗:\( r_2' \cdot \frac{1-s}{s} = 0.5 \times \frac{0.95}{0.05} = 0.5 \times 19 = 9.5 \) [Ω]
機械出力(1相分):\( P_m = I_2'^2 \times 9.5 = 18.71^2 \times 9.5 \approx 350.06 \times 9.5 \approx 3326 \) [W]
三相の機械出力:\( P_{m(3\phi)} = 3 \times 3326 \approx 9977 \) [W] \( \approx 10 \) [kW]
どうや?直列回路のオームの法則と電力の公式だけで、二次電流も機械出力もスッキリ求められたやろ?
ちなみに、この例題の二次銅損も確認しておくと、
\( P_{c2} = I_2'^2 \cdot r_2' = 350.06 \times 0.5 = 175 \) [W](1相)、三相で 525 [W] や。
二次入力 \( P_g \) に対する二次銅損の割合は \( \frac{P_{c2}}{P_g} = s = 0.05 \) つまり5%やし、機械出力の割合は \( 1 - s = 0.95 \) つまり95%。すべりが小さいほど効率がいいことが、計算からも確認できるんやで。
ほな、自分で計算してみよか!
三相誘導電動機のL形等価回路で、\( r_1 = 0.3 \) [Ω]、\( r_2' = 0.2 \) [Ω]、\( x_1 + x_2' = 1.0 \) [Ω]、電源電圧 \( V_1 = 200 \) [V](相電圧)、すべり \( s = 0.04 \) のとき、\( \frac{r_2'}{s} \) の値はいくらか。
落ち着いて計算しようか。
\( \frac{r_2'}{s} \) は、二次抵抗の一次換算値 \( r_2' \) をすべり \( s \) で割るだけやで。
\( \frac{r_2'}{s} = \frac{0.2}{0.04} \)
0.2 ÷ 0.04 = ? を計算するんや。0.04は1/25やから、0.2 × 25 = 5.0 やな。
上の問題で、合成抵抗 \( R = r_1 + \frac{r_2'}{s} \) の値はいくらか。
正解!ほな、続きの計算もやってみよか。
先ほどの条件(\( r_1 = 0.3 \) Ω、\( r_2' = 0.2 \) Ω、\( x_1 + x_2' = 1.0 \) Ω、\( V_1 = 200 \) V、\( s = 0.04 \))で、二次電流 \( I_2' \) に最も近い値はどれか。
ここで、L形等価回路の適用条件について確認しとこか。
L形等価回路は便利やけど、あくまで近似やで。どんな場合でも使えるわけではないんや。
L形等価回路の近似精度が悪くなるのはどのような場合か。最も適切なものを選べ。
思い出してみよか。L形等価回路の近似は「一次インピーダンスでの電圧降下が小さい」ことが条件やったな。
大型の電動機は定格電流が大きいけど、一次インピーダンスは相対的に小さいから、電圧降下の割合が小さくなるんや。つまり大型機ほど近似精度が良いんやで。
逆に小型の電動機は一次インピーダンスの影響が相対的に大きくなるから、近似の誤差が大きくなりやすいんや。
L形等価回路の近似が成り立つのは、どのような条件のときか。
正解やな!ほな、もうちょっと突っ込んだ問題や。
誘導電動機の等価回路に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
ここで、T形等価回路とL形等価回路の違いをスッキリ整理しておくで。試験で「等価回路」と言われた時に迷わんようにな。
まず根本的な違いは、励磁回路の位置や。T形は一次インピーダンスと二次インピーダンスの「間」に励磁回路があり、L形は電源の「直後」にある。この位置の違いだけで、計算のしやすさが天と地ほど変わるんやで。
| T形等価回路 | L形等価回路 | |
|---|---|---|
| 励磁回路の位置 | 一次と二次の間 | 電源側(一次端子) |
| 精度 | 厳密 | 近似(実用上十分) |
| 計算の難易度 | 分流計算が必要で複雑 | 直列回路で簡単 |
| 回路の形状 | T字型(逆T字型) | L字型(逆L字型) |
| 電験三種での使用 | ほぼ出ない | ほぼ全問でこれを使用 |
はっきり言うと、電験三種の機械科目で等価回路の問題が出たら、99%の確率でL形等価回路を使うと思ってええで。問題文に「簡略等価回路」「近似等価回路」と書いてあったら、それはL形のことや。
ただし、「T形等価回路とL形等価回路の違いを述べよ」的な知識問題が出ることもあるから、両者の違いは押さえておいてな。特に「なぜL形にできるのか」という理由(一次インピーダンスでの電圧降下が小さいから)は、理解しておくことが大事やで。
ほな、電験三種でのL形等価回路の出題パターンを確認しておくで。ここを知っておくと、試験対策がグッと効率的になるで。
📊 出題パターン
⚡ パターン1:等価回路の定数とすべりから二次電流を求める
⚡ パターン2:二次電流から各種電力(二次入力、二次銅損、機械出力)を求める
⚡ パターン3:機械出力からトルクを求める(\( T = P_m / \omega \))
⚡ パターン4:等価回路に関する知識問題(T形とL形の違いなど)
⚡ パターン5:始動時(\( s = 1 \))の電流を等価回路から求める
特に多いのはパターン1→2→3の連鎖問題やで。等価回路の定数が与えられて、「二次電流を求めよ」→「機械出力を求めよ」→「トルクを求めよ」と聞いてくるパターンや。
この場合、L形等価回路の計算手順(ステップ①②③)をそのまま使えば解けるんや。前のステップで学んだ手順を、まさに試験本番で使うことになるで。
よくある間違いポイントを先に言うとくで。「一次側のインピーダンス \( r_1, x_1 \) を忘れる」ミスが多いんや。L形等価回路では \( r_1 \) と \( x_1 \) は省略されてへんで!直列に入ってるから、合成インピーダンスの計算で必ず足さなあかんのや。
もうひとつ注意。問題で「一次インピーダンスは無視できるものとする」と書いてある場合は、\( r_1 = 0 \)、\( x_1 = 0 \) として計算してOKやで。その場合は \( I_2' = \frac{V_1}{\sqrt{(\frac{r_2'}{s})^2 + x_2'^2}} \) になるな。
ほな、総合問題にいくで!
ほな、少し実践的な問題や!
L形等価回路で、一次インピーダンスは無視できるものとする。\( r_2' = 0.3 \) [Ω]、\( x_2' = 1.5 \) [Ω]、\( V_1 = 200 \) [V](相電圧)、すべり \( s = 0.05 \) のとき、\( \frac{r_2'}{s} \) と \( x_2' \) のうち、合成インピーダンスに対して支配的なのはどちらか。
まず値を計算してみようか。
\( \frac{r_2'}{s} = \frac{0.3}{0.05} = 6.0 \) [Ω]
\( x_2' = 1.5 \) [Ω]
合成インピーダンスは \( Z = \sqrt{6.0^2 + 1.5^2} = \sqrt{36 + 2.25} = \sqrt{38.25} \approx 6.18 \) [Ω] やな。
ここで \( \frac{r_2'}{s} = 6.0 \) [Ω] と \( x_2' = 1.5 \) [Ω] を比べると、抵抗成分(6.0 Ω)の方が圧倒的に大きいやろ?合成インピーダンスの大きさ(6.18 Ω)もほぼ抵抗成分で決まっとるんや。
通常運転時(すべりが小さい)では、\( \frac{r_2'}{s} \) が大きくなるから抵抗成分が支配的になるんやで。
すべりが \( s = 1 \)(始動時)のとき、\( \frac{r_2'}{s} = r_2' = 0.3 \) [Ω] と \( x_2' = 1.5 \) [Ω] では、どちらが支配的か。
ええぞ!ほな、この理解を深める問題や。
通常運転時(すべりが小さい)にはインピーダンスの抵抗成分が支配的だが、始動時(\( s = 1 \))にはリアクタンス成分が支配的になる。この性質から導かれる現象として正しいものはどれか。
ここで、今日学んだL形等価回路の公式を一覧でまとめとくで。これは試験直前の確認にも使えるから、しっかり頭に入れといてな。
📝 L形等価回路の公式まとめ
⚡ 合成インピーダンス:\( Z = \sqrt{(r_1 + \frac{r_2'}{s})^2 + (x_1 + x_2')^2} \)
⚡ 二次電流:\( I_2' = \frac{V_1}{Z} \)
⚡ 二次入力:\( P_g = I_2'^2 \cdot \frac{r_2'}{s} \)
⚡ 二次銅損:\( P_{c2} = I_2'^2 \cdot r_2' = sP_g \)
⚡ 機械出力:\( P_m = I_2'^2 \cdot r_2' \cdot \frac{1-s}{s} = (1-s)P_g \)
⚡ 励磁電流:\( I_0 = V_1 Y_0 \)
⚡ 一次電流:\( I_1 = I_0 + I_2' \)
ほな、まとめの問題いくで!
三相誘導電動機のL形等価回路(一次インピーダンス無視)で、\( r_2' = 0.4 \) [Ω]、\( x_2' = 2.0 \) [Ω]、\( V_1 = 200 \) [V](相電圧)、すべり \( s = 0.04 \) のとき、1相あたりの二次入力 \( P_g \) に最も近いものはどれか。
※ ヒント:まず \( \frac{r_2'}{s} \) を求め、合成インピーダンスを計算し、二次電流を求めてから \( P_g = I_2'^2 \cdot \frac{r_2'}{s} \) で求めるで。
一緒に計算していこか。
まず \( \frac{r_2'}{s} = \frac{0.4}{0.04} = 10 \) [Ω] やな。
一次インピーダンス無視やから、\( Z = \sqrt{10^2 + 2.0^2} = \sqrt{104} \approx 10.2 \) [Ω]
\( I_2' = \frac{200}{10.2} \approx 19.6 \) [A]
\( P_g = I_2'^2 \times \frac{r_2'}{s} = 19.6^2 \times 10 = 384.16 \times 10 \approx 3842 \) [W]
約3920 [W]に最も近いやろ?(計算の丸めで多少前後するのは正常やで)
上の条件で、1相あたりの二次銅損 \( P_{c2} = sP_g \) はいくらか。
さすがや!ほな、さらに一歩踏み込むで。
先ほどの条件で三相の機械出力 \( P_{m(3\phi)} \) に最も近い値はどれか。
ヒント:\( P_m = (1-s) P_g \) を使い、三相分にせよ。
ほな、最終問題や!今日の総仕上げやで!
誘導電動機のL形等価回路に関する次の記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
A. L形等価回路は、励磁回路を一次端子側に移動した近似回路である。
B. \( \frac{r_2'}{s} \) のうち \( r_2' \) の部分は機械出力に対応する。
C. L形等価回路では、二次電流を直列回路のオームの法則で求められる。
D. すべりが小さいとき、インピーダンスのリアクタンス成分が支配的になる。
ひとつずつ確認しようか。
A:L形等価回路は励磁回路を一次端子側に移動 → 正しい。これがL形の定義やな。
B:\( r_2' \) は二次銅損に対応 → 誤り。機械出力は \( r_2' \cdot \frac{1-s}{s} \) の方やで。
C:二次電流は直列回路で計算可能 → 正しい。L形にしたことで直列だけになったんやったな。
D:すべり小→リアクタンスが支配的 → 誤り。すべりが小さいと \( \frac{r_2'}{s} \) が大きくなるから、抵抗成分が支配的になるんや。
正しいのはAとCやな。
\( \frac{r_2'}{s} \) で、\( r_2' \) の部分は何に対応するか。
完璧や!最後にもう一問、電験に近い形式の問題で締めくくるで。
L形等価回路(一次インピーダンス無視)で、\( r_2' = 0.5 \) [Ω]、\( x_2' = 2.0 \) [Ω]、相電圧 \( V_1 = 200 \) [V]のとき、始動時(\( s = 1 \))の二次電流 \( I_2' \) に最も近い値はどれか。
よっしゃ!ここで今日学んだことを総まとめするで。
第12講では、誘導電動機のL形等価回路について学んだな。ほな、重要ポイントを振り返ろか。
📝 第12講のまとめ
⚡ L形等価回路は、T形の励磁回路を一次端子側に移動した近似回路
⚡ 近似が成り立つ理由:一次インピーダンスでの電圧降下が小さいから
⚡ L形にすると、二次電流を直列回路のオームの法則で計算できる
⚡ \( \frac{r_2'}{s} = r_2' + r_2' \cdot \frac{1-s}{s} \)(二次銅損+機械出力)
⚡ 通常運転時は抵抗成分が支配的、始動時はリアクタンス成分が支配的
⚡ 電験三種ではL形等価回路を使った問題が超頻出
今日学んだL形等価回路は、次回以降の電力計算やトルク計算の土台になるんや。等価回路から電流を求めて、そこから電力やトルクを計算する流れは、誘導機の計算問題の「王道パターン」やで。
次の第13講では、誘導電動機の電力の流れを学ぶで。入力電力がどのように分配されて最終的に機械出力になるのか、\( P_g \)、\( P_{c2} \)、\( P_m \) の関係を徹底的に解説するから、お楽しみにな!
📚 次回予告:第13講「電力の流れ」
誘導電動機の入力電力はどこへ行く?一次銅損・鉄損・二次銅損・機械出力の関係を徹底解説。L形等価回路を使った電力計算が試験に直結します!