変圧器との類似性から等価回路の全体像をつかもう!
よっしゃ!Part 3「等価回路と電力」編のスタートや!
Part 1 では誘導機の基本構造を、Part 2 では回転磁界とすべりを学んできたな。ここまでで「誘導電動機がなぜ回るのか」「すべりとは何か」「すべり周波数 \( f_2 = sf \) はどう決まるか」っていう基礎がしっかり身についたはずや。
ほな、ここからはもう一段レベルアップするで。今日の第11講からは、誘導機を電気回路として解析する方法を学ぶんや。これが「等価回路」っていうやつやで。
「等価回路って何やねん?難しそう...」って思うかもしれんけど、心配いらんで。実はこれ、変圧器の等価回路とめっちゃ似てるんや。変圧器で学んだ知識がそのまま活きるから、むしろ「あ、変圧器と同じやん!」ってなるはずやで。
📚 この講座で学ぶこと
⚡ なぜ誘導機に等価回路が必要なのか
⚡ 誘導機と変圧器の類似性
⚡ 一次側(固定子)の回路要素
⚡ 二次側(回転子)の回路要素
⚡ \( r_2 / s \) の意味と二次回路の変換
等価回路をマスターすれば、電力計算もトルク計算も全部できるようになる。電験三種の計算問題で「等価回路を描いて解きなさい」っていう出題パターンはめっちゃ多いから、ここをしっかり押さえるのが合格への近道やで!
まず、「そもそもなんで等価回路が必要なん?」っていうところから始めよか。
誘導電動機って、実物を見ると鉄心やコイルや回転子がギッシリ詰まった複雑な機械やろ?三相交流が入ってきて、回転磁界ができて、電磁誘導で回転子に電流が流れて、トルクが発生して...っていう物理現象がいっぺんに起こってる。
こんな複雑な機械を、電圧・電流・電力の関係で定量的に解析しようとしたら、そのままでは手に負えへんわな。せやから、この複雑な電磁気的現象をシンプルな電気回路に「翻訳」するんや。これが等価回路の考え方やで。
💡 たとえるなら、等価回路は誘導電動機の「回路図版の設計図」みたいなもんや。建築で言えば、複雑な建物を平面図で表すようなもんやな。3次元の建物を2次元の図面にすることで、寸法や配置が正確にわかるようになる。同じように、複雑な電磁気現象を回路図にすることで、電圧・電流・電力の関係が正確に計算できるようになるんや。
等価回路があれば、こんなことが全部計算できるようになるんやで。
📌 等価回路でわかること
⚡ 一次電流(固定子電流)と二次電流(回転子電流)の大きさ
⚡ 入力電力、出力(機械出力)、各種損失
⚡ トルクの大きさ
⚡ 効率と力率
⚡ すべりが変わったときの各量の変化
つまり、等価回路は誘導機を「計算で攻略するための最強ツール」なんや。電験三種の問題も、ほとんどがこの等価回路をベースにして出題されるんやで。
ほな、等価回路を作る上で一番大事なポイントを教えるで。それは「誘導機は回転する変圧器である」ということや。
「え、変圧器とモーターって全然違うやん!」って思うかもしれん。でもな、電磁気的に見ると、誘導機の動作原理は変圧器とほぼ同じなんや。ちょっと比べてみよか。
変圧器では、一次コイルに交流を流すと鉄心に交番磁束ができるやろ?その磁束が二次コイルを貫通して、電磁誘導で二次側に起電力が誘起される。一次側から二次側へ、磁束を介してエネルギーが伝わる仕組みや。
誘導機も全く同じやねん。固定子(一次側)に三相交流を流すと、回転磁界ができる。この回転磁界の磁束が回転子(二次側)の導体を横切って、電磁誘導で回転子に起電力が誘起される。固定子から回転子へ、磁束を介してエネルギーが伝わるんや。
この図を見てもらうとわかるけど、変圧器と誘導機の決定的な違いは一つだけやねん。それは「二次側が回転するかどうか」や。変圧器の二次コイルは固定されてるけど、誘導機の回転子は回転する。たったこれだけの違いなんや。
せやから、誘導機の等価回路は変圧器の等価回路をベースにして、「二次側が回転する」ことによる修正を加えるだけで作れるんや。変圧器の等価回路を覚えてる人は、もう半分以上理解したようなもんやで!
ほな、等価回路を組み立てていくで。まずは一次側(固定子側)から見ていこか。
固定子のコイルに三相交流電圧 \( V_1 \) を加えると、コイルに電流 \( I_1 \) が流れるやろ?このとき、固定子コイルには以下の3つの要素があるんや。
まず1つ目は一次巻線抵抗 \( r_1 \) や。コイルは銅線でできてるから、当然ながら電気抵抗がある。電流が流れると \( r_1 I_1 \) の電圧降下が生じて、\( r_1 I_1^2 \) の銅損(ジュール熱)が発生するんや。これは変圧器の一次巻線抵抗と全く同じやな。
2つ目は一次漏れリアクタンス \( x_1 \) や。固定子コイルが作る磁束のうち、回転子に鎖交せずに固定子の周りだけで閉じてしまう磁束がある。これを「漏れ磁束」っていうんやけど、この漏れ磁束による自己インダクタンスがリアクタンスとして現れるんや。電流が流れると \( x_1 I_1 \) の電圧降下が生じる。
3つ目は励磁回路や。回転磁界を作るために必要な磁束(主磁束)を維持するための電流が流れる部分やで。これは並列回路として表現されて、励磁コンダクタンス \( g_0 \)(鉄損分)と励磁サセプタンス \( b_0 \)(磁化電流分)の2つで構成される。
この図が一次側の等価回路やで。変圧器の一次側と見比べてみ。ほぼ同じ構造やろ?
📌 一次側(固定子側)の回路要素まとめ
⚡ \( r_1 \):一次巻線抵抗(銅損の原因)
⚡ \( x_1 \):一次漏れリアクタンス(漏れ磁束による)
⚡ \( g_0 \):励磁コンダクタンス(鉄損分)
⚡ \( b_0 \):励磁サセプタンス(磁化電流分)
⚡ \( E_1 \):一次誘導起電力(主磁束による)
ポイントは、一次側は変圧器と全く同じっていうことや。固定子は動かへんから、回転の影響を受けないんやな。「一次側は変圧器と同じ」って覚えといてくれ。
ほな、ここまでの理解を確認するで!
誘導機の等価回路を考えるとき、変圧器との類似性の説明として最も適切なものはどれか。
大丈夫やで、もう一回整理しよか。
変圧器と誘導機の共通点と相違点を考えてみよう。まず共通点は「磁束を介して一次側から二次側へエネルギーを伝達する」っていうこと。これが等価回路が似ている理由やな。
一方で、変圧器の二次コイルは固定されてるけど、誘導機の回転子(二次側)は回転する。この「回転する」ことで、二次側の周波数がすべり周波数 \( f_2 = sf \) になるんや。これが変圧器との決定的な違いで、等価回路にも影響してくるんやで。
つまり、①の「完全に同じ」は言い過ぎで、③の「無関係」は的外れ。正解は「類似しているが、二次側の回転による違いがある」ということやな。
誘導機の等価回路で、一次側(固定子側)の構造は変圧器と比べてどうか。
さすがや!ほな、もうちょっと深掘りするで。
変圧器と誘導機の等価回路が異なる最大の理由として、最も適切なものはどれか。
ほな、いよいよ二次側(回転子側)の等価回路を見ていくで。ここが誘導機の等価回路のキモ中のキモや!
第9講で学んだことを思い出してな。回転子が回転すると、回転子から見た磁束の周波数は電源周波数 \( f \) ではなく、すべり周波数 \( f_2 = sf \) になるんやったな。せやから、回転子に誘起される起電力や、回転子回路のリアクタンスは、すべり \( s \) の影響を受けるんや。
具体的に見ていこか。まず、回転子に誘起される起電力は、停止時( \( s = 1 \) )に \( E_{20} \) やったとすると、すべり \( s \) のときは
になるんやったな。すべりが小さくなるほど、つまりモーターが速く回るほど、誘起される電圧は小さくなる。これは第9講で学んだ通りや。
次に、回転子の回路要素を考えるで。回転子の巻線抵抗 \( r_2 \) は、周波数に関係なく一定やな。抵抗は電流の通りにくさやから、周波数が変わっても値は変わらへん。
一方、回転子の漏れリアクタンスはどうや?停止時のリアクタンスが \( x_{20} \) やとすると、リアクタンスは周波数に比例するから、すべり \( s \) のときは
つまりリアクタンスも \( s \) 倍になるんや。リアクタンス \( x = 2\pi f L \) やから、周波数が \( sf \) になればリアクタンスも \( s \) 倍になるのは当然やな。
ここまでをまとめると、回転子(二次側)の回路は「起電力 \( sE_{20} \)、抵抗 \( r_2 \)、リアクタンス \( sx_{20} \)」の直列回路になるんや。せやから、二次電流 \( I_2 \) は
この式の形を覚えておいてな。次のステップで、この式をもっと使いやすい形に変換するで!
さて、ここからが等価回路の最大のポイントやで。めっちゃ大事やから集中してな!
さっきの二次電流の式をもう一回見てみよか。
\( I_2 = \frac{sE_{20}}{\sqrt{r_2^2 + (sx_{20})^2}} \)
この式、分子も分母も \( s \) が入ってて、ちょっとゴチャゴチャしてるやろ?ほなここで、分子と分母を両方 \( s \) で割ってみるという数学的なテクニックを使うんや。
【変換のテクニック】分子分母を s で割る
分子:\( sE_{20} \div s = E_{20} \)
分母:\( \sqrt{r_2^2 + (sx_{20})^2} \div s = \sqrt{\left(\frac{r_2}{s}\right)^2 + x_{20}^2} \)
分母の計算をもうちょっと丁寧にやるで。\( \sqrt{r_2^2 + (sx_{20})^2} \) の \( s \) を外に出すために、ルートの中身を \( s^2 \) で割ると
\( \frac{\sqrt{r_2^2 + s^2 x_{20}^2}}{s} = \sqrt{\frac{r_2^2 + s^2 x_{20}^2}{s^2}} = \sqrt{\frac{r_2^2}{s^2} + x_{20}^2} = \sqrt{\left(\frac{r_2}{s}\right)^2 + x_{20}^2} \)
これで、二次電流の式は次のように書き換えられるんや!
この式をよく見てくれ。起電力が \( E_{20} \)(停止時の値)になってるやろ?つまり、周波数 \( f \) のときの起電力やねん。リアクタンスも \( x_{20} \)(停止時=一次周波数のときの値)になってる。
何が変わったかというと、抵抗だけが \( r_2 \) から \( \frac{r_2}{s} \) に変わったんや!
🔑 等価回路の核心
「すべり周波数ベース」の二次回路を「一次周波数ベース」に変換すると
⚡ 起電力:\( sE_{20} \) → \( E_{20} \)(s が消える)
⚡ 抵抗:\( r_2 \) → \( \frac{r_2}{s} \)(s が分母に入る)
⚡ リアクタンス:\( sx_{20} \) → \( x_{20} \)(s が消える)
⚡ 電流 \( I_2 \) の値は変わらない!(式を変形しただけ)
これがなぜ便利かというと、一次側も二次側も同じ周波数 \( f \) の回路として扱えるようになるからや。一次側の周波数は \( f \) で、二次側もこの変換で周波数 \( f \) の回路として表現できる。これで一次側と二次側を一つの等価回路にまとめることができるんやで!
💡 これ、お金の通貨換算に似てるんや。例えば、日本円とドルの取引を一つの帳簿にまとめたいとき、全部「円建て」に換算するやろ?同じように、一次側(周波数 f)と二次側(周波数 sf)を一つの回路にまとめるために、全部「周波数 f 建て」に換算するんや。その結果、抵抗だけが \( r_2/s \) に変わるんやで。
ほな、今学んだ二次回路の変換について確認するで!
誘導機の二次回路を「すべり周波数ベース」から「一次周波数ベース」に変換したとき、変化するのはどれか。
大丈夫やで、ここは引っかかりやすいポイントなんや。
ポイントは「式を変形しただけ」ということや。元の式の分子と分母を s で割っただけやから、電流 I₂ の計算結果は変わらへんのや。つまり③は間違い。
変換前と変換後を比べると、起電力は \( sE_{20} \) → \( E_{20} \) に変わる(s が消える)。リアクタンスも \( sx_{20} \) → \( x_{20} \) に変わる(s が消える)。その代わり、抵抗が \( r_2 \) → \( r_2/s \) に変わるんや。
一次周波数換算後の二次回路で、リアクタンスはどうなるか。
正解!ほな、発展問題いくで。
すべり s = 0.04 のとき、一次周波数換算後の二次側等価抵抗 \( r_2/s \) は、元の二次巻線抵抗 \( r_2 \) の何倍になるか。
ここからがめっちゃ大事な話やで。\( \frac{r_2}{s} \) っていう見慣れない量が出てきたけど、これには深い物理的な意味があるんや。
まず、\( \frac{r_2}{s} \) を変形してみよか。
【r₂/s の分解】
\( \frac{r_2}{s} = r_2 + r_2 \cdot \frac{1-s}{s} \)
確認:\( r_2 + r_2 \cdot \frac{1-s}{s} = \frac{r_2 s}{s} + \frac{r_2(1-s)}{s} = \frac{r_2 s + r_2 - r_2 s}{s} = \frac{r_2}{s} \) ✓
この分解がなんで重要かっていうと、2つの部分それぞれに物理的意味があるからなんや。
まず、\( r_2 \) の部分。これは純粋に回転子巻線の電気抵抗や。ここで消費される電力 \( r_2 I_2^2 \) は回転子の銅損、つまりジュール熱として失われるエネルギーやで。
次に、\( r_2 \cdot \frac{1-s}{s} \) の部分。これは実際には抵抗やないんや。この部分で消費される電力 \( r_2 \cdot \frac{1-s}{s} \cdot I_2^2 \) は、機械出力に変換されるエネルギーを表してるんや!
🔑 r₂/s の分解は超重要!
\( \frac{r_2}{s} = r_2 + r_2 \cdot \frac{1-s}{s} \)
⚡ \( r_2 \):回転子の巻線抵抗 → 二次銅損を生む
⚡ \( r_2 \cdot \frac{1-s}{s} \):等価的な抵抗 → 機械出力に対応
つまり、等価回路上では「抵抗」として表現されてるけど、\( r_2 \cdot \frac{1-s}{s} \) の部分は実際にはモーターが回転して仕事をすることによって消費されるエネルギーを表してるんや。抵抗で熱になるんやなくて、機械エネルギーとして取り出されるんやで。
この分解は、次の第13講「電力の流れ」で超重要になるから、しっかり覚えておいてな!
ほな、今の内容を確認するで!
\( \frac{r_2}{s} \) を \( r_2 + r_2 \cdot \frac{1-s}{s} \) に分解したとき、\( r_2 \cdot \frac{1-s}{s} \) の部分が表す物理的意味はどれか。
大丈夫やで、もう一回整理しよか。
\( r_2/s \) を2つに分けると、\( r_2 \) の部分は回転子の巻線抵抗そのもので、ここで発生する \( r_2 I_2^2 \) は回転子の銅損(ジュール熱)やな。
残りの \( r_2 \cdot \frac{1-s}{s} \) は、実は「抵抗」のフリをしてるけど、実際にはモーターが回転して仕事をすることで消費されるエネルギーを表してるんや。つまり機械出力やで。
\( r_2/s \) の分解で、\( r_2 \) の部分は何に対応するか。
さすがや!ほな発展問題いくで。
すべり s = 0.05 のとき、二次回路の等価抵抗 \( r_2/s \) における機械出力分の割合(\( r_2 \cdot \frac{1-s}{s} \) の \( r_2/s \) に対する比率)はいくらか。
ほな、いよいよ一次側と二次側を合体させて、誘導機全体の等価回路を完成させるで!
ここまでで学んだことを整理すると、一次側は「\( r_1 \)、\( x_1 \)、励磁回路(\( g_0, b_0 \))」で構成されてて、二次側は一次周波数換算すると「\( r_2/s \)、\( x_{20} \)」で構成される。
ここで、変圧器のときと同じように、二次側の量を一次側に換算(巻数比で変換)することで、一つの回路にまとめることができるんや。一次側に換算した二次側の値には、プライム記号( ′ )をつけて区別するで。
こうしてできた等価回路が、T形等価回路やで。名前の由来は、回路の形がアルファベットの「T」に見えるからや。
この図が誘導機のT形等価回路の全体像や。変圧器のT形等価回路とほぼ同じ形やろ?違いは二次側の抵抗が \( r_2'/s \) になっているっていう一点だけや。
変圧器では二次側の抵抗は単なる \( r_2' \) やったけど、誘導機では \( r_2'/s \) になる。この違いが「二次側が回転する」ことの影響を表してるんやで。
ほな、T形等価回路の理解を確認するで!
誘導機のT形等価回路が変圧器のT形等価回路と異なる点はどれか。
もう一回振り返ろか。
変圧器のT形等価回路にも一次側の漏れリアクタンス(①)と励磁回路(②)は存在するで。つまり、これらは変圧器にも誘導機にも共通する要素やから、「異なる点」ではないんや。
誘導機だけの特徴は、二次側が回転することで二次側の抵抗が \( r_2'/s \) になること。変圧器では単なる \( r_2' \) やけど、誘導機では「すべり s」が分母に入るんやで。
すべり s = 1(停止時)のとき、誘導機の等価回路はどうなるか。
完璧や!ほな発展問題いくで。
誘導電動機のすべりが 0 に近づくとき(\( s \to 0 \))、T形等価回路上の二次側等価抵抗 \( r_2'/s \) はどうなるか。
ここで、すべりの値によって等価回路がどう変わるかを整理しとくで。これ、めっちゃイメージ大事やからな。
二次側の等価抵抗 \( r_2'/s \) は、すべり \( s \) の値によって大きく変わるんや。いくつかの典型的な状態を見てみよか。
まず、停止時(\( s = 1 \))のとき。\( r_2'/s = r_2'/1 = r_2' \) やから、等価回路は変圧器の二次側を短絡した状態と同じになる。この状態では大きな電流が流れる。これが始動電流が大きい理由やで。
次に、通常運転時(\( s \approx 0.03 \))のとき。\( r_2'/s = r_2'/0.03 \approx 33r_2' \) やから、等価抵抗はかなり大きくなる。二次電流は適度な値に収まって、ちょうどいい感じでモーターが回ってる状態やな。
最後に、同期速度(\( s = 0 \))のとき。\( r_2'/s \to \infty \)(無限大)になるから、等価的に二次側が開放された状態になる。二次電流はゼロ、つまりトルクもゼロ。これが「同期速度ではトルクが出ない」ことの等価回路的な説明やで。
📌 すべりと等価抵抗の関係まとめ
⚡ \( s = 1 \)(停止):\( r_2'/s = r_2' \) → 短絡状態、大電流(始動電流)
⚡ \( s \approx 0.03 \)(通常運転):\( r_2'/s \approx 33r_2' \) → 適度な電流
⚡ \( s \to 0 \)(同期速度):\( r_2'/s \to \infty \) → 開放状態、電流ゼロ
💡 水道の蛇口に例えると、\( r_2'/s \) は蛇口の絞り具合みたいなもんや。\( s = 1 \)(停止時)は蛇口全開で水がドバドバ流れる状態。すべりが小さくなるにつれて蛇口が絞られて、\( s = 0 \) では蛇口が完全に閉まった状態になるんやで。
ほな、今の内容を確認するで!
誘導電動機の始動時(\( s = 1 \))に始動電流が大きくなる理由を、等価回路の観点から説明したものとして正しいのはどれか。
もう一回整理しよか。
始動時は s = 1 やから、\( r_2'/s = r_2'/1 = r_2' \) になるやろ。\( r_2' \) は回転子巻線の抵抗そのものやから、かなり小さい値なんや。等価回路で見ると、二次側がほぼ短絡された状態に近いわけや。
一方、通常運転では s が小さいから \( r_2'/s \) は大きくなって、電流は適度に制限される。つまり、始動電流が大きいのは s = 1 で等価抵抗が最も小さくなることが原因なんやで。
モーターが加速して s が小さくなると、二次側等価抵抗 r₂'/s はどうなるか。
さすがや!ほな発展問題で深掘りするで。
ある三相誘導電動機の二次巻線抵抗(一次換算値)が \( r_2' = 0.5 \, \Omega \) である。定格すべり \( s = 0.04 \) のとき、二次側の等価抵抗 \( r_2'/s \) はいくらか。
ほな、ここで二次電流の計算問題をやってみるで!
ある三相誘導電動機で、停止時の二次誘導起電力 \( E_{20} = 200 \) V、二次巻線抵抗 \( r_2 = 0.2 \, \Omega \)、停止時の二次漏れリアクタンス \( x_{20} = 1.0 \, \Omega \) である。すべり \( s = 0.04 \) のとき、二次電流 \( I_2 \) に最も近い値はどれか。
(ヒント:一次周波数換算の式 \( I_2 = \frac{E_{20}}{\sqrt{(r_2/s)^2 + x_{20}^2}} \) を使おう)
大丈夫や、計算のやり方を一緒にやっていこか。
ステップ1:r₂/s を計算する
\( r_2/s = 0.2/0.04 = 5 \, \Omega \)
ステップ2:分母を計算する
\( \sqrt{(r_2/s)^2 + x_{20}^2} = \sqrt{5^2 + 1^2} = \sqrt{25 + 1} = \sqrt{26} \approx 5.1 \, \Omega \)
ステップ3:I₂ を計算する
\( I_2 = 200 / 5.1 \approx 39.2 \approx 40 \) A
通常運転時は \( r_2/s \gg x_{20} \) になることが多いから、\( I_2 \approx E_{20} / (r_2/s) = sE_{20}/r_2 \) で近似計算できることも覚えておくとええで。
上の例で s = 1(停止時)のとき、二次電流はどうなるか。
計算もバッチリやな!ほな発展問題で実力を試すで。
上と同じ条件(\( E_{20} = 200 \) V、\( r_2 = 0.2 \, \Omega \)、\( x_{20} = 1.0 \, \Omega \))で、始動時(\( s = 1 \))の二次電流 \( I_2 \) と通常運転時(\( s = 0.04 \))の二次電流の比(始動時 / 通常運転時)に最も近い値はどれか。
ここで、電験三種で等価回路がどう出題されるかを整理しとくで。
等価回路の問題は、電験三種の機械科目で超頻出や。出題パターンは大きく3つあるで。
📊 等価回路の出題パターン
⚡ パターン1:回路要素の知識問題「一次側・二次側の各要素が何を表すか」「変圧器との違いは何か」→ 今日の内容がそのまま活きる!
⚡ パターン2:等価回路からの電力計算「r₂'/s の消費電力から機械出力を求める」「二次銅損と機械出力の比を求める」→ 第13〜14講で詳しくやるで
⚡ パターン3:L形等価回路を使った計算「簡略化した等価回路で電流・トルクを計算する」→ 次回の第12講で学ぶで
特によく出るのが、\( r_2'/s \) の分解に関する問題やで。「\( r_2'/s \) を分解すると何と何になるか」「それぞれ何を表すか」っていう問題は定番中の定番や。今日学んだ \( r_2'/s = r_2' + r_2'(1-s)/s \) の分解は、絶対に覚えておかなアカンで。
もう一つ注意してほしいのが、一次換算と二次側そのままの違いや。問題文をよく読んで、「一次側換算値で聞いてるのか」「二次側そのままの値で聞いてるのか」を判断することが大事やで。プライム記号(′)がついてるかどうかをしっかり確認しような。
ほな、ここまでの知識を総合した問題いくで!
誘導電動機のT形等価回路における二次側等価抵抗 \( r_2'/s \) に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
一つずつ確認していこか。
①の「r₂' は二次銅損に対応」→ これは正しいで。r₂' は回転子巻線の抵抗で、ここでの消費電力が銅損やな。
②の「r₂'(1-s)/s は機械出力に対応」→ これも正しい。この部分の消費電力が機械出力になるんやったな。
③の「すべりが大きくなるほど r₂'/s は大きくなる」→ 逆やで!s が大きくなると r₂'/s は小さくなる。例えば s=0.04 なら r₂'/0.04 = 25r₂' やけど、s=1 なら r₂'/1 = r₂' や。s が大きいほど小さくなるんやで。
すべりが小さい(s が 0 に近い)ほど、r₂'/s に占める機械出力分の割合はどうなるか。
よう見抜いたな!ほな発展問題や。
ある誘導電動機がすべり s = 0.05 で運転している。等価回路上の二次側で消費される全電力(\( \frac{r_2'}{s} I_2'^2 \))のうち、機械出力として取り出されるのは何%か。
よっしゃ!ここで今日学んだことを総まとめするで。
第11講では、誘導機の等価回路の基本を学んだ。めっちゃ重要な内容ばかりやったから、しっかり振り返ろか。
📝 第11講のまとめ
⚡ 誘導機は「回転する変圧器」として等価回路で表せる
⚡ 一次側(固定子)の等価回路は変圧器と同じ(r₁, x₁, 励磁回路)
⚡ 二次側は一次周波数換算で抵抗が r₂/s に変わる
⚡ \( \frac{r_2}{s} = r_2 + r_2 \cdot \frac{1-s}{s} \)(銅損分 + 機械出力分)
⚡ s = 1 で短絡状態(始動電流大)、s → 0 で開放状態(電流ゼロ)
⚡ 全体はT形等価回路で表される
次の第12講では、このT形等価回路をさらに簡略化した「L形等価回路」を学ぶで。実際の計算問題では、T形よりL形の方がよく使われるから、お楽しみにな!
ほな、最終問題いくで!
ほな、最終問題や!今日の総仕上げやで!
三相誘導電動機のT形等価回路に関する次の記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
A. 一次側の回路要素は変圧器の一次側と同一である。
B. 二次側の等価抵抗 r₂'/s をr₂' と r₂'(1-s)/s に分解すると、前者は機械出力、後者は二次銅損に対応する。
C. すべり s が 0 に近づくと、二次側の等価抵抗は非常に大きくなり、二次電流はほぼゼロになる。
D. 二次側回路を一次周波数に換算しても、二次電流 I₂ の値は変化しない。
大丈夫やで、一つずつ確認しよか。
A「一次側は変圧器と同一」→ 正しい。一次側は固定してるから、変圧器と全く同じ回路構造やで。
B「r₂' が機械出力、r₂'(1-s)/s が二次銅損」→ これは逆やで!r₂' が二次銅損で、r₂'(1-s)/s が機械出力や。Bは誤りやな。
C「s → 0 で等価抵抗が大きくなり電流ゼロ」→ 正しい。r₂'/s は s が 0 に近づくと無限大になるから、電流はゼロに近づくで。
D「一次周波数換算しても I₂ は変わらない」→ 正しい。式を変形しただけやから、計算結果は同じや。
r₂'/s の分解で、機械出力に対応するのはどちらか。
さすがや!記述Bのひっかけに騙されへんかったな。ほな最後の発展問題や!
ある三相誘導電動機が定格すべり s = 0.04 で運転している。二次入力(二次側に伝達される電力 \( P_g \))が 10 kW であるとき、二次銅損と機械出力はそれぞれいくらか。
(ヒント:r₂'/s の分解から、二次銅損 : 機械出力 = r₂' : r₂'(1-s)/s = s : (1-s) となる)
お疲れさん!第11講「等価回路の基本」、全問クリアやで!
今日は、誘導機の等価回路という計算問題を解くための最強ツールの基礎を学んだな。変圧器との類似性から始まって、一次側・二次側の回路要素、r₂/s の分解、T形等価回路の全体像まで、盛りだくさんの内容やった。
特に覚えてほしいのはこの3つや。
📌 絶対に覚える3つのポイント
⚡ 誘導機は「回転する変圧器」→ 一次側は変圧器と同じ
⚡ \( \frac{r_2}{s} = r_2 + r_2 \cdot \frac{1-s}{s} \)(銅損 + 機械出力)
⚡ 二次銅損 : 機械出力 = s : (1-s)
ほな、結果を見てみよか!
📚 次回予告:第12講「L形等価回路」
次回は、T形等価回路をさらに簡略化した「L形等価回路」を学ぶで。励磁回路を回路の入力端に移動させるこの近似は、実際の計算問題で大活躍する重要テクニックや。なぜ簡略化できるのか、どんなときに使えるのか、そしてL形等価回路を使った計算の実践まで、しっかり解説するで。お楽しみにな!