回転子が「感じる」周波数と起電力の秘密を解き明かそう!
よっしゃ!第9講、スタートや!
前回の第8講ではすべり \( s \) の定義を学んだな。\( s = \frac{N_s - N}{N_s} \) っていう式で、回転磁界と回転子の速度差を割合で表すもんやった。
今回はこの「すべり」を使って、もう一歩踏み込んだ話をするで。テーマは「すべり周波数」と「二次誘導起電力」や。
「すべり周波数」って何やねん?って思うやろ。これはな、回転子が感じる電気的な周波数のことなんや。固定子には電源周波数 \( f \)(50Hzとか60Hz)の交流が流れてるけど、回転子にはそれとは違う周波数の電流が流れるんや。これがすべり周波数 \( f_2 = sf \) やで。
さらに、回転子に発生する起電力(二次誘導起電力)も、すべりによって変化する。停止時と回転時で、起電力の大きさが違うんや。この関係を表すのが \( E_2 = sE_{20} \) っていう式やで。
📚 この講座で学ぶこと
⚡ すべり周波数 \( f_2 = sf \) の意味と導出
⚡ 二次誘導起電力 \( E_2 = sE_{20} \) の意味
⚡ 二次リアクタンス \( x_2' = sx_2 \) の変化
⚡ 二次電流 \( I_2 \) と二次力率 \( \cos\phi_2 \) の公式
⚡ すべりと二次側の各量の関係を一括理解
この講座の内容は、後に学ぶ等価回路やトルク特性の基礎中の基礎になるから、しっかり理解してな。ほな、さっそく始めよか!
まずは前回の復習を兼ねて、すべりが周波数とどう関係するのかを考えてみよか。
すべり \( s \) は「回転磁界と回転子の速度差の割合」やったな。回転磁界は同期速度 \( N_s \) で回ってて、回転子は速度 \( N \) で回ってる。
ここで大事なのは、回転子から見た世界を考えるっていう視点や。
地面に立ってる人(固定子側)から見たら、回転磁界は \( N_s \) [min⁻¹] で回ってるし、回転子は \( N \) [min⁻¹] で回ってる。でもな、回転子自身から見たら話が変わるんや。
回転子は自分が回ってるから、回転磁界が \( N_s \) で回ってるようには見えへん。回転子にとっては、回転磁界は \( N_s - N \) [min⁻¹] の速度で自分を追い越していくように見えるんや。
💡 たとえるなら、高速道路を走ってる車をイメージしてみ。君が時速80kmで走ってて、隣の車線を時速100kmの車が追い抜いていくとする。君から見たら、その車は時速20km(= 100 - 80)で前に進んでるように見えるやろ?これと同じことが、回転磁界と回転子の間で起きてるんや。
この「回転子から見た回転磁界の相対速度」が \( N_s - N \) やで。そして、すべり \( s \) を使うと:
つまり、回転子から見ると、回転磁界は同期速度の \( s \) 倍の速度で通過しているんや。
ほんで、ここからがポイントや。この「回転子から見た相対的な速度の変化」は、そのまま回転子が感じる電気的な周波数の変化に直結するんやで。次のステップで詳しく見ていこか。
さあ、ここからが今回の最重要ポイントや。すべり周波数 \( f_2 \) を導出するで。
まず、同期速度と電源周波数の関係を思い出してみ。第7講で学んだ式や。
この式は「周波数 \( f \) の交流が作る回転磁界は、速度 \( N_s \) で回る」っていう意味やったな。
ほな逆に考えてみ。もし回転磁界がある速度で回っているなら、それに対応する周波数が存在するはずやろ?
回転子から見た回転磁界の相対速度は \( sN_s \) やったな。この相対速度に対応する周波数が、すべり周波数 \( f_2 \) なんや。
すべり周波数の導出
同期速度と周波数の関係:\( N_s = \frac{120f}{p} \) → \( f = \frac{pN_s}{120} \)
回転子から見た相対速度:\( sN_s \)
この相対速度に対応する周波数:
\( f_2 = \frac{p \cdot sN_s}{120} = s \cdot \frac{pN_s}{120} = sf \)
出たで!これがすべり周波数の公式や。めちゃくちゃシンプルやろ?
この式の意味をもう一回整理しとくで。固定子(一次側)には周波数 \( f \) の電流が流れてる。でも回転子(二次側)に流れる電流の周波数は \( f_2 = sf \) なんや。回転子は自分自身が回転してるから、回転磁界の変化を「割り引いて」感じるんやな。
📌 すべり周波数のポイント
⚡ 回転子に流れる電流の周波数は \( f_2 = sf \)
⚡ すべりが小さいほど、二次周波数は低くなる
⚡ 停止時(\( s = 1 \))は \( f_2 = f \)(電源周波数そのまま)
⚡ 同期速度(\( s = 0 \))なら \( f_2 = 0 \)(誘導作用なし)
通常運転時、すべりは2〜5%くらいやから、すべり周波数は電源周波数に比べてかなり小さい値になるんやで。50Hzの電源ですべり3%なら、\( f_2 = 0.03 \times 50 = 1.5 \) Hz しかない。めっちゃ低い周波数やろ?
この「二次側の周波数が低い」っていう事実は、後で学ぶ二次リアクタンスや二次電流の話にも大きく関わってくるから、しっかり覚えといてな。
すべり周波数の公式は分かったな。ほな、具体的な数値で確認してみよか。
たとえば、4極、60Hzの三相誘導電動機が回転速度 1728 [min⁻¹] で回転してるとしよう。
ステップ1:同期速度を求める
\( N_s = \frac{120f}{p} = \frac{120 \times 60}{4} = 1800 \) [min⁻¹]
ステップ2:すべりを求める
\( s = \frac{N_s - N}{N_s} = \frac{1800 - 1728}{1800} = \frac{72}{1800} = 0.04 \)
ステップ3:すべり周波数を求める
\( f_2 = sf = 0.04 \times 60 = 2.4 \) [Hz]
どうや?電源周波数は60Hzやのに、回転子に流れる電流の周波数はたったの2.4Hzしかないんや。
これは回転子が回転磁界をほぼ追いかけていて、相対的な磁束変化がゆっくりやからや。60Hzの信号が、回転子の立場からはたった2.4Hzに見えるっていうのは、なかなか不思議な感じがするやろ?
💡 さっきの高速道路のたとえでいうと、「時速100kmで走ってる車の横を、自分が時速96kmで走ってる」ような状態や。相手は確かに時速100kmで走ってるけど、自分から見たら時速4kmでゆっくり追い越していくように見える。この「ゆっくり」が、すべり周波数が低いっていうことに対応してるんやで。
ここで大事なことをもうひとつ。停止時(始動時)は \( s = 1 \) やから、\( f_2 = f \) になるということや。モーターが停まってるときは、回転磁界がフルスピードで回転子を横切るから、回転子は電源周波数そのものを感じるんやな。始動時と通常運転時で周波数がこんなに違うっていうのは、後で始動電流が大きい理由を理解するときにも役立つで。
ほな、ここまでの理解度を確認してみよか!
ほな、第1問いくで!すべり周波数の基本計算や。
6極、50Hzの三相誘導電動機が、すべり \( s = 0.05 \) で運転しているとき、回転子に流れる電流の周波数(すべり周波数)\( f_2 \) [Hz] はいくらか。
すべり周波数の公式をもう一回確認しよか。
すべり周波数は \( f_2 = sf \) やったな。ここで \( s \) はすべり、\( f \) は電源周波数や。極数は直接は関係ないで(同期速度を経由してすべりを求めるときには使うけど、今回はすべりが与えられてるからシンプルに掛け算するだけや)。
\( f_2 = 0.05 \times 50 = 2.5 \) [Hz] になるんやで。
ほな、確認問題いくで。
電源周波数 60Hz、すべり \( s = 0.03 \) のとき、すべり周波数 \( f_2 \) [Hz] はいくらか。
4極、50Hzの三相誘導電動機が 1440 [min⁻¹] で回転しているとき、すべり周波数 \( f_2 \) [Hz] はいくらか。
すべり周波数の次は、二次誘導起電力の話に進むで。
まず、「二次誘導起電力って何?」っていうところから説明しよか。
誘導電動機の固定子(一次側)に三相交流を流すと、回転磁界ができるのは前に学んだな。この回転磁界が回転子(二次側)の導体を横切ることで、回転子に電圧(起電力)が誘導されるんや。これが二次誘導起電力やで。
これは変圧器と全く同じ原理なんや。変圧器では、一次コイルに交流を流すと磁束が変化して、二次コイルに起電力が誘導されるやろ?誘導電動機も「回転する変圧器」みたいなもんやと思ってくれ。
ほんで、回転子が停止してるとき(\( s = 1 \))に二次側に誘導される起電力を \( E_{20} \) と書く。下付きの「20」は「二次側(2)の停止時(0)」っていう意味や。
停止時に起電力が最大になるのは、回転磁界と回転子の相対速度が最大やからや。回転子が停まってるんやから、回転磁界はフルスピード \( N_s \) で回転子を横切る。磁束の変化率が最大やから、ファラデーの法則に従って起電力も最大になるんやで。
💡 これも高速道路のたとえが使えるで。路肩に停まってる車(停止中の回転子)の横を、100kmの車(回転磁界)が通過したら、すごい風圧(= 大きな起電力)を感じるやろ?でも自分も80kmで走ってたら(回転中の回転子)、感じる風圧(= 起電力)は小さくなる。同じことが起電力にも起きてるんや。
ほな次に、「回転子が回ってるとき(\( s < 1 \))の起電力はどうなるの?」っていう疑問に答えていくで。
ここが今回の講座のもうひとつの山場や。回転中の二次誘導起電力を求めるで。
ファラデーの法則を思い出してくれ。誘導起電力の大きさは「磁束の変化率」、つまり「単位時間あたりにどれだけ磁束が変化するか」に比例するんやったな。
停止時(\( s = 1 \))は、回転磁界が周波数 \( f \) で回転子を横切るから、起電力は \( E_{20} \) になる。
ほんなら、回転中(すべり \( s \))はどうか?回転子から見た磁束変化の周波数は \( f_2 = sf \) やったな。つまり、磁束の変化率が \( s \) 倍に減るんや。
起電力は磁束変化率に比例するから、回転中の二次誘導起電力は:
これも超シンプルな式やろ?停止時の起電力に、すべり \( s \) を掛けるだけや。
この式から分かる大事なことを整理するで。
📌 二次誘導起電力のポイント
⚡ 停止時(\( s = 1 \)):\( E_2 = E_{20} \) → 最大の起電力
⚡ 通常運転(\( s \approx 0.03 \)):\( E_2 = 0.03E_{20} \) → 停止時のわずか3%!
⚡ 同期速度(\( s = 0 \)):\( E_2 = 0 \) → 起電力なし=トルクなし
⚡ \( E_2 \) は \( s \) に比例する(直線関係)
通常運転時は、起電力が停止時の数%しかないっていうのが直感に反するかもしれんけど、回転子がほぼ同期速度で回ってるんやから当然やな。相対速度がめっちゃ小さいんやから、起電力もめっちゃ小さい。でも、この小さい起電力で十分な電流が流れて、モーターとして機能するんやで。その仕組みは次のステップ以降で説明するな。
ほな、すべり周波数と二次起電力の両方を使った問題や。
停止時の二次誘導起電力が \( E_{20} = 200 \) V の三相誘導電動機が、すべり \( s = 0.04 \) で運転している。このとき、回転中の二次誘導起電力 \( E_2 \) [V] はいくらか。
二次誘導起電力の公式をもう一回確認しよか。
\( E_2 = sE_{20} \) やで。停止時の起電力にすべりを掛けるだけや。
\( E_2 = 0.04 \times 200 = 8 \) [V] が正解やな。
すべりが0.04(4%)やから、起電力も停止時の4%しかないっていうことや。直感的にも理解しやすいやろ?
停止時の二次誘導起電力が \( E_{20} = 150 \) V、すべり \( s = 0.06 \) のとき、\( E_2 \) [V] はいくらか。
4極、50Hzの三相誘導電動機が 1470 [min⁻¹] で回転している。停止時の二次誘導起電力が \( E_{20} = 240 \) V のとき、回転中の二次誘導起電力 \( E_2 \) [V] と二次周波数 \( f_2 \) [Hz] の組み合わせとして正しいものはどれか。
ここからは、すべりによって変化するもうひとつの重要な量、二次リアクタンスについて説明するで。
まず、リアクタンスの基本を思い出してくれ。コイル(インダクタンス \( L \))のリアクタンスは \( x = 2\pi f L \) やったな。リアクタンスは周波数に比例するっていうのが大事なポイントや。
ほんなら、回転子のリアクタンスはどうなる?
停止時(\( s = 1 \))の二次リアクタンスを \( x_2 \) とするで。このとき、回転子が感じる周波数は \( f_2 = f \)(電源周波数そのまま)やから:
\( x_2 = 2\pi f L_2 \)
回転中(すべり \( s \))では、回転子が感じる周波数が \( f_2 = sf \) に減るから:
\( x_2' = 2\pi \cdot sf \cdot L_2 = s \cdot 2\pi f L_2 = sx_2 \)
これも \( E_2 = sE_{20} \) と同じパターンやな。停止時の値にすべりを掛けるだけや。
ところで、二次抵抗 \( r_2 \) はどうなるか?って気になるやろ。抵抗は周波数に依存しない(\( R = \rho \frac{l}{A} \) で決まる)から、すべりに関係なく一定や。\( r_2 \) は変わらない!
📌 すべりで変わるもの・変わらないもの
⚡ 変わる:周波数 \( f_2 = sf \)、起電力 \( E_2 = sE_{20} \)、リアクタンス \( x_2' = sx_2 \)
⚡ 変わらない:抵抗 \( r_2 \)(周波数に無関係)
この「リアクタンスは変わるけど、抵抗は変わらない」っていうのがめっちゃ大事やで。これが通常運転時(すべりが小さいとき)と始動時(すべり=1)で回路の性質が大きく変わる理由なんや。通常運転時はリアクタンスがほぼゼロに近づくから、回路はほぼ「抵抗だけ」の性質になるんやで。
ほな、二次リアクタンスに関する問題や。
ある三相誘導電動機の停止時の二次リアクタンスが \( x_2 = 2.0 \) Ω である。すべり \( s = 0.05 \) で運転中の二次リアクタンス \( x_2' \) [Ω] はいくらか。
二次リアクタンスの公式を確認しよか。
\( x_2' = sx_2 \) やったな。すべりと停止時のリアクタンスの積や。
\( x_2' = 0.05 \times 2.0 = 0.10 \) [Ω]
停止時は2.0Ωあったリアクタンスが、運転中はたったの0.1Ωしかないんや。リアクタンスがこんなに小さくなるから、回転子の回路はほぼ抵抗性になるんやで。
すべりが変化しても値が変わらない二次側の量はどれか。
ある三相誘導電動機の二次抵抗が \( r_2 = 0.2 \) Ω、停止時の二次リアクタンスが \( x_2 = 1.0 \) Ω である。すべり \( s = 0.04 \) で運転中の二次インピーダンスの大きさ \( Z_2 \) [Ω] に最も近い値はどれか。
さあ、ここからは二次側の公式を組み合わせて、二次電流 \( I_2 \) の式を導くで。
回転子の回路を考えてみ。回転中の回転子には、起電力 \( E_2 = sE_{20} \) が発生してて、その回路にはインピーダンス(抵抗 \( r_2 \) とリアクタンス \( x_2' = sx_2 \))がある。
オームの法則で電流を求めると:
二次電流の導出
二次電流 = 二次起電力 ÷ 二次インピーダンス
\( I_2 = \frac{E_2}{Z_2} = \frac{sE_{20}}{\sqrt{r_2^2 + (sx_2)^2}} \)
この式はちょっと複雑に見えるけど、やってることはシンプルや。起電力をインピーダンスで割ってるだけやで。
ここで注目してほしいのは、この式は \( s \) に対して単純な比例関係にはならないっていうことや。分子に \( s \) があるけど、分母にも \( s \) が入ってる。やから、すべりが増えると電流がどう変化するかは、分子と分母のバランスで決まるんや。
具体的にどういう振る舞いをするか見てみよか。
通常運転時(\( s \) が小さいとき):分母の \( (sx_2)^2 \) はめっちゃ小さいから、分母はほぼ \( r_2 \) だけ。すると \( I_2 \approx \frac{sE_{20}}{r_2} \) となって、電流はすべりにほぼ比例する。
始動時(\( s = 1 \)):\( I_2 = \frac{E_{20}}{\sqrt{r_2^2 + x_2^2}} \) となる。リアクタンスがフルに効くから、インピーダンスが大きくなるけど、起電力もフルやから、それでも大きな電流が流れるんや。
💡 つまり、通常運転時の回転子は「低い電圧で小さな抵抗の回路に小さな電流が流れてる」状態。始動時は「高い電圧で大きなインピーダンスの回路に大きな電流が流れてる」状態なんや。始動電流が定格電流の5〜8倍にもなるのは、この式から理解できるんやで。
二次電流の次は、二次力率 \( \cos\phi_2 \) について見ていくで。
二次回路の力率は、抵抗とインピーダンスの比で求まるのは交流回路の基本やな。
この式の意味を考えてみよか。
通常運転時(\( s \) が小さい):\( sx_2 \) がとても小さいから、分母はほぼ \( r_2 \) だけ。つまり \( \cos\phi_2 \approx 1 \)。回転子の回路はほぼ抵抗性で、力率はほぼ1なんや。
始動時(\( s = 1 \)):\( x_2 \) がフルに効くから、\( \cos\phi_2 = \frac{r_2}{\sqrt{r_2^2 + x_2^2}} \) と小さくなる。回転子はインダクタンス成分が大きくなって、力率が悪化するんや。
📌 通常運転時 vs 始動時の違い
⚡ 通常運転時は \( s \) が小さい → リアクタンスほぼゼロ → 力率ほぼ1 → 回路は抵抗性
⚡ 始動時は \( s = 1 \) → リアクタンス最大 → 力率が低い → 回路は誘導性
⚡ この違いが、始動時に大電流が流れる理由のひとつにもなってるんやで
ここまでで、すべりと二次側の各量の関係が一通り見えてきたな。全部 \( s \) で繋がってるっていうのが美しいやろ?ほな、ここまでの理解を問題で確認しよか。
ほな、二次回路の特性に関する問題や。概念的な理解を確認するで。
三相誘導電動機の通常運転時(すべりが小さいとき)の二次回路の特性として、最も適切なものはどれか。
通常運転時の二次回路の特性を整理しよか。
通常運転時はすべり \( s \) が0.02〜0.05くらいのとても小さい値や。このとき、二次リアクタンスは \( x_2' = sx_2 \) やから、もとの値の数%しかない。一方、抵抗 \( r_2 \) はすべりに関係なく一定。
つまり \( r_2 \gg sx_2 \) になって、回路はほぼ抵抗だけの回路になるんや。抵抗だけの回路は力率が1やから、二次力率もほぼ1に近くなるんやで。
始動時(\( s = 1 \))の二次回路の特性として正しいものはどれか。
ある三相誘導電動機の二次抵抗 \( r_2 = 0.5 \) Ω、停止時の二次リアクタンス \( x_2 = 2.0 \) Ω、停止時の二次誘導起電力 \( E_{20} = 100 \) V である。すべり \( s = 0.05 \) で運転中の二次電流 \( I_2 \) [A] に最も近い値はどれか。
ほな、すべりと二次側の量を総合的に扱う問題や。
三相誘導電動機のすべりが増加したとき、二次側の変化として誤っているものはどれか。
すべりと各量の関係を復習しよか。
すべり \( s \) が増加すると:
・\( f_2 = sf \) → 増加する ✅
・\( E_2 = sE_{20} \) → 増加する ✅
・\( x_2' = sx_2 \) → 増加する ✅
・\( r_2 \) → 変化しない!
抵抗は周波数に関係なく一定やから、すべりが変わっても変化せえへんのや。だから④が誤りやで。
すべりが \( s = 0.02 \) から \( s = 0.04 \) に増加したとき、二次誘導起電力 \( E_2 \) はどうなるか。
三相誘導電動機が通常運転(すべり小)から負荷が増加してすべりが大きくなった場合、二次力率 \( \cos\phi_2 \) はどのように変化するか。またその理由として正しいものはどれか。
さあ、ここまでいくつもの公式を学んできたな。ここで全体像を俯瞰して整理しようか。
今回学んだ公式はすべて、「回転子から見た世界」を表現してるんや。固定子(一次側)には電源周波数 \( f \) の交流が流れてるけど、回転子(二次側)は自分が回転してるから、すべての量が \( s \) を介して「割り引かれる」んやな。
📚 二次側の公式一覧
⚡ すべり周波数:\( f_2 = sf \)
⚡ 二次誘導起電力:\( E_2 = sE_{20} \)
⚡ 二次リアクタンス:\( x_2' = sx_2 \)
⚡ 二次抵抗:\( r_2 \)(一定・変化なし)
⚡ 二次電流:\( I_2 = \frac{sE_{20}}{\sqrt{r_2^2 + (sx_2)^2}} \)
⚡ 二次力率:\( \cos\phi_2 = \frac{r_2}{\sqrt{r_2^2 + (sx_2)^2}} \)
覚え方のコツを教えるで。「周波数が \( s \) 倍になるから、周波数に依存する量もすべて \( s \) 倍になる」と考えるんや。
起電力は \( e = -N\frac{d\Phi}{dt} \) で、磁束変化の速さ(周波数)に比例するから \( s \) 倍。リアクタンスは \( x = 2\pi fL \) で周波数に比例するから \( s \) 倍。一方、抵抗 \( R = \rho \frac{l}{A} \) は周波数に無関係やから変化しない。
このパターンさえ覚えておけば、個別の公式を丸暗記しなくても導出できるんやで。電験の試験中に「あれ、この公式なんやったっけ?」ってなっても、原理から考え直せるのが強みや。
💡 全部の公式に共通するルールは「周波数に比例するものは \( s \) 倍、周波数に無関係なものは変化なし」。これだけ覚えとけば怖いもんなしやで。
ここからは、電験三種で実際に出る問題パターンと、受験生がよくやらかすミスを紹介するで。
パターン1:すべり周波数の計算
「4極、50Hz、回転速度1440 min⁻¹のとき、すべり周波数を求めよ」っていう典型問題。これは \( s \) を求めてから \( f_2 = sf \) を計算するだけやけど、極数が変わると同期速度も変わることを忘れがちや。まず \( N_s \) を求めるのを忘れんようにな。
パターン2:二次起電力の比較
「すべり0.05のときの二次起電力は、停止時の何%か」っていう問題。\( E_2 = sE_{20} \) やから、すべりをそのままパーセントに変換するだけ。\( s = 0.05 \) なら停止時の5%やで。
パターン3:始動時と定格時の比較
「始動時と定格運転時で、二次リアクタンスはどう変わるか」っていう概念問題。始動時(\( s = 1 \))は \( x_2' = x_2 \) でフル、定格時(\( s \approx 0.03 \))は \( x_2' \approx 0.03x_2 \) とほぼゼロ。33倍以上の差があることを理解しとくんや。
⚠️ よくある間違い
⚡ 「二次抵抗もすべりに比例する」と勘違い → 抵抗は一定!
⚡ 「すべり周波数の計算に極数を使う」と混乱 → \( f_2 = sf \) に極数は直接出てこない
⚡ 「通常運転時にリアクタンスが大きい」と思い込む → 通常運転時は \( sx_2 \approx 0 \) でほぼゼロ!
この3つの間違いは電験受験生あるあるやから、しっかり区別できるようにしといてな。ほな、実践問題いくで!
ほな、電験パターンの実践問題や。
2極、60Hzの三相誘導電動機が、回転速度 3456 [min⁻¹] で回転している。このとき、すべり周波数 \( f_2 \) [Hz] はいくらか。
順番に計算していこか。
まず同期速度:\( N_s = \frac{120 \times 60}{2} = 3600 \) [min⁻¹]
次にすべり:\( s = \frac{3600 - 3456}{3600} = \frac{144}{3600} = 0.04 \)
最後にすべり周波数:\( f_2 = 0.04 \times 60 = 2.4 \) [Hz]
ポイントは、まず同期速度を求めてからすべりを計算する、っていう手順を踏むことやで。
8極、50Hzの三相誘導電動機の同期速度 \( N_s \) [min⁻¹] はいくらか。
4極、50Hzの三相誘導電動機が1440 [min⁻¹] で回転している。停止時の二次リアクタンスが \( x_2 = 3.0 \) Ω のとき、回転中の二次リアクタンス \( x_2' \) [Ω] と二次周波数 \( f_2 \) [Hz] の組み合わせとして正しいものはどれか。
さあ、いよいよ終盤や。公式の理解を総合的に確認する問題やで。
三相誘導電動機の二次側に関する記述として、誤っているものはどれか。
各選択肢を確認していこか。
①「\( E_2 = sE_{20} \)」→ 正しい。二次起電力はすべりに比例するで。
②「\( f_2 = sf \)」→ 正しい。すべり周波数の基本式やな。
③「二次抵抗がすべりに比例」→ これが誤り!抵抗は周波数に無関係やから、すべりが変わっても一定やで。
④「\( x_2' = sx_2 \)」→ 正しい。リアクタンスは周波数(すべり)に比例するな。
二次抵抗 \( r_2 \) がすべりに関係なく一定である理由として正しいものはどれか。
ある三相誘導電動機で、すべりが \( s_1 = 0.02 \) から \( s_2 = 0.06 \) に増加した。二次電流 \( I_2 \) について、通常運転時(\( sx_2 \ll r_2 \) が成り立つ範囲)の近似を使うと、電流はおよそ何倍になるか。
最終問題や!今回学んだことの総まとめ問題やで。気合い入れていこか!
4極、50Hzの三相誘導電動機に関する次の記述A〜Dについて、正しいものの組み合わせはどれか。ただし、停止時の二次誘導起電力を \( E_{20} = 200 \) V、停止時の二次リアクタンスを \( x_2 = 2.0 \) Ω とする。
A:すべり0.04のとき、すべり周波数は 2.0 Hz である
B:すべり0.04のとき、二次誘導起電力は 80 V である
C:すべり0.04のとき、二次リアクタンスは 0.08 Ω である
D:すべり0.04のとき、同期速度は 1500 min⁻¹ である
ひとつずつ検算していこか。
A:\( f_2 = sf = 0.04 \times 50 = 2.0 \) Hz → 正しい ✅
B:\( E_2 = sE_{20} = 0.04 \times 200 = 8 \) V → 80Vは誤り ❌(正しくは8V)
C:\( x_2' = sx_2 = 0.04 \times 2.0 = 0.08 \) Ω → 正しい ✅
D:\( N_s = \frac{120 \times 50}{4} = 1500 \) [min⁻¹] → 正しい ✅
Bだけが誤りやから、A・C・Dが正しい → ②が正解やで。Bの引っかけポイントは桁の間違い。\( 0.04 \times 200 = 8 \) であって80やないで。
\( s = 0.05 \)、\( E_{20} = 300 \) V のとき、\( E_2 \) [V] はいくらか。
4極、50Hzの三相誘導電動機(\( r_2 = 0.4 \) Ω、\( x_2 = 2.0 \) Ω、\( E_{20} = 200 \) V)がすべり \( s = 0.04 \) で運転している。このときの二次電流 \( I_2 \) [A] に最も近い値はどれか。
お疲れさん!第9講、最後のまとめや。
今回は「すべり周波数」と「二次誘導起電力」を中心に、二次側の各量がすべりとどう関係するかを学んだな。めっちゃ重要な講座やったで。
📚 第9講のまとめ
⚡ すべり周波数:\( f_2 = sf \) → 回転子が感じる周波数
⚡ 二次誘導起電力:\( E_2 = sE_{20} \) → 停止時の \( s \) 倍
⚡ 二次リアクタンス:\( x_2' = sx_2 \) → 周波数に比例するから \( s \) 倍
⚡ 二次抵抗:\( r_2 \) → 周波数に無関係で一定
⚡ 二次電流:\( I_2 = \frac{sE_{20}}{\sqrt{r_2^2 + (sx_2)^2}} \)
⚡ 二次力率:\( \cos\phi_2 = \frac{r_2}{\sqrt{r_2^2 + (sx_2)^2}} \)
⚡ 覚え方:周波数に比例する量は \( s \) 倍、そうでないものは一定
今回学んだ公式は、次の第10講「すべりの計算問題」でガッツリ使うし、さらにその先の等価回路、電力の流れ、トルク特性でもずっと登場し続ける超重要な基礎やで。
特に \( E_2 = sE_{20} \) と \( f_2 = sf \) は、等価回路を理解するための鍵になるから、完璧に理解しといてな。
📚 次回予告:第10講「すべりの計算問題」
次回は、すべりを使った実践的な計算問題をたっぷり演習するで。今回学んだ公式を使いこなせるように、計算力を鍛えていこか!
📚 次回予告:第10講「すべりの計算問題」
すべり周波数・二次起電力の公式を使いこなす実践演習です。計算力を鍛えて、電験三種の得点源にしましょう!