回転磁界の速度を支配する公式を完全マスターしよう!
よっしゃ!第7講、いよいよ同期速度の話や!
前回の第6講では、三相交流を固定子に流すと回転磁界が生まれるっていう話をしたな。U相・V相・W相の電流が時間的にずれて流れることで、磁界がグルグル回転するっていう、誘導電動機の心臓部ともいえる仕組みやった。
ここで大事な疑問がひとつあるはずや。それは「回転磁界って、どれくらいの速さで回ってるん?」っていうことやな。
考えてみてくれ。回転磁界の速さが分からんかったら、誘導電動機の回転速度も分からへん。速度制御の話も、すべりの話も、トルクの計算も、全部この「回転磁界の速度」が基準になるんや。つまり、今回学ぶ同期速度は、誘導機のあらゆる計算の出発点ということやで。
📚 この講座で学ぶこと
⚡ 同期速度とは何か(回転磁界の回転速度)
⚡ \( N_s = \frac{120f}{p} \) の公式の導出と意味
⚡ 「120」という係数がどこから来るのか
⚡ 極数と同期速度の関係
⚡ 日本の50Hz/60Hz地域での同期速度の違い
公式を丸暗記するだけやなくて、「なんでこの式になるのか」を一緒に導き出していくで。導出が分かれば、試験本番で公式を忘れても自分で導けるようになるからな。
ほな、まずは「同期速度って何やねん?」ってところから始めよか!
まず、「同期速度」の定義をハッキリさせとこか。
同期速度( \( N_s \) )とは、ズバリ回転磁界が回転する速度のことや。英語では "synchronous speed" っていうんやけど、"synchronous" は「同期した」っていう意味やな。何に同期してるかというと、電源の周波数に同期してるんや。
前回やった回転磁界を思い出してくれ。三相交流の周波数が \( f \) [Hz] のとき、電流は1秒間に \( f \) 回の周期で変化するやろ?この電流の変化に合わせて、回転磁界もグルグル回る。つまり、回転磁界の速度は電源周波数で一意に決まるんや。
💡 たとえるなら、回転磁界は「メリーゴーランド」みたいなもんや。メリーゴーランドの回転速度はモーターで決まるやろ?回転磁界の速度は電源周波数で決まるんや。お客さん(回転子)が乗ってても乗ってなくても、メリーゴーランド自体の回転速度は変わらへん。回転磁界も同じで、回転子に負荷がかかっても回転磁界自体の速度は変わらへんんやで。
ここが超重要なポイントや。同期速度は電源周波数と極数だけで決まる。負荷の大きさには一切関係あらへん。回転子がどれだけ重い荷物を回していようが、回転磁界は淡々と同じ速度で回り続けるんや。
📌 同期速度のポイント
⚡ 同期速度 \( N_s \) = 回転磁界の回転速度
⚡ 電源周波数 \( f \) と極数 \( p \) だけで決まる
⚡ 負荷の大きさには無関係(常に一定)
⚡ 単位は [min⁻¹](1分あたりの回転数)
「同期速度=回転磁界の速度」っていうイメージがつかめたら、次はいよいよ公式の導出や。「なんで \( N_s = \frac{120f}{p} \) になるのか?」を、ゼロから一緒に考えていくで!
ほな、公式を導出していくで。まずは一番シンプルな2極( \( p = 2 \) )の場合から考えよか。
2極っていうのは、N極とS極が1組(1対)だけある状態やな。前回の回転磁界の図を思い出してくれ。三相交流を固定子に流すと、N極とS極が1対できて、それがグルグル回っとったやろ?あれが2極の回転磁界や。
ここが導出の出発点や。2極の回転磁界は、電源の1周期( \( T \) 秒)で、ちょうど1回転するんや。
なんでかっていうと、三相交流は1周期で電流の向きが1サイクル変わるやろ?2極の場合、N極とS極が1組しかないから、電流の1サイクルの変化でN極がぐるっと1周して元の位置に戻ってくるんや。
ほな、ここから計算していくで。電源周波数が \( f \) [Hz] ということは、1秒間に \( f \) 周期や。そして2極では1周期で1回転するから、1秒間に \( f \) 回転することになるな。
ステップ1:1秒間の回転数(2極の場合)
\( n_s = f \) [回転/秒]
でもな、回転速度の単位は普通 [min⁻¹](1分あたりの回転数)で表すんや。せやから、1秒あたりの回転数を1分あたりに直さなあかん。1分は60秒やから、60をかけるだけやな。
ステップ2:1分間の回転数に変換(2極の場合)
\( N_s = 60 \times f = 60f \) [min⁻¹]
例えば、電源周波数が50Hzなら、\( N_s = 60 \times 50 = 3000 \) [min⁻¹]、つまり1分間に3000回転もするんや。60Hzなら \( 60 \times 60 = 3600 \) [min⁻¹] やな。
ここまでは簡単やろ?でもこれは2極の場合だけの話や。次のステップで「極数が増えたらどうなるか」を考えていくで。ここが公式導出の核心部分やからな!
さて、ここからが本番やで。極数が増えたら同期速度はどう変わるかを考えよう。
まず「極数」の意味をおさらいしとこか。極数 \( p \) は磁極の総数で、N極とS極は必ずペアやから、 \( p \) は必ず偶数(2, 4, 6, 8...)になるんや。2極なら N極1個とS極1個で合計2極。4極なら N極2個とS極2個で合計4極やな。
ほな、4極( \( p = 4 \) )の場合を考えてみよか。
4極の場合、円周上にN-S-N-Sと4つの磁極が並ぶやろ?電源の1周期で磁界パターンが進む距離は「N極1個分+S極1個分」、つまり円周の半分なんや。2極のときは1周期で1回転(円周全体)やったのが、4極では半回転しかせえへん。
なんでこうなるかっていうと、4極の場合は円周上に2組のN-Sペアが並んでるから、磁界パターンが1つのN-Sペア分だけ進むと、もう次のN-Sペアの位置に来てしまうからなんや。結果として、回転速度は2極の半分になるんやで。
同じ論理で考えると、6極なら1周期で1/3回転、8極なら1/4回転になる。一般化すると、 \( p \) 極の場合は1周期で \( \frac{2}{p} \) 回転するんや。
ほな、ここから一般的な公式を導出するで!
ステップ1:1周期あたりの回転数
\( p \) 極の場合、1周期で \( \frac{2}{p} \) 回転
ステップ2:1秒あたりの回転数
周波数 \( f \) [Hz] = 1秒間に \( f \) 周期だから
\( n_s = f \times \frac{2}{p} = \frac{2f}{p} \) [回転/秒]
ステップ3:1分あたりに変換
\( N_s = 60 \times \frac{2f}{p} = \frac{120f}{p} \) [min⁻¹]
出たー!これが同期速度の公式やで!「120」っていう数字は、 \( 60 \times 2 = 120 \) から来てるんや。60は「秒→分」の換算、2は「1周期で2極分(N極1つ+S極1つ分)進む」ことから出てきた数字やで。
📌 120の正体
⚡ 60 ← 秒を分に変換する係数(1分=60秒)
⚡ 2 ← 1周期で磁界がN極1個+S極1個分(=2極分)進むことを反映
⚡ \( 60 \times 2 = 120 \)
この「120の由来」は電験の記述式で問われることもあるから、丸暗記やなくてちゃんと導出できるようにしといてな。ほな、ここまでの理解度を確認してみよか!
ほな、第1問いくで!公式の意味を確認しよう。
同期速度 \( N_s = \frac{120f}{p} \) の式において、係数「120」はどのように導かれるか。最も正しいものを選べ。
大丈夫やで、もう一回整理しよか。
まず③の「360°÷3相=120」は、確かに120になるけど同期速度の導出とは全く関係ないんや。三相交流の位相差が120°なだけで、同期速度の120とはたまたま同じ数字になってるだけやで。
①の「磁極対数の2」は惜しいけど不正確や。正しくは「1周期で磁界が2極分(N極1個+S極1個分)進む」から2が出てくるんやで。
導出の流れをもう一回おさらいするな。\( p \) 極の回転磁界では、電源の1周期で \( \frac{2}{p} \) 回転する。1秒間に \( f \) 周期あるから、1秒間に \( \frac{2f}{p} \) 回転。これを1分間あたりにするために60をかけて \( \frac{60 \times 2 \times f}{p} = \frac{120f}{p} \) になるんや。
同期速度の公式 \( N_s = \frac{120f}{p} \) において、分母の \( p \) は何を表すか。
6極の三相誘導電動機がある。電源周波数が60Hzのとき、回転磁界が1秒間に何回転するか求めよ。
公式は分かったな。ほな、ここからは極数をもう少し深掘りしていくで。
「極数 \( p \) が増えると同期速度が下がる」っていうのは、公式から分かるやろ?分母に \( p \) があるから、\( p \) が大きくなればなるほど \( N_s \) は小さくなる。でもな、「なんで極数が増えると遅くなるのか」の直感的な理解が大事なんや。
上の図を見てくれ。極数が多いということは、円周上にたくさんの磁極が詰め込まれているということや。すると、電源の1周期で磁界パターンが進む距離(角度)が小さくなるんや。
💡 たとえるなら、階段の段数みたいなもんや。同じ高さの建物でも、階段の段数が多い方が1段あたりの高さ(ステップ幅)は小さくなるやろ?極数が多いと「磁界の1ステップ」が小さくなって、結果的に1周するのに時間がかかる。せやから同期速度が下がるんや。
実際のモーターでは、用途に応じて極数を選ぶんやで。高速回転が欲しい場合(ポンプや送風機など)は2極や4極を使う。低速でトルクが欲しい場合(コンベヤや圧延機など)は6極や8極以上を使うこともある。極数の選択は、モーターの設計段階で決まる重要なパラメータなんや。
📌 極数と同期速度の関係
⚡ 極数が少ない(2極、4極) → 同期速度が高い
⚡ 極数が多い(6極、8極…) → 同期速度が低い
⚡ 同期速度は極数に反比例する
ほな、ここで具体的な数値を入れて計算してみよか。公式の使い方を身につけるには、実際に手を動かすのが一番やからな。
日本の電源周波数は、東日本が50Hz、西日本が60Hzやったな。この2つの周波数で、主要な極数の同期速度を計算してみるで。
例題1:2極・50Hzの場合
\( N_s = \frac{120 \times 50}{2} = \frac{6000}{2} = 3000 \) [min⁻¹]
例題2:4極・50Hzの場合
\( N_s = \frac{120 \times 50}{4} = \frac{6000}{4} = 1500 \) [min⁻¹]
例題3:4極・60Hzの場合
\( N_s = \frac{120 \times 60}{4} = \frac{7200}{4} = 1800 \) [min⁻¹]
どうや?計算自体は簡単やろ。掛け算と割り算だけや。でもな、電験三種の試験ではこの同期速度の値をパッと出せるかどうかがスピードに直結するんや。
せやから、よく出る組み合わせは表にして頭に入れておくのがオススメやで。完全に暗記する必要はないけど、「4極・60Hzなら1800 min⁻¹くらいやな」っていう感覚は持っておきたいところや。
この表の中で、電験三種で最もよく出るのは4極やで。4極・50Hzの1500 min⁻¹ と、4極・60Hzの1800 min⁻¹ は、もう条件反射で出てくるくらいにしておきたいところや。
ちなみに、2極の場合は表を見て分かるように、50Hzで3000 min⁻¹、60Hzで3600 min⁻¹ とかなりの高速になる。工場で使う大型モーターは4極が主流で、高速回転が必要な小型モーター(電動工具など)に2極が使われることが多いんや。
💡 試験のコツを教えるで。問題文に「回転速度が1740 min⁻¹」とか書いてあったら、すぐに「お、これは4極・60Hzの同期速度1800 min⁻¹ より少し遅いな。すべりがあるんやな」って分かるようになる。同期速度の表が頭に入ってると、問題を読むスピードが段違いに上がるんやで。
ほな、次のステップからは問題をバンバン解いて計算力をつけていこか!
ほな、第2問や!基本的な計算問題にチャレンジしてみよか。
4極の三相誘導電動機を、周波数50Hzの電源で運転する。このときの同期速度 \( N_s \) [min⁻¹] はいくらか。
大丈夫やで!公式に数値を代入するだけやから、一緒にやってみよか。
同期速度の公式は \( N_s = \frac{120f}{p} \) やったな。問題文から、\( f = 50 \) Hz、\( p = 4 \) 極やから、そのまま代入するだけや。
代入
\( N_s = \frac{120 \times 50}{4} = \frac{6000}{4} = 1500 \) [min⁻¹]
ポイントは「120に周波数をかけて、極数で割る」っていう手順やで。慣れたら暗算でできるようになるから安心してな。
同じ4極の電動機を60Hzで運転したら、同期速度はどうなるか。
ある三相誘導電動機を50Hzの電源で運転したとき、同期速度が1000 min⁻¹ であった。この電動機の極数はいくつか。
ここで、日本特有の話題にちょっと触れとくで。これは電験三種でもよく出るテーマや。
みんな知ってると思うけど、日本の電源周波数は東日本が50Hz、西日本が60Hzやな。糸魚川〜静岡あたりを境にして周波数が違うんや。これは明治時代に東京がドイツ製(50Hz)、大阪がアメリカ製(60Hz)の発電機を導入したのが原因で、100年以上経った今でもそのままなんやで。
ほな、これが誘導電動機にどう影響するか考えてみよか。同期速度は \( N_s = \frac{120f}{p} \) やから、周波数が違えば同期速度も違うんや。
同じ4極のモーターでも、50Hzなら1500 min⁻¹、60Hzなら1800 min⁻¹ と、300 min⁻¹ もの差が出るんや。速度比は \( \frac{50}{60} = \frac{5}{6} \) やから、50Hz地域は60Hz地域の約83%の速さっていうことになる。
これは実務上も大事な話やで。たとえば、50Hz地域の工場で使っていたモーターを60Hz地域に持って行ってそのまま使うと、回転速度が1.2倍(= 60/50)になって、ポンプの流量が増えすぎたり、ファンの風量が変わったり、最悪の場合モーターが過負荷で焼損するおそれもあるんや。
📌 50Hz/60Hz問題のポイント
⚡ 同期速度は電源周波数に比例する
⚡ 50Hz → 60Hzに変わると同期速度は1.2倍になる
⚡ 異なる周波数地域でモーターを使う場合は注意が必要
⚡ 電験三種では「50Hzと60Hzでの同期速度の比較」がよく出る
この「50Hz/60Hz問題」は、後で学ぶインバータ(周波数変換装置)とも深く関係してくるで。インバータは周波数を自由に変えられるから、50Hz/60Hzの壁を超えてモーターの速度を制御できるんやけど、その話は第23講でやるからな。
ほな、第3問!50Hz/60Hzの比較問題や。
ある4極の三相誘導電動機を50Hzの電源で使用していたものを、60Hzの電源で使用した場合、同期速度は何倍になるか。
一緒に考えよか。公式 \( N_s = \frac{120f}{p} \) を見てくれ。極数 \( p \) は同じ電動機やから変わらへんやろ?変わるのは周波数 \( f \) だけや。
50Hzのときの同期速度を \( N_{s1} \)、60Hzのときを \( N_{s2} \) とすると、比を取るだけやで。
速度比の計算
\( \frac{N_{s2}}{N_{s1}} = \frac{\frac{120 \times 60}{p}}{\frac{120 \times 50}{p}} = \frac{60}{50} = \frac{6}{5} = 1.2 \)
120も \( p \) も約分で消えて、結局周波数の比だけになるんやな。同期速度は周波数に比例するから、周波数が \( \frac{6}{5} \) 倍になれば同期速度も \( \frac{6}{5} \) 倍やで。
4極・60Hzでの同期速度は何 min⁻¹ か。
ある三相誘導電動機を50Hzで運転したとき同期速度が750 min⁻¹ であった。この電動機を60Hzで運転したときの同期速度 [min⁻¹] はいくらか。
ここまでで計算はバッチリやな。ほな、もう少し深い話をしよか。「同期速度」が持つ物理的な意味をもっとしっかり理解しておくで。
ここが非常に重要なポイントなんやけど、誘導電動機の回転子は、同期速度では回らないんや。「え?回転磁界の速度で回るんちゃうの?」って思うかもしれんけど、そこが誘導電動機の面白いところやで。
回転子は回転磁界より少しだけ遅く回る。この「少しだけ遅い」っていうのが、誘導電動機が動く仕組みの核心なんや。
💡 前にも出てきた「追いかけっこ」のたとえを使おか。回転磁界は「鬼」で、回転子は「逃げる人」や。でもちょっと違うのは、この追いかけっこでは「追いかけられていること」が走る原動力になってるってことや。もし逃げる人が鬼と同じ速さで走れたら、追いかけられてる実感がなくなって走るのをやめてしまう。つまり、鬼と逃げる人の間に速度差がないと「追いかけられてる力」が生まれないんや。
物理的にいうと、回転子が回転磁界と同じ速度(同期速度)で回ると、回転子の導体と回転磁界の間の相対速度がゼロになる。相対速度がゼロということは、導体を横切る磁束の変化がなくなる。磁束の変化がなければファラデーの法則によって誘導起電力が生じない。誘導起電力がなければ電流も流れない。電流が流れなければ電磁力(トルク)も発生しない。
せやから、誘導電動機の回転子は、必ず同期速度より少し遅く回るんや。この「同期速度と実際の回転速度の差」を「すべり」って呼ぶんやけど、これは次の第8講で詳しくやるで。
📌 同期速度と実回転速度の関係
⚡ 同期速度 \( N_s \) = 回転磁界の速度(理論上の最高速度)
⚡ 実際の回転速度 \( N \) は同期速度より少し遅い
⚡ この差を「すべり」\( s = \frac{N_s - N}{N_s} \) と呼ぶ(第8講で詳しく学習)
⚡ すべりがゼロ → 誘導作用が消えてトルクもゼロになる
今回は「すべり」の詳細には立ち入らへんけど、同期速度は誘導電動機にとって「超えられない壁」やっていうイメージだけは持っておいてな。モーターの回転速度の「天井」を決めるのが同期速度なんやで。
第4問!同期速度の意味に関する理解度チェックやで。
三相誘導電動機の同期速度に関する記述として、誤っているものはどれか。
もう一回整理しよか。
①「周波数に比例」→ \( N_s = \frac{120f}{p} \) で \( f \) は分子にあるから、比例やな。正しい。
②「極数に反比例」→ \( p \) は分母にあるから、反比例や。正しい。
④「負荷によらず一定」→ 同期速度は \( f \) と \( p \) だけで決まるから、負荷は関係ない。正しい。
③「回転子は同期速度で回転する」→ これが誤りや!回転子は同期速度より少し遅く回るんやったな。同期速度で回転するのは「同期電動機」の特徴であって、「誘導電動機」は違うんやで。
誘導電動機の回転子が同期速度で回れない理由として正しいのはどちらか。
4極・60Hzの三相誘導電動機が1746 min⁻¹ で回転している。この電動機の同期速度に対する回転速度の比( \( N/N_s \) )として最も近い値はどれか。
ここで、電験三種でめっちゃ役立つ逆算テクニックを紹介するで。
試験問題では「同期速度を求めよ」だけじゃなくて、「回転速度から極数を求めよ」とか「回転速度から周波数を求めよ」みたいな問題もよく出るんや。公式を変形して使えるようにしておくのが大事やで。
基本の公式は \( N_s = \frac{120f}{p} \) やったな。これを変形すると…
変形自体は簡単やろ。ただし、ここでめっちゃ重要な注意点があるんや。
問題文で与えられる速度が「同期速度」なのか「実際の回転速度」なのか、注意せなあかんで。たとえば「回転速度1440 min⁻¹」って書いてあったら、これは同期速度やない。同期速度は必ず \( \frac{120f}{p} \) で割り切れるキリのいい値(1500とか1800とか)になるんや。1440みたいな半端な数は実際の回転速度で、すべりの分だけ同期速度より遅くなってるんやで。
📌 逆算のときの注意点
⚡ 問題で与えられた速度が「同期速度」か「実回転速度」かを確認する
⚡ 同期速度は必ず \( \frac{120f}{p} \) でキリよく割り切れる値になる
⚡ 1440, 1746, 2880 などの半端な値は「実回転速度」の可能性が高い
⚡ 極数は必ず偶数(2, 4, 6, 8...)になる → 奇数になったら計算ミス!
💡 「極数が偶数かどうか」は計算結果のセルフチェックに使えるで。もし計算して極数が3とか5とか出たら、それは絶対に間違いや。N極とS極は必ずペアやから、極数は絶対に偶数になるんや。試験本番で「あれ、3極?おかしいな…」ってなったら、どこかで計算ミスしてるってすぐ気づけるんやで。
第5問!逆算テクニックを使う問題やで。
60Hzの電源で運転される三相誘導電動機の同期速度が1200 min⁻¹ であった。この電動機の極数はいくつか。
公式を変形して使ってみよか。
極数を求める公式
\( p = \frac{120f}{N_s} = \frac{120 \times 60}{1200} = \frac{7200}{1200} = 6 \)
6極やな。偶数やし問題なし!さっきの同期速度一覧表を見ても、6極・60Hzは1200 min⁻¹ で一致するから合ってるで。
50Hzで同期速度が3000 min⁻¹ の電動機の極数はいくつか。
ある三相誘導電動機の回転速度が1164 min⁻¹ であった。電源周波数は60Hzで、すべりは3%である。この電動機の極数はいくつか。
第6問!今度は周波数を逆算する問題やで。
8極の三相誘導電動機の同期速度が900 min⁻¹ であった。電源周波数 [Hz] はいくらか。
周波数を求める公式を使おか。
周波数を求める公式
\( f = \frac{p \cdot N_s}{120} = \frac{8 \times 900}{120} = \frac{7200}{120} = 60 \) [Hz]
60Hzやな!同期速度表を見ても、8極・60Hzは確かに900 min⁻¹ やで。逆算も「120fを計算して割る」のと同じ要領でできるんや。
6極・同期速度1000 min⁻¹ のとき、周波数は何Hzか。
ある三相誘導電動機を周波数 \( f_1 \) で運転したとき同期速度が \( N_{s1} \) であった。周波数を \( f_2 = 1.5 f_1 \) に変更すると、同期速度 \( N_{s2} \) はいくらになるか。
ここで、同期速度にまつわるよくある混乱ポイントを整理しとくで。
「同期速度」って名前を聞くと、「同期電動機」の話と混同する人がおるんや。でもな、同期速度は誘導電動機にも同期電動機にも共通の概念やで。どちらの電動機でも、回転磁界の速度は \( N_s = \frac{120f}{p} \) で同じや。
違うのは、回転子がその速度で回るかどうかなんや。
同期電動機は回転子に永久磁石や電磁石(界磁巻線)を持ってて、回転磁界と回転子がガッチリ「同期」して同じ速度で回る。せやから \( N = N_s \) や。
一方、誘導電動機は回転子に磁石を持ってない。電磁誘導で回転子に電流を誘導して、それで力を生み出す。この仕組み上、回転磁界との速度差(すべり)が必要やから、\( N < N_s \) になるんや。
電験三種では「同期速度で回転するのは同期電動機か誘導電動機か」みたいな形で出題されることがあるから、ここはしっかり区別しといてな。
📌 混同しやすいポイント整理
⚡ 同期電動機:回転子が同期速度ぴったりで回る( \( N = N_s \) )
⚡ 誘導電動機:回転子は同期速度より少し遅い( \( N < N_s \) )
⚡ 回転磁界の速度(同期速度)の計算式はどちらも同じ \( N_s = \frac{120f}{p} \)
第7問!ここまでの知識を総動員する問題やで。
三相誘導電動機の同期速度に関する記述として、正しいものの組み合わせはどれか。
A:同期速度は \( N_s = \frac{120f}{p} \) で求められ、120は60(秒→分変換)と2(1周期で2極分進む)の積である
B:極数を2倍にすると同期速度は2倍になる
C:50Hzの電源で4極のとき同期速度は1500 min⁻¹ である
D:誘導電動機の回転子は同期速度と同じ速度で回転する
1つずつ確認しよか。
A:120の由来は「60(秒→分)× 2(1周期で2極分進む)=120」やから正しい。
B:\( N_s = \frac{120f}{p} \) で \( p \) は分母にある。極数を2倍にすると同期速度は半分になる(2倍ではない)。誤り。
C:\( N_s = \frac{120 \times 50}{4} = 1500 \) min⁻¹ やから正しい。
D:誘導電動機の回転子は同期速度より少し遅く回る(すべりがある)から誤り。
正しいのはAとCの組み合わせやな。
極数を2倍にすると、同期速度はどうなるか。
4極の三相誘導電動機をインバータで駆動する。同期速度を900 min⁻¹ にしたい場合、インバータの出力周波数 [Hz] はいくらに設定すべきか。
よっしゃ!ここまでよう頑張ったな。最後に今回学んだことを総まとめしよか。
今回のテーマは「同期速度」、つまり回転磁界の回転速度やった。公式の導出から意味、計算テクニックまで一通りやったな。
📚 第7講 学習内容まとめ
⚡ 同期速度は回転磁界の速度で、電源周波数と極数だけで決まる
⚡ 120 は「60(秒→分)× 2(1周期で2極分進む)」から導出される
⚡ 極数が増えると同期速度は反比例して下がる
⚡ 50Hz/60Hzの違いで同期速度が変わる(比は5:6)
⚡ 誘導電動機の回転子は同期速度より少し遅く回る(すべりがある)
⚡ 公式の逆算(極数や周波数を求める問題)にも対応できるようにする
同期速度は、誘導機のあらゆる計算の「出発点」になる値や。次の第8講で学ぶ「すべり」も、第13講以降の電力やトルクの計算も、すべてこの同期速度を基準にするんやで。
特に4極・50Hzの1500 min⁻¹ と4極・60Hzの1800 min⁻¹ は電験の試験で圧倒的に登場頻度が高いから、もう体に染み込ませるくらい覚えておいてな。
ほな、最後の仕上げ問題にいこか!
ラスト!最終問題や。今回学んだことの集大成やで!
ある三相誘導電動機の回転速度が1710 min⁻¹ で、すべりが5%であった。この電動機を60Hzの電源で運転しているとき、極数はいくつか。
(ヒント:まず同期速度を求めてから極数を求めよ)
この問題は2段階で解くんやで。
まず、すべりの定義 \( s = \frac{N_s - N}{N_s} \) を使って同期速度を求めるのが第1段階や。すべり \( s = 0.05 \)、回転速度 \( N = 1710 \) min⁻¹ やな。
第1段階:同期速度を求める
\( s = \frac{N_s - N}{N_s} \) を変形すると \( N = N_s(1 - s) \)
∴ \( N_s = \frac{N}{1 - s} = \frac{1710}{1 - 0.05} = \frac{1710}{0.95} = 1800 \) [min⁻¹]
第2段階:極数を求める
\( p = \frac{120f}{N_s} = \frac{120 \times 60}{1800} = \frac{7200}{1800} = 4 \)
4極やな!1800 min⁻¹ は4極・60Hzの同期速度として覚えてた値やから、バッチリ合ってるで。
すべりが5%で同期速度が1800 min⁻¹ のとき、同期速度と実回転速度の差は何 min⁻¹ か。
6極の三相誘導電動機を50Hzで運転していたが、インバータを用いて周波数を40Hzに変更した。このとき同期速度は何 min⁻¹ 変化するか(減少量の絶対値で答えよ)。
お疲れさま!第7講「同期速度」、しっかり学べたな!
今回で同期速度の公式 \( N_s = \frac{120f}{p} \) の導出と意味が完全に理解できたはずや。120の正体、極数との関係、50Hz/60Hz問題、逆算テクニックまでバッチリやな。
次の第8講では、今回チラッと予告した「すべり」を本格的にやるで。すべりは \( s = \frac{N_s - N}{N_s} \) で定義される値で、同期速度と実回転速度の差を表すんや。このすべりが分かると、誘導電動機の回転速度、二次周波数、二次電圧、電力の計算まで一気にできるようになるんやで。
同期速度が「出発点」やとしたら、すべりは「計算の鍵」や。第7講の同期速度と第8講のすべりは、セットで覚えるのが大事やからな。
📚 次回予告:第8講「すべり」
同期速度と実回転速度の差を表す「すべり」を学びます。\( s = \frac{N_s - N}{N_s} \) の意味と計算方法を完全マスターしましょう!