誘導電動機を回す「見えない力」の正体を暴こう!
よっしゃ!Part 2「回転磁界とすべり」編、いよいよスタートや!
Part 1では誘導機の基礎として、誘導機とは何か、基本原理(アラゴの円板)、構造(固定子と回転子)、かご形と巻線形の違いを学んできたな。ここまでの知識があれば、今日の話はスムーズに理解できるはずやで。
第6講のテーマは回転磁界や。これは誘導電動機の心臓部ともいえる超重要な概念で、「なぜ誘導電動機が回るのか」という根本的な疑問の答えがここにあるんや。
Part 1の第2講で「アラゴの円板」を学んだとき、「磁石を回すと円板も回る」という現象を見たやろ?あのとき、磁石を手で回してたわけやけど、実際の誘導電動機では磁石を使わずに、電気の力だけで「回転する磁界」を作り出してるんや。これが回転磁界やで。
📚 この講座で学ぶこと
⚡ 回転磁界とは何か、なぜ必要なのか
⚡ 単相交流では回転磁界ができない理由
⚡ 三相交流による回転磁界の発生原理
⚡ 各時刻での磁界ベクトルの合成方法
⚡ 回転磁界の方向と大きさ
数式も出てくるけど、怖がらんでええで。「ベクトルの足し算」ができれば大丈夫や。むしろ、図を見ながらイメージで理解するのが一番大事やから、焦らずいこか!
まず、なぜ回転磁界が必要なのかを改めて確認しておこか。
第2講のアラゴの円板を思い出してくれ。銅やアルミの円板の上で磁石をグルグル回すと、円板もつられて回ったやろ?あの現象の正体は電磁誘導や。磁石が回ることで円板の中の磁束が変化して、渦電流が流れて、その電流と磁界の間にフレミング左手の法則による力が生まれる。
つまり、誘導電動機の回転子を回すためには、「回転する磁界」が絶対に必要なんや。回転磁界がなかったら、誘導電動機は動かへん。ピクリとも動かへんで。
たとえるなら、回転磁界は「見えない手」みたいなもんや。アラゴの円板では人間が手で磁石を回してたけど、誘導電動機では「電気の力で作った見えない磁石」が勝手にグルグル回ってくれるんや。この「見えない手」こそが回転磁界やで。
ほな、この「見えない手」をどうやって作るのか。ここからが今日の本題や。
実は、回転磁界を作る方法にはいくつかあるんやけど、工業的に最も重要で、誘導電動機で実際に使われてるのが三相交流による回転磁界なんや。なんで三相交流がポイントなのか、順を追って説明していくで。
📌 回転磁界のポイント
⚡ 回転磁界=空間的に回転する磁界のこと
⚡ 誘導電動機が回るためには回転磁界が絶対に必要
⚡ 三相交流を固定子コイルに流すことで回転磁界を作る
ここで大事な話をしとくで。「単相交流では回転磁界は作れへん」っていう事実や。
「え、交流を流せば磁界が変化するんやから、それで回転磁界になるんちゃうの?」って思うかもしれん。でもな、それは間違いやねん。
単相交流を1つのコイルに流した場合を考えてみ。コイルに電流が流れると磁界ができるやろ?で、電流の向きは交流やから周期的に入れ替わる。つまり、磁界の方向はN→S→N→S...と、同じ方向で行ったり来たりするだけなんや。これを「交番磁界」っていうんやで。
交番磁界は「回転」してへんやろ?ただ同じ場所で強くなったり弱くなったり、向きが反転したりしてるだけや。これでは回転子を一方向に回すことはできへんのや。
じゃあどうすればいいか?答えは「空間的にずらした複数のコイルに、時間的にずれた電流を流す」ことや。これが三相交流のすごいところなんやで。
三相交流は、3つの電流が120°ずつ位相がずれて流れてる。この3つの電流を、空間的に120°ずつずらして配置した3組のコイルに流すと、あら不思議、合成された磁界がクルクル回り始めるんや!
📌 回転磁界を作る2つの条件
⚡ 空間的なずれ:コイルを120°間隔で配置する
⚡ 時間的なずれ:三相交流(120°の位相差)を流す
→ この2つが合わさることで回転磁界が誕生する!
回転磁界のメカニズムに入る前に、三相交流と固定子コイルの配置を確認しとこか。
三相交流っていうのは、3つの正弦波交流が120°(= 2π/3 ラジアン)ずつ位相をずらして流れてるもんや。交流回路の単元で学んだと思うけど、ここでもう一回おさらいしとくで。
U相が基準(位相0°)で、V相はU相より120°遅れ、W相はU相より240°遅れてるんや。この「120°のずれ」がめっちゃ重要やで。
次に、固定子コイルの配置を見てみよか。誘導電動機の固定子には、U相・V相・W相の3組のコイルが空間的に120°間隔で配置されてるんや。
この図がめっちゃ大事やで。U相、V相、W相のコイルが空間的に120°ずつずれて配置されてるのがわかるやろ?それぞれのコイルに三相交流(時間的に120°ずれた電流)を流すんや。
空間的にも時間的にも120°ずつずれてる。この「ダブルのずれ」が、回転磁界を生み出すカギなんやで。次のステップでは、実際に各時刻で磁界がどう変化するか見ていくで!
ほな、ここまでの理解を確認してみよか!
三相誘導電動機の固定子に回転磁界を発生させるために必要な条件の組合せとして、最も適切なものはどれか。
大丈夫やで、もう一回整理しよか。
回転磁界を作るには2つの条件が必要やったな。ひとつは空間的なずれ、もうひとつは時間的なずれやで。
①は「同位相」つまり時間的なずれがないからアウト。③は「同じ位置」つまり空間的なずれがないからアウト。④は空間的なずれが90°で、三相交流の位相差120°と一致してないからアウトや。
三相交流の「3」がポイントなんや。3つのコイルを360° ÷ 3 = 120°間隔で配置して、そこに120°位相差の電流を流す。空間と時間の両方が120°ずつずれてるから、回転磁界ができるんやで。
単相交流を1つのコイルに流したとき、発生する磁界の種類は何か。
ええぞ!基本はバッチリやな。ほな、ちょっと突っ込んだ問題いくで。
二相交流電動機では、2つのコイルを空間的に90°ずらして配置し、90°位相差の二相交流を流すことで回転磁界を作る。三相交流で回転磁界を作る場合と比較して、二相交流の欠点として最も適切なものはどれか。
ほな、いよいよ核心部分に入るで。三相交流が回転磁界を生むメカニズムを、具体的に見ていこか。
考え方はシンプルや。各コイル(U相、V相、W相)はそれぞれ自分の軸方向に磁界を作る。その磁界の大きさは、流れてる電流に比例するんや。
つまり、ある瞬間にU相にたくさん電流が流れてたら、U相方向の磁界が強くなる。V相の電流が小さかったら、V相方向の磁界は弱い。こうやって、各瞬間での3つの磁界をベクトルとして合成すると、合成磁界の向きと大きさがわかるんや。
たとえるなら、3人の人が綱引きをしてる状態を想像してみ。3人が120°間隔の方向に立って、それぞれの力(=電流)が時間とともに変わるんや。ある瞬間にAさんが全力で引っ張って、BさんCさんが半分くらいの力で引っ張ったら、合成された力はAさんの方向に近くなるやろ?次の瞬間にBさんが全力になったら、合成力の方向はBさん寄りに変わる。こうやって、合成力の方向がグルグル回るんや。これが回転磁界やで。
ほな、実際に特定の時刻での合成磁界を計算してみよか。まず最もわかりやすい \( \omega t = 0° \) の瞬間から見ていくで。
各コイルが作る磁界の大きさは、各コイルに流れる電流に比例するから、各時刻での電流値がわかれば、合成磁界がわかるんや。ここで各相の電流値を確認するで。
\( \omega t = 0° \) のときの各相の電流
\( i_U = I_m \sin 0° = 0 \)
\( i_V = I_m \sin (-120°) = -\frac{\sqrt{3}}{2} I_m \)
\( i_W = I_m \sin (-240°) = \frac{\sqrt{3}}{2} I_m \)
見てみ。U相の電流はゼロ、V相はマイナス(逆方向)、W相はプラスや。この3つの磁界をベクトル合成すると、合成磁界の向きが決まるんやで。
📌 合成磁界の求め方
⚡ 各相の電流値を三相交流の式から求める
⚡ 各コイルの軸方向に、電流に比例した磁界ベクトルを描く
⚡ 3つのベクトルを合成(足し算)する
⚡ 合成ベクトルの向きが、その瞬間の磁界の方向
ほな、\( \omega t = 0° \) のときの合成磁界を図で見てみよか。
さっき計算した通り、\( \omega t = 0° \) のとき、U相の電流はゼロやから、U相の磁界もゼロや。V相は \( -\frac{\sqrt{3}}{2} I_m \)(負の値)やから、V相の軸の逆方向に磁界ができる。W相は \( +\frac{\sqrt{3}}{2} I_m \)(正の値)やから、W相の軸の正方向に磁界ができるんや。
見てわかるように、V相の逆方向ベクトルとW相の正方向ベクトルを合成すると、右方向(水平方向)の合成磁界ができるんや。U相はゼロやから影響なし。
これが \( \omega t = 0° \) での合成磁界の方向や。ほな、時間が経って \( \omega t = 120° \) になったらどうなるか?
\( \omega t = 120° \) のときの各相の電流
\( i_U = I_m \sin 120° = \frac{\sqrt{3}}{2} I_m \)
\( i_V = I_m \sin 0° = 0 \)
\( i_W = I_m \sin (-120°) = -\frac{\sqrt{3}}{2} I_m \)
今度はU相がプラス、V相がゼロ、W相がマイナスや。これを合成すると…合成磁界はU相方向(上方向)を向くんや!
つまり、0°→120°の間に、合成磁界は右方向から上方向(反時計回りに120°)に回転したことになるんやで!
さらに \( \omega t = 240° \) では合成磁界は左下を向き、\( \omega t = 360° \) では再び右方向に戻る。合成磁界が一定の大きさを保ちながらグルグル回転してるということが確認できるんや。これが回転磁界の正体やで!
📌 ここが超重要!
⚡ 三相交流の1周期(360°)で、合成磁界も1回転する
⚡ 各コイルは固定されたまま動かない(固定子やから当然!)
⚡ 電流の時間変化だけで「回転する磁界」が生まれる
⚡ これが「磁石なしで磁界を回す」仕組みやで!
回転磁界の仕組みがわかってきたところで、理解度チェックや!
三相交流による回転磁界について、\( \omega t = 0° \) のときU相の電流が \( i_U = 0 \) であった。このとき、合成磁界への寄与が最も大きい相はどれか。
ここは計算で確認できるで。\( \omega t = 0° \) のとき、
U相:\( \sin 0° = 0 \)(寄与なし)
V相:\( \sin(-120°) = -\frac{\sqrt{3}}{2} \approx -0.866 \)
W相:\( \sin(-240°) = +\frac{\sqrt{3}}{2} \approx +0.866 \)
V相とW相の電流の大きさは同じ \( \frac{\sqrt{3}}{2} I_m \) やな。向きは反対やけど、大きさとしては等しいんや。この2つが合成磁界を作ってるんやで。
\( \omega t = 0° \) のとき、\( \sin(-120°) \) の値に最も近いものはどれか。
ええぞ!各相の電流値をちゃんと把握できてるな。ほな、もう少し突っ込んでみよか。
三相交流を固定子コイルに流したとき、ある瞬間にU相の電流が最大値 \( I_m \) になった。このとき、V相とW相の電流値として正しいものはどれか。
ここからは、回転磁界が実際に回転する様子を、もう少し細かく追いかけてみるで。
先ほどは \( \omega t = 0° \) と \( \omega t = 120° \) の2つの時点だけを見たけど、ここでは \( \omega t = 0°, 60°, 120°, 180° \) の4つの時点を見て、合成磁界がどう回転していくかを確認しよう。
まず、\( \omega t = 60° \) のときの各相の電流を計算してみよか。
\( \omega t = 60° \) のときの各相の電流
\( i_U = I_m \sin 60° = \frac{\sqrt{3}}{2} I_m \approx 0.866 I_m \)
\( i_V = I_m \sin (60° - 120°) = I_m \sin(-60°) = -\frac{\sqrt{3}}{2} I_m \)
\( i_W = I_m \sin (60° - 240°) = I_m \sin(-180°) = 0 \)
おっ、今度はW相がゼロになったな。U相は正の最大に近く、V相は負で大きい。合成すると、合成磁界はωt=0°のときから反時計回りに60°回転した方向を向くんや。
次に \( \omega t = 180° \) も見てみよか。
\( \omega t = 180° \) のときの各相の電流
\( i_U = I_m \sin 180° = 0 \)
\( i_V = I_m \sin (180° - 120°) = I_m \sin 60° = \frac{\sqrt{3}}{2} I_m \)
\( i_W = I_m \sin (180° - 240°) = I_m \sin(-60°) = -\frac{\sqrt{3}}{2} I_m \)
これは \( \omega t = 0° \) のときと比べると、V相とW相の符号がまるっと逆転してるな。ということは、合成磁界の方向も180°(真逆)になるんや。ωt=0°で右向きやったから、ωt=180°では左向きやで。
これで回転磁界の全体像が見えてきたやろ?電流の時間変化に応じて、合成磁界の方向が連続的に回転していく。これが三相交流による回転磁界の正体や。
大事なポイントをまとめとくで。三相交流の電気角で360°(=1周期)経過すると、合成磁界もちょうど360°(=1回転)するんや。つまり、電源周波数が50Hzなら毎秒50回転、60Hzなら毎秒60回転の磁界ができるってことやで。
ここで計算問題にチャレンジやで!
\( \omega t = 90° \) のとき、各相の電流の組合せとして正しいものはどれか。
ただし、\( i_U = I_m \sin \omega t \), \( i_V = I_m \sin(\omega t - 120°) \), \( i_W = I_m \sin(\omega t - 240°) \) とする。
計算してみよか。ゆっくりやれば大丈夫やで。
まず \( i_U = I_m \sin 90° = I_m \times 1 = I_m \) やな。\( \sin 90° = 1 \) やから、U相は最大値そのものになるで。
次に \( i_V = I_m \sin(90° - 120°) = I_m \sin(-30°) = -\frac{1}{2} I_m \) や。\( \sin(-30°) = -0.5 \) やからな。
最後に \( i_W = I_m \sin(90° - 240°) = I_m \sin(-150°) = -\frac{1}{2} I_m \) や。\( \sin(-150°) = -0.5 \) やで。
ここでめっちゃ大事なことに気づいてほしい。三相交流では、どの瞬間をとっても3つの電流の和は必ずゼロになるんや。\( I_m + (-\frac{1}{2}I_m) + (-\frac{1}{2}I_m) = 0 \) やろ?
\( \sin 90° \) の値はいくつか。
三角関数の計算バッチリやな!ほな、もう一歩進んだ問題やで。
\( \omega t = 90° \) のとき U相の電流は最大値 \( I_m \) である。このとき、合成磁界の方向として正しいものはどれか。ただし、U相のコイル軸方向を上向きとする。
さて、ここからがさらに面白いところやで。回転磁界の「大きさ」に注目してみよか。
今まで合成磁界の「方向」が時間とともに回転することを確認してきたな。でも、大きさはどうなってるんやろ?時間とともに大きくなったり小さくなったりするんやろか?
結論から言うと、三相交流による回転磁界の大きさは常に一定なんや。これがめっちゃ重要なポイントやで!
証明はちょっと長くなるけど、考え方だけ説明するな。各コイルの磁界のx成分とy成分を三角関数で表して足し合わせると、三角関数の合成公式を使って、合成磁界の大きさが時間 \( t \) に依存しないことが示されるんや。
各コイルが作る磁界の最大値 \( B_m \) の\( \frac{3}{2} \) 倍(= 1.5倍)で一定になるんや。1つのコイルの最大値より大きい、しかも一定!これが三相交流のすごいところやで。
単相交流で作る交番磁界は「行ったり来たり」するだけで、しかも強さが0からBmまで変動する。でも三相交流の回転磁界は「一定の強さでグルグル回る」んや。これはたとえるなら、単相は「懐中電灯を振り回してる」ようなもの(光が行ったり来たり)、三相は「レーザーポインターで円を描いてる」ようなもの(一定の強さで回転)やな。
なぜ \( \frac{3}{2} \) 倍になるのか、直感的に理解しておこか。\( \omega t = 90° \) のときを考えてみ。U相は最大値 \( B_m \)、V相とW相はそれぞれ \( -\frac{1}{2}B_m \) やったな。V相とW相のベクトルはU相の方向に \( \frac{1}{2} \times \cos 60° = \frac{1}{4} \) ずつ成分を持つから、合成すると \( B_m + \frac{1}{4}B_m + \frac{1}{4}B_m = \frac{3}{2}B_m \) になるんや。
📌 回転磁界の大きさ
⚡ 三相交流による回転磁界の大きさ=各コイルの最大磁界の1.5倍で一定
⚡ 大きさが時間とともに変動しない → 安定したトルクが得られる
⚡ これが三相交流で誘導電動機を駆動する大きなメリット
次に知っておくべき大事なことがあるで。それは回転磁界の回転方向や。
回転磁界がどっち方向に回るかっていうのは、三相交流の相順(位相の順番)で決まるんや。
今まで見てきた例では、U → V → W の順番で電流が最大値を迎える「正相」やったな。この場合、回転磁界は反時計回り(正回転)に回る。
ほな、もし三相交流の結線を入れ替えて、たとえばV相とW相を入れ替えたらどうなると思う?電流の最大値を迎える順番がU → W → V に変わるやろ?するとな、回転磁界の回転方向が逆転するんや!
これはめっちゃ実用的な知識やで。誘導電動機の回転方向を逆にしたいとき、三相電源の任意の2本の結線を入れ替えるだけでいいんや。機械的な改造は一切不要。配線を2本入れ替えるだけ。簡単やろ?
これは電験三種でもよく出題されるポイントやから、しっかり覚えておいてな。「回転方向を変える=三相の2線を入れ替える」やで。
📌 回転方向のまとめ
⚡ 回転磁界の方向は三相交流の相順で決まる
⚡ 正相(U→V→W)→ 正回転
⚡ 逆相(U→W→V)→ 逆回転
⚡ 回転方向を逆にするには、三相の任意の2線を入れ替える
回転方向に関する問題やで!これは電験の定番問題やから確実に押さえよう。
三相誘導電動機の回転方向を逆転させる方法として、正しいものはどれか。
整理しよか。回転方向を変えるには相順を変える必要があるんやったな。
①の電圧を変えても相順は変わらへん。回転速度が少し変わるだけや。③の周波数を変えても同じく相順は変わらへん。④の3線すべてを入れ替えるのは、たとえばU→V、V→W、W→Uとすると、これは実質的に元と同じ相順(UVW→VWU)やから回転方向は変わらへんのや。
2線だけを入れ替えると、たとえばV相とW相を交換するとU→W→Vになって相順が逆になる。だから回転方向が逆転するんやで。
三相電源のU・V・Wのうち、V相とW相を入れ替えた場合、相順はどうなるか。
さすがや!回転方向の逆転はバッチリやな。ほな、もう一段上の問題いくで。
三相誘導電動機の三相電源のうち、3線すべてを1つずつずらして接続した(U→V、V→W、W→U)場合、電動機の回転方向はどうなるか。
回転磁界の大きさについても確認しとこか。
三相交流によって生じる回転磁界の大きさについて、正しい記述はどれか。ただし、各コイルが単独で作る磁界の最大値を \( B_m \) とする。
もう一回整理するで。三相交流の回転磁界の大きさは、時間的に変動しない(一定)やったな。
「一定」という点は覚えてたかもしれんけど、具体的な値も大事やで。3つのコイルの磁界は単純に足し算されるわけやない。120°ずつずれてるから、ベクトル合成になるんや。
結果として、合成磁界は各コイル最大値の\( \frac{3}{2} \) 倍(= 1.5倍)になるんや。3倍にならないのは、各ベクトルが120°ずれてるから「打ち消し合う成分」があるためやで。
各コイルの最大磁界が 0.4 T のとき、三相交流による回転磁界の大きさは何 T か。
ええぞ!1.5倍で一定、しっかり覚えてるな。ほな、もう一つ考えてみよか。
三相交流による回転磁界の大きさが「一定」であることの実用上のメリットとして、最も適切なものはどれか。
ここまでで、回転磁界の基本はバッチリ理解できたはずや。ここからは回転磁界の速度について少し触れておくで。
回転磁界がどれくらいの速さで回るかっていうのは、次の第7講「同期速度」で詳しくやるんやけど、ここで予告的に大事なことを言っとくで。
回転磁界の回転速度は、電源周波数 \( f \) と磁極の数(極数) \( p \) の2つだけで決まるんや。電源電圧や負荷の大きさは関係あらへん。
この \( N_s \) を「同期速度」っていうんや。回転磁界の速度そのものやな。たとえば、2極(p=2)の誘導電動機に50Hzの電源をつなぐと、回転磁界の速度は \( N_s = \frac{120 \times 50}{2} = 3000 \) [min⁻¹] になるで。
ここで覚えておいてほしいのは、誘導電動機の回転子は、この同期速度より必ず遅く回るということや。アラゴの円板を思い出してみ。円板は磁石の回転速度に追いつけなかったやろ?同じことが誘導電動機でも起こるんや。この「追いつけない度合い」を「すべり」っていうんやけど、それは第8講のテーマやで。
📌 回転磁界の速度(同期速度)
⚡ 同期速度は電源周波数と極数だけで決まる
⚡ 周波数が高いほど速く、極数が多いほど遅い
⚡ 誘導電動機の回転子は同期速度より必ず遅く回る
ほな、ここで電験三種でよく出る「回転磁界」関連の出題パターンを整理しとくで。試験対策として超重要やから、しっかり押さえような。
パターン① 回転磁界の発生条件
「回転磁界を発生させるために必要なものは?」という問題。答えは「空間的に120°ずらしたコイル + 120°位相差の三相交流」や。単相じゃダメで三相が必要、っていうのがポイントやで。
パターン② 回転方向の変え方
「誘導電動機の回転方向を逆にする方法は?」という問題。答えは「三相電源の任意の2線を入れ替える」。3線全部を入れ替えると相順は変わらへん(巡回置換になるだけ)。電圧や周波数を変えても回転方向は変わらへんで。
パターン③ 回転磁界の特性
「回転磁界の大きさは?」という問題。答えは「各コイルの最大磁界の1.5倍で一定」。変動するっていう選択肢はひっかけやで。
パターン④ 交番磁界との区別
「単相交流で発生するのは?」→ 交番磁界。「三相交流で発生するのは?」→ 回転磁界。これを混同させる問題が出るから注意や。
回転磁界を理解するための最強のイメージは「目に見えない磁石が固定子の中をグルグル回ってる」やで。実際には磁石はないけど、電流の時間変化によって「まるで磁石が回ってるかのような磁界」ができてるんや。この「見えない磁石」の速さが同期速度 \( N_s \) で、回転子はそれを「追いかけて」回るわけやな。
ほな、電験の定番パターンを意識した問題やで!
三相誘導電動機の回転磁界に関する記述として、誤っているものはどれか。
これは「誤り」を選ぶ問題やから注意やで。ひとつずつ見ていこか。
①「同期速度は電源周波数と極数で決まる」→ 正しい。\( N_s = 120f/p \) やったな。
②「回転方向は相順で決まる」→ 正しい。2線入れ替えで逆転するっていうのがその証拠や。
④「固定子に三相交流を流して発生」→ 正しい。これが回転磁界の基本や。
③が問題やで。回転磁界の大きさは、各コイルの磁界の最大値の1.5倍で「一定」やけど、各コイルの磁界の大きさ自体は電源電圧に比例するんや。電圧が変わればコイルに流れる電流が変わり、磁界の強さも変わる。つまり「電源電圧に関係なく一定」は誤りやで。
「回転磁界の大きさが一定」とは、何に対して一定なのか。
さすがや!③の引っかけを見抜いたな。ほな、もう少し深く考えてみよか。
50Hz, 2極の三相誘導電動機の回転磁界の同期速度として正しいものはどれか。
ここまでの知識を総動員する問題やで。しっかり考えてみてな!
三相誘導電動機の回転磁界に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
A:三相交流の相順を変えると、回転磁界の回転方向が変わる
B:単相交流でも、1つのコイルに流せば回転磁界が発生する
C:回転磁界の大きさは、各コイルの最大磁界の1.5倍で時間に対して一定である
D:回転磁界の速度は、負荷の大きさによって変化する
ひとつずつ検証していこか。
A「相順を変えると回転方向が変わる」→ 正しい!2線入れ替えで逆転するんやったな。
B「単相で回転磁界」→ 誤り!単相交流では「交番磁界」しかできへん。回転磁界には三相(または二相)が必要やで。
C「大きさは1.5倍で一定」→ 正しい!\( \frac{3}{2}B_m \) で時間的に一定やったな。
D「速度は負荷で変化」→ 誤り!同期速度は \( N_s = 120f/p \) で、周波数と極数だけで決まるんや。負荷は関係あらへん。
単相交流を1つのコイルに流したとき発生するのは、回転磁界と交番磁界のどちらか。
完璧や!4つの記述をすべて正しく判定できたな。ほな、もう一問いくで。
交番磁界(単相交流による磁界)は、数学的には大きさが等しく回転方向が逆の2つの回転磁界の合成として表現できることが知られている(正転成分と逆転成分の合成)。この事実から、単相誘導電動機に関して推測される特徴として最も適切なものはどれか。
最後の問題や!第6講の総まとめやで。全力で挑んでみてな!
三相誘導電動機について、次のうち誤っている記述はどれか。
最後の問題やから、丁寧に見ていこか。
①②④はすべてこの講座で学んだ正しい内容やな。問題は③や。
同期速度の公式 \( N_s = \frac{120f}{p} \) を見てみ。この式に電源電圧 V は含まれてへんやろ?同期速度に影響するのは周波数 \( f \) と極数 \( p \) だけや。電圧を上げても下げても、回転磁界の速度は変わらへんのやで。
同期速度 \( N_s = \frac{120f}{p} \) に影響を与える要素はどれか。
最終問題も完璧やな!ほな、最後の発展問題で仕上げや。
60Hz, 4極の三相誘導電動機において、回転磁界の同期速度 [min⁻¹] を求めよ。また、この電動機の電源周波数を50Hzに変更した場合の同期速度 [min⁻¹] も求めよ。正しい組合せはどれか。
お疲れさん!第6講「回転磁界」の全内容が終わったで!
今回は誘導電動機の心臓部ともいえる回転磁界について学んだな。最後にポイントを総まとめしとくで。
📝 第6講 まとめ
⚡ 回転磁界とは、空間的に回転する磁界のこと。誘導電動機が回るために不可欠
⚡ 単相交流では交番磁界(行ったり来たり)しかできず、回転磁界にならない
⚡ 三相交流を120°間隔で配置したコイルに流すと回転磁界が発生する
⚡ 回転磁界の大きさは \( \frac{3}{2}B_m \) で時間的に一定
⚡ 回転方向は相順で決まり、2線入れ替えで逆転できる
⚡ 回転磁界の速度(同期速度)は \( N_s = \frac{120f}{p} \) で、周波数と極数だけで決まる
今日学んだ回転磁界は、誘導電動機のすべての話の出発点や。「見えない磁石がグルグル回ってる」というイメージをしっかり持っておいてな。次回からは、その回転磁界がどれくらいの速さで回るのか(同期速度)、そして回転子がどれくらい遅れて回るのか(すべり)っていう話に入っていくで。
📚 次回予告:第7講「同期速度」
次回は回転磁界の回転速度である「同期速度」について詳しく学ぶで。\( N_s = \frac{120f}{p} \) の式の導出と意味、極数と周波数の関係、そして日本の50Hz/60Hz地域での同期速度の違いなど、計算問題にも直結する超重要テーマやで!