分巻と直巻の「いいとこ取り」をマスターしよう!
よっしゃ!第22講、複巻電動機(ふくまきでんどうき)の特性について学んでいくで!💪
前回までに、分巻電動機は「速度が安定するけど始動トルクが小さい」、直巻電動機は「始動トルクは大きいけど速度が不安定で無負荷運転禁止」っていう特徴を学んだよな。
ほな、ここで素朴な疑問が出てくるはずや。
「分巻の安定した速度と、直巻の大きなトルク、両方欲しいんやけど?」
その「ええとこ取り」を実現したのが、今回学ぶ複巻電動機なんや。分巻巻線と直巻巻線の両方を持った電動機で、両方の特性をミックスできるんやで。
たとえるなら、ハイブリッド車みたいなもんや。ガソリンエンジン(分巻的な安定走行)と電気モーター(直巻的な力強い加速)を組み合わせて、両方の良さを引き出す。複巻電動機もまさにそういう発想の電動機やで。
この講座では、複巻電動機の構造・特性・用途をしっかりマスターして、分巻・直巻との使い分けまでバッチリ押さえていくで!
まず、複巻電動機がどういう構造なのか見ていこか。
複巻電動機には2種類の界磁巻線が入ってるんや。
1つ目は分巻界磁巻線(しゅんかいじまきせん)。これは電源と並列に接続されてて、細い線を何回も巻いたもんや。前に分巻電動機で学んだやつやな。端子電圧がそのままかかるから、負荷が変わっても界磁電流 \( I_f \) はほぼ一定で、安定した磁束を作り出す役割を担ってるんや。
2つ目は直巻界磁巻線(ちょっかんかいじまきせん)。こっちは電機子と直列に接続されてて、太い線を少ない回数だけ巻いたもんや。電機子電流 \( I_a \) がそのまま流れるから、負荷が大きくなると磁束が増えて大きなトルクを発生させるんやったな。
複巻電動機では、この2つの巻線が同じ鉄心(主磁極)に巻かれてるんや。せやから、それぞれの巻線が作る磁束が合成されて、全体の磁束 \( \Phi \) が決まるわけや。
上の図は長複巻(ちょうふくまき)の回路や。直巻界磁巻線が分巻界磁巻線より電源側にあるのがポイントやで。長複巻と短複巻の違いはこの後のステップで説明するな。
📌 複巻電動機の基本構成
⚡ 分巻界磁巻線(並列)+ 直巻界磁巻線(直列)の2つを併せ持つ
⚡ 全体の磁束 Φ = 分巻の磁束 ± 直巻の磁束
⚡ 「+」か「−」かで特性が大きく変わる → 次のステップで解説!
さて、ここが複巻電動機の一番大事なポイントや。2つの界磁巻線が作る磁束を「足し合わせるか、差し引くか」で、特性がまったく変わるんやで。
まず和動複巻(わどうふくまき)から説明するで。英語では cumulative compound と呼ぶんや。これは分巻界磁と直巻界磁の磁束が同じ方向を向いてて、お互いに強め合う接続や。
和動複巻では、負荷が増えて電機子電流 \( I_a \) が大きくなると、直巻界磁の磁束 \( \Phi_{se} \) も増えるから、全体の磁束が大きくなる。磁束が増えるとトルク \( T = k_T \Phi I_a \) も増えるから、負荷の増加に力強く対応できるんや。しかも分巻界磁がベースの磁束を作ってるから、直巻電動機みたいに無負荷で暴走する心配もない。まさに「ええとこ取り」やな。
一方、差動複巻(さどうふくまき)は differential compound と呼ばれて、2つの磁束が逆方向を向いてる接続や。
差動複巻では、負荷が増えて \( I_a \) が大きくなると、直巻側の磁束 \( \Phi_{se} \) が分巻側の磁束 \( \Phi_{sh} \) を打ち消す方向に働く。せやから全体の磁束が減少するんや。磁束が減ると何が起こるか? \( n \propto \frac{V - I_a R_a}{\Phi} \) の式を思い出してみ。分母の \( \Phi \) が小さくなるから、回転速度 \( n \) が上がってしまうんや。負荷が増えてるのに速度が上がるっていうのは不安定な動作の原因になるし、最悪の場合は暴走してしまう危険もあるで。
和動複巻は「チームワークで協力する二人組」みたいなもんや。分巻さんが安定した土台を作って、直巻さんが負荷に応じてパワーを追加する。一方、差動複巻は「お互いの足を引っ張り合う二人組」や。負荷が増えるほど磁束が減って、どんどん不安定になっていく。せやから差動複巻は実用ではほとんど使われへんのや。
📌 和動と差動の比較
⚡ 和動複巻:磁束が足し合わさる → 大トルク+安定速度 → 実用で主流
⚡ 差動複巻:磁束が打ち消し合う → 不安定・暴走の危険 → ほとんど使わない
⚡ 電験三種で「複巻」と言えば、通常は和動複巻を指す!
和動・差動の分類の他にもう1つ、複巻電動機の大事な分類があるで。それが長複巻(ちょうふくまき)と短複巻(たんふくまき)の違いや。
この違いは「直巻界磁巻線がどこに接続されてるか」で決まるんや。
長複巻(long-shunt compound)は、直巻界磁巻線が分巻界磁巻線の外側、つまり電源側に配置される接続方法や。Step2で見た回路図がまさにこれやったな。この場合、直巻界磁巻線に流れる電流は厳密には \( I = I_a + I_f \) やけど、\( I_f \ll I_a \) やから実質的には \( I \approx I_a \) として計算するんや。
短複巻(short-shunt compound)は、直巻界磁巻線が電機子と分巻界磁巻線の間に配置される接続方法や。こちらでは直巻巻線に流れるのは電機子電流 \( I_a \) そのものやけど、分巻巻線にかかる電圧が \( V - I_a R_{se} \) と少し変わる。ただし \( I_a R_{se} \) は通常かなり小さいから、実用上の特性差はほとんどないんや。
📌 長複巻と短複巻のまとめ
⚡ 長複巻:直巻界磁が分巻界磁の外側(電源側)に接続
⚡ 短複巻:直巻界磁が分巻界磁の内側(電機子側)に接続
⚡ 実用上の特性差はほとんどなし(\( I_f \ll I_a \) のため)
さあ、ここまで複巻電動機の基本構成がわかったところで、理解度をチェックしてみよか!
複巻電動機の和動複巻について、正しい記述はどれか。
和動複巻のポイントを整理しよか。
「和動」の「和」は「足し算」の意味や。つまり2つの磁束を足し合わせるのが和動複巻やで。一方「差動」の「差」は「引き算」で、磁束を差し引くのが差動複巻や。漢字の意味をそのまま覚えると間違えにくいで。
和動複巻では負荷が増えると直巻側の磁束 \( \Phi_{se} \) が増えるから、全体の磁束 \( \Phi = \Phi_{sh} + \Phi_{se} \) も増える。磁束が増えるとトルクが増えて、速度の低下も分巻より大きくなる。直巻電動機ほどやないけど、負荷に応じた力強い特性が得られるんやで。
差動複巻で負荷が増加したとき、全体の磁束 Φ はどうなるか。
和動複巻電動機において、分巻界磁の磁束が 0.02 Wb、直巻界磁の磁束が 0.005 Wb のとき、全体の磁束 Φ [Wb] と、同じ巻線を差動複巻にした場合の磁束 Φ' [Wb] の組み合わせとして正しいものはどれか。
ええぞ!ここからは複巻電動機の電圧方程式を整理していくで。
複巻電動機は直巻界磁巻線の抵抗 \( R_{se} \) が電機子と直列に入るから、電圧降下がちょっと変わるんや。分巻電動機では \( V = E + I_a R_a \) やったけど、複巻電動機ではここに直巻界磁の電圧降下が加わるんやで。
長複巻の場合、厳密には直巻巻線に \( I = I_a + I_f \) が流れるんやけど、\( I_f \ll I_a \) やから \( I \approx I_a \) として計算するのが普通や。短複巻の場合も、分巻巻線にかかる電圧が \( V - I_a R_{se} \) と少し変わるだけで、結果的にほぼ同じ式になる。
つまり、複巻電動機の電圧方程式は分巻電動機の式に \( I_a R_{se} \) が追加されたものやと覚えればスッキリするで。逆起電力を求めるときは:
📌 電圧方程式のポイント
⚡ 複巻電動機:\( V = E + I_a (R_a + R_{se}) \)
⚡ 分巻電動機との違いは \( R_{se} \) の有無だけ
⚡ 長複巻・短複巻で式はほぼ同じ(\( I_f \ll I_a \) のため)
電圧方程式がわかったところで、回転速度とトルクの式を導いていくで。
\( E = k\Phi n \) を使うと回転速度は:
和動複巻では負荷が増加して \( I_a \) が増えると、2つのことが同時に起こるんや。まず分子の \( V - I_a(R_a + R_{se}) \) は \( I_a \) 増加で小さくなる。\( R_{se} \) の分だけ分巻電動機より余計に電圧降下するから、分子の減り方は分巻より大きい。次に分母の \( \Phi = \Phi_{sh} + \Phi_{se} \) は \( I_a \) 増加で \( \Phi_{se} \) が増えて大きくなる。分子が減って分母が増えるから、速度 \( n \) は分巻電動機よりもしっかり下がるんやで。
トルクの式も確認しとこか:
分巻電動機のトルク \( T = k_T \Phi_{sh} I_a \) に比べて、直巻磁束 \( \Phi_{se} \) の分だけ上乗せされるから、同じ電機子電流でもより大きなトルクが出る。特に \( I_a \) が大きい始動時には \( \Phi_{se} \) も大きくなるから、大きな始動トルクが得られるんや。
逆に軽負荷のときは \( I_a \) が小さいから \( \Phi_{se} \approx 0 \) となって、分巻電動機に近い安定した速度で回る。まさに「負荷に応じて特性が変わる」ええ塩梅の電動機やな。
📌 和動複巻の速度とトルク
⚡ 速度:分巻よりも負荷増加による低下が大きい(分巻と直巻の中間)
⚡ トルク:分巻よりも大きい(直巻の磁束が上乗せされる)
⚡ 軽負荷時は分巻的、重負荷時は直巻的 → 中間特性
ほな、第2問いくで!速度-トルク特性を確認しよう。
和動複巻電動機の速度-トルク特性として、最も適切なものはどれか。
もう一回整理しよか。
和動複巻は「分巻+直巻」の組み合わせやったな。分巻の磁束 \( \Phi_f \) がベースとしてあるから、直巻のように無負荷で暴走することはないんや。でも直巻の磁束 \( \Phi_{se} \) が負荷に応じて変化するから、分巻のように完全に一定速度にもならへん。せやから「中間的な特性」になるんやで。
和動複巻電動機で、無負荷になったとき(\( I_a \approx 0 \))の速度が有限値にとどまる理由は?
さすがや!ほな、少し踏み込んだ問題いくで。
和動複巻電動機において、負荷が増加して電機子電流が増えたとき、トルクの増加が分巻電動機より大きくなる理由として正しいものはどれか。
ここからは差動複巻電動機の話をするで。結論から言うと、差動複巻は実用上ほとんど使われへんのやけど、電験三種では「なぜ使われないか」を問われることがあるから、しっかり理解しておこう。
差動複巻では \( \Phi = \Phi_f - \Phi_{se} \) やったな。負荷が増えて電機子電流 \( I_a \) が増えると、直巻の磁束 \( \Phi_{se} \) も増える。すると全磁束 \( \Phi \) はどんどん減っていくんや。
回転速度の式 \( n = \frac{V - I_a(R_a + R_{se})}{k\Phi} \) を見てみ。分母の \( \Phi \) が小さくなると、速度 \( n \) は上がるんや。つまり、負荷が増えると速度が上がるという、非常に不安定な動作になるんやな。
これがどうなるか?負荷が増える → 速度が上がる → さらに電流が増える → さらに磁束が減る → さらに速度が上がる...という正のフィードバック(暴走ループ)が発生してしまうんや。
たとえるなら、坂道で荷物を押してるときに、荷物が重くなるとブレーキが弱くなる自動車みたいなもんや。荷物が重くなるほど加速してしまう...そんなん怖くて使えへんやろ?
さらに最悪の場合、\( \Phi_{se} \) が \( \Phi_f \) を上回ると、\( \Phi \) の極性が反転して電動機が逆回転してしまう危険性すらあるんや。
📌 差動複巻が使われない理由
⚡ 負荷増加 → 磁束減少 → 速度上昇 → 不安定動作
⚡ 最悪の場合、磁束の極性反転により逆回転の危険
⚡ 定速度特性が必要なら、分巻電動機で十分対応できる
⚡ よって、差動複巻は実用上ほとんど使われない
電験三種では「差動複巻はなぜ実用に適さないか」という形で出題されることがあるから、この理由をしっかり覚えておいてな。
ほな、第3問!差動複巻の理解を確認するで。
差動複巻電動機が実用上ほとんど使用されない主な理由として、最も適切なものはどれか。
もう一回ポイントを整理するで。
差動複巻では \( \Phi = \Phi_f - \Phi_{se} \) やったな。負荷が増えると \( \Phi_{se} \) が大きくなって、全磁束 \( \Phi \) が減る。速度は \( n \propto 1/\Phi \) やから、磁束が減ると速度は上がる。負荷が増えるほど速度が上がるという不安定な動作になるんや。コストや起動トルクの問題やないで。
差動複巻電動機で最も危険な状態は次のうちどれか。
よう分かってるな!ほな発展問題いくで。
差動複巻電動機において、負荷が増加したときの動作を時系列で正しく説明しているものはどれか。
ここで速度変動率を使って、各電動機の特性を数値で比較してみよか。
速度変動率は第20講で学んだな。定格負荷時の速度 \( n_n \) に対して、無負荷時の速度 \( n_0 \) がどれだけ変化するかを表す指標や。
速度変動率が小さいほど、負荷が変わっても速度が安定してるということや。各電動機の典型的な速度変動率を比べてみよう。
分巻電動機の速度変動率は通常5〜10%程度や。磁束がほぼ一定やから、速度の変化も小さいんやな。
直巻電動機は速度変動率が非常に大きくて、数十%以上にもなることがある。磁束が負荷電流に比例するから、負荷変動の影響をモロに受けるんや。
和動複巻電動機は10〜25%程度で、分巻と直巻の中間的な値になるんや。分巻磁束のベースがあるから直巻ほどは変動せえへんけど、直巻磁束の変化分があるから分巻よりは大きくなるんやな。
📌 速度変動率の目安
⚡ 分巻:約 5〜10%(最も安定)
⚡ 和動複巻:約 10〜25%(中間)
⚡ 直巻:数十%以上(最も変動が大きい)
速度変動率の大小関係は「分巻 < 和動複巻 < 直巻」の順番で大きくなる、と覚えておくと試験で役立つで。
ほな第4問!速度変動率と特性の比較を確認するで。
直流電動機の速度変動率の大きさを、小さい順に正しく並べたものはどれか。
落ち着いて考えよか。
速度変動率は「無負荷と定格負荷で速度がどれだけ変わるか」を示すもんや。速度が安定してる電動機ほど速度変動率は小さいんやで。分巻は定速度特性やから一番安定 → 一番小さい。直巻は変速度特性やから一番変動が大きい → 一番大きい。和動複巻はその中間やな。
速度変動率が最も小さい(速度が最も安定している)直流電動機はどれか。
完璧や!ほな発展問題いくで。
ある和動複巻電動機の無負荷時の回転速度が 1200 min⁻¹、定格負荷時の回転速度が 1050 min⁻¹ であった。速度変動率 \( \delta \) [%] はいくらか。(小数第1位まで求めよ。)
次は起動トルク(始動トルク)の比較をしよか。電動機を停止状態から回し始めるときのトルクや。
電動機が停止しているとき(\( n = 0 \))は、逆起電力 \( E = k\Phi n = 0 \) やから、電機子電流は \( I_{st} = V/(R_a + R_{se}) \) と非常に大きくなるんやったな(実際には始動抵抗器を使って制限するけど、ここでは比較のために理論値で考えるで)。
この大きな始動電流 \( I_{st} \) が流れるとき、各電動機の起動トルクはどうなるか比べてみよう。
分巻電動機:\( T_{st} = k_T \Phi_f I_{st} \)。磁束は一定(\( \Phi_f \) のみ)やから、起動トルクは \( I_{st} \) に比例するだけや。
直巻電動機:\( T_{st} = k_T \Phi_{se} I_{st} \)。ここで \( \Phi_{se} \propto I_{st} \) やから、\( T_{st} \propto I_{st}^2 \) になるんや。大電流が流れるほどトルクが急激に大きくなる。これが直巻の起動トルクが大きい理由やったな。
和動複巻電動機:\( T_{st} = k_T (\Phi_f + \Phi_{se}) I_{st} \)。分巻の磁束 \( \Phi_f \) に加えて、直巻の磁束 \( \Phi_{se} \) もあるから、分巻よりは大きな起動トルクが得られるんや。でも直巻ほどではないで。
📌 起動トルクの大きさの順番
⚡ 直巻 > 和動複巻 > 分巻
⚡ 直巻:\( T_{st} \propto I_{st}^2 \)(最大)
⚡ 和動複巻:分巻+直巻成分(中間)
⚡ 分巻:\( T_{st} \propto I_{st} \)(最小)
つまり、和動複巻は「起動トルクの大きさ」でも分巻と直巻の中間に位置するんやな。
ほな第5問!起動トルクの比較を確認するで。
直流電動機の起動トルクの大きさを、大きい順に正しく並べたものはどれか。ただし、同じ電源電圧・同程度の始動電流とする。
整理しよか。起動トルクは \( T = k_T \Phi I_{st} \) で決まるんやったな。
ポイントは各電動機の磁束の大きさや。直巻は始動時に大電流が流れて磁束がめちゃくちゃ大きくなる(\( \Phi_{se} \propto I_{st} \) なので \( T \propto I_{st}^2 \))。和動複巻は分巻磁束+直巻磁束の両方があるから分巻より大きい。でも直巻ほどの \( I_{st}^2 \) 効果はないから直巻よりは小さいんや。
直巻電動機の起動トルクが特に大きい理由は?
さすが!ほな計算問題いくで。
和動複巻電動機において、定格運転時の電機子電流 \( I_a = 50 \) A、分巻界磁が作る磁束による定格トルクへの寄与分が 80 N·m、直巻界磁が作る磁束による寄与分が 20 N·m であった。このとき、電機子電流が 2倍(100 A)になったとき、全トルク [N·m] はおよそいくらになるか。ただし、磁気飽和は無視し、分巻界磁の磁束は一定とする。
ほな第6問!今度は計算問題にチャレンジや!
和動複巻電動機に端子電圧 \( V = 220 \) V を加えて運転している。電機子電流 \( I_a = 40 \) A、電機子抵抗 \( R_a = 0.2 \) Ω、直巻界磁抵抗 \( R_{se} = 0.1 \) Ω のとき、逆起電力 \( E \) [V] はいくらか。
計算の手順を確認しよか。
複巻電動機の電圧方程式は \( V = E + I_a(R_a + R_{se}) \) やったな。逆起電力 \( E \) を求めたいから、式を変形すると \( E = V - I_a(R_a + R_{se}) \) になるで。
ステップ1:電圧降下を計算
\( I_a(R_a + R_{se}) = 40 \times (0.2 + 0.1) = 40 \times 0.3 = 12 \) V
ステップ2:逆起電力を計算
\( E = 220 - 12 = 208 \) V
同じ電動機で、電機子電流が 60 A に増加したとき、逆起電力 \( E \) [V] はいくらになるか。(端子電圧は 220 V のまま)
計算問題もバッチリやな!ほな、もう一段レベルアップするで。
和動複巻電動機に \( V = 220 \) V を加えて運転している。電機子電流 \( I_a = 40 \) A、電機子抵抗 \( R_a = 0.2 \) Ω、直巻界磁抵抗 \( R_{se} = 0.1 \) Ω、回転速度 \( n = 1200 \) min⁻¹ のとき、電機子で発生する電力(機械的出力に相当する電力)\( P = EI_a \) [W] はいくらか。
ここまでで複巻電動機の特性を一通り学んだな。ほんなら、ここからは具体的な用途の話をしていこか。
和動複巻電動機は「分巻の安定した速度+直巻の大きな起動トルク」という特性を持ってるから、負荷変動があるけど、ある程度の速度安定性も必要な用途に最適なんや。
代表的な用途を紹介するで。
まずエレベーターや。エレベーターは乗る人数によって負荷が大きく変わるやろ?でも、速度はある程度一定に保ちたい。さらに、停止状態から人を乗せたまま動き出すには大きな起動トルクが必要や。和動複巻はまさにこの要件にピッタリなんやな。
次に圧延機(あつえんき)。鉄板を薄く伸ばす機械やけど、鉄板が機械に噛み込む瞬間に大きなトルクが必要で、その後は比較的安定した速度で運転したい。これも和動複巻向きの用途や。
他にもプレス機械やポンプなど、起動時に大きな負荷がかかるけど定常運転では速度を安定させたい用途に広く使われてるで。
和動複巻電動機は、スポーツでいうと「総合力の高い選手」みたいなもんや。短距離走(直巻)ほどの爆発力はないけど、マラソン(分巻)ほどの持久力もない。でも両方そこそこできるから、十種競技みたいな総合的な場面で力を発揮するんやな。
📌 各電動機の代表的な用途
⚡ 分巻:工作機械、送風機(定速度が必要な用途)
⚡ 直巻:電気鉄道、クレーン(大起動トルクが必要な用途)
⚡ 和動複巻:エレベーター、圧延機、プレス機(両方必要な用途)
ほな、ここで用途に関する問題を出すで!
ほな第7問!用途と電動機の使い分けを確認するで。
次の用途に最も適した直流電動機の組み合わせとして、正しいものはどれか。
(A)電気鉄道 (B)エレベーター (C)工作機械
各電動機の得意分野を思い出しよか。
電気鉄道は停止状態から大きな力で加速する必要がある → 大きな起動トルクが必要 → 直巻が最適や。
エレベーターは人数(負荷)が変わるけど速度もある程度安定させたい、起動時の力も必要 → 和動複巻が最適や。
工作機械は加工精度を保つため一定速度で回したい → 分巻が最適やな。
クレーンに最も適した直流電動機はどれか。
さすがや!ほな、実用的な観点から発展問題いくで。
和動複巻電動機が分巻電動機より有利となる条件として、最も適切なものはどれか。
ほな、第20講から第22講までの3回で学んだ内容を総合的にまとめるで。これは電験三種の頻出テーマやから、しっかり整理しておこう。
直流電動機の3種類(分巻・直巻・和動複巻)の特性を一覧にまとめるで。
この比較表は電験三種でめちゃくちゃ重要やから、しっかり頭に入れておいてな。特に「速度変動率の大小関係」と「各電動機の代表的な用途」は超頻出やで。
和動複巻がすべての項目で「中間」に位置してるのが見て取れるやろ?これが「いいとこ取り」の本質なんや。極端な性能はないけど、バランスが良いから幅広い用途に対応できる。これが複巻電動機の最大の強みやで。
いよいよ最終問題や!今回学んだことの総仕上げやで。
和動複巻電動機に関する記述として、誤っているものはどれか。
「誤っているもの」を選ぶ問題やから、正しい記述を消去法で消していこか。
①は正しいな。複巻電動機は分巻界磁と直巻界磁の2つを持ってる。②も正しい。直巻成分があるから分巻より起動トルクが大きい。④も正しい。エレベーターや圧延機は和動複巻の代表的な用途や。
③はどうか?和動複巻は分巻界磁の磁束 \( \Phi_f \) がベースとしてあるから、無負荷でも磁束がゼロにはならへん。速度は有限値にとどまるんや。
和動複巻電動機で無負荷運転が安全な理由は?
最後まで完璧やな!ほな、最高難度の発展問題で締めくくるで。
和動複巻電動機(長複巻)において、端子電圧 \( V = 200 \) V、線電流 \( I = 52 \) A、分巻界磁抵抗 \( R_f = 100 \) Ω、電機子抵抗 \( R_a = 0.2 \) Ω、直巻界磁抵抗 \( R_{se} = 0.1 \) Ω のとき、逆起電力 \( E \) [V] はいくらか。
お疲れさん!第22講の全問題をクリアしたで!
今回学んだことを最後にまとめるで。
📚 第22講のまとめ
⚡ 複巻電動機は分巻界磁と直巻界磁の2つを持つ
⚡ 和動複巻:\( \Phi = \Phi_f + \Phi_{se} \)(磁束が強まる)→ 実用的
⚡ 差動複巻:\( \Phi = \Phi_f - \Phi_{se} \)(磁束が弱まる)→ 不安定で非実用的
⚡ 和動複巻の特性は分巻と直巻の中間(速度も起動トルクも中間)
⚡ 速度変動率:分巻 < 和動複巻 < 直巻
⚡ 起動トルク:直巻 > 和動複巻 > 分巻
⚡ 用途:エレベーター、圧延機、プレス機など
第20講の分巻、第21講の直巻、そして今回の複巻で、直流電動機の3種類の特性と使い分けを完全にマスターしたことになるで。この3種類の比較は電験三種では超頻出テーマやから、何度も復習して完璧にしてな。
📚 次回予告:第23講「始動法」
次回は直流電動機の始動法を学ぶで。電動機を停止状態から回し始めるとき、なぜ始動抵抗器が必要なのか?始動電流の計算方法や、各種始動法の特徴を詳しく解説していくで。電験三種の計算問題でも頻出のテーマやから、楽しみにしとってな!