負荷を外すと暴走する!? 直巻モーターの「じゃじゃ馬」な性格を徹底解明!
よっしゃ!第21講のスタートや!
前回の第20講では、分巻電動機の特性について学んだな。分巻電動機は界磁巻線が電機子と並列に接続されてるから、界磁電流 \( I_f \) が負荷によらずほぼ一定。せやから磁束 \( \Phi \) も一定で、回転速度がほとんど変わらない「定速度特性」を持つんやった。
ほんで今回のテーマは「直巻電動機」や!英語では Series Motor(シリーズモーター)とも言うで。
直巻電動機は、分巻電動機とは正反対と言ってもええくらい性格が違う。分巻が「おとなしくて安定した優等生」やとしたら、直巻は「パワフルやけど暴れん坊のじゃじゃ馬」みたいなもんや。負荷が軽くなると回転速度がどんどん上がって、最悪の場合機械が壊れてしまうこともあるんやで。
「なんでそんな危険なモーターが実際に使われてるん?」って思うやろ?それは、直巻電動機には分巻にはない圧倒的な強みがあるからなんや。その秘密を今回しっかり解明していくで!
📚 この講座で学ぶこと
⚡ 直巻電動機の回路構成(\( I_a = I_f \) の関係)
⚡ トルク特性:なぜ \( T \propto I_a^2 \) になるのか
⚡ 速度特性:負荷で回転速度が大きく変わる理由
⚡ 無負荷運転禁止の理由(暴走の危険性)
⚡ 直巻電動機の用途(電気鉄道・クレーンなど)
電験三種では直巻電動機の特性、特に「無負荷運転してはいけない理由」が超頻出や。ここを完璧に押さえとけば、得点源になるで。ほな、始めよか!
まず、直巻電動機の回路構成をしっかり確認しよか。ここが分巻との最大の違いやで。
分巻電動機では、界磁巻線が電機子と並列に接続されてたな。せやから、電機子電流 \( I_a \) と界磁電流 \( I_f \) は別々の値やったし、電源電流は \( I = I_a + I_f \) って分かれてたんや。
ところが直巻電動機では、界磁巻線が電機子と直列(シリーズ)に接続されてるんや。「直列に巻いてある」から「直巻」って名前なんやな。直列回路やから、流れる電流はどこでも同じ。つまり、こういうことになるで。
この「電機子電流と界磁電流が同じ」っていうのが、直巻電動機のすべての特性を決める最重要ポイントや。分巻では界磁電流が独立してたから磁束Φは一定やったけど、直巻では負荷が変わって電機子電流が変わると、界磁電流も一緒に変わる。せやから磁束 \( \Phi \) も負荷に応じて変化するんや。
この回路図を見てみ。電源 \( V \) から出た電流 \( I \) は、まず界磁巻線 \( R_{se} \)(seはシリーズの略)を通り、次に電機子 \( R_a \) を通る。途中で枝分かれせず、全部同じ電流が直列に流れるのが分かるやろ?
電圧の式も分巻とちょっと違うで。直巻では界磁巻線にも電圧降下が発生するから、こうなるんや。
分巻の場合は \( V = E + I_a R_a \) やったけど、直巻では界磁巻線の抵抗分 \( R_{se} \) が加わるんや。ただし、\( R_{se} \) は非常に小さい値やから、計算問題では \( R_a + R_{se} \) をまとめて扱うことが多いで。
さて、直巻電動機の最大の特徴を理解するための核心ポイントに入るで。
直巻では \( I_a = I_f \) やったな。ほんで、磁束 \( \Phi \) は界磁電流 \( I_f \) に比例するんやった(飽和しない範囲では)。ということは...
ここが分巻との決定的な違いや。分巻では \( \Phi \) は一定やったけど、直巻では \( \Phi \) が \( I_a \) と一緒に変化するんや。負荷が増えて \( I_a \) が大きくなれば \( \Phi \) も大きくなるし、負荷が減って \( I_a \) が小さくなれば \( \Phi \) も小さくなる。
分巻電動機を「照明の明るさが固定された舞台」にたとえたら、直巻電動機は「役者が動くほど照明も明るくなる舞台」みたいなもんや。役者(電機子電流)が激しく動けば照明(磁束)も強くなるし、役者がサボれば照明も暗くなる。電流と磁束が連動してるんやな。
この「\( \Phi \propto I_a \)」の関係が、直巻電動機のトルク特性と速度特性の両方を決定する。一つの式から、直巻電動機の全ての特性が導き出せるんやで。すごいやろ?
ただし注意点がひとつ。「\( \Phi \propto I_a \)」が成り立つのは磁気飽和していない範囲だけや。電機子電流がものすごく大きくなると、鉄心の磁気飽和が起こって、\( \Phi \) の増加が頭打ちになるんや。電験の問題では「磁気飽和しないものとする」って条件がつくことが多いから、その場合は安心して \( \Phi \propto I_a \) を使ってOKやで。
ほな次のステップで、この関係からトルク特性を導き出してみよか!
さあ、ここから直巻電動機のトルク特性を導き出すで。第17講で学んだトルクの基本式を思い出してみ。
この式は、分巻でも直巻でも成り立つ共通の基本式や。ほんで、分巻の場合は \( \Phi \) が一定やったから、\( T \propto I_a \)(トルクは電機子電流に比例)という関係やったな。
ところが直巻では \( \Phi \propto I_a \) やったから、ここに代入してみ。
ステップ1:Φ ∝ Iaを代入
\( T = k_T \Phi I_a \) に \( \Phi \propto I_a \) を代入すると...
\( T \propto I_a \times I_a = I_a^2 \)
これが直巻電動機の最大の武器や!トルクが電流の2乗に比例するということは、電流が2倍になればトルクは4倍、電流が3倍になればトルクは9倍になるっていうことや。
分巻電動機では \( T \propto I_a \) やったから、電流が2倍でトルクも2倍。それに対して直巻は電流が2倍で4倍のトルクが出る。同じ電流で、より大きなトルクが得られるんや。
これはスポーツカーのターボチャージャーみたいなもんやで。普通のエンジン(分巻)がアクセルを踏んだ分だけパワーが出るのに対して、ターボ付き(直巻)はアクセルを踏むとパワーが爆発的に増加するんや。特に低速からの加速力が凄まじい。
これが、直巻電動機が重い荷物を動かし始める場面で圧倒的な強さを発揮する理由や。始動時は回転速度がゼロで、逆起電力も小さいから電機子電流が大きい。その大きな電流がトルクの2乗に効いてくるから、ものすごい始動トルクが出るんやで。
グラフを見てもわかるように、電流が大きいほど直巻と分巻のトルクの差が広がっていくんや。これが「直巻は始動トルクが大きい」と言われる理由やで。
ここまでの内容を確認するで!直巻電動機の基本をちゃんと理解してるか、チェックしよか。
直巻電動機において、磁気飽和がないものとすると、電機子電流 \( I_a \) が定格値の2倍になったとき、トルク \( T \) は定格トルクの何倍になるか。
OK、もう一回整理しよか。直巻電動機では \( \Phi \propto I_a \) やから、トルクの式 \( T = k_T \Phi I_a \) に代入すると \( T \propto I_a^2 \) になるんやったな。
「2乗に比例」ということは、電流が2倍なら \( 2^2 = 4 \) 倍、3倍なら \( 3^2 = 9 \) 倍になるということや。この「2乗」を忘れんようにな。
直巻電動機で \( T \propto I_a^2 \) のとき、電機子電流が定格の3倍になると、トルクは定格の何倍になるか。
直巻電動機で磁気飽和がないとき、始動トルクを定格トルクの1.5倍にしたい。始動電流は定格電流の何倍にすればよいか。最も近い値を選べ。
よし、トルク特性の次は速度特性を見ていくで。ここが直巻電動機の「じゃじゃ馬」ぶりが発揮されるところや。
第18講で学んだ回転速度の式を思い出してみ。
分巻では \( \Phi \) が一定やったから、負荷が増えて \( I_a \) が増えても分子の \( V - I_a R_a \) がちょっと減るだけで、回転速度はほとんど変わらなかったんや。これが「定速度特性」やったな。
ところが直巻では \( \Phi \propto I_a \) やから、話が全然変わってくるんや。速度の式に \( \Phi \propto I_a \) を代入してみるで。
ステップ1:Φ ∝ Iaを代入
\( n \propto \frac{V - I_a(R_a + R_{se})}{I_a} \)
ステップ2:分子を分ける
\( n \propto \frac{V}{I_a} - (R_a + R_{se}) \)
ここで \( R_a + R_{se} \) は定数やから、回転速度 \( n \) は基本的に\( V / I_a \) に反比例的な関係になるんや。つまり:
📌 直巻電動機の速度特性の本質
⚡ 負荷が増えて \( I_a \) が大きくなると → \( n \) は低下する
⚡ 負荷が減って \( I_a \) が小さくなると → \( n \) は上昇する
⚡ もし \( I_a \to 0 \) になると → \( n \to \infty \)(暴走!)
分巻は負荷が変わっても速度がほぼ一定の「定速度特性」やったけど、直巻は負荷によって速度が大きく変わる「変速度特性」を持つんや。しかも、負荷が軽くなると速度がどんどん上がるっていう、ちょっと危険な特性やで。
なんでこうなるか、もうちょっと直感的に説明しよか。直巻では負荷が減ると電流 \( I_a \) が減る。電流が減ると磁束 \( \Phi \) も減る。磁束が減ると逆起電力 \( E = k\Phi n \) が下がる。逆起電力が下がると電流が増えて...ってなるんやけど、結局磁束の減少の影響が支配的で、速度がどんどん上がっていくんや。
速度特性をもっと深く理解するために、速度-トルク特性曲線を見てみよか。これは電験三種で超重要なグラフやで。
直巻電動機では \( T \propto I_a^2 \) で、\( n \propto 1/I_a \)(近似的に)やったな。この2つを組み合わせると、速度とトルクの関係が出てくるんや。
速度-トルク関係の導出
\( T \propto I_a^2 \) より \( I_a \propto \sqrt{T} \)
\( n \propto \frac{1}{I_a} \propto \frac{1}{\sqrt{T}} \)
このグラフが直巻電動機の本質を全部表してるんや。
まず分巻(青い線)。ほぼ水平で、トルクが変わっても速度はほとんど変わらへん。安定してるけど、特別大きなトルクは出せない。
次に直巻(赤い線)。トルクが大きいとき(重い負荷のとき)は低速で回り、トルクが小さいとき(軽い負荷のとき)は高速で回る。グラフの左側を見てみ。トルクがゼロに近づくと、速度が無限大に向かって急上昇してるやろ?これが「無負荷運転禁止」の理由や。
📌 速度-トルク特性のまとめ
⚡ 分巻電動機:定速度特性(負荷に関係なくほぼ一定速度)
⚡ 直巻電動機:変速度特性(負荷が軽いほど高速、重いほど低速)
⚡ 直巻は低速域で大きなトルクを発揮(始動トルクが大きい)
ほな次のステップで、無負荷運転の危険性についてもっと詳しく見ていくで!
さあ、ここが電験三種で超頻出のテーマや。「直巻電動機はなぜ無負荷運転してはいけないのか?」
前のステップで、直巻電動機はトルク(負荷)が小さくなると速度が急上昇するっていう特性を見たな。これを極限まで考えてみよう。
もし、直巻電動機から負荷を完全に取り外したら...つまり無負荷状態にしたらどうなるか?
ステップ1:無負荷 → トルクほぼゼロ
負荷がないので必要なトルクはごくわずか(摩擦分だけ)
ステップ2:トルクが小さい → 電機子電流が非常に小さい
\( T \propto I_a^2 \) より、\( T \to 0 \) なら \( I_a \to 0 \)
ステップ3:電流が小さい → 磁束も非常に小さい
\( \Phi \propto I_a \) より、\( I_a \to 0 \) なら \( \Phi \to 0 \)
ステップ4:磁束がほぼゼロ → 速度が異常に上昇!
\( n = \frac{V - I_a(R_a + R_{se})}{k\Phi} \) で、分母の \( \Phi \to 0 \) なので \( n \to \infty \)
つまり、負荷を外すと回転速度が際限なく上昇してしまうんや。実際には機械的な摩擦があるから完全に無限大にはならへんけど、定格速度の何倍もの異常回転になってしまう。その結果...
🚨 無負荷運転の危険性
⚡ 回転子(電機子)が遠心力で飛散(破壊)する危険がある
⚡ 軸受けが過熱・焼損する
⚡ 整流子が破壊される
⚡ 周囲の人や設備に重大な被害を及ぼす
これは、自転車を坂道で漕いでいるのに突然チェーンが外れたような状態や。ペダルは空回りして猛烈な回転になるやろ?直巻電動機も同じで、「抵抗する相手(負荷)」がいなくなると暴走してしまうんや。
せやから、直巻電動機は必ず負荷に直結して使わなアカン。ベルト駆動のように「ベルトが切れたら負荷が外れる」接続方法は絶対にダメやで。歯車などの確実な接続方法を使うんや。
このことを専門用語では「直巻電動機は無負荷運転を行ってはならない」って言うんや。電験三種では、この理由を正確に説明できることが求められるで。キーワードは「Ia→0で Φ→0 となり、回転速度が異常に上昇するから」や。
ここで問題や。ちゃんと理解できてるか確認しよか!
直巻電動機を無負荷運転してはいけない理由として、最も適切なものはどれか。
もう一回整理するで。直巻電動機の無負荷運転が危険な理由の因果の連鎖を覚えてな。
無負荷 → \( I_a \) 減少 → \( \Phi \) 減少(\( \Phi \propto I_a \) やから)→ 速度 \( n \) が異常上昇(\( n \propto 1/\Phi \) やから)→ 遠心力で機械が破壊される
電流が小さくなることが問題なんやで。「電流が大きくなる」のは始動時の問題であって、無負荷の問題やない。
直巻電動機で無負荷運転が危険な最大の理由は何か。
直巻電動機の無負荷運転を防ぐための対策として、不適切なものはどれか。
ここで、分巻電動機と直巻電動機の違いをしっかり整理しとこか。前回の第20講の内容と合わせて比較するで。
この比較表は電験三種で絶対に押さえとかなアカンポイントや。特に「分巻=定速度」「直巻=変速度」の対比と、「直巻は無負荷運転禁止」っていうのは、ほぼ毎年のように出題されるで。
要するに、分巻は「安定性重視」で、直巻は「パワー重視」や。どっちが優れてるとかやなくて、用途に応じて使い分けるのが大事なんや。
ほな次は、直巻電動機がどんな場面で活躍するのか、具体的な用途を見ていくで!
直巻電動機は「暴れん坊」やけど、それが最高に活きる場面がちゃんとあるんや。
直巻電動機の最大の強みは2つ。① 始動トルクが非常に大きいことと、② 負荷が大きいほど低速で回ることや。この2つの特性が同時に求められる用途に、直巻電動機はピッタリなんやで。
📌 直巻電動機の主な用途
⚡ 電気鉄道(電車・機関車):重い車両を発進させる大きな始動トルクが必要。速度が上がれば負荷が軽くなり、自然に高速回転になる
⚡ クレーン・巻上機:重い荷物を持ち上げる大トルクが必要。荷物が重いほどゆっくり、軽いほど速く動くのは合理的
⚡ 電気自動車(初期):停止状態から大きな加速力が必要
⚡ エレベーター:人や荷物を運ぶのに大きな始動トルクが必要
特に電気鉄道は直巻電動機の代表的な用途で、電験の問題にもよく出るで。電車が駅から発車するとき、車両はものすごく重いやろ?あれを動かし始めるには莫大なトルクが必要なんや。直巻電動機なら \( T \propto I_a^2 \) で、始動時の大電流がトルクの2乗に効くから、分巻よりもはるかに大きな始動トルクが得られるわけや。
しかも、電車が加速して速度が上がっていくと、逆起電力が大きくなって電機子電流が減り、それに伴ってトルクも自然に減っていく。高速走行中はそれほど大きなトルクは必要ないから、これは理にかなった動作なんや。「必要なときに大きな力を出し、不要なときは省エネ」という、まさに理想的な特性やで。
逆に、工作機械やポンプのように一定速度で回り続ける必要がある用途には、直巻電動機は不向きや。そういう場合は分巻電動機の出番やな。
ここで問題を出すで!
直巻電動機が電気鉄道に適している理由として、最も適切なものはどれか。
直巻電動機の特徴をもう一回おさらいしよか。直巻電動機は「変速度特性」やから速度は一定やない(①は分巻の特徴)。界磁電流を独立に制御できるのは「他励式」の特徴で(③も違う)。無負荷運転は禁止や(④も違う)。
直巻の最大の強みはT ∝ Ia²による大きな始動トルクやで。
クレーンや巻上機に直巻電動機が使われる理由は何か。
直巻電動機の速度-トルク特性 \( n \propto 1/\sqrt{T} \) について、トルクが定格の4倍になったとき、回転速度は定格速度の何倍になるか。
ここからは、直巻電動機の計算問題に取り組んでいくで。電験三種では特性の理解だけでなく、具体的な数値計算も問われるからな。
まず、直巻電動機の基本的な電圧方程式をもう一度確認や。
ここで重要なポイントは、直巻では \( R_a \) と \( R_{se} \) が直列やから、合計の抵抗が \( R_a + R_{se} \) になるところや。問題によっては「電機子回路の抵抗は \( R_a + R_{se} = ○Ω \) とする」って一つにまとめて出されることもあるで。
ほんで、逆起電力は今まで通り \( E = k\Phi n \) や。直巻では \( \Phi \propto I_a \) やから:
この式は直巻電動機の計算で頻繁に使うで。「逆起電力が電流と回転速度の積に比例する」っていうのが直巻の特徴や。分巻では \( E = k\Phi n \propto n \)(Φ一定)やから、逆起電力は回転速度だけに比例してたけど、直巻ではそうはいかんのや。
さあ、これらの式を使って実際に計算問題を解いてみよか。電験三種でよく出るパターンは、「ある条件から別の条件に変わったとき、速度やトルクがどう変わるか」を比で求める問題や。
さあ、直巻電動機の速度比の計算に挑戦や。このパターンは電験三種でめちゃくちゃ出るで。
直巻電動機の回転速度は \( n = \frac{V - I_a(R_a + R_{se})}{k' I_a} \) やったな(\( \Phi \propto I_a \) を使って)。ここで、2つの異なる運転条件①と②を比較する場合、定数 \( k' \) は同じ機械やから消えて、比で求めることができるんや。
この式のポイントは、逆起電力の比と電流の逆比の積になるところや。分巻では電流の逆比の部分がなかったから(Φが一定やから)、直巻特有の計算になるんやで。
ほな、具体的な問題で練習しよか!
直巻電動機が端子電圧 200 V で運転されている。電機子抵抗と直巻界磁抵抗の合計が 0.5 Ω、電機子電流が 40 A のとき、逆起電力 \( E \) [V] はいくらか。
逆起電力の式をもう一度確認しよか。 \( V = E + I_a(R_a + R_{se}) \) やから、 \( E = V - I_a(R_a + R_{se}) \) や。
数値を代入すると:\( E = 200 - 40 \times 0.5 = 200 - 20 = 180 \) V やで。
直巻電動機で V = 100 V、\( I_a \) = 20 A、\( R_a + R_{se} \) = 0.4 Ω のとき、逆起電力 E [V] はいくらか。
直巻電動機が端子電圧 200 V、電機子電流 50 A で回転速度 600 min⁻¹ で運転されている。\( R_a + R_{se} \) = 0.4 Ω とする。磁気飽和がないとき、電機子電流が 25 A に変化したときの回転速度 [min⁻¹] に最も近い値はどれか。
次は、トルクと速度の関係を使った計算パターンを見ていくで。
直巻電動機の出力は、トルクと回転速度の積で表されるんやったな。
この式は分巻でも直巻でも同じやけど、直巻特有の計算として、\( T \propto I_a^2 \) と \( n \propto 1/I_a \)(近似)を組み合わせて出力を求める問題がよく出るで。
たとえば、出力を \( I_a \) で表すと:
直巻電動機の出力と電流の関係
\( P = \omega T \propto \frac{1}{I_a} \times I_a^2 = I_a \)
つまり、近似的に \( P \propto I_a \)(出力は電流にほぼ比例)
ただし、これはあくまで\( R_a + R_{se} \) による電圧降下を無視した近似やで。厳密には \( P_{mech} = E \times I_a = (V - I_a(R_a + R_{se})) \times I_a \) やから、電流が大きくなると電圧降下の影響で出力の増加が鈍ってくるんや。
実際の電験の計算問題では、近似ではなく正確な計算が求められるから、\( E = V - I_a(R_a + R_{se}) \) と \( E = k' I_a n \) の連立で解くのが確実やで。
ほな、もうちょっと本格的な計算問題に挑戦してみよか。速度比を求める実践問題やで。
直巻電動機が端子電圧 110 V、\( R_a + R_{se} \) = 0.2 Ω で運転されている。電機子電流が 50 A のときの回転速度が 1000 min⁻¹ であった。磁気飽和がないとき、電機子電流が 25 A に変化すると回転速度 [min⁻¹] はおよそいくらか。
この問題の解き方を整理するで。直巻電動機では \( E = k' I_a n \) やから、2つの条件の比をとるんや。
条件①: \( I_{a1} = 50 \) A、\( n_1 = 1000 \) min⁻¹
\( E_1 = 110 - 50 \times 0.2 = 100 \) V
条件②: \( I_{a2} = 25 \) A
\( E_2 = 110 - 25 \times 0.2 = 105 \) V
速度比: \( E = k' I_a n \) の比をとると
\( \frac{E_1}{E_2} = \frac{I_{a1} \times n_1}{I_{a2} \times n_2} \)
\( \frac{100}{105} = \frac{50 \times 1000}{25 \times n_2} \) → \( n_2 = \frac{105 \times 50 \times 1000}{100 \times 25} = 2100 \) min⁻¹
正解は④の2100 min⁻¹やな。電流が半分になると速度は約2倍以上に上がるのが直巻の特徴やで。
直巻電動機で電機子電流が半分になった場合(磁気飽和なし)、回転速度は増加するか減少するか。
直巻電動機が端子電圧 200 V、\( R_a + R_{se} \) = 0.5 Ω で運転されている。電機子電流が 40 A、回転速度が 800 min⁻¹ のとき、電機子で変換される機械的出力 \( P_{mech} = E \times I_a \) [kW] はいくらか。
ここからはさらに実践的な計算問題に取り組んでいくで。トルクと電流の関係を使った計算は、電験三種で本当によく出るパターンや。
改めて確認やけど、直巻電動機(磁気飽和なし)では \( T \propto I_a^2 \) やったな。ということは、2つの運転条件①②でトルクの比を取ると:
この式を逆に使えば、「所望のトルクを得るために必要な電流」も求められるで。\( I_{a2} = I_{a1} \sqrt{\frac{T_2}{T_1}} \) やな。
直巻電動機で磁気飽和がないとき、電機子電流 30 A でトルク \( T_1 \) が発生している。トルクを \( 4T_1 \) にするために必要な電機子電流 [A] はいくらか。
整理するで。\( T \propto I_a^2 \) やから、トルクを4倍にしたいなら、\( I_a \) を \( \sqrt{4} = 2 \) 倍にすればええんや。30 × 2 = 60 A やな。
直巻電動機でトルクを2倍にしたい場合、電機子電流は何倍にすればよいか。
直巻電動機が端子電圧 200 V、\( R_a + R_{se} \) = 0.5 Ω で電機子電流 30 A、回転速度 1200 min⁻¹ で運転されている。このときのトルク [N·m] に最も近い値はどれか。
ここで、直巻電動機の始動時の特徴と運転上の注意事項をまとめておくで。
直巻電動機も分巻電動機と同様に、始動時には逆起電力 \( E \) がゼロやから、大きな始動電流が流れる問題がある。始動電流の式は:
\( R_a + R_{se} \) は非常に小さい値やから、始動電流は定格電流の何倍〜十何倍にもなるんや。せやから、直巻電動機も始動抵抗器を使って始動電流を制限する必要があるで。
ただし!直巻電動機の始動で面白いのは、\( T \propto I_a^2 \) やから、始動電流が大きいほど始動トルクが爆発的に大きくなるということや。分巻では \( T \propto I_a \) やから、始動電流を2倍にしても始動トルクは2倍にしかならん。ところが直巻では2倍の始動電流で4倍の始動トルクが得られるんや。
これが直巻電動機が重い荷物の始動に向いてるもう一つの理由やな。始動抵抗を入れて電流を絞っても、2乗の効果でそこそこの始動トルクが確保できるんや。
📌 直巻電動機の運転上の注意まとめ
⚡ 無負荷運転の禁止:ベルト駆動は不可、歯車直結が必須
⚡ 始動抵抗器の使用:始動時の過大電流を制限する
⚡ 急激な負荷変動に注意:負荷が急に軽くなると速度が急上昇する
⚡ 速度制御が難しい:負荷によって速度が大きく変わるため、精密な速度制御には不向き
ここまでの知識を総合的に確認するで。直巻電動機の特性に関する正誤問題に挑戦や!
直巻電動機の特性に関する記述として、誤っているものはどれか。
直巻電動機の速度と負荷の関係をもう一回整理するで。直巻では \( n \propto 1/I_a \)(近似)やから、負荷が増えて \( I_a \) が大きくなると速度は低下するんや。逆に負荷が減って \( I_a \) が小さくなると速度は上昇する。③の「負荷増加で速度増加」は逆やで。
直巻電動機で負荷が増加したとき、回転速度はどうなるか。
直巻電動機の端子電圧が 200 V、\( R_a + R_{se} \) = 0.5 Ω である。定格電流 40 A のとき、始動抵抗器を使わずに始動すると、始動電流は定格電流の何倍になるか。
よっしゃ!ここまでの内容を総まとめするで。直巻電動機の特性は、全部\( I_a = I_f \)(電機子電流 = 界磁電流)という1つの事実から導き出せるんやったな。
この図を頭に入れておけば、直巻電動機に関するどんな問題が来ても対応できるで。全部が「\( \Phi \propto I_a \)」という一つの事実から論理的につながってるんや。
📌 電験三種の頻出ポイント
⚡ 「直巻電動機のトルクは電流の2乗に比例」→ \( T \propto I_a^2 \)
⚡ 「無負荷運転禁止の理由」→ Ia減少→Φ減少→速度が異常上昇
⚡ 「ベルト駆動は不可、歯車直結」→ 負荷が外れる可能性を排除
⚡ 「変速度特性」→ 負荷が大きいほど低速、小さいほど高速
⚡ 「大きな始動トルク」→ 電車、クレーン、エレベーター
ほな、最後の総合問題に挑戦しよか!
最後の問題や!直巻電動機の総合計算問題に挑戦してみよか。
直巻電動機が端子電圧 200 V、\( R_a + R_{se} \) = 0.4 Ω で運転されている。電機子電流 50 A で回転速度が 600 min⁻¹ のとき、電機子電流が 25 A に変化すると回転速度 [min⁻¹] はおよそいくらか。磁気飽和はないものとする。
この問題を一緒に解いていくで。直巻電動機の速度比の計算手順を確認しよか。
ステップ1:各条件の逆起電力を求める
条件① \( E_1 = 200 - 50 \times 0.4 = 200 - 20 = 180 \) V
条件② \( E_2 = 200 - 25 \times 0.4 = 200 - 10 = 190 \) V
ステップ2:E = k'Ia n の比をとる
\( \frac{E_1}{E_2} = \frac{I_{a1} \times n_1}{I_{a2} \times n_2} \)
\( \frac{180}{190} = \frac{50 \times 600}{25 \times n_2} \)
ステップ3:n₂を求める
\( n_2 = \frac{190 \times 50 \times 600}{180 \times 25} = \frac{5{,}700{,}000}{4{,}500} \approx 1267 \) min⁻¹
最も近い値は④の 1270 min⁻¹ やな。電流が半分になると速度は約2倍...にはならず、電圧降下の影響で約2.1倍になるのがポイントやで。
直巻電動機で電機子電流が半分になったとき、回転速度はどうなるか。
同じ直巻電動機(V = 200 V、\( R_a + R_{se} \) = 0.4 Ω)で電機子電流 50 A のとき、鉄損と機械損の合計が 200 W であった。このときの効率 [%] に最も近い値はどれか。
お疲れさん!第21講「直巻電動機の特性」、これで完了や!🎉
今回学んだことをもう一度振り返ると...
直巻電動機の全ての特性は\( I_a = I_f \)(界磁電流 = 電機子電流)から導き出されるんやったな。この接続方式のおかげで \( \Phi \propto I_a \) となり、トルクは \( T \propto I_a^2 \) と電流の2乗に比例する。これが直巻電動機の最大の武器「大きな始動トルク」の源泉や。
一方で、磁束が負荷電流に連動するため、負荷が軽くなると磁束が減少し、回転速度が異常に上昇する「変速度特性」を持つ。特に無負荷状態では速度が無限大に向かうため、無負荷運転は絶対に禁止。ベルト駆動ではなく歯車直結にすることが必須やで。
分巻電動機が「定速度で安定運転」に向いているのに対し、直巻電動機は「大きなトルクで重いものを動かす」のに向いている。電気鉄道、クレーン、エレベーターなど、大きな始動トルクが必要な用途にピッタリの電動機なんやな。
📚 次回予告:第22講「複巻電動機の特性」
次回は、分巻と直巻の両方の特性を併せ持つ複巻電動機について学ぶで。和動複巻と差動複巻の違い、なぜ実用的なのか、どんな場面で使われるのか...直巻と分巻の知識を融合させた総合的な内容になるで。楽しみにしといてな!