E = V - IaRa の一つの式で、電動機のすべてが見えてくる!
よっしゃ!第16講のスタートや!
前回の第15講では、直流電動機の基本原理を学んだな。フレミングの左手の法則で電流を流すと力が発生して回転する仕組み、そして回転することで逆起電力が自然に発生するということを理解したやろ。
今回は、その逆起電力をもっと深く掘り下げるで。具体的には、E = V - IaRa という式の意味を徹底的に理解して、この式を使った計算問題をバリバリ解けるようになるのが目標や。
「え、前回もこの式やったやん?」って思うかもしれんけど、前回は「逆起電力って何?」っていう概念の理解がメインやった。今回は「この式をどう使いこなすか」っていう実戦力を磨いていくで。
電験三種の試験では、逆起電力の式を使った計算問題がめちゃくちゃ出る。分巻電動機の回路計算、直巻電動機の特殊な扱い、ブラシの電圧降下を含む問題...全部この式がベースや。この講座をマスターしたら、電動機の計算問題に自信が持てるようになるで!
📌 この講座で学ぶこと
⚡ E = V - IaRa の各項の物理的意味
⚡ 等価回路からのKVLによる式の導出
⚡ 電力バランス(入力・機械出力・銅損の関係)
⚡ ブラシ電圧降下を含む拡張版の式
⚡ 分巻・直巻電動機での回路計算
⚡ 逆起電力と回転速度の関係
まずは、逆起電力の式を等価回路からきちんと導出しよか。
直流電動機の電機子回路を等価回路で表すと、3つの要素が直列に並んでる形になるんや。外部から加える端子電圧 V、電機子巻線の抵抗 Ra、そして回転によって生じる逆起電力 E。この3つや。
この回路にキルヒホッフの電圧則(KVL)を適用してみ。ループを一周すると、電圧の上がりと下がりが等しくなるはずやな。電源Vが電圧を「上げて」、抵抗Raでの電圧降下IaRaと逆起電力Eが電圧を「下げる」。せやから:
これをEについて解くと:
これが今回の主役、逆起電力の基本式や!
ここで大事なのは、この式の意味を「ただの数式」やなくて「物理的に」理解することや。端子電圧Vの一部がRaでの電圧降下(銅損)に使われて、残りが逆起電力Eになる。つまりEは「端子電圧のうち、実際に機械的エネルギーに変換される部分の指標」なんや。
たとえ話で考えてみ。会社の売上(V)から経費(IaRa)を引いたら利益(E)になるやろ?電動機も同じで、電源から供給された電圧のうち、「経費」にあたるRaでの電圧降下を引いた「利益」が、実際に回転を生み出す力(逆起電力)になるんや。
ほな、式の各項をもう少し丁寧に見ていこか。E = V - IaRa の3つの項、それぞれに重要な物理的意味があるんや。
まず端子電圧 V。これは外部電源から電動機に供給される電圧や。電源のスイッチを入れたらこの電圧が電動機の端子にかかる。通常は一定値で、100Vとか200Vとか、決まった値が与えられることが多い。
次に電機子電流 Ia と電機子抵抗 Ra。IaRaは電機子巻線での電圧降下や。電機子巻線は銅線やから抵抗があって、電流が流れると必ず電圧降下が生じる。この降下分は「銅損」として熱になってしまう。つまり、有効な仕事には使われへんで消えてしまうエネルギーなんや。
ここで重要なポイントがあるで。Raの値は非常に小さいんや。電機子巻線は太い銅線を何回も巻いてあるけど、それでも0.1Ω〜数Ωくらいの値しかないことが多い。これは意図的にそうしてるんや。もしRaが大きかったら、IaRaが大きくなって、Eが小さくなってしまう。つまり「経費ばっかりかかって利益が少ない」状態になってまうからな。
最後に逆起電力 E。これは電動機が回転することで電機子巻線に誘導される起電力や。第10講で学んだ \( E = k\Phi n \) を思い出してみ。磁束Φの中で速度nで回転するから起電力が発生する。この起電力は電源電圧Vに逆らう向きに発生するから「逆起電力」って呼ぶんやったな。
📌 各項の意味まとめ
⚡ V(端子電圧):電源から供給される電圧。「売上」に相当
⚡ IaRa(電機子の電圧降下):銅損として失われる分。「経費」に相当
⚡ E(逆起電力):機械エネルギーに変換される分の指標。「利益」に相当
この3つの関係を頭に入れたら、次のステップでは数値を使った具体的な計算に進むで。実際にどれくらいの値になるか、見てみよか。
ほな、具体的な数値を使って逆起電力の式を体感してみよか。
たとえば、端子電圧 \( V = 200 \) V、電機子抵抗 \( R_a = 0.5 \) Ω、電機子電流 \( I_a = 20 \) A の電動機があったとする。
逆起電力の計算
\( E = V - I_a R_a = 200 - 20 \times 0.5 = 200 - 10 = 190 \) V
ほら見てみ。200Vの電源電圧のうち、Raでの電圧降下はたったの10V。残りの190Vが逆起電力や。つまり、電源が供給する電圧の95%が有効に使われてるということやな。
これは偶然やないで。さっき言うた通り、Raは設計上わざと小さくしてあるから、IaRaの割合は小さくなるんや。実際の電動機でも、定格運転時にはE ≈ 0.9V 〜 0.95Vくらいになることが多い。
ここでもう一つ大事なことを確認しとこ。電機子電流Iaは何で決まるか?を式から読み取れるで。
\( E = V - I_a R_a \) を Ia について解くと:
この式がめちゃくちゃ重要や!電機子電流は「VとEの差」で決まるんや。VとEが近ければ電流は小さく、差が大きければ電流は大きくなる。
たとえば始動時(\( n = 0 \))は \( E = k\Phi n = 0 \) やから、\( I_a = \frac{V - 0}{R_a} = \frac{V}{R_a} \) になって超大電流が流れる。前回学んだ始動電流の問題は、まさにこの式から来てるんやで。
📌 電機子電流を決める要因
⚡ V が大きい → 電流が増える
⚡ E が大きい(速く回る) → 電流が減る
⚡ Ra が大きい → 電流が減る(ただしRaは固定値)
⚡ 始動時は E = 0 → 電流が最大(危険!)
さあ、ここまでの理解を問題で確認してみよか!
端子電圧 220 V、電機子抵抗 0.4 Ω の直流電動機に電機子電流 30 A が流れている。このとき逆起電力 E [V] はいくらか。
大丈夫やで!逆起電力の式をもう一回確認しよか。
逆起電力は \( E = V - I_a R_a \) で求まるんやったな。端子電圧Vから、電機子巻線での電圧降下 \( I_a R_a \) を引くだけや。
ポイントは引き算やということ。電源電圧から「ロス分」を引いた残りが逆起電力やで。
端子電圧 100 V、電機子抵抗 0.5 Ω、電機子電流 10 A の電動機の逆起電力 E は?
端子電圧 200 V、電機子抵抗 0.2 Ω の直流電動機が定格運転中、逆起電力が 190 V であった。このとき電機子巻線で消費される電力(銅損)[W] はいくらか。
ここで、発電機の式と電動機の式を並べて比較してみよう。これは電験で超頻出の比較ポイントやで。
第11講で学んだ発電機の等価回路の式は \( V = E - I_a R_a \) やったな。これは「起電力Eから電圧降下を引いたものが端子電圧Vになる」という意味やった。
一方、電動機は \( V = E + I_a R_a \) 、つまり \( E = V - I_a R_a \) や。「端子電圧Vの一部がRaでの降下に使われ、残りが逆起電力Eになる」っていう意味やったな。
ポイントは「大小関係」や。発電機では \( E > V \) で、電動機では \( V > E \) になる。
なんでかというと、発電機は起電力Eが「電圧の源」で、そこからRaでの降下を引いた残りが端子電圧Vとして外に出る。一方、電動機は端子電圧Vが「電圧の源」で、Raでの降下を差し引いた残りが逆起電力Eになる。エネルギーの流れる向きが逆やから、EとVの大小関係も逆になるんや。
📌 発電機 vs 電動機の式(試験で超重要!)
⚡ 発電機:\( V = E - I_a R_a \)(E > V)…機械→電気
⚡ 電動機:\( E = V - I_a R_a \)(V > E)…電気→機械
⚡ IaRa の項は両方とも「ロス」(銅損)を表す
ここで、逆起電力の式から電力バランスを導出するで。これは試験で「電力」や「効率」を求める問題の基礎になるから、めちゃくちゃ大事や。
\( V = I_a R_a + E \) の両辺に \( I_a \) を掛けてみ:
両辺に Ia を掛ける
\( V I_a = I_a^2 R_a + E I_a \)
左辺の \( V I_a \) は電源から電機子回路に供給される電気的入力やな。これが2つの項に分かれるんや:
右辺第1項:\( I_a^2 R_a \)
これは電機子巻線での銅損(ジュール熱)。電流が抵抗を流れることで熱に変わるエネルギーや。
右辺第2項:\( E I_a \)
これが電機子に発生する機械的出力(内部機械出力)。逆起電力と電機子電流の積で、回転力に変換されるエネルギーやで。
ここで注意してほしいんやけど、\( E I_a \) は「内部機械出力」であって、実際に軸から取り出せる「軸出力」とはちょっと違うで。軸出力を求めるには、\( E I_a \) からさらに鉄損や機械損(ベアリングの摩擦とか風損とか)を引かなあかん。ただ、電験の問題では「鉄損・機械損は無視する」って条件が付くことも多いから、その場合は \( EI_a \) がそのまま軸出力になるで。
さて、先ほどの数値例で電力バランスを確認してみよか。V = 200 V、Ia = 20 A、E = 190 V やったから:
電力バランスの確認
電気的入力:\( VI_a = 200 \times 20 = 4000 \) W
銅損:\( I_a^2 R_a = 20^2 \times 0.5 = 200 \) W
機械出力:\( EI_a = 190 \times 20 = 3800 \) W
検算:\( 200 + 3800 = 4000 \) ✅
ほら、ちゃんと辻褄が合うやろ。4000Wの入力のうち、200Wが熱になって、3800Wが回転力になってるんや。
端子電圧 100 V、電機子電流 50 A、逆起電力 95 V の直流電動機がある。この電動機の電機子巻線での銅損 [W] と内部機械出力 [W] の組み合わせとして正しいものはどれか。
電力バランスの計算、もう一回整理しよか。
電動機の電力バランスは \( VI_a = I_a^2 R_a + EI_a \) や。左辺が入力、右辺が「銅損 + 機械出力」やで。
銅損を求めるには \( I_a^2 R_a \) を計算するんやけど、Ra が直接与えられてないときは、E = V - IaRa から Ra = (V - E) / Ia で求められるで。
電気的入力 \( VI_a = 100 \times 50 = 5000 \) W のとき、内部機械出力 \( EI_a = 95 \times 50 = 4750 \) W とすると、銅損はいくらか。
端子電圧 200 V、電機子抵抗 0.4 Ω の直流電動機が電機子電流 25 A で運転中である。鉄損と機械損の合計が 120 W のとき、この電動機の軸出力 [W] と効率 [%] を求めよ。
ここで、もう少し現実に近い式を紹介するで。実際の直流機にはブラシがあるやろ?第5講で学んだ、整流子に接触して電流を取り出す部品や。
ブラシと整流子の接触部分には接触抵抗があって、ここでも電圧降下が発生するんや。これをブラシ電圧降下(ブラシ接触降下)と呼ぶ。
ブラシ電圧降下の特徴は、電流の大きさにあまり関係なくほぼ一定値になることや。これは接触抵抗が非線形(電流が大きくなっても抵抗が下がる)やからなんやけど、試験では「ブラシ1個あたり \( v_b \) V」という形で与えられることが多い。
電機子回路にはブラシが正極側と負極側の2箇所あるから、ブラシ電圧降下の合計は \( 2v_b \) になる。炭素ブラシの場合、1個あたり約1Vで、合計約2Vが典型的な値やで。
これを含めると、電動機の式はこうなる:
さっきの例で計算してみよか。V = 200 V、Ia = 20 A、Ra = 0.5 Ω、ブラシ1個あたり1Vとすると:
ブラシ電圧降下を含む計算
\( E = 200 - 20 \times 0.5 - 2 \times 1 = 200 - 10 - 2 = 188 \) V
ブラシ降下なしの190Vに比べて2V小さくなったな。割合としては小さいけど、試験で「ブラシ電圧降下を考慮する」と書いてあったら必ず引かなあかんで。逆に、「ブラシの電圧降下は無視する」と書いてあったら、この項は省略してOKや。
📌 ブラシ電圧降下のポイント
⚡ ブラシは正極・負極の2箇所 → 合計 \( 2v_b \)
⚡ 炭素ブラシ1個あたり約1V(合計約2V)が典型値
⚡ 問題文に「無視する」とあればこの項は不要
⚡ 電力バランスは \( VI_a = I_a^2 R_a + 2v_b I_a + EI_a \)
端子電圧 110 V、電機子抵抗 0.2 Ω、電機子電流 40 A の直流電動機がある。ブラシ1個あたりの電圧降下が 1 V のとき、逆起電力 E [V] はいくらか。
ブラシ電圧降下、ちょっとややこしいな。ポイントは「2箇所分」を引くことやで。
式は \( E = V - I_a R_a - 2v_b \) や。この問題では V = 110、Ia = 40、Ra = 0.2、vb = 1 やから、IaRa = 8 V、2vb = 2 V を引けばOKやで。
端子電圧 200 V、電機子の電圧降下 IaRa = 10 V、ブラシ電圧降下の合計 2vb = 2 V のとき、逆起電力は?
端子電圧 220 V、電機子抵抗 0.3 Ω、ブラシ1個あたりの電圧降下 1 V の直流電動機がある。逆起電力が 210 V のとき、電機子電流 Ia [A] はいくらか。
さて、ここからは励磁方式ごとの回路計算に入るで。まずは電験で最も頻繁に出る分巻電動機からや。
分巻電動機では、界磁巻線が電機子と並列に接続されてるんやったな(第8講で学んだ内容)。ここで重要なのは、電源から流れ込む電流(線電流 I)と電機子電流 Iaが違うということや!
分巻電動機では、電源から流れ込む線電流 I が分岐点で2つに分かれるんや。一つは界磁巻線に流れる界磁電流 If、もう一つは電機子に流れる電機子電流 Ia。キルヒホッフの電流則(KCL)から:
そして界磁電流は \( I_f = \frac{V}{R_f} \) で求まる。界磁巻線は電源に並列やから、そのまま端子電圧Vを界磁抵抗Rfで割ればOKや。
ここが超重要ポイントやで!分巻電動機の計算問題で「電機子電流」を求めるとき、線電流Iがそのまま電機子電流やと思ったらアカンのや。必ず界磁電流を引く必要がある。ここは本当に間違えやすいから、注意してな。
📌 分巻電動機の計算手順
⚡ ① 界磁電流を求める:\( I_f = V / R_f \)
⚡ ② 電機子電流を求める:\( I_a = I - I_f \)
⚡ ③ 逆起電力を求める:\( E = V - I_a R_a \)
端子電圧 200 V、電機子抵抗 0.5 Ω、界磁抵抗 100 Ω の分巻電動機が線電流 52 A で運転中である。このとき逆起電力 E [V] はいくらか。
分巻電動機の計算、順番にやっていこか。
まず界磁電流:\( I_f = V / R_f = 200 / 100 = 2 \) A
次に電機子電流:\( I_a = I - I_f = 52 - 2 = 50 \) A
最後に逆起電力:\( E = V - I_a R_a = 200 - 50 \times 0.5 = 175 \) V
この手順を覚えてしまえば、分巻の問題は確実に解けるで!
端子電圧 100 V、界磁抵抗 50 Ω の分巻電動機で、界磁電流 If [A] はいくらか。
端子電圧 200 V、電機子抵抗 0.5 Ω、界磁抵抗 100 Ω の分巻電動機がある。この電動機の電気的入力が 4400 W のとき、内部機械出力 \( EI_a \) [W] はいくらか。
次は直巻電動機の場合を見てみよう。直巻は分巻と違って、界磁巻線が電機子と直列に接続されてるんやったな。
直列ということは、界磁巻線にも電機子にも同じ電流が流れるんや。つまり \( I = I_a = I_f \) やで。分巻のように電流を分ける必要がないから、その点ではシンプルやな。
ただし、直巻の場合は界磁巻線の抵抗 \( R_f \) も電機子回路に入ってくるから、逆起電力の式がちょっと変わるんや。
分巻との違いを整理すると:
分巻:界磁は並列 → Ia ≠ I → 抵抗降下は \( I_a R_a \) のみ
直巻:界磁は直列 → Ia = I → 抵抗降下は \( I_a(R_a + R_f) \)
直巻電動機のもう一つの大きな特徴は、磁束Φが電機子電流Iaに比例するということや。\( \Phi \propto I_a \) やで。界磁巻線に電機子電流がそのまま流れるから、電流が大きいと磁束も強くなり、電流が小さいと磁束も弱くなる。
この「Φ ∝ Ia」の性質が、直巻電動機に独特の速度-トルク特性を与えるんや。これについては後の講座(第21講)で詳しくやるから、今は「直巻は回路計算のときにRfも足す」ということをしっかり覚えといてな。
📌 直巻電動機の回路計算ポイント
⚡ 界磁巻線は電機子と直列 → \( I = I_a = I_f \)
⚡ 抵抗は合算:\( E = V - I_a(R_a + R_f) \)
⚡ 磁束は電流に比例:\( \Phi \propto I_a \)
端子電圧 220 V、電機子抵抗 0.3 Ω、界磁抵抗 0.2 Ω の直巻電動機に 40 A の電流が流れている。逆起電力 E [V] はいくらか。
直巻のポイントは、Ra と Rf を足してから計算することやで!
合計抵抗は \( R_a + R_f = 0.3 + 0.2 = 0.5 \) Ω。
電圧降下は \( I_a(R_a + R_f) = 40 \times 0.5 = 20 \) V。
逆起電力は \( E = 220 - 20 = 200 \) V やで。
直巻電動機で、電機子抵抗 0.4 Ω、界磁抵抗 0.1 Ω のとき、回路全体の抵抗(Ra + Rf)はいくらか。
端子電圧 200 V、電機子抵抗 0.2 Ω、界磁抵抗 0.1 Ω の直巻電動機が 60 A で運転中である。このとき内部機械出力 \( EI_a \) [W] はいくらか。
分巻と直巻の回路計算を両方学んだところで、比較問題にチャレンジしてみよか。
次の記述のうち、直巻電動機の逆起電力の式として正しいものはどれか。
直巻電動機の一番のポイントは「界磁と電機子が直列」ということや。直列ってことは同じ電流が流れるやろ?やから \( I_a = I_f \) で、Ra と Rf は合算して一つの抵抗と見なせるんやで。
分巻電動機の逆起電力の式はどれか?
分巻電動機(V = 200 V, Ra = 0.5 Ω, Rf = 100 Ω, I = 22 A)と直巻電動機(V = 200 V, Ra = 0.3 Ω, Rf = 0.2 Ω, I = 40 A)の逆起電力の差 [V] はいくらか。
ここまでの計算力が身についたところで、逆起電力の式の最も重要な応用を見ていくで。それは回転速度との関係や。
第10講で学んだ起電力の式を思い出してみ。\( E = k\Phi n \) やったな。k は機械定数、Φは磁束、nは回転速度 [min-1]。この式は発電機でも電動機でも成り立つで。
ほんで、電動機の逆起電力は \( E = V - I_a R_a \) でもある。この2つの式を組み合わせると:
2つの式を等号で結ぶ
\( k\Phi n = V - I_a R_a \)
これを n について解くと:
これがめちゃくちゃ重要な式や!この式から、回転速度を変える3つの方法が読み取れるんや:
① 端子電圧 V を変える:Vを大きくすると分子が大きくなるから、速度nが上がる。これが「電圧制御」の原理やで。
② 磁束 Φ を変える:Φを小さくすると分母が小さくなるから、速度nが上がる。Φを弱くすると速くなるって、ちょっと不思議やろ?これが「界磁制御」の原理や。
③ 電機子回路の抵抗を変える:外部から抵抗 \( R_{ext} \) を追加すると、分子の \( V - I_a(R_a + R_{ext}) \) が小さくなって速度が下がる。これが「抵抗制御」の原理や。
📌 速度制御の3つの方法(第24講の予告)
⚡ 電圧制御:V を変える → \( n \propto V \)
⚡ 界磁制御:Φ を変える → \( n \propto 1/\Phi \)
⚡ 抵抗制御:Rext を追加 → 速度が下がる
速度制御の詳細は第24講でじっくりやるけど、今の段階で「逆起電力の式から速度の式が導ける」ということを押さえておいてな。次の問題で、この速度の式を使った計算をやってみよう。
さあ、回転速度と逆起電力を使った計算問題や。この形式は電験でも頻出やで!
端子電圧 200 V、電機子抵抗 1.0 Ω の他励電動機がある。電機子電流 10 A で回転速度 1000 min-1 のとき、電機子電流が 20 A に増加したら回転速度 [min-1] はいくらになるか。ただし、磁束は一定とする。
速度の比を使う問題、手順を整理するで。
磁束Φが一定やから \( n \propto E \) 、つまり \( n_2/n_1 = E_2/E_1 \) が使えるんや。
まず2つの状態の逆起電力をそれぞれ計算して、比を取ればOKやで。
状態1:\( E_1 = 200 - 10 \times 1 = 190 \) V
状態2:\( E_2 = 200 - 20 \times 1 = 180 \) V
\( n_2 = n_1 \times E_2/E_1 = 1000 \times 180/190 \) やで。
磁束一定のとき、逆起電力が 200 V → 180 V に減少した。回転速度は何倍になるか。
端子電圧 200 V、電機子抵抗 0.5 Ω の他励電動機が、電機子電流 20 A、回転速度 1500 min-1 で運転中である。磁束を 80 % に減少させたとき、電機子電流が 15 A になった場合、回転速度 [min-1] はいくらになるか。
よっしゃ、ここまでの内容を総まとめするで!
この第16講では、逆起電力の式 \( E = V - I_a R_a \) を徹底的に掘り下げたな。最初に等価回路からKVLで導出して、各項の物理的意味を理解した。次に電力バランスを学んで、ブラシ電圧降下の扱いを覚えた。さらに分巻と直巻の回路計算の違いを学んで、最後に回転速度との関係まで到達した。
📌 試験に出るポイント総まとめ
⚡ 基本式:\( E = V - I_a R_a \)(電動機), \( V = E - I_a R_a \)(発電機)
⚡ 電力:\( VI_a = I_a^2 R_a + EI_a \)
⚡ ブラシ:\( E = V - I_a R_a - 2v_b \)
⚡ 分巻:\( I_a = I - I_f \), \( I_f = V/R_f \)
⚡ 直巻:\( I_a = I \), \( E = V - I_a(R_a + R_f) \)
⚡ 速度:\( n = (V - I_a R_a)/(k\Phi) \)
最後に、今日学んだ内容を全部使った総合問題にチャレンジしてみよか!
端子電圧 200 V、電機子抵抗 0.2 Ω、界磁抵抗 100 Ω の分巻電動機が線電流 52 A で回転速度 1200 min-1 で運転している。このとき、逆起電力 E [V] と内部機械出力 Pm [W] の組み合わせとして正しいものはどれか。
分巻電動機の総合問題、手順通りにやれば解けるで!
Step①:界磁電流 \( I_f = V/R_f = 200/100 = 2 \) A
Step②:電機子電流 \( I_a = I - I_f = 52 - 2 = 50 \) A
Step③:逆起電力 \( E = V - I_a R_a = 200 - 50 \times 0.2 = 190 \) V
Step④:機械出力 \( P_m = EI_a = 190 \times 50 \) W
分巻電動機の計算で、最初にやるべきことはどれか?
上記の分巻電動機(V = 200 V, Ra = 0.2 Ω, Rf = 100 Ω, I = 52 A, n = 1200 min-1)において、磁束を一定に保ったまま負荷が変化し、電機子電流が 30 A に減少した。このときの回転速度 [min-1] はいくらか。
お疲れさま!第16講、完走や!🎉
今回は \( E = V - I_a R_a \) というたった一つの式から、ものすごくたくさんのことを学んだな。この式は直流電動機の「万能ナイフ」みたいなもんで、逆起電力の計算、電流の計算、電力バランス、回転速度...何にでも使えるんや。
特に覚えておいてほしいのは:
① 式の物理的意味:端子電圧の「残り」が逆起電力になるということ。売上から経費を引いた利益のイメージやったな。
② 分巻と直巻の違い:分巻では Ia ≠ I(界磁電流を引く必要がある)。直巻では Rf も合算する。この使い分けは試験で差がつくポイントやで。
③ 速度の式への展開:\( n = (V - I_a R_a)/(k\Phi) \) は、速度制御の3方法の根拠になる重要な式や。
📚 次回予告:第17講「トルクの基本式」
次回は、電動機のもう一つの重要な量、トルクについて学ぶで。\( T = k_T \Phi I_a \) の式を導出して、「なぜ電流を増やすとトルクが大きくなるのか」を本質から理解しよう。トルクと逆起電力の関係が分かれば、電動機の全体像が見えてくるで!
📚 次回予告:第17講「トルクの基本式」
電動機のトルク \( T = k_T \Phi I_a \) の導出と意味を学びます。逆起電力とトルクの関係を理解して、電動機の完全理解を目指そう!