電気エネルギーを回転力に変える仕組みと、モーターの中で生まれる「ブレーキ役」の正体を解明!
よっしゃ!今回からPart 4:直流電動機の基礎に突入するで!🎉
ここまでPart 3では直流発電機について徹底的にやってきたな。誘導起電力の式 \( E = k\Phi n \) とか、端子電圧の式 \( V = E - I_a R_a \) とか、電圧変動率とか、いっぱい学んだやろ。
今回のPart 4では、いよいよ直流電動機(DCモーター)の世界に入っていくで。電動機は、発電機の「逆」の動作をする機械や。発電機が「回転 → 電気」やったのに対して、電動機は「電気 → 回転」の変換をするんやな。
実は、直流機の構造自体は発電機も電動機も全く同じやということを第1講で学んだな。同じ機械なのに、外から力を加えて回せば発電機、外から電圧をかければ電動機になる。この「可逆性」が直流機のすごいところや。
この第15講では、電動機がなぜ回転するのか?その原理と、電動機の中で自然に発生する「逆起電力」という超重要な概念を学んでいくで。逆起電力は、電動機を理解する上での最重要キーワードや。これが分かれば、電動機の計算問題は怖くない!
📌 この講座で学ぶこと
⚡ 電動機が回転する原理(フレミングの左手の法則)
⚡ 発電機と電動機の違い(エネルギー変換の方向)
⚡ 逆起電力とは何か、なぜ発生するのか
⚡ 逆起電力が電動機の動作に果たす役割
⚡ 電動機の基本的な等価回路の考え方
ほな、Part 4の最初の一歩を踏み出そか!💪
まずは電動機がなぜ回転するのか?という基本中の基本から行くで。
第2講で学んだフレミングの法則を思い出してみ。発電機では「右手の法則」を使ったな。磁界の中で導体を動かすと起電力が発生するってやつや。あれは「力 → 電気」の方向の法則やった。
電動機はその逆で、「電気 → 力」の方向や。磁界の中に置いた導体に電流を流すと、導体に力が働く。この現象を支配するのがフレミングの左手の法則やで。
フレミングの左手の法則では、左手の3本の指をそれぞれ直角に開いて、こう対応させるんや:
・人差し指 → 磁界(磁束)の方向 \( B \)
・中指 → 電流の方向 \( I \)
・親指 → 力(運動)の方向 \( F \)
この法則のポイントは、右手の法則(発電機用)とは別物やということや。右手は「運動 → 起電力」、左手は「電流 → 力」。エネルギー変換の方向が逆やから、使う手も逆になるんやな。
電動機の中では、界磁(永久磁石や電磁石)が作る磁界の中に電機子導体があって、そこに外部から電流を流す。すると、フレミングの左手の法則に従って導体に力が働き、その力が電機子を回転させるんや。これが電動機が回る原理やで。
💡 分かりやすく例えると、ブランコを想像してみ。ブランコを押す力が「電流による力」で、ブランコが揺れるのが「回転」や。電動機は、磁界の中で電流が「押す力」を生み出して、その力で電機子を回転させとるんやな。
ここで、発電機と電動機をしっかり比較しておこか。電験三種では、この2つの違いを正確に理解してるかどうかを問う問題がよく出るんや。
まず、発電機と電動機は構造が全く同じやと言うたな。同じ直流機でも、使い方によって発電機にも電動機にもなる。ほな、何が違うんか? それはエネルギーの流れる方向や。
図を見れば分かるように、発電機は外部から機械的な力(タービンやエンジンの回転力)をもらって、それを電気エネルギーに変換する。「回転 → 電気」の方向やな。
一方、電動機は外部から電気エネルギー(電源の電圧)をもらって、それを機械的な回転力に変換する。「電気 → 回転」の方向や。
もう一つ大事な違いがある。それは電流の向きや。発電機では電機子の中で発生した起電力によって電流が「流れ出す」方向やったのに対して、電動機では外部電源から電機子に電流が「流れ込む」方向になる。この電流の向きの違いが、後で学ぶ等価回路の式にも反映されるんやで。
📌 発電機と電動機の違いまとめ
⚡ 発電機:機械エネルギー → 電気エネルギー(右手の法則)
⚡ 電動機:電気エネルギー → 機械エネルギー(左手の法則)
⚡ 構造は同じ、エネルギーの流れが逆
⚡ 電機子電流の方向も逆になる
ほな、電動機の動作をもうちょっと詳しく見ていこか。
電動機を動かすには、まず外部電源から端子電圧 \( V \) を加えるんや。すると、電機子巻線に電流 \( I_a \) が流れる。この電流が、界磁が作る磁界 \( B \) の中を通るから、フレミングの左手の法則によって導体に力 \( F \) が発生する。
この力の大きさは、実は簡単な式で表せるんや。1本の導体に働く力は:
この式は「磁束密度が強いほど」「電流が大きいほど」「導体が長いほど」力が大きくなることを示しとる。直感的にも分かるやろ? 磁石が強くて、電流がたくさん流れて、導体が長ければ、そりゃ力も大きくなるわな。
電動機の電機子には何本もの導体が巻かれとるから、各導体に働く力の合計がトルク(回転力)になって、電機子が回転するわけや。トルクの詳しい計算は第17講で学ぶけど、ここでは「電流と磁束の相互作用で力が生まれる」ということをしっかり押さえてくれ。
上の図を見てみ。N極からS極に向かう磁束の中に、2本の導体がある。上の導体には紙面の手前向き(⊙)に電流が流れ、下の導体には紙面の奥向き(⊗)に電流が流れとる。フレミングの左手の法則を当てはめると、上の導体は上向きの力、下の導体は下向きの力を受ける。この2つの力が偶力(カップル)となって、電機子を回転させるんや。
ここで大事なことを一つ。電機子が回転し続けるためには、整流子とブラシが不可欠やで。もし整流子がなかったら、導体が半回転した時点で電流の向きと力の関係が変わってしまって、逆向きの力が働いてしまう。整流子が電流の向きを切り替えてくれるおかげで、常に同じ方向の回転力が維持されるんや。これは第5講で学んだ通りやな。
ほな、ここまでの理解をチェックしよか!
直流電動機が回転する原理として正しいものはどれか。
大丈夫、整理しよか!ポイントは何がエネルギーを生むかや。
発電機は「動き → 電気」やから右手の法則。電動機は「電気 → 動き」やから左手の法則。つまり、電動機では磁界の中の導体に電流を流すことで力が生まれるんや。
②の右手の法則は発電機の原理、③のアンペアの法則は電磁石の原理、④のファラデーの法則は電磁誘導の原理や。電動機の回転原理に直接対応するのは①のフレミングの左手の法則やで。
フレミングの左手の法則で、「力の方向」を示す指はどれか。
磁束密度 \( B = 0.8 \) T の磁界中に長さ \( l = 0.3 \) m の導体を置き、\( I = 25 \) A の電流を流した。この導体に働く力 \( F \) [N] はいくらか。
さて、ここからがこの講座の最重要テーマや。それが逆起電力(back EMF)やで!
さっき、電動機は「電流を流して導体に力を発生させ、回転させる」と言うたな。ほな、ちょっと考えてみ。電動機が回転し始めたら、何が起こる?
思い出してほしい。磁界の中で導体が動く(回転する)と、起電力が発生するんやったな。これはファラデーの電磁誘導の法則で、まさに発電機の原理やで。
つまりこういうことや。電動機に電流を流して回転させると、その回転している最中に、電機子の導体が磁界を切ることで起電力が発生する。この起電力のことを逆起電力と呼ぶんや。
なんで「逆」と付くのか? それは、この起電力が外部から加えた電圧と逆向きに発生するからや。外部電源が「右向きに電流を流そう」としているのに対して、逆起電力は「左向きに電流を流そう」とする。つまり、逆起電力は電流の流れを妨げる方向に働くんや。
💡 自転車で例えてみよか。ペダルを踏んで走り出すと、風の抵抗を受けるやろ? スピードが上がるほど風の抵抗も大きくなる。この「風の抵抗」が逆起電力のイメージや。
電動機も同じで、回転速度が上がるほど逆起電力が大きくなって、電流が流れにくくなる。でも、この「抵抗」のおかげで電動機は適切な速度で安定するんやで。
📌 逆起電力の本質
⚡ 電動機が回転すると、発電機と同じ原理で起電力が発生する
⚡ この起電力は外部電源の電圧と逆向き → だから「逆」起電力
⚡ 回転速度が速いほど逆起電力は大きくなる
⚡ 逆起電力は電機子電流を抑制する「自然のブレーキ」の役割
「逆起電力って、電流を邪魔するもんなんやろ? ほな、ないほうがええやん?」って思うかもしれん。でも実は、逆起電力がなかったら電動機は壊れてしまうんや!
なんでかというと、こう考えてみ。電動機の電機子巻線の抵抗 \( R_a \) は非常に小さいんや。例えば、0.5 Ω とか 0.1 Ω とかそんなもんや。ここに、例えば 100 V の電圧を直接かけたらどうなる?
逆起電力がない場合(始動直後)
回転速度 \( n = 0 \) → 逆起電力 \( E = 0 \)
電機子電流 \( I_a = \frac{V}{R_a} = \frac{100}{0.5} = 200 \) A 😱
200 A!? こんな大電流が流れたら、電機子巻線は焼けてしまう。定格電流が例えば 20 A の電動機に、その10倍もの電流が流れるわけやからな。実際、これが始動時の突入電流が危険な理由や(始動法は第23講で学ぶ)。
でも、電動機が回転を始めると、逆起電力 \( E \) が発生する。すると、電機子を流れる電流は:
この式を見てくれ。分子が \( V - E \) になっとるやろ? 逆起電力 \( E \) の分だけ、実効的に電機子にかかる電圧が下がるんや。回転速度が上がるほど \( E \) が大きくなるから、電流 \( I_a \) は自然に制限される。
逆起電力がある場合(定常運転時)
例えば \( E = 90 \) V まで上がったとすると:
\( I_a = \frac{100 - 90}{0.5} = \frac{10}{0.5} = 20 \) A ✅
ほら!逆起電力のおかげで、電流が適切な値に落ち着く。逆起電力は「邪魔者」やなくて、電動機が安定して動くための超重要な仕組みなんや。
このグラフが示す通り、始動直後は逆起電力がゼロやから電流が非常に大きい。でも回転速度が上がるにつれて逆起電力が増加し、電流は自然に適正値まで下がっていく。この自己調整メカニズムが、電動機の安定運転を支えとるんや。
📌 逆起電力の役割まとめ
⚡ 逆起電力がないと → 電流 \( I_a = V / R_a \) → 過大電流で焼損!
⚡ 逆起電力があると → 電流 \( I_a = (V - E) / R_a \) → 適正電流で安定運転
⚡ 始動時は E ≈ 0 なので大電流 → 始動抵抗が必要(第23講)
逆起電力の基本が分かったところで、確認問題や!
直流電動機において、逆起電力が発生する理由として正しいものはどれか。
逆起電力の「逆」って何が「逆」なのかを整理しよか。
電動機は電流を流して回転するんやったな。その回転によって、磁界の中で導体が動くことになる。磁界の中で導体が動いたら? そう、電磁誘導で起電力が発生するんや。これは発電機と全く同じ原理やで。
この起電力は、外部から加えた電圧に「逆らう」方向に発生するから「逆」起電力と呼ぶ。①の電圧降下は抵抗による損失であって起電力やない。③のブラシ接触抵抗も同様。④の電機子反作用は磁束の歪みの話やで。
逆起電力は、電動機の回転速度が速くなるとどうなるか。
端子電圧 \( V = 200 \) V、電機子抵抗 \( R_a = 0.5 \) Ω の直流電動機が定常運転しており、電機子電流は \( I_a = 40 \) A であった。この時の逆起電力 \( E \) [V] はいくらか。
ほな、逆起電力を使って電動機の等価回路を考えてみよか。これが分かれば、電動機の計算問題はほぼ攻略できるで。
発電機の等価回路を思い出してみ。発電機では、電機子の中で起電力 \( E \) が発生して、電機子抵抗 \( R_a \) で電圧降下が起きて、残りが端子電圧 \( V \) になるんやった。式で書くと \( V = E - I_a R_a \) や。
電動機では、エネルギーの流れが逆になる。外部電源から端子電圧 \( V \) をかけて、そこから逆起電力 \( E \) と電機子抵抗での電圧降下 \( I_a R_a \) を差し引いた分が、電流を流す「駆動力」になるんや。
等価回路を見てくれ。電源電圧 \( V \) から見て、電流が回路を一周する間に、まず電機子抵抗 \( R_a \) で \( I_a R_a \) の電圧降下が起き、さらに逆起電力 \( E \) がある。キルヒホッフの電圧則(回路を一周すると電圧の和はゼロ)を使うと:
この式は電動機の最も基本的な式や。発電機の式 \( V = E - I_a R_a \) と比べてみ。符号が逆になっとるやろ? これは、発電機では \( E \) が電流を「押し出す」方向なのに対して、電動機では \( E \) が電流に「逆らう」方向やから、こうなるんや。
この式を変形すると、色々な量を求められるで:
・逆起電力を求める:\( E = V - I_a R_a \)
・電機子電流を求める:\( I_a = \frac{V - E}{R_a} \)
📌 発電機と電動機の式の比較
⚡ 発電機:\( V = E - I_a R_a \) → 起電力から電圧降下を引いた残り
⚡ 電動機:\( V = E + I_a R_a \) → 逆起電力と電圧降下の合計が電源電圧
⚡ 共通点:\( E = k\Phi n \) は発電機も電動機も同じ式!
等価回路の式を使った計算問題や!
端子電圧 \( V = 100 \) V、電機子抵抗 \( R_a = 0.4 \) Ω の直流電動機に \( I_a = 25 \) A の電機子電流が流れている。逆起電力 \( E \) [V] はいくらか。
電動機の基本式をもう一度確認しよか。
電動機の式は \( V = E + I_a R_a \) や。これを \( E \) について解くと \( E = V - I_a R_a \) になるな。
数値を代入すると \( E = 100 - 25 \times 0.4 = 100 - 10 = 90 \) V やで。逆起電力は端子電圧よりも \( I_a R_a \) の分だけ小さくなるということを覚えておこうな。
電動機の式 \( V = E + I_a R_a \) において、\( I_a R_a \) は何を意味するか。
端子電圧 \( V = 220 \) V、電機子抵抗 \( R_a = 0.2 \) Ω の直流電動機において、逆起電力が \( E = 210 \) V であるとき、電機子で消費される銅損 \( P_{cu} \) [W] はいくらか。
ここで、逆起電力と回転速度の関係をもう少し深く掘り下げるで。
逆起電力は「回転する導体が磁束を切ることで発生する起電力」やったな。ということは、逆起電力の大きさは発電機の誘導起電力と全く同じ式で計算できるんや。
この式が表しているのは、逆起電力 \( E \) は磁束 \( \Phi \) と回転速度 \( n \) に比例するということや。磁束が強ければ逆起電力は大きくなるし、回転が速ければ逆起電力も大きくなる。
これを電動機の基本式 \( V = E + I_a R_a \) と組み合わせると、すごく面白いことが分かるんや。
\( V = E + I_a R_a \) に \( E = k\Phi n \) を代入
\( V = k\Phi n + I_a R_a \)
回転速度について解くと:
\( n = \frac{V - I_a R_a}{k\Phi} \)
この式を見てくれ。回転速度 \( n \) は、分子の \( V - I_a R_a \)(実質的に逆起電力に等しい)を、分母の \( k\Phi \)(磁束に比例する値)で割ったものや。ここから、電動機の速度を制御する方法が3つ見えてくるんや:
・端子電圧 \( V \) を変える → 電圧制御
・磁束 \( \Phi \) を変える → 界磁制御
・\( I_a R_a \) を変える(外部抵抗を追加) → 抵抗制御
速度制御の詳しい話は第24講で扱うけど、今の段階で「逆起電力の式から速度制御の方法が導き出せる」ということだけ覚えておいてな。
💡 車のスピードに例えると分かりやすいで。アクセル(電圧 V)を踏めばスピードアップ。向かい風(負荷)が強いとスピードダウン。ギア比(磁束 Φ)を変えてもスピードが変わる。電動機の速度制御も、本質的にはこれと同じ考え方なんや。
逆起電力と回転速度の関係を確認するで!
直流電動機の回転速度 \( n \) を表す式として正しいものはどれか。ただし、\( V \):端子電圧、\( I_a \):電機子電流、\( R_a \):電機子抵抗、\( k \):機械定数、\( \Phi \):磁束とする。
順番に式を変形していこか。
まず電動機の基本式は \( V = E + I_a R_a \) やったな。ここで逆起電力 \( E = k\Phi n \) を代入すると \( V = k\Phi n + I_a R_a \) になる。これを \( n \) について解くと \( n = \frac{V - I_a R_a}{k\Phi} \) や。
ポイントは分子が「\( V - I_a R_a \)(引き算)」で、分母が「\( k\Phi \)(割り算)」ということ。①の \( V + I_a R_a \) は発電機の式と混同しとるから注意やで。
電動機の回転速度の式 \( n = \frac{V - I_a R_a}{k\Phi} \) において、磁束 \( \Phi \) を大きくすると回転速度はどうなるか(他の条件は一定)。
ある直流電動機が端子電圧 \( V = 100 \) V、電機子抵抗 \( R_a = 0.5 \) Ω で運転しており、回転速度が 1000 min⁻¹ のとき電機子電流は \( I_a = 20 \) A であった。同じ端子電圧・磁束の条件で、電機子電流が \( I_a = 10 \) A に減少したとき、回転速度 [min⁻¹] はおよそいくらか。
さて、ここで電動機の電力の流れを考えてみよか。電動機の基本式 \( V = E + I_a R_a \) の両辺に \( I_a \) を掛けてみ。
両辺に \( I_a \) を掛ける
\( V I_a = E I_a + I_a^2 R_a \)
この式の各項が何を表しているか見てみよう。
・\( V I_a \):電源から供給される電力(入力電力)
・\( E I_a \):機械的出力に変換される電力(逆起電力×電流)
・\( I_a^2 R_a \):電機子抵抗で熱として失われる電力(銅損)
つまり、入力電力 = 機械出力 + 銅損 ということや! 電源から入った電気エネルギーのうち、\( E I_a \) の部分が有効に回転力(機械エネルギー)に変換され、\( I_a^2 R_a \) の部分は熱として無駄になるんやな。
ここで注目してほしいのは、\( E I_a \) が機械出力やということ。逆起電力 \( E \) が大きいほど、同じ電流でもより多くの電力が機械出力に変換されるんや。逆起電力は「邪魔者」どころか、エネルギー変換の本体やったんやな。
この考え方は第19講の「電力と効率」で詳しく学ぶけど、今の時点で「逆起電力 × 電流 = 機械出力」という関係をしっかり頭に入れておいてな。
📌 電力の関係式
⚡ 入力電力:\( P_{in} = V I_a \) [W]
⚡ 機械出力:\( P_{mech} = E I_a \) [W]
⚡ 銅損:\( P_{cu} = I_a^2 R_a \) [W]
⚡ 関係式:\( P_{in} = P_{mech} + P_{cu} \)
電力の関係を使った計算問題にチャレンジや!
端子電圧 \( V = 200 \) V、電機子電流 \( I_a = 30 \) A、逆起電力 \( E = 194 \) V の直流電動機について、機械的出力 \( P_{mech} \) [W] はいくらか。
機械的出力は \( P_{mech} = E \times I_a \) で求められるんやったな。
逆起電力 \( E = 194 \) V、電機子電流 \( I_a = 30 \) A やから、\( P_{mech} = 194 \times 30 = 5820 \) W やで。
ちなみに入力電力は \( V \times I_a = 200 \times 30 = 6000 \) W、銅損は \( 6000 - 5820 = 180 \) W や。\( I_a^2 R_a = 30^2 \times 0.2 = 180 \) W でも確認できるな(\( R_a = (V-E)/I_a = 6/30 = 0.2 \) Ω)。
電動機の機械的出力を求める式はどれか。
端子電圧 \( V = 100 \) V、電機子抵抗 \( R_a = 0.25 \) Ω の直流電動機に \( I_a = 40 \) A が流れている。この電動機の電機子における効率(機械出力 ÷ 入力電力 × 100)[%] はいくらか。
ここからは、電動機の動作を負荷が変わったときにどうなるかという観点で考えるで。これは電験の頻出テーマや!
直流電動機が一定の端子電圧・一定の磁束で運転中、負荷が増加した。この時、一時的に起こる変化として正しいものはどれか。
負荷が増えたときの変化を順番に追ってみよか。
① 負荷が増える → 電動機の回転を妨げる力が増える → 回転速度 \( n \) が下がる
② \( n \) が下がる → \( E = k\Phi n \) より逆起電力 \( E \) が減少
③ \( E \) が減少 → \( I_a = \frac{V - E}{R_a} \) の分子が増える → 電機子電流 \( I_a \) が増加
④ \( I_a \) が増加 → トルクが増加 → 増えた負荷に対応できるようになる
これが電動機の自動的な負荷対応メカニズムや。逆起電力が「調節弁」の役割を果たしとるんやな。
直流電動機で負荷が軽くなった場合、逆起電力はどうなるか。
端子電圧 200 V、電機子抵抗 0.5 Ω の直流電動機が回転速度 1200 min⁻¹ で運転しており、電機子電流は 20 A であった。負荷が増加して電機子電流が 40 A になったとき、回転速度 [min⁻¹] はおよそいくらか。ただし磁束は一定とする。
ここで、発電機と電動機を統一的に理解するための整理をしとくで。これは電験で超大事な考え方や。
発電機と電動機は「同じ直流機」で、違うのはエネルギーの流れる方向だけやと何度も言うてきたな。ここで、その違いを式の観点からまとめるで。
この比較図をよく見てくれ。式の形はよく似とるけど、符号の「+」と「−」が入れ替わっとるやろ? これは電流の向きが逆やからなんや。
特に注目してほしいのは、E と V の大小関係や。発電機では起電力 \( E \) が端子電圧 \( V \) より大きい。電機子内部で発生した起電力から電圧降下を引いた残りが出力電圧になるからな。電動機ではその逆で、逆起電力 \( E \) は必ず端子電圧 \( V \) より小さい。差分の \( V - E \) が電流を流す「駆動力」やからや。
そして、\( E = k\Phi n \) は発電機でも電動機でも同じということも忘れたらあかんで。同じ磁束、同じ回転速度なら、発生する起電力(逆起電力)は同じ値になるんや。
📌 発電機・電動機の統一ポイント
⚡ \( E = k\Phi n \) は共通
⚡ 発電機:\( E > V \)、電動機:\( E < V \)
⚡ 式の符号の違いはエネルギー変換の方向の違いを表す
発電機と電動機の違いを正確に理解しとるか確認するで!
直流電動機に関する記述として、誤っているものはどれか。
一つずつ確認していこか。
① 電動機では \( V = E + I_a R_a \) やから、\( E = V - I_a R_a < V \)。正しい。
② \( E = k\Phi n \) は発電機も電動機も共通。正しい。
③ 電動機の式は \( V = E + I_a R_a \) や。「\( V = E - I_a R_a \)」は発電機の式やで。これが誤り!
④ \( I_a = (V - E) / R_a \) やから、\( E \) が大きいほど \( I_a \) は小さくなる。正しい。
電動機の電圧式として正しいのはどれか。
同一の直流機を発電機として運転したとき端子電圧 220 V、電機子電流 50 A であった。この直流機を電動機として同じ磁束・同じ回転速度で運転した場合、端子電圧 [V] はおよそいくらか。ただし電機子抵抗は 0.2 Ω とする。
いよいよ終盤や。ここでは実用上の重要ポイントとして、始動時の問題について触れておくで。
step7で学んだように、電動機の始動直後は \( n = 0 \) やから逆起電力 \( E = 0 \) や。このとき電機子電流は \( I_a = V / R_a \) となって、定格の数倍〜十数倍もの突入電流が流れる危険がある。
例えば、\( V = 200 \) V、\( R_a = 0.2 \) Ω の電動機やと:
始動電流の計算
\( I_{st} = \frac{V}{R_a} = \frac{200}{0.2} = 1000 \) A 😱
定格電流が例えば 50 A なら、なんと20倍もの電流!
こんな大電流が流れたら、電機子巻線が焼けるし、整流子やブラシも損傷する。さらに、急激な大電流による大トルクで機械的なショックも発生するんや。
そこで実際の電動機では、始動抵抗器を使って始動時の電流を制限するんや。始動時に電機子回路に抵抗 \( R_{st} \) を直列に入れて、\( I_{st} = \frac{V}{R_a + R_{st}} \) にすることで電流を安全な値に抑える。回転速度が上がって逆起電力が十分大きくなったら、始動抵抗を段階的に減らして最終的にはゼロにする。
始動法の詳細は第23講で徹底的にやるけど、ここでは「始動時に逆起電力がないことが危険の原因」で、「始動抵抗で電流を制限する」ということだけしっかり覚えておいてくれ。
📌 始動時の注意点
⚡ 始動直後:E = 0 → Ia = V/Ra → 過大電流の危険
⚡ 対策:始動抵抗器で Ist = V/(Ra + Rst) に制限
⚡ 速度上昇とともに E が増加 → 始動抵抗を段階的に除去
最後の総合問題や!ここまで学んだ内容をフル活用してな!💪
端子電圧 \( V = 100 \) V、電機子抵抗 \( R_a = 0.5 \) Ω の直流電動機に関する次の記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
ア. 始動直後(n=0)の電機子電流は 200 A である。
イ. 逆起電力が 90 V のとき、電機子電流は 20 A である。
ウ. 逆起電力が 90 V のとき、機械的出力は 1800 W である。
エ. 逆起電力が 90 V のとき、銅損は 200 W である。
一つずつ計算して確認しよか。
ア. \( I_{st} = V/R_a = 100/0.5 = 200 \) A → 正しい ✅
イ. \( I_a = (V-E)/R_a = (100-90)/0.5 = 10/0.5 = 20 \) A → 正しい ✅
ウ. \( P_{mech} = E \times I_a = 90 \times 20 = 1800 \) W → 正しい ✅
エ. \( P_{cu} = I_a^2 R_a = 20^2 \times 0.5 = 400 \times 0.5 = 200 \) W → 正しい ✅
全部正しいから、正解は④やで。検算:入力 \( VI_a = 100 \times 20 = 2000 \) W = 1800 + 200 = 2000 W ✅
電動機の始動電流が危険なほど大きくなる原因はどれか。
端子電圧 200 V、電機子抵抗 0.4 Ω の直流電動機がある。始動電流を定格電流の 1.5 倍(= 75 A)以下に制限したい。必要な始動抵抗 \( R_{st} \) [Ω] の最小値はいくらか。
おつかれさん!第15講「電動機の原理と逆起電力」を完走したで!🎉
今回は、Part 4の最初の講座として、直流電動機の世界に足を踏み入れたな。ここで学んだことを振り返ろか。
📝 第15講のまとめ
⚡ 電動機の原理:磁界中の導体に電流を流すと力が働く(フレミングの左手の法則)
⚡ 発電機との違い:エネルギーの方向が逆(電気→機械)、構造は同じ
⚡ 逆起電力:回転する導体が磁束を切って発生する起電力、外部電圧と逆向き
⚡ 基本式:\( V = E + I_a R_a \)、変形:\( E = V - I_a R_a \)、\( I_a = \frac{V - E}{R_a} \)
⚡ 逆起電力の式:\( E = k\Phi n \)(発電機と同じ)
⚡ 電力の関係:\( VI_a = EI_a + I_a^2 R_a \)(入力 = 機械出力 + 銅損)
⚡ 始動時の問題:E = 0 → 過大電流 → 始動抵抗が必要
特に逆起電力は、これから先の電動機の講座すべてに登場する最重要概念や。「回転するから逆起電力が生まれる」「逆起電力があるから電流が制限される」「逆起電力が電機子を通じて機械出力になる」…… この3つのポイントは完璧に身につけておいてな。
📚 次回予告:第16講「逆起電力の式」
次回は逆起電力の式 \( E = V - I_a R_a \) をさらに深掘りして、等価回路の詳しい解析方法を学ぶで。分巻・直巻・他励式それぞれの回路図と電流の流れの違いまで徹底解説する。計算問題もたっぷりやるから、今回学んだ基本式をしっかり復習しておいてな!💪
📚 次回予告:第16講「逆起電力の式」
逆起電力の式をさらに深掘り!等価回路の詳しい解析方法と、各励磁方式ごとの回路の違いを学ぶで。