励磁方式が変われば特性も変わる!V-IL特性で各発電機の個性を掴もう!
よっしゃ!第12講のスタートや!
前回の第11講では、発電機の等価回路について学んだな。誘導起電力 \( E \) から電機子抵抗 \( R_a \) での電圧降下を引いたのが端子電圧 \( V \) になるっていう、発電機の基本式 \( V = E - I_a R_a \) を理解したんやった。
ほんで今回のテーマは「各種発電機の特性」や。
第7講で励磁方式の分類(他励・分巻・直巻・複巻)を学んだのを覚えてるか?あのとき「接続方法の違いで直流機の性格がガラリと変わる」って言うたけど、今回はまさにその「性格の違い」を具体的なグラフで見ていく回や。
負荷をかけたとき端子電圧がどう変わるか、これを「外部特性」って呼ぶんやけど、この特性が励磁方式によって全然違うんや。電圧がほぼ一定のやつもあれば、ガクンと下がるやつ、逆に上がるやつもある。この違いを理解することが、電験三種でめっちゃ大事になるで。
📚 この講座で学ぶこと
⚡ 外部特性(V-IL特性)とは何か
⚡ 他励発電機の外部特性と電圧降下の原因
⚡ 分巻発電機の外部特性と他励との違い
⚡ 直巻発電機の特殊な特性と用途
⚡ 複巻発電機(和動・差動)の特性と実用上の利点
各発電機の特性グラフを頭に入れておくだけで、電験の選択肢をバシバシ切れるようになるで。ほな、始めよか!
まずは「外部特性」って何なのか、しっかり押さえとこか。
発電機は負荷に電力を供給するために使うもんやろ?でもな、負荷を接続して電流を取り出し始めると、端子電圧 \( V \) が変化するんや。
なんでかっていうと、第11講で学んだ等価回路を思い出してみ。発電機の端子電圧は \( V = E - I_a R_a \) やったな。負荷電流 \( I_L \) が増えると電機子電流 \( I_a \) も増えて、\( I_a R_a \) の電圧降下が大きくなる。せやから端子電圧が下がるんや。
この「負荷電流 \( I_L \) を変えたときに端子電圧 \( V \) がどう変化するか」を表したグラフが外部特性曲線や。横軸に負荷電流 \( I_L \)、縦軸に端子電圧 \( V \) をとるんやな。
📌 外部特性の定義
⚡ 外部特性=端子電圧 V と負荷電流 IL の関係
⚡ 回転速度 n は一定に保つ(原動機で一定速度に維持)
⚡ 界磁抵抗も一定(調整しない状態で測定)
ここで大事なポイントがあるで。端子電圧が下がる原因は、\( I_a R_a \) の電圧降下だけちゃうんや。実はもうひとつ、電機子反作用っていう現象が影響するんやけど、これがまた厄介なんや。
外部特性は、たとえるなら「荷物を積んだときのトラックの速度変化」みたいなもんや。空荷のときは元気よく走れるけど(無負荷電圧が高い)、荷物が増えると速度が落ちる(端子電圧が下がる)。どのトラック(発電機の種類)を選ぶかで、荷物を積んだときの性能が全然違うんやな。
ほな次は、電圧が下がる2つの原因を詳しく見ていくで。
ほな、まずは一番シンプルな他励発電機の外部特性から見ていくで。
他励発電機は、界磁電流 \( I_f \) を外部電源から供給してるから、負荷がどう変わっても \( I_f \) は一定や。せやから磁束 \( \Phi \) も基本的に一定になる。
このとき端子電圧の式は:
他励発電機では \( I_a = I_L \) やから(界磁電流は外部電源から流れるので電機子には関係ない)、負荷電流 \( I_L \) が増えると \( I_a R_a \) の降下が大きくなって、端子電圧 \( V \) がほぼ直線的に下がるんや。
でもな、実際にはもうちょっと下がるんや。その原因が電機子反作用。負荷電流が増えると電機子の磁界が界磁の磁界に影響を与えて、主磁束 \( \Phi \) がわずかに減少するんやな。磁束が減ると \( E = k\Phi n \) も減るから、二重に電圧が下がるんや。
📌 他励発電機の電圧降下の原因(2つ)
⚡ ① 電機子抵抗による降下:\( I_a R_a \) → 負荷電流に比例して増加
⚡ ② 電機子反作用:主磁束 \( \Phi \) の減少 → E の低下
他励発電機の外部特性は、無負荷電圧 \( E_0 \) からやや下がる緩やかな右下がりの曲線になるんや。\( R_a \) が小さいので降下は比較的少なく、電圧は割と安定してるのが特徴やで。
他励発電機の外部特性について、もうちょっと深掘りしとこか。
さっき「他励では \( I_a = I_L \) や」って言うたけど、なんでそうなるか分かるか?他励式は界磁電流が外部電源から供給されるから、電機子を流れる電流 \( I_a \) はそのまま負荷へ流れ出る電流 \( I_L \) と等しいんや。界磁電流は電機子回路を通らへんからな。
これが自励式との決定的な違いで、他励式は電流の関係がシンプルなんや。
ほんで、他励発電機のもうひとつの大きな特徴は、界磁電流を独立に調整できることや。負荷が変動しても、外部電源の界磁電流を調整すれば端子電圧を一定に保てるんやな。
せやから、他励発電機は電圧の安定性が高い用途に使われる。工場の精密機器への電力供給とか、実験室での定電圧電源とかやな。
ただし、外部電源が必要っていうデメリットは忘れたらあかんで。外部電源が故障したら磁束がゼロになって、発電できなくなるんや。
📌 他励発電機の特徴まとめ
⚡ 電流の関係:\( I_a = I_L \)(シンプル)
⚡ 界磁電流を独立制御可能 → 電圧調整が容易
⚡ 外部特性:緩やかな右下がり(電圧降下は比較的小さい)
⚡ 用途:精密な電圧制御が必要な場面
⚡ デメリット:外部電源が必要
ほな、ここまでの理解度を確認してみよか!
ほな、第1問いくで!他励発電機の基本をしっかり確認しよう。
他励発電機において、負荷電流 \( I_L \) を増加させたときの端子電圧 \( V \) の変化として正しいものはどれか。ただし、回転速度は一定とする。
大丈夫や、もう一回整理しよか。
発電機の端子電圧の式を思い出してみ。\( V = E - I_a R_a \) やったな。他励発電機では \( I_a = I_L \) やから、負荷電流 \( I_L \) が増えると \( I_a R_a \) の電圧降下が大きくなる。せやから、\( V = E - I_L R_a \) で、\( I_L \) が増えれば \( V \) は下がるんや。
さらに、電機子反作用で磁束 \( \Phi \) もわずかに減るから、\( E = k\Phi n \) も下がる。ダブルで端子電圧が低下するんやな。
他励発電機で端子電圧が低下する原因として、当てはまらないものはどれか。
さすがや!基本はバッチリやな。ほな計算問題いってみよか。
他励発電機の誘導起電力が \( E = 220 \) V、電機子抵抗が \( R_a = 0.2 \) Ω のとき、負荷電流 \( I_L = 50 \) A における端子電圧 \( V \) はいくらか。ただし、電機子反作用は無視し、ブラシの接触電圧降下も無視する。
ほな次は、分巻発電機の外部特性を見ていくで。
分巻発電機は、界磁巻線が電機子に並列に接続されてるんやったな。せやから、端子電圧 \( V \) がそのまま界磁巻線にかかって、界磁電流が流れる仕組みや。
ここで大事なんは、分巻発電機の電流の関係式や。
この式、めっちゃ重要やで!他励発電機では \( I_a = I_L \) やったけど、分巻では電機子電流の一部が界磁巻線に分流するから、\( I_a = I_f + I_L \) になるんや。
ほんで、分巻発電機の端子電圧 \( V \) は:
ここまでは他励と似てるように見えるやろ?でもな、分巻発電機には他励にはないもうひとつの電圧降下要因があるんや。
それは何かっていうと、端子電圧が下がると界磁電流も下がるってことなんや!
分巻では \( I_f = \frac{V}{R_f} \) やから、端子電圧 \( V \) が下がると界磁電流 \( I_f \) も減る。界磁電流が減ると磁束 \( \Phi \) が減って、誘導起電力 \( E = k\Phi n \) も減る。Eが減ると端子電圧がさらに下がる...という負のフィードバックが起こるんや。
📌 分巻発電機の電圧降下(3つの原因)
⚡ ① 電機子抵抗による降下 \( I_a R_a \)
⚡ ② 電機子反作用による磁束減少
⚡ ③ 端子電圧低下 → 界磁電流低下 → 磁束低下 → E低下(負のフィードバック)
せやから、分巻発電機の外部特性は他励発電機よりも電圧降下が大きいんや。特に大きな負荷電流を流すと、この負のフィードバックが効いてきて、電圧がグッと下がるで。
ほな、分巻と他励の外部特性を並べて比較してみよか。
さっき説明したように、分巻発電機は他励に比べて電圧降下が大きいんやけど、グラフで見るとその違いがよく分かるで。
グラフを見ると分かるように、無負荷のときは他励も分巻も同じ電圧 \( E_0 \) からスタートするんや。でも負荷を増やしていくと、分巻の方がどんどん電圧が下がっていくのが分かるやろ?
特に注目してほしいのは、分巻の曲線が大電流領域で急激に下がるところや。これは先ほど説明した「負のフィードバック」が効いてる証拠なんや。端子電圧が下がる → 界磁電流が減る → 磁束が減る → さらに端子電圧が下がる...この悪循環が加速するんやな。
極端な場合、分巻発電機を短絡すると、端子電圧がゼロに近づいて界磁電流もほぼゼロになるから、残留磁気分のわずかな電圧しか出えへんようになるんや。これは他励にはない現象やで。
分巻発電機の負のフィードバックは、「自分で自分の給料を決める仕組み」に似てるな。業績(端子電圧)が下がると、投資(界磁電流)も減って、さらに業績が悪化する...。他励は外部の安定した資金(外部電源)があるから、業績が悪くても投資は維持できるんや。
ただし、分巻発電機にも大きなメリットがあるで。それは外部電源が不要ということや。自分自身で発電しながら界磁も維持するから、設備がシンプルになるんやな。定格運転付近では十分に安定した電圧が得られるから、一般的な用途にはよく使われてるで。
📌 分巻発電機 vs 他励発電機
⚡ 無負荷電圧は同じ(同じ条件なら)
⚡ 分巻の方が電圧降下が大きい(負のフィードバックのため)
⚡ 分巻は大電流領域で電圧が急落する
⚡ 分巻は外部電源不要というメリットがある
ほな、分巻発電機の理解度を確認してみよか!
ほな第2問、分巻発電機の特徴を確認するで!
分巻発電機の外部特性が他励発電機より電圧降下が大きくなる主な原因はどれか。
惜しいな、もう一回確認しよか。
分巻発電機のキモは、界磁電流が端子電圧に依存しているということや。\( I_f = \frac{V}{R_f} \) やから、Vが下がればIfも下がる。
Ifが下がると磁束Φが減り、E = kΦnも下がる。Eが下がるとVがさらに下がる...この繰り返しが負のフィードバックやで。これは他励にはない分巻だけの現象なんや。
分巻発電機で \( I_f = \frac{V}{R_f} \) の関係が成り立つ理由はどれか。
完璧や!ほな、もうちょっと突っ込んだ問題いくで。
分巻発電機において、誘導起電力 \( E = 230 \) V、電機子抵抗 \( R_a = 0.4 \) Ω、界磁抵抗 \( R_f = 110 \) Ω のとき、端子電圧 \( V = 220 \) V での負荷電流 \( I_L \) はいくらか。ただし、電機子反作用は無視する。
ほな次は、直巻発電機の特性を見ていくで。これは他励や分巻とは全然違う、ちょっと変わったヤツなんや。
直巻発電機は、界磁巻線が電機子に直列に接続されてるんやったな。ということは:
ここがめっちゃ重要なポイントや。負荷電流がそのまま界磁電流になるんやで!
これが何を意味するか分かるか?負荷電流が増えると界磁電流も増えるから、磁束 \( \Phi \) が増えて、誘導起電力 \( E = k\Phi n \) も増えるんや。つまり、負荷が増えると端子電圧も上がる傾向になる!
ただし、\( V = E - I_a R_a - I_a R_{se} \) やから(\( R_{se} \) は直巻界磁巻線の抵抗)、電流が増えればその分の電圧降下も増える。でも、磁束増加による E の上昇の方が大きいから、全体としては端子電圧が上がるんやな。
ただし、磁気飽和に注意や。磁束はどこまでも増え続けるわけちゃうくて、鉄心が飽和すると磁束の増加が頭打ちになる。すると E の上昇も鈍って、やがて \( I_a(R_a + R_{se}) \) の電圧降下の方が大きくなり、端子電圧は下がり始めるんや。
グラフを見てみ。直巻発電機は無負荷(\( I_L = 0 \))のとき、ほとんど電圧が出えへんのが特徴や。界磁電流もゼロやから磁束がほぼゼロ(残留磁気分だけ)やねんな。負荷を接続して電流が流れ始めてから、やっと電圧が上がってくるんや。
📌 直巻発電機の特徴
⚡ \( I_a = I_f = I_L \) → 負荷電流 = 界磁電流
⚡ 無負荷では電圧がほぼ出ない(残留磁気分のみ)
⚡ 負荷増加 → 界磁電流増加 → 端子電圧上昇
⚡ 磁気飽和後は電圧降下が上回り、端子電圧は低下に転じる
⚡ 端子電圧が負荷によって大きく変動する
「端子電圧が負荷によって大きく変動する」ってことは、一定電圧の電源としては使えないっていうことや。せやから、直巻発電機は一般的な電力供給用にはほとんど使われへんのやで。
じゃあ何に使うねん?って思うやろ。直巻発電機が活躍するのは、ブースター(昇圧機)としての用途や。長い配電線の電圧降下を補償するために、直巻発電機を直列に入れて「電流が増えたら自動的に電圧も増やす」という使い方をするんや。負荷電流に比例して電圧が上がる性質を逆手に取るわけやな。
直巻発電機の問題いくで!
直巻発電機の特性として正しいものはどれか。
大丈夫や、もう一回整理するで。
直巻発電機の最大の特徴は「\( I_f = I_L \)」ということや。これは、負荷電流がそのまま界磁電流になることを意味してるんやな。
負荷電流が増える → 界磁電流も増える → 磁束が増える → 誘導起電力が上がる → 端子電圧も上がる。この流れを理解するのがポイントやで。
逆に、無負荷(\( I_L = 0 \))のときは \( I_f = 0 \) やから、磁束はほぼゼロ。電圧もほぼ出えへんのや。
直巻発電機で負荷電流が増えると端子電圧が上がる理由は?
よう分かっとるな!ほな応用問題いくで。
直巻発電機が一般的な定電圧電源として使われない理由として、最も適切なものはどれか。
ほな次は、複巻発電機の特性を見ていくで。これが直流発電機の中で一番面白い、そして一番実用的なヤツなんや。
第9講で学んだように、複巻機は分巻界磁巻線と直巻界磁巻線の両方を持ってるんやったな。つまり、分巻と直巻のいいとこ取りができるんや。
ここで大事なのは、2つの界磁巻線が作る磁束の向きや。向きが同じ場合と反対の場合で、全く違う特性になるんやで。
📌 複巻発電機の2タイプ
⚡ 和動複巻(加極性複巻):分巻と直巻の磁束が同じ方向 → 磁束が増強される
⚡ 差動複巻(減極性複巻):分巻と直巻の磁束が反対方向 → 磁束が打ち消される
「和動」は「和(わ)=足し算」やから、2つの磁束を足し合わせるんや。一方「差動」は「差(さ)=引き算」やから、2つの磁束が打ち消し合うんやな。
ほな、和動複巻から詳しく見ていこか。和動複巻では、負荷電流 \( I_L \) が増えると直巻界磁の磁束が増加するやろ?この増加分が、分巻発電機で起こる「電圧降下」をちょうど補償するように設計できるんや。
つまり、負荷が増えても端子電圧をほぼ一定に保てるのが和動複巻の最大のメリットなんや!
和動複巻を例えるなら「オートクルーズ付きの車」やな。坂道(負荷増加)に差し掛かったら自動的にアクセルを踏み増し(直巻磁束の増加)して、速度(端子電圧)を一定に保つ。差動複巻は逆に「坂道でブレーキがかかる車」みたいなもんで、実用的やないから普通は使わへんで。
ほな、和動複巻の外部特性をもうちょっと詳しく見てみよか。
和動複巻発電機の直巻界磁巻線の巻数を調整することで、電圧補償の度合いを変えられるんや。この巻数の調整具合で3つのパターンに分かれるで。
📌 和動複巻の3パターン
⚡ 過複巻(過補償):直巻の補償が過大 → 負荷増加で電圧が上昇する
⚡ 平複巻:直巻の補償がちょうど → 負荷が変わっても電圧がほぼ一定
⚡ 不足複巻(不足補償):直巻の補償が不足 → 負荷増加で電圧がやや低下
中でも実用的に一番重要なのは平複巻や。負荷をかけても端子電圧がほぼ一定に保たれるから、定電圧電源として理想的なんや。
過複巻は、長い送電線の電圧降下を見越して「ちょっと高めに出す」場合に使われることがあるで。送電線の損失分を上乗せして、受電側で丁度良い電圧になるようにするんやな。
一方、差動複巻は負荷が増えると電圧が急激に下がるから、電圧源としてはほとんど使われへん。ただし、溶接機など特殊な用途で「電流が増えると電圧が下がる」垂下特性が必要な場合に使われることがあるで。
このグラフ、電験三種で超重要やで!各発電機の特性曲線の形を覚えとくだけで、かなりの問題が解けるようになるんや。
特に覚えてほしいポイントは:
・平複巻が最も定電圧に近い(ほぼ水平)
・他励は緩やかな右下がり
・分巻は他励より大きく下がる
・直巻は0から上昇して飽和後に下がる独特の形
ほな、複巻発電機の理解度をチェックするで!
第4問、複巻発電機の問題や!
負荷電流が変化しても端子電圧をほぼ一定に保てる直流発電機の種類として、最も適切なものはどれか。
ここは大事なとこやから、もう一回確認しよか。
直巻発電機は、負荷によって電圧が大きく変動するから安定した電源にはならへん。分巻発電機は他励より電圧降下が大きい。
和動複巻発電機の平複巻は、分巻の電圧降下を直巻界磁でちょうど補償できるように設計されてるんや。せやから負荷が変わっても端子電圧がほぼ一定になるんやで。
和動複巻発電機で「平複巻」「過複巻」の違いは何か。
よっしゃ、ここまで完璧やな!ほな応用問題いくで。
差動複巻発電機の外部特性の説明として正しいものはどれか。
ここまでの知識を使って、各種発電機を比較する問題を解いてみよか!
次の直流発電機のうち、負荷電流の増加に対して端子電圧の低下が最も大きいものはどれか。
さっきの外部特性グラフを思い出してみ。
電圧の安定性(降下が小さい順)は:平複巻 > 他励 > 分巻 やで。
分巻は「端子電圧低下 → 界磁電流低下 → さらに電圧低下」という負のフィードバックがあるから、他励より電圧降下が大きいんやったな。平複巻は直巻界磁で補償するからほぼ一定や。
分巻発電機の電圧降下が他励より大きい理由は?
さすがや!ほな、もう少し踏み込んだ問題いくで。
長距離の配電線で生じる電圧降下を補償するために使われる直流発電機の方式として、最も適切なものはどれか。
ここまでで各発電機の特性は一通り学んだな。ほな、電験三種でどう出題されるかを押さえておこか。
電験三種の機械科目では、各種発電機の特性に関する問題はかなり頻出や。特に多いパターンは以下の3つやで。
📌 電験三種の出題パターン
⚡ パターン1:外部特性のグラフから発電機の種類を当てる問題
⚡ パターン2:各発電機の特徴の正誤判定(「正しいもの」「誤っているもの」を選ぶ)
⚡ パターン3:端子電圧や電流の計算問題
パターン1については、さっきのグラフの形を覚えておけば大丈夫や。特に「直巻は0から上昇」「平複巻はほぼ水平」「分巻は他励より大きく下がる」この3つの特徴を押さえておけば間違えへんで。
パターン2では、各発電機の電流の関係式がよく問われるんや。整理しておくで。
| 発電機の種類 | 電流の関係 | 界磁電流の特徴 |
|---|---|---|
| 他励 | \( I_a = I_L \) | 外部電源から供給(独立) |
| 分巻 | \( I_a = I_f + I_L \) | \( I_f = V / R_f \)(端子電圧に比例) |
| 直巻 | \( I_a = I_f = I_L \) | 負荷電流と等しい |
| 複巻 | \( I_a = I_{f(sh)} + I_L \) | 分巻+直巻の両方 |
パターン3の計算問題は、基本式 \( V = E - I_a R_a \) をベースに、各方式の電流の関係を代入して解くんや。特に分巻では \( I_a = I_f + I_L \) を忘れがちやから注意やで。
ここで、初学者がよくやる間違いをまとめとくで。これを知っておくだけで、ケアレスミスをだいぶ防げるんや。
⚠️ よくある間違い① 電流の関係を混同する
分巻発電機の計算で \( I_a = I_L \) としてしまうのが最も多いミスや。分巻では界磁電流 \( I_f \) も電機子から流れるから、正しくは \( I_a = I_f + I_L \) やで。他励と分巻を混同せんようにな!
⚠️ よくある間違い② 直巻と分巻の特性を逆に覚える
直巻は「負荷が増えると電圧が上がる」、分巻は「負荷が増えると電圧が下がる」や。「直巻は直列だから全部の電流が界磁を通る → 界磁電流が増える → 磁束増加 → 電圧上昇」と回路構成から理解しておけば、丸暗記せんでも答えが出せるで。
⚠️ よくある間違い③ 和動と差動を混同する
和動複巻は「2つの磁束が同方向=足し算=補強」、差動複巻は「2つの磁束が逆方向=引き算=弱め合う」。漢字の意味を考えれば間違えへんで。実用的なのは和動の方やからな。
⚠️ よくある間違い④ 直巻発電機の無負荷電圧
「直巻発電機は無負荷で電圧が出ない」ことを忘れがちや。\( I_L = 0 \) なら \( I_f = 0 \) やから磁束もゼロ。残留磁気分の微小な電圧しか出えへんのや。これ、電験でたまに出るポイントやで。
あと、もう一つ補足しとくと、分巻発電機を短絡(\( V = 0 \))しても大電流は流れにくいんや。なんでかっていうと、\( V = 0 \) になると \( I_f = 0 \) になって磁束がなくなり、E もほぼゼロになるからや。これは他励とは対照的で、他励では短絡しても外部電源から界磁電流が供給されるから、大きな短絡電流が流れてしまうんやな。
この「分巻の短絡電流が小さい」という性質は、一種の自己保護作用と考えることもできるで。ただし、これはメリットというよりは、不安定な挙動の裏返しやということも理解しておいてな。
ほな、後半の問題に挑戦していこか!
ほな、電験レベルの実践問題いくで!
次の記述のうち、誤っているものはどれか。
「誤っているもの」を選ぶ問題やから、正しい選択肢をまず確認しよか。
①は正しいで。他励は外部電源から界磁電流を供給するから、負荷が変わっても界磁電流は変わらへん。③も正しい。平複巻は直巻界磁で電圧降下を補償するから、端子電圧がほぼ一定になるんや。
②が誤りやで。直巻発電機では \( I_f = I_L \) やから、無負荷(\( I_L = 0 \))のとき界磁電流もゼロ。磁束が作られへんから、端子電圧もほぼ出えへんのや。
直巻発電機で \( I_L = 0 \) のとき、誘導起電力 \( E \) がゼロにならない唯一の理由は何か。
その通り!正誤判定問題はバッチリやな。ほな、ちょっと深い問題いくで。
分巻発電機を短絡したとき、短絡電流が比較的小さくなる理由として正しいものはどれか。
ほな第7問、各発電機の用途に関する総合問題いくで!
直流発電機の種類と用途の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
用途を考えるときは、各発電機の外部特性を思い出すのが一番やで。
直巻は電圧がコロコロ変わるから定電圧電源には使えへん。差動複巻は電圧が急落するから一般的な電力供給には不向きや。他励は界磁を独立制御できるから、精密な電圧制御が得意なんやな。
他励発電機が精密な電圧制御に適している理由は?
完璧や!ほな最後の発展問題いくで。
過複巻発電機が長距離配電に適している理由として、最も正しいものはどれか。
ラストの第8問は計算問題や!ここまで頑張ってきた成果を見せてくれ!
分巻発電機において、端子電圧 \( V = 200 \) V、界磁抵抗 \( R_f = 100 \) Ω、負荷電流 \( I_L = 48 \) A、電機子抵抗 \( R_a = 0.2 \) Ω のとき、誘導起電力 \( E \) はいくらか。ただし、電機子反作用は無視する。
計算問題やから、順番に解いていこか。
ステップ1:界磁電流を求める
分巻やから \( I_f = \frac{V}{R_f} = \frac{200}{100} = 2 \) A
ステップ2:電機子電流を求める
\( I_a = I_f + I_L = 2 + 48 = 50 \) A
ステップ3:誘導起電力を求める
\( E = V + I_a R_a = 200 + 50 \times 0.2 = 200 + 10 = 210 \) V
ポイントは、発電機では \( E = V + I_a R_a \) ということや。電動機の \( E = V - I_a R_a \) と混同せんようにな。発電機はEが大きくて、そこからIaRa分だけ降下してVになるんや。
上の問題で、もし他励発電機だったら電機子電流 \( I_a \) はいくらになるか。
見事な計算力や!ほな、もうちょっと実践的な問題で仕上げよか。
分巻発電機において、誘導起電力 \( E = 230 \) V、電機子抵抗 \( R_a = 0.5 \) Ω、界磁抵抗 \( R_f = 110 \) Ω で端子電圧 \( V = 220 \) V のとき、この発電機の出力 \( P \) [W] はいくらか。ただし電機子反作用は無視する。
お疲れさん!第12講の内容を総まとめするで!
今回は、各種直流発電機の外部特性(V-IL特性)を学んだな。励磁方式の違いによって端子電圧の振る舞いがこれだけ変わるってこと、しっかり理解できたやろ?
📌 第12講の重要ポイント
⚡ 外部特性:回転速度一定のもとで、負荷電流と端子電圧の関係を表す
⚡ 他励発電機:\( I_a = I_L \)、緩やかに電圧低下(界磁独立制御で安定)
⚡ 分巻発電機:\( I_a = I_f + I_L \)、負のフィードバックで他励より降下が大きい
⚡ 直巻発電機:\( I_a = I_f = I_L \)、無負荷で電圧ほぼゼロ、負荷増で上昇
⚡ 和動複巻(平複巻):直巻界磁で電圧降下を補償 → 最も安定した定電圧特性
⚡ 過複巻:負荷増で電圧やや上昇(送電線補償に有用)
⚡ 差動複巻:電圧が急落(実用にはほぼ使われない)
次回の第13講では、「電圧変動率」について学ぶで。無負荷電圧と定格電圧の差がどれくらいあるかを数値で表す方法や。今回学んだ外部特性をベースに、各発電機の電圧変動率がどう違うかを計算していくで。
それじゃ、結果を見てみよか!
📚 次回予告:第13講「電圧変動率」
無負荷電圧と定格電圧の差を定量的に表す「電圧変動率」を学びます。各種発電機の電圧変動率の計算方法と、なぜ電圧変動率が重要なのかを理解していきましょう!