直流発電機の心臓部、起電力の公式を本質から理解しよう!
よっしゃ!ここからはPart 3「直流発電機」に突入やで!
Part 1では直流機の基礎知識、Part 2では界磁と励磁方式を学んだな。ここまでで「直流機がどんな構造をしてるか」「磁界をどうやって作るか」は理解できたはずや。
ほな次は何を学ぶべきか?そう、「直流発電機がどれだけの電圧を生み出すのか」っていう核心部分や。これが誘導起電力(EMF: Electromotive Force)やで。
この第10講では、直流機の中でもっとも重要な式のひとつ、\( E = k\Phi n \) を「なぜこの式になるのか」という導出過程から、しっかり理解していくで。
📚 この講座で学ぶこと
⚡ 誘導起電力とは何か(ファラデーの法則との関係)
⚡ 1本の導体に発生する起電力 \( e = Blv \)
⚡ 電機子巻線全体の起電力 \( E = k\Phi n \) の導出
⚡ 機械定数 \( k = \frac{pZ}{60a} \) の意味
⚡ 誘導起電力の計算問題を解く力
この式が理解できれば、第11講以降の等価回路や特性の話がスムーズに進むで。直流機の計算問題のほぼすべてに関わる超重要公式やから、気合い入れていこか!
まず「誘導起電力」って何やねん?ってところから始めよか。
第2講でファラデーの電磁誘導の法則を学んだのを覚えてるか?磁束が変化すると、そこに起電力(電圧)が発生するっていう法則やったな。これが発電の大原則や。
直流発電機では、磁界の中で電機子(回転子)がグルグル回転してる。このとき、電機子に巻かれた導体(コイル)は磁束を横切りながら動くことになるやろ?磁束を横切る=磁束が変化する、やから起電力が発生するんや。
この「回転によって発生する起電力」のことを誘導起電力(Induced EMF)って呼ぶんやで。英語ではEMF(Electromotive Force)とも言うな。
自転車のダイナモ(発電機)を想像してみ。タイヤが回ると中の磁石とコイルの位置関係が変わって、ライトが光るやろ?あれと同じ原理や。回転が速いほどライトが明るくなる=起電力が大きくなる、っていうのは直感的にわかるやろ。
ここで大事なんは、誘導起電力の大きさは2つの要素で決まるっていうこと。
1つ目は磁束の強さ(Φ)。磁石が強いほど、大きな起電力が出る。2つ目は回転の速さ(n)。速く回すほど、単位時間あたりに横切る磁束の量が増えるから、起電力も大きくなる。
つまり、誘導起電力は磁束と回転速度に比例するんや。これがこの講座の最大のポイントやで。
📌 誘導起電力の本質
⚡ 磁界中で導体が動く → 起電力が発生(ファラデーの法則)
⚡ 起電力の大きさ ∝ 磁束Φ × 回転速度n
⚡ 発電機の出力電圧の「元」になるのが誘導起電力
ほな、いよいよ式の導出に入っていくで。いきなり \( E = k\Phi n \) を出すんやなくて、まずは1本の導体に発生する起電力から考えよか。
磁束密度 \( B \) [T] の一様な磁界の中で、長さ \( l \) [m] の導体が速度 \( v \) [m/s] で磁界に垂直に動いてるとするで。このとき、導体に発生する起電力 \( e \) は次の式で表される。
この式はどこから来たんか?フレミングの右手の法則を思い出してみ。磁界中で導体を動かすと、導体内の自由電子に力(ローレンツ力)が働いて、電子が一方向に移動する。この電子の移動が電流になり、それを維持する力が起電力なんや。
上の図を見てみ。N極からS極に向かって磁束が流れてるところで、導体を上向きに動かす。そうすると、フレミングの右手の法則で起電力の方向が決まるんや。
さて、実際の直流機では導体は「直線運動」やなくて「回転運動」してるな。でも考え方は同じや。回転の接線方向の速度が \( v \) になるだけや。
ここで、回転速度が \( n \) [min⁻¹](1分間の回転数)のとき、導体が1周する間に横切る磁束を考えてみよか。1極あたりの磁束が \( \Phi \) [Wb] で、極数が \( p \) なら、導体は1回転で合計 \( p\Phi \) の磁束を横切るんや。
さて、ここからが導出の本番やで。ちょっと数式が続くけど、一つ一つの意味を考えながら進めば大丈夫や。
まず、1本の導体が1回転する間に横切る磁束の総量を考えよか。
直流機に \( p \) 個の磁極があって、1極あたりの磁束が \( \Phi \) [Wb] やとする。導体が1回転すると、すべての磁極の前を通過するから、1回転で横切る磁束の総量は \( p\Phi \) [Wb] になるんや。
次に、1回転にかかる時間を考えるで。回転速度が \( n \) [min⁻¹] ってことは、1分間に \( n \) 回転するってことやな。1回転にかかる時間は \( \frac{60}{n} \) [s] や(1分=60秒やからな)。
ファラデーの法則を思い出してみ。起電力は「単位時間あたりの磁束変化」に等しい。せやから、1本の導体に発生する平均起電力 \( e_{avg} \) は次のように計算できる。
【導出ステップ】1本の導体の平均起電力
1回転で横切る磁束 = \( p\Phi \) [Wb]
1回転にかかる時間 = \( \frac{60}{n} \) [s]
せやから、
\( e_{avg} = \frac{p\Phi}{\frac{60}{n}} = \frac{p\Phi n}{60} \) [V]
ほら、ここでもう \( \Phi \) と \( n \) が掛け算で出てきたやろ?Step 2で言うた「起電力は磁束と回転速度に比例する」っていうのが、ちゃんと数式でも確認できるわけや。
でもな、実際の直流機の電機子には導体が1本だけやなくて、たくさんの導体が巻かれてるんや。次は「全部の導体を合わせたらどうなるか」を考えるで。
📌 ここまでのポイント
⚡ 1本の導体の平均起電力 = \( \frac{p\Phi n}{60} \) [V]
⚡ p:磁極の数、Φ:1極あたりの磁束、n:回転速度
⚡ この式がE = kΦnの「種」になる!
ここまでの内容を確認しとこか。誘導起電力の基本的な考え方がわかってるか、チェックするで。
直流発電機において、誘導起電力の大きさに直接影響を与える要素として、正しい組み合わせはどれか。
大丈夫、もう一回整理しよか。
誘導起電力っていうのは「磁界の中で導体が動くことで発生する電圧」やったな。ポイントは2つや。
1つ目:磁界が強いほど起電力が大きくなる → 磁束Φが関係する
2つ目:速く動くほど起電力が大きくなる → 回転速度nが関係する
電機子抵抗Raや界磁抵抗Rfは「起電力が発生した後に影響する要素」であって、起電力そのものの大きさとは関係ないんや。
誘導起電力 \( E \) の式で、\( E \) に直接比例する量はどれか。
基本はバッチリやな!ほな、もう少し突っ込んだ問題にチャレンジしてみ。
ある直流発電機の磁束Φを1.5倍に、回転速度nを2/3倍にした場合、誘導起電力Eはもとの何倍になるか。
さて、ここからが \( E = k\Phi n \) の導出で一番大事なところやで。集中して聞いてな。
Step 4で、1本の導体の平均起電力が \( \frac{p\Phi n}{60} \) やと分かったな。実際の電機子にはZ本の導体が巻かれてるから、「全部合わせたら Z 倍になるんちゃうん?」って思うやろ。
でもな、ここにひとつ落とし穴があるんや。電機子巻線には「並列回路」があるってことを忘れたらあかんで。
電機子巻線は、整流子とブラシの構造によって、いくつかの並列回路に分かれてるんや。この並列回路の数を \( a \) と書く。
これは水路に例えると分かりやすいで。1本の大きな川から \( a \) 本の支流に分かれてるとする。水の総量(導体の総数Z)は同じやけど、各支流の水量は全体の \( \frac{1}{a} \) になるやろ?同じように、Z本の導体が \( a \) 本の並列回路に分かれたら、1つの回路あたりの導体数は \( \frac{Z}{a} \) 本になるんや。
並列回路の場合、電圧はどうなるかっていうと、各並列回路の電圧が同じになるやろ?(並列接続の性質やな)。せやから、電機子全体の起電力は「1つの並列回路内の導体が直列につながった分の起電力」になるんや。
この図を見てわかるように、Z本の導体が \( a \) 本の並列回路に均等に分かれるから、1つの並列回路あたりの直列導体数は \( \frac{Z}{a} \) 本になるんや。
よし、いよいよ最終形の式を導出するで!ここが今日のハイライトや。
Step 4とStep 6の結果を組み合わせるで。
【導出】E = kΦn の完成
① 1本の導体の平均起電力 = \( \frac{p\Phi n}{60} \) [V]
② 1つの並列回路あたりの導体数 = \( \frac{Z}{a} \) 本
③ 直列接続された導体の起電力は足し算になるから、
\( E = \frac{Z}{a} \times \frac{p\Phi n}{60} = \frac{pZ}{60a} \cdot \Phi n \) [V]
ここで、\( \frac{pZ}{60a} \) の部分をよく見てみ。p(極数)、Z(導体数)、a(並列回路数)はどれも機械の構造が決まれば変わらない定数やな。60も定数や。
せやから、この部分をまとめて機械定数 \( k \) と置くんや。
この式の美しいところは、機械の構造を表す部分(k)と運転状態を表す部分(Φとn)がきれいに分離されてるところやな。
つまり、同じ機械(kが同じ)なら、磁束Φと回転速度nを変えるだけで起電力Eをコントロールできるんや。これが後で学ぶ「電圧制御」や「界磁制御」の基礎になるんやで。
📌 E = kΦn の各項の意味
⚡ k(機械定数):機械の設計で決まる → 極数p、導体数Z、並列回路数a
⚡ Φ(磁束):界磁の強さ → 界磁電流で調整可能
⚡ n(回転速度):回す速さ → 原動機(エンジンやタービン)で決まる
この公式は直流機の計算問題で必ず使うから、「なぜこうなるのか」を理解した上で確実に覚えてな!
導出の流れは理解できたかな?ほな、機械定数kの中身についてちゃんと覚えてるか確認するで。
誘導起電力の式 \( E = k\Phi n \) における機械定数 \( k \) の式として正しいものはどれか。
ここ、間違えやすいポイントやから丁寧に確認しよか。
kの式を導出した流れを思い出してみ。1本の導体の起電力が \( \frac{p\Phi n}{60} \) で、それが \( \frac{Z}{a} \) 本直列に並んでるから、全体の起電力は \( \frac{Z}{a} \times \frac{p\Phi n}{60} \) やったな。
これを整理すると \( E = \frac{pZ}{60a} \cdot \Phi n \) になる。ここで \( \Phi n \) 以外の部分が機械定数 \( k \) やで。
ちなみに③の \( \frac{pZ}{2\pi a} \) はトルクの式に出てくる定数やから、混同せんようにな!
誘導起電力の機械定数 \( k = \frac{pZ}{60a} \) の分母にある「60」は何を表しているか。
機械定数の式はバッチリやな。ほな、kの式とトルクの定数 \( k_T \) の違いを聞いてみるで。
誘導起電力の式 \( E = k\Phi n \) の機械定数は \( k = \frac{pZ}{60a} \) である。一方、トルクの式 \( T = k_T \Phi I_a \) のトルク定数は \( k_T = \frac{pZ}{2\pi a} \) である。\( k \) と \( k_T \) の関係として正しいものはどれか。
公式の導出は完了したから、ここで具体的な数値を入れて計算してみよか。実際に手を動かすと理解が深まるで。
こんな直流発電機を考えてみ。
📋 条件
⚡ 極数 \( p = 4 \)
⚡ 全導体数 \( Z = 200 \)
⚡ 並列回路数 \( a = 2 \)
⚡ 1極あたりの磁束 \( \Phi = 0.02 \) Wb
⚡ 回転速度 \( n = 1500 \) min⁻¹
まず、機械定数 \( k \) を求めるで。
【Step 1】機械定数kを求める
\( k = \frac{pZ}{60a} = \frac{4 \times 200}{60 \times 2} = \frac{800}{120} \approx 6.67 \)
次に、この \( k \) を使って誘導起電力 \( E \) を計算する。
【Step 2】誘導起電力Eを求める
\( E = k\Phi n = 6.67 \times 0.02 \times 1500 = 200 \) [V]
ちなみに、kを使わずに一気に計算することもできるで。
【別解】一気に計算
\( E = \frac{pZ}{60a} \Phi n = \frac{4 \times 200}{60 \times 2} \times 0.02 \times 1500 = \frac{800}{120} \times 30 = 200 \) [V]
どっちの方法でも答えは同じや。試験では計算ミスを減らすために、先にkを求めてから掛け算する方法がおすすめやで。途中で約分もしやすいしな。
ここで注目してほしいんやけど、この発電機は200Vの起電力を発生してるわけや。でもこれは「内部で発生してる電圧」であって、実際に外部の負荷に届く電圧(端子電圧)はここから電機子抵抗による電圧降下を引いた分になる。それは次の第11講で詳しくやるで。
ほな、自分で計算してみよか。数値が変わっても同じ手順で解けるはずやで。
6極の直流発電機がある。全導体数 \( Z = 300 \)、並列回路数 \( a = 3 \)、1極あたりの磁束 \( \Phi = 0.025 \) Wb、回転速度 \( n = 1200 \) min⁻¹ のとき、誘導起電力 \( E \) [V] はいくらか。
計算問題は焦らんでええで。一つずつ順番にやっていこか。
【解き方】
① まず \( k = \frac{pZ}{60a} = \frac{6 \times 300}{60 \times 3} = \frac{1800}{180} = 10 \)
② 次に \( E = k\Phi n = 10 \times 0.025 \times 1200 = 300 \) [V]
コツは、まずkを求めてできるだけ約分してシンプルな数字にすることや。k=10ってなれば、あとは暗算でもいけるやろ?
上の計算で、機械定数 \( k = 10 \) と求まった。この発電機の回転速度だけが \( n = 600 \) min⁻¹ に半分になったとき、誘導起電力 \( E \) はいくらか。
計算はバッチリやな!ほな少し応用してみるで。
ある4極の直流発電機(重ね巻、\( a = p = 4 \))の誘導起電力が200 Vであった。この発電機を波巻(\( a = 2 \))に巻き替えた場合、他の条件が同じとき、誘導起電力はいくらになるか。
さて、\( E = k\Phi n \) の式は覚えたと思うけど、ここで機械定数 \( k = \frac{pZ}{60a} \) に含まれるp、Z、aについてもう少し深掘りしとこか。電験の問題ではこの3つの関係を正確に理解しとかんと解けん問題が出るんや。
まず極数 p。これは磁極(N極とS極のペア)の数やな。直流機の極数は必ず偶数になる。N極とS極が交互に並ぶから当然やな。よくある値は2極、4極、6極あたりや。極数が多いほど、導体が1回転する間に横切る磁束が増えるから、起電力も大きくなる。
次に全導体数 Z。これは電機子に巻かれた導体の総数や。コイルの巻数とは違うから注意してな。1つのコイルには「往き」と「帰り」の2本の導体があるから、コイル数がNやったら、Z = 2Nになるんや。これ、電験でたまに引っかけに使われるポイントやで。
そして並列回路数 a。これが一番わかりにくいところやけど、めっちゃ大事やで。並列回路数は巻線の方式によって決まるんや。
📌 p、Z、a の関係まとめ
⚡ 極数 p → 磁極の数(必ず偶数)→ 多いほどEが大きい
⚡ 導体数 Z → 電機子の全導体数(コイル数の2倍)
⚡ 並列回路数 a → 巻線方式で決まる(次のステップで詳しく解説!)
ほな、電験三種で超頻出の「重ね巻」と「波巻」について説明するで。この2つの巻線方式の違いが、並列回路数aを決めるんや。
まず重ね巻(lap winding)。これは「隣り合うコイルを順番に重ねるように巻いていく」方式や。この方式やと、並列回路数 a = p(極数と同じ)になる。例えば4極機なら a = 4 やな。
次に波巻(wave winding)。これは「コイルが波のように電機子を1周してから隣のコイルにつながる」方式や。この方式やと、並列回路数 a = 2(極数に関係なく常に2)になるんや。
なんでこういう違いが生まれるかっていうと、\( E = \frac{pZ}{60a} \Phi n \) を見てみ。aが小さいほどEが大きくなるやろ?波巻(a=2)は重ね巻(a=p)よりaが小さいから、同じ機械でも波巻の方が高い電圧を発生するんや。
逆に言えば、重ね巻は並列回路が多いから電流が分散される。つまり大電流を流しやすいんや。
道路に例えると分かりやすいで。重ね巻は「4車線の高速道路」みたいなもんで、たくさんの車(電流)が並列で流れる。波巻は「2車線の山岳道路」で、車線は少ないけど長い距離(高い電圧)を稼げるイメージや。
📌 重ね巻と波巻【超重要・暗記必須】
⚡ 重ね巻:a = p(極数と同じ)→ 大電流・低電圧向き
⚡ 波巻:a = 2(常に2)→ 小電流・高電圧向き
⚡ これは電験三種で超頻出!必ず覚えること!
重ね巻と波巻の違い、ちゃんと覚えたかチェックするで。これ、電験でそのまま出る問題やからな。
6極の直流発電機において、波巻としたときの並列回路数 \( a \) はいくらか。
ここは暗記ポイントやから、シンプルに覚えよか。
波巻は常に a = 2 や。極数がいくつであっても関係ない。6極やろうが8極やろうが、波巻なら a = 2。
一方、重ね巻なら a = p(極数と同じ)。6極の重ね巻なら a = 6 やし、4極の重ね巻なら a = 4 や。
③の6は「6極で重ね巻のとき」の値やな。波巻と重ね巻を逆に覚えんようにな。
4極の直流発電機を重ね巻にした場合、並列回路数 \( a \) はいくらか。
バッチリやな。ほな、巻線方式の違いが起電力にどう影響するか、計算で確認してみよか。
ある6極の直流発電機(Z = 360、Φ = 0.02 Wb、n = 1000 min⁻¹)を重ね巻から波巻に変更した。重ね巻のときの誘導起電力が200 Vだった場合、波巻にしたときの誘導起電力はいくらか。
ここまでの知識を使って、少し複雑な計算問題にチャレンジしてみよか。実際の電験に近い形式やで。
4極、重ね巻の直流発電機がある。電機子のコイル数が100で、1極あたりの磁束が 0.03 Wb、回転速度が 900 min⁻¹ のとき、誘導起電力 \( E \) [V] はいくらか。
※ヒント:「コイル数」と「導体数Z」の関係に注意!
この問題のポイントは「コイル数」→「導体数Z」への変換やで。
1つのコイルには「往き」と「帰り」の2本の導体がある。せやから、コイル数が100やったら、全導体数 Z = 100 × 2 = 200 本や。
あと、4極で重ね巻やから a = p = 4 やな。
【解き方】
① Z = コイル数 × 2 = 100 × 2 = 200
② 重ね巻なので a = p = 4
③ \( k = \frac{pZ}{60a} = \frac{4 \times 200}{60 \times 4} = \frac{800}{240} = \frac{10}{3} \)
④ \( E = k\Phi n = \frac{10}{3} \times 0.03 \times 900 = \frac{10}{3} \times 27 = 90 \) [V]
「コイル数50」の電機子の全導体数Zはいくらか。
コイル数→導体数の変換もバッチリやな!ほな、さらに難しい条件変更の問題を出すで。
ある直流発電機の誘導起電力が 220 V であった。この発電機の回転速度を元の1.2倍に上げ、同時に界磁電流を調整して磁束を元の0.9倍にした場合、新しい誘導起電力はいくらか。
ここまで \( E = k\Phi n \) の導出と、機械定数kの中身を学んできたな。ここからは、この式をどう使いこなすかっていう実践的な話をしていくで。
電験三種の問題では、「ある条件が変わったとき、起電力がどうなるか」っていう比例関係を使った問題がよく出るんや。
\( E = k\Phi n \) をもう一度見てみ。機械定数kは構造が変わらん限り一定やから、同じ機械について考えるときは、こう言い換えられるんや。
これを使えば、条件変更前と後の比で計算できるんやで。具体的に見てみよか。
変更前の起電力を \( E_1 = k\Phi_1 n_1 \)、変更後を \( E_2 = k\Phi_2 n_2 \) とすると、
これめっちゃ便利やで。例えば「磁束を2倍にして回転速度を半分にしたら?」っていう問題やったら、\( \frac{E_2}{E_1} = 2 \times \frac{1}{2} = 1 \) で「起電力は変わらん」ってすぐ答えが出る。
グラフで見ても一目瞭然やな。Φを一定にしてnを変えても、nを一定にしてΦを変えても、Eは直線的に(比例して)変化するんや。
📌 比例関係の使い方
⚡ 同じ機械で条件が変わる → \( \frac{E_2}{E_1} = \frac{\Phi_2}{\Phi_1} \times \frac{n_2}{n_1} \) で計算
⚡ kの具体的な値を求める必要がない → 計算がラクになる!
⚡ 電験三種では「比」で解く問題が頻出
ここで、電験三種で誘導起電力に関してよくある間違いをまとめとくで。試験前にもう一回見返してほしいところや。
❌ 間違い①:「コイル数」と「導体数」を混同する
問題文に「コイル数100」って書いてあるのに Z = 100 と代入してしまうミス。正しくは Z = 2 × コイル数 = 200 や。1つのコイルには往きと帰りの2本の導体があるからな。
❌ 間違い②:重ね巻と波巻のaを逆に覚える
「重ね巻 a = 2、波巻 a = p」と逆に覚えてしまうケース。正しくは重ね巻 a = p、波巻 a = 2や。覚え方のコツは「波巻は常に2(波の2つの山をイメージ)」やな。
❌ 間違い③:回転速度の単位を間違える
\( E = k\Phi n \) の式で使う回転速度nは [min⁻¹](=rpm)や。もし問題で「回転速度 \( \omega = 100\pi \) rad/s」のように角速度で与えられた場合は、\( n = \frac{60\omega}{2\pi} \) で変換する必要があるんやで。
❌ 間違い④:kとk_Tを混同する
誘導起電力の機械定数 \( k = \frac{pZ}{60a} \) とトルク定数 \( k_T = \frac{pZ}{2\pi a} \) は別の定数や。分母の「60」と「\( 2\pi \)」が違うからな。ただし、\( k_T = \frac{60}{2\pi} k = \frac{30}{\pi} k \) っていう関係があるから、片方が分かればもう片方も求められるで。
📌 電験対策チェックリスト
⚡ コイル数 → Z = 2 × コイル数 に変換したか?
⚡ 巻線方式 → 重ね巻 a=p、波巻 a=2 を正しく使ったか?
⚡ 回転速度の単位 → [min⁻¹] に統一したか?
⚡ kとk_T → 間違えていないか?
ほな、比例関係を使った問題をやってみよか。kの値を出さなくても解けるタイプの問題やで。
ある直流発電機が回転速度 1200 min⁻¹ で運転したとき、誘導起電力が 240 V であった。磁束を一定に保ったまま回転速度を 900 min⁻¹ に下げた場合、誘導起電力はいくらになるか。
比例関係の計算、やり方を確認しよか。
磁束Φが一定のとき、\( E \propto n \) やから、比で求められるで。
【解き方】
\( \frac{E_2}{E_1} = \frac{n_2}{n_1} \)(Φ一定のとき)
\( \frac{E_2}{240} = \frac{900}{1200} = \frac{3}{4} \)
\( E_2 = 240 \times \frac{3}{4} = 180 \) [V]
回転速度が \( \frac{3}{4} \) 倍になったら、起電力も \( \frac{3}{4} \) 倍になる。シンプルやろ?
同じ発電機で回転速度を 1200 min⁻¹ のまま、磁束だけを元の 1.5 倍にしたら、誘導起電力はいくらか。
比例計算は完璧やな!ほな、もう一段レベルアップや。
ある直流発電機が、磁束 \( \Phi_1 \)、回転速度 \( n_1 \) = 1500 min⁻¹ で誘導起電力 300 V を発生していた。磁束を 0.8 倍に減らし、回転速度を 1875 min⁻¹ に上げた場合、新しい誘導起電力はいくらか。
もうすぐゴールやで!ここまでの知識を総動員する問題を出すで。落ち着いて解いてみ。
4極、波巻の直流発電機がある。全導体数 Z = 400、1極あたりの磁束 \( \Phi = 0.015 \) Wb、回転速度 n = 1800 min⁻¹ のとき、誘導起電力 E [V] はいくらか。
順番に整理していこか。まずは条件を確認するんや。
4極、波巻やから a = 2 やな(波巻は常に2や!)。
【解き方】
① 波巻なので a = 2
② \( k = \frac{pZ}{60a} = \frac{4 \times 400}{60 \times 2} = \frac{1600}{120} = \frac{40}{3} \)
③ \( E = k\Phi n = \frac{40}{3} \times 0.015 \times 1800 \)
④ \( = \frac{40}{3} \times 27 = \frac{1080}{3} = 360 \) [V]
計算のコツは、先に \( \Phi \times n = 0.015 \times 1800 = 27 \) を求めてから k を掛ける方法や。数字がシンプルになるで。
上の問題で、もし波巻ではなく重ね巻(a = p = 4)だった場合、誘導起電力はいくらになるか。
素晴らしいな!ほな最後の発展問題、角速度で出された場合を考えてみよか。
4極、重ね巻(a = 4)の直流発電機がある。全導体数 Z = 500、1極あたりの磁束 \( \Phi = 0.02 \) Wb、電機子の角速度 \( \omega = 60\pi \) rad/s のとき、誘導起電力 E [V] はいくらか。
※ \( n = \frac{60\omega}{2\pi} \) で回転速度に変換すること
ラスト問題や!これは電験三種の本番を意識した総合問題やで。ここまで学んだ全部の知識を使って解いてみ。
6極、波巻の直流発電機がある。電機子のコイル数が 180 で、1極あたりの磁束が 0.04 Wb、回転速度が 1000 min⁻¹ のとき、誘導起電力 E [V] はいくらか。
最後の問題やから丁寧にいこか。この問題には2つのトラップがあるで。
①コイル数180 → 導体数Zへの変換:Z = 2 × 180 = 360
②波巻 → a = 2(6極でも波巻は常に2やで!)
【解き方】
① Z = 2 × 180 = 360
② 波巻なので a = 2
③ \( k = \frac{pZ}{60a} = \frac{6 \times 360}{60 \times 2} = \frac{2160}{120} = 18 \)
④ \( E = k\Phi n = 18 \times 0.04 \times 1000 = 720 \) [V]
上の問題で、もし「コイル数」ではなく「導体数 Z = 360」と直接与えられていた場合、解き方は変わるか。
全問正解の勢いでラストスパートや!
ある直流発電機の誘導起電力が 500 V であった。この発電機について、極数を2倍にし(導体数・巻線方式は同じ)、同時に磁束を元の0.6倍にして回転速度はそのままにした場合、新しい誘導起電力はいくらか。ただし、巻線方式は波巻とする。
お疲れさん!第10講「誘導起電力の式」、全ステップ完了やで!
この講座で学んだことを最終確認しとこか。
📌 この講座の重要ポイント総まとめ
⚡ 誘導起電力は「磁束Φ × 回転速度n」に比例する
⚡ 機械定数kは機械の構造(p、Z、a)で決まる定数
⚡ コイル数とZの関係:Z = 2 × コイル数
⚡ 重ね巻:a = p(極数と同じ)→ 大電流向き
⚡ 波巻:a = 2(常に2)→ 高電圧向き
⚡ 条件変更の問題は比で解く:\( \frac{E_2}{E_1} = \frac{\Phi_2}{\Phi_1} \times \frac{n_2}{n_1} \)
この \( E = k\Phi n \) は、次の第11講で学ぶ「発電機の等価回路」の基礎になるで。等価回路では、この誘導起電力Eから電機子抵抗による電圧降下 \( I_a R_a \) を引いたものが端子電圧Vになるんや。
📚 次回予告:第11講「発電機の等価回路」
次の講座では、誘導起電力Eと端子電圧Vの関係を等価回路で表す方法を学ぶで。\( V = E - I_a R_a \) の式の意味と、実際の回路図を使った計算方法を解説するからな!