界磁をどうやって作るか?その方法で直流機の性格がガラリと変わる!
よっしゃ!第7講のスタートや!
前回の第6講では、界磁の役割について学んだな。主磁極が磁束を作って、その磁束の中で電機子が回ることで発電したり、力を受けて回転したりするんやった。補極が電機子反作用を打ち消す役割もやったな。
ほんで今回のテーマは「励磁方式」や。
「励磁」って聞くと難しそうやけど、要するに「界磁巻線に電流を流して磁束を作ること」、これが励磁や。問題は、その電流をどこから持ってくるか?ってことなんや。
この「どこから電流を持ってくるか」の違いで、直流機の性格がガラリと変わる。定速度で回るのか、大きなトルクを出すのか、安定した電圧を保つのか...全部、励磁方式で決まるんやで。
📚 この講座で学ぶこと
⚡ 励磁とは何か、なぜ重要なのか
⚡ 他励式と自励式の違い
⚡ 自励式の3種類(分巻・直巻・複巻)の概要
⚡ 各励磁方式の回路構成と特徴
⚡ 自励の条件(残留磁気の重要性)
電験三種でも励磁方式の分類は超頻出や。ここを押さえとけば、後の発電機・電動機の特性の話がスッと入ってくるで。ほな、始めよか!
まず「励磁(れいじ)」って何やねん?ってところからしっかり説明するで。
直流機が動くためには、磁界(磁束)が必要やったな。第6講で学んだとおり、主磁極の界磁巻線に電流を流すことで強い磁界を作るんや。この「界磁巻線に電流を流して磁束を作る操作」のことを励磁と呼ぶんや。
英語では "excitation"(エキサイテーション)って言うんやけど、まさに「磁石を興奮させる」みたいなイメージやな。電流を流してやることで、鉄心が磁化されて強力な磁石になるわけや。
たとえ話で考えてみよか。直流機を「舞台」に例えると、界磁は照明みたいなもんや。照明がなかったら、役者(電機子)がどれだけ動いても何も見えへん。つまり、磁束がなければ起電力も力も発生せえへんねん。
ほんで「励磁方式」っていうのは、その照明の電源をどこから取るか?って話や。外部のコンセントから取るのか、舞台上の自家発電で賄うのか。この違いが、直流機の性格を大きく左右するんやで。
ここで大事なんは、磁束 \( \Phi \) の大きさは界磁電流 \( I_f \) に比例するということや(飽和しない範囲ではな)。
せやから、界磁電流 \( I_f \) をどうやって供給するか、つまり励磁方式を変えることで、磁束 \( \Phi \) の振る舞いが変わり、結果として直流機全体の特性が変わるんや。
ほな次のステップで、励磁方式の全体像を見てみよか。
さあ、ここが今日の核心や。励磁方式の全体分類を見てみよう。
直流機の励磁方式は、大きく2つに分かれるんや。ポイントは「界磁電流をどこから持ってくるか」やで。
📌 励磁方式の大分類
⚡ 他励式(たれいしき):外部の別電源から界磁電流を供給
⚡ 自励式(じれいしき):自分自身の出力(電機子)から界磁電流を供給
名前を見たらわかるやろ?「他」の電源で「励」磁するから「他励式」、「自」分で「励」磁するから「自励式」や。漢字そのまんまやな。
ほんで、自励式はさらに3種類に分かれるんや。界磁巻線と電機子の接続方法の違いでな。
この分類図、電験三種では必ず頭に入れとかなアカンで。特に「自励式には分巻・直巻・複巻の3種類がある」ってのは超頻出や。
ほな、まずは他励式から詳しく見ていこか。他励式は一番シンプルやから、ここから理解するのがコツやで。
まず他励式(たれいしき)から見ていくで。
他励式は、名前のとおり「他の電源」で界磁を励磁する方式や。つまり、界磁巻線に流す電流は、直流機自身の出力からではなく、まったく別の外部電源から供給するんや。
イメージとしては、直流機本体と界磁の電源が完全に独立してる状態やな。電機子回路と界磁回路が電気的につながってないから、界磁電流 \( I_f \) を自由にコントロールできるのが最大の特徴や。
上の図を見てみ。左側が電機子回路、右側が界磁回路や。真ん中の破線で分かれてるやろ?この2つの回路が完全に独立してるのが他励式の特徴なんや。
他励式のメリットとデメリットを整理しとくで。
📌 他励式の特徴
⚡ メリット:界磁電流 \( I_f \) を独立に制御できる → 磁束 \( \Phi \) を自在に調整可能
⚡ メリット:負荷が変わっても界磁電流が影響を受けない → 安定した制御が可能
⚡ デメリット:別電源が必要 → コスト増・設備が大型化
⚡ デメリット:外部電源が故障すると磁束がなくなる
他励式は「手間はかかるけど、コントロールしやすい」方式や。精密な速度制御が必要な用途、例えば工作機械やエレベーターなんかで使われるで。
界磁電流 \( I_f \) は外部電源の電圧 \( V_f \) と界磁抵抗 \( R_f \) で決まるから、めっちゃシンプルや。
電機子の負荷がどれだけ変わっても、界磁回路は別電源やから \( I_f \) は変わらへん。これが他励式の最大の強みやな。
ほな、ここまでの理解度を確認してみよか!
ほな、第1問いくで!励磁方式の基本を確認しよう。
直流機の励磁方式において、他励式の説明として正しいものはどれか。
大丈夫やで、もう一回整理しよか。
「他励式」の「他」は「他の電源」を意味してるんや。つまり、界磁巻線に電流を流すための電源が、直流機本体の電機子とは別の外部電源から来てるってことやな。
一方で、①の「電機子の出力電圧を界磁に供給」は自励式(分巻)の説明やし、②の「電機子と直列に界磁を接続」は自励式(直巻)の説明や。
ポイントは「独立した外部電源かどうか」やで。
他励式において、負荷が変化しても界磁電流 \( I_f \) が影響を受けにくい理由は?
さすがや!基本はバッチリやな。ほな、もうちょっと踏み込んだ問題いくで。
他励式直流発電機において、界磁電流を一定に保ったまま回転速度を2倍にした。このとき、誘導起電力Eはどうなるか。ただし、磁気飽和は無視する。
ほな次は、自励式(じれいしき)について見ていくで。
自励式は、直流機自身の電機子から界磁電流を供給する方式や。他励式みたいに外部電源がいらんから、設備がシンプルになるのが大きなメリットやな。
でもな、ここでひとつ疑問が湧かへんか?
「最初、電機子がまだ回ってないとき、起電力はゼロやろ?ほんなら界磁電流も流れへんから、磁束もゼロ。磁束がゼロなら起電力も発生せえへん...これ、永遠に動き出せへんのちゃうか?」
めっちゃ良い疑問や!実はこれ、「残留磁気」のおかげで解決するんやけど、それは後で詳しく説明するから、今はまず自励式の3種類を見ていこか。
📌 自励式の3種類
⚡ 分巻(ぶんまき):界磁巻線を電機子に並列に接続
⚡ 直巻(ちょっかん):界磁巻線を電機子に直列に接続
⚡ 複巻(ふくまき):分巻と直巻の両方を組み合わせ
「並列か直列か、それとも両方か」という接続方法の違いで3つに分かれるんやな。この接続の違いが、直流機の特性に大きな影響を与えるんや。
たとえるなら、自励式は「自家発電してる家」みたいなもんや。分巻は「電気の一部を分けて照明に使う」方式、直巻は「全部の電気が照明を通ってから家電に行く」方式、複巻は「その両方をやる」方式やな。
ほな次のステップで、まずは分巻方式から詳しく見ていくで。
まずは分巻(ぶんまき)方式から見ていくで。英語では "shunt"(シャント)って言うんや。
分巻方式は、界磁巻線を電機子に並列(パラレル)に接続する方式や。電機子の端子電圧がそのまま界磁巻線にもかかるんやな。
上の回路図を見てみ。電機子(E + Ra)から出た電流 \( I_a \) が、分岐点で2つに分かれてるのがわかるやろ?
界磁巻線 \( R_f \) に流れる分が界磁電流 \( I_f \)、負荷 \( R_L \) に流れる分が負荷電流 \( I_L \)や。これが「分巻」の名前の由来やな。電流を「分けて巻く」わけや。
ここで大事なポイントがあるで。分巻の界磁巻線は細い線をたくさん巻いてあるんや。なんでかっていうと、界磁巻線は電機子と並列に接続されてるから、端子電圧がそのままかかる。もし太い線やったら大電流が流れてしまって、エネルギーの無駄遣いになるやろ?
せやから界磁巻線の抵抗 \( R_f \) は比較的大きくして、界磁電流 \( I_f \) は電機子電流 \( I_a \) に比べてかなり小さくなるようにしてるんや。だいたい \( I_f \) は \( I_a \) の数%程度やで。
📌 分巻方式のポイント
⚡ 界磁巻線は電機子と並列接続
⚡ 界磁巻線は細線・多巻き・高抵抗
⚡ 界磁電流 \( I_f \) は小さい(電機子電流の数%)
⚡ 端子電圧が一定なら、磁束 \( \Phi \) もほぼ一定 → 定速度特性
分巻方式は、電圧が安定しているため発電機では定電圧特性、電動機では定速度特性を示すのが大きな特徴や。工場の一般的な動力源としてよく使われるで。
次のステップで、他励式と自励式の違いをしっかり確認する問題を出すから、準備しといてな!
ここまで他励式と自励式(分巻)を学んだな。ほな、その違いを確認する問題や!
分巻式直流発電機において、電機子電流 \( I_a \) = 52 A、界磁電流 \( I_f \) = 2 A のとき、負荷電流 \( I_L \) はいくらか。
惜しいな。ここは分巻発電機の電流の関係を思い出そか。
分巻発電機では、電機子から出た電流 \( I_a \) が2つに分かれるんやったな。界磁巻線に行く分が \( I_f \)、負荷に行く分が \( I_L \) や。
せやから、\( I_a = I_f + I_L \) を変形すると、\( I_L = I_a - I_f = 52 - 2 = 50 \) A になるんや。
ポイントは、発電機の場合は「電機子が電流を作り出す側」やから、\( I_a \) が一番大きくて、そこから \( I_f \) を引いた残りが \( I_L \) になるってことやで。
分巻発電機で \( I_a = I_f + I_L \) の関係が成り立つのはなぜか。
ええぞ!計算はバッチリやな。ほな、もう少し実践的な問題いくで。
分巻発電機において、端子電圧 V = 220 V、電機子抵抗 \( R_a \) = 0.2 Ω、界磁抵抗 \( R_f \) = 110 Ω、負荷電流 \( I_L \) = 50 A のとき、誘導起電力 E [V] はいくらか。
分巻方式の次は、直巻(ちょっかん)方式を見ていくで。英語では "series"(シリーズ)や。
直巻方式は分巻とは正反対で、界磁巻線を電機子と直列に接続する方式なんや。つまり、電機子を流れる電流がそのまま界磁巻線も通るってことやで。
回路図を見てみ。電源V → 直巻界磁Rs → 電機子抵抗Ra → 逆起電力E と、全部が一列に並んでるやろ?これが直巻方式の最大の特徴や。
分巻との決定的な違いは、界磁電流 \( I_f \) = 電機子電流 \( I_a \) = 負荷電流 \( I_L \) ということや。全部同じ電流が流れるんやで。
これがどういう意味を持つか、考えてみよか。
負荷が重くなると電流 \( I_a \) が増えるよな。直巻方式では \( I_f = I_a \) やから、負荷が重くなると界磁電流も増える。界磁電流が増えると磁束 \( \Phi \) も増える。磁束が増えるとトルクが増える。
つまり、「重い荷物を持つときほど、パワーが出る」という特性になるんや!これは電車やクレーンのような、始動時に大きなトルクが必要な用途にピッタリやな。
逆に、負荷が軽くなると電流が減って、磁束も減る。磁束が減ると回転速度が上がる(\( n \propto \frac{1}{\Phi} \) やからな)。もし無負荷(負荷ゼロ)にしたら、理論上は回転速度が無限大に...つまり暴走する危険があるんや!
📌 直巻方式のポイント
⚡ 界磁巻線は電機子と直列接続
⚡ 界磁巻線は太線・少巻き・低抵抗(大電流が流れるため)
⚡ \( I_f = I_a \) なので、負荷に応じて磁束が変化する
⚡ 始動トルクが大きい → 電車、クレーンに最適
⚡ 無負荷運転は厳禁!(暴走の危険)
分巻が「細い線で高抵抗」やったのに対して、直巻は「太い線で低抵抗」っていうのも覚えとくとええで。直列につながってるから、全部の電流が通るんやからな。太い線やないとダメなんや。
分巻と直巻の違いが分かってきたかな?ほな確認や!
直巻電動機の特徴として誤っているものはどれか。
惜しいな。「誤っているもの」を選ぶ問題やから気をつけてな。
直巻電動機の特性をもう一回整理するで。直巻方式では界磁電流 = 電機子電流やから、負荷が変わると磁束も変わる。つまり回転速度は負荷によって大きく変化するんや。これは「変速度特性」って呼ばれるで。
「回転速度がほぼ一定(定速度特性)」なのは分巻電動機の特徴やな。ここを混同しやすいから注意やで。
「定速度特性」を持つのはどちらの方式か。
完璧やな!ほな、直巻の特性をもう少し深く考えてみよか。
直巻電動機で無負荷運転が危険な理由として最も適切なものはどれか。
さあ、自励式の最後、複巻(ふくまき)方式や。英語では "compound"(コンパウンド)って言うで。
複巻方式は、名前のとおり分巻巻線と直巻巻線の両方を持っている方式や。つまり、分巻と直巻のいいとこ取りを狙ったハイブリッド方式なんやな。
なんでそんなことをするかっていうと、分巻にも直巻にもそれぞれ弱点があるからや。分巻は速度は安定するけど、始動トルクはそこそこ。直巻は始動トルクは強いけど、速度が安定しない。「両方の長所を合わせたい」っていう発想から生まれたのが複巻方式なんやで。
回路図を見ると、電機子から出た電流がまず直巻界磁Rsを通って(直列部分)、その後で分巻界磁Rfと負荷RLに分岐してる(並列部分)のがわかるやろ?
複巻方式には、直巻界磁と分巻界磁の磁束が同じ向きか逆向きかで2種類あるんや。
📌 複巻の2タイプ
⚡ 和動複巻:直巻と分巻の磁束が同じ向き(足し合わせ)→ 強め合う
⚡ 差動複巻:直巻と分巻の磁束が逆向き(打ち消し合い)→ 弱め合う
実用上は和動複巻がほとんどや。差動複巻は特性が不安定になりやすいから、あまり使われへん。でも電験では両方とも出るから、違いは押さえとくんやで。
複巻方式の詳しい特性は第9講で学ぶから、今は「分巻と直巻の両方の要素を持っている」ってことを覚えとけば十分や。
ここまでで4つの励磁方式を学んだな。ここで一回、全体を比較して整理しとこか。これ、電験の選択問題でめっちゃ使える知識やで。
| 項目 | 他励式 | 分巻(自励) | 直巻(自励) | 複巻(自励) |
|---|---|---|---|---|
| 界磁電源 | 外部電源 | 自身(並列) | 自身(直列) | 自身(並列+直列) |
| 界磁巻線 | ― | 細線・多巻き | 太線・少巻き | 両方あり |
| 界磁抵抗 | ― | 高い | 低い | ― |
| 電流の関係 | \( I_a = I_L \) | \( I_a = I_f + I_L \) | \( I_a = I_f = I_L \) | 複合 |
| 速度特性(電動機) | 定速度 | 定速度 | 変速度 | 中間 |
| 始動トルク | 中 | 中 | 大 | 大 |
| 主な用途 | 精密制御 | 一般動力 | 電車・クレーン | エレベーター等 |
この表をじっくり見てほしいんやけど、大事なのは「なぜそうなるか」を理解することや。
例えば、分巻が「定速度」なのはなぜか?それは、界磁巻線が並列に接続されてるから、端子電圧が一定であれば界磁電流 \( I_f \) も一定。\( I_f \) が一定なら磁束 \( \Phi \) も一定。磁束が一定なら、\( n \propto \frac{V - I_a R_a}{\Phi} \) の式で \( \Phi \) が変わらんから、回転速度 n もほぼ一定になるんや。
直巻が「変速度」なのは、\( I_f = I_a \) やから負荷電流が変わると磁束も変わって、回転速度が大きく変化するからやな。
自動車に例えると、分巻は「クルーズコントロール付きの普通車」、直巻は「坂道に強い4WDトラック」、複巻は「両方の機能を持つハイブリッドSUV」みたいなもんやな。用途によって使い分けるわけや。
ほな、ここまでの知識を総合的に確認する問題にいくで!
4つの励磁方式の特徴を比較する問題や!
分巻式の界磁巻線と直巻式の界磁巻線を比較したとき、正しい記述はどれか。
もう一回考えてみよか。
分巻は電機子と並列接続やったな。並列やから端子電圧がそのままかかる。大電流が流れたらもったいないから、抵抗を高くしたい → 細い線をたくさん巻く。
直巻は電機子と直列接続やったな。直列やから全負荷電流が界磁巻線を通る。大電流に耐えるために抵抗を低くしたい → 太い線を少なく巻く。
接続方法から巻線の構造が決まるんやで。
直巻界磁巻線の抵抗が低い理由は?
やるやん!巻線の構造まで理解できてるな。ほな発展問題いくで。
複巻電動機の「和動複巻」と「差動複巻」について、正しいものはどれか。
どんどんいくで!次は励磁方式と用途の関係や。
次の用途に最も適した励磁方式の組合せとして、正しいものはどれか。
(ア)電気鉄道の主電動機 (イ)工場の一般動力用電動機
用途と励磁方式の対応、ちょっと整理しよか。
電気鉄道は、停車状態から重い車両を動かす必要があるよな。つまり始動トルクが大きい方式が必要 → 直巻方式が最適や。
工場の一般動力は、旋盤やポンプみたいに一定速度で安定して回ることが大事 → 分巻方式が最適やな。
「大トルクが必要 → 直巻」「定速度が必要 → 分巻」って覚えとけばバッチリや。
クレーンや巻上機の電動機として適しているのは?
さすがや!用途の対応もバッチリやな。ほな応用問題いくで。
他励式直流電動機において、界磁電流を減少させた場合、回転速度はどのように変化するか。ただし、電源電圧と負荷トルクは一定とする。
さて、ここからは自励式ならではの重要テーマに踏み込むで。
Step6で「自励式は自分自身の出力で界磁を励磁する」って説明したよな。そのときにこんな疑問を出したのを覚えてるか?
「最初は起電力ゼロやのに、どうやって磁束を作り出すねん?」
これ、実はめっちゃ大事な問題なんや。ここで登場するのが「残留磁気(ざんりゅうじき)」やで。
鉄心には面白い性質があってな。一度磁化されると、電流を切ってもわずかに磁気が残るんや。これを残留磁気って言うんやで。磁石を鉄にくっつけて離しても、しばらく鉄が磁石みたいになってるのと同じ原理や。
自励式発電機が電圧を作り出す仕組みはこうや:
🔄 自励の電圧確立プロセス
① 鉄心に残留磁気があり、わずかな磁束 \( \Phi_r \) が存在する
② この状態で電機子を回転させると、残留磁気により小さな起電力 \( e \) が発生
③ この起電力で界磁巻線に小さな電流 \( i_f \) が流れる
④ 界磁電流により磁束が増加 → 起電力が増加 → 界磁電流が増加...
⑤ この正のフィードバックが繰り返されて、最終的に定常電圧に到達する
これは「雪だるま」みたいなもんや。最初はちっさい雪の塊(残留磁気)やけど、転がすうちにどんどん大きくなる。最初の「タネ」がないと始まらへんのがポイントやで。
ほんで、自励式が正常に電圧を確立するためには、いくつかの条件を満たす必要があるんや。
📌 自励式の電圧確立条件
⚡ 残留磁気が存在すること(鉄心に磁気が残っている)
⚡ 界磁巻線の接続方向が正しいこと(残留磁気を強める方向に電流が流れる)
⚡ 界磁回路の抵抗が臨界値以下であること(抵抗が大きすぎると電圧が確立しない)
⚡ 回転方向が正しいこと(正しい向きの起電力を発生させる)
もし残留磁気がなくなってしまったら?そのときは外部から一時的に電流を流して鉄心を磁化する必要があるんや。これを「着磁(ちゃくじ)」って言うで。
接続方向が逆やったらどうなるか?残留磁気を打ち消す方向に電流が流れてしまって、磁束がどんどん弱くなる。つまり電圧が確立しないんや。この場合は界磁巻線の接続を逆にすれば解決するで。
ここで、電験三種でよく出るパターンとよくある間違いを整理しとくで。これ知ってるだけで得点力がグンと上がるからな。
🎯 パターン1:励磁方式の分類を問う問題
「次のうち、自励式に分類されないものはどれか」みたいな問題が出るんや。他励式と自励式の区別、自励式の3種類(分巻・直巻・複巻)をしっかり押さえとけばOKや。
🎯 パターン2:各方式の電流の関係を問う問題
分巻の \( I_a = I_f + I_L \) と直巻の \( I_a = I_f = I_L \) は超頻出や。特に分巻発電機で「電機子電流と負荷電流は同じか?」って引っかけが多いで。答えは「同じやない。界磁電流の分だけ電機子電流が大きい」やで。
🎯 パターン3:各方式の特徴・用途を問う問題
「直巻電動機の特徴として正しいものはどれか」みたいな問題。始動トルクが大きい、無負荷運転が危険、変速度特性、電車やクレーンに使われる...このあたりがキーワードや。
⚠️ よくある間違い3選
❌ 間違い1:「分巻発電機では \( I_a = I_L \) である」→ 正しくは \( I_a = I_f + I_L \) や!他励式と混同しがちやで。
❌ 間違い2:「直巻は回転速度が安定している」→ 逆や!直巻は変速度特性で、分巻が定速度特性やで。
❌ 間違い3:「自励式は外部電源が必要」→ 自励式は自分自身で励磁するから外部電源は不要や。外部電源が必要なのは他励式やで。
あと、「他励式は分巻と同じ特性」っていう点も覚えとくとええで。他励式は界磁電流が一定やから、磁束が一定。分巻も端子電圧が一定なら界磁電流がほぼ一定やから、磁束がほぼ一定。せやから特性が似てくるんやな。ただし他励式の方が制御性は高いで。
ほな、ここからは残りの問題でガッツリ知識を固めていこか!
残留磁気と自励条件の問題や!これも電験で出るで。
自励式直流発電機が電圧を確立できない原因として、当てはまらないものはどれか。
もう一回整理しよか。「当てはまらない」ものを探す問題やで。
自励式が電圧を確立できない原因は:残留磁気の消失、界磁巻線の逆接続、界磁回路の抵抗が大きすぎる、回転方向が逆、などやったな。
「電機子抵抗が小さい」のは普通の状態や。電機子抵抗が小さいこと自体は電圧確立に悪影響を与えへん。むしろ電機子抵抗が大きすぎる方が電圧降下が大きくなって問題やで。
問題で問われてるのは「界磁回路の抵抗」と「電機子抵抗」の区別やな。界磁回路の抵抗が臨界値を超えると電圧確立しないけど、電機子抵抗の大小は直接的な条件ちゃうんやで。
自励式発電機の残留磁気がなくなった場合、最初にすべきことは?
完璧や!自励条件をしっかり理解できてるな。ほな発展問題。
分巻発電機において、界磁回路の全抵抗を徐々に大きくしていくと、ある値を超えた時点で電圧が確立しなくなる。この限界の抵抗値を何と呼ぶか。
よっしゃ、ここからは総合力を試す問題や!今日学んだことを全部使って考えてみ。
次の記述のうち、正しいものはどれか。
一つずつ検証していこか。
①「他励式は外部電源が不要」→ これは逆や。他励式は外部電源が必要な方式やで。外部電源が不要なのは自励式やな。
②「分巻発電機で \( I_a = I_f + I_L \)」→ これは正しい。分巻は並列接続やから、電機子電流が界磁電流と負荷電流に分かれるんやったな。
③「直巻電動機は定速度特性」→ これは間違い。直巻は変速度特性や。定速度特性を持つのは分巻やで。
他励式と自励式の最大の違いは何か。
ええぞ!総合的な理解ができてるな。ほな最後の発展問題や。
分巻発電機の端子電圧 V = 200 V、界磁抵抗 \( R_f \) = 100 Ω のとき、界磁巻線で消費される電力 \( P_f \) [W] はいくらか。
ラスト問題や!今日の総仕上げ、しっかりいくで!
他励式直流電動機に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
最後の問題、落ち着いて考えよか。
②「外部電源を必要としない」→ 他励式は外部電源が必要やから、これは間違いやな。
③「負荷が変化すると界磁電流も変化する」→ 他励式は界磁回路が独立してるから、負荷が変わっても界磁電流は変化しない。これも間違い。
①「界磁電流を独立に制御できる」→ その通り!他励式の最大の特徴は、界磁を外部電源で独立制御できることや。せやから精密な速度制御が可能なんやで。
他励式直流電動機が精密な速度制御に適している理由は?
最後までさすがの正解率や!ほな締めの発展問題いくで。
直巻発電機はあまり実用されない。その主な理由として最も適切なものはどれか。
お疲れさま!第7講「励磁方式の分類」、最後のまとめや!
今回は直流機の「性格」を決める励磁方式について学んだな。界磁電流をどこから持ってくるかで、直流機の特性がガラリと変わるんやった。
📚 第7講のまとめ
⚡ 励磁=界磁巻線に電流を流して磁束を作ること
⚡ 他励式:外部電源で励磁。界磁を独立制御でき、精密な速度制御に最適
⚡ 自励式:自身の出力で励磁。分巻・直巻・複巻の3種類
⚡ 分巻:並列接続、細線・多巻き・高抵抗、定速度特性
⚡ 直巻:直列接続、太線・少巻き・低抵抗、大始動トルク、無負荷運転禁止
⚡ 複巻:分巻+直巻のハイブリッド、和動複巻と差動複巻
⚡ 自励の条件:残留磁気、正しい接続方向、臨界抵抗以下、正しい回転方向
次回の第8講では、自励式の3種類(分巻・直巻・複巻)をさらに深掘りして、それぞれの回路構成と等価回路を詳しく見ていくで。今回学んだ基礎があれば、スムーズに理解できるはずや!
ほな、結果を確認しよか!
📚 次回予告:第8講「自励式の種類」
分巻・直巻・複巻の回路構成をさらに詳しく学んでいくで。等価回路や電流・電圧の関係を具体的に理解しよう!