直流機

自励式とは?分巻・直巻・複巻の回路をわかりやすく解説【電験三種 機械】

3つの自励式の違いをマスターしよう!

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よっしゃ!第8講のスタートや!

前回の第7講では、直流機の励磁方式を大きく2つに分類したな。覚えてるか?

そう、他励式自励式の2つや。他励式は外部の電源から界磁電流を供給する方式で、自励式は自分自身の出力から界磁電流をまかなう方式やったな。

今回は、その自励式をさらに深掘りしていくで。自励式には3つの種類があって、それぞれ界磁巻線の接続方法が違うんや。

📚 この講座で学ぶこと

⚡ 自励式の3種類(分巻・直巻・複巻)の違い

⚡ 各自励式の回路構成と電流の流れ方

⚡ 分巻機の界磁回路の特徴(並列接続)

⚡ 直巻機の界磁回路の特徴(直列接続)

⚡ 複巻機の基本構成(分巻+直巻の組み合わせ)

この3つの違いは電験三種でめちゃくちゃ重要や。回路図を見て「これは分巻やな」とか「直巻やな」ってパッと判断できるようになるのが目標やで。ほな、始めよか!

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まず、自励式の基本をもう一度しっかり確認しとこか。

自励式っていうのは、自分自身が発生した電力で界磁(磁界)を作る方式のことや。発電機なら自分が発電した電力の一部を界磁巻線に流すし、電動機なら電源から供給された電力の一部を界磁巻線に回すんやな。

ここで大事なポイントがあるで。自励式は「界磁巻線をどこに接続するか」で3つに分かれるんや。

たとえ話で考えてみよか。会社の経営に例えるとわかりやすいで。

会社(直流機)が稼いだお金(電力)の一部を、宣伝費(界磁)に使うとする。このとき、宣伝費の出し方に3パターンあるんや。

分巻:売上全体から一定割合を宣伝費に回す(売上に関係なく一定額)

直巻:売上が増えたら宣伝費も増やす(売上に比例)

複巻:両方のやり方を組み合わせる

この3つの方式を、電気回路ではどう実現してるか。それが今回のテーマや。ポイントは界磁巻線を電機子に対して「並列」につなぐか「直列」につなぐか、それだけの違いやねん。

📌 自励式の3種類

分巻(ぶんまき):界磁巻線を電機子と並列に接続

直巻(ちょくまき):界磁巻線を電機子と直列に接続

複巻(ふくまき):分巻と直巻の両方を組み合わせ

「分巻」は英語で shunt(シャント)、「直巻」は series(シリーズ)、「複巻」は compound(コンパウンド)とも呼ばれるで。電験の問題文でもこの英語名が出てくることがあるから、覚えとくとええな。

ほな、1つずつ詳しく見ていこか。まずは分巻からや!

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まずは分巻機(ぶんまきき)から説明するで。

分巻機の最大の特徴は、界磁巻線が電機子と並列に接続されていることや。「分巻」の「分」は「分かれる」の意味で、電流が電機子と界磁巻線に分かれて流れるからこう呼ばれるんやな。

回路図を見てみよか。発電機の場合で説明するで。

分巻発電機の回路図 電機子 E, Ra A点 B点 界磁 Rf 負荷 RL Ia If IL Ia = If + IL(電流が分かれる!)

この図を見てくれ。電機子から出てきた電流 \( I_a \) が、A点で2つに分かれてるのがわかるやろ?

一方は界磁巻線に流れる界磁電流 \( I_f \)、もう一方は負荷に流れる負荷電流 \( I_L \) や。これが「分巻」と呼ばれる理由やな。

\( I_a = I_f + I_L \)
電機子電流 = 界磁電流 + 負荷電流(分巻発電機)

ここで超重要なポイントがあるで。分巻機の界磁巻線は細い線をたくさん巻いてあるんや。なんでかわかるか?

界磁巻線は電機子と並列やから、両端にかかる電圧は端子電圧 \( V \) と同じになる。もし太い線で巻いたら抵抗が小さくなって、大量の電流が界磁巻線に流れ込んでしまう。それはエネルギーの無駄やろ?

せやから、細い線で巻数を多くして抵抗 \( R_f \) を大きくすることで、界磁電流 \( I_f \) を小さく抑えてるんや。

\( I_f = \frac{V}{R_f} \)
界磁電流は端子電圧を界磁抵抗で割った値(分巻機)

典型的には、界磁電流 \( I_f \) は電機子電流 \( I_a \) の数%程度しかないんやで。ほとんどの電流は負荷に流れるわけや。

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分巻機のもうひとつの大事な特徴を説明するで。

分巻機は界磁巻線が電機子と並列やから、負荷が変わっても界磁電流がほぼ一定に保たれるんや。なんでかっていうと、端子電圧 \( V \) がそれほど大きく変化しないから、\( I_f = \frac{V}{R_f} \) も大きく変わらへんのやな。

これがどういう意味を持つかというと、界磁電流が一定ってことは磁束 \( \Phi \) もほぼ一定やということ。磁束が一定なら、電動機として使ったとき回転速度がほぼ一定になる。これが分巻電動機の「定速度特性」と呼ばれる特徴の根本的な理由なんや。

分巻機を車のエンジンに例えるなら、「オートクルーズ機能付きの車」みたいなもんや。坂道(負荷変化)があっても、速度をほぼ一定に保とうとする。それは界磁(磁界の強さ)が安定してるからやねん。

さらに、分巻機では界磁調整器(界磁抵抗器)を使って界磁電流を調整できるんや。界磁巻線に直列に可変抵抗を入れることで、\( I_f \) を加減できる。これは速度制御に使われる重要なテクニックで、第24講で詳しくやるで。

📌 分巻機のまとめ

⚡ 界磁巻線は電機子と並列接続

⚡ 界磁巻線は細い線・多巻数・高抵抗

⚡ 界磁電流 \( I_f \) は小さい(電機子電流の数%)

⚡ 負荷が変わっても磁束がほぼ一定 → 定速度特性

⚡ 界磁調整器で速度制御が可能

分巻機の特徴をしっかり押さえたな。ほな、ここで確認問題いってみよか!

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分巻機の基本をしっかり理解できてるか確認するで!

🧠 問題1(10点)

分巻直流機の界磁巻線について、正しい記述はどれか。

サポートルート

惜しいな!分巻機のポイントをもう一回整理しよか。

キーワードは「並列」と「高抵抗」の2つや。

分巻機は界磁巻線が電機子と並列に接続されてる。並列ってことは、界磁巻線にかかる電圧は端子電圧と同じになるやろ?その状態で大電流が流れたらもったいないから、細い線で巻数を多くして抵抗を大きくしてるんや。

一方、「太い線・少巻数」は直巻機の特徴やで。直巻機は直列接続やから、大きな電流が流れても大丈夫なように太い線で巻いてあるんや。

🔄 確認問題(5点)

分巻機で界磁巻線の抵抗 \( R_f \) を大きくしている理由は?

発展ルート

さすがや!ほな、ちょっと踏み込んだ問題いくで。

分巻発電機の端子電圧が 200V、界磁抵抗が \( R_f = 100 \) Ω のとき、界磁電流はなんぼになるか考えてみ。

🔥 発展問題(15点)

分巻発電機の端子電圧 \( V = 200 \) V、界磁巻線の抵抗 \( R_f = 100 \) Ω のとき、界磁電流 \( I_f \) はいくらか。

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次は直巻機(ちょくまきき)を見ていくで!

直巻機は分巻機とは正反対の接続方法や。界磁巻線が電機子と直列に接続されてるんやな。「直巻」の「直」は「直列」の意味やで。

直列接続ってことは、電機子に流れる電流がそのまま界磁巻線にも流れるということや。つまり、電機子電流 \( I_a \) と界磁電流 \( I_f \) と負荷電流 \( I_L \) がすべて同じ値になるんやで。

直巻発電機の回路図 電機子 E, Ra 界磁 Rf (直列) 負荷 RL Ia = If = IL Ia = If = IL(電流は全部同じ!)
\( I_a = I_f = I_L \)
直巻機では、すべての電流が同じ値(直列接続のため)

ここが分巻機との決定的な違いやで。分巻機では \( I_a = I_f + I_L \) やったけど、直巻機では \( I_a = I_f = I_L \) になる。電流が分かれへんのや。

そして、直巻機の界磁巻線は分巻機と真逆で、太い線で少ない巻数で巻かれてるんや。なんでか?直列接続やから、負荷電流がそのまま界磁巻線にも流れる。大きな電流が流れるから、太い線じゃないと発熱で焼けてしまうんやな。

巻数が少なくても、大電流が流れることで十分な起磁力(アンペアターン)を得られるから問題ないんやで。

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直巻機にはもうひとつ、めちゃくちゃ重要な特徴があるんや。

それは、負荷によって磁束が大きく変化するということや。

分巻機の場合、界磁電流は端子電圧で決まるからほぼ一定やったな。でも直巻機は違う。界磁電流 = 負荷電流やから、負荷が増えると界磁電流も増えて、磁束 \( \Phi \) も増える。逆に、負荷が減ると磁束も減るんや。

これが直巻電動機の「変速度特性」の原因になるんやで。負荷が軽くなると磁束が減って、回転速度がどんどん上がってしまう。特に無負荷(負荷ゼロ)のときが危険や。負荷電流がほぼゼロになると、磁束もほぼゼロに近づいて、回転速度が理論上は無限大に向かってしまう。

せやから、直巻電動機は無負荷運転禁止なんや。これは電験三種でめちゃくちゃよく出るから、絶対に覚えとけよ!第21講で詳しくやるけど、今から頭に入れとこう。

📌 直巻機のまとめ

⚡ 界磁巻線は電機子と直列接続

⚡ 界磁巻線は太い線・少巻数・低抵抗

⚡ \( I_a = I_f = I_L \)(すべて同じ電流)

⚡ 負荷が変わると磁束も変わる → 変速度特性

無負荷運転禁止!(暴走の危険)

分巻機 直巻機
接続方法 並列 直列
界磁巻線 細い線・多巻数 太い線・少巻数
界磁電流 小さい(一定) 大きい(負荷で変化)
磁束 ほぼ一定 負荷で変化
速度特性 定速度 変速度

分巻と直巻の違い、ここでしっかり頭に入れたな。ほな、問題で確認していこか!

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直巻機の特徴をちゃんと理解できてるかチェックするで!

🧠 問題2(10点)

直巻直流機の界磁巻線について、正しい記述はどれか。

サポートルート

大丈夫、もう一回整理しよか。

直巻機のキーワードは「直列」や。界磁巻線が電機子と直列に接続されてるから、回路の中を流れる電流はどこでも同じ。つまり \( I_a = I_f = I_L \) やで。

①は分巻機の説明やし、③は他励式の説明やな。直巻機は「直列接続」で「負荷電流=界磁電流」が最大のポイントやで。

🔄 確認問題(5点)

直巻電動機で「無負荷運転が禁止」とされている理由はどれか。

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ええぞ!ほな、もうちょっと深い問題を出すで。

🔥 発展問題(15点)

直巻電動機において、負荷トルクが増加したとき、磁束 \( \Phi \) と回転速度 \( n \) はそれぞれどう変化するか。(磁気飽和は考えないものとする)

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さて、3つ目の自励式、複巻機(ふくまきき)にいくで!

複巻機は、名前のとおり分巻巻線と直巻巻線の両方を持っている直流機や。つまり、分巻と直巻の「いいとこ取り」をしようとした方式やねん。

なんでわざわざ2つの巻線を組み合わせるんか?それは、分巻と直巻にはそれぞれ弱点があるからや。

分巻機は定速度特性があって安定してるけど、負荷が変化したときの電圧変動が大きいという弱点がある。一方、直巻機は大きなトルクを出せるけど、速度制御が難しい

複巻機は、この2つの弱点を補い合うことで、負荷が変化しても電圧や速度をより安定させることができるんやで。

複巻発電機の回路図 電機子 E, Ra 直巻界磁 Rs 分巻 界磁 Rf 負荷 RL Ia If IL 直巻界磁(直列)+ 分巻界磁(並列) Ia = If + IL(分巻と同じ電流関係)

回路図を見てくれ。電機子から出た電流がまず直巻界磁巻線(Rs)を通って、その後で分岐して、分巻界磁巻線(Rf)と負荷に分かれるんやな。

この回路を見ると、電流の関係は分巻機と同じで \( I_a = I_f + I_L \) になるのがわかるやろ。直巻界磁巻線を通る電流は \( I_a \) そのものやで。

複巻機の詳しい話(和動複巻・差動複巻、長複巻・短複巻)は次の第9講でがっつりやるから、今は「分巻と直巻の両方の界磁巻線を持っている」ということだけしっかり覚えといてな。

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複巻機の基本を確認するで!

🧠 問題3(15点)

複巻直流機の界磁巻線の構成として正しいものはどれか。

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複巻機のポイントをもう一回確認しよか。

「複巻」の「複」は「複数」の意味や。分巻巻線(並列)と直巻巻線(直列)の2種類を組み合わせたのが複巻機やで。同じ種類を2つ持つんやなくて、違う種類を1つずつ持ってるんやな。

🔄 確認問題(5点)

複巻機が分巻と直巻の両方の巻線を持つ理由は?

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ナイス!ほな少し先取りした問題を出すで。

🔥 発展問題(15点)

複巻発電機において、直巻界磁巻線が「負荷の増加による端子電圧の低下を補償する」ように作用する接続方式を何というか。

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ここまでで自励式の3種類を全部学んだな。ここで一回、3つを並べて比較しとこか。

電験の問題では「分巻・直巻・複巻の違いを答えよ」みたいな問題がよく出るから、ここで整理しとくのがめっちゃ大事やで。

分巻 直巻 複巻
英語名 Shunt Series Compound
界磁の接続 並列 直列 並列+直列
界磁巻線 細線・多巻数 太線・少巻数 両方あり
界磁抵抗 大きい 小さい (両方)
電流の関係 \( I_a = I_f + I_L \) \( I_a = I_f = I_L \) \( I_a = I_f + I_L \)
磁束の変化 ほぼ一定 負荷で変化 やや安定
速度特性 定速度 変速度 中間

この表の中で特に覚えてほしいのは、電流の関係式界磁巻線の接続方法の2つや。この2つさえ覚えておけば、あとは論理的に導き出せるからな。

たとえば、「分巻は並列接続 → 端子電圧がかかる → 抵抗を大きくしないと大電流が流れる → 細い線で多巻数」という風に、接続方法から他の特徴を全部導けるんや。

3つの自励式を水道に例えてみよか。

分巻:メインの水道管(電機子)から、細い分岐管で庭の水撒き(界磁)に少量の水を分ける感じ

直巻:水道管が1本だけで、全部の水がそのまま庭のホースにも通る感じ

複巻:メインの管から分岐管で少量、さらに直列のホースでも水を使う、両方使い

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3つの自励式の回路的な違いはわかったな。ほな、実際にどんな用途で使い分けるかも見とこか。これも電験で出ることがあるで。

まず分巻機。磁束が安定してるから、速度を一定に保ちたい用途に向いてる。具体的には、工作機械(旋盤やフライス盤)、コンベヤ、ポンプなんかやな。一定の速度で安定して回り続けてほしい機械に使われるんや。

次に直巻機。こいつは負荷が大きいときに大きなトルクを出せるのが特徴や。始動トルクが特に大きい。せやから、電車・電気機関車、クレーン、エレベーターみたいに、「重いものを動かし始める」場面で大活躍するんや。電車が発進するとき、めっちゃ力が要るやろ?そこで直巻電動機の出番や。

最後に複巻機。分巻と直巻のええとこを組み合わせてるから、電圧や速度の安定性が必要で、かつ負荷変動にも対応したい場面で使われる。発電機としてはバッテリーの充電用、電動機としてはプレス機械、圧延機なんかに使われるで。

📌 自励式の用途まとめ

分巻:定速度が必要 → 工作機械、コンベヤ、ポンプ

直巻:大始動トルクが必要 → 電車、クレーン、エレベーター

複巻:安定性+負荷対応 → 充電用発電機、圧延機

特に「直巻電動機 = 電車」の組み合わせは、電験ではド定番の出題ポイントやから、絶対に覚えとけよ!

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3つの自励式をちゃんと区別できるか、チェックするで!

🧠 問題4(10点)

電気鉄道の主電動機として広く使用されている直流電動機の励磁方式はどれか。

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電車に使われるのは直巻電動機やで。理由は「大きな始動トルクが得られる」からや。

電車は停車状態から何十トンもの車体を動かし始めなあかん。そのとき、めっちゃ大きな力(トルク)が必要やろ?直巻電動機は、電流が大きいとき(=負荷が大きいとき)に磁束も大きくなるから、トルクがものすごく大きくなるんや。

🔄 確認問題(5点)

直巻電動機の始動トルクが大きい理由はどれか。

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さすがや!ほな、用途についてもう少し踏み込んだ問題やで。

🔥 発展問題(15点)

一定速度で連続運転する工場の送風機に最も適した直流電動機の励磁方式はどれか。

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次は回路の電流関係の問題や。これは計算問題の基礎になるから、しっかり解けるようになっとこう。

🧠 問題5(20点)

分巻発電機において、負荷電流 \( I_L = 48 \) A、界磁電流 \( I_f = 2 \) A のとき、電機子電流 \( I_a \) はいくらか。

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分巻機の電流の関係を思い出そか。

分巻機では電流が「分かれる」から、電機子電流は負荷電流と界磁電流の合計になるんやったな。

分巻発電機の電流の関係

\( I_a = I_f + I_L = 2 + 48 = 50 \) A

ちなみに、もしこれが直巻機やったら \( I_a = I_f = I_L = 48 \) A になるで。接続方式によって電流の関係が変わるから注意やな。

🔄 確認問題(5点)

直巻発電機で負荷電流が 30 A のとき、界磁電流はいくらか。

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計算力が付いてきたな!ほな、もうちょっと実践的な問題いくで。

🔥 発展問題(20点)

分巻発電機の端子電圧 \( V = 220 \) V、負荷電流 \( I_L = 100 \) A、界磁抵抗 \( R_f = 110 \) Ω のとき、電機子電流 \( I_a \) はいくらか。

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ここからは、自励式ならではの超重要な話題に入るで。

自励式って、「自分の出力で界磁を作る」方式やったな。でもな、ここでちょっと考えてみてくれ。最初は回転してないし、出力もゼロやろ?ほなら、一番最初の磁界はどこから来るんや?

これ、めっちゃいい質問やろ?実はここに自励式の面白い仕組みがあるんや。

答えは「残留磁気」や。鉄心(界磁鉄心)は、一度磁化されると電流を切っても少しだけ磁気が残るんや。これを残留磁気(残留磁束)というで。

自励発電機が起電力を発生させるメカニズムはこうや:

自励発電機の電圧確立プロセス

① 鉄心に残留磁気がわずかに残っている

② 電機子を回転させると、残留磁気による微小な起電力が発生

③ この微小な起電力で界磁巻線に小さな電流が流れる

④ 界磁電流により磁束が強くなる → 起電力が増加

⑤ 起電力が増加 → 界磁電流がさらに増加 → 磁束がさらに強くなる

⑥ この正のフィードバックが繰り返されて、電圧が定常値に達する

つまり、残留磁気が「タネ」になって、そこからどんどん電圧が育っていくイメージやな。これを「電圧の確立」と呼ぶで。

たとえるなら、焚き火と似てるな。最初に小さな火種(残留磁気)があって、それが少しずつ大きくなって(電圧確立)、最終的に安定した焚き火(定常電圧)になる。でも、最初の火種がなかったら、いくら薪を用意しても火はつかんのや。

せやから、残留磁気がなくなってしまうと、自励発電機は電圧を発生できなくなるんや。これが自励式の弱点でもあるわけやな。残留磁気がなくなった場合は、外部から一時的に電流を流して鉄心を磁化し直す(「着磁」という)必要があるで。

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自励発電機が正常に電圧を確立するためには、いくつかの条件を満たす必要があるんや。これを「自励条件」っていうで。

📌 自励発電機の電圧確立条件

条件1:残留磁気が存在すること

条件2:界磁巻線の接続方向が正しいこと(残留磁気を強める方向)

条件3:界磁回路の抵抗が臨界値以下であること

条件4:回転方向が正しいこと

条件2がちょっとわかりにくいかもしれんな。説明するで。

残留磁気によって微小な起電力が発生するやろ。その起電力で界磁巻線に電流が流れるんやけど、この電流が作る磁束の方向が重要なんや。残留磁気と同じ方向の磁束を作らんとアカン。もし逆方向やったら、残留磁気を打ち消してしまって、電圧が確立できへんのや。

もし界磁巻線の接続方向を間違えてしまった場合は、界磁巻線の端子を入れ替えるか、回転方向を逆にすることで解決できるで。

条件3の「臨界抵抗」っていうのは、界磁回路の抵抗がある値を超えると、界磁電流が十分に流れなくなって電圧が確立できなくなる、っていう話や。界磁調整器で抵抗を上げすぎると、この問題が起きるから注意やで。

電験三種では、「自励発電機の電圧が確立しない原因」を問う問題がよく出るから、この4つの条件はしっかり覚えとこう。

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自励条件に関する問題、電験ではめっちゃ出るで!

🧠 問題6(15点)

自励式直流発電機の電圧が確立しない原因として、誤っているものはどれか。

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この問題は「誤っているもの」を選ぶ問題やったで。よく読んでや。

自励条件の4つを思い出そう。残留磁気がないとダメ(①は正しい原因)、接続方向が逆だとダメ(②も正しい原因)。

③の「電機子巻線の抵抗が小さい」は、電圧確立には関係ない。電機子抵抗が小さいのはむしろ普通のことで、問題になるのは界磁回路の抵抗が大きすぎる場合やで。

🔄 確認問題(5点)

自励発電機で残留磁気がなくなった場合、どうすればよいか。

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ナイス正解!ほな、もうちょっと突っ込んだ問題やで。

🔥 発展問題(15点)

分巻発電機で電圧が確立しないとき、原因として最も考えにくいものはどれか。

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ここまでの知識を総合的に問う問題やで。自励式の全体像がつかめてるか確認しよか!

🧠 問題7(20点)

次の記述のうち、正しいものはどれか。

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もう一回確認するで。各選択肢を一つずつ見ていこか。

①「分巻機の界磁巻線は太い線で少巻数」→ これは直巻機の特徴やから間違い。分巻機は細い線で多巻数やで。

②「直巻機では Ia = If = IL」→ これが正解や。直列接続やから電流は全部同じ値になる。

③「複巻機は分巻界磁巻線のみ」→ 複巻機は分巻と直巻の両方を持ってるから間違い。

🔄 確認問題(5点)

分巻機の界磁巻線の特徴はどれか。

発展ルート

よっしゃ!ほな最後の発展問題いくで。

🔥 発展問題(20点)

分巻発電機で、端子電圧 \( V = 200 \) V、界磁抵抗 \( R_f = 50 \) Ω、負荷電流 \( I_L = 40 \) A のとき、電機子電流 \( I_a \) はいくらか。

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最後の問題や!この講座の総まとめとして、しっかり取り組んでくれ!

🧠 問題8(25点)

次の自励式直流機に関する記述のうち、誤っているものはどれか。

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惜しいな!もう一度、直巻電動機の最重要ポイントを確認するで。

直巻電動機は無負荷運転禁止や。無負荷にすると界磁電流がほぼゼロ → 磁束がほぼゼロ → 回転速度が異常に上昇して暴走する危険があるんやったな。

せやから、③の「無負荷でも安全に運転できる」は完全に間違いやで。

🔄 確認問題(5点)

直巻電動機で無負荷運転が危険な理由はどれか。

発展ルート

完璧や!最後の発展問題で仕上げるで!

🔥 発展問題(20点)

分巻発電機において、端子電圧 \( V = 110 \) V、電機子電流 \( I_a = 55 \) A、電機子抵抗 \( R_a = 0.2 \) Ω のとき、誘導起電力 \( E \) はいくらか。

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お疲れさまや!第8講、しっかり学んだな!

今回は自励式の3種類を徹底的にやったで。最後にもう一度、大事なポイントを整理しとこか。

📚 第8講の重要ポイント

分巻機:界磁巻線が並列接続、細線・多巻数・高抵抗、\( I_a = I_f + I_L \)、定速度特性

直巻機:界磁巻線が直列接続、太線・少巻数・低抵抗、\( I_a = I_f = I_L \)、変速度特性、無負荷運転禁止

複巻機:分巻+直巻の両方を持つ、いいとこ取り

自励条件:残留磁気の存在、正しい接続方向、適切な界磁抵抗、正しい回転方向

\( \text{分巻:} I_a = I_f + I_L, \quad I_f = \frac{V}{R_f} \)
分巻機の電流関係(並列なので電流が分かれる)
\( \text{直巻:} I_a = I_f = I_L \)
直巻機の電流関係(直列なので電流はすべて同じ)

この3つの区別は、これから先の講座でも何度も出てくるから、しっかり頭に入れといてな。特に電験三種の試験では、回路図を見て「これは何巻か」を即座に判断する力が求められるで。

🎉 第8講 完了!

今回のスコア 0

📊 学習の記録

    📚 次回予告:第9講「複巻機の詳細」

    次回は複巻機をさらに深掘りするで。和動複巻と差動複巻の違い、長複巻と短複巻の違いなど、複巻機の世界を完全攻略するで!

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