第三種電気主任技術者試験(電験三種)
原子力発電学習ページ

原子力発電はウランなどの核燃料の核分裂反応で発生する膨大な熱エネルギーを利用し、
蒸気タービンを駆動して電気エネルギーを得る発電方式です。
少量の燃料で大量のエネルギーを取り出せる特徴を持ち、
ベースロード電源として電力の安定供給に重要な役割を担っています。

第1節 原子力発電の概要

1. 核分裂の原理

原子力発電は、ウランやプルトニウムなどの重い原子核が中性子を吸収して分裂する「核分裂反応」によって生じる膨大なエネルギーを利用する発電方式です。原子核は陽子と中性子から構成されており、これらを核子と呼びます。ウラン235(235U)の原子核に熱中性子(低速の中性子)が衝突すると、原子核が2つ以上の核分裂片に分裂し、同時に2〜3個の中性子とガンマ線、そして大量のエネルギーが放出されます。

核分裂の代表的な反応式は以下のとおりです。ウラン235が中性子を吸収してウラン236となり、これが不安定な状態から瞬時に分裂します。分裂の仕方は多数ありますが、代表的なものとして、バリウム144とクリプトン89に分裂する場合があります。この反応で放出される中性子が次のウラン235に吸収されることで、連鎖的に核分裂が継続します。これが「核分裂連鎖反応」の基本原理です。

ウラン235の核分裂反応 ²³⁵U ウラン235 n 核分裂 ²³⁶U* 不安定 ¹⁴⁴Ba バリウム144 ⁸⁹Kr クリプトン89 n n n γ線 放出エネルギー 約 200 MeV /1回の核分裂 中性子 核燃料 核分裂片

図1-1 ウラン235の核分裂反応の模式図

核分裂(Nuclear Fission):重い原子核が中性子を吸収して2つ以上の原子核に分裂する現象。核分裂により大量のエネルギーと中性子が放出される。原子力発電の基本原理である。
熱中性子(Thermal Neutron):周囲の物質と熱平衡状態にある低エネルギーの中性子。エネルギーは約0.025eV(常温)で、ウラン235との核分裂反応断面積が大きいため、軽水炉では中性子を減速させて熱中性子として利用する。

2. 質量欠損とエネルギー

核分裂で放出されるエネルギーの源は「質量欠損」にあります。アインシュタインの質量エネルギー等価式 E = mc² により、質量とエネルギーは等価であることが示されています。核分裂反応において、反応前の原子核の質量の合計と反応後の核分裂片・中性子等の質量の合計を比較すると、反応後の方がわずかに軽くなります。この質量の差が「質量欠損」であり、この失われた質量に相当するエネルギーが核分裂エネルギーとして放出されるのです。

アインシュタインの質量エネルギー等価式 \begin{align} E &= mc^2 \\[5pt] E &= \Delta m \times c^2 \end{align}

ここで、E:エネルギー[J]、m:質量[kg]、Δm:質量欠損[kg]、c:光速(2.998×10⁸ m/s)

ウラン235の核分裂1回あたり約200MeV(メガ電子ボルト)のエネルギーが放出されます。この値は化学反応(例えば石炭の燃焼では1原子あたり約4eV)と比較すると、約5,000万倍という桁違いの大きさです。これが「少量の燃料で膨大なエネルギーを取り出せる」原子力発電の最大の利点の根拠です。ウラン1gの核分裂で得られるエネルギーは、石炭約3トンの燃焼エネルギーに相当します。

200MeVのエネルギーの内訳は、核分裂片の運動エネルギーが約168MeV(約84%)と大部分を占め、これが炉心内で熱に変換されます。その他、中性子の運動エネルギー約5MeV、ガンマ線約7MeV、ベータ崩壊エネルギー約8MeV、ニュートリノ約12MeV(回収不能)などです。実質的に利用可能なエネルギーは約190MeV程度となります。

核分裂エネルギーの計算 \begin{align} 1 \text{ eV} &= 1.602 \times 10^{-19} \text{ J} \\[5pt] 1 \text{ MeV} &= 1.602 \times 10^{-13} \text{ J} \\[5pt] 200 \text{ MeV} &= 200 \times 1.602 \times 10^{-13} = 3.204 \times 10^{-11} \text{ J} \end{align}

ウラン235 1gに含まれる原子数:N = N_A / M = 6.022×10²³ / 235 ≒ 2.56×10²¹ 個

\begin{align} E_{1g} &= 2.56 \times 10^{21} \times 3.204 \times 10^{-11} \\[5pt] &= 8.20 \times 10^{10} \text{ J} \approx 82 \text{ GJ} \approx 22{,}800 \text{ kWh} \end{align}
例題1:質量欠損とエネルギー
ウラン235の核分裂1回あたりの質量欠損を求めよ。ただし、放出エネルギーは200MeVとする。

解答:

\begin{align} \Delta m &= \frac{E}{c^2} = \frac{200 \times 1.602 \times 10^{-13}}{(2.998 \times 10^8)^2} \\[5pt] &= \frac{3.204 \times 10^{-11}}{8.988 \times 10^{16}} \\[5pt] &= 3.564 \times 10^{-28} \text{ kg} \approx \textbf{0.215 u} \end{align}

(u:原子質量単位、1u = 1.661×10⁻²⁷ kg)
ウラン235の質量の約0.09%が質量欠損としてエネルギーに変換される。

質量欠損の計算ポイント
  • 1u(原子質量単位)= 931.5 MeV の関係を覚えておくと換算が容易
  • 質量欠損 Δm [u] × 931.5 = 放出エネルギー [MeV]
  • ウラン1gの核分裂エネルギー ≒ 石炭3tの燃焼エネルギー
  • 核分裂1回あたり約200MeV、中性子2〜3個を放出

3. 原子力発電の基本的な仕組み

原子力発電の基本的な仕組みは、核分裂反応で発生する熱エネルギーで蒸気を発生させ、蒸気タービンを回転させて発電機で電気エネルギーに変換するものです。エネルギー変換の流れは、核エネルギー→熱エネルギー→運動エネルギー(蒸気)→回転エネルギー(タービン)→電気エネルギー(発電機)となります。蒸気タービン以降の発電過程は、火力発電と同様の原理です。

核エネルギー (核分裂) 熱エネルギー (原子炉) 運動エネルギー (蒸気) 回転エネルギー (タービン) 電気エネルギー (発電機) 原子力発電のエネルギー変換過程 蒸気タービン以降は火力発電と同様の原理 総合熱効率(軽水炉):約 33〜34%

図1-2 原子力発電のエネルギー変換過程

原子力発電の熱効率は軽水炉の場合約33〜34%であり、火力発電(約40〜63%)と比較して低い値です。これは、軽水炉の蒸気条件が温度約280℃、圧力約7MPa(BWRの場合)と、火力発電の超臨界圧条件(600℃、25MPa以上)と比べて低いためです。蒸気条件が低い理由は、核燃料の被覆管材料(ジルコニウム合金)の耐熱温度に制約があるためです。

原子力発電と火力発電の比較
  • 共通点:蒸気タービンで発電機を駆動する点は同じ
  • 熱源の違い:火力=化石燃料の燃焼、原子力=核分裂反応
  • 蒸気条件:原子力は火力より低温低圧(材料の制約)
  • 熱効率:原子力 約33%、火力(USC) 約43%、火力(CC) 約60%以上
  • CO₂排出:原子力は発電時にCO₂をほとんど排出しない
  • 燃料消費量:原子力はきわめて少量(ウラン1g≒石炭3t)

4. 原子力発電の特徴と役割

原子力発電は、少量の核燃料で長期間にわたって大量の電力を安定的に供給できるベースロード電源としての役割を持っています。出力100万kW級の原子力発電所では、約13ヶ月の連続運転(1サイクル)が可能であり、その間の設備利用率は70〜90%程度です。核燃料の交換は13〜18ヶ月ごとに定期検査と併せて行われ、炉心の約1/3〜1/4の燃料集合体が新燃料に交換されます。

経済的特徴として、原子力発電は建設費(資本費)が非常に大きい一方、燃料費は極めて小さいという特徴があります。発電コストに占める燃料費の割合は約10〜20%程度であり、石油やLNGの価格変動の影響を受けにくい安定した電源です。ただし、安全対策費、廃炉費用、使用済燃料の再処理・処分費用など、いわゆるバックエンドコストを含めた総合的な経済性評価が重要です。

環境面では、発電時にCO₂をほとんど排出しないことが最大の利点です。ライフサイクル全体(建設、燃料製造、運転、廃炉)のCO₂排出量で見ても、再生可能エネルギーと同程度の低い水準です。一方、放射性廃棄物の処理・処分、万一の事故時のリスク、核不拡散の観点からの国際的管理など、固有の課題も存在します。

原子力発電の主な特徴
  • 燃料の高エネルギー密度:ウラン1g ≒ 石炭3t ≒ 石油2,000L相当
  • ベースロード電源:長期連続運転が可能で出力が安定
  • CO₂排出:発電時はほぼゼロ、ライフサイクルでも極めて少ない
  • エネルギー安全保障:少量の燃料で長期運転、備蓄が容易
  • 課題:安全性確保、放射性廃棄物処分、社会的受容性

第2節 原子炉の種類

1. 沸騰水型原子炉(BWR)

沸騰水型原子炉(BWR:Boiling Water Reactor)は、原子炉圧力容器内で冷却水(軽水)を直接沸騰させて蒸気を発生させ、この蒸気でタービンを駆動する方式です。冷却材と減速材を兼ねた軽水が原子炉圧力容器の下部から炉心に流入し、核分裂による熱で加熱されて蒸気となります。蒸気は圧力容器上部の気水分離器・蒸気乾燥器を通って湿分を除去された後、直接タービンに送られます。タービンを通過した蒸気は復水器で凝縮されて水に戻り、給水ポンプで再び原子炉に送られる循環系統を形成します。

BWRの運転条件は、原子炉圧力が約7MPa、冷却材温度が入口約215℃・出口約286℃、炉心出口での蒸気の質量割合(クオリティ)が約14%です。BWRでは原子炉で発生した蒸気が直接タービンに導かれるため、タービン系統は放射性物質を含む蒸気が流れる「放射線管理区域」となります。このため、タービン建屋内での保守作業には放射線防護上の配慮が必要です。

沸騰水型原子炉(BWR)の系統概要 原子炉格納容器 原子炉 圧力容器 炉心 (燃料集合体) 制御棒(下部挿入) 気水分離器 蒸気 T G 復水器 (コンデンサ) 海水冷却 P 給水ポンプ 給水 電力 BWRの特徴 蒸気が直接タービンへ (直接サイクル)

図2-1 沸騰水型原子炉(BWR)の系統概要図

BWRの主な特徴
  • 直接サイクル:原子炉で発生した蒸気が直接タービンへ送られる
  • 運転圧力:約7MPa、蒸気温度約286℃
  • 制御棒:炉心下部から挿入(十字形)
  • 蒸気発生器:不要(PWRとの構成上の最大の違い)
  • タービン建屋:放射性蒸気が直接流入するため管理区域
  • 出力調整:制御棒および再循環流量制御

2. 加圧水型原子炉(PWR)

加圧水型原子炉(PWR:Pressurized Water Reactor)は、原子炉内の冷却水を高い圧力で加圧して沸騰を抑え、高温の加圧水として蒸気発生器に送り、蒸気発生器の二次側で蒸気を発生させる方式です。原子炉を通過する一次冷却材は約15.5MPaの高圧に保たれ、入口温度約289℃、出口温度約325℃で循環します。この一次冷却材は蒸気発生器内の伝熱管を通り、管外側の二次冷却水に熱を伝達します。二次側の水は約6〜7MPaで蒸気となり、タービンを駆動します。

PWRの最大の特徴は、放射性物質を含む一次冷却系と、タービンを駆動する二次冷却系が蒸気発生器を介して完全に分離されている点です。これにより、タービン系統には放射性物質がほとんど含まれず、タービン建屋の保守作業が容易になります。一方、蒸気発生器という大型の熱交換器が必要となるため、系統が複雑になり建設コストが若干高くなる傾向があります。

加圧水型原子炉(PWR)の系統概要 原子炉格納容器 原子炉 圧力容器 炉心 (燃料集合体) 制御棒(上部挿入) 加圧器 15.5MPa維持 P 一次冷却材ポンプ 蒸気 発生器 (SG) 高温側 325℃ 低温側 289℃ 一次系 蒸気 二次系 T G 電力 復水器 (コンデンサ) P 給水ポンプ 給水 PWRの特徴 一次系と二次系が分離 (間接サイクル)

図2-2 加圧水型原子炉(PWR)の系統概要図

PWRの主な特徴
  • 間接サイクル:蒸気発生器で一次系と二次系を分離
  • 一次冷却材圧力:約15.5MPa(加圧器で制御)
  • 蒸気条件:二次側で約6〜7MPa、飽和蒸気
  • 制御棒:炉心上部から挿入(クラスタ型)
  • タービン建屋:二次系のため放射性物質なし(非管理区域)
  • 化学シム制御:一次冷却材中のホウ酸濃度で反応度を調整

3. BWRとPWRの比較

BWRとPWRは、いずれも軽水(普通の水)を冷却材および中性子減速材として使用する「軽水炉」に分類されます。日本の商用原子力発電所はすべて軽水炉であり、BWRとPWRがほぼ同数設置されています。両者の最も根本的な違いは蒸気発生の方式にあり、BWRは原子炉内で直接蒸気を発生させる「直接サイクル」、PWRは蒸気発生器を介する「間接サイクル」を採用しています。

項目 BWR(沸騰水型) PWR(加圧水型)
蒸気発生方式 直接サイクル(炉内で沸騰) 間接サイクル(SG使用)
原子炉圧力 約7 MPa 約15.5 MPa
冷却材温度(出口) 約286℃ 約325℃
蒸気発生器 不要 必要
加圧器 不要 必要(圧力制御)
制御棒挿入方向 下部から上方へ挿入 上部から下方へ挿入
出力調整法 制御棒+再循環流量 制御棒+ホウ酸濃度
タービン系の放射性 あり(管理区域) ほぼなし(非管理区域)
燃料集合体 チャンネルボックスあり チャンネルボックスなし
代表的メーカー GE、日立、東芝 WH、三菱重工
BWRとPWRの違いは頻出事項
  • BWRの制御棒は下部から挿入(重力で落下できない→スクラム時は水圧駆動)
  • PWRの制御棒は上部から挿入(重力で落下→スクラム時に有利)
  • PWRの加圧器はヒータとスプレイで一次系圧力を一定に維持する装置
  • BWRには再循環ポンプがあり、流量制御で出力を調整する
  • PWRではホウ酸(中性子吸収材)濃度を変えて長期的な反応度制御を行う

4. その他の原子炉(高速増殖炉・ガス炉・重水炉)

軽水炉以外にも、さまざまな型式の原子炉が開発されています。高速増殖炉(FBR:Fast Breeder Reactor)は、高速中性子を利用して核分裂反応を起こすとともに、炉心周辺のブランケットに配置したウラン238にプルトニウム239を生成させる原子炉です。消費した以上の核燃料を生産できることから「増殖炉」と呼ばれます。冷却材には中性子を減速させにくい液体ナトリウムが使用されます。日本では「もんじゅ」が建設されましたが、ナトリウム漏れ事故等を経て2016年に廃炉が決定しました。

重水炉(HWR:Heavy Water Reactor)は、重水(D₂O)を減速材として使用する原子炉です。重水は軽水に比べて中性子吸収断面積が小さいため、天然ウラン(濃縮なし)を燃料として使用できる利点があります。カナダのCANDU炉が代表的です。黒鉛減速炉は、黒鉛(炭素)を減速材として使用するもので、英国のマグノックス炉やAGR、旧ソ連のRBMK型が該当します。チェルノブイリ原発事故を起こしたのはRBMK型炉です。

ガス冷却炉(GCR:Gas Cooled Reactor)は、冷却材にCO₂ガスやヘリウムガスを使用する原子炉です。高温ガス炉(HTGR)はヘリウムを冷却材とし、炉心出口温度700〜950℃の高温が得られるため、発電効率が高く、水素製造などの産業利用も期待されています。日本のJAEAでは高温工学試験研究炉(HTTR)が運転されています。

炉型 減速材 冷却材 燃料 特徴
軽水炉(BWR/PWR) 軽水 軽水 低濃縮UO₂ 世界の主流、実績豊富
重水炉(CANDU) 重水 重水/軽水 天然UO₂ 濃縮不要、運転中燃料交換可
高速増殖炉(FBR) なし(高速中性子) 液体Na MOX 増殖比>1、Pu生産
黒鉛減速炉 黒鉛 CO₂/He 天然U/低濃縮U 英国AGR、旧ソ連RBMK
高温ガス炉(HTGR) 黒鉛 He 被覆粒子燃料 高温出力、水素製造可能
原子炉の分類と要点
  • 日本の商用炉はすべて軽水炉(BWRとPWR)
  • 軽水炉は軽水が冷却材と減速材の両方を兼ねる
  • 高速炉は減速材を用いず、高速中性子で核分裂を起こす
  • 重水炉は天然ウラン(濃縮不要)が使用できる
  • 高温ガス炉は高い炉出口温度により高効率発電と水素製造が可能

第3節 核燃料と核分裂反応

1. ウラン燃料と濃縮

原子力発電の燃料となるウランは、天然に存在する放射性元素です。天然ウランは、核分裂しやすいウラン235(235U)が約0.7%、核分裂しにくいウラン238(238U)が約99.3%の割合で存在しています。軽水炉で使用するためには、ウラン235の割合を3〜5%程度に高める「濃縮」が必要です。この過程をウラン濃縮と呼び、現在の主流は遠心分離法です。

ウラン燃料の製造過程は、ウラン鉱石の採掘→精錬(イエローケーキ:U₃O₈の製造)→転換(六フッ化ウラン:UF₆への変換)→濃縮(遠心分離法等でU-235を3〜5%に)→再転換(UO₂粉末への変換)→成型加工(ペレット成型・燃料棒・燃料集合体の製造)の順で行われます。最終的な燃料形態は、UO₂(二酸化ウラン)を円筒形に焼き固めたペレットで、直径約10mm、高さ約10mmの小さな円柱です。

核燃料の構造(ペレット→燃料棒→燃料集合体) UO₂ ペレット φ約10mm、h約10mm 被覆管(ジルカロイ) 燃料棒 長さ約4m チャンネルボックス(BWR) 燃料集合体(断面図) 燃料棒 ウォーターロッド 代表値(BWR) 燃料棒数:約60〜74本 集合体数:約400〜800体 濃縮度:約3〜5% 燃料全長:約4m

図3-1 核燃料の構造(ペレットから燃料集合体まで)

ウラン濃縮(Uranium Enrichment):天然ウラン中のU-235の割合(0.7%)を、軽水炉で使用可能な3〜5%に高める工程。主な方法は遠心分離法で、UF₆ガスの質量差を利用して分離する。
被覆管(Cladding Tube):UO₂ペレットを密封するジルコニウム合金製の管。中性子吸収断面積が小さく耐食性に優れ、核分裂生成物の炉内放出を防止する第一の障壁。

2. 核分裂連鎖反応

核分裂連鎖反応とは、核分裂で放出された中性子が次の核分裂を引き起こし、連続的に繰り返される反応です。ウラン235の核分裂1回で平均2.5個の中性子が放出されますが、一部は漏洩し、一部はウラン238等に吸収されます。連鎖反応の持続状態を表す指標として実効増倍率 keffがあり、keff = 1(臨界)で一定出力運転が行われます。

実効増倍率と臨界状態 未臨界 k_eff < 1 連鎖反応が減衰 原子炉停止時 臨界 k_eff = 1 連鎖反応が一定 通常運転時 超臨界 k_eff > 1 連鎖反応が増大 出力上昇操作時 ※通常運転では k_eff = 1(臨界)を精密に維持する

図3-2 実効増倍率と臨界状態の関係

実効増倍率と反応度 \begin{align} k_{eff} &= \frac{\text{ある世代の核分裂数}}{\text{前の世代の核分裂数}} \\[8pt] \rho &= \frac{k_{eff} - 1}{k_{eff}} = 1 - \frac{1}{k_{eff}} \end{align}

k_eff = 1 → ρ = 0(臨界)、k_eff > 1 → ρ > 0(超臨界)、k_eff < 1 → ρ < 0(未臨界)

3. 中性子の減速と臨界

核分裂で放出される中性子は約2MeVの高エネルギー(高速中性子)を持ちますが、ウラン235が核分裂しやすいのは約0.025eVの熱中性子です。軽水中の水素原子との弾性衝突で減速され、約18回の衝突で熱中性子になります。

四因子公式と実効増倍率 \begin{align} k_{\infty} &= \eta \cdot f \cdot p \cdot \varepsilon \\[8pt] k_{eff} &= k_{\infty} \cdot P_{f} \cdot P_{th} \end{align}

η(再生率):燃料に吸収された中性子1個あたりの核分裂中性子数  f(熱中性子利用率):熱中性子が燃料に吸収される割合
p(共鳴逸脱確率):U-238の共鳴吸収を逃れる確率  ε(速中性子核分裂係数):高速中性子によるU-238核分裂の寄与
P_f, P_th:速中性子・熱中性子の非漏洩確率

四因子公式の出題ポイント
  • 四因子は η、f、p、ε の4つ
  • 制御棒挿入 → f が減少 → k_eff 低下
  • 冷却材温度上昇 → 減速材密度低下 → 負の反応度(軽水炉の自己制御性)
  • 燃焼が進むと → U-235減少、FP蓄積 → 反応度低下(燃焼度効果)

4. 核燃料サイクル

核燃料サイクルとは、ウランの採掘から使用済燃料の再処理・廃棄物処分までの一連の流れです。使用済燃料には燃え残りのU-235(約1%)、新たに生成されたPu(約1%)、核分裂生成物(FP:約3〜5%)が含まれます。再処理してUとPuを回収しMOX燃料として再利用する「クローズドサイクル」と、そのまま廃棄する「ワンススルー」があります。

核燃料サイクルの概要 ウラン採掘 精錬 濃縮 (遠心分離法) 成型加工 (燃料集合体) 原子力 発電所 使用済燃料 中間貯蔵 再処理工場 (U, Pu回収) MOX燃料加工 プルサーマル 高レベル 放射性廃棄物 地層処分 (地下300m以深) ※日本はクローズドサイクル(再処理路線)を基本方針としている

図3-3 核燃料サイクルの概要

核燃料サイクルの要点
  • ウラン濃縮:天然U(U-235:0.7%)→ 低濃縮U(3〜5%)
  • 使用済燃料:U-235約1%、Pu約1%、FP約3〜5%、U-238約93〜95%
  • 再処理:UとPuを化学的に分離回収(PUREX法)
  • MOX燃料:UO₂とPuO₂の混合酸化物。軽水炉利用がプルサーマル
  • 高レベル廃棄物:ガラス固化体にして地層処分が基本方針

第4節 原子炉の構造と機器

1. 原子炉圧力容器

原子炉圧力容器(RPV)は、炉心、制御棒、炉内構造物を収容し、高温高圧の冷却材を保持する鋼製の容器です。BWRでは約7MPa、PWRでは約15.5MPaの圧力に耐える構造が求められ、材質は低合金鋼に内面ステンレスクラッドが施されています。中性子照射脆化による経年劣化の監視が重要な管理項目です。

2. 蒸気発生器(PWR)

蒸気発生器(SG)はPWR特有の大型熱交換器で、逆U字型の伝熱管(数千本)を通じて一次冷却材の熱を二次冷却水に伝達します。伝熱管材質は応力腐食割れ対策としてインコネル690が使用されています。蒸気発生器の健全性は、伝熱管破損が一次系から二次系への放射性物質漏洩に直結するため極めて重要です。

PWR蒸気発生器の構造(概略) 蒸気乾燥器・気水分離器 蒸気出口 逆U字型伝熱管 (数千本) 管板 入口 325℃ 出口 289℃ 一次冷却材側(放射性) 二次冷却水 管外側で蒸気化

図4-1 PWR蒸気発生器の構造概略

3. 原子炉格納容器

原子炉格納容器(CV)は、原子炉圧力容器や一次冷却系配管を収納する気密性の高い大型容器で、冷却材喪失事故(LOCA)時に放射性物質の外部放出を防止する役割を果たします。BWRはドライウェルとウェットウェル(圧力抑制室)で構成され、PWRは大型鋼製ドーム型が一般的です。

放射性物質を閉じ込める多重障壁(五重の壁) ⑤ 原子炉建屋 ④ 原子炉格納容器 ③ 原子炉圧力容器 ② 燃料被覆管 ① UO₂ペレット 五重の障壁 ① ペレット自体がFPを保持 ② 被覆管がFP漏洩を防止 ③ 圧力容器が冷却材を保持 ④ 格納容器が放射性物質を閉込め ⑤ 原子炉建屋が外部を遮蔽

図4-2 放射性物質を閉じ込める多重障壁の概念

多重障壁(五重の壁)と試験対策
  • 第1障壁:UO₂ペレット(FPを内部保持)
  • 第2障壁:被覆管(ジルカロイ)
  • 第3障壁:原子炉圧力容器
  • 第4障壁:原子炉格納容器
  • 第5障壁:原子炉建屋
  • 試験では「五重の壁」の順序と各障壁の役割が問われる

4. 主要補機と系統

化学体積制御系(CVCS)はPWR特有で、一次冷却材中のホウ酸濃度調整による反応度制御と冷却材浄化を行います。残留熱除去系(RHR)は停止後の崩壊熱除去、使用済燃料プールは取出し後の燃料を水中冷却・貯蔵する設備です。

崩壊熱の出題ポイント
  • 停止直後の崩壊熱:定格出力の約7%(100万kW炉で約7万kW)
  • 停止後1日で約1%、1ヶ月で約0.1%まで低下
  • 停止後も継続冷却が必須(冷却喪失→炉心損傷の可能性)
  • 崩壊熱の源:核分裂生成物のβ崩壊・γ崩壊

第5節 原子炉の制御と安全装置

1. 反応度と反応度制御

原子炉の運転において、核分裂連鎖反応を安全かつ安定的に維持するためには、反応度を精密に制御する必要があります。反応度ρは実効増倍率keffからρ = (keff - 1)/keff で定義されます。反応度がゼロ(keff = 1)の状態が臨界であり、原子炉の通常運転はこの状態で行われます。出力を上昇させるときは一時的に正の反応度を加え(超臨界)、所定の出力に達したら再び臨界状態に戻します。

原子炉の反応度に影響を与える要因として、燃料の燃焼(U-235の減少とFPの蓄積)、核分裂生成物による中性子吸収(特にキセノン135とサマリウム149)、冷却材温度の変化、制御棒の挿入・引抜き、ホウ酸濃度の変化(PWR)などがあります。特にキセノン135は中性子吸収断面積が非常に大きく(約2.6×10⁶バーン)、出力変動後の反応度変化に大きな影響を及ぼします。

キセノン(Xe-135)効果:核分裂生成物であるキセノン135は巨大な中性子吸収断面積を持ち、原子炉の反応度に大きな影響を与える。出力低下後にXe-135が蓄積し(ヨウ素ピット)、一時的に臨界に達することが困難になる現象が生じる。出力変動後の反応度管理において最も重要な因子。
反応度の単位と換算 \begin{align} \rho &= \frac{k_{eff} - 1}{k_{eff}} \quad [\text{Δk/k}] \\[8pt] 1\% \Delta k/k &= 1000 \text{ pcm} = 10^{-2} \\[5pt] 1 \text{ dollar} &= \beta_{eff} \approx 0.0065 \quad (\text{U-235の場合}) \end{align}

βeff:実効遅発中性子割合。反応度がβeffを超える(1ドルを超える)と即発臨界となり制御困難に。

2. 制御棒と化学シム制御

制御棒は、中性子吸収材を棒状に成形した炉心の反応度制御装置で、原子炉の出力調整と緊急停止(スクラム)に使用されます。制御棒の材料には、ハフニウム(Hf)、銀-インジウム-カドミウム合金(Ag-In-Cd)、炭化ホウ素(B₄C)などの中性子吸収材が用いられます。BWRでは十字形の制御棒が炉心下部から水圧駆動で挿入され、PWRではクラスタ型の制御棒が炉心上部から電磁石保持・重力落下方式で挿入されます。

化学シム制御はPWR特有の反応度制御方式で、一次冷却材中に溶解したホウ酸(H₃BO₃)の濃度を調整することで反応度を制御します。ホウ素(B-10)は中性子吸収断面積が大きいため、ホウ酸濃度を高くすると反応度が低下し、薄くすると反応度が上昇します。この方式は燃焼に伴う長期的な反応度変化の補償に適しており、制御棒と組み合わせて使用されます。

制御棒の挿入方向の比較 BWR 圧力容器 炉心 下部から挿入(水圧駆動) 十字形制御棒・B₄C PWR 圧力容器 炉心 上部から挿入(重力落下) クラスタ型・Ag-In-Cd スクラム時 BWR: 水圧で押し上げ PWR: 重力で落下 → PWRの方がフェイルセーフ

図5-1 BWRとPWRの制御棒挿入方向の比較

反応度制御のまとめ
  • 制御棒:短時間の反応度調整、緊急停止(スクラム)に使用
  • 化学シム(PWR):ホウ酸濃度調整による長期的な反応度補償
  • 可燃性毒物:ガドリニア(Gd₂O₃)等を燃料に混入、初期余剰反応度を抑制
  • 再循環流量制御(BWR):冷却材流量変更によるボイド率制御で出力調整

3. 非常用炉心冷却装置(ECCS)

非常用炉心冷却装置(ECCS:Emergency Core Cooling System)は、冷却材喪失事故(LOCA:Loss of Coolant Accident)発生時に、原子炉炉心に冷却水を注入して炉心の冠水を維持し、燃料の過熱・損傷を防止するための安全系統です。ECCSは原子力発電所の安全設計において最も重要な工学的安全施設の一つです。

BWRのECCSは、高圧炉心スプレイ系(HPCS)低圧炉心スプレイ系(LPCS)低圧注水系(LPCI)自動減圧系(ADS)で構成されます。高圧系は原子炉圧力が高い状態でも注水が可能で、低圧系は圧力低下後に大量の冷却水を注入します。自動減圧系は高圧系が故障した場合に逃がし安全弁を開放して圧力を低下させ、低圧系による注水を可能にします。

PWRのECCSは、蓄圧注入系(ACC)高圧注入系(HHSI)低圧注入系(LHSI)で構成されます。蓄圧注入系は窒素ガスで加圧されたタンク内の冷却水を、原子炉圧力低下時に自動的に注入する受動的安全系統(動力源不要)です。

ECCSの構成(BWR/PWR)
  • BWR:高圧炉心スプレイ(HPCS)+低圧炉心スプレイ(LPCS)+低圧注水(LPCI)+自動減圧系(ADS)
  • PWR:蓄圧注入系(ACC:受動的)+高圧注入系(HHSI)+低圧注入系(LHSI)
  • ECCSは単一故障基準を満たすよう冗長性が確保されている
  • いずれの系統もLOCA時に炉心を冠水状態に維持することが目的

4. 多重防護(深層防護)の考え方

原子力発電所の安全設計は、深層防護(Defense in Depth)の考え方に基づいています。これは、単一の防護手段に依存せず、複数の独立した防護層を設けることで、仮にある防護層が機能しなくても次の防護層が安全を確保するという多重防護の思想です。IAEAが提唱する深層防護は5つのレベルで構成されます。

深層防護(Defense in Depth)の5段階 第1層 異常の発生防止 高品質な設計 建設・運転管理 安全文化の醸成 第2層 異常の拡大防止 異常検知・制御 自動停止系 固有安全性の活用 第3層 事故の影響緩和 ECCS 格納容器 工学的安全施設 第4層 シビアアクシデント対策 炉心損傷後の管理 格納容器ベント AM(事故管理) 第5層 防災対策 住民避難 除染 オフサイト対応 原子炉の固有安全性(自己制御性) 軽水炉は以下の負のフィードバック特性を持つ: ■ 負の減速材温度係数:冷却材温度上昇→密度低下→減速効果低下→出力低下 ■ 負の燃料温度係数(ドップラー係数):燃料温度上昇→U-238の共鳴吸収増大→出力低下 ■ 負のボイド係数(BWR):ボイド増加→減速効果低下→出力低下

図5-2 深層防護の5段階と原子炉の固有安全性

安全装置と安全設計の出題ポイント
  • 単一故障基準:安全系統は1つの機器が故障しても機能を維持できる冗長設計
  • フェイルセーフ:故障や異常時に安全側に動作する設計(例:PWR制御棒の重力落下)
  • インターロック:誤操作防止のための連動装置
  • 負の反応度係数:軽水炉の自己制御性の根拠、温度上昇で出力低下
  • スクラム(緊急停止):全制御棒を急速挿入して原子炉を即座に停止

第6節 放射線管理と廃棄物処理

1. 放射線の種類と性質

原子力発電に関連する放射線には、α線、β線、γ線、中性子線の4種類があります。α線はヘリウムの原子核(陽子2個+中性子2個)で、電離作用が大きいが透過力は小さく、紙1枚で遮蔽できます。β線は電子の流れで、α線より透過力が大きくアルミニウム板数mm程度で遮蔽されます。γ線は電磁波(光子)で透過力が大きく、鉛やコンクリートなど密度の高い物質で遮蔽します。中性子線は電荷を持たない粒子で、水やコンクリートなど水素を多く含む物質で減速・遮蔽します。

放射線の種類と遮蔽 放射性 物質 α線 He原子核 β線 電子 γ線 電磁波 中性子線 中性子 Al板 水/コンクリート × × × ×

図6-1 放射線の種類と遮蔽物の関係

2. 放射線の単位と被ばく管理

放射線に関する主要な物理量と単位は以下のとおりです。放射能の単位はベクレル(Bq)で、1秒間に崩壊する原子核の数を表します。吸収線量の単位はグレイ(Gy)で、物質1kgあたりに吸収される放射線エネルギー(1Gy = 1J/kg)です。等価線量実効線量の単位はシーベルト(Sv)で、放射線の人体への影響を評価する指標です。等価線量は吸収線量に放射線加重係数を掛けたもので、実効線量はさらに組織加重係数を考慮したものです。

物理量 SI単位 旧単位 換算 意味
放射能 Bq(ベクレル) Ci(キュリー) 1 Ci = 3.7×10¹⁰ Bq 1秒間の崩壊数
吸収線量 Gy(グレイ) rad(ラド) 1 Gy = 100 rad 1kgあたりの吸収エネルギー
等価線量 Sv(シーベルト) rem(レム) 1 Sv = 100 rem 放射線の生体影響
照射線量 C/kg R(レントゲン) 1R = 2.58×10⁻⁴ C/kg 空気の電離量
放射線防護の基本計算 \begin{align} H &= D \times w_R \quad \text{(等価線量 = 吸収線量 × 放射線加重係数)} \\[5pt] E &= \sum_{T} w_T \times H_T \quad \text{(実効線量 = 各組織の等価線量の加重合計)} \\[8pt] A(t) &= A_0 \times e^{-\lambda t} = A_0 \times \left(\frac{1}{2}\right)^{t/T_{1/2}} \quad \text{(放射能の減衰)} \\[5pt] T_{1/2} &= \frac{\ln 2}{\lambda} = \frac{0.693}{\lambda} \quad \text{(半減期と崩壊定数の関係)} \end{align}

w_R:放射線加重係数(γ線・β線=1、α線=20、中性子=5〜20)
w_T:組織加重係数(各臓器の放射線感受性に応じた重み付け)

例題2:放射能の半減期計算
ある放射性物質の半減期が8日、初期放射能が100MBqのとき、24日後の放射能を求めよ。

解答:

\begin{align} A(t) &= A_0 \times \left(\frac{1}{2}\right)^{t/T_{1/2}} \\[5pt] &= 100 \times \left(\frac{1}{2}\right)^{24/8} = 100 \times \left(\frac{1}{2}\right)^3 \\[5pt] &= 100 \times \frac{1}{8} = \textbf{12.5 MBq} \end{align}

3. 放射性廃棄物の分類と処理

原子力発電所から発生する放射性廃棄物は、放射能レベルに応じて高レベル放射性廃棄物低レベル放射性廃棄物に大別されます。高レベル放射性廃棄物は、使用済燃料の再処理で発生する廃液をガラス固化したもので、極めて高い放射能を持ちます。ガラス固化体は30〜50年間の冷却貯蔵後、地下300m以深の安定した地層に処分する「地層処分」が基本方針です。

低レベル放射性廃棄物は、放射能濃度に応じてL1(比較的高い)、L2(比較的低い)、L3(極めて低い)に分類されます。L3はトレンチ処分(浅い地中に埋設)、L2はピット処分(コンクリートピットに埋設)、L1は余裕深度処分(地下50〜100m)が計画されています。日本では青森県六ヶ所村の低レベル放射性廃棄物埋設センターでL2の処分が行われています。

放射性廃棄物の分類と処分
  • 高レベル廃棄物:ガラス固化体 → 30〜50年冷却 → 地層処分(地下300m以深)
  • L1廃棄物:放射化金属等 → 余裕深度処分(地下50〜100m)
  • L2廃棄物:濃縮廃液固化体等 → ピット処分
  • L3廃棄物:コンクリート等 → トレンチ処分(浅地中)
  • クリアランス:放射能が十分に低い物は一般廃棄物として処分可能

4. 遮蔽と放射線防護

放射線防護の三原則は、時間(被ばく時間の短縮)、距離(線源からの距離の確保)、遮蔽(適切な遮蔽材の使用)です。放射線の強度は線源からの距離の2乗に反比例します(逆二乗の法則)。γ線の遮蔽には鉛やコンクリートが、中性子線の遮蔽には水やポリエチレンなどの水素含有物質が有効です。

放射線防護の基本計算 \begin{align} I &= \frac{I_0}{r^2} \quad \text{(逆二乗の法則)} \\[8pt] I &= I_0 \times e^{-\mu x} \quad \text{(遮蔽による減衰)} \\[5pt] x_{1/2} &= \frac{\ln 2}{\mu} = \frac{0.693}{\mu} \quad \text{(半価層)} \end{align}

I₀:線源の強さ、r:距離、μ:線減弱係数[1/cm]、x:遮蔽体の厚さ[cm]、x1/2:半価層(線量率を半分にする厚さ)

例題3:遮蔽計算
あるγ線源からの線量率が距離1mで100μSv/hである。(1) 距離3mでの線量率、(2) 距離1mで鉛の半価層が1.5cmのとき、4.5cmの鉛遮蔽後の線量率を求めよ。

解答:

(1) 逆二乗の法則より:
\begin{align} I &= I_0 \times \frac{r_0^2}{r^2} = 100 \times \frac{1^2}{3^2} = 100 \times \frac{1}{9} = \textbf{11.1 μSv/h} \end{align} (2) 4.5cm ÷ 1.5cm = 3半価層分:
\begin{align} I &= 100 \times \left(\frac{1}{2}\right)^3 = 100 \times \frac{1}{8} = \textbf{12.5 μSv/h} \end{align}
放射線管理の出題ポイント
  • 放射線防護の三原則:時間・距離・遮蔽
  • 逆二乗の法則:距離が2倍→線量率は1/4
  • 半価層:遮蔽体を通過するごとに線量率が半分になる厚さ
  • 放射線加重係数:γ線=1、α線=20で覚える
  • 一般公衆の線量限度:年間1mSv(実効線量)
  • 放射線業務従事者の線量限度:5年間で100mSv、かつ1年間で50mSv

第7節 原子力発電の現状と課題

1. 日本の原子力発電の歴史と現状

日本の原子力発電は、1966年に東海発電所(ガス冷却炉、16.6万kW)が営業運転を開始したことに始まります。その後、軽水炉の導入が進み、BWR(福島第一、柏崎刈羽など)とPWR(美浜、大飯、玄海など)がほぼ同数建設されました。2011年3月の福島第一原子力発電所事故以前には、54基の原子力発電所が稼働し、総発電電力量の約30%を担っていました。

2011年3月11日に発生した東日本大震災に伴う津波により、東京電力福島第一原子力発電所で炉心溶融(メルトダウン)を含む重大事故が発生しました。1〜3号機で炉心損傷が生じ、水素爆発により建屋が損壊、大量の放射性物質が環境中に放出されました。この事故を受けて全原発が順次停止し、原子力規制委員会が設置されて新規制基準が制定されました。

日本の原子力発電の推移(概略) 原発の基数・発電比率 1970 1990 2000 2011 2015 2024 10基 40基 54基 54基 福島事故 2基 12基 再稼働 約30% 約7% 発電比率

図7-1 日本の原子力発電の基数と発電比率の推移(概略)

2. 原子力発電の安全規制と新規制基準

福島第一原発事故の教訓を踏まえ、2012年に原子力規制委員会が発足し、2013年7月に新規制基準が施行されました。新規制基準では、従来の設計基準事故への対策に加え、シビアアクシデント(重大事故)対策が義務化されました。主な強化項目として、基準地震動の見直し・引上げ、基準津波の策定、電源喪失対策の強化(移動式発電機・電源車の配備)、冷却機能喪失対策、水素爆発防止対策(静的触媒式水素再結合器等)、格納容器ベント設備(フィルタ付き)の設置、航空機衝突等のテロ対策施設(特定重大事故等対処施設)の設置などが求められています。

新規制基準のもとで、各電力会社は安全対策工事を実施して審査を申請し、合格した発電所から順次再稼働が進められています。原子炉の運転期間は、原則40年とされ、規制委員会の認可を受けた場合に限り最大20年の延長が可能です(合計最長60年)。その後の法改正により、審査等で停止していた期間を除外する制度も導入されました。

新規制基準の主要強化項目
  • 自然災害対策:基準地震動・基準津波の大幅な引上げ
  • 電源対策:外部電源・非常用電源の多重化、電源車・可搬型設備の配備
  • 冷却対策:海水取水の多重化、代替注水設備の配備
  • シビアアクシデント対策:炉心損傷防止、格納容器破損防止
  • 水素爆発防止:静的触媒式水素再結合器(PAR)の設置
  • テロ対策:特定重大事故等対処施設(特重施設)の設置
  • 運転期間:原則40年、最大20年延長(認可制)

3. 廃炉と使用済燃料の課題

原子力発電所の廃炉(デコミッショニング)は、放射性物質で汚染された施設を解体・撤去して更地に戻す作業です。通常の廃炉は20〜30年程度の期間を要し、解体工事、放射性廃棄物の処理・処分、サイト解放の手順で進められます。福島第一原発の廃炉は、溶融した燃料デブリの取出しという前例のない作業を含むため、30〜40年という長期にわたる計画となっています。

使用済燃料の管理は、原子力発電における最大の課題の一つです。日本では、使用済燃料を再処理してウランとプルトニウムを回収するクローズドサイクルを基本方針としていますが、青森県六ヶ所村の再処理工場は竣工が大幅に遅れています。また、高レベル放射性廃棄物の最終処分場(地層処分施設)の立地も未定であり、2020年に北海道の寿都町と神恵内村が文献調査に応募したのが現状です。

4. 次世代原子炉と将来展望

次世代の原子炉として、安全性・経済性の向上を図った小型モジュール炉(SMR:Small Modular Reactor)が世界的に注目されています。SMRは電気出力30万kW以下の小型原子炉で、工場でモジュール製造してサイトに輸送・組立てする方式により建設コストの低減と工期短縮が期待されます。また、受動的安全系を多く取り入れることで安全性の向上も図られています。

その他の先進的原子炉概念として、高温ガス炉(HTGR)は炉心出口温度700〜950℃の高温が得られ、高効率発電に加えて水素製造への利用が期待されています。溶融塩炉(MSR)は核燃料を溶融塩に溶解した液体燃料を使用する方式で、トリウム燃料サイクルへの適用が検討されています。核融合炉は重水素と三重水素の核融合反応を利用するもので、ITER(国際熱核融合実験炉)による研究開発が進められていますが、実用化にはまだ数十年を要すると考えられています。

原子力発電の将来展望まとめ
  • SMR:小型モジュール炉、工場製造、受動的安全性、分散型電源
  • HTGR:高温ガス炉、水素製造、高効率発電、日本のHTTR実績
  • 第4世代炉:ナトリウム冷却高速炉、ガス冷却高速炉、超臨界水冷却炉など
  • 核融合:D-T反応、磁場閉じ込め(ITER)、実用化は2050年代以降
  • 脱炭素電源としての再評価:CO₂排出ゼロの安定電源として国際的に見直し

演習問題

計算問題

問題1:質量欠損とエネルギー
ウラン235が核分裂して200MeVのエネルギーを放出するとき、ウラン235が1g完全に核分裂した場合の発生エネルギー[kWh]を求めよ。ただし、アボガドロ数N_A = 6.02×10²³、1eV = 1.602×10⁻¹⁹ Jとする。

解答:

ウラン235 1gに含まれる原子数:
\begin{align} N &= \frac{N_A}{M} = \frac{6.02 \times 10^{23}}{235} = 2.56 \times 10^{21} \text{ 個} \end{align} 1回の核分裂で放出されるエネルギー:
200 MeV = 200 × 10⁶ × 1.602 × 10⁻¹⁹ = 3.204 × 10⁻¹¹ J

ウラン1gの全エネルギー:
\begin{align} E &= N \times E_1 = 2.56 \times 10^{21} \times 3.204 \times 10^{-11} \\[5pt] &= 8.20 \times 10^{10} \text{ J} = 8.20 \times 10^{10} \div 3.6 \times 10^6 \\[5pt] &\approx \textbf{22,800 kWh} \approx \textbf{22.8 MWh} \end{align}
問題2:原子力発電所の熱効率
電気出力110万kW、熱効率33%の原子力発電所について、以下を求めよ。
(1) 原子炉の熱出力[万kW]
(2) 復水器で放出される熱量[万kW]

解答:

(1) 原子炉の熱出力:
\begin{align} Q_{in} &= \frac{P}{\eta} = \frac{110}{0.33} \approx \textbf{333万kW} \end{align} (2) 復水器で放出される熱量:
\begin{align} Q_{out} &= Q_{in} - P = 333 - 110 = \textbf{223万kW} \end{align} ※熱効率33%では、発電に使われない熱(約67%)の大部分が復水器から放出される。
問題3:放射能の減衰計算
ヨウ素131(半減期8.0日)の初期放射能が3.2×10⁹ Bqである。
(1) 24日後の放射能[Bq]
(2) 放射能が初期の1/100になるまでの日数

解答:

(1) 24日後の放射能:
\begin{align} A &= A_0 \times \left(\frac{1}{2}\right)^{t/T_{1/2}} = 3.2 \times 10^9 \times \left(\frac{1}{2}\right)^{24/8} \\[5pt] &= 3.2 \times 10^9 \times \left(\frac{1}{2}\right)^3 = 3.2 \times 10^9 \times \frac{1}{8} \\[5pt] &= \textbf{4.0 × 10⁸ Bq = 400 MBq} \end{align} (2) 1/100になる時間:
\begin{align} \frac{1}{100} &= \left(\frac{1}{2}\right)^{t/8} \\[5pt] \ln\frac{1}{100} &= \frac{t}{8} \times \ln\frac{1}{2} \\[5pt] t &= 8 \times \frac{\ln 100}{\ln 2} = 8 \times \frac{4.605}{0.693} \approx \textbf{53.1日} \end{align}
問題4:遮蔽と距離の複合問題
ある点線源から1mの位置での線量率が200μSv/hである。
(1) 2mに退避した場合の線量率
(2) 1mの位置で半価層2cmの鉛を6cm設置した場合の線量率
(3) 2mの距離で鉛6cmの遮蔽を行った場合の線量率

解答:

(1) 逆二乗の法則:
I = 200 × (1/2)² = 200 × 1/4 = 50 μSv/h

(2) 鉛6cm ÷ 半価層2cm = 3半価層:
I = 200 × (1/2)³ = 200 × 1/8 = 25 μSv/h

(3) 距離と遮蔽の複合:
\begin{align} I &= 200 \times \frac{1}{2^2} \times \left(\frac{1}{2}\right)^3 = 200 \times \frac{1}{4} \times \frac{1}{8} \\[5pt] &= 200 \times \frac{1}{32} = \textbf{6.25 μSv/h} \end{align}

知識確認問題

問題5:原子力発電の基本知識
次の記述について、正しいものには○、誤っているものには×を付けよ。

(1) 軽水炉ではウラン235を20%以上に濃縮した高濃縮ウランを使用する
(2) BWRでは原子炉内で冷却水が沸騰して蒸気となり、直接タービンを駆動する
(3) PWRの制御棒は炉心下部から挿入される
(4) 核分裂1回あたり約200MeVのエネルギーが放出される
(5) 原子力発電の熱効率は火力発電(コンバインドサイクル)よりも高い

解答:

(1) × - 軽水炉では低濃縮ウラン(3〜5%)を使用。20%以上は高濃縮ウラン(兵器級は90%以上)
(2) ○ - BWRは直接サイクルであり、原子炉で発生した蒸気が直接タービンへ
(3) × - PWRの制御棒は上部から挿入(重力落下方式)。下部挿入はBWR
(4) ○ - U-235の核分裂1回あたり約200MeVのエネルギーが放出される
(5) × - 軽水炉の熱効率は約33%、CC発電は60%以上で火力の方が高い
問題6:原子炉の安全設計
以下の空欄に適切な語句を入れよ。

(1) 放射性物質を閉じ込める障壁は、燃料ペレット、被覆管、圧力容器、格納容器、原子炉建屋の(   )の壁と呼ばれる。
(2) 冷却材喪失事故時に炉心に緊急冷却水を注入する系統を(   )という。
(3) PWRで一次冷却材中のホウ酸濃度を調整して反応度を制御する方法を(   )制御という。
(4) 原子炉停止後に核分裂生成物の崩壊により発生する熱を(   )という。
(5) 実効増倍率が1の状態を(   )という。

解答:

(1) 五重の壁
(2) ECCS(非常用炉心冷却装置)
(3) 化学シム制御
(4) 崩壊熱(残留熱)
(5) 臨界
問題7:放射線と放射線防護
次の記述について、正しいものを選べ(複数回答可)。

A. α線は紙1枚で遮蔽できるが、電離作用が大きい
B. γ線の遮蔽には水素を多く含む物質が最も有効である
C. 放射線の強度は線源からの距離に反比例する
D. 放射能の単位はベクレル(Bq)で、1秒間の崩壊数を表す
E. 等価線量の単位はグレイ(Gy)である
F. 放射線防護の三原則は時間、距離、遮蔽である

解答:

正解:A、D、F

解説:
A. ○ - α線は透過力は小さいが電離作用は最大
B. × - γ線の遮蔽には鉛やコンクリートが有効。水素含有物質は中性子線に有効
C. × - 距離の2乗に反比例する(逆二乗の法則)
D. ○ - 1 Bq = 1崩壊/秒
E. × - 等価線量の単位はシーベルト(Sv)。グレイ(Gy)は吸収線量の単位
F. ○ - 時間を短く、距離を長く、遮蔽を設ける
問題8:BWRとPWRの比較
次の記述について、BWRに該当するものにはB、PWRに該当するものにはP、両方に該当するものには両を付けよ。

(1) 蒸気発生器を有する
(2) 加圧器を有する
(3) 制御棒が下部から挿入される
(4) タービン系統が放射線管理区域となる
(5) 軽水を冷却材と減速材に使用する
(6) ホウ酸による化学シム制御を行う
(7) 再循環ポンプによる流量制御を行う

解答:

(1) P - PWRのみ蒸気発生器を有する
(2) P - PWRのみ加圧器を有する(一次系圧力維持)
(3) B - BWRの制御棒は下部挿入(水圧駆動)
(4) B - BWRは直接サイクルのためタービン系に放射性蒸気が流入
(5) - BWR/PWRとも軽水炉
(6) P - PWRのみ一次冷却材のホウ酸濃度で反応度調整
(7) B - BWRのみ再循環流量制御で出力を調整
問題9:原子炉の種類と特徴
次の記述について、正しいものには○、誤っているものには×を付けよ。

(1) 高速増殖炉は中性子減速材を使用しない
(2) 重水炉は天然ウラン(無濃縮)で運転できる
(3) 高温ガス炉の冷却材は液体ナトリウムである
(4) 四因子公式において、制御棒の挿入は熱中性子利用率fを低下させる
(5) 燃料の被覆管にジルコニウム合金が使用されるのは、中性子吸収断面積が小さいためである

解答:

(1) ○ - 高速炉は減速材なしで高速中性子を直接利用する
(2) ○ - 重水は中性子吸収が少ないため天然ウランでの臨界が可能
(3) × - 高温ガス炉の冷却材はヘリウムガス。液体ナトリウムは高速増殖炉
(4) ○ - 制御棒(中性子吸収材)の挿入で燃料以外の吸収が増加しfが低下
(5) ○ - ジルコニウムは中性子吸収断面積が小さく、中性子経済に優れる
原子力発電分野の重要公式まとめ
  • 質量エネルギー等価:E = mc²、E = Δm × c²
  • 1u = 931.5 MeV(原子質量単位とエネルギーの換算)
  • 反応度:ρ = (k_eff - 1) / k_eff
  • 四因子公式:k_∞ = η・f・p・ε
  • 半減期:A(t) = A₀ × (1/2)^(t/T₁/₂)、T₁/₂ = 0.693/λ
  • 逆二乗の法則:I ∝ 1/r²
  • 遮蔽の減衰:I = I₀ × (1/2)^(x/x₁/₂) ※x₁/₂:半価層
  • 等価線量:H = D × w_R(吸収線量×放射線加重係数)
原子力発電学習の総まとめ
  • 基本原理:核分裂→熱→蒸気→タービン→発電のエネルギー変換
  • 炉型:BWR(直接サイクル)とPWR(間接サイクル)の違いを理解
  • 核燃料:ウラン濃縮(3〜5%)、ペレット→燃料棒→燃料集合体
  • 連鎖反応:k_eff = 1(臨界)の維持、四因子公式
  • 安全設計:五重の壁、深層防護、ECCS、固有安全性
  • 放射線:α・β・γ・中性子の性質と遮蔽、単位(Bq, Gy, Sv)
  • 計算:質量欠損、半減期、逆二乗の法則、遮蔽計算

まとめ

原子力発電は、ウランなどの核燃料の核分裂反応で発生する膨大な熱エネルギーを利用して蒸気タービンを駆動し、電気エネルギーを得る発電方式です。少量の燃料で大量のエネルギーを取り出せる特徴を持ち、発電時にCO₂をほとんど排出しないことから、ベースロード電源として電力の安定供給とカーボンニュートラルの実現に重要な役割を担っています。アインシュタインの質量エネルギー等価式E=mc²が示すように、核エネルギーの源は質量欠損であり、ウラン235の核分裂1回あたり約200MeVという化学反応の約5,000万倍のエネルギーが放出されます。

本テキストでは、核分裂の基本原理から始まり、BWR・PWR両炉型の構造と特徴、核燃料の製造から廃棄物処分に至る核燃料サイクル、原子炉の制御と安全装置、放射線管理と防護の基礎、そして原子力発電の現状と将来展望まで、電験三種の出題範囲を網羅的に学習しました。特に、実効増倍率と反応度の概念、四因子公式、放射能の半減期計算、逆二乗の法則と遮蔽計算は、原子力発電分野の計算問題の基盤となる重要な知識です。

2011年の福島第一原子力発電所事故は、原子力安全に対する認識を根本から変え、新規制基準の制定やシビアアクシデント対策の義務化など、安全対策の大幅な強化につながりました。深層防護の考え方に基づく多重の安全対策、軽水炉の固有安全性(負の反応度温度係数)、ECCSをはじめとする工学的安全施設の理解は、電気主任技術者として原子力発電に関わるうえで不可欠な知識です。

今後、小型モジュール炉(SMR)や高温ガス炉(HTGR)などの次世代原子炉の実用化、廃炉技術の確立、高レベル放射性廃棄物の地層処分の実現など、原子力発電は多くの技術的・社会的課題に向き合いながらも、脱炭素社会の実現に向けた重要な選択肢として位置づけられています。第三種電気主任技術者試験の学習を通じて習得した原子力発電の知識は、発電所の運転管理、電力系統の計画、エネルギー政策の理解など、幅広い実務分野で活用されます。