交流回路を可視化!複素数ベクトルアニメーションで学ぶRLCの動き

交流回路を可視化!複素数ベクトルアニメーションで学ぶRLCの動き

このページでは、交流回路における抵抗(R)、コイル(L)、コンデンサ(C)の振る舞いを複素数平面上のベクトルとして視覚化しています。各素子の値を変更すると、対応するインピーダンスベクトルがどのように変化するかをリアルタイムで確認できます。

抵抗(R)

抵抗のインピーダンスは実軸上に位置し、純粋な抵抗値Rとして表されます。値を変えると、ベクトルの長さ(大きさ)のみが変化します。位相角は常に0°です。

インピーダンス: ZR = R

コイル(L)

コイルのインピーダンスは虚軸の正方向に位置し、jωLとして表されます(ωは角周波数)。インダクタンスLまたは周波数を増加させると、ベクトルは虚軸上で上方向に伸びます。位相角は常に+90°です。

インピーダンス: ZL = jωL

コンデンサ(C)

コンデンサのインピーダンスは虚軸の負方向に位置し、-j/(ωC)として表されます。静電容量Cを増加させると、ベクトルの長さは短くなります。また、周波数を増加させてもベクトルは短くなります。位相角は常に-90°です。

インピーダンス: ZC = -j/(ωC) = 1/(jωC)

各素子の値をスライダーで調整して、複素インピーダンスがどのように変化するか、また合成インピーダンスのベクトルがどのように回転するかを観察してください。これにより、交流回路の振る舞いをより直感的に理解することができます。

複素平面表示

実部: 100
虚部: 0
|Z|: 100

パラメータ設定

1 Hz 200 Hz
10 Ω 500 Ω
1 mH 500 mH
1 μF 500 μF
XL = 31.4 Ω
XC = 31.8 Ω
Z = 1000°

複素インピーダンスの解説

交流回路では、各素子のインピーダンスは複素数で表されます:

抵抗 R: \(Z_R = R\) (実数のみ)
コイル L: \(Z_L = j\omega L\) (虚数部が正)
コンデンサ C: \(Z_C = \frac{1}{j\omega C} = \frac{-j}{\omega C}\) (虚数部が負)

ここで \(\omega = 2\pi f\) は角周波数です。直列回路の合成インピーダンスは:

\(Z = R + j\omega L + \frac{1}{j\omega C} = R + j(\omega L - \frac{1}{\omega C})\)

交流電圧と電流は正弦波で表され、複素数を使って記述できます:

\(v(t) = V_m \times \sin(\omega t)\)
\(i(t) = I_m \times \sin(\omega t + \phi)\)

ここで \(\phi\) は位相差です。複素平面では、これらの関係を回転ベクトルとして表現できます。 複素数 \(j\) は90度の位相シフトを表し、オイラーの公式 \(e^{j\omega t} = \cos(\omega t) + j\sin(\omega t)\) により、 正弦波を複素平面上の円運動として解釈できます。

アニメーションでは、複素インピーダンスを表すベクトル \(Z\) が円運動し、その実部 \(R\) と虚部 \(X\) が時間とともに変化することを示しています。 共振状態 \(\omega L = \frac{1}{\omega C}\) では、コイルとコンデンサの虚数部分が打ち消し合い、インピーダンスは純抵抗となります。