三相交流

Δ結線の電流関係|線電流と相電流の√3倍を図解【電験三種 理論】

Δ結線では電流に√3が登場!キルヒホフの法則で完全理解しよう!

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ようこそ!第15講「Δ結線の電流関係」へ!

前回の第14講では、Δ結線の電圧関係を学んだな。Δ結線ではVL = Vp(線間電圧 = 相電圧)で、巻線が端子間に直接つながってるから等しくなる、というシンプルな関係やった。

今回はΔ結線の電流関係を学ぶで!電圧では「等しい」やったのに、電流では√3倍の関係が出てくるんや。前回「Δ結線の√3は電流の方で出る」って言ったの、覚えてるか?いよいよその中身を詳しく見ていくで!

Y結線では電圧に√3が出て電流は等しかった。Δ結線ではその逆で、電圧は等しくて電流に√3が出る。この美しい対称性を理解すれば、三相交流の計算がグッと得意になるで!

🎯 この講座で学ぶこと

📘 相電流と線電流の違い:Δ結線での2種類の電流を区別

📗 IL = √3 Ip の導出:キルヒホフの電流則で理解

📙 なぜ√3が出るのか:ベクトルの引き算で視覚的に

📕 Y結線との比較:√3が出る場所の違いを整理

📓 計算問題への応用:数値計算を実践

Y結線では「電圧に√3、電流は等しい」やった。Δ結線は「電圧は等しい、電流に√3」。この逆転関係がΔ結線の醍醐味やで!ちょっとした法則性が見えてくると、覚えるのも楽になるからな。

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まずは「相電流」と「線電流」の定義をしっかり押さえよう!

電圧と同じように、三相交流の電流にも2種類あるんや。これがΔ結線を理解するうえでめちゃくちゃ大事やから、しっかり区別してな。

相電流(Ip)っていうのは、1つの相(巻線やインピーダンス)を流れる電流のことや。Δ結線で言えば、三角形の各辺(Zab、Zbc、Zca)を流れる電流やな。つまり、負荷の内部を循環するように流れる電流のことやで。

線電流(IL)っていうのは、電線(ライン)を流れる電流のことや。電源から負荷に向かって、a線・b線・c線という各電線を流れる電流のことで、外部の電線を流れる電流やと思ってくれたらええ。

Δ結線で重要なのは、相電流と線電流は「流れる場所が違う」ということや。相電流は三角形の辺(内部)を流れて、線電流は外部の電線を流れる。この違いが√3倍の関係を生むんやで。

Δ結線の相電流と線電流 a b c Zab Zbc Zca Iab Ibc Ica Ia(線電流) Ib Ic 相電流 Ip(辺を流れる) 線電流 IL(電線)

図を見てくれ。緑の破線が三角形の辺を流れる「相電流」、紫の実線が外部の電線を流れる「線電流」や。流れる場所が全然違うのが分かるやろ?

📌 Δ結線の2種類の電流

相電流 Ip:三角形の各辺(Zab, Zbc, Zca)を流れる電流

線電流 IL:外部の電線(a線, b線, c線)を流れる電流

⚡ この2つは流れる場所が異なる→ 値も異なる!

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ここで、Y結線と比較して「なぜΔ結線では電流に√3が出るのか」のイメージをつかもう!

Y結線を思い出してくれ。Y結線では、各巻線は中性点から端子に向かって伸びてたな。電流は「電線→巻線→中性点」という一本道を流れるから、電線を流れる電流(線電流)と巻線を流れる電流(相電流)は同じ経路上にあるんや。せやから IL = Ip になるんやったな。

ところがΔ結線は事情が違う。三角形の各頂点(端子)には、2つの辺(巻線)がつながってるんや。例えばa端子を見ると、「a→bに流れるIab」と「c→aに流れ込むIca」の2つの相電流が関わってくる。

外部の電線を流れる線電流 Ia は、この端子で2つの相電流の差になるんや。ここが重要なポイントやで!

Y結線とΔ結線の電流の流れ方の違い Y結線 N a IL=Ip 電線→巻線→中性点 → 一本道だから等しい IL = Ip √3は電圧の方に出る Δ結線 a Iab Ica Ia 端子に2つの相電流が → 合流・分岐する IL = √3 Ip √3は電流の方に出る 💡 Y結線は電流が一本道 → IL = Ip 💡 Δ結線は端子で合流・分岐 → IL = √3 Ip

たとえ話で説明するで。Y結線は「一本道の水道管」みたいなもんや。蛇口から出る水量と管を流れる水量は当然同じやろ?でもΔ結線は「T字路のある水道管」みたいなもんで、合流地点では2つの管からの水が合わさるから、合流後の水量は各管の水量とは違うんや。

📌 電流の流れ方の違い

⚡ Y結線:電流は一本道→ IL = Ip

⚡ Δ結線:端子で2つの相電流が合流・分岐→ IL ≠ Ip

⚡ この「合流・分岐」が√3倍を生む原因!

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さあ、いよいよIL = √3 Ip を導出するで!

使うのはキルヒホフの電流則(KCL)や。KCLは「ある節点に流入する電流の和 = 流出する電流の和」っていう法則やったな。これをΔ結線の各端子に適用するんや。

a端子に注目してみよう。a端子には以下の電流が関わってるで:

流入する電流:線電流 Ia(外部の電線から入ってくる)と、相電流 Ica(c→aに向かって流れ込む)

流出する電流:相電流 Iab(a→bに向かって流れ出す)

KCLを適用すると、a端子での電流バランスは:

\( \dot{I}_a = \dot{I}_{ab} - \dot{I}_{ca} \)
線電流Ia = a端子から出る相電流 − a端子に入る相電流

つまり、線電流 Ia は、2つの相電流のベクトル差になるんや!ここがポイントやで。「差」になるのは、Iab は a端子から出ていく方向、Ica は a端子に入ってくる方向で、向きが逆やからやな。

a端子でのKCL(キルヒホフの電流則) a端子 Ia(線電流) 電線から流入 Iab a→bへ流出 Ica c→aへ流入 KCL(a端子) Ia = Iab − Ica

同様に、b端子では \( \dot{I}_b = \dot{I}_{bc} - \dot{I}_{ab} \)、c端子では \( \dot{I}_c = \dot{I}_{ca} - \dot{I}_{bc} \) となる。どの端子でも「出ていく相電流 − 入ってくる相電流 = 線電流」という関係が成り立つんや。

さて、ここで「2つの相電流のベクトル差」の大きさを計算するで。対称三相交流では、Iab と Ica は大きさが等しく、位相差が120°や。120°の角度をなす同じ大きさのベクトルを引き算すると…そう、結果は元の√3倍になるんや!

√3倍になる仕組み

対称三相では |Iab| = |Ica| = Ip、位相差120°

ベクトルの引き算:|Iab − Ica| = 2 × Ip × sin(120°/2) = 2 × Ip × sin60° = 2 × Ip × (√3/2) = √3 × Ip

\( I_L = \sqrt{3} \, I_p \)
IL:線電流、Ip:相電流、√3 ≈ 1.732

これがΔ結線の電流関係 \( I_L = \sqrt{3} \, I_p \) の導出や!Y結線の電圧関係 \( V_L = \sqrt{3} \, V_p \) とまったく同じ「120°ベクトルの引き算→√3倍」という仕組みやで。

📌 IL = √3 Ip の導出まとめ

⚡ KCL:\( \dot{I}_a = \dot{I}_{ab} - \dot{I}_{ca} \)(ベクトル差)

⚡ 対称三相:|Iab| = |Ica| = Ip、位相差120°

⚡ 120°のベクトル引き算 → 大きさが√3倍

⚡ 結論:\( I_L = \sqrt{3} \, I_p \)

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よっしゃ、ここで確認問題や!

Δ結線の電流関係について、ここまでの内容を確認するで。なぜ IL ≠ Ip になるのか、しっかり理解してたら簡単に答えられるはずや!

🧠 問題1(10点)

Δ結線において、線電流 IL と相電流 Ip の関係として正しいものはどれか。

サポートルート

Δ結線の電流の流れを思い出そか。

Δ結線の各端子では、2つの相電流が合流・分岐するんやったな。線電流はその「ベクトル差」になるんや。

Δ結線の電流関係のポイント

• 相電流(Ip):三角形の各辺を流れる電流

• 線電流(IL):外部の電線を流れる電流

• 端子でKCLを適用 → IL = √3 × Ip

ちなみに、Y結線では IL = Ip(等しい)やったな。

🔄 確認問題

Y結線で IL = Ip になる理由は?

発展ルート

さすがや!発展問題いくで。

Y結線とΔ結線の電流関係の違いを比較する問題や。「√3がどこに出るか」を正確に覚えてるか確認しよう。

🔥 発展問題(15点)

Y結線とΔ結線の電圧・電流関係について、正しい組み合わせはどれか。

💡 ヒント:√3が出る場所がY結線とΔ結線で逆になる

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ここからは、ベクトル図を使ってΔ結線の電流関係を視覚的に理解していこう!

Step4で「Ia = Iab − Ica」というベクトル差の式を導いたな。これをベクトル図で描くと、なぜ大きさが√3倍になるかが目で見て分かるようになるんや。

まず、対称三相交流の3つの相電流 Iab、Ibc、Ica を描いてみよう。これらは大きさが等しく、120°ずつ位相がずれてる。Y結線の相電圧のベクトル図と同じ配置やで。

次に、Ia = Iab − Ica の「ベクトル引き算」を図で描いてみる。Ica を反転させて(−Ica にして)、Iab と足し合わせると…その結果のベクトルが線電流 Ia になるんや!

ベクトル図:Ia = Iab − Ica ① 相電流ベクトル Iab Ibc Ica 120° ② Iab − Ica の計算 Iab −Ica Ia |Ia| = √3 × |Iab| 30° 120°ベクトルの引き算 → 大きさ√3倍、位相30°遅れ |Ia| = √3 |Ip| かつ Ia は Iab より 30° 遅れ

図の右側を見てくれ。Iab(赤)から Ica を引くために、Ica を反転させた「−Ica」(青破線)をIabに足し合わせてるんや。その結果が紫のベクトル Ia で、これが√3倍の大きさになってるのが分かるな。

しかも注目してほしいのが位相や。線電流 Ia は相電流 Iab より30°遅れになるんやで。これはY結線で「線間電圧が相電圧より30°進む」のと対をなす関係や。

📌 ベクトル図のポイント

⚡ Ia = Iab − Ica を図で描くと√3倍になることが見える

⚡ 線電流は相電流より30°遅れ

⚡ Y結線の「VL は Vp より30°進み」と対照的な関係

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ここで、線電流が相電流より30°遅れるということをもう少し詳しく見てみよう。

「30°遅れ」って何やねん?って思うやろ。これはベクトルの回転方向で考えると分かりやすいで。

対称三相交流のベクトルは反時計回りに回転してるんや。「30°遅れ」っていうのは、時計方向に30°ズレてるってことや。つまり、線電流 Ia のベクトルは、相電流 Iab のベクトルから時計方向に30°回転した位置にあるんやで。

なんでこの30°が大事かっていうと、電力計算のときに位相角が影響するからや。三相電力 \( P = \sqrt{3} V_L I_L \cos\phi \) の cosφ は、電圧と電流の位相差やからな。電圧と電流のベクトルの向きが正確に分かってないと、力率の計算ができへんのや。

30°遅れのイメージやけど、時計の秒針を想像してみ。12時の位置が Iab(相電流)やとしたら、Ia(線電流)は1時の位置にある感じや。秒針の回転方向と逆(時計回り)にちょっとだけズレてるんやな。

📌 √3倍関係の完全な表現

⚡ 大きさ:\( I_L = \sqrt{3} \, I_p \)

⚡ 位相:線電流は相電流より30°遅れ

⚡ 参考:Y結線では線間電圧が相電圧より30°進み(対照的!)

Y結線Δ結線
√3が出る関係電圧(VL = √3 Vp)電流(IL = √3 Ip)
位相のズレVL は Vp より 30°進みIL は Ip より 30°遅れ
等しい関係電流(IL = Ip)電圧(VL = Vp)

Y結線とΔ結線が本当にきれいな対称関係になってるのが分かるやろ?「進み」と「遅れ」も逆になってるし、「電圧」と「電流」も入れ替わってる。この対称性を覚えとくと、試験のときに混乱せずに済むで!

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ここで、具体的な数値を使って計算してみよう!

電験三種の問題では、線電流や相電流の値を求める問題がよく出るんや。実際の数値を使って練習しておくと、本番でもスムーズに解けるようになるで。

例えば、Δ結線の負荷で、各相のインピーダンスが Z = 10Ω、線間電圧が VL = 200V の場合を考えてみよう。

📝 計算手順

Step 1:相電圧を求める

Δ結線では VL = Vp やから

\( V_p = V_L = 200 \) V

Step 2:相電流を求める

\( I_p = \frac{V_p}{Z} = \frac{200}{10} = 20 \) A

Step 3:線電流を求める

\( I_L = \sqrt{3} \times I_p = \sqrt{3} \times 20 \approx 34.6 \) A

このように、Δ結線の計算は3ステップで進めるのが基本や:

① 相電圧を求める(Δ結線では VL = Vp)

② 相電流を求める(Ip = Vp / Z)

③ 線電流を求める(IL = √3 Ip)

Δ結線の計算フロー Step 1 Vp = VL = 200V Step 2 Ip = Vp/Z = 20A Step 3 IL = √3 Ip ≈ 34.6A 📊 同じ条件でY結線と比較(VL=200V, Z=10Ω) Y結線:Vp = 200/√3 ≈ 115V → Ip = 115/10 = 11.5A → IL = Ip = 11.5A Δ結線:Vp = 200V → Ip = 200/10 = 20A → IL = √3×20 ≈ 34.6A → Δ結線の線電流はY結線の3倍!(34.6/11.5 = 3)

ここで面白いのは、同じ負荷・同じ線間電圧でも、Δ結線の線電流はY結線の3倍になるということや。これは Δ結線の方が各相に高い電圧(= 線間電圧そのもの)がかかるからやで。消費電力も3倍になるんや。

📌 数値計算のポイント

⚡ Δ結線の計算手順:Vp = VL → Ip = Vp/Z → IL = √3 Ip

⚡ 同じ負荷・同じ線間電圧で、Δ結線の線電流はY結線の3倍

⚡ √3 ≈ 1.732 の値を覚えておくと便利!

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よっしゃ、問題2や!

数値を使った計算問題やで。さっき学んだ3ステップの計算手順を使って解いてみ!

🧠 問題2(10点)

線間電圧 \( V_L = 400 \) V の三相電源にΔ結線の抵抗負荷(各相 R = 20Ω)を接続した。線電流 \( I_L \) として最も近い値はどれか。

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Δ結線の計算手順を確認しよか。

Δ結線の計算3ステップ

① 相電圧:Vp = VL = 400V

② 相電流:Ip = Vp / R = 400 / 20 = 20A

③ 線電流:IL = √3 × Ip = √3 × 20 ≈ 34.6A

②の20Aは「相電流」であって「線電流」ではないから注意やで!

🔄 確認問題

上の計算で、もし②の相電流20Aをそのまま答えてしまったら、それはどんなミス?

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さすがや!発展問題でインピーダンスが複素数の場合も計算してみよか。

抵抗負荷だけやなくて、リアクタンスを含む場合の電流計算や。

🔥 発展問題(15点)

線間電圧 200V の三相電源にΔ結線の負荷(各相のインピーダンス \( Z = 6 + j8 \) Ω)を接続した。線電流 \( I_L \) として最も近い値はどれか。

💡 ヒント:|Z| = √(6² + 8²) = 10Ω、Ip = Vp/|Z|、IL = √3 Ip

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ここで、Δ結線の電流でよくある間違いを確認しておこう!

電験三種の受験生がよくやらかすミスがあるんや。今のうちにしっかり押さえておけば、本番で点数を落とさずに済むで。

⚠️ よくある間違いパターン ❌ 間違い1:Δ結線で IL = Ip と答える IL = Ip はY結線の電流関係! ✅ 正しくは IL = √3 Ip ❌ 間違い2:Δ結線で VL = √3 Vp と計算する VL = √3 Vp はY結線の電圧関係! ✅ Δ結線の電圧は VL = Vp ❌ 間違い3:Ip = IL / √3 の向きを逆にする IL = √3 Ip → Ip = IL / √3 の変形ミスに注意! ✅ 常に「線電流の方が大きい」と覚えておく

要するに、Y結線とΔ結線の公式を取り違えるのが一番多いミスなんや。覚え方のコツを教えるで。

覚え方のコツ:「Yは電圧、Δは電流に√3」と覚えよう!Yの字は上に向かって開いてる→電圧(上に高い)、Δは三角形の辺が多い→電流(辺を流れる相電流が関わる)。ちょっと強引やけど、試験前にこう唱えるだけで間違いが減るで!

📌 覚え方のまとめ

Y結線電圧に√3(VL = √3 Vp)、電流は等しい(IL = Ip)

Δ結線:電圧は等しい(VL = Vp)、電流に√3(IL = √3 Ip)

⚡ 「Yは電圧、Δは電流に√3」で暗記!

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ここからは、逆方向の計算を学ぶで!

さっきまでは「相電流 → 線電流」の方向で計算したな。でも、実際の問題では線電流が与えられて、相電流を求めるパターンも多いんや。

なんでかっていうと、実務では電線に流れる電流(=線電流)はクランプメータで簡単に測れるけど、三角形の内部を流れる相電流は直接測りにくいからや。問題でも「電流計で測定した値(=線電流)」が与えられることがよくあるんやで。

逆方向の計算は、公式を変形するだけでOKや。

\( I_p = \frac{I_L}{\sqrt{3}} \)
IL:線電流(測定値)→ Ip:相電流を逆算

例えば、線電流 IL = 30A と測定されたΔ結線の場合:

📝 逆方向の計算例

\( I_p = \frac{I_L}{\sqrt{3}} = \frac{30}{\sqrt{3}} = \frac{30}{1.732} \approx 17.3 \) A

この逆方向の計算、電験三種では「線電流→相電流→インピーダンス」と逆算していく問題がよく出るんや。例えば「線電流が〇Aのとき、各相のインピーダンスはいくらか?」みたいなパターンやな。

逆算の手順(線電流が与えられた場合)

① 相電流を求める:\( I_p = \frac{I_L}{\sqrt{3}} \)

② 相電圧を確認:\( V_p = V_L \)(Δ結線)

③ インピーダンスを求める:\( Z = \frac{V_p}{I_p} \)

📌 逆方向の計算

⚡ \( I_p = \frac{I_L}{\sqrt{3}} \approx I_L \times 0.577 \)

⚡ 線電流は測定しやすいから、問題で与えられることが多い

常に「線電流 > 相電流」(√3倍だから当然)

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ここで、Y結線とΔ結線の電圧・電流関係を完全に整理しておこう!

これまでの講座で学んだY結線とΔ結線の公式を一覧にまとめるで。この表は電験三種の試験中にパッと思い出せるようにしておくのが理想や。問題を見た瞬間に「あ、これはΔ結線の電流やな」って判断できるようになったら、本番でめちゃくちゃ強いで。

Y結線とΔ結線の完全比較表 項目 Y結線(スター) Δ結線(デルタ) 電圧関係 VL = √3 Vp √3が出る! VL = Vp 等しい 電流関係 IL = Ip 等しい IL = √3 Ip √3が出る! √3の場所 電圧 電流 位相のズレ VL は Vp より 30°進み IL は Ip より 30°遅れ 💡 Y結線とΔ結線は「電圧」と「電流」が入れ替わった対称関係!

この表を見ると、Y結線とΔ結線がまさに鏡に映したような対称関係になってるのが分かるやろ?「電圧」と「電流」が入れ替わり、「進み」と「遅れ」も入れ替わってる。

試験で迷ったときは、「Yは電圧、Δは電流」に√3という語呂合わせを思い出してくれ。これだけで正解にたどり着けることが多いんや!

📌 完全対称の法則

⚡ Y結線とΔ結線は電圧↔電流の対称関係

⚡ √3が出る場所が逆(Y:電圧、Δ:電流)

⚡ 位相も逆(Y:進み、Δ:遅れ)

⚡ 等しい関係も逆(Y:電流、Δ:電圧)

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よっしゃ、問題3や!

今度は逆方向の計算やで。線電流から相電流を逆算するパターンは電験で頻出やから、しっかり練習しておこう!

🧠 問題3(10点)

Δ結線の三相負荷に流れる線電流を測定したところ \( I_L = 17.3 \) A であった。各相を流れる相電流 \( I_p \) として最も近い値はどれか。

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逆方向の計算を確認しよか。

Δ結線で線電流が分かっていて相電流を求めるには、どうすればいい?

公式の変形

IL = √3 × Ip を変形すると…

\( I_p = \frac{I_L}{\sqrt{3}} = \frac{17.3}{1.732} \approx \) 10 A

ポイント:線電流 > 相電流(常にこの関係!)

🔄 確認問題

Δ結線で線電流と相電流、どちらが大きい?

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さすがや!発展問題でインピーダンスの逆算までやってみよう。

🔥 発展問題(15点)

線間電圧 200V の三相電源にΔ結線の負荷を接続したところ、線電流が \( I_L = 34.6 \) A であった。各相のインピーダンスの大きさ \( |Z| \) として最も近い値はどれか。

💡 ヒント:Ip = IL/√3、Vp = VL、Z = Vp/Ip

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ここで、Δ結線特有の面白い現象について紹介するで。循環電流(じゅんかんでんりゅう)や。

Δ結線は三角形に「閉じた」回路やろ?実は、ある条件下で三角形の辺をグルグルと電流が循環することがあるんや。これがY結線にはないΔ結線独特の現象なんやで。

通常の対称三相交流では、3つの相電圧を足すとゼロになるから(\( \dot{V}_{ab} + \dot{V}_{bc} + \dot{V}_{ca} = 0 \))、循環電流は流れへん。でも、第3次高調波のように「3つ足してもゼロにならない成分」があると、その成分に対応する電流が三角形の内部をグルグル回るんや。

Δ結線の循環電流 ✓ 対称三相(通常) 循環電流なし Vab + Vbc + Vca = 0 ⚠ 第3次高調波あり 循環電流 Σ高調波 ≠ 0 💡 循環電流は外部の電線には出てこない → 線電流には影響しない

ポイントは、循環電流は三角形の内部だけで閉じているということや。外部の電線(線電流)には出てこないから、外から見ると循環電流の存在に気づきにくい。でも、負荷の内部では余分な電流が流れるから、発熱の原因になるんやで。

電験三種ではこの循環電流を直接計算する問題は少ないけど、「Δ結線には循環電流が流れる可能性がある」という知識は知っておいた方がええで。変圧器のΔ結線で第3次高調波を吸収する、という話に関連するからな。

📌 循環電流のポイント

⚡ Δ結線は閉回路 → 条件次第で循環電流が流れる

⚡ 対称三相では循環電流なし(電圧の和 = 0)

⚡ 第3次高調波があると循環電流が発生

⚡ 循環電流は外部(線電流)には出てこない

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ここで、実務でΔ結線の電流関係がどう使われるかを紹介するで!

「IL = √3 Ip って、試験だけの話やろ?」って思うかもしれへんけど、実は現場でもめっちゃ大事なんや。

例えば、ブレーカーや電線の選定を考えてみ。三相モーターをΔ結線で接続する場合、電線に流れるのは「線電流」の方やから、ブレーカーの容量は線電流に合わせて選ぶ必要があるんや。相電流の値でブレーカーを選んでしまうと、容量不足で飛んでしまうで!

具体例を出そう。モーターの各巻線(各相)に流れる電流が 10A(相電流)やとする。「じゃあ10Aのブレーカーでええか」って思ったら大間違いや!電線には √3 × 10 ≈ 17.3A(線電流)が流れるから、最低でも20Aのブレーカーが必要になるんや。

また、Y-Δ始動法(スターデルタ始動法)という電動機の始動方法では、まずY結線で始動してから運転中にΔ結線に切り替えるんや。Y結線だと線電流が小さいから始動電流を抑えられて、Δ結線に切り替えると本来の出力で運転できる。

このときの始動電流の比はどうなるか?Y結線の線電流はΔ結線の1/3になるから、始動電流を1/3に抑えられるんやで。第14講の発展問題で学んだ「消費電力3倍」の関係と表裏一体やな。

📌 実務での応用

⚡ ブレーカー選定:線電流(= √3 × 相電流)で選ぶ

⚡ 電線サイズ:線電流に耐えられる太さが必要

⚡ Y-Δ始動法:始動電流を1/3に抑制できる

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最後に、電験三種で出題されるΔ結線の電流に関する頻出パターンを整理しておくで!

パターンを知っておけば、本番で「あ、このパターンやな」って瞬時に判断できるようになる。

電験三種 Δ結線の電流 頻出パターン パターン1:VLとZから線電流を求める 手順:Vp = VL → Ip = Vp/Z → IL = √3 Ip 例:VL=200V, Z=10Ω → Ip=20A → IL≈34.6A パターン2:線電流からインピーダンスを逆算 手順:Ip = IL/√3 → Vp = VL → Z = Vp/Ip 例:IL=34.6A, VL=200V → Ip=20A → Z=10Ω パターン3:Y結線とΔ結線の電流比較 同じ負荷Z・同じ線間電圧VL → Δ結線の線電流はY結線の3倍 理由:Δの相電圧がYの√3倍 → 相電流も√3倍 → 線電流は×√3でさらに差が開く パターン4:三相電力との組み合わせ P = √3 VL IL cosφ → IL = P / (√3 VL cosφ) → Ip = IL/√3 電力から電流を求めるパターンも重要!

この4つのパターンさえ押さえておけば、Δ結線の電流問題はほぼカバーできるで!特にパターン1と2は基本中の基本やから、完璧にしておいてな。

📌 頻出パターンまとめ

⚡ パターン1:VL, Z → IL(順方向)

⚡ パターン2:IL, VL → Z(逆方向)

⚡ パターン3:Y-Δ比較(線電流3倍)

⚡ パターン4:電力P → 電流IL → 相電流Ip

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よっしゃ、最後の問題4や!

この講座の総仕上げ問題やで。三相電力との組み合わせも意識して解いてみ!

🧠 問題4(10点)

線間電圧 200V の三相電源にΔ結線の抵抗負荷を接続したところ、三相の消費電力が 6000W であった。線電流 \( I_L \) として最も近い値はどれか。ただし力率は 1 とする。

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三相電力の公式を使って線電流を求めてみよか。

三相電力の公式

\( P = \sqrt{3} \, V_L \, I_L \, \cos\phi \)

力率 cosφ = 1(抵抗負荷)やから:

\( 6000 = \sqrt{3} \times 200 \times I_L \times 1 \)

\( I_L = \frac{6000}{\sqrt{3} \times 200} = \frac{6000}{346} \approx \) 17.3 A

🔄 確認問題

この線電流17.3Aのとき、各相を流れる相電流Ipはいくら?

発展ルート

さすがや!最後の発展問題やで。

Y-Δ始動の応用問題や。始動時と運転時の電流比を考えてみ。

🔥 発展問題(15点)

あるΔ結線の三相誘導電動機をΔ結線のまま直入始動すると、始動電流(線電流)が 90A になる。Y-Δ始動法でY結線で始動した場合、始動時の線電流として最も近い値はどれか。

💡 ヒント:Y結線の線電流はΔ結線の1/3

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よし、この講座で学んだ重要ポイントを整理しておこう!

第15講 重要ポイントまとめ 📌 Δ結線の電流関係(最重要) IL = √3 Ip なぜ√3倍? 端子で2つの相電流が 合流・分岐するから Y結線との比較 Y結線: IL = Ip Δ結線: IL = √3 Ip ベクトル図の特徴 • Ia = Iab − Ica • 120°差の引き算→√3倍 • 位相:30°遅れ 計算手順 ① Vp = VL ② Ip = Vp / Z ③ IL = √3 × Ip 📝 間違えやすいポイント • Δ結線で IL = Ip と答えない(それはY結線!) • Δ結線で VL = √3 Vp と計算しない(それもY結線!) • 覚え方:「Yは電圧、Δは電流に√3」

📌 覚えておくべき公式

⚡ Δ結線の電圧:\( V_L = V_p \)(等しい)

⚡ Δ結線の電流:\( I_L = \sqrt{3} \, I_p \)(√3倍)

⚡ 逆算:\( I_p = \frac{I_L}{\sqrt{3}} \)

⚡ √3 ≈ 1.732、1/√3 ≈ 0.577

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第15講「Δ結線の電流関係」、お疲れさま!

今回は、Δ結線の電流関係 \( I_L = \sqrt{3} \, I_p \) を学んだな。端子での電流の合流・分岐(KCL)がこの関係を生んでいること、ベクトル図での見え方、Y結線との対称性、そして具体的な計算方法まで、しっかり理解できたやろか?

🎯 この講座で学んだこと

相電流と線電流の違い:辺を流れる相電流、電線を流れる線電流

IL = √3 Ip:KCLとベクトル引き算から導出

位相関係:線電流は相電流より30°遅れ

Y結線との対称性:「Yは電圧、Δは電流」に√3

計算手順:Vp=VL → Ip=Vp/Z → IL=√3 Ip

逆算:Ip = IL/√3

実務応用:ブレーカー選定、Y-Δ始動法

次回の第16講では、Δ結線のベクトル図を総合的に学ぶで。電圧と電流をまとめてベクトル図に描くことで、Δ結線の全体像が完成する。今回学んだ「30°遅れ」がベクトル図の中でどう見えるかも確認するから、楽しみにしといてな!

Δ結線の電流関係は、三相交流の計算で避けて通れない重要なテーマや。今回の内容をしっかり復習して、次の講座に備えてな!

🎉 第15講 完了!

今回のスコア 0

📊 学習の記録

    📚 次回予告:第16講「Δ結線のベクトル図」

    次回は、Δ結線の電圧ベクトルと電流ベクトルをまとめたベクトル図を学ぶで。電圧・電流の位相関係を視覚的に理解し、力率の意味もベクトル図で確認しよう!

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