電磁誘導・静電誘導

同心導体球の電位・電界・静電容量【電験三種 理論】

球殻の電位・電界・静電容量

進捗: 0%
メインルート

よっしゃ!第7講スタートや!

今回のテーマは「同心導体球」や。

球状の導体が重なった構造で、電験三種でも計算問題として出題されるから、しっかり押さえとこな!

同心球の問題は、電界・電位・静電容量の計算がセットで出てくることが多い。公式を覚えるだけやなく、「なぜそうなるか」を理解しておくと、どんな問題にも対応できるようになるで!

💡 身近な例

同心球構造は高電圧の計測器静電容量の基準器に使われてるんや。

球対称やから計算しやすく、理論通りの値が得られる優れた構造なんやで!

📚 この講座で学ぶこと

✅ 同心導体球の構造を理解する

✅ 各領域の電界を求められるようになる

✅ 各領域の電位を求められるようになる

✅ 同心球コンデンサの静電容量を計算できる

✅ 接地した場合の電荷分布を理解する

電験三種では、同心球の静電容量を求める問題や、接地した場合の電荷分布を問う問題がよく出るで。準備はええか?さっそく始めよう!

メインルート

まず同心導体球の構造を確認するで。

「同心」というのは、中心が同じという意味や。内側の導体球と外側の球殻が、同じ中心を持ってるんやで。

同心導体球の構造 a b c 内側導体球 (半径 a) 空間(誘電体) 外側球殻 (内半径 b) (外半径 c) 領域①:r < a(内側導体内部) 領域②:a < r < b(導体間の空間) 領域③:b < r < c(外側球殻内部) 領域④:r > c(外部)

📌 同心導体球の構成

🟠 内側導体球:半径 a の中実導体

🔵 中間空間:a < r < b(誘電体または真空)

外側球殻:内半径 b、外半径 c の中空導体

💡 玉ねぎで例えると...

玉ねぎのが内側導体球、空気の隙間が中間空間、外側の皮が外側球殻や。

全部が同じ中心を共有してる構造をイメージしてな!

この構造に電荷を与えると、どう分布するか次で見ていこう!

メインルート

内側導体に+Q の電荷を与えると、電荷はどう分布するかな?

前回学んだ静電誘導を思い出してな。導体に電荷を与えると、表面に分布して、さらに外側球殻にも影響を与えるんや。

電荷分布(静電誘導) 内側表面:+Q 外殻内表面:−Q 外殻外表面:+Q 静電誘導で 電荷が誘起

📌 電荷分布のルール

🟠 内側導体表面:+Q

🔵 外側球殻の内表面:−Q(静電誘導)

⚪ 外側球殻の外表面:+Q(電荷保存)

⚡ 電荷のドミノ倒し

+Qが内側に現れると → 外殻内表面に−Qが誘導される

→ 外殻は中性なので、外表面に+Qが現れる

これが電荷保存則に基づく電荷分布や!

🎯 試験で問われるポイント

「内表面と外表面の電荷の符号と大きさ」を問う問題が頻出!

内表面:静電誘導で反対符号の電荷が現れる

外表面:電荷保存で同符号の電荷が現れる

導体内部に電荷は存在せず、すべて表面に分布するんやで!次は各領域の電界を見ていこう。

メインルート

次は各領域の電界を求めるで。ガウスの法則を使うんや!

ガウスの法則で電界を求めるときは、「閉曲面の中に入ってる電荷」がポイントや。領域ごとに囲む電荷が変わるから、電界も変わるんやで。

各領域の電界 領域① r < a E = 0 領域② a < r < b E = Q/(4πεr²) 領域③ b < r < c E = 0 領域④ r > c E = Q/(4πεr²) 導体内部 導体間空間 導体内部 外部空間 ポイント:導体内部は常に E = 0
導体間(a < r < b):\( E = \dfrac{Q}{4\pi\varepsilon r^2} \)
ガウスの法則より導出
📊 電界が0になる理由

導体内部:ガウス面に囲まれる正味の電荷がゼロ → E = 0

球殻内部:内表面−Qと内側導体+Qが打ち消し合う → E = 0

電荷の「打ち消し合い」がポイントや!

メインルート

電界についての問題や!

🧠 問題1

内側導体球の内部(r < a)の電界は?

💡 ヒント:導体の内部では自由電子が何をする?静電平衡状態の導体の性質を思い出そう!

サポートルート

整理しよか。

導体の基本性質を確認や。導体には自由電子がおって、外部から電界がかかると移動する。この移動が止まった状態が「静電平衡」やで。

ポイント: 導体内部の電界

導体内部では自由電子が移動して…

内部の電界を完全に打ち消す

→ 導体内部は常に E = 0

もし E ≠ 0 なら、自由電子が動いてしまう。動かないということは E = 0 という論理や!

🔄 確認問題

静電平衡状態の導体内部の電界は?

発展ルート

さすがや!発展問題いくで。

電界の距離依存性を問う問題や。E ∝ 1/r² という関係から、距離が変わると電界がどう変化するか計算してみよう。

🔥 発展問題

内側導体に+Q、外側球殻が電気的に中性のとき、導体間(a < r < b)で r = 2a の位置の電界と r = a の位置の電界の比は?

💡 ヒント:E = Q/(4πεr²) で、r が2倍になると E は何分の1になる?

メインルート

電界の分布グラフを見てみよか。

グラフで全体像を把握すると理解が深まるで。特に「導体部分でゼロになる」「空間部分で1/r²に比例する」という特徴を視覚的に覚えよう!

電界 E の分布(r の関数) r E a b c E=0 1/r² E=0 1/r²

📌 電界分布のポイント

🔴 導体表面で電界は不連続(ジャンプ)

🔵 導体間・外部では 1/r² に比例して減少

🟢 導体内部は常に E = 0

このグラフの形は電験でも頻出や。「導体でゼロ、空間で1/r²」という形をしっかり頭に入れとこう!

🎯 グラフ問題の解き方

電験では「電界分布のグラフを選べ」という問題が出るで。

チェックポイント:

① 導体内部(r < a、b < r < c)で E = 0 か?

② 空間部分で 1/r² の曲線か?

③ 導体表面で不連続か?

メインルート

次は電位を求めるで。電位は電界を積分して求めるんや。

電位の計算は「無限遠から始めて、順番に積分していく」のがポイントや。E = 0 の領域では電位は変化しないから、導体部分は等電位になるんやで。

\( V(r) = -\int_{\infty}^{r} E \, dr \)
無限遠を基準(V = 0)とした電位
💡 電位と電界の関係

E ≠ 0 の領域:電位が変化する(1/r に比例)

E = 0 の領域:電位は一定(等電位)

「電界がないと電位は変わらない」と覚えよう!

📌 電位計算のポイント

① 無限遠から順番に積分していく

② 導体内部では E = 0 なので電位は一定

③ 導体は等電位になる

電位の式は複雑に見えるけど、「E = 0 なら電位変化なし」というシンプルな原則を使えば理解できるで!

メインルート

各領域の電位を具体的に見ていくで。

外側から順番に見ていこう。外部では点電荷と同じ形、導体内部では一定、中間空間では1/rで変化するんや。

各領域の電位 領域④(r > c) V = Q/(4πεr) 点電荷と同じ形 領域③(b < r < c) V = Q/(4πεc) 一定(等電位) 領域②(a < r < b) V = Q/(4πε)·(1/r − 1/b + 1/c) 領域①(r < a) V = Q/(4πε)·(1/a − 1/b + 1/c) 一定(等電位)

💡 重要なポイント

導体部分(領域①と③)では電位が一定 = 等電位

電位の式は複雑に見えるけど、「外側から順番に積分していく」という考え方で理解できるで。試験では暗記より理解が大事や!

メインルート

電位についての問題や!

🧠 問題2

外側球殻(導体)内部の電位について正しいのは?

💡 ヒント:導体内部の電界を思い出そう。E = 0 のとき、電位はどうなる?

サポートルート

整理しよか。

電界と電位の関係を整理するで。V = −∫E dr という積分の式がポイントや。

ポイント: 導体と電位

導体内部では E = 0

V = −∫E dr なので、E = 0 なら V は変化しない

→ 導体は等電位

積分する値(被積分関数)がゼロなら、積分結果は定数になる。つまり電位は変化せず一定値を保つんや!

🔄 確認問題

E = 0 の領域で電位は?

発展ルート

よっしゃ!発展問題や。

電位差の式を導出してみよう。内側導体と外側球殻の間の電位差は、静電容量の計算で重要になるで!

🔥 発展問題

内側導体球と外側球殻の電位差 Vab の式は?

💡 ヒント:V = −∫E dr を a から b まで積分。E = Q/(4πεr²) を使うと...

メインルート

電位の分布グラフを見てみよか。

電界のグラフと比較してみてな。電界は導体表面で「ジャンプ」したけど、電位は連続や。これが電界と電位の大きな違いやで!

電位 V の分布(r の関数) r V a b c 一定 1/r 一定 1/r V内側 V外殻

📌 電位分布のポイント

🔴 導体部分では電位が一定(水平線)

🔵 空間部分では 1/r に比例して減少

🟢 電位は連続(ジャンプしない)

📊 電界 vs 電位のグラフ比較

電界E:導体表面で不連続(ジャンプ)、空間で1/r²

電位V:どこでも連続、空間で1/r

この違いは電験でよく問われるから、しっかり区別しとこう!

メインルート

同心導体球はコンデンサとして働くんや!

内側に+Q、外側に−Qという電荷配置は、平行板コンデンサと同じ構造や。この構造で電荷を蓄えられるんやで。

同心球コンデンサ +Q −Q a b 等価回路 C

📌 同心球コンデンサ

内側導体:+Q

外側導体:−Q

この構造はコンデンサとして電荷を蓄えられる!

同心球コンデンサは、球対称やから計算しやすく、理論的に重要な構造や。静電容量の公式を導出してみよう!

メインルート

静電容量の公式を導出するで!

静電容量は C = Q/V の関係から求められる。電位差 V がわかれば、C も求まるんや。

Step 1: 電位差を求める

\( V_{ab} = V_a - V_b = \dfrac{Q}{4\pi\varepsilon}\left(\dfrac{1}{a} - \dfrac{1}{b}\right) \)

Step 2: 静電容量の定義を使う

\( C = \dfrac{Q}{V_{ab}} \)

Step 3: 代入して整理

\( C = \dfrac{Q}{\dfrac{Q}{4\pi\varepsilon}\left(\dfrac{1}{a} - \dfrac{1}{b}\right)} = \dfrac{4\pi\varepsilon}{\dfrac{1}{a} - \dfrac{1}{b}} \)

\( C = \dfrac{4\pi\varepsilon ab}{b - a} \)
同心球コンデンサの静電容量
📝 公式の覚え方

分子:4πε × a × b(両方の半径をかける)

分母:b − a(外から内を引く=隙間の厚さ)

「隙間が狭いほどC大」は平行板コンデンサと同じ傾向や!

🔍 公式の比較

平行板コンデンサ:C = εS/d(面積÷距離)

同心球コンデンサ:C = 4πεab/(b−a)(半径の積÷距離)

共通点:「距離が小さいほど C が大きい」

メインルート

静電容量についての問題や!

🧠 問題3

同心球コンデンサの静電容量 C の式で正しいのは?

💡 ヒント:分子に4πεと両半径の積、分母に隙間の厚さが入る式を探そう!

サポートルート

整理しよか。

公式の導出で一番のポイントは「通分」や。1/a − 1/b をどう通分するかがカギになるで。

ポイント: 静電容量の導出

C = Q/V で、V = Q/(4πε)·(1/a − 1/b)

1/a − 1/b = (b−a)/(ab) なので

C = 4πε · ab/(b−a)

🔄 確認問題

1/a − 1/b を通分すると?

発展ルート

発展問題いくで!

実際の数値を使って計算してみよう。単位の変換に気をつけてな(cm → m)。

🔥 発展問題

a = 10 cm、b = 20 cm、真空中(ε₀ = 8.85×10⁻¹² F/m)のとき、静電容量は約何 pF?

💡 ヒント:C = 4πε₀ab/(b−a) に代入。単位をSI(m)に揃えてから計算!

計算の流れ

a = 0.1 m、b = 0.2 m、b−a = 0.1 m

C = 4π × 8.85×10⁻¹² × 0.1 × 0.2 / 0.1

メインルート

特別な場合として、孤立導体球の静電容量を見てみよか。

外側球殻がなくて、導体球が単独で存在する場合や。これは「外側球殻が無限遠にある」と考えることができるんやで。

外側球殻を無限遠に(b → ∞)

\( C = \dfrac{4\pi\varepsilon ab}{b - a} \xrightarrow{b \to \infty} 4\pi\varepsilon a \)

\( C = 4\pi\varepsilon a \)(孤立導体球)
半径 a の孤立導体球の静電容量

💡 物理的意味

孤立導体球でも「自分自身と無限遠との間」に電荷を蓄えられる

→ 静電容量が存在する!

🌍 具体例:地球の静電容量

地球(半径 6,370 km)を孤立導体球と考えると...

C = 4π × 8.85×10⁻¹² × 6.37×10⁶ ≈ 710 μF

意外と小さい値やな!これは電験の発展知識として覚えとくとええで。

メインルート

外側球殻を接地するとどうなるかな?

接地とは「地面(電位ゼロの基準)」と導体をつなぐことや。電荷が自由に出入りできるようになるんやで。

外殻を接地した場合 接地なし +Q 外表面に+Q 外部に電界あり 接地あり +Q V = 0

📌 外殻を接地した場合

🔴 外表面の電荷が地面に逃げる → 外表面電荷 = 0

🔵 外殻の電位 = 0(接地電位)

🟢 外部の電界 = 0

🟠 静電容量は変わらない:C = 4πεab/(b−a)

接地すると外部に電界が漏れなくなる。これが「静電遮蔽+接地」の効果や!前回学んだファラデーケージと同じ原理やで。

🎯 接地の効果まとめ

接地前:外表面に+Q → 外部に電界が存在

接地後:外表面電荷0 → 外部の電界がゼロ

「接地=電荷の逃げ道を作る」と覚えよう!

メインルート

では、内側導体を接地するとどうなる?

外殻の接地とは逆のパターンや。今度は外殻に電荷を与えて、内殻がどう影響を受けるか見てみよう。

内殻を接地した場合 外殻に+Q 内表面:−Q V = 0 外殻に電荷を与えると 内殻に−Qが誘導され 地面から供給される

📌 内殻を接地した場合

内側導体の電位 = 0(接地電位)

外殻に電荷を与えると、地面から内殻に電荷が供給される

接地される場所によって、電荷分布が変わるのがポイントや。電験では「どこを接地したか」をよく確認しよう!

メインルート

接地についての問題や!

🧠 問題4

内側導体に+Q、外側球殻を接地したとき、外殻の外表面の電荷は?

💡 ヒント:接地すると電荷が「地面に逃げる」ことを思い出そう。外表面の電荷はどこに行く?

サポートルート

整理しよか。

接地の意味をもう一度確認するで。接地すると導体は「無限の電荷タンク」である地面とつながるんや。

ポイント: 接地の効果

接地すると…

・電位がゼロに固定される

・外表面の電荷は地面に逃げる

→ 外表面電荷 = 0

🔄 確認問題

接地した導体の電位は?

発展ルート

最後の発展問題や!

外殻が接地されている場合、外殻の電位はゼロや。内殻の電位は外殻との「電位差」として計算できるで。

🔥 発展問題

外殻を接地して内殻に+Qを与えたとき、内殻の電位 Va は?

💡 ヒント:外殻が接地されて Vb = 0。内殻の電位は「内殻と外殻の電位差」そのものになるで!

メインルート

今日学んだことをまとめるで!

電験で出題されるポイントを表にまとめたから、しっかり確認しとこう。特に公式は覚えておくと計算が速くなるで!

項目 内容
電界(導体内部) E = 0
電界(導体間) E = Q/(4πεr²)
電位(導体内部) 一定(等電位)
電位差 Vab = Q/(4πε)·(1/a − 1/b)
静電容量 C = 4πεab/(b−a)
孤立導体球 C = 4πεa
📋 試験対策チェックリスト

□ 導体内部は E = 0 で等電位

□ 電界は1/r²、電位は1/rで変化(空間部分)

□ 静電容量の公式 C = 4πεab/(b−a) を暗記

□ 接地すると外表面電荷がゼロになる

メインルート

よっしゃ!最後に今日のまとめや。

🎯 覚え方のコツ

電界E:「導体でゼロ、空間で1/r²」

電位V:「導体で一定、空間で1/r」

静電容量:「分子に積、分母に差」(4πεab/(b−a))

📝 第7講のまとめ

導体内部:電界 E = 0、電位一定

導体間空間:E ∝ 1/r²、V ∝ 1/r

同心球コンデンサ:C = 4πεab/(b−a)

孤立導体球:C = 4πεa

接地:外表面電荷がゼロになる

\( C = \dfrac{4\pi\varepsilon ab}{b - a} \)
同心球コンデンサの静電容量(暗記!)
📚 次回予告

次回「第8講:接地の効果」では...

・電位の基準としての接地

・複数導体の接地問題

・静電容量への接地の影響

をより詳しく学ぶで!

次回は接地の効果についてより詳しく学ぶで!電位固定や静電容量への影響をやっていくから、楽しみにしとき!

お疲れさん!第7講「同心導体球」終了や!

🏆
0
獲得ポイント
0
メイン正解
0
サポート利用
0
発展正解

📝 今日のまとめ

✅ 導体内部は E = 0、電位一定

✅ 導体間は E ∝ 1/r²

✅ C = 4πεab/(b−a)

✅ 孤立球は C = 4πεa

✅ 接地で外表面電荷ゼロ

🎯 電験での出題ポイント

計算問題:静電容量の公式に数値を代入

概念問題:接地による電荷分布の変化

グラフ問題:電界・電位の分布形状

この3パターンを押さえておけばバッチリや!

次の講座
▶ 第8講:接地の効果