Part 4 スタート!回路を流れる電気が「どれだけの仕事をするか」を学ぼう
よっしゃ!Part 4「電力・応用と総まとめ」のスタートや!🔥
Part 1〜3で、直流回路の「電圧・電流・抵抗」を求める力をしっかり身につけてきたな。オームの法則から始まって、キルヒホッフの法則、テブナンの定理、ブリッジ回路 ── どれも回路の中で電流がどう流れるか、電圧がどう分かれるかを計算するための道具やった。
でもな、ここで一つ考えてみてくれ。電流が流れると、実際に何が起きるんやろう?
電球は光る。ヒーターは熱くなる。モーターは回る。── これら全部、電気エネルギーが別の形のエネルギーに変換されてるんや。この「エネルギーの変換量」を数値で表すのが、今日学ぶ電力(Power)やで。
📚 この講座で学ぶこと
⚡ 電力 \( P = VI \) の本質と意味
⚡ 電力の3つの形 \( P = VI = I^2R = \frac{V^2}{R} \) の使い分け
⚡ 電力量 \( W = Pt \) と単位変換(J ↔ kWh)
⚡ ジュール熱 \( Q = I^2Rt \) の計算
⚡ 身近な電気製品の電力計算
電力の話は、電験三種の試験で毎回出るだけやなく、日常生活に直結する知識でもあるんや。「電気代ってどう計算するん?」「1200Wのドライヤーを10分使ったらいくら?」── こういう疑問にも答えられるようになるで。
ほな、いくで!
まず、電力って何やねん?ってところから始めよか。
電力は一言で言うと「電気が1秒間にする仕事の量」や。もっと正確に言うと、「単位時間あたりに消費(または供給)される電気エネルギー」のことやな。
物理で「仕事率」って習ったことあるやろ? 仕事率 = 仕事 ÷ 時間。電力はまさに、電気版の「仕事率」なんや。
水道で例えてみよか。水圧(電圧)が高い蛇口から、たくさんの水(電流)が流れてるとする。このとき、水が水車を回す力(=仕事をする力)はどうなるか? 水圧が高いほど、水量が多いほど、水車は勢いよく回るやろ? つまり、水圧 × 水量 = 水車を回す力や。電気も全く同じで、電圧 × 電流 = 電力になるんやで。
せやから、電力の基本公式はこうなる。
単位はワット [W]。これは蒸気機関を改良したジェームズ・ワットにちなんだ名前や。1Wは「1Vの電圧で1Aの電流が流れているときの電力」を意味するで。
たとえば、家庭のコンセント(100V)に、1Aの電流を流す家電をつないだら、消費電力は \( P = 100 \times 1 = 100 \) W。60Wの電球なら \( I = P/V = 60/100 = 0.6 \) A の電流が流れてるわけやな。
📌 電力のイメージ
⚡ 電力 = 電気が「仕事をする速さ」
⚡ 電圧が高い → 電荷を押す力が強い → 仕事が多い
⚡ 電流が大きい → 流れる電荷が多い → 仕事が多い
⚡ 電力 = 電圧 × 電流(両方大きいほど電力も大きい)
ここが今日の最重要ポイントや。電力には3つの表現形があるんやで。
さっき学んだ基本公式は \( P = VI \) やったな。でも、実際の問題では「電圧は分かるけど電流が分からん」とか「電流と抵抗だけ分かる」とか、いろんなパターンがある。そんなとき、オームの法則 \( V = IR \) を使って電力の公式を変形するんや。
変形①:P = VI の V に V = IR を代入
\( P = VI = (IR) \times I = I^2 R \)
→ 電流Iと抵抗Rが分かっているときに使う
変形②:P = VI の I に I = V/R を代入
\( P = VI = V \times \frac{V}{R} = \frac{V^2}{R} \)
→ 電圧Vと抵抗Rが分かっているときに使う
大事なのは、3つの式は全部同じことを言ってるってことや。どの式を使っても答えは同じ。ただ、問題で与えられてる情報(V, I, R のうちどの2つが分かっているか)に応じて、一番ラクな式を選ぶんやで。
使い分けの覚え方はシンプルや。問題文を読んで、V, I, R のうちどの2つが与えられてるかをチェックするだけ。VとIが分かったら \( P = VI \)、IとRなら \( P = I^2R \)、VとRなら \( P = V^2/R \)。「与えられた2つをそのまま使える式」を選ぶのがコツやで。
公式が分かったところで、身近な電気製品で電力の感覚を掴んでみよか。
| 電気製品 | 消費電力 | 電流(100V時) |
|---|---|---|
| LED電球 | 約 8 W | 0.08 A |
| スマホ充電器 | 約 10〜20 W | 0.1〜0.2 A |
| テレビ(32型) | 約 60 W | 0.6 A |
| 電子レンジ | 約 1000 W | 10 A |
| ドライヤー | 約 1200 W | 12 A |
| エアコン | 約 500〜2000 W | 5〜20 A |
| IHクッキングヒーター | 約 3000 W | 30 A(200V回路で15A) |
この表を見ると、熱を出す家電ほど消費電力が大きいのが分かるやろ? ドライヤーやヒーター、IHコンロなんかは、電気エネルギーを直接「熱」に変換するから、大量の電力が必要なんや。逆に、LED電球みたいに効率よくエネルギーを使うものは消費電力が小さい。
ちなみに、家庭のブレーカーが15Aや20Aなんは、この電流の大きさを考えると納得やろ? ドライヤー(12A)と電子レンジ(10A)を同時に使うと、12 + 10 = 22A。20Aのブレーカーなら余裕で飛ぶんや。「ドライヤーとレンジを同時に使ったらブレーカー落ちた」って経験、ある人多いんちゃうかな?
ここで注目してほしいのが、IHクッキングヒーターの「200V回路」や。家庭用の普通のコンセントは100Vやけど、大電力の家電用に200Vの回路もある。同じ3000Wでも、100Vなら30A必要やけど、200Vなら15Aで済む。電圧を上げると、同じ電力でも電流が小さくなる。これは送電線で高電圧が使われる理由とも関係してるんやで。
📌 電力に関する豆知識
⚡ 「消費電力」は家電の能力を表す指標
⚡ 熱を出す家電 → 消費電力が大きい
⚡ \( I = P/V \) でブレーカー容量を超えないかチェックできる
⚡ 電圧を上げれば同じ電力でも電流を減らせる → 電線が細くて済む
ほな、ここまでの理解を問題で確認してみよか!
まずは電力の基本計算からや。公式をちゃんと使えるか確認するで!
上図の回路で、\( E = 12 \) V、\( R = 6 \) Ω のとき、抵抗 R で消費される電力 P はいくらか。
電力の計算方法を一緒に整理しよか。
解法:どの電力公式を使う?
この問題では V(= E = 12V)と R(= 6Ω)が分かってる。
V と R が分かってるなら → \( P = \frac{V^2}{R} \) が一番ラク!
\( P = \frac{12^2}{6} = \frac{144}{6} = 24 \) W
もちろん、まず \( I = V/R = 12/6 = 2 \) A を求めてから \( P = VI = 12 \times 2 = 24 \) W としてもええで。どの方法でも答えは同じ。でも、\( P = V^2/R \) を使えば一発で出るから、時間の節約になるんやな。
同じ回路で、抵抗を R = 3Ω に変えたら消費電力はいくらになるか。
基本はバッチリやな!ほな、ちょっと考えさせる問題いくで。
\( E = 12 \) V の電源に \( R_1 = 4 \) Ω と \( R_2 = 8 \) Ω が直列接続されている。\( R_2 \) で消費される電力はいくらか。
💡 ヒント:直列なのでまず回路全体の電流を求め、その電流を使って R₂ の電力を計算しよう
ここで、直列接続と並列接続で電力がどう変わるかを整理するで。これ、電験三種でめっちゃ聞かれるポイントやからな。
直列回路では各抵抗に流れる電流は同じやったな。せやから、電力を比較するときは \( P = I^2R \) が便利や。電流 I が共通やから、抵抗が大きい方が電力も大きい。
直列回路での電力配分
電流が共通 → \( P = I^2 R \) を使う
\( P_1 = I^2 R_1 \)、\( P_2 = I^2 R_2 \)
\( \frac{P_1}{P_2} = \frac{R_1}{R_2} \) → 電力は抵抗に比例
並列回路では各抵抗にかかる電圧は同じやったな。せやから、\( P = V^2/R \) が便利。電圧 V が共通やから、抵抗が小さい方が電力が大きい。直列とは逆やで!
並列回路での電力配分
電圧が共通 → \( P = \frac{V^2}{R} \) を使う
\( P_1 = \frac{V^2}{R_1} \)、\( P_2 = \frac{V^2}{R_2} \)
\( \frac{P_1}{P_2} = \frac{R_2}{R_1} \) → 電力は抵抗に反比例
🚨 ここで引っかかる人が多い!
⚡ 直列:抵抗が大きい方が電力が大きい(\( P = I^2R \)、I共通)
⚡ 並列:抵抗が小さい方が電力が大きい(\( P = V^2/R \)、V共通)
⚡ 「直列は比例、並列は反比例」── この違いを覚えるのが超大事!
なぜこうなるか、直感的に考えてみよか。直列回路で抵抗が大きいと、その抵抗にかかる電圧が大きくなる(分圧)。同じ電流が流れてて電圧が大きいから、当然電力も大きい。一方、並列回路で抵抗が小さいと、その枝にたくさん電流が流れる(分流)。同じ電圧で電流が多いから、電力も大きくなるんや。
さて、次は電力量(Energy / Work)の話や。
電力(P)が「1秒あたりのエネルギー消費量」なら、電力量(W)は「合計でどれだけのエネルギーを使ったか」を表す量やで。つまり「電力 × 時間」やな。
水道で考えてみ。蛇口から毎分10リットルの水が出てるとしよか(これが「電力」に相当)。10分間出しっぱなしにしたら、合計 10×10 = 100リットルの水を使ったことになるやろ? この「合計100リットル」が「電力量」に相当するんや。つまり、電力量 = 電力(流れの速さ) × 時間(どれだけ使ったか)やで。
単位のジュール [J] は「ワット秒 [W·s]」とも書ける。1Wの電力を1秒間使ったら1Jのエネルギーを消費するんや。
ただし、ジュールは実用上ちょっと小さすぎるんやな。たとえば1000Wのヒーターを1時間使ったら、\( W = 1000 \times 3600 = 3,600,000 \) J = 360万ジュール。数字がデカすぎて使いにくいやろ?
そこで登場するのがキロワット時 [kWh]や。
電気料金は「使った kWh × 単価」で計算されるんや。たとえば電気代が30円/kWhで、1200Wのドライヤーを30分使ったら:
電気代の計算例
電力量 = 1200W × 0.5時間 = 600Wh = 0.6kWh
電気代 = 0.6kWh × 30円/kWh = 18円
「ドライヤー30分で18円かぁ」── こうやって計算できると、日常の電気代感覚も身につくやろ? 電験三種でもkWhとJの単位変換は頻出やから、\( 1 \text{ kWh} = 3.6 \times 10^6 \text{ J} \) は絶対覚えとこな。
📌 電力量の単位まとめ
⚡ \( W = Pt \) (P [W] × t [s] = W [J])
⚡ 1 J = 1 W·s
⚡ 1 kWh = 3.6 × 10⁶ J = 3600 kJ
⚡ 電気料金 = 使用電力量 [kWh] × 単価 [円/kWh]
電力量の計算問題や。単位変換がポイントやで!
500Wのヒーターを2時間使用したとき、消費した電力量は何 kWh か。
kWh の計算を整理するで。
kWh の求め方
① まず電力を kW に変換:500W = 0.5kW
② kW × 時間(h) = kWh
③ 0.5kW × 2h = 1.0 kWh
kWh(キロワット時)は「kW × h(時間)」の単位や。ここで注意してほしいのは、時間の単位は「秒」ではなく「時間」を使うことや。ジュール [J] の計算では秒を使うけど、kWh では時間を使う。ここの使い分けは間違いやすいから気をつけてな。
ちなみに、同じ答えをジュールで出すと:\( W = 500 \times 7200 = 3,600,000 \) J = 3.6 × 10⁶ J。確かに 1kWh = 3.6 × 10⁶ J と一致するな。
2 kWh は何 J(ジュール)か。
単位変換はバッチリやな!ほな、実用的な問題にいくで。
100Vの電源に 20Ωの抵抗(ヒーター)を接続し、5分間通電した。このとき発生する熱量は何 J か。
💡 ヒント:まず電力を求めてから、W = Pt(t は秒に変換!)で計算
ここからはジュール熱(Joule Heat)について詳しく学んでいくで。
「ジュール熱」って名前は聞いたことあるやろ? 抵抗に電流が流れると熱が発生する ── この現象をジュール発熱っていうんや。イギリスの物理学者ジェームズ・プレスコット・ジュールが発見したから、この名前がついてるんやな。
では、なぜ抵抗に電流を流すと熱が出るのか? それは、電流(=電荷の流れ)が抵抗の中を通るとき、原子にぶつかりながら進むからや。このぶつかるエネルギーが「熱」として放出されるんやな。これは摩擦熱と似てるで。手をこすり合わせると温かくなるやろ? あれと同じ原理や。
パチンコの玉が釘に当たりながら落ちていくのを想像してみ。玉(電荷)が釘(原子)にぶつかるたびに、運動エネルギーの一部が振動(熱)に変わる。抵抗が大きいってことは釘が多いってこと。電流が大きいってことは玉がたくさん流れてるってこと。どっちが増えても発熱は大きくなるんや。
この式を見て「あれ?これ電力量の式と同じやん」って思ったキミ、鋭いで! そう、ジュール熱の式は電力量の式そのものなんや。
ジュール熱 = 電力量 の関係
\( Q = I^2 R t = Pt = VIt = \frac{V^2}{R} t \) [J]
抵抗で消費された電気エネルギーは、すべて熱に変換される
→ 抵抗の電力量 = ジュール熱
ただし注意してほしいのは、「電力量 = ジュール熱」が成り立つのは純粋な抵抗(ヒーター、電熱線など)の場合やで。モーターや電球の場合は、電気エネルギーの一部が運動エネルギーや光エネルギーに変わるから、全部が熱にはならへん。でも、電験三種の直流回路の問題では基本的に純抵抗(全部熱になる)として扱うから、そこは安心してな。
📌 ジュール熱のポイント
⚡ ジュール熱 \( Q = I^2 R t \) = 電流の2乗に比例
⚡ 同じ電流なら、抵抗が大きいほど発熱が大きい
⚡ 同じ抵抗なら、電流が大きいほど発熱が大きい(2乗で効く!)
⚡ 純抵抗では:電力量 = ジュール熱(エネルギー保存則)
ジュール熱の計算問題や。電流の2乗を忘れんようにな!
10Ωの抵抗に 3A の電流を 2分間 流したとき、発生するジュール熱はいくらか。
ジュール熱の計算を一緒にやってみよか。
計算手順
① 公式:\( Q = I^2 R t \)
② 時間を秒に変換:2分 = 120秒
③ 代入:\( Q = 3^2 \times 10 \times 120 \)
④ 計算:\( Q = 9 \times 10 \times 120 = 10{,}800 \) J
ポイントは2つ。まず、時間を必ず「秒」に変換すること。ジュール [J] の計算では秒を使うんやで(kWh の計算は時間を使うけど、ここでは J やから秒)。次に、I は「2乗」になること。I = 3A なら I² = 9 やで。ここで 3 のまま計算してしまうミスがめっちゃ多いから注意な。
上の問題で、電流を 3A から 6A に倍にしたら、ジュール熱は何倍になるか。
ジュール熱の計算はバッチリやな!ほな、もう少し考える問題にいくで。
200Wの電熱器で 500g の水を 20℃ から 50℃ まで加熱したい。必要な時間は約何秒か。ただし、水の比熱は 4.2 J/(g·℃) とし、熱の損失はないものとする。
💡 ヒント:必要な熱量 Q = mcΔT で求め、t = Q/P で時間を求めよ
ここで、電力関連の公式を試験対策の観点から整理するで。
電験三種では「どの公式を使うか」の判断が問われることが多い。公式を3つ全部覚えてるのは当たり前で、問題の条件に合わせて最も効率的な式を選べるかがカギになるんや。
| 分かっている量 | 使う公式 | 式 |
|---|---|---|
| V と I | \( P = VI \) | 最も基本的 |
| I と R | \( P = I^2R \) | 直列回路で便利 |
| V と R | \( P = V^2/R \) | 並列回路で便利 |
さらに、電力量とジュール熱の関係も整理しとこ。
| 量 | 公式 | 単位 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 電力 | \( P = VI \) | [W] | 瞬時の値 |
| 電力量 | \( W = Pt \) | [J] or [kWh] | 時間の累積 |
| ジュール熱 | \( Q = I^2Rt \) | [J] | 抵抗での発熱 |
📌 電験三種でよくある出題パターン
⚡ パターン1:回路図が与えられて「消費電力を求めよ」→ まず I か V を求めてから P を計算
⚡ パターン2:直列/並列の電力比較 → 直列は \( I^2R \)、並列は \( V^2/R \) で比較
⚡ パターン3:ジュール熱の計算 → 時間を秒に変換して \( Q = I^2Rt \)
⚡ パターン4:kWh ↔ J の単位変換
⚡ パターン5:水の加熱問題 → 必要熱量 \( Q = mc\Delta T \) と電力量を等置
ここからは直列・並列と電力の関係を問う問題や。Step 6 で学んだ内容を使うで!
\( R_1 = 2 \) Ω と \( R_2 = 8 \) Ω が直列接続されて電圧 E に接続されている。\( R_1 \) で消費される電力 \( P_1 \) と \( R_2 \) で消費される電力 \( P_2 \) の比 \( P_1 : P_2 \) はいくらか。
直列の電力比較を復習するで。
直列回路での電力比
直列回路では電流Iが共通 → \( P = I^2R \) を使う
\( P_1 = I^2 \times 2 \)、\( P_2 = I^2 \times 8 \)
\( P_1 : P_2 = 2 : 8 = \)1 : 4
直列では 抵抗が大きい方が電力が大きい(比例)
「直列は電流が同じ → 抵抗に比例」── これがポイントや。抵抗が4倍やったら、そこで消費する電力も4倍になるんやな。
同じ R₁ = 2Ω と R₂ = 8Ω を今度は並列接続した場合、電力比 P₁ : P₂ はどうなるか。
直列の電力比はバッチリやな!ほな、回路全体の電力に関する問題を出すで。
\( E = 24 \) V の電源に、\( R_1 = 4 \) Ω と \( R_2 = 12 \) Ω が並列接続されている。回路全体で消費される総電力はいくらか。
💡 ヒント:方法1 = 合成抵抗を求めて P = V²/R。方法2 = 各抵抗の電力を個別に求めて合算
ここで、電験三種でよく出る水の加熱問題について整理しておくで。
この手の問題は、「電気エネルギー(ジュール熱)」と「水の温度上昇に必要な熱量」を等しいとおくのが基本や。物理でいうエネルギー保存則やな。
水の比熱 \( c = 4.2 \) J/(g·℃)(これはほぼ暗記やで)。
ほんで、電気エネルギー(ジュール熱)と水が吸収する熱量を等しいとおくと:
電熱器で水を加熱する問題の解法
電気エネルギー = 水の吸収熱量
\( Pt = mc\Delta T \)
(P:電力 [W]、t:時間 [s]、m:水の質量 [g]、c:比熱、ΔT:温度上昇)
求めたい量(t や P や ΔT)について解く
ただし、実際の問題では「効率」が与えられることもある。たとえば「電熱器の効率が80%」やったら、電力量の80%だけが水の加熱に使われるから:
\( \eta \times Pt = mc\Delta T \)(\( \eta \) = 効率 = 0.8)
📌 水の加熱問題の手順
⚡ ① 必要な熱量を求める:\( Q = mc\Delta T \)
⚡ ② 電気エネルギーと等しいとおく:\( Q = Pt \)(効率ありなら \( Q = \eta Pt \))
⚡ ③ 求めたい量について式を解く
⚡ 水の比熱 c = 4.2 J/(g·℃) は暗記
ほな、水の加熱問題に挑戦や。電験三種の定番出題パターンやで!
500Wの電熱器で 1kg(= 1000g)の水を 20℃ から 80℃ に加熱する。熱効率を100%(損失なし)とすると、必要な時間は約何秒か。ただし、水の比熱は 4.2 J/(g·℃) とする。
一緒に計算していこか。
Step 1:必要な熱量を求める
\( Q = mc\Delta T = 1000 \times 4.2 \times (80 - 20) \)
\( Q = 1000 \times 4.2 \times 60 = 252{,}000 \) J
Step 2:時間を求める
\( Q = Pt \) より \( t = \frac{Q}{P} \)
\( t = \frac{252{,}000}{500} = 504 \) 秒
504秒 ≈ 8分24秒。500Wのヒーターで1リットルの水を60℃上げるのに約8分半かかるんやな。実際の電気ポットはもっと大きな電力(1000〜1300W)を使うから、もっと速く沸くで。
もし効率が80%(η = 0.8)だったら、必要な時間はどうなるか。
水の加熱問題はバッチリやな!ほな、回路計算と組み合わせた応用問題にいくで。
100V の電源に 20Ω の電熱線を接続して、2kg の水を加熱する。10分間で水温は何℃上昇するか。効率100%、比熱 4.2 J/(g·℃) とする。
💡 ヒント:まず P = V²/R で電力を求め、Q = Pt で熱量を求め、ΔT = Q/(mc) で温度上昇を求めよ
ここで単位変換の問題を出すで。電験三種では「J → kWh」や「kWh → J」の変換がよく聞かれるんや。
\( 7.2 \times 10^6 \) J の電力量は何 kWh か。
単位変換のポイントを復習するで。
J → kWh の変換
1 kWh = 3.6 × 10⁶ J(これは暗記!)
7.2 × 10⁶ J ÷ 3.6 × 10⁶ J/kWh = 2.0 kWh
変換のコツは「\( 1 \text{ kWh} = 3.6 \times 10^6 \text{ J} \)」を覚えることや。この数字はどこから来るかというと、1kW × 1時間 = 1000W × 3600秒 = 3,600,000 J = 3.6 × 10⁶ J やな。
0.5 kWh は何 J か。
単位変換はバッチリやな!実用的な問題にいくで。
1500Wの電気ストーブを1日8時間、30日間使用した。電気料金の単価が30円/kWhのとき、1ヶ月の電気代はいくらか。
ここで、電力の知識を使った送電線の電力損失の話をするで。これは電験三種でも頻出テーマやし、電力の本質を理解するのにめっちゃ役立つ話や。
発電所で作った電気を家庭に届けるには、長い送電線を通す必要があるよな。送電線にも抵抗があるから、送電中にジュール熱として電力が失われてしまう。これが「電力損失」や。
送電線の抵抗を r、流れる電流を I とすると、送電線(往復)での電力損失は:
ここで注目してほしいのが「電流の2乗」の部分や。電流が2倍になると損失は4倍、3倍になると9倍。これはデカい。
じゃあ、同じ電力 \( P \) を送るのに損失を減らすにはどうしたらええか? \( P = VI \) やから、電圧 V を上げれば、電流 I を下げても同じ電力を送れる。電流が小さくなれば、\( I^2 \times 2r \) の損失も小さくなる。
これが、発電所から家庭まで27万5000Vや50万Vという超高電圧で送電される理由や。高圧にすることで電流を小さくして、送電線での電力損失を最小限に抑えてるんやな。家庭に届くときは変圧器で100Vに下げてる。電験三種の電力科目でもこの考え方が出てくるから、今のうちにイメージを掴んどくとええで。
総合問題や。回路計算と電力計算を組み合わせるで!
上図で \( E = 30 \) V、\( R_1 = 2 \) Ω、\( R_2 = 6 \) Ω、\( R_3 = 3 \) Ω とする。\( R_2 \) と \( R_3 \) は並列で、それと \( R_1 \) が直列である。回路全体で消費される総電力はいくらか。
順番に計算していこか。
Step 1:合成抵抗を求める
\( R_2 \) と \( R_3 \) の並列:\( R_{23} = \frac{6 \times 3}{6 + 3} = \frac{18}{9} = 2 \) Ω
合計(\( R_1 \) と直列):\( R = R_1 + R_{23} = 2 + 2 = 4 \) Ω
Step 2:総電力を求める
V と R が分かったから \( P = V^2/R \) を使う
\( P = \frac{30^2}{4} = \frac{900}{4} = 225 \) W
回路全体の電力を求めるなら、合成抵抗を使って一発で出すのが最速やで。もちろん、\( I = 30/4 = 7.5 \) A を求めてから \( P = VI = 30 \times 7.5 = 225 \) W としてもOKや。
この回路で R₁ = 2Ω に消費される電力はいくらか。I = 7.5A が流れている。
合成抵抗からの電力計算はバッチリやな!ほな、各抵抗の電力配分まで踏み込んだ問題いくで。
同じ回路で、\( R_2 \)(6Ω)で消費される電力と \( R_3 \)(3Ω)で消費される電力の比 \( P_2 : P_3 \) はいくらか。
💡 ヒント:R₂ と R₃ は並列 → 電圧が同じ → P = V²/R を使って比較
第16講で学んだ内容を一枚の表にまとめるで。試験直前にここを見直すだけで電力の知識が整理できるようにしとくで!
| 項目 | 公式 | 単位 |
|---|---|---|
| 電力 | \( P = VI = I^2R = \frac{V^2}{R} \) | [W] |
| 電力量 | \( W = Pt \) | [J] = [W·s] |
| kWh変換 | \( 1 \text{ kWh} = 3.6 \times 10^6 \text{ J} \) | [kWh] ↔ [J] |
| ジュール熱 | \( Q = I^2Rt = Pt \) | [J] |
| 水の加熱 | \( Pt = mc\Delta T \) | c = 4.2 J/(g·℃) |
| 送電損失 | \( P_{loss} = I^2 \times 2r \) | [W] |
📌 電力の3公式の使い分け(最終版)
⚡ V と I → \( P = VI \)
⚡ I と R → \( P = I^2R \)(直列回路の比較に便利)
⚡ V と R → \( P = V^2/R \)(並列回路の比較に便利)
⚡ 直列:電力は抵抗に比例
⚡ 並列:電力は抵抗に反比例
ラスト問題や!第16講の総仕上げとして、知識の正確さを試すで。
次の記述のうち、正しいものはどれか。
各選択肢を一つずつ検証してみよか。
各選択肢の検証
① 直列では抵抗が大きい方が電力が大きい(\( P = I^2R \))→ ❌
② 並列では抵抗が小さい方が電力が大きい(\( P = V^2/R \))→ ✅ 正解
③ ジュール熱は電流の2乗に比例(\( Q = I^2Rt \))→ ❌
④ 1kWh = 3.6 × 106 J(10³ではなく10⁶)→ ❌
特に③は要注意や。ジュール熱は \( Q = I^2Rt \) で、電流は2乗で効くんやで。1乗やないからな!電流が2倍になると熱は4倍。この「2乗」を忘れるとえらい目にあうで。
送電線の電力損失を減らすには、どうすればよいか。
知識の整理はバッチリやな!ほな最後に、次回(最大電力供給)への橋渡し問題や。
テブナン等価回路で \( V_0 = 10 \) V、\( R_0 = 5 \) Ω のとき、負荷抵抗 \( R_L = 5 \) Ω を接続した。\( R_L \) で消費される電力はいくらか。
💡 ヒント:テブナン等価回路から電流を求め、P = I²R_L で計算
お疲れさま!第16講、よう頑張ったな!💪
今日は電力・電力量・ジュール熱という、電気エネルギーの「量」に関する内容を学んだわけや。Part 1〜3で「回路の中で電流がどう流れるか」を学んで、Part 4ではいよいよ「その電流がどれだけの仕事をするか」まで踏み込んできたんやな。
🎓 第16講で身につけた力
⚡ 電力の本質(電気がする仕事の速さ)を理解
⚡ \( P = VI = I^2R = V^2/R \) の3公式を使い分ける力
⚡ 電力量 [J] と [kWh] の単位変換
⚡ ジュール熱 \( Q = I^2Rt \) の計算力
⚡ 水の加熱問題を解く力
⚡ 直列は比例、並列は反比例の電力配分の理解
次の第17講では「最大電力供給の条件」を学ぶで。「負荷抵抗をいくつにしたら、一番多くの電力を取り出せるか?」── これは発展問題でチラッと触れたけど、\( R_L = R_0 \) のとき最大になるんやったな。第17講ではその理由を数学的にも直感的にも完全に理解するで。楽しみにしとってな!
📚 次回予告:第17講「最大電力供給の条件」
負荷抵抗 \( R_L \) をいくつにしたら最大電力が得られるか? \( R_L = R_0 \) の条件の導出と、\( P_{max} = \frac{E^2}{4R_0} \) の使い方をマスターするで!