第13講:4つの抵抗が作る「たすき掛け」の条件を完全マスター
第13講の始まりや!今回はブリッジ回路(ホイートストンブリッジ)を学んでいくで。
前回の第12講ではテブナンの定理を学んだな。「複雑な回路を等価回路に変換する」っていう最強の武器やった。今回は、そのテブナンの定理がフル活用される場面の代表格、ブリッジ回路を攻略するで。
ブリッジ回路は電験三種で超頻出のテーマや。過去問を見ると、ほぼ毎年どこかで出題されてる。しかも、ブリッジの知識は直流回路だけやなく、交流回路の分野でも使うから、ここでしっかり基礎を固めておくと後々めちゃくちゃ楽になるで。
📌 この講座で学ぶこと
⚡ ブリッジ回路の構造と各部の名前
⚡ 平衡条件 \( R_1 R_4 = R_2 R_3 \) の導出と意味
⚡ 平衡ブリッジの判定と未知抵抗の計算
⚡ 非平衡ブリッジのテブナン解析
⚡ 電験三種での出題パターンと攻略法
まずはブリッジ回路の構造を確認しよか。下の図をよく見てや。
ブリッジ回路は、4つの抵抗が「H」の字のように配置された回路や。構造を整理すると:
電源Eから2つの経路に分かれる。左の経路は R1→ノードc→R3 を通り、右の経路は R2→ノードd→R4 を通る。そして、この2つの経路の中間点(cとd)をブリッジ辺 R5(検流計Gとも呼ぶ)で橋渡ししてるのが特徴や。
「ブリッジ」って名前の由来は、まさにこの R5 が2つの枝を「橋渡し」してるからやで。英語でbridge(橋)やからな。
📌 ブリッジ回路の構成要素
⚡ R1, R2, R3, R4:4つの腕(アーム)の抵抗
⚡ R5(G):ブリッジ辺(検流計/ガルバノメータ)
⚡ ノードc, d:ブリッジの中間接続点
⚡ E:電源(ノードa-b間に接続)
ここで注意してほしいのが、R1とR4、R2とR3 の位置関係や。R1とR4は対角(たすき)の位置にある。R2とR3も対角の位置や。この「対角」の関係が、次に学ぶ平衡条件のカギになるで。
さあ、ブリッジ回路で一番大事な平衡条件を導出するで。
「平衡(へいこう)」ってなにかっていうと、ブリッジ辺 R5 に電流が流れない状態のことや。検流計Gの針がピクリとも動かない=電流ゼロの状態やな。
R5に電流が流れないってことは、ノードcとノードdの電位が等しいってことや。\( V_c = V_d \) やから、c-d間に電位差がなくて、電流の流れようがないんやな。
この条件を式で表してみよう。R5に電流が流れないなら、回路は左右独立の2つの直列回路として動くんや。
🔹 平衡条件の導出
R5に電流が流れない → 左枝路と右枝路は独立
左枝路の電流:\( I_L = \frac{E}{R_1 + R_3} \)
右枝路の電流:\( I_R = \frac{E}{R_2 + R_4} \)
ノードcの電位(bを基準):\( V_c = I_L \times R_3 = E \times \frac{R_3}{R_1 + R_3} \)
ノードdの電位(bを基準):\( V_d = I_R \times R_4 = E \times \frac{R_4}{R_2 + R_4} \)
平衡条件 \( V_c = V_d \) より:
\( \frac{R_3}{R_1 + R_3} = \frac{R_4}{R_2 + R_4} \)
交差して掛けると:
\( R_3(R_2 + R_4) = R_4(R_1 + R_3) \)
\( R_2 R_3 + R_3 R_4 = R_1 R_4 + R_3 R_4 \)
両辺から \( R_3 R_4 \) を消すと:
これがホイートストンブリッジの平衡条件や!「たすき掛け」って呼ばれることが多い。対角にある抵抗同士の積が等しければ、R5に電流が流れないんや。
この「たすき掛け」の図は必ず覚えておいてや。R1とR4が対角、R2とR3が対角。対角の積が等しいのが平衡条件や。隣同士の積(R1×R2やR3×R4)ではないから注意やで!
平衡条件の式が分かったところで、実際の使い方を見ていこか。
平衡条件 \( R_1 R_4 = R_2 R_3 \) は、同じ式を変形してこんな形でも使えるで。
この「比の形」も覚えておくと便利や。「左上÷右上 = 左下÷右下」、つまり同じ列の上下の比が等しいってことやな。
電験三種では、平衡条件を使う場面は主に2パターンや。
📌 平衡条件の使い方2パターン
⚡ パターン①:「平衡しているとき、未知の抵抗Xを求めよ」
→ \( R_1 R_4 = R_2 R_3 \) に既知の値を代入してXを求める
⚡ パターン②:「この回路は平衡しているか判定せよ」
→ \( R_1 R_4 \) と \( R_2 R_3 \) を計算して等しいか確認する
パターン①の具体例をやってみよう。R1=3Ω、R2=6Ω、R4=4Ω のとき、平衡するためのR3はいくらか?
\( R_1 R_4 = R_2 R_3 \)
\( 3 \times 4 = 6 \times R_3 \)
\( 12 = 6 R_3 \)
\( R_3 = 2 \) [Ω]
ブリッジの平衡を「シーソー」でイメージしてみ。左右のバランスが取れてるとき、真ん中に置いた検流計(R5)は動かない。R1×R4とR2×R3は、シーソーの左右のおもりの「モーメント」みたいなもんや。モーメントが等しければバランスが取れて、検流計には電流が流れへんのや。
あと、もう一つ大事なポイント。平衡しているときは R5 がないものとして回路を解けるんや。R5に電流が流れない=R5があってもなくても同じ、ってことやからな。これを使うと回路がかなり簡単になるで。
ほな、平衡条件の理解を確認する問題や!
上のブリッジ回路が平衡しているとき、R3はいくらか?
R1=3Ω、R2=6Ω、R4=4Ω
平衡条件の使い方を丁寧に確認するで。
ポイント整理:平衡条件の使い方
① 平衡条件の式を書く:\( R_1 \times R_4 = R_2 \times R_3 \)
② 「対角の積」が等しい!R1とR4が対角、R2とR3が対角
③ 既知の値を代入する:\( 3 \times 4 = 6 \times R_3 \)
④ 未知の値について解く:\( R_3 = 12 \div 6 = 2 \) Ω
R1=4Ω、R4=9Ω、R2=6Ω のとき、平衡する R3 は?
正解やな!ちょっとレベルアップした問題に挑戦してみ。
ブリッジ回路で R1=4Ω、R3=6Ω、R4=3Ω のとき、平衡するための R2 はいくらか?
💡 ヒント:\( R_1 R_4 = R_2 R_3 \) を R2 について解く
ええぞ!平衡条件の計算は掴めたな。ここで、平衡ブリッジの重要な性質をもう少し深掘りしとくで。
平衡しているとき、\( R_5 \) に電流が流れない。これが何を意味するか整理しよう。
📌 平衡ブリッジの3つの性質
⚡ ① R5に電流が流れない(\( I_5 = 0 \))
⚡ ② ノードcとノードdの電位が等しい(\( V_c = V_d \))
⚡ ③ R5の値が何Ωでも結果は変わらない(0Ωでも∞Ωでも同じ)
特に③がポイントや。平衡状態では、R5を取り外しても(開放しても)、R5を導線に置き換えても(短絡しても)、回路全体の電流分布は変わらへんのや。
これを使うと、平衡ブリッジの合成抵抗が簡単に求まる。R5がないものとして考えればええからな。
🔹 平衡ブリッジの合成抵抗(a-b間)
R5を無視すると、左枝(R1+R3)と右枝(R2+R4)の並列になる:
\( R_{ab} = \frac{(R_1 + R_3)(R_2 + R_4)}{(R_1 + R_3) + (R_2 + R_4)} \)
平衡ブリッジを天秤で考えてみ。天秤が水平のとき(平衡)、真ん中の支点には横方向の力がかからない。これがR5に電流が流れない状態や。天秤が傾いたら(非平衡)、支点に横方向の力がかかる=R5に電流が流れるんや。
逆に、平衡してないときはR5を無視でけへん。非平衡ブリッジの解析にはテブナンの定理が必要になるんや。それはこの後のステップで学ぶで。
さて、ここからが後半戦や。非平衡ブリッジの解析に入るで。
非平衡っていうのは、\( R_1 R_4 \neq R_2 R_3 \) の状態。つまり平衡条件を満たしてないから、R5に電流が流れるんや。
「非平衡のとき、R5に流れる電流を求めよ」っていう問題が電験三種ではよく出る。これをどうやって解くかっていうと…そう、前回学んだテブナンの定理の出番や!
📌 非平衡ブリッジの解析方針
⚡ R5を「負荷」と見なす
⚡ R5を外した状態で、c-d間のテブナン等価回路を求める
⚡ \( V_0 \):R5を外したときのc-d間電圧(開放電圧)
⚡ \( R_0 \):電源を短絡してc-dから見た合成抵抗
⚡ \( I_5 = \frac{V_0}{R_0 + R_5} \) で電流を求める
前回のテブナンの定理がまさにここで活きてくるわけや。テブナンを学んだ意味が分かったやろ?次のステップで、具体的な数値を使って非平衡ブリッジの解析を一通りやってみよう。
ほな、非平衡ブリッジのテブナン解析を具体的にやってみるで。
まずは開放電圧 \( V_0 \)(c-d間)の求め方から。R5を外した状態で考えるんや。
R5を外すと、左枝(R1+R3)と右枝(R2+R4)は独立した2つの直列回路になる。それぞれの分圧でcとdの電位を求めて、その差がV0になるんや。
次に内部抵抗 \( R_0 \) の求め方。電源Eを短絡してc-dから見た合成抵抗を求めるんやったな。
電源を短絡すると、ノードaとノードbが直結される。c-dから見ると:
なぜこうなるか説明すると、ノードcから左を見ると R1 の先がa(上辺)で、R3 の先がb(下辺)。でもaとbは電源短絡で直結されてるから、結局 R1とR3は並列になるんや。同様にdから見ると R2 と R4 も並列。そしてこの2つの並列が直列につながってるわけや。
ほな、非平衡ブリッジの開放電圧 \( V_0 \) を求める問題や。
E=10V、R1=2Ω、R2=3Ω、R3=3Ω、R4=2Ω のブリッジ回路で、R5を外したときの c-d間の開放電圧 \( V_0 \) はいくらか?
💡 ヒント:Vc = E × R3/(R1+R3)、Vd = E × R4/(R2+R4) で、V0 = Vc - Vd
V0の求め方を丁寧にやろか。
ポイント整理:ブリッジのV0
① R5を外す → 左枝と右枝が独立した直列回路になる
② 左枝:\( V_c = 10 \times \frac{3}{2+3} = 10 \times \frac{3}{5} = 6 \) V
③ 右枝:\( V_d = 10 \times \frac{2}{3+2} = 10 \times \frac{2}{5} = 4 \) V
④ \( V_0 = V_c - V_d = 6 - 4 = 2 \) V
ちなみに平衡かどうか確認すると:\( R_1 R_4 = 2 \times 2 = 4 \)、\( R_2 R_3 = 3 \times 3 = 9 \)。等しくないから非平衡で、V0 ≠ 0 になるわけやな。
ブリッジが平衡しているとき、V0はいくら?
V0の計算、バッチリやな!数値を変えた問題でもう一発。
E=30V、R1=5Ω、R2=10Ω、R3=10Ω、R4=5Ω のブリッジ回路で、c-d間の開放電圧 \( V_0 \) はいくらか?
V0の求め方が分かったところで、次は内部抵抗 \( R_0 \) の計算をしっかり整理するで。
さっきの図(step8)でも見た通り、電源を短絡するとノードaとbが直結される。このとき、c-dから回路を「のぞき込む」と:
ノードcの左側:R1の上端はa、R3の下端はb → aとbは短絡 → R1とR3は並列
ノードdの右側:R2の上端はa、R4の下端はb → 同様にR2とR4は並列
そして、c-d間でこの2つの並列が直列に接続されている。
🔹 ブリッジの \( R_0 \) 公式
\( R_0 = \frac{R_1 R_3}{R_1 + R_3} + \frac{R_2 R_4}{R_2 + R_4} \)
= (R1//R3) + (R2//R4)
さっきの問題2の数値(R1=2Ω, R2=3Ω, R3=3Ω, R4=2Ω)で計算してみると:
R1//R3 = \( \frac{2 \times 3}{2+3} = \frac{6}{5} = 1.2 \) [Ω]
R2//R4 = \( \frac{3 \times 2}{3+2} = \frac{6}{5} = 1.2 \) [Ω]
\( R_0 = 1.2 + 1.2 = 2.4 \) [Ω]
これで V0=2V、R0=2.4Ω が求まった。もしR5=2.6Ω やったら:
\( I_5 = \frac{V_0}{R_0 + R_5} = \frac{2}{2.4 + 2.6} = \frac{2}{5} = 0.4 \) [A]
テブナンの4ステップで、非平衡ブリッジも解けるんや。この流れをしっかり覚えてや。
ここで、非平衡ブリッジの完全解法を通しでやってみよう。この手順は試験でそのまま使えるから、しっかり追ってや。
E=24V、R1=3Ω、R2=6Ω、R3=6Ω、R4=6Ω、R5=3Ω の回路で、R5に流れる電流 \( I_5 \) を求める。
🔹 手順①:平衡の確認
\( R_1 R_4 = 3 \times 6 = 18 \)
\( R_2 R_3 = 6 \times 6 = 36 \)
\( 18 \neq 36 \) → 非平衡 → テブナンの出番!
🔹 手順②:開放電圧 \( V_0 \) を求める
R5を外す。左枝と右枝で分圧。
\( V_c = 24 \times \frac{6}{3 + 6} = 24 \times \frac{2}{3} = 16 \) [V]
\( V_d = 24 \times \frac{6}{6 + 6} = 24 \times \frac{1}{2} = 12 \) [V]
\( V_0 = V_c - V_d = 16 - 12 = 4 \) [V]
🔹 手順③:内部抵抗 \( R_0 \) を求める
電源を短絡。R1//R3 と R2//R4 の直列。
\( R_1 // R_3 = \frac{3 \times 6}{3+6} = \frac{18}{9} = 2 \) [Ω]
\( R_2 // R_4 = \frac{6 \times 6}{6+6} = \frac{36}{12} = 3 \) [Ω]
\( R_0 = 2 + 3 = 5 \) [Ω]
🔹 手順④:R5に流れる電流を求める
\( I_5 = \frac{V_0}{R_0 + R_5} = \frac{4}{5 + 3} = \frac{4}{8} = 0.5 \) [A]
答えは \( I_5 = 0.5 \) A や。非平衡ブリッジも、テブナンの4ステップで確実に解けるんやで。
ブリッジ回路でありがちなミスをまとめとくで。試験前の最終チェックにも使ってや。
📌 ブリッジ回路:5つの落とし穴
⚡ 落とし穴①:平衡条件で「隣の積」を使う
→ ❌ R1×R2 = R3×R4 ではない! ✅ R1×R4 = R2×R3(対角の積)
⚡ 落とし穴②:R5を外し忘れてV0を計算する
→ V0はR5がない状態で求める。R5がつながったままでは分圧が変わってしまう。
⚡ 落とし穴③:R0で「直列」と「並列」を間違える
→ c-d間から見て:R1とR3は並列、R2とR4は並列、この2つが直列。
⚡ 落とし穴④:V0の符号を間違える
→ Vc > Vd なら電流はc→dへ流れる。符号を間違えると電流の向きが逆になる。
⚡ 落とし穴⑤:平衡なのにテブナンを使って時間を浪費
→ まず平衡判定!平衡なら R5 に電流が流れない → テブナン不要。
特に落とし穴⑤は試験のタイムマネジメントに直結する。最初にたすき掛けの積を確認して、平衡かどうかチェックするのを習慣にしよう。平衡なら一瞬で解けるし、非平衡ならテブナンに切り替える。この判断が速くできるかどうかで、試験の得点が変わってくるで。
ほな、非平衡ブリッジのR5に流れる電流を求める問題や!テブナンの全手順を使うで。
E=24V のブリッジ回路で、R1=3Ω、R2=6Ω、R3=6Ω、R4=6Ω、R5=3Ωとする。R5に流れる電流 \( I_5 \) はいくらか?
💡 ヒント:step11で解いた例題と同じ回路です。V0とR0を求めて、I5 = V0/(R0+R5) で計算しよう。
テブナンの4ステップを丁寧にやろか。
手順①:R5を外す
手順②:開放電圧 V0
Vc = 24 × 6/(3+6) = 24 × 2/3 = 16V
Vd = 24 × 6/(6+6) = 24 × 1/2 = 12V
V0 = 16 - 12 = 4V
手順③:R0(Eを短絡)
R1//R3 = 3×6/(3+6) = 2Ω
R2//R4 = 6×6/(6+6) = 3Ω
R0 = 2 + 3 = 5Ω
手順④:電流
I5 = 4/(5+3) = 0.5A
答えは 0.5 A やで!
V0=6V、R0=4Ω、R5=2Ω のとき、I5 は?
テブナンとブリッジの組み合わせ、バッチリやな!電力計算にも挑戦してみ。
あるブリッジ回路のc-d間テブナン等価回路が V0=12V、R0=4Ω であった。R5=8Ωを接続したとき、R5で消費される電力 P はいくらか?
ここで、電験三種でのブリッジ回路の出題パターンを整理しとこか。
| パターン | 問われること | 解法 |
|---|---|---|
| 平衡条件 | 未知の抵抗値を求めよ | \( R_1 R_4 = R_2 R_3 \) で一発 |
| 平衡判定 | R5の電流は?合成抵抗は? | 対角の積を比較 → 平衡なら I5=0 |
| 非平衡の電流 | R5に流れる電流を求めよ | テブナンの定理で等価回路を作る |
| 合成抵抗 | a-b間の合成抵抗を求めよ | 平衡ならR5無視、非平衡ならΔ-Y変換 |
電験三種では、平衡条件パターンと非平衡のテブナンパターンが圧倒的に多い。この2つをしっかり押さえておけば、ブリッジ問題はほぼ対応できるで。
もう一つ覚えておいてほしいのが、問題を見た瞬間にブリッジだと見抜く力や。回路図がダイヤモンド形(ひし形)で描かれてることもあるし、Hの字で描かれてることもある。見た目は違っても構造は同じや。「4つの抵抗+橋渡しの1つ」を見つけたら、ブリッジやと思って間違いないで。
ここからは、ブリッジ回路の応用的な話題をいくつか紹介するで。
まず、ホイートストンブリッジの実用的な使い方について。実はこの回路、もともとは「未知の抵抗値を高精度に測定する」ための回路として発明されたんや。
測定の原理はこうや。R1、R2、R4 を既知の精密抵抗にして、R3 の位置に未知の抵抗 \( R_x \) をつなぐ。そして R4(可変抵抗)をクルクル回して調整し、検流計Gの電流がゼロになるポイントを探す。電流がゼロ=平衡状態やから、\( R_x = \frac{R_1 R_4}{R_2} \) で未知抵抗が求まるんや。
これは体重計みたいなもんやな。天秤に乗せる分銅(既知の重さ)を調節して、ちょうどバランスが取れたときの分銅の重さから、測りたいものの重さが分かる。ブリッジ回路も同じで、「バランスが取れる条件」から未知の値を逆算するんや。
電験三種では、この「測定器としてのブリッジ」も出題されることがある。特に交流ブリッジ(インピーダンスブリッジ)は交流回路の分野で頻出やから、今のうちに基本原理を理解しておくとええで。
📌 ブリッジ回路の実用応用
⚡ ホイートストンブリッジ:抵抗の精密測定
⚡ ケルビンダブルブリッジ:低抵抗(配線抵抗含む)の測定
⚡ 交流ブリッジ:インダクタンスやキャパシタンスの測定
⚡ ひずみゲージ:センサーの信号検出にブリッジ回路を使用
ここで、ブリッジ回路とこれまで学んだ知識のつながりを整理しとこか。
ブリッジ回路の解析には、これまでに学んだ内容がほぼ全部登場する。まさに直流回路の集大成みたいなテーマなんや。
| 使う知識 | どこで使うか |
|---|---|
| オームの法則 | 最後にI = V0/(R0+R5)で電流を求める |
| 直列・並列の合成 | R0を求めるとき(R1//R3 + R2//R4) |
| 分圧の法則 | V0を求めるとき(Vc, Vdの計算) |
| キルヒホッフの法則 | 平衡条件の導出(電位の等式) |
| テブナンの定理 | 非平衡ブリッジの等価回路 |
こうやって見ると、ブリッジ回路は直流回路の知識を総動員する応用問題やってことが分かるやろ。逆に言えば、ブリッジが解ければ直流回路の基礎はほぼ完璧っていうことや。
試験での攻略法を最後にもう一度確認するで。
📌 ブリッジ問題の解法フローチャート
⚡ ① まず対角の積を比較して平衡判定
⚡ ② 平衡 → R5に電流は流れない。R5を無視して計算。
⚡ ③ 非平衡 → テブナンの定理を適用:
\( V_0 = E \times \frac{R_3}{R_1+R_3} - E \times \frac{R_4}{R_2+R_4} \)
\( R_0 = \frac{R_1 R_3}{R_1+R_3} + \frac{R_2 R_4}{R_2+R_4} \)
\( I_5 = \frac{V_0}{R_0 + R_5} \)
最後の問題や!電験三種レベルの総合問題に挑戦してみ。
E=20V、R1=5Ω、R2=20Ω、R3=20Ω、R4=5Ω、R5=4Ωのブリッジ回路で、R5に流れる電流 \( I_5 \) はいくらか?
💡 ヒント:まず平衡判定 → 非平衡ならテブナン → V0, R0を求めてI5を計算
落ち着いてフローチャート通りにやろか。
①平衡判定
R1×R4 = 5×5 = 25
R2×R3 = 20×20 = 400
25 ≠ 400 → 非平衡 → テブナン!
②V0(R5を外して分圧)
Vc = 20 × 20/(5+20) = 20 × 4/5 = 16V
Vd = 20 × 5/(20+5) = 20 × 1/5 = 4V
V0 = 16 - 4 = 12V
③R0(Eを短絡)
R1//R3 = 5×20/(5+20) = 100/25 = 4Ω
R2//R4 = 20×5/(20+5) = 100/25 = 4Ω
R0 = 4 + 4 = 8Ω
④電流
I5 = 12/(8+4) = 12/12 = 1A
答えは 1 A や!
V0=20V、R0=6Ω、R5=4Ω のとき、I5 は?
完璧や!最後に最大電力転送の考え方と組み合わせた問題や。
あるブリッジ回路のc-d間テブナン等価回路が V0=12V、R0=8Ω であった。R5の値を変えられるとき、R5で消費される電力が最大となる R5 の値と、そのときの最大電力 \( P_{max} \) の組み合わせとして正しいものはどれか?
お疲れさん!ブリッジ回路の全体像をまとめの表で確認するで。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 回路構造 | 4つの腕抵抗(R1〜R4)+ ブリッジ辺(R5/G) |
| 平衡条件 | \( R_1 R_4 = R_2 R_3 \)(対角の積が等しい) |
| 平衡時の性質 | R5に電流が流れない / R5の値に依存しない |
| V0の公式 | \( V_0 = E \times \frac{R_3}{R_1+R_3} - E \times \frac{R_4}{R_2+R_4} \) |
| R0の公式 | \( R_0 = \frac{R_1 R_3}{R_1+R_3} + \frac{R_2 R_4}{R_2+R_4} \) |
| R5の電流 | \( I_5 = \frac{V_0}{R_0 + R_5} \) |
| 解法の手順 | ① 平衡判定 → ② V0 → ③ R0 → ④ I5 |
| 実用応用 | 抵抗の精密測定、ひずみゲージ、交流ブリッジ |
第13講「ブリッジ回路」、最後のまとめや!
今回は、4つの抵抗が作るホイートストンブリッジを学んだな。
📌 今日のポイント
⚡ 平衡条件は「たすき掛け」:\( R_1 R_4 = R_2 R_3 \)
⚡ 平衡時はR5に電流が流れない → R5を無視して計算可能
⚡ 非平衡時はテブナンの定理で解く
⚡ V0:左右の分圧の差、R0:(R1//R3) + (R2//R4)
⚡ まず平衡判定をすることで解法が決まる
⚡ ブリッジの考え方は交流回路でも使う重要テーマ
ブリッジ回路は、直流回路で学んだ知識の集大成のような存在や。分圧、合成抵抗、テブナンの定理、全部が合わさって一つの解法になる。ここまでマスターできたら、直流回路の力はかなりのレベルに達してるで。自信持ってや!
📚 次回予告:第14講「ミルマンの定理」
次回は、複数の電源と抵抗が並列に接続された回路を一発で解けるミルマンの定理を学ぶで。\( V = \frac{\sum \frac{E_k}{R_k}}{\sum \frac{1}{R_k}} \) っていう強力な公式を使いこなせるようになろう!
📚 次回予告:第14講「ミルマンの定理」
複数の電源が並列に接続された回路を、ミルマンの定理で一発解決する方法を学びます。電験三種の計算スピードがさらにアップする強力テクニックを身につけましょう!