複数台の変圧器を協力させて大容量をまかなう!
さて、前回はV結線について学んだな。単相変圧器2台で三相電力を送れるっていう、なかなか賢い結線方式やったな。
今回のテーマは並行運転(へいこううんてん)や。英語では parallel operation って言うで。
工場やビルで電力需要がどんどん増えてきたとき、「変圧器1台じゃ容量が足りへん!」ってなることがある。そんなとき、もう1台の変圧器を並列に接続して一緒に運転するんが並行運転や。
ただし、変圧器を並列につなぐのは電池を並列につなぐほど単純やない。守らなあかん条件がいくつかあるんや。条件を満たさんと、無駄な電流が流れたり、最悪の場合は変圧器が焼損したりするで。
📌 この講座で学ぶこと
⚡ 並行運転の目的と必要性
⚡ 並行運転に必要な5つの条件
⚡ %Zに基づく負荷分担の計算
⚡ 容量が異なる変圧器の負荷分担
⚡ 循環電流の概念と計算
まず、そもそもなんで変圧器を複数台並べて運転する必要があるんか、その理由から考えてみよか。
たとえば、ある工場の電力需要が1000kVAやとする。1000kVAの大きな変圧器を1台ドーンと置く方法もあるけど、これにはいくつか問題があるんや。
まず、信頼性の問題。1台しかなかったら、その変圧器が故障したら工場全体が停電してしまう。これはまずいよな。でも500kVAの変圧器を2台並行運転しとけば、1台が故障しても残りの1台で半分の負荷をカバーできるんや。
次に、負荷の変動への対応や。需要が少ないときは1台だけ運転して、需要が増えたらもう1台を追加する。こうすれば、常に効率のいい運転ができるんや。変圧器は定格付近で最高効率になるから、2台を半分の負荷で回すより、1台を定格近くで回した方が効率がええんやで。
さらに、将来の増設への対応もある。最初から余裕を持って巨大な変圧器を入れるよりも、必要に応じて追加していく方が経済的なんや。
💡 たとえ話で考えてみよか。レジが1台しかないコンビニと、3台あるスーパーを想像してみ。コンビニのレジが壊れたら全員が買い物できんくなるけど、スーパーなら1台壊れても残り2台で対応できる。混んでる時間帯はレジ全開、空いてる時間は1台だけ稼働させて人件費を節約する。変圧器の並行運転もまったく同じ発想やで。
📌 並行運転の3つのメリット
⚡ 信頼性の向上:1台故障しても残りで運転継続
⚡ 効率的な運用:負荷に応じて運転台数を調整
⚡ 容量の増設が容易:需要増加に合わせて段階的に追加
並行運転には守らなあかん条件がいくつかある。まず最初の2つから説明するで。
これが最も重要な条件や。変圧器には極性(polarity)ってもんがある。一次巻線の電圧が上がったとき、二次巻線の電圧がどっちの向きに出るかっていうことやな。
2台の変圧器を並列に接続するとき、極性が合ってないとどうなるか。二次側の電圧が互いに逆向きになって、閉回路の中で電圧が足し算されてしまうんや。結果として、ものすごい大きな短絡電流が流れて、変圧器が焼損する危険がある。
これは電池で考えるとわかりやすいで。2つの電池を並列につなぐとき、プラス同士・マイナス同士をつなぐのが正解やろ?もし逆向きにつないだら、電池同士が短絡して大電流が流れるのと同じ原理や。
2台の変圧器の巻数比が異なると、二次側の無負荷電圧が異なることになる。たとえば、A変圧器の二次電圧が200V、B変圧器の二次電圧が202Vやったとする。
この2Vの電圧差が、変圧器の内部インピーダンスに電流を流すんや。これを循環電流(circulating current)って言う。負荷がなくても流れる無駄な電流で、銅損を増やすだけの困った存在やな。
ただし、条件①の極性不一致ほど致命的ではないんや。極性が逆やと電圧が2V₂で短絡やけど、巻数比の違いは微小な電圧差やから、循環電流は流れるけど即焼損にはならへん。「好ましくないけど、ある程度は許容される」レベルや。
📌 条件①②のまとめ
⚡ 条件①(極性一致):不一致だと短絡 → 最重要・必須条件
⚡ 条件②(巻数比一致):不一致だと循環電流 → 損失増加
条件①②に続いて、残りの条件を見ていこか。ここからは負荷分担に関わる条件や。
これが負荷分担の公平さに直結する条件や。前の講座で%Zを学んだよな。%Zは変圧器の内部インピーダンスの大きさを百分率で表したもんやった。
%Zが小さい変圧器は「通りやすい道」みたいなもんで、電流がたくさん流れる。つまり%Zが小さい方が多くの負荷を分担するんや。
もし2台の定格容量が同じなのに%Zが違うと、片方ばかりに負荷が集中してしまう。%Zが小さい方が先に定格に達して過負荷になるから、全体として利用できる容量が減ってまうんや。
ただし、定格容量が異なる変圧器では話が変わってくる。この場合は「%Zが定格容量に反比例する」こと、つまり \( \%Z_A \times S_{nA} = \%Z_B \times S_{nB} \) が成り立てば、容量に比例した公平な負荷分担ができるんや。これについては後のステップで詳しく計算するで。
これはちょっと難しいけど、要するにインピーダンスの「角度」が同じであること、つまり内部インピーダンスの位相角が等しいことを意味するんや。
%Zの大きさが同じでも、一方が抵抗主体で他方がリアクタンス主体やったら、電流の位相がずれてしまう。すると、負荷の有効電力と無効電力の分担がアンバランスになるんや。片方に有効電力が偏り、もう片方に無効電力が偏るっていう不公平な状態になる。
ただし、実際の変圧器では大型になるほどリアクタンス主体(X >> R)になるから、同じメーカーの同じ容量クラスなら自然とこの条件は満たされることが多いで。
これは三相変圧器特有の条件や。Y-Δ結線とΔ-Y結線では一次と二次の間に30°の位相差が生じるっていうのを前回までに学んだよな。
もし異なる結線方式の変圧器を並行運転すると、二次側の電圧の位相がずれてしまう。これも循環電流の原因になるから、同じ結線方式(あるいは同じ角変位のもの)を使う必要があるんや。
📌 並行運転の5条件まとめ
⚡ ①極性一致(不一致→短絡、最重要)
⚡ ②巻数比一致(不一致→循環電流)
⚡ ③%Zが等しい(不一致→負荷分担不均等)
⚡ ④%R/%Xの比が等しい(不一致→有効/無効電力の分担不均等)
⚡ ⑤位相変位が等しい(三相の場合、不一致→循環電流)
ほな、並行運転の条件について確認してみよか。
📝 確認問題1
変圧器の並行運転に必要な条件として、正しくないものはどれか。
並行運転の条件でつまずいたな。大丈夫、ポイントを押さえたら簡単やで。
並行運転の条件は5つあるけど、「定格容量が等しい」は条件に入ってへんのや。容量が違う変圧器でも、%Zが適切な関係なら並行運転できるんやで。
例えば1000kVAと500kVAの変圧器でも、%Zが容量に反比例していれば、容量に応じた公平な負荷分担ができるんや。
📝 サポート問題
極性が一致していない2台の変圧器を並列に接続するとどうなるか。
正解やな!定格容量は条件やないっていうのを見抜いたな。ほな、もうちょっと踏み込んだ問題いくで。
📝 発展問題
三相変圧器の並行運転で、単相変圧器にはない追加条件として最も重要なものはどれか。
さて、ここからが電験三種で最も計算問題で出るところやで。%Zによる負荷分担の考え方を丁寧に説明するな。
2台の変圧器A、Bを並行運転する場合を考えてみよか。二次側は並列に接続されてるから、二次端子電圧は同じやな。
このとき、各変圧器に流れる電流は何で決まるか? それは各変圧器の内部インピーダンス(%Z)の大きさで決まるんや。
電気回路の基本を思い出してみ。並列回路では、インピーダンスが小さい方に電流が多く流れるやろ? 変圧器の並行運転もまったく同じ原理や。
この式の意味を日本語で言うと、「負荷の分担比は%Zの逆比」ということや。%Zが小さい方が多く分担する。
なんでこうなるか、もう少し詳しく説明するな。並行運転中、各変圧器の二次端子電圧は等しい。せやから、各変圧器の内部電圧降下も等しくならなあかん。つまり \( I_A \times Z_A = I_B \times Z_B \) が成り立つ。ここからI(電流)の比を出すと、\( I_A / I_B = Z_B / Z_A \) になる。電圧が同じやから電流比=皮相電力比になるんや。
💡 高速道路の料金所に2つのレーンがあるとしよか。レーンAは処理が速い(インピーダンス小)、レーンBは処理が遅い(インピーダンス大)。自然と、処理が速いレーンAに車が多く並ぶやろ? それと同じで、%Zが小さい変圧器に電流が集中するんや。
同一定格の2台なら、全負荷 \( S \) に対する各変圧器の分担は次のようになるで。
📌 ここがポイント
⚡ %Zが小さい → 負荷を多く分担する(逆比の関係)
⚡ 分担の式:\( S_A = S \times \frac{\%Z_B}{\%Z_A + \%Z_B} \)
⚡ 分子は「相手の%Z」であることに注意!
条件②で少し触れた循環電流について、もう少し詳しく説明するで。
循環電流ってのは、並行運転している変圧器の間をぐるぐる回る電流のことや。負荷に流れる電流とは別もんで、変圧器間の内部回路を循環するだけの無駄な電流なんや。
なんでこんなもんが発生するかっていうと、2台の変圧器の二次側無負荷電圧が異なるからや。電圧差 \( \Delta V \) があると、その電圧差を2台の内部インピーダンスの合計で割った分の循環電流が流れるんや。
これを%Zを使ったパーセント表現にすると、こうなるで。
たとえば、変圧比が1%異なる2台(各%Z = 5%)の場合を計算してみよか。
\( I_c = \frac{1}{5 + 5} \times 100 = 10\% \)
定格電流の10%もの循環電流が、負荷がなくても流れ続けるんや。これは銅損を増やすだけの無駄な電流やから、なるべく変圧比を合わせる必要があるんやで。
📌 循環電流のポイント
⚡ 変圧比の差 → 二次電圧差 → 循環電流発生
⚡ 循環電流は負荷がなくても流れ続ける
⚡ 銅損(I²R)を増やすだけの無駄な電流
循環電流の話をしたところで、条件不一致の影響について問題を解いてみよか。
📝 確認問題2
巻数比(変圧比)が異なる2台の変圧器を並行運転すると、どのような問題が生じるか。
変圧比が異なると循環電流が流れるっていう話やったな。ポイントを整理しよか。
変圧比が違うということは、二次側の無負荷電圧が違うということや。電圧が違う2つの電源を並列につないだら、電圧差で電流が流れるのは当然やろ? その電流が循環電流や。
📝 サポート問題
循環電流が発生する原因として正しいものはどれか。
よう分かっとるな!ほな循環電流の計算問題いくで。
📝 発展問題
変圧比が1%異なる同一定格の2台の変圧器(各%Z = 5%)を並行運転した。無負荷時に流れる循環電流は、定格電流の約何%か。
ここまで理論を説明してきたけど、実際に計算してみると理解が深まるで。具体的な数値で計算例をやってみよか。
定格容量がともに500kVAの変圧器A(%Z = 3%)と変圧器B(%Z = 6%)を並行運転している。全負荷が900kVAのとき、各変圧器の負荷分担を求めよ。
step6で学んだ公式を使うで。
確認:600 + 300 = 900kVA ✓
%Zが3%のAは、%Zが6%のBの2倍の負荷を分担しとるな。%Zの逆比(6:3 = 2:1)通りや。
ここで注目してほしいんやけど、Aは定格500kVAに対して600kVAも背負ってる。つまり過負荷状態や! 定格の120%やで。一方、Bは300kVAで定格の60%しか使ってない。
これが%Zが異なる場合の問題なんや。%Zが小さい方に負荷が集中して先に過負荷になるから、全体で使える容量が制限されてまうんやで。
📌 計算のコツ
⚡ 分子は「相手の%Z」を入れる(Aの分担の分子にはB の%Z)
⚡ 分母は「%Zの合計」
⚡ %Zが小さい方が多く分担する
ほな、自分で計算してみよか!
📝 確認問題3
定格容量がともに500kVAの変圧器A(%Z = 3%)と変圧器B(%Z = 6%)を並行運転し、全負荷900kVAを供給している。変圧器Aの負荷分担 [kVA] はいくらか。
負荷分担の計算で迷ったな。ポイントは「%Zが小さい方が多く分担する」ということや。
Aの%Zは3%、Bの%Zは6%。Aの方が%Zが小さいから、Aの方がたくさん負荷を背負うんやで。せやから300kVAじゃなくて600kVAが正解や。
📝 サポート問題
%Zが小さい変圧器は、負荷をどのように分担するか。
計算バッチリやな!ほな応用問題いくで。
📝 発展問題
上記の変圧器A(500kVA, %Z=3%)とB(500kVA, %Z=6%)の並行運転で、どちらの変圧器も過負荷にならない全負荷の最大値 [kVA] はいくらか。
ここまでは定格容量が同じ変圧器の並行運転を見てきたけど、実際の現場では容量が異なる変圧器を並行運転することも多いんや。たとえば既設の500kVAに新しく1000kVAを追加するとかな。
容量が違う場合の負荷分担はどう計算するか? ここでは一般化した公式を導出するで。
並行運転中、各変圧器の端子電圧は等しい。このとき、負荷の分担が「公平」であるとは、各変圧器が定格容量に比例した負荷を分担することや。つまり1000kVAの変圧器は500kVAの変圧器の2倍の負荷を背負うべきっちゅうことや。
この「公平な分担」が実現する条件は何か? それは各変圧器のパーセント電圧降下が等しいこと、すなわち:
この式から各変圧器の分担を求めると:
ここで \( S_{nA} / \%Z_A \) という量が出てきたな。これは「定格容量を%Zで割ったもの」で、言い換えると「電流の流れやすさ」を表す量や。この値が大きい変圧器ほど多くの負荷を分担するんやで。
特別な場合として、%Zが同じ場合は分母分子の%Zが約分されて、単純に定格容量の比で分担されることになる。これは直感的にも納得やな。
📌 異容量の負荷分担
⚡ 一般公式:\( S_A = S \times \frac{S_{nA}/\%Z_A}{\sum(S_n/\%Z)} \)
⚡ %Z同じなら → 定格容量の比で分担
⚡ 公平分担の条件:\( \%Z_A \times S_{nA} = \%Z_B \times S_{nB} \)
具体的な数値で計算してみよか。
変圧器A(1000kVA, %Z=5%)とB(500kVA, %Z=5%)を並行運転。全負荷1200kVAの各分担は?
%Zが同じやから、定格容量の比で分担されるで。
容量が2:1やから、分担も2:1(800:400)になるんや。シンプルやな。
変圧器A(1000kVA, %Z=4%)とB(500kVA, %Z=8%)を並行運転。全負荷1200kVAの各分担は?
まず各変圧器の \( S_n / \%Z \) を計算するで。
Aは定格1000kVAに対して960kVA(96%)、Bは定格500kVAに対して240kVA(48%)。Aに負荷が集中しとるな。
これはAの方が%Zが小さい(4% < 8%)かつ容量も大きいから、ダブルで負荷が集中するんや。
📌 異容量の計算手順
⚡ ステップ1:各変圧器の \( S_n / \%Z \) を計算
⚡ ステップ2:その比で全負荷を按分
⚡ ステップ3:各分担が定格を超えていないか確認
📝 確認問題4
変圧器A(1000kVA, %Z=5%)とB(500kVA, %Z=5%)を並行運転し、全負荷1200kVAを供給している。変圧器Aの負荷分担 [kVA] はいくらか。
%Zが同じ場合のポイントを確認しよか。%Zが同じやったら、難しい公式は不要で、定格容量の比で分担されるんや。
A:B = 1000:500 = 2:1 やから、Aが全体の2/3を分担するんやで。
📝 サポート問題
%Zが等しい2台の変圧器を並行運転する場合、負荷はどのように分担されるか。
容量比の計算は完璧やな。ほな%Zも容量も異なる場合を解いてみ。
📝 発展問題
変圧器A(1000kVA, %Z=4%)とB(500kVA, %Z=8%)を並行運転し、全負荷1200kVAを供給している。変圧器Aの負荷分担 [kVA] はいくらか。
次は実務でもよく問われる「過負荷にならない最大負荷」の問題やで。
📝 確認問題5
変圧器A(1000kVA, %Z=4%)とB(500kVA, %Z=8%)を並行運転する。どちらの変圧器も過負荷にならない全負荷の最大値 [kVA] はいくらか。
最大負荷の考え方を整理しよか。ポイントは「%Zが小さい方が先に定格に達する」ということや。
Aは%Z=4%で「通りやすい」から、Aに電流が集中する。やから、Aが先に定格1000kVAに達するんやで。Aが定格ちょうどになるときの全負荷が最大値や。
📝 サポート問題
%Zが異なる2台の並行運転で、先に定格容量に達するのはどちらか。
最大負荷の計算、しっかりできたな!ほな、こんなケースはどうや。
📝 発展問題
変圧器A(500kVA, %Z=5%)とB(500kVA, %Z=10%)を並行運転する。合計の定格容量は1000kVAだが、どちらも過負荷にならない全負荷の最大値 [kVA] はいくらか。
ここまでの内容を踏まえて、電験三種で並行運転がどんな形で出題されるか整理するで。
「並行運転の条件として正しいものはどれか」「必要でないものはどれか」という形式や。5つの条件を正確に覚えておく必要があるで。特に「定格容量が等しいこと」はよくあるひっかけ選択肢やから要注意や。容量が違ってもOKっていうのがポイントやで。
これが最頻出や。「%Zが○と○の2台で全負荷○kVA、各分担は?」っていう問題。公式 \( S_A = S \times \frac{\%Z_B}{\%Z_A + \%Z_B} \) を使えるかどうかが勝負やな。分子に「相手の%Z」を入れることを忘れんように。
「過負荷にならない最大の負荷は?」という問題も頻出や。%Zが小さい方が先に定格に達するから、その変圧器がちょうど定格になるときの全負荷を逆算するんやで。
定格容量が異なる変圧器の並行運転は、一般公式 \( S_A = S \times \frac{S_{nA}/\%Z_A}{\Sigma(S_n/\%Z)} \) を使う。%Zが同じなら容量比で分担されるっていう特殊ケースも頻出やで。
📌 試験対策のポイント
⚡ 条件の問題:5条件を正確に暗記(「定格容量一致」はダミー)
⚡ 計算の問題:分子に「相手の%Z」を入れる
⚡ 最大負荷:%Z小さい方が先に定格→逆算
⚡ 異容量:\( S_n/\%Z \) の比で按分
並行運転の問題でやりがちなミスをまとめるで。試験前にこれだけは確認しといてな。
負荷分担の式 \( S_A = S \times \frac{\%Z_B}{\%Z_A + \%Z_B} \) で、分子にAの%Zを入れてしまうミスが多いんや。「自分のインピーダンス」やなくて「相手のインピーダンス」を分子に入れるんやで。
覚え方のコツ:「%Zが小さい方が多く分担する」→ 分子に相手(大きい方)の%Zが来れば値が大きくなる、と確認すればOKや。
並行運転の条件に「定格容量が等しいこと」は含まれへん。容量が違っても%Zが適切な関係なら並行運転できるんや。これは試験のひっかけ選択肢の定番やで。
極性不一致は短絡電流(致命的)、変圧比不一致は循環電流(損失増加)。重大度がまったく違うんやで。
%Zが異なる場合、並行運転で使える最大負荷は合計定格より小さくなる。%Zが小さい方に負荷が集中するから、その分のロスが生じるんや。%Zが等しい場合にのみ、合計定格をフルに使えるで。
📌 間違い防止チェックリスト
⚡ 分子は「相手の%Z」になってるか?
⚡ %Zが小さい方に多く分担してるか?(逆比確認)
⚡ 合計が全負荷と一致してるか?
⚡ 各分担が定格を超えてないか?
📝 確認問題6
変圧器A(定格1000kVA, %Z=3%)とB(定格500kVA)を並行運転し、定格容量に比例した負荷分担を実現したい。変圧器Bの%Zは何%にすればよいか。
定格容量に比例した分担を実現するための条件を確認しよか。
キーワードは「%Z × 定格容量 が等しい」ということや。つまり容量が半分なら%Zは2倍にせなあかんのやで。
📝 サポート問題
定格容量に比例した公平な負荷分担を実現するための条件はどれか。
%Zと容量の反比例関係はバッチリやな。ほな応用問題いくで。
📝 発展問題
変圧器A(1000kVA, %Z=4%)とB(500kVA, %Z=8%)を並行運転する。この2台について \( \%Z_A \times S_{nA} \) と \( \%Z_B \times S_{nB} \) の関係はどうなるか。
ここまでの知識を総合的に確認するで!
📝 確認問題7
変圧器の並行運転に関する記述として、正しいものはどれか。
総合問題で迷ったな。各選択肢を一つずつ確認しよか。
①は誤り → 容量が違ってもOK。③は誤り → 極性不一致は短絡で致命的。④は誤り → 変圧比の違いは循環電流を生む。②が正しいで。
📝 サポート問題
極性が一致していない2台の変圧器を並列接続すると何が起こるか。
総合理解バッチリやな!ほな正誤の組合せ問題いくで。
📝 発展問題
並行運転に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
A:%Zが等しければ、定格容量に比例した負荷分担が実現する
B:%Zが定格容量に比例していれば、定格容量に比例した負荷分担が実現する
C:循環電流は変圧比の差に比例し、%Zの和に反比例する
最後の問題やで。今日のまとめとして解いてみよか!
📝 最終確認問題
定格容量500kVA、%Z=5%の同一仕様の変圧器2台を並行運転し、全負荷800kVAを供給している。各変圧器の負荷分担 [kVA] はいくらか。
最終問題で迷ったな。これは一番シンプルなケースやで。
2台とも同じ定格容量(500kVA)で同じ%Z(5%)やから、完全に均等に分担されるんや。800÷2 = 各400kVAやで。
📝 サポート問題
定格容量も%Zも等しい2台の変圧器を並行運転すると、負荷はどのように分担されるか。
均等分担は瞬殺やったな。ほな最後の発展問題!
📝 発展問題
変圧器A(1000kVA, %Z=4%)とB(500kVA, %Z=8%)について、\( \%Z_A \times S_{nA} \) と \( \%Z_B \times S_{nB} \) の値を比較し、この2台の並行運転の特徴として正しいものはどれか。
お疲れさん!第23講「並行運転」の内容を振り返ろか。
① 極性の一致(不一致→短絡、最重要)
② 巻数比の一致(不一致→循環電流)
③ %Zが等しい(不一致→負荷分担不均等)
④ %R/%Xの比が等しい(有効/無効電力の分担)
⑤ 位相変位が等しい(三相の場合)
📚 次回予告:第24講「単巻変圧器と計器用変成器」
普通の変圧器とは一味違う「単巻変圧器(オートトランス)」と、計器用変成器(VT・CT)について学ぶで。単巻変圧器は自己容量と負荷容量の関係がポイント。計器用変成器は高電圧・大電流の測定に不可欠な装置や。電験三種でも頻出のテーマやから、しっかり押さえていこな!
📚 次回予告:第24講「単巻変圧器と計器用変成器」
単巻変圧器の自己容量と負荷容量の関係、計器用変成器(VT・CT)の原理と使い方を学びます。