第24講:特殊かご形の構造と始動特性改善、単相誘導電動機の原理と始動法
よっしゃ!第24講、始めるで!今回のテーマは特殊かご形と単相誘導電動機や。
前の講座までで、かご形誘導電動機の始動問題について学んだな。始動時に定格電流の5〜8倍もの大電流が流れるっていう、あの問題やで。その対策として、Y-Δ始動や始動補償器、リアクトル始動っていう方法を学んだ。
でもな、これらの方法には共通の弱点があるんや。電圧を下げて始動電流を抑えると、始動トルクも一緒に下がってしまうっていう問題や。トルクは電圧の2乗に比例するから、電圧を1/√3にしたら始動トルクは1/3になってしまう。
そこで考えられたのが、回転子の構造自体を工夫するっていうアプローチや。電源側で電圧を下げるんやなくて、回転子の導体の形や配置を工夫して、始動時には自動的に抵抗が大きくなるようにする。こうすれば、始動電流を抑えながら始動トルクを大きくできるんや。
この「回転子の構造を工夫したかご形」が、今回学ぶ深溝かご形と二重かご形やで。そして後半では、単相誘導電動機の原理と始動法も学ぶ。家庭の扇風機や換気扇に使われてる身近な電動機やな。
📌 第24講の学習目標
⚡ 深溝かご形の構造と表皮効果による始動特性改善を理解する
⚡ 二重かご形の構造と外側・内側かごの役割を理解する
⚡ 単相誘導電動機の交番磁界と始動トルクゼロの理由を理解する
⚡ 単相誘導電動機の各種始動法(コンデンサ・くまとりコイルなど)を説明できる
深溝かご形を理解するには、まず表皮効果(ひょうひこうか)を知る必要があるんや。これが特殊かご形の原理のカギやで。
表皮効果って何やねん?って思うやろ。簡単に言うとな、交流電流が導体の表面付近に集中して流れる現象のことや。導体の中心部にはあんまり電流が流れへんくて、外側に偏るんや。
なんでこんなことが起こるかっていうと、交流電流は磁界の変化を伴うやろ?この変化する磁界が導体内部に渦電流を誘導して、導体の中心部ほど電流が打ち消される方向に働くんや。結果として、電流は表面付近に「追いやられる」ことになる。
ここで超重要なポイントがある。表皮効果の強さは周波数に依存するんや。周波数が高いほど磁界の変化が激しいから、表皮効果が強くなる。逆に、直流(周波数ゼロ)なら表皮効果は起こらん。
🎯 表皮効果をたとえるなら、「満員電車」のイメージや。電車が混んでるとき、入口付近(表面)に人が集中して、車両の奥(中心)はスカスカになるやろ?周波数が高いほど混み具合がひどくなって、ますます入口付近に人が集中する。電流も同じで、周波数が高いほど導体の表面に集中するんや。
ほんで、表皮効果が起こると何が変わるかというと、電流の通り道(有効断面積)が小さくなるんや。導体全体を使わずに表面付近だけで電流が流れるわけやから、実質的に導体が「細くなった」のと同じ効果がある。導体が細くなったら…抵抗が大きくなるな?
この「周波数が高いと抵抗が大きくなる」っていう性質を、始動特性の改善に利用したのが深溝かご形なんや。ほな、具体的にどう利用するか見ていくで!
ほな、深溝かご形回転子の構造を見ていくで。
通常のかご形回転子のスロット(溝)は、比較的浅くて丸い形をしてるんや。これに対して、深溝かご形は名前の通りスロットが深くて細い形をしてる。導体棒も縦に長い(深い)形状になるんや。
なんでこんな深いスロットにするかっていうと、表皮効果を積極的に利用するためなんや。
深い導体棒の中で表皮効果が起こると、電流が導体棒の上部(回転子表面に近い側)に集中する。下部(鉄心の中心に近い側)にはほとんど電流が流れへん。つまり、導体棒の有効断面積が減って、有効抵抗が増大するんや。
ここがポイントやで。誘導電動機の二次回路(回転子側)で考えると、始動時は二次周波数 \( f_2 = sf \) が最大(s=1なのでf₂=f)やから、表皮効果が最も強くなる。つまり始動時に有効抵抗が自動的に大きくなるんや。
一方、定常運転時はすべりが小さい(s≈0.03)から、二次周波数 \( f_2 = sf \) もごく小さくなる。表皮効果がほぼ消えて、電流が導体棒全体に均一に流れる。つまり定常時は通常のかご形と同じ低抵抗で運転できるわけや。
深溝かご形の始動時と定常時の動作の違いを整理するで。これが深溝かご形の核心やからな。
つまり、深溝かご形は始動時は自動的に高抵抗になり、定常時は自動的に低抵抗に戻るっていう、まるで「賢い抵抗切替装置」みたいな動作をするんや。
巻線形誘導電動機では外部抵抗を手動で調整して同じようなことをやってたやろ?深溝かご形は構造の工夫だけでこれを自動的に実現してるんや。しかもブラシもスリップリングも不要やから、かご形の「構造が単純で保守が楽」っていうメリットもそのまま残せる。
📌 深溝かご形のまとめ
⚡ スロットが深くて細い形状 → 表皮効果を積極利用
⚡ 始動時(s=1):二次周波数が高い → 表皮効果大 → 有効抵抗↑ → 始動電流↓・始動トルク↑
⚡ 定常時(s≈0):二次周波数が低い → 表皮効果小 → 有効抵抗↓ → 高効率運転
⚡ 抵抗値が自動的に変化するのが最大のメリット
ほな、ここまでの理解度をチェックしよか!
ほな、第1問いくで!深溝かご形の原理をしっかり押さえてるか確認や。
深溝かご形誘導電動機の回転子において、始動時に有効抵抗が増大する原因として正しいものはどれか。
表皮効果について復習しよか。表皮効果っていうのは、交流電流が導体内を流れるときに起こる現象やで。
交流は電流の向きが常に変化するやろ?この変化が磁界を生んで、導体の内部に「渦電流」を誘導する。この渦電流が元の電流を打ち消す方向に働くんやけど、導体の中心部ほど打ち消しが強いんや。
結果として、電流は導体の表面付近に偏って流れるようになる。これが表皮効果や。
表皮効果とは、交流電流が導体内のどこに集中する現象か。
さすがや!表皮効果をしっかり理解してるな。ほな、もう一段深い問題いくで。
深溝かご形回転子において、始動時(s=1)に表皮効果が最も顕著になる理由として正しいものはどれか。
ええ感じやな!次は二重かご形回転子の構造を見ていくで。深溝かご形の考え方をさらに発展させたのがこの二重かご形や。
二重かご形の回転子は、名前の通り2つのかご(導体層)を持っているのが最大の特徴や。回転子の鉄心に、外側と内側の2層にスロットが設けられていて、それぞれに別々の導体棒が入ってるんや。
ポイントは2つのかごの電気的特性が正反対になるように設計されてることや。
外側かごは、断面積が小さい(細い)導体棒で作られてるから抵抗が大きい。でも回転子の表面に近い位置にあるから、鉄心による磁気回路の影響が小さく、漏れリアクタンスが小さい。
内側かごは逆に、断面積が大きい(太い)導体棒で作られてるから抵抗が小さい。しかし鉄心の奥深くに埋め込まれてるから、漏れリアクタンスが大きい。
📌 二重かご形の2層構造
⚡ 外側かご:高抵抗・低リアクタンス → 始動時に活躍
⚡ 内側かご:低抵抗・高リアクタンス → 定常時に活躍
なんでこうなるか、次のステップで動作原理を詳しく見ていくで!
ほな、二重かご形が始動時と定常時でどう動作が変わるかを見ていくで。ここがめっちゃ大事やからな。
まず始動時(s=1)の状況を考えよう。始動時は二次周波数 \( f_2 = sf = f \) で、電源周波数と同じや。周波数が高いということは、リアクタンス \( X = 2\pi f_2 L \) が大きくなる。
内側かごは元々リアクタンスが大きいのに、周波数が高いとさらにリアクタンスが増大する。結果として内側かごのインピーダンスが非常に大きくなって、電流がほとんど流れへん。
一方、外側かごはリアクタンスが小さいから、周波数が高くてもインピーダンスの増大は控えめや。結果として、始動時は主に外側かご(高抵抗)に電流が流れる。高抵抗に電流が流れるから、始動トルクが大きく、始動電流は抑えられるんや。
次に定常時(s≈0.03)の状況や。定常時は二次周波数 \( f_2 = sf \) が非常に小さい。するとリアクタンスも非常に小さくなる。内側かごの高リアクタンスの影響がほぼなくなるんや。
リアクタンスの影響がなくなると、電流の流れ方は純粋に抵抗値だけで決まる。低抵抗の内側かごの方が電流が流れやすいから、定常時は主に内側かご(低抵抗)に電流が流れる。低抵抗やから銅損が小さく、効率よく運転できるんや。
🎯 二重かご形をたとえるなら「二車線道路」みたいなもんや。外側車線(外側かご)は舗装が悪くて抵抗が大きいけど、道幅が広くて入りやすい(低リアクタンス)。内側車線(内側かご)は舗装が良くて抵抗が小さいけど、入口が狭い(高リアクタンス)。始動時(混雑時)は入りやすい外側車線を使い、定常時(空いてるとき)は走りやすい内側車線を使う。交通状況に応じて自動的にルートが切り替わるんや!
📌 二重かご形の動作まとめ
⚡ 始動時(f₂大):リアクタンスの影響大 → 外側かご(高抵抗・低X)に電流集中 → 始動トルク↑
⚡ 定常時(f₂小):リアクタンスの影響小 → 内側かご(低抵抗・高X)に電流集中 → 高効率
⚡ 深溝かご形と同様に自動的に特性が切り替わる
二重かご形の動作原理をしっかり理解できてるかチェックやで!
二重かご形誘導電動機の始動時に、主として電流が流れるのはどちらのかごか。またその理由として正しいものはどれか。
二重かご形のポイントを復習しよか。始動時はリアクタンスの影響が支配的やったな。
始動時は二次周波数 \( f_2 \) が大きい。リアクタンス \( X = 2\pi f_2 L \) も大きくなる。内側かごは漏れインダクタンスが大きいから、リアクタンスが特に大きくなって、インピーダンスが跳ね上がる。外側かごは漏れインダクタンスが小さいから、インピーダンスの増大は小さい。
二重かご形の始動時に、インピーダンスが小さいのはどちらか。
ええぞ!始動時の理解はバッチリやな。ほな、定常時についての発展問題いくで。
二重かご形回転子の定常運転時(s≈0.03)に、主として内側かごに電流が流れるようになる理由として正しいものはどれか。
ここで、通常かご形・深溝かご形・二重かご形のトルク特性を比較してみよう。どれだけ始動特性が改善されてるかが一目でわかるで。
グラフを見ると、s=1(始動時)のトルクの大きさが、通常かご形 < 深溝かご形 < 二重かご形 の順になってるのがわかるな。
二重かご形が最も始動トルクが大きい。これは外側の高抵抗かごの効果が、深溝かご形の表皮効果よりもさらに顕著に始動特性を改善するからや。ただし、二重かご形は製造工程が複雑でコストが高いっていうデメリットもある。
一方、定常運転時(sが小さい領域)ではどれもほぼ同じ特性になってるのもポイントや。特殊かご形は始動特性だけを改善して、定常時の性能は犠牲にしてへんのや。
📌 特殊かご形のトルク特性まとめ
⚡ 始動トルク:通常かご形 < 深溝かご形 < 二重かご形
⚡ 定常時の特性はどれもほぼ同じ(効率が悪くならない)
⚡ 構造の複雑さ・コスト:通常かご形 < 深溝かご形 < 二重かご形
⚡ 用途に応じて使い分ける(始動特性の要求度 vs コスト)
特殊かご形のメリットをしっかり理解できてるかチェックやで!
深溝かご形・二重かご形などの特殊かご形誘導電動機の最大の利点として正しいものはどれか。
特殊かご形が登場した背景を思い出そう。通常のかご形誘導電動機には始動時の問題があったな。
通常のかご形は回転子の抵抗が小さいから、始動時に大電流が流れるのに始動トルクは小さい。これを改善するために、始動時だけ自動的に抵抗が大きくなるよう工夫したのが特殊かご形やで。
通常のかご形誘導電動機の始動時の問題として正しいのはどれか。
ええぞ!ほな深溝かご形と二重かご形の比較問題や。
深溝かご形と二重かご形を比較した記述として正しいものはどれか。
よっしゃ!ここからは第24講の後半、単相誘導電動機の話に入るで。ガラッとテーマが変わるけど、しっかりついてきてな。
第1講で「誘導電動機には三相と単相がある」っていう話をしたの覚えてるか?あのとき「単相は第24講で詳しくやる」って言うたやろ。その約束をいよいよ果たすときが来たで!
まず、単相誘導電動機はどこで使われてるかから確認しよう。家庭のコンセントは単相100Vや単相200Vやろ?三相電源は一般家庭にはない。せやから、家庭で使う電動機は全部単相なんや。具体的には、扇風機、換気扇、冷蔵庫のコンプレッサー、洗濯機、エアコンなどやな。
でもな、ここで大きな問題がある。今まで学んできたように、誘導電動機が回転するには回転磁界が必要やった。三相交流なら、3つの電流の位相が120°ずつずれてるから、固定子に巻かれた三相巻線で自然に回転磁界が作れる。
ところが、単相交流は1つの電流だけや。1つの電流が1つのコイルに流れても、できるのは「行ったり来たりする磁界」だけ。磁界の向きが交互に入れ替わるだけで、回転はせえへん。
この「行ったり来たりする磁界」を交番磁界と呼ぶんや。交番磁界は回転磁界とは根本的に違う。回転磁界は「磁石がグルグル回る」イメージやけど、交番磁界は「磁石が同じ場所でN極とS極を行ったり来たりする」イメージやで。
📌 単相交流の根本的な問題
⚡ 三相交流:3つの位相差のある電流 → 回転磁界を自然に作れる
⚡ 単相交流:1つの電流のみ → 交番磁界しか作れない
⚡ 交番磁界では回転子にトルクを与えられず、自力で始動できない!
「え、じゃあ家の扇風機はどうやって回ってるんや?」って思うやろ。その秘密は、交番磁界の面白い性質にあるんや。次のステップで解説するで!
単相誘導電動機の基本をしっかり押さえてるかチェックや!
単相誘導電動機が単独では自力で始動できない理由として正しいものはどれか。
誘導電動機が回るための条件を復習しよう。誘導電動機は回転磁界がないと回れへんのやったな。
三相交流は3つの電流が120°ずつ位相がずれてるから、三相巻線に流すだけで自然に回転磁界が生まれる。でも単相は1つの電流だけやから、交番磁界(行ったり来たりするだけ)しか作れへんのや。
回転磁界を自然に作ることができるのは次のうちどれか。
ええぞ!ほな、交番磁界の理論的な分解についての発展問題や。
単相交流が作る交番磁界は、理論的にどのように分解できるか。正しいものはどれか。
ここからが単相誘導電動機の理論的な核心やで。交番磁界の正体を数学的に見てみよう。
実は、交番磁界は2つの回転磁界の合成として表現できるんや。具体的には、同じ大きさで互いに逆方向に回転する2つの回転磁界を合成すると、交番磁界になる。
数式で書くとこうなる。振幅 \( B_m \) の交番磁界は:
つまり、交番磁界は「正転する回転磁界(振幅B_m/2)」と「逆転する回転磁界(振幅B_m/2)」の2つが重なったものなんや。
ここから面白い結論が出てくる。停止状態の回転子は、正転成分のトルクと逆転成分のトルクを同時に受けるんやけど、両者が等しく逆方向やから打ち消し合って、合計トルクがゼロになる。これが単相誘導電動機が自力で始動できへん理由の本質やで。
でもな、もし外力で回転子を回してやったらどうなるか?たとえば手で正転方向にちょっと回してやると、正転成分によるすべりが小さくなり、逆転成分によるすべりは大きくなる。すると正転トルクが逆転トルクより大きくなって、正味のトルクが発生するんや。
つまり、一度回り始めれば、どちらかの方向に回り続けるんや。問題は「最初の一押し」をどうするかだけ。ここが単相誘導電動機の始動法の出発点やで。
交番磁界の分解と始動の関係を確認するで!
単相誘導電動機に外力で初速を与えると回転を続ける理由として正しいものはどれか。
交番磁界の分解を思い出そう。交番磁界は正転成分と逆転成分に分けられるんやったな。
停止状態では、正転成分と逆転成分のトルクが等しいから合計ゼロ。でも回転子が正転方向に回り始めると、正転成分に対するすべりが小さくなり、逆転成分に対するすべりが大きくなる。トルク-すべり特性曲線を思い出すと、すべりが小さい方がトルクが大きい(安定領域の場合)。
単相誘導電動機の停止状態での始動トルクはいくらか。
ええぞ!ほな、正転・逆転トルクの関係についての発展問題や。
単相誘導電動機の正転成分トルクと逆転成分トルクに関する記述のうち、正しいものはどれか。
もう1問、単相誘導電動機の始動の問題を確認しとこう。ここは電験で頻出やで!
単相誘導電動機の始動トルクがゼロになる理由として正しいものはどれか。
始動トルクがゼロということは、何かの工夫をしないと回り始めへんってことやな。
単相誘導電動機を始動させるには、交番磁界を回転磁界に近づける工夫が必要や。そのためには、もう1つの巻線を追加して位相差を作るというアプローチが取られるんやで。
単相誘導電動機を始動させるための基本的なアプローチはどれか。
ええぞ!ほな、始動法の原理に踏み込んだ発展問題や。
コンデンサ始動形単相誘導電動機で、コンデンサを補助巻線に直列接続する目的として最も適切なものはどれか。
いよいよ単相誘導電動機の始動法を見ていくで。始動トルクがゼロっていう問題を解決するために、いくつかの方法が考案されてるんや。
基本的な考え方は、主巻線とは別に補助巻線(始動巻線)を設けて、主巻線の電流と位相が異なる電流を流すことや。位相の違う2つの電流が2つの巻線に流れれば、疑似的な回転磁界が作れるんやで。
主な始動法を3つ紹介するで。
①コンデンサ始動形
補助巻線にコンデンサを直列に接続するタイプや。コンデンサに電流を流すと、電流の位相が電圧より進む。主巻線の電流は遅れ位相やから、2つの巻線の電流に約90°の位相差が生まれる。これによって真の二相回転磁界に近い状態が作れて、始動トルクが大きい。始動後はスイッチ(遠心力スイッチ)で補助巻線を切り離す。最も広く使われてるタイプやで。
②コンデンサ運転形
コンデンサ始動形と似てるけど、始動後もコンデンサと補助巻線を接続したまま運転するタイプや。始動後も二相運転になるから、運転中の効率と力率が良い。ただし、始動用と運転用で最適なコンデンサの容量が違うから、2個のコンデンサを使うことも多い(コンデンサ始動コンデンサ運転形)。エアコンのコンプレッサーなどに使われてるで。
③くまとりコイル形(隈取コイル形)
これは他の方式と全く違うアプローチや。固定子の磁極の一部に短絡した銅のコイル(くまとりコイル)を巻き付ける。磁束がこのコイルを通過するとき、誘導電流が流れて磁束の変化を遅らせる。結果として、磁極内で磁束分布に位相差が生まれ、弱い回転磁界が作られるんや。
くまとりコイル形は構造が最もシンプルで安価やけど、始動トルクが小さく効率も低い。換気扇や小型ファンのような軽負荷の用途に使われてるで。
📌 単相誘導電動機の始動法まとめ
⚡ コンデンサ始動形:始動トルク大、始動後に補助巻線を切離、最も広く使用
⚡ コンデンサ運転形:始動後もコンデンサ接続、効率・力率良好
⚡ くまとりコイル形:構造最簡単・安価、始動トルク小、小型軽負荷向け
他にも「分相始動形(抵抗分相形)」ってのもある。補助巻線の抵抗値を主巻線と変えることで位相差を作る方式やけど、位相差が小さくて始動トルクがコンデンサ始動形ほど大きくない。電験ではコンデンサ始動形とくまとりコイル形が最頻出やから、この2つをしっかり押さえておこう。
単相誘導電動機の始動法についての問題やで!
くまとりコイル形単相誘導電動機に関する記述として正しいものはどれか。
単相誘導電動機の始動法を復習しよう。主な3つの方式があったな。
コンデンサ始動形は位相差を約90°作れて始動トルクが大きい。くまとりコイル形は構造は簡単やけど始動トルクは小さい。コンデンサ運転形は始動後も効率が良い。
単相誘導電動機の始動法として、最も広く使用されているのはどれか。
ええぞ!ほな、コンデンサ運転形についての発展問題や。
コンデンサ運転形単相誘導電動機がコンデンサ始動形と異なる特徴として正しいものはどれか。
よっしゃ!ここで第24講の総まとめをするで。今回は盛りだくさんやったな。
📝 第24講のまとめ(前半:特殊かご形)
⚡ 深溝かご形:スロットが深く、表皮効果を利用して始動時に有効抵抗を自動的に増大
⚡ 二重かご形:外側かご(高抵抗・低X)と内側かご(低抵抗・高X)の2層構造
⚡ 始動時は外側かごに、定常時は内側かごに電流が集中 → 自動的に特性が切替わる
⚡ 始動特性改善効果:二重かご形 > 深溝かご形 > 通常かご形
📝 第24講のまとめ(後半:単相誘導電動機)
⚡ 単相交流では回転磁界が作れず交番磁界になる → 始動トルクゼロ
⚡ 交番磁界 = 正転成分 + 逆転成分(2つの回転磁界の合成)
⚡ コンデンサ始動形:約90°の位相差で回転磁界を作る、最も広く使用
⚡ コンデンサ運転形:始動後もコンデンサ接続、効率良好
⚡ くまとりコイル形:簡単・安価だが始動トルク小、換気扇など軽負荷向け
特殊かご形の「表皮効果」と「リアクタンスの周波数依存性」、単相誘導電動機の「交番磁界の分解」は電験三種でよく出るポイントや。しっかり押さえておいてな!
ほな、最後に総合問題で仕上げや!
ほな、最終問題や!今日の総仕上げやで!
次の記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
A. 深溝かご形回転子は表皮効果を利用して始動特性を改善している。
B. 二重かご形の外側かごは低抵抗・高リアクタンスの特性を持つ。
C. コンデンサ始動形は主巻線と補助巻線の電流に位相差を作って始動する。
D. 単相交流のみで回転磁界を自然に作ることができる。
各記述を1つずつ確認しよう。A:深溝かご形は表皮効果を利用 → 正しい。B:二重かご形の外側かごは高抵抗・低リアクタンス → Bは「低抵抗・高リアクタンス」と書いてあるから誤り。C:コンデンサ始動形は位相差を作る → 正しい。D:単相で回転磁界は作れない → 誤り。
二重かご形の外側かごの電気的特性として正しいのはどれか。
さすがや!ほな、最後の発展問題で完璧に仕上げよう。
深溝かご形と二重かご形の始動特性改善メカニズムの違いとして最も適切な記述はどれか。
お疲れさん!第24講、全問クリアやで!
今回は特殊かご形(深溝・二重かご形)と単相誘導電動機っていう2つの大きなテーマを学んだ。どちらも電験三種では知識問題として出題されることが多いから、「なぜそうなるか」の理屈をしっかり覚えておいてな。
特に覚えておくべきキーワードは:
🔑 第24講のキーワード
⚡ 表皮効果:周波数が高いと電流が導体表面に集中 → 有効抵抗↑
⚡ 深溝かご形:深いスロットで表皮効果を利用
⚡ 二重かご形:外側(高R・低X)と内側(低R・高X)の2層
⚡ 交番磁界:正転成分 + 逆転成分 → 停止時トルクゼロ
⚡ コンデンサ始動形:約90°位相差 → 最も広く使用
⚡ くまとりコイル形:簡単・安価・低効率 → 軽負荷向け
次回の第25講は誘導機の総まとめや。第1講から第24講まで学んできた内容を横断的に振り返り、電験三種の本番に向けた最終仕上げを行うで。お楽しみに!
📚 次回予告:第25講「誘導機総まとめ」
誘導機シリーズの集大成!第1講から第24講まで学んだ全内容を横断的に振り返り、電験三種本番に向けた最終仕上げを行うで!