スリップリングを活かした始動法の決定版!比例推移で始動抵抗を自在に計算しよう
よっしゃ!第22講、巻線形誘導電動機の始動法に突入や!
前回の第21講では、かご形誘導電動機の始動法を4つ学んだな。全電圧始動、Y-Δ始動、始動補償器、リアクトル始動。かご形は回転子の構造が固定されてるから、始動電流を抑えるには一次側(電源側)を工夫するしかなかった。
でもな、今日の主役は巻線形誘導電動機や。巻線形には、かご形にはない大きなアドバンテージがある。それは何やったか覚えてるか?
そう、スリップリングとブラシを通じて、回転子(二次側)に外部から抵抗を接続できるんや。つまり、一次側をいじらなくても、二次側の抵抗を変えることで始動特性を自由にコントロールできるってわけやで。
さらに、第19講で学んだ比例推移の考え方が、ここで大活躍するんや。「あの公式、いつ使うんやろ?」って思ってた人もおるかもしれんけど、まさに今日がその日やで!
📚 この講座で学ぶこと
⚡ 巻線形誘導電動機の二次抵抗始動の原理
⚡ なぜ二次抵抗を追加すると始動トルクが改善するのか
⚡ 比例推移を使った始動抵抗の計算方法
⚡ 最大トルク始動の条件とその計算
⚡ 段階的な抵抗短絡の始動手順
ほな、さっそく始めよか!まずは巻線形の構造をサッと復習するところからや!
まずは巻線形誘導電動機の構造をサッと復習しよか。
巻線形の回転子は、かご形と違って三相の巻線コイルが巻かれてるんや。このコイルの端はそれぞれスリップリングに接続されていて、外部とはブラシを通じて電気的につながってる。
この構造のおかげで、回転子が高速で回転していても、外部から抵抗やその他の回路を接続できるんや。回転する部分と静止する部分を電気的につなぐ「橋渡し」の役割を、スリップリングとブラシが果たしてるわけやな。
この図のポイントは、回転子のコイルがスリップリング→ブラシを経由して、外部の抵抗器 R に接続されていることや。この外部抵抗の値を変えるだけで、始動電流と始動トルクを自在にコントロールできるんやで。
たとえるなら、かご形は「固定ギアの自転車」みたいなもんや。ペダルの重さ(=始動特性)は変えられへん。一方、巻線形は「変速ギア付きの自転車」や。ギア(=外部抵抗)を切り替えることで、坂道発進(=重負荷始動)もスムーズにできるんや。
ほな、ここからが今日の本題や。二次抵抗始動の原理を説明するで。
まず、始動時(すべり \( s = 1 \))のことを思い出してくれ。始動時は回転子が止まってる状態やから、すべりが最大の1になるんやったな。
このとき、二次回路に流れる電流(二次電流)は以下の式で表される:
ここで外部抵抗 \( R \) を二次回路に追加すると、二次回路の合計抵抗は \( r_2 + R \) になる。すると始動電流は:
分母に \( R \) が加わったことで、分母が大きくなるやろ? ということは、始動電流が小さくなるんや。ここまでは直感的にも分かりやすいな。
でもな、ここからがミソや。「始動電流が小さくなるなら、始動トルクも小さくなるんちゃうの?」って思うやろ。実はそうとは限らへんのや。
始動トルクは二次電流だけでなく、二次回路の力率にも依存する。外部抵抗を追加すると、二次回路のインピーダンスに占める抵抗の割合が増えて、二次力率が改善されるんや。
つまり、外部抵抗を追加すると:
・始動電流は減少する(分母が大きくなるから)
・二次力率は改善する(抵抗の比率が上がるから)
・始動トルクはある適切な値まで増加する(力率改善効果が電流減少を上回る範囲がある)
📌 二次抵抗始動のポイント
⚡ 外部抵抗の追加で始動電流は「確実に減少」する
⚡ 始動トルクは抵抗値に応じて「増加→最大→減少」と変化する
⚡ 最適な抵抗値のとき、始動電流を抑えつつ始動トルクを最大にできる
さて、もう少し深掘りして「なぜ二次抵抗を増やすと始動トルクが大きくなるのか」を、トルクの公式から確認しよか。
第19講で学んだ比例推移のときに出てきたトルクの近似式を思い出してくれ:
外部抵抗 \( R \) を追加すると、\( r_2 \) の代わりに \( r_2 + R \) になるから:
始動時(\( s = 1 \))にこの式がどう変化するか、具体的な数値で見てみよか。
\( r_2 = 0.2 \) Ω、\( x_2 = 1.0 \) Ω の場合:
外部抵抗なし(R = 0)
\( T_{start} \propto \frac{0.2}{0.2^2 + 1.0^2} = \frac{0.2}{0.04 + 1.0} = \frac{0.2}{1.04} \approx 0.192 \)
外部抵抗あり(R = 0.8 Ω → r₂+R = 1.0 Ω)
\( T_{start} \propto \frac{1.0}{1.0^2 + 1.0^2} = \frac{1.0}{1.0 + 1.0} = \frac{1.0}{2.0} = 0.500 \)
見てみ! 外部抵抗を入れることで、始動トルクが 0.192 → 0.500 と、約2.6倍にも増えてるんや!
しかも、\( r_2 + R = x_2 \)(つまり合計抵抗がリアクタンスと等しい)のときに始動トルクが最大になるんや。これは第18講で学んだ最大トルク条件の \( s_m = r_2 / x_2 \) と深いつながりがあるで。
このグラフが示すように、外部抵抗 \( R \) には「ちょうどいい値」があるんや。小さすぎても大きすぎてもダメで、\( r_2 + R = x_2 \) のときに始動トルクが最大になる。これが最大トルク始動の条件やで。
ここまでの内容を確認する問題や!
巻線形誘導電動機の二次抵抗始動について、その主な目的として最も適切なものはどれか。
大丈夫やで、一つずつ確認しよか。
二次抵抗始動の目的は「始動特性の改善」や。具体的には2つの効果がある:
1つ目は始動トルクの増大。二次回路に抵抗を追加すると力率が改善されて、トルクが大きくなるんやったな。
2つ目は始動電流の抑制。二次回路のインピーダンスが大きくなるから、電流は減少する。
つまり「始動トルクを大きくし、始動電流を抑える」が正解や。①は逆(電流を増やすんやない)、③は定格運転時の話ではない、④は二次抵抗始動とは無関係やな。
ほな、確認問題を解いてみよか。
二次抵抗を追加すると、始動時の二次回路の力率はどうなるか?
正解やな。ほな発展問題にチャレンジや!
巻線形誘導電動機の二次抵抗始動について、以下の記述のうち誤っているものはどれか。
① 外部抵抗を大きくするほど始動電流は小さくなる
② 外部抵抗を大きくするほど始動トルクは常に大きくなる
③ 最大トルクの大きさは外部抵抗の値に関係なく一定である
④ 加速後は外部抵抗を短絡して定格運転に移行する
ここからは、いよいよ比例推移を使った計算に入るで!
第19講で学んだ比例推移の公式を復習しよか。比例推移ってのは「二次抵抗を変えても、トルクが同じになる条件」を表す式やったな。
ポイントは、トルクの式の中で「\( r_2 \) と \( s \) はセットで動く」ということや。トルクの近似式をもう一度見てみ:
この式をよく見ると、分子は \( s \cdot r_2 \)、分母の第1項は \( r_2^2 \)、第2項は \( (sx_2)^2 \) やな。ここで分子・分母を \( s^2 \) で割ってみると:
つまり、トルクは \( r_2 / s \) の値だけで決まるんや! ということは、\( r_2 / s \) の値が同じなら、トルクも同じということになる。
これを式にしたのが比例推移の公式や:
ここで \( s_1 \) は外部抵抗なし(\( r_2 \) のみ)のときのすべり、\( s_2 \) は外部抵抗 \( R \) を追加したときのすべりや。
📌 比例推移のポイント
⚡ 同じトルクを出すとき、二次抵抗が大きいほどすべりも大きくなる
⚡ 二次抵抗とすべりは正比例の関係
⚡ 始動時は \( s_2 = 1 \) として計算する
ほな、比例推移を使って実際の計算をやってみよか。電験三種で超頻出のパターンを2つ紹介するで。
「始動時(\( s = 1 \))に最大トルクを発生させるための外部抵抗 \( R \) を求めよ」っていう問題や。
最大トルク時のすべり \( s_m \) は:
外部抵抗 \( R \) を入れると:
始動時に最大トルクを出したいから、\( s_m' = 1 \) としたい。つまり:
最大トルク始動の条件
\( \frac{r_2 + R}{x_2} = 1 \) → \( r_2 + R = x_2 \) → \( R = x_2 - r_2 \)
めっちゃシンプルやろ? \( R = x_2 - r_2 \) だけ覚えれば最大トルク始動の問題は解けるんや。
「定格運転時と同じトルクで始動するための外部抵抗 \( R \) を求めよ」っていう問題や。
定格運転時のすべりを \( s_n \) とすると、比例推移から:
定格トルク始動の条件
\( \frac{r_2}{s_n} = \frac{r_2 + R}{1} \) → \( r_2 + R = \frac{r_2}{s_n} \) → \( R = \frac{r_2}{s_n} - r_2 = r_2 \left(\frac{1}{s_n} - 1\right) \)
この2つのパターンが分かれば、巻線形の始動抵抗計算は怖くないで!
📌 超重要!2つの公式
⚡ 最大トルク始動: \( R = x_2 - r_2 \)
⚡ 定格トルク始動: \( R = \frac{r_2}{s_n} - r_2 \)
ほな、さっそく計算問題に挑戦や!
巻線形誘導電動機の二次回路の定数が \( r_2 = 0.2 \) Ω、\( x_2 = 1.0 \) Ω である。始動時(\( s = 1 \))に最大トルクを発生させるために必要な外部抵抗 \( R \) [Ω] はいくらか。
大丈夫やで!「最大トルク始動」の公式を使えばすぐ解けるで。
最大トルク始動の条件は \( s_m' = 1 \) にすること。つまり:
解法
\( R = x_2 - r_2 = 1.0 - 0.2 = 0.8 \) Ω
最大トルク始動は\( R = x_2 - r_2 \)と覚えよう。リアクタンスから二次抵抗を引くだけや!
\( r_2 = 0.3 \) Ω、\( x_2 = 1.5 \) Ω のとき、最大トルク始動に必要な外部抵抗 \( R \) は?
正解やな!ほな発展問題いくで。
巻線形誘導電動機の \( r_2 = 0.2 \) Ω、\( x_2 = 1.0 \) Ω のとき、外部抵抗なしでの最大トルク時すべり \( s_m \) と、最大トルク始動時(\( R = 0.8 \) Ω)の始動トルクの比較として正しいものはどれか。
ここで、二次抵抗を変えたときのトルク特性曲線がどう変化するか、視覚的に確認しよか。
第17講でトルク-すべり特性曲線を学んだときのことを思い出してくれ。外部抵抗を追加すると、あの曲線がどう変わるかが重要なんや。
このグラフの重要なポイントは3つや:
① 最大トルクの大きさは変わらない。どの曲線も \( T_{max} \) の高さは同じやろ? これは最大トルクの式 \( T_{max} = \frac{3V_1^2}{2\omega_s x_2} \) に二次抵抗 \( r_2 \) が含まれていないからや。
② 最大トルク点のすべりが大きくなる。二次抵抗を増やすと、最大トルクが発生するすべり \( s_m = \frac{r_2 + R}{x_2} \) が大きくなって、曲線の山が右に移動するんや。
③ \( r_2 + R = x_2 \) のとき s=1 で最大トルク。赤い曲線がちょうど \( s = 1 \)(始動時)で最大トルクに達してるのが分かるやろ? これが「最大トルク始動」の状態や。
📌 トルク曲線の変化まとめ
⚡ 最大トルクの「大きさ」は不変(二次抵抗に依存しない)
⚡ 最大トルクの「位置(すべり)」は右に移動する
⚡ 始動トルク(s=1での値)は適切な抵抗で最大化できる
トルク曲線の変化を確認する問題やで!
巻線形誘導電動機の二次回路に外部抵抗を追加したとき、トルク-すべり特性曲線の変化として正しいものはどれか。
落ち着いて考えよか。さっきのSVGグラフを思い出してくれ。
最大トルクの大きさは \( T_{max} = \frac{3V_1^2}{2\omega_s x_2} \) で決まる。この式に二次抵抗 \( r_2 \) は入ってへんから、外部抵抗を追加しても最大トルクの大きさは変わらへんのや。
一方、最大トルク時のすべりは \( s_m = \frac{r_2 + R}{x_2} \) やから、抵抗を増やすと \( s_m \) は大きくなる。つまり、曲線の山が右(s=1方向)に移動するんや。
\( r_2 = 0.1 \) Ω、\( x_2 = 0.5 \) Ω の電動機に外部抵抗 \( R = 0.4 \) Ω を追加した場合、最大トルク時すべり \( s_m' \) はいくらか。
正解!ほな発展問題や。
巻線形誘導電動機で、外部抵抗を \( R = x_2 - r_2 \) よりもさらに大きくした場合、始動トルクはどうなるか。
ここで、最大トルク始動の条件をもう少し深く理解しよか。
第18講で学んだ最大トルクの条件は \( s_m = r_2 / x_2 \) やったな。これは「二次回路の抵抗成分とリアクタンス成分が等しいときにトルクが最大になる」ということを意味してるんや。
始動時(\( s = 1 \))には、二次リアクタンスは \( x_2 \)(すべり周波数が電源周波数と等しいから)。一方、二次抵抗は \( r_2 + R \) や。この2つが等しくなる条件:
なぜ抵抗 = リアクタンスのとき最大になるんか? これは電力伝送の理論と同じ考え方や。負荷のインピーダンスが電源のインピーダンスと等しいとき、負荷に最大電力が供給されるという最大電力伝送定理と本質的に同じことなんやで。
二次回路で考えると、抵抗成分は「トルクに変換される有効電力」を担当し、リアクタンス成分は「蓄積されるだけの無効電力」を担当する。この2つのバランスが取れたとき(=等しいとき)に、トルクへの変換効率が最大になるんや。
たとえるなら、自転車のペダルを漕ぐときに「力を入れる角度」が大事なのと同じや。ペダルに対して真上から踏む(力率1.0)のが最も効率的やけど、斜めから力を入れてもある程度回せる。外部抵抗の調整は、この「力の角度」を最適にするようなもんやで。
ほな、比例推移を使った「定格トルク始動」の計算問題や!
巻線形誘導電動機の二次抵抗 \( r_2 = 0.1 \) Ω、二次リアクタンス \( x_2 = 0.5 \) Ω、定格すべり \( s_n = 0.04 \) である。定格運転時と同じトルクで始動(\( s = 1 \))するために必要な外部抵抗 \( R \) [Ω] はいくらか。
大丈夫やで!比例推移の公式を使って一歩ずつ解こか。
「定格運転時と同じトルクで始動する」ということは、比例推移の式で:
ステップ1: 比例推移の式を立てる
\( \frac{r_2}{s_n} = \frac{r_2 + R}{s_{start}} \)
始動時は \( s_{start} = 1 \) やから:
\( \frac{r_2}{s_n} = r_2 + R \)
ステップ2: R を求める
\( r_2 + R = \frac{0.1}{0.04} = 2.5 \)
\( R = 2.5 - 0.1 = 2.4 \) Ω
正解は③ 2.4 Ωやで。ポイントは \( r_2 / s_n \) を計算してから \( r_2 \) を引くことや。
\( r_2 = 0.2 \) Ω、定格すべり \( s_n = 0.05 \) のとき、定格トルク始動に必要な外部抵抗 \( R \) は?
さすがや!ほな発展問題にチャレンジ。
巻線形誘導電動機の \( r_2 = 0.1 \) Ω、\( x_2 = 0.5 \) Ω、定格すべり \( s_n = 0.04 \) である。定格トルクの2倍のトルクで始動するために必要な外部抵抗 \( R \) の値に最も近いものはどれか。ただし、定格トルクの2倍のトルクを発生するすべり(外部抵抗なし)は \( s = 0.085 \) とする。
ここまでで、始動時に外部抵抗を入れるとトルクが改善されることが分かったな。でもな、一つ重要なことがあるんや。
外部抵抗は始動時だけ必要なもんであって、定格運転時には邪魔になるんや。なんでかっていうと、抵抗が入ったままやと二次銅損が増えて効率が下がるし、すべりも大きくなって速度が落ちるからや。
せやから、実際の始動手順はこうなるんや:
なんで「段階的に」短絡するんか? 一気に全抵抗を短絡すると、突然すべりに対して抵抗が小さくなりすぎて、大きな突入電流が流れてしまうからや。段階的に減らすことで、常にスムーズなトルクと電流で加速できるんや。
これは車のマニュアルトランスミッションでギアを上げていくのに似てるで。1速→2速→3速→4速と段階的に上げるから、エンジン回転数が安定するやろ? 一気に1速から4速に入れたらエンストするのと同じ理屈や。
📌 始動手順のまとめ
⚡ 始動時は外部抵抗を「全部入れた状態」から始める
⚡ 加速に応じて抵抗を「段階的に短絡」していく
⚡ 定格速度に達したら「全抵抗を短絡」する(R = 0)
⚡ 一気に短絡すると突入電流が発生するので注意
始動手順の理解を確認する問題やで!
巻線形誘導電動機の二次抵抗始動における正しい始動手順はどれか。
整理しよか。二次抵抗始動のポイントは「始動時は抵抗を大きく、定格運転時は抵抗ゼロ」や。
始動時に大きな抵抗を入れる理由は「始動トルクを大きく、始動電流を小さく」するため。定格運転時に抵抗をゼロにする理由は「効率を良くし、速度低下を防ぐ」ためや。
せやから、正しい手順は「全抵抗挿入→段階的短絡→全短絡」やで。①は逆(始めから短絡してたら始動改善にならへん)、③は二次開放したら電流が流れへん、④はかご形の始動法の説明やな。
定格運転中に外部抵抗を短絡せず残したままにするとどうなるか?
よっしゃ、正解!ほな発展問題や。
巻線形誘導電動機の始動時に、二次回路を開放した状態で一次巻線に電圧を印加するとどうなるか。
ここで総合計算問題を解いてみよか!
4極、50 Hz の巻線形誘導電動機の二次回路定数が \( r_2 = 0.3 \) Ω、\( x_2 = 1.5 \) Ω である。始動時(\( s = 1 \))に最大トルクを発生させるために二次回路に挿入すべき外部抵抗 \( R \) [Ω] はいくらか。
最大トルク始動の公式を使おう!
最大トルク始動の公式
\( R = x_2 - r_2 = 1.5 - 0.3 = 1.2 \) Ω
「最大トルク始動」と聞いたら、\( R = x_2 - r_2 \) を即座に思い出すようにしよう。4極とか50Hzとかの情報はこの問題では使わへんから、惑わされんようにな。
\( r_2 = 0.5 \) Ω、\( x_2 = 2.0 \) Ω のとき、最大トルク始動の外部抵抗 \( R \) は?
さすが!ほな発展問題や。
同じ電動機(\( r_2 = 0.3 \) Ω、\( x_2 = 1.5 \) Ω)で、外部抵抗なしの場合の最大トルク時すべり \( s_m \) はいくらか。
ここで、二次抵抗始動の発展形として液体抵抗始動器について紹介しよか。
さっきの始動手順で「段階的に抵抗を短絡する」って言うたけど、実際にはこの「段階的」ってのが厄介なんや。機械式のスイッチで抵抗を切り替えるたびに、どうしてもトルクの変動が起こるし、切り替えのタイミングも難しい。
そこで登場するのが液体抵抗始動器(リキッドレオスタット)や。これは電極を電解液(塩水など)に浸けて、電極間の距離を変えることで抵抗値を連続的に(無段階で)変化させる装置やで。
イメージとしては、2本の金属板を塩水に浸けた状態を想像してくれ。金属板同士が遠いと電流が流れにくい(抵抗が大きい)、近いと電流が流れやすい(抵抗が小さい)。この距離をゆっくり縮めていくことで、抵抗値をスムーズに減らせるんや。
📌 液体抵抗始動器のメリット
⚡ 抵抗値を無段階で連続的に変化できる → トルク変動が少ない
⚡ 構造が比較的シンプルで大容量にも対応
⚡ 大型の巻線形誘導電動機(クレーン、ポンプなど)に使用される
ただし、デメリットもある。液体が蒸発・汚染するからメンテナンスが必要やし、液体の温度変化で抵抗値が変動するという問題もあるんや。それでも大型の巻線形電動機では、今でも使われてる方式やで。
ここで、かご形と巻線形を比較する問題やで。
巻線形誘導電動機の特徴として誤っているものはどれか。
巻線形とかご形の違いを整理しよか。
巻線形は回転子に三相巻線コイルが巻かれていて、スリップリングとブラシで外部回路と接続できる。これにより始動トルクを大きくしたり速度制御ができるんや。
しかし、かご形より構造が複雑で高価なんや。スリップリング、ブラシ、外部抵抗器など追加の部品が必要やし、ブラシは定期的な交換も要る。つまり③は「かご形より構造が簡単で安価」と言うてるけど、これが誤りやで。
かご形誘導電動機がブラシの保守を必要としない理由として正しいものはどれか。
正解!ほな発展問題や。
巻線形誘導電動機が現在ではかご形に比べて使用が減っている主な理由として、最も適切なものはどれか。
ここまでの内容を整理しよか。巻線形の二次抵抗始動について、大事なポイントを全部まとめるで。
📌 第22講 重要ポイント総整理
⚡ 原理:二次回路に外部抵抗Rを追加して始動特性を改善
⚡ 効果:始動電流の抑制 + 始動トルクの増大
⚡ 最大トルク始動:\( R = x_2 - r_2 \)
⚡ 定格トルク始動:\( R = \frac{r_2}{s_n} - r_2 \)
⚡ 最大トルクの大きさ:外部抵抗に無関係(一定)
⚡ 最大トルク時すべり:\( s_m = \frac{r_2 + R}{x_2} \)(抵抗が増えると大きくなる)
⚡ 始動手順:全抵抗挿入 → 段階的短絡 → 全短絡
かご形は「一次側(電源側)」の工夫、巻線形は「二次側(回転子側)」の工夫。この違いをしっかり頭に入れておいてな。
最後の問題やで!気合い入れていこか!
6極、60 Hz の巻線形誘導電動機で、二次抵抗 \( r_2 = 0.15 \) Ω、二次リアクタンス \( x_2 = 0.9 \) Ω であるとき、外部抵抗なしでの最大トルク時すべり \( s_m \) はいくらか。
落ち着いて解こか。最大トルク時すべりの公式を思い出そう。
最大トルク時すべりの公式
\( s_m = \frac{r_2}{x_2} = \frac{0.15}{0.9} = \frac{15}{90} = \frac{1}{6} \)
6極とか60Hzの情報は、最大トルク時すべりの計算には不要やで。\( s_m \) は二次回路の定数だけで決まるんや。
分数で \( \frac{1}{6} \approx 0.167 \) やから、選択肢②が正解やな。
この電動機で始動時に最大トルクを発生させるための外部抵抗 \( R \) は?
さすがや!最後の発展問題にチャレンジ。
同じ電動機(\( r_2 = 0.15 \) Ω、\( x_2 = 0.9 \) Ω)で、外部抵抗 \( R = 0.75 \) Ω を挿入して始動したとき、始動時の最大トルク時すべり \( s_m' \) と、始動トルクの関係として正しいものはどれか。
よっしゃ、全問お疲れさまやで!
第22講では、巻線形誘導電動機の二次抵抗始動について学んだな。かご形は一次側の工夫で始動電流を抑えるしかなかったけど、巻線形はスリップリングを通じて二次側の抵抗を直接制御できるのが最大のメリットやった。
特に覚えてほしいのは、比例推移の応用や。「最大トルク始動」も「定格トルク始動」も、比例推移の式一本で解けるということが分かったやろ?
電験三種では「巻線形の始動抵抗を比例推移で求める」問題がほぼ毎年のように出題されるから、この解法パターンはしっかりマスターしておいてな。
📚 次回予告:第23講「速度制御法」
次回は誘導電動機の速度制御法を学ぶで。極数変換、周波数制御、V/f一定制御など、現代のモーター制御に欠かせない技術が登場するんや。特にインバータによるV/f制御は、実務でも試験でも超重要やで!
📚 次回予告:第23講「速度制御法」
極数変換、周波数制御、V/f一定制御など、誘導電動機の速度を自在に操る技術を学ぶで。インバータ制御は現代のモーター技術の要やから、しっかり学んでいこか!