回転速度を自在に操る3つの方法をマスターしよう!
よっしゃ!第24講のスタートや!
前回の第23講では、始動法について学んだな。直流電動機を起動するとき、逆起電力がゼロやから大電流が流れてしまう問題と、それを防ぐために始動抵抗器を使う方法を勉強したんやった。
ほんで今回のテーマは「速度制御法」や!
直流電動機の大きな魅力のひとつは、回転速度を自在にコントロールできることやねん。工場のコンベア、電車、エレベーター、クレーン...これらの機械は、用途に応じて速度を変える必要があるやろ?直流電動機はそれが得意中の得意なんや。
「どうやって速度を変えるの?」って思うやろ。実は、第18講で学んだ回転速度の式がそのまま答えになってるんや。今日はその式をもとに、3つの速度制御法を徹底的に学んでいくで。
📚 この講座で学ぶこと
⚡ 速度制御の基本原理(回転速度の式から理解する)
⚡ 電圧制御法の仕組みと特徴
⚡ 界磁制御法の仕組みと特徴
⚡ 抵抗制御法の仕組みと特徴
⚡ ワードレオナード方式の仕組み
電験三種でも速度制御法は頻出分野や。特に3つの制御法の違いと、どの速度領域で使うかは定番の出題パターンやで。ほな、始めよか!
まずは速度制御の基本原理からいくで。
第18講で学んだ回転速度の式、覚えてるか?これが速度制御のすべてのカギを握ってるんや。
この式をじーっと眺めてみ。回転速度 \( n \) を変えるには、右辺のどれかを変えればええわけや。
右辺に出てくる変数を整理してみよか。
まず分子の \( V - I_a R_a \) は逆起電力 \( E \) のことやったな。ここに出てくるのは電源電圧 \( V \) と電機子抵抗 \( R_a \) や。
そして分母には磁束 \( \Phi \) がある。
機械定数 \( k \) は構造で決まる値やから、運転中に変えることはでけへん。ほんなら、速度を変える方法は3つしかないことが分かるな?
📌 速度制御の3つの方法
⚡ 電圧制御:電源電圧 \( V \) を変える → 分子が変化
⚡ 界磁制御:磁束 \( \Phi \) を変える → 分母が変化
⚡ 抵抗制御:電機子回路に外部抵抗を追加 → 分子が変化
この3つの方法、全部ひとつの式 \( n = \frac{V - I_a R_a}{k \Phi} \) から出てきてるんやで。公式を「暗記するもの」やなくて、「速度制御の方法を教えてくれる地図」として見ると、めっちゃ分かりやすくなるやろ?
たとえるなら、自転車のスピードを変える方法と似てるで。ペダルを踏む力を変える(電圧制御)、ギアを切り替える(界磁制御)、ブレーキを軽くかける(抵抗制御)。どれもスピードを変えるけど、やり方も効率も全然違うんや。
ほな、次のステップでこの3つの全体像をもうちょっと詳しく見てみよか。
ここで、3つの速度制御法の全体像をまず押さえておくで。
大事なのは、それぞれの制御法が「基底速度」を基準にして使い分けられるということや。
「基底速度」って何やねん?って思うやろ。これは定格電圧・定格磁束で運転したときの回転速度のことや。つまり、すべてが定格値のときの速度が基準になるんやな。
図を見てくれ。速度制御の世界は「基底速度」を境に2つの領域に分かれるんや。
基底速度より遅くしたいときは、電圧を下げる「電圧制御」か、外部抵抗を入れる「抵抗制御」を使う。基底速度より速くしたいときは、磁束を弱める「界磁制御」を使うんや。
なんで基底速度以上は界磁制御なんかっていうと、電圧制御で速度を上げようとすると定格電圧を超えてしまうからや。電圧には上限(定格電圧)があるけど、磁束は弱める方向には調整しやすいんやな。
逆に、界磁制御で速度を下げようとすると磁束を強くせなあかんけど、鉄心が磁気飽和して限界がある。せやから基底速度以下では電圧制御のほうが適してるんや。
ほな次は、まず電圧制御法から詳しく見ていくで。
まずは電圧制御法から見ていくで。
電圧制御法は、名前の通り電源電圧 \( V \) を変えることで回転速度を制御する方法や。
回転速度の式を思い出してみ。
磁束 \( \Phi \) を一定に保ったまま、電源電圧 \( V \) を変えるんや。\( I_a R_a \) の電圧降下は通常小さいから、速度は電圧にほぼ比例すると考えてええ。
でもな、ここで問題がある。「電源電圧を変える」って簡単に言うけど、普通のコンセントの電圧は100Vで固定やろ?工場の動力は200Vで固定やろ?どうやって電圧を変えるねん?
そこで登場するのが、可変電圧電源や。具体的には次の方法があるで。
📌 電圧制御の実現方法
⚡ ワードレオナード方式:発電機を使って可変電圧を作る(古典的)
⚡ サイリスタレオナード方式:サイリスタ整流器で交流から可変直流を作る(現代的)
⚡ チョッパ制御:直流をスイッチングして平均電圧を変える(電車などで使用)
どの方法も「電動機に供給する電圧を自由に変える」ための仕組みや。ワードレオナード方式は後で詳しくやるから、今は「電圧を変えると速度が変わる」という原理をしっかり押さえておいてな。
図を見てくれ。磁束 \( \Phi \) が一定やから、電圧を下げると速度-トルク特性の線がそのまま下に平行移動するんや。特性線の傾きは変わらへん。これが電圧制御の特徴やで。
📌 電圧制御法の特徴まとめ
⚡ 利点:広い速度範囲で効率良く制御できる
⚡ 利点:磁束一定 → トルク特性が安定
⚡ 欠点:可変電圧電源が必要 → 設備コストが高い
⚡ 適用:基底速度以下の速度制御に使用
電圧制御は効率が良くて特性も安定してるから、現代の直流電動機制御では最もよく使われる方法や。ただし、可変電圧電源というそれなりの設備が必要になるんやな。
ほな、ここまでの理解度を確認してみよか!
ほな、第1問いくで!速度制御の基本を確認しよう。
直流電動機の回転速度の式 \( n = \frac{V - I_a R_a}{k \Phi} \) から、速度を制御するために変化させるパラメータの組み合わせとして正しいものはどれか。
大丈夫やで、もう一回整理しよか。
速度の式 \( n = \frac{V - I_a R_a}{k \Phi} \) で、速度を「制御」するには、自分の意思で変えられるパラメータを操作する必要があるんや。
機械定数 \( k \) は機械の構造(極数や導体数)で決まる値やから、運転中に変えることはでけへん。回転速度 \( n \) は結果として変わるもので、制御の「入力」やない。
一方で、電源電圧 \( V \)、磁束 \( \Phi \)(界磁電流で調整)、電機子回路の抵抗(外部抵抗を追加)は、運転中に変えることができるんや。
電圧制御法において、電源電圧Vを大きくすると回転速度はどうなるか。(磁束Φは一定とする)
さすがや!基本はバッチリやな。ほな、もうちょっと踏み込んだ問題いくで。
電圧制御で直流電動機の電源電圧を200Vから150Vに下げた。磁束および電機子電流が変化しないとき、電機子抵抗による電圧降下を無視すると、回転速度はおよそ何%低下するか。
ほな次は、界磁制御法について見ていくで。
界磁制御法は、界磁電流 \( I_f \) を変えて磁束 \( \Phi \) を調整することで速度を制御する方法や。
回転速度の式をもう一回見てみ。
ここで超大事なポイントがあるで。磁束 \( \Phi \) は分母にあるんや。せやから、磁束を弱めると速度が上がるんやな。逆に磁束を強くすると速度が下がる。
「え?磁束を弱くしたら力が弱くなって速度が下がるんちゃうの?」って思ったやろ。これ、めっちゃよくある誤解やねん。
確かに、磁束を弱めるとトルク \( T = k_T \Phi I_a \) は一瞬減る。でもな、トルクが減ると負荷に対してトルクが足りなくなるから、一瞬だけ速度が下がりかける。すると逆起電力 \( E = k \Phi n \) が減って、電機子電流 \( I_a = \frac{V - E}{R_a} \) が増えるんや。電流が増えることでトルクが回復して、結果的に新しい、より速い速度で安定するんやで。
この過渡的な動作を理解しとくと、「磁束を弱めると速度が上がる」っていう一見直感に反する現象もスッと納得できるやろ。
実際の回路では、分巻電動機の界磁回路に可変抵抗器(界磁調整器)を入れて、界磁電流を調整するのが一般的や。
界磁調整器 \( r \) の抵抗値を大きくすると、界磁電流 \( I_f = \frac{V}{R_f + r} \) が減少して磁束が弱まる。結果として速度が上がるんや。
この方法は「弱め界磁」とも呼ばれるで。次のステップでもう少し詳しく見ていこか。
界磁制御法の特徴をもう少し深掘りするで。
さっき「磁束を弱めると速度が上がる」って話をしたけど、ここで注意せなあかんことがあるんや。
まず、界磁制御は基底速度以上の速度領域で使うのが原則や。なんでかっていうと、磁束を強くして速度を下げようとしても、鉄心の磁気飽和があるから限界があるんやな。定格磁束よりも大幅に強くすることはでけへん。
一方、磁束を弱くする方向には比較的自由に調整できる。ただし、あまりにも磁束を弱くしすぎると問題が出てくるで。
📌 界磁を弱めすぎると起こる問題
⚡ 整流が悪化する(火花が発生しやすくなる)
⚡ 電機子反作用の影響が相対的に大きくなる
⚡ 機械的に危険な高速回転になるおそれがある
特に分巻電動機で界磁回路が断線すると、磁束がほぼゼロになって異常な高速回転(暴走)を起こす危険性があるんや。第20講で学んだ内容やな。せやから界磁回路の保護は非常に重要やで。
もうひとつ大事な特徴がある。界磁制御では、磁束を弱めると速度は上がるけど、出力は一定に保てるんや。
なんでかっていうと、出力 \( P = E I_a \) で、磁束を弱めて速度が上がっても \( E = k \Phi n \) はほぼ一定(Vに近い値)のままやからや。トルク \( T = k_T \Phi I_a \) は磁束に比例して減るけど、速度が上がる分だけ出力は維持される。これを「定出力特性」っていうんや。
一方、電圧制御では磁束が一定やから、トルクの上限が変わらず、速度に比例して出力が変わる。これを「定トルク特性」っていうんやで。
📌 界磁制御法の特徴まとめ
⚡ 適用範囲:基底速度以上の高速領域
⚡ 出力特性:定出力特性(速度↑でトルク↓)
⚡ 利点:界磁調整器だけで済むので設備が簡単・低コスト
⚡ 注意点:弱め界磁しすぎると整流悪化・暴走の危険
ほな、界磁制御の理解度を確認する問題にいくで!
ほな、第2問や!界磁制御の理解を確認するで。
分巻電動機において、界磁調整器の抵抗を大きくして磁束を弱めた。このとき、回転速度はどうなるか。ただし、負荷トルクは一定とする。
大丈夫や、ここは引っかかりやすいポイントやからな。
回転速度の式 \( n = \frac{V - I_a R_a}{k \Phi} \) を見てみ。磁束 \( \Phi \) は分母にあるやろ?
分母が小さくなったら、分数全体の値はどうなる?大きくなるよな。せやから、磁束を弱めると速度は上がるんや。直感に反するけど、式を見れば一目瞭然やで。
界磁制御で速度を基底速度以上に上げるとき、磁束Φをどうすればよいか。
さすがや!ほな計算問題にチャレンジやで。
分巻電動機が定格磁束で1500 min⁻¹で回転している。界磁電流を減らして磁束を定格の80%にしたとき、電機子電流と電機子抵抗による電圧降下を無視すると、回転速度は約何 min⁻¹になるか。
3つ目の速度制御法、抵抗制御法を見ていくで。
抵抗制御法は、電機子回路に外部抵抗 \( R_{ext} \) を直列に追加することで速度を制御する方法や。始動抵抗器と似てるけど、目的が違うんやで。始動抵抗器は始動時だけ使って段階的に短絡していくけど、抵抗制御では運転中もずっと外部抵抗を入れたままにするんや。
式を見れば分かるように、外部抵抗 \( R_{ext} \) を大きくすると、分子の \( V - I_a(R_a + R_{ext}) \) が小さくなって、結果として速度が下がるんや。
でもな、この方法には大きな欠点があるんや。外部抵抗に電流が流れるから、\( I_a^2 R_{ext} \) の電力が熱として失われてしまうんやな。これはエネルギーの無駄遣いや。
抵抗制御は、たとえるなら「ブレーキを引きずりながら走る」ようなもんや。確かにスピードは落ちるけど、ブレーキで熱が発生してエネルギーが無駄になる。電圧制御が「アクセルを調整する」方法やったのと比べると、明らかに効率が悪いんやな。
📌 抵抗制御法の特徴まとめ
⚡ 利点:構造が簡単で安価(抵抗器を追加するだけ)
⚡ 欠点:外部抵抗による電力損失が大きい(効率が悪い)
⚡ 欠点:負荷が変わると速度も変わる(速度変動率が大きい)
⚡ 適用:基底速度以下の減速に使用(簡易的な速度制御)
抵抗制御は効率こそ悪いけど、設備がシンプルで安いから、クレーンや巻上機など、低速運転の頻度が高くない用途では今でも使われることがあるで。ただし、連続的に低速運転する用途には向いてないんやな。
ほな、抵抗制御の問題にチャレンジや!
ほな、第3問や!抵抗制御を確認するで。
直流電動機の抵抗制御法の欠点として、最も適切なものはどれか。
各制御法の特徴を整理しよか。
①の「可変電圧電源が必要でコストが高い」は電圧制御法の欠点や。抵抗制御は抵抗器を追加するだけやから、むしろ設備は安いんやで。
③の「磁気飽和により速度調整範囲が狭い」は界磁制御法の制限に関係する話や。
抵抗制御の最大の欠点は、外部抵抗で \( I_a^2 R_{ext} \) の電力が熱として失われることやで。
抵抗制御法の利点は何か。
ええぞ!ほな、計算問題にいくで。
電源電圧200V、電機子抵抗 \( R_a = 0.5 \) Ω の直流電動機に電機子電流 \( I_a = 20 \) A が流れている。この電動機に外部抵抗 \( R_{ext} = 2 \) Ω を直列に追加したとき、逆起電力Eは何Vになるか。ただし、磁束は変化しないものとする。
ここで、3つの速度制御法をまとめて比較するで。電験三種では「どの制御法がどんな特徴を持っているか」を問う問題がよく出るから、しっかり整理しておこう。
| 項目 | 電圧制御 | 界磁制御 | 抵抗制御 |
|---|---|---|---|
| 操作対象 | 電源電圧 V | 磁束 Φ | 外部抵抗 Rext |
| 速度範囲 | 基底速度以下 | 基底速度以上 | 基底速度以下 |
| 出力特性 | 定トルク | 定出力 | ― |
| 効率 | 高い | 高い | 低い |
| 設備コスト | 高い | 低い | 低い |
| 速度安定性 | 良好 | 良好 | 不良 |
この表は電験三種の定番やで。特に以下の3点を確実に覚えておこう。
📌 最重要ポイント3つ
⚡ 電圧制御は基底速度以下で定トルク特性
⚡ 界磁制御は基底速度以上で定出力特性
⚡ 抵抗制御は効率が悪いが設備は簡単
実際の産業用直流電動機では、電圧制御と界磁制御を組み合わせることが多いんや。基底速度以下は電圧制御で定トルク運転、基底速度以上は界磁制御で定出力運転。これで広い速度範囲をカバーできるんやで。
この図が電験三種で問われるパターンの典型や。基底速度を境にトルクと出力の関係が変わることを理解しておいてな。
ここで、電圧制御の代表的な実現方法であるワードレオナード方式(Ward-Leonard方式)について詳しく見ていくで。
ワードレオナード方式は、名前は難しそうやけど、仕組みはシンプルや。「別の電動機で発電機を回して、その発電機の出力電圧で制御したい電動機を運転する」という方式やねん。
つまり、電動機(M₁)→ 発電機(G)→ 電動機(M₂)という3台の回転機を使うんや。M₂が制御したい電動機で、Gの出力電圧を調整することでM₂の速度を制御するんやな。
ワードレオナード方式の最大の特徴は、発電機Gの界磁電流を調整するだけで、制御対象の電動機M₂に供給する電圧を自在に変えられることや。
界磁電流は小さな電流やから、小さな電力で大きな電動機の速度を制御できるんやな。しかも、発電機の界磁電流の向きを変えれば出力電圧の極性が反転するから、正転・逆転の切り替えも簡単にできるんやで。
📌 ワードレオナード方式の特徴
⚡ 利点:広い速度範囲で滑らかな速度制御が可能
⚡ 利点:正転・逆転の切り替えが容易
⚡ 利点:回生制動が可能(ブレーキ時にエネルギーを回収)
⚡ 欠点:回転機が3台必要 → 設備が大型で高コスト
⚡ 用途:エレベーター、圧延機、大型クレーンなど
現代では、パワーエレクトロニクスの発展によりサイリスタレオナード方式(サイリスタ整流器を使って可変直流電圧を作る方式)に置き換えられつつあるけど、ワードレオナード方式の原理は電験三種で今でもよく出題されるから、しっかり理解しておいてな。
ほな、第4問や!ワードレオナード方式を確認するで。
ワードレオナード方式の説明として、正しいものはどれか。
もう一回整理しよか。
①は「抵抗制御」の説明、③は「界磁制御」の説明やな。ワードレオナード方式は電圧制御を実現するための仕組みで、M₁(駆動用電動機)→ G(発電機)→ M₂(制御対象)という3台構成が最大の特徴やで。
ワードレオナード方式で電動機M₂の速度を変えるには、何を調整するか。
さすがや!ほな、ワードレオナード方式の深い理解を確認するで。
ワードレオナード方式の特徴として、正しくないものはどれか。
続いて第5問や!制御法の使い分けを確認するで。
直流電動機の速度制御において、基底速度以上の速度領域で用いられる制御法はどれか。
基底速度の意味をもう一回確認しよか。
基底速度とは、定格電圧・定格磁束で運転したときの速度や。これより速くするには電圧を上げるか磁束を弱めるかやけど、電圧は定格が上限。せやから基底速度以上では磁束を弱める「界磁制御」を使うんやで。
「基底速度」とは何か。正しい説明を選べ。
ええぞ!ほな、応用問題や。
分巻電動機の速度制御で、基底速度以下は電圧制御、基底速度以上は界磁制御を組み合わせる理由として最も適切なものはどれか。
ここで、実際の現場でどう使い分けられているか見ていくで。
速度制御法は、用途によって求められる特性が違うんや。せやから、適材適所で使い分けることが大切なんやな。
📌 制御法と主な用途
⚡ 電圧制御(ワードレオナード方式):圧延機、大型エレベーター、抄紙機 → 広い速度範囲で精密な制御が必要な大型設備
⚡ 電圧制御(サイリスタ方式):電気鉄道、中型産業機械 → 現代の主流方式
⚡ 界磁制御:工作機械のスピンドル駆動 → 基底速度以上の高速運転が必要な用途
⚡ 抵抗制御:クレーン、巻上機 → 間欠的な低速運転が中心の用途
電車を例に考えてみよか。昔の電車は抵抗制御が主流で、加速時に「カクカク」と段階的にスピードが上がっていったんや。これは始動抵抗を段階的に短絡していく動作やな。でも抵抗で電力が熱になるから、省エネとは程遠い方式やった。
現代の電車はサイリスタやインバータを使った電圧制御で、滑らかに加速できて省エネにもなっとる。技術の進歩で、効率の悪い抵抗制御から効率の良い電圧制御へ移行していったんやな。
速度制御法の選び方は、車選びに似てるで。市街地をゆっくり走るならコンパクトカー(抵抗制御:簡単やけど効率悪い)、高速道路をビュンと飛ばすならスポーツカー(界磁制御:高速域で力を発揮)、どんな道でも快適に走りたいなら高級車(電圧制御:万能やけど高い)って感じやな。
もうひとつ大事な話があるで。最近は直流電動機自体が交流電動機+インバータの組み合わせに置き換えられつつあるんや。でも直流電動機の速度制御の原理は、交流電動機の制御理論の基礎にもなってるから、しっかり理解しておく価値は十分あるで。
ほな、電験三種で速度制御がどう出題されるか、よくあるパターンと注意点を整理するで。
パターン1:3つの制御法の特徴を問う問題
「次の記述のうち、正しい(または誤っている)ものはどれか」という形式で出題される。ここで引っかかりやすいのは以下のポイントや。
📌 よくある引っかけポイント
⚡ 「界磁を弱めると速度が下がる」→ × 上がる!(分母が小さくなるから)
⚡ 「抵抗制御は効率が良い」→ × 効率が悪い!(外部抵抗で電力損失)
⚡ 「電圧制御は基底速度以上で使用」→ × 以下!(以上は界磁制御)
パターン2:速度変化の計算問題
電圧や磁束を変化させたとき、速度がどう変わるかを計算する問題や。基本は速度の比を使う。
速度比の計算パターン
\( \frac{n_2}{n_1} = \frac{V_2 - I_{a2}(R_a + R_{ext2})}{V_1 - I_{a1}(R_a + R_{ext1})} \times \frac{\Phi_1}{\Phi_2} \)
※ 条件に応じて変化しないパラメータを消去して簡略化する
例えば、「電圧制御で \( \Phi \) 一定、\( I_a R_a \) 無視」の場合は:
「界磁制御で \( V \) 一定、\( I_a R_a \) 無視」の場合は:
パターン3:ワードレオナード方式の構成を問う問題
「M-G-M の3台構成」「発電機の界磁で速度制御」「正逆転切替が容易」「回生制動が可能」がキーワードや。
この3パターンを押さえておけば、速度制御の問題はかなりカバーできるで。ほな、実際に計算問題を解いてみよか!
ほな、第6問や!電圧制御の計算問題いくで。
電源電圧200V、電機子抵抗 \( R_a = 1 \) Ω、電機子電流 \( I_a = 10 \) A の分巻電動機が1000 min⁻¹で回転している。電圧制御により電源電圧を160Vに下げたとき、磁束と電機子電流が変化しないとすると、回転速度は約何 min⁻¹になるか。
計算問題は手順を踏んでいけば大丈夫やで。
まず、逆起電力 \( E = V - I_a R_a \) を求めるのが基本や。
ステップ1:元の逆起電力を求める
\( E_1 = V_1 - I_a R_a = 200 - 10 \times 1 = 190 \) V
磁束と電機子電流が変わらないなら、速度は逆起電力に比例するんや( \( E = k \Phi n \) より)。
\( V = 200 \) V、\( I_a = 10 \) A、\( R_a = 1 \) Ωのとき、逆起電力Eは何Vか。
さすがや!ほな、界磁制御の計算問題にチャレンジやで。
電源電圧200V、電機子抵抗を無視できる直流電動機が1800 min⁻¹で回転している。電圧を変えずに界磁制御で速度を2400 min⁻¹にしたい。磁束を定格の何%にすればよいか。ただし、電機子抵抗による電圧降下は無視する。
ほな、第7問や!抵抗制御の計算問題にチャレンジしよう。
電源電圧200V、電機子抵抗 \( R_a = 0.4 \) Ω、電機子電流 \( I_a = 25 \) A の分巻電動機が1200 min⁻¹で回転している。抵抗制御により速度を900 min⁻¹に下げたい。磁束と電機子電流が変化しないとき、必要な外部抵抗 \( R_{ext} \) は何Ωか。
抵抗制御の計算も、逆起電力の比から攻めるのが基本やで。
まず、Φ一定のとき \( E \propto n \) やから、速度が \( \frac{900}{1200} = \frac{3}{4} \) になると逆起電力も \( \frac{3}{4} \) になるんや。
\( E = k \Phi n \) で、磁束Φが一定のとき、速度が3/4になると逆起電力Eはどうなるか。
さすがや!ほな、ワードレオナード方式の計算問題や。
ワードレオナード方式において、発電機の出力電圧が250V、制御対象の電動機の電機子抵抗 \( R_a = 0.5 \) Ω、電機子電流 \( I_a = 30 \) A のとき、電動機の逆起電力Eは何Vか。
最後の問題や!速度制御法の総合問題にチャレンジしよう。
直流電動機の速度制御法に関する記述として、正しいものはどれか。
各選択肢を丁寧に検討してみよか。
①「界磁制御は基底速度以下」→ ×。界磁制御は基底速度以上の領域や。磁束を弱めて速度を上げるんやったな。
②「電圧制御は効率が低い」→ ×。電圧制御は効率が高い方法や。効率が低いのは抵抗制御やで。
③「抵抗制御は構造が簡単だが電力損失がある」→ ○。これが正解やな。
電圧制御法の利点として最も適切なものはどれか。
さすがや!最後の発展問題、いくで!
電源電圧200V、電機子抵抗を無視できる直流分巻電動機が定格磁束で1500 min⁻¹で回転している。界磁制御により磁束を定格の60%にしたとき、電機子抵抗による電圧降下を無視すると、回転速度は約何 min⁻¹になるか。
お疲れさん!第24講「速度制御法」の学習が完了や!
今回は、直流電動機の回転速度を制御する3つの方法を学んだな。最後にポイントを整理しておくで。
📚 第24講のまとめ
⚡ 速度制御の基本式:\( n = \frac{V - I_a R_a}{k \Phi} \) → ここから3つの方法が導かれる
⚡ 電圧制御:Vを変える → 基底速度以下 → 定トルク特性 → 効率◎
⚡ 界磁制御:Φを弱める → 基底速度以上 → 定出力特性 → 設備が簡単
⚡ 抵抗制御:Rextを追加 → 基底速度以下 → 効率× → 設備は安価
⚡ ワードレオナード方式:M-G-M構成 → 発電機の界磁で電圧を可変
速度制御法は、電験三種の機械科目で非常に出題頻度が高い分野や。特に「基底速度を境にした電圧制御と界磁制御の使い分け」「定トルク特性と定出力特性の違い」は確実に押さえておいてな。
📚 次回予告:第25講「直流機総まとめ」
いよいよ直流機の最終講や!第1講から第24講まで学んできた内容を総整理して、電験三種対策の仕上げをするで。公式の確認、各特性の比較、そして総合問題で実力を試そう!
📚 次回予告:第25講「直流機総まとめ」
直流機の全範囲を総整理!発電機・電動機の公式、特性、制御法を完全マスターして電験三種対策の仕上げをしよう!