ベクトルは大きさ(magnitude)と方向(direction)の両方を持つ量です。
項目 | スカラー | ベクトル |
---|---|---|
特徴 | 大きさのみ | 大きさ + 方向 |
例 | 温度、質量、時間 | 力、速度、電流 |
表示 | 数値のみ | 矢印で表現 |
計算 | 普通の足し算 | ベクトル加算 |
時速60km(大きさ)+ 北向き(方向)
風速5m/s(大きさ)+ 東向き(方向)
3A(大きさ)+ 位相30°(方向)
100N(大きさ)+ 右上45°(方向)
💡 やってみよう!
ツールで X=3, Y=4 のベクトルを作成してみましょう
ベクトルの大きさは、原点から終点までの直線距離です。
🔺 三平方の定理を使用
これは直角三角形の斜辺の長さと同じです!
答え:|V⃗| = 5
ベクトルの方向は、X軸の正の方向から反時計回りに測った角度で表します。
※注意: x, yの符号によって象限を判定する必要があります
座標 | 角度 | 特徴 | 試してみる |
---|---|---|---|
(10, 0) | 0° | 右向き | |
(0, 10) | 90° | 上向き | |
(-10, 0) | 180° | 左向き | |
(0, -10) | 270° | 下向き | |
(1, 1) | 45° | 右上向き |
2つのベクトルが等しいとは:
📍 重要:ベクトルは位置に依存しません
同じ大きさ・方向なら、どこに描いても同じベクトルです!
💡 以下はすべて同じベクトル:
大きさが1のベクトルを単位ベクトルといいます。
任意のベクトル V⃗ の単位ベクトル û は:
💡 やってみよう!
(3, 4) の単位ベクトルを作ってみましょう
任意のベクトル (x, y) は:x·î + y·ĵ と書けます
🚀 次のステップ:「表記方法」タブでベクトルの様々な表し方を学びましょう!
同じベクトルでも、使う場面や計算の種類によって便利な表し方が違います!
表記方法 | 得意な場面 | よく使われる分野 |
---|---|---|
直交座標 (x, y) | 加算・減算 | 物理・工学 |
極座標 |r|∠θ | 回転・角度計算 | 電気・制御 |
複素数 a+jb | 乗算・除算 | 電気・信号処理 |
💡 まずは基本の例で体験してみましょう!
X成分とY成分で表現する最も基本的な方法です。
座標平面上で「右にx、上にy」進んだ位置を示します。
💡 直交座標モードで様々な例を試してみよう!
大きさ(距離)と角度で表現する方法です。
反時計回りが正の角度です!
極座標 | 意味 | 直交座標 | 試してみる |
---|---|---|---|
3∠0° | 大きさ3、右向き | (3, 0) | |
4∠90° | 大きさ4、上向き | (0, 4) | |
5∠45° | 大きさ5、右上45° | (3.54, 3.54) | |
2∠135° | 大きさ2、左上135° | (-1.41, 1.41) | |
6∠270° | 大きさ6、下向き | (0, -6) |
例:(3, 4) を極座標に変換
💡 極座標モードで回転を体験してみよう!
実部と虚部で表現する、電気工学で最重要の方法です!
数学では虚数単位にiを使いますが、電気では電流を表すIと区別するためjを使います。
jをかけるたびに90°ずつ回転します!
Z = R + jX(抵抗R + リアクタンスjX)
S = P + jQ(有効電力P + 無効電力jQ)
V = V₀cos(ωt) + jV₀sin(ωt)
💡 複素数モードで電気の例を試してみよう!
3つの表記方法を自由自在に変換できるようになりましょう!
直交座標 | 極座標 | 複素数 | 意味 | 試す |
---|---|---|---|---|
(1, 0) | 1∠0° | 1 + j0 | 右向き単位ベクトル | |
(0, 1) | 1∠90° | 0 + j1 | 上向き単位ベクトル | |
(3, 4) | 5∠53.1° | 3 + j4 | 右上方向 | |
(-3, 4) | 5∠126.9° | -3 + j4 | 左上方向 | |
(-3, -4) | 5∠233.1° | -3 - j4 | 左下方向 | |
(3, -4) | 5∠306.9° | 3 - j4 | 右下方向 |
ツールの表記切替ボタンを使って、同じベクトルが異なる表記でどう見えるか確認してみましょう!
ベクトルがどの象限にあるかで、角度の計算方法が変わります。
以下のベクトルをツールで試し、3つの表記すべてで確認してみましょう:
問題1:大きさ10、角度30°のベクトル
問題2:インピーダンス 60 + j80 Ω
問題3:座標(-5, 12)のベクトル
🚀 次のステップ:「ベクトル演算」タブで、これらの表記を使った計算を学びましょう!
各成分を足し算します:
💡 やってみよう!
1. 2つのベクトルを保存
2. 両方を選択して「加算」ボタン
各成分を引き算します:
各成分に定数を掛けます:
k > 1:拡大、0 < k < 1:縮小、k < 0:反転
2つのベクトルの内積:
内積からなす角θが求められます
交流では電圧・電流をフェーザ(ベクトル)で表現します
交流回路の抵抗をベクトルで表現:
R=30Ω、X=40Ωの回路例:
交流電力は3つの成分があります:
💡 選択されたベクトルは青緑色でハイライト表示されます