【電気数学】指数を学ぼう

目次

重要ポイント

指数 累乗 指数法則 電験数学

ようこそ!このページでは、電気系資格試験に出てくる数学の基礎をわかりやすく解説していきます!特に指数の計算は試験でよく出るので、しっかり押さえておきましょう!

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このページのポイント

指数の基本から応用まで、電気系資格試験でよく出る計算方法を詳しく解説します。

1.指数とは

指数(しすう)とは、ある数を何回掛け算するかを表す数です。例えば、\(2^3\)は2を3回掛けることを意味し、\(2 \times 2 \times 2 = 8\)となります。この場合、2が「底(てい)」で、3が「指数」です。

指数には主に以下のような特徴があります:

  • 底と指数:\(a^n\)という形で表され、\(a\)が底、\(n\)が指数です
  • 繰り返しの掛け算:\(a^n = a \times a \times \cdots \times a\) (\(a\)を\(n\)回掛ける)
  • 効率的な表記:非常に大きな数や小さな数を簡潔に表現できます
  • 電気工学での利用:電力計算や回路解析でよく使われます

2.詳細な計算方法

基本的な性質

指数の基本的な性質を理解しましょう。

まず、いくつかの基本的な定義:

\(a^0 = 1\) (任意の数の0乗は1)
\(a^1 = a\) (任意の数の1乗はその数自身)
例を見てみましょう:
  • \(5^0 = 1\)
  • \(3^1 = 3\)
  • \(2^3 = 2 \times 2 \times 2 = 8\)
  • \(10^2 = 10 \times 10 = 100\)

これらの基本的な定義を覚えておくと、様々な計算がスムーズになります。

同じ底の指数の乗法・除法

同じ底を持つ指数の乗法と除法には、次のような法則があります。

乗法の法則:

\(a^m \times a^n = a^{m+n}\)
乗法の例:
  • \(2^3 \times 2^4 = 2^{3+4} = 2^7 = 128\)
  • \(5^2 \times 5^3 = 5^{2+3} = 5^5 = 3125\)

除法の法則:

\(\frac{a^m}{a^n} = a^{m-n}\)
除法の例:
  • \(\frac{2^7}{2^3} = 2^{7-3} = 2^4 = 16\)
  • \(\frac{10^5}{10^2} = 10^{5-2} = 10^3 = 1000\)

指数の指数乗

指数の指数乗(べき乗のべき乗)には次の法則があります。

べき乗のべき乗の法則:

\((a^m)^n = a^{m \times n}\)
例を見てみましょう:
  • \((2^3)^2 = 2^{3 \times 2} = 2^6 = 64\)
  • \((3^2)^4 = 3^{2 \times 4} = 3^8 = 6561\)

異なる底の積のべき乗:

\((a \times b)^n = a^n \times b^n\)
例:
  • \((2 \times 3)^2 = 2^2 \times 3^2 = 4 \times 9 = 36\)
  • \((5 \times 2)^3 = 5^3 \times 2^3 = 125 \times 8 = 1000\)

異なる底の商のべき乗:

\(\left(\frac{a}{b}\right)^n = \frac{a^n}{b^n}\)
例:
  • \(\left(\frac{4}{2}\right)^3 = \frac{4^3}{2^3} = \frac{64}{8} = 8\)

負の指数と分数の指数

負の指数

\(a^{-n} = \frac{1}{a^n}\)

負の指数は、その数の正の指数の逆数を表します:

  • \(2^{-3} = \frac{1}{2^3} = \frac{1}{8} = 0.125\)
  • \(10^{-2} = \frac{1}{10^2} = \frac{1}{100} = 0.01\)

電気工学では、小さな値を表すのによく使われます。

分数の指数

\(a^{\frac{1}{n}} = \sqrt[n]{a}\)

分数の指数は根(ルート)を表します:

  • \(4^{\frac{1}{2}} = \sqrt{4} = 2\)
  • \(8^{\frac{1}{3}} = \sqrt[3]{8} = 2\)
  • \(16^{\frac{1}{4}} = \sqrt[4]{16} = 2\)

また、分数の指数の一般形は次のようになります:

  • \(a^{\frac{m}{n}} = \sqrt[n]{a^m} = (\sqrt[n]{a})^m\)
  • 例:\(8^{\frac{2}{3}} = \sqrt[3]{8^2} = \sqrt[3]{64} = 4\)

10の指数表記

\(10^n\) は1の後にゼロが\(n\)個続く数

科学的記数法では10の指数を使います:

  • \(10^3 = 1000\)(千)
  • \(10^6 = 1,000,000\)(百万)
  • \(10^9 = 1,000,000,000\)(10億)
  • \(10^{-3} = 0.001\)(千分の1)

電気工学では、電圧や電流の単位にkilo(k)、mega(M)、milli(m)などの接頭辞がつきますが、これらは10の指数を表しています:

  • 1 kV (キロボルト) = \(10^3\) V = 1000 V
  • 1 mA (ミリアンペア) = \(10^{-3}\) A = 0.001 A

3.例題で練習

例題1:基本的な指数計算

難易度:★☆☆
\(3^4\) を計算せよ

3を4回掛けます:

  • \(3^4 = 3 \times 3 \times 3 \times 3 = 9 \times 9 = 81\)
よって結果は:\(81\)

例題2:指数の乗法

難易度:★☆☆
\(2^3 \times 2^4\) を計算せよ

同じ底の指数の乗法の法則を使います:

  • \(2^3 \times 2^4 = 2^{3+4} = 2^7\)
  • \(2^7 = 2 \times 2 \times 2 \times 2 \times 2 \times 2 \times 2 = 128\)
よって結果は:\(128\)

例題3:指数の除法

難易度:★★☆
\(\frac{5^6}{5^2}\) を計算せよ

同じ底の指数の除法の法則を使います:

  • \(\frac{5^6}{5^2} = 5^{6-2} = 5^4\)
  • \(5^4 = 5 \times 5 \times 5 \times 5 = 25 \times 25 = 625\)
よって結果は:\(625\)

例題4:指数の指数乗

難易度:★★☆
\((2^2)^3\) を計算せよ

指数の指数乗の法則を使います:

  • \((2^2)^3 = 2^{2 \times 3} = 2^6\)
  • \(2^6 = 2 \times 2 \times 2 \times 2 \times 2 \times 2 = 64\)
よって結果は:\(64\)

例題5:負の指数

難易度:★★★
\(3^{-2}\) を計算せよ

負の指数の法則を使います:

  • \(3^{-2} = \frac{1}{3^2} = \frac{1}{9} = 0.111...\)
よって結果は:\(\frac{1}{9} \approx 0.111...\)

例題6:分数の指数

難易度:★★★
\(27^{\frac{2}{3}}\) を計算せよ

分数の指数の法則を使います:

  • \(27^{\frac{2}{3}} = (27^{\frac{1}{3}})^2 = (\sqrt[3]{27})^2\)
  • \(\sqrt[3]{27} = 3\) なので、\(3^2 = 9\)
よって結果は:\(9\)
💪

これらの例題を通じて、指数の計算方法が身につくと思います。さらに練習を重ねることで、もっと複雑な問題も解けるようになります!電気系の試験でこの辺りの問題がバッチリ解けるようになったら、合格に一歩近づきます!頑張りましょう!

4.自分で解いてみよう!練習問題

ほな、学んだことを使って実際に解いてみよか!答えは隠してあるから、自分で計算してから確認してな。答えを見るには「答えを表示」ボタンをクリックするか、答えの部分をタッチしてみてな!

練習問題1:基本的な指数計算

基礎

次の式を計算せよ:

\(4^3\)

練習問題2:指数の乗法

基礎

次の式を計算せよ:

\(3^2 \times 3^4\)

練習問題3:指数の除法

標準

次の式を計算せよ:

\(\frac{2^8}{2^3}\)

練習問題4:複合的な指数計算

応用

次の式を計算せよ:

\(\frac{5^4 \times 5^2}{5^3}\)

練習問題5:負の指数と分数の指数

応用

次の式を計算せよ:

\(4^{-\frac{1}{2}}\)

練習問題はどうやった?正解できたかな?