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ページ上部のインタラクティブグラフツールを使いながら、二次関数の基本と応用を学べます。係数を変えると放物線がどう変化するか、実際に確かめながら理解を深めましょう。
ようこそ!このページでは、電気系資格試験に出てくる二次関数をわかりやすく解説していきます!関数の基本から応用まで、試験でよく出るポイントをしっかり押さえていきましょう!
二次方程式は 2つの実数解 を持ちます。
グラフはx軸と2点で交わります。
二次方程式は 重解(1つの実数解) を持ちます。
グラフはx軸と1点で接します。
二次方程式は 実数解を持ちません。
グラフはx軸と交わりません。
使い方:
ページ上部のインタラクティブグラフツールを使いながら、二次関数の基本と応用を学べます。係数を変えると放物線がどう変化するか、実際に確かめながら理解を深めましょう。
二次関数(にじかんすう)とは、変数 \(x\) の二乗を含む関数で、一般的に \(f(x) = ax^2 + bx + c\) の形で表されます。ここで、\(a\)、\(b\)、\(c\) は定数で、特に \(a \neq 0\) です(\(a = 0\) の場合は一次関数になります)。
二次関数の主な特徴:
二次関数は主に2つの形式で表されます:
一般形は最も基本的な表現方法です。係数 \(a\)、\(b\)、\(c\) によって放物線の形状が決まります:
標準形は頂点の座標がすぐにわかる形式です:
一般形から標準形への変換(平方完成):
\[ \begin{aligned} f(x) &= ax^2 + bx + c \\[10pt] &= a\left(x^2 + \frac{b}{a}x\right) + c \\[10pt] &= a\left(x^2 + \frac{b}{a}x + \frac{b^2}{4a^2}\right) + c - a\frac{b^2}{4a^2} \\[10pt] &= a\left(x + \frac{b}{2a}\right)^2 + c - \frac{b^2}{4a} \\[10pt] &= a\left(x - \left(-\frac{b}{2a}\right)\right)^2 + \left(c - \frac{b^2}{4a}\right) \end{aligned} \]
つまり、頂点の座標は \(\left(-\frac{b}{2a}, c-\frac{b^2}{4a}\right)\) となります。
二次関数のグラフである放物線には、次のような特徴があります:
二次関数のグラフにおいて、頂点と軸は重要な要素です:
頂点は、\(a > 0\) のとき最小値を取る点、\(a < 0\) のとき最大値を取る点です。
軸は放物線を左右対称に分ける垂直な直線で、頂点を通ります。
\(f(x) = 2x^2 - 4x + 5\) の頂点と軸を求めます。
この関数では、\(a = 2\)、\(b = -4\)、\(c = 5\) です。
頂点のx座標:
\[ \begin{aligned} x &= -\frac{b}{2a} \\[10pt] &= -\frac{-4}{2 \times 2} \\[10pt] &= \frac{4}{4} \\[10pt] &= 1 \end{aligned} \]
頂点のy座標:
\[ \begin{aligned} y &= c - \frac{b^2}{4a} \\[10pt] &= 5 - \frac{(-4)^2}{4 \times 2} \\[10pt] &= 5 - \frac{16}{8} \\[10pt] &= 5 - 2 \\[10pt] &= 3 \end{aligned} \]
よって頂点の座標は \((1, 3)\) です。
軸の方程式は \(x = 1\) となります。
二次関数 \(f(x) = ax^2 + bx + c\) のグラフがx軸と交わる点、つまり \(f(x) = 0\) となる点を求めるには、二次方程式 \(ax^2 + bx + c = 0\) を解く必要があります。
判別式 \(D\) によって、x軸との交点の数が決まります:
この公式を使って、二次方程式の解、つまりx軸との交点のx座標を求めることができます。
\(f(x) = 2x^2 - 4x - 6\) のx軸との交点を求めます。
この関数では、\(a = 2\)、\(b = -4\)、\(c = -6\) です。
まず判別式を計算します:
\[ \begin{aligned} D &= b^2 - 4ac \\[10pt] &= (-4)^2 - 4 \times 2 \times (-6) \\[10pt] &= 16 + 48 \\[10pt] &= 64 \end{aligned} \]
\(D > 0\) なので、2つの交点があります。
解の公式を使ってx座標を求めます:
\[ \begin{aligned} x &= \frac{-b \pm \sqrt{D}}{2a} \\[10pt] &= \frac{-(-4) \pm \sqrt{64}}{2 \times 2} \\[10pt] &= \frac{4 \pm 8}{4} \\[10pt] x_1 &= \frac{4 + 8}{4} = 3 \\[10pt] x_2 &= \frac{4 - 8}{4} = -1 \end{aligned} \]
よってx軸との交点は \((3, 0)\) と \((-1, 0)\) です。
二次関数のグラフは、式の形を変えることで平行移動させることができます:
基本の放物線 \(y = ax^2\) を右に \(h\) だけ平行移動します(\(h\) が負の場合は左に移動)。
基本の放物線 \(y = ax^2\) を上に \(k\) だけ平行移動します(\(k\) が負の場合は下に移動)。
これは標準形そのもので、基本の放物線 \(y = ax^2\) を右に \(h\)、上に \(k\) だけ平行移動したものになります。頂点の座標は \((h, k)\) です。
係数 \(a\) の絶対値を変えることで、放物線の開き具合(拡大・縮小)を調整できます:
係数 \(a\) の符号を変えることで、放物線を上下反転させることができます:
元の関数 \(y = ax^2\) のグラフをx軸に関して反射(上下反転)します。
二次関数は、頂点で最大値または最小値を取るという性質があるため、最適化問題によく応用されます:
周囲の長さが24mの長方形があります。この長方形の面積が最大になるのは、縦と横がどのような長さのときでしょうか?
解法:
長方形の縦の長さを \(x\) m、横の長さを \(y\) m とします。
周囲の長さが24mなので:\(2x + 2y = 24\)
これを変形して \(y\) について解くと:\(y = 12 - x\)
面積 \(A\) は \(A = xy\) なので:\(A = x(12 - x) = 12x - x^2\)
これは \(f(x) = -x^2 + 12x\) という二次関数になります(\(a = -1\)、\(b = 12\)、\(c = 0\))。
\(a < 0\) なので、この関数は下に凸で、頂点で最大値を取ります。
頂点のx座標は:
\[ \begin{aligned} x &= -\frac{b}{2a} \\[10pt] &= -\frac{12}{2 \times (-1)} \\[10pt] &= \frac{12}{2} \\[10pt] &= 6 \end{aligned} \]
よって \(x = 6\) のとき、\(y = 12 - 6 = 6\) となります。
面積の最大値は:\(A = 6 \times 6 = 36\) m²
周囲の長さが一定の長方形の場合、正方形のときに面積が最大になることが分かりました。
二次関数は電気工学の様々な場面で応用されます:
電流 \(I\) が流れる抵抗 \(R\) での電力損失 \(P\) は、\(P = I^2R\) という二次関数で表されます。
例えば、送電線での損失を最小化するための最適な電流値を求める問題などに応用できます。
LC共振回路の共振周波数付近でのインピーダンス特性は、しばしば二次関数で近似できます。
共振点での最大/最小値を求める問題に二次関数の知識が役立ちます。
出力電力と入力電力の関係が二次関数で表される場合、最大効率点を求める問題に応用できます。
内部抵抗 \(r\) を持つ電源から、負荷抵抗 \(R\) に供給される電力 \(P\) は次の式で与えられます:
\[ P = \frac{E^2R}{(R+r)^2} \]
ここで \(E\) は電源の電圧です。最大電力が供給される負荷抵抗 \(R\) の値を求めましょう。
この関数の最大値を求めるために、\(R\) について微分して0とおきます(微分は高校数学ですが、考え方を示します):
\[ \begin{aligned} \frac{dP}{dR} &= 0 \\[10pt] \end{aligned} \]
計算すると、\(R = r\) のとき最大電力となることがわかります。
つまり、負荷抵抗が電源の内部抵抗と等しいとき、最大電力が供給されます(最大電力移送定理)。
\(f(x) = 2x^2 - 8x + 7\) の(1)頂点の座標、(2)軸の方程式、(3)グラフの開く向き、(4)x軸との交点を求めよ。
(1)頂点の座標を求めます。ここで、\(a = 2\)、\(b = -8\)、\(c = 7\) です。
頂点のx座標:
\[ \begin{aligned} x &= -\frac{b}{2a} \\[10pt] &= -\frac{-8}{2 \times 2} \\[10pt] &= \frac{8}{4} \\[10pt] &= 2 \end{aligned} \]
頂点のy座標:
\[ \begin{aligned} y &= f(2) \\ &= 2(2)^2 - 8(2) + 7 \\[10pt] &= 2 \times 4 - 16 + 7 \\[10pt] &= 8 - 16 + 7 \\[10pt] &= -1 \end{aligned} \]
または、公式を使って:
\[ \begin{aligned} y &= c - \frac{b^2}{4a} \\[10pt] &= 7 - \frac{(-8)^2}{4 \times 2} \\[10pt] &= 7 - \frac{64}{8} \\[10pt] &= 7 - 8 \\[10pt] &= -1 \end{aligned} \]
よって頂点の座標は \((2, -1)\) です。
(2)軸の方程式は \(x = 2\) です。
(3)係数 \(a = 2 > 0\) なので、グラフは上に凸(∪の形)です。
(4)x軸との交点を求めるには、\(f(x) = 0\) を解きます:
\[ \begin{aligned} 2x^2 - 8x + 7 &= 0 \end{aligned} \]
判別式を計算します:
\[ \begin{aligned} D &= b^2 - 4ac \\[10pt] &= (-8)^2 - 4 \times 2 \times 7 \\[10pt] &= 64 - 56 \\[10pt] &= 8 \end{aligned} \]
\(D > 0\) なので、2つの交点があります。解の公式を使って:
\[ \begin{aligned} x &= \frac{-b \pm \sqrt{D}}{2a} \\[10pt] &= \frac{-(-8) \pm \sqrt{8}}{2 \times 2} \\[10pt] &= \frac{8 \pm 2\sqrt{2}}{4} \\[10pt] &= 2 \pm \frac{\sqrt{2}}{2} \end{aligned} \]
よってx軸との交点は \(x = 2 + \frac{\sqrt{2}}{2} \approx 2.71
よってx軸との交点は \(x = 2 + \frac{\sqrt{2}}{2} \approx 2.71\) と \(x = 2 - \frac{\sqrt{2}}{2} \approx 1.29\) です。
\(f(x) = 3x^2 + 12x + 8\) を標準形に変形せよ。
一般形 \(f(x) = ax^2 + bx + c\) から標準形 \(f(x) = a(x - p)^2 + q\) に変形するには、平方完成を行います。
ここで、\(a = 3\)、\(b = 12\)、\(c = 8\) です。
\[ \begin{aligned} f(x) &= 3x^2 + 12x + 8 \\[10pt] &= 3(x^2 + 4x) + 8 \\[10pt] &= 3(x^2 + 4x + 4 - 4) + 8 \\[10pt] &= 3((x + 2)^2 - 4) + 8 \\[10pt] &= 3(x + 2)^2 - 12 + 8 \\[10pt] &= 3(x + 2)^2 - 4 \\[10pt] &= 3(x - (-2))^2 - 4 \end{aligned} \]
よって標準形は \(f(x) = 3(x+2)^2 - 4\) です。
この形から頂点の座標が \((-2, -4)\) であることがわかります。
\(f(x) = -2x^2 + 8x - 3\) の最大値と、それを与えるxの値を求めよ。
ここで、\(a = -2\)、\(b = 8\)、\(c = -3\) です。
\(a < 0\) なので、この関数は下に凸(∩の形)で、頂点で最大値を取ります。
最大値を与えるxの値(頂点のx座標):
\[ \begin{aligned} x &= -\frac{b}{2a} \\[10pt] &= -\frac{8}{2 \times (-2)} \\[10pt] &= \frac{8}{-4} \\[10pt] &= -2 \times \frac{-8}{4} \\[10pt] &= 2 \end{aligned} \]
最大値(頂点のy座標):
\[ \begin{aligned} f(2) &= -2(2)^2 + 8(2) - 3 \\[10pt] &= -2 \times 4 + 16 - 3 \\[10pt] &= -8 + 16 - 3 \\[10pt] &= 5 \end{aligned} \]
または、公式を使って:
\[ \begin{aligned} \text{最大値} &= c - \frac{b^2}{4a} \\[10pt] &= -3 - \frac{8^2}{4 \times (-2)} \\[10pt] &= -3 - \frac{64}{-8} \\[10pt] &= -3 + 8 \\[10pt] &= 5 \end{aligned} \]
内部抵抗 \(r = 4\) Ωの電源があり、電圧は \(E = 12\) Vです。この電源に負荷抵抗 \(R\) を接続したとき、負荷に供給される電力 \(P\) は \(P = \frac{E^2R}{(R+r)^2}\) で表されます。最大電力とそのときの負荷抵抗 \(R\) の値を求めよ。
与えられた式に値を代入します:
\[ \begin{aligned} P &= \frac{E^2R}{(R+r)^2} \\[10pt] &= \frac{12^2 \times R}{(R+4)^2} \\[10pt] &= \frac{144R}{(R+4)^2} \end{aligned} \]
電力 \(P\) が最大になる \(R\) の値を求めるために、微分して0とおきます(計算過程は省略します)。
最大電力定理により、負荷抵抗が内部抵抗と等しいとき、最大電力が供給されることがわかっています。
よって \(R = r = 4\) Ωのとき、電力が最大になります。
最大電力の値を計算します:
\[ \begin{aligned} P_{max} &= \frac{144 \times 4}{(4+4)^2} \\[10pt] &= \frac{576}{64} \\[10pt] &= 9 \text{ W} \end{aligned} \]
これらの例題を通じて、二次関数の扱い方が身につくと思います。特に放物線の特徴を把握して、頂点や交点などを素早く求められるようになることが大切です。電気系の試験では、二次関数を使った最適化問題もよく出題されるので、しっかり練習しておきましょう!
ほな、学んだことを使って実際に解いてみよか!答えは隠してあるから、自分で計算してから確認してな。答えを見るには「答えを表示」ボタンをクリックするか、答えの部分をタッチしてみてな!
次の二次関数の頂点の座標と軸の方程式を求めよ。
\(f(x) = 3x^2 - 6x + 5\)
次の二次関数を標準形に変形せよ。
\(f(x) = 2x^2 - 8x + 11\)
次の二次関数のグラフがx軸と交わる点の座標を求めよ。
\(f(x) = x^2 - 6x + 8\)
次の二次関数の最小値とそれを与えるxの値を求めよ。
\(f(x) = 2x^2 - 12x + 23\)
次の問題を解け:
ある導線の抵抗値は長さに比例し、長さ1mあたり2Ωです。全長12mの導線を2本の導線に切り分け、これらを並列接続します。この並列回路の合成抵抗が最小になるのは、どのように切り分けたときですか?また、そのときの合成抵抗の値を求めよ。
練習問題はどうやった?正解できたかな?頂点の座標を求めたり、標準形に変形したりする問題は、電気系の試験でもよく出題されるから、しっかり覚えておこう!