電験三種 数学基礎 | 二次関数解説

目次

重要ポイント

二次関数 放物線 頂点 解の公式 最大・最小 電験数学

ようこそ!このページでは、電気系資格試験に出てくる二次関数をわかりやすく解説していきます!関数の基本から応用まで、試験でよく出るポイントをしっかり押さえていきましょう!

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二次関数インタラクティブグラフツールの使い方

基本操作

  • タブの切り替え: 「一般形 (ax² + bx + c)」と「標準形 (a(x - p)² + q)」のタブを切り替えて、二次関数の異なる表現方法を使用できます。
  • 係数の調整: スライダーを動かして係数(a, b, c または a, p, q)を変更すると、リアルタイムでグラフが更新されます。
  • 対応する形式の表示: 一般形または標準形を操作すると、もう一方の形式も自動的に計算・表示されます。

グラフの操作

  • 拡大・縮小:
    • 「+」「-」ボタンをクリックしてズームイン/アウト
    • マウスホイールを回転させてズームイン/アウト
    • タッチデバイスでは、2本指のピンチイン/アウトでズーム
  • グラフの移動:
    • マウスでクリック&ドラッグしてグラフを移動
    • タッチデバイスでは、1本指のスワイプでグラフを移動
  • 表示のリセット: 「リセット」ボタンをクリックすると、初期の表示状態に戻ります。

複数グラフの比較

  • グラフの追加: 「グラフを追加」ボタンをクリックすると、現在表示中の二次関数のグラフが保存されます。
  • 比較の活用法:
    • a値を変更して放物線の開き方の違いを比較
    • b値を変更して対称軸の位置の変化を比較
    • c値を変更してy切片の位置の変化を比較
    • 標準形では、p値とq値を変更して平行移動の効果を比較
  • グラフの管理: 保存されたグラフは上部の一覧に表示され、個別に削除したり「グラフをクリア」ボタンですべて削除できます。

主要な点の解析

  • 重要な特徴点: グラフの頂点、対称軸、y切片、x切片が自動的に計算され表示されます。
  • 判別式: 判別式 D = b² - 4ac の値が計算され、x切片の数との関係が説明されます。
  • 二次方程式の解: 判別式の値に応じた解の状況(2つの解、重解、解なし)が視覚的に説明されます。

点のプロットと計算

  • 点のプロット: グラフ上をクリック/タップすると、その位置に点がプロットされます。
  • 点の分析: プロットされた点がグラフ上にあるか、グラフより上にあるか、下にあるかが判定されます。
  • 座標計算:
    • 「x値を入力」して対応するy値を計算
    • 「y値を入力」して対応するx値を計算(解が存在する場合)
  • 点の管理: プロットされた点はリストで表示され、個別に削除できます。

学習活用例

  • パラメータの影響: 各係数を変化させて、グラフの形状や位置がどのように変わるかを観察します。
  • 一般形と標準形の関係: 両方の表現形式の関係と変換方法を視覚的に理解します。
  • 判別式と解の関係: 判別式の値に応じて、グラフがx軸と交わる点の数がどう変化するかを観察します。
  • 頂点と対称性: 頂点の位置と対称軸の関係を理解し、二次関数の対称性を学びます。

学習ポイント

  • 二次関数のグラフと式の関係: 式の各係数を変化させたときのグラフの変化を観察し、数式とグラフの関係を理解します。
  • 頂点の移動: 標準形でp, qを変化させ、頂点座標(p, q)の直接的な操作を体験します。
  • 平方完成: 一般形から標準形への変換過程を視覚的に確認し、平方完成の意味を理解します。
  • 二次方程式の解: グラフとx軸の交点と二次方程式の解の関係を視覚的に理解します。

パラメータの具体的な影響

a の影響:
a の絶対値が大きいほど放物線の開きが狭くなり、a が正なら上に開き、負なら下に開きます。
b の影響:
b の値によって対称軸の位置が変わります(対称軸: x = -b/2a)。
c の影響:
c の値はy切片(グラフとy軸の交点)の位置を決定します。
標準形の p の影響:
p の値は放物線の左右の移動を決定します(水平方向への平行移動)。頂点のx座標はpです。
標準形の q の影響:
q の値は放物線の上下の移動を決定します(垂直方向への平行移動)。頂点のy座標はqです。

関連する数式

  • 一般形から標準形への変換: y = ax² + bx + c → y = a(x - p)² + q, ただし p = -b/(2a), q = c - b²/(4a)
  • 標準形から一般形への変換: y = a(x - p)² + q → y = ax² + bx + c, ただし b = -2ap, c = ap² + q
  • 頂点の座標: (-b/(2a), f(-b/(2a)))
  • 対称軸の方程式: x = -b/(2a)
  • 判別式: D = b² - 4ac
  • 二次方程式の解: x = (-b ± √(b² - 4ac))/(2a)
y = 1x² + 0x + 0
y = 1(x - 0)² + 0
a の値: 1
-5 5
b の値: 0
-10 10
c の値: 0
-10 10
y = 1(x - 0)² + 0
y = 1x² + 0x + 0
a の値: 1
-5 5
p の値: 0
-5 5
q の値: 0
-10 10
頂点
(-0, 0)
対称軸
x = 0
y切片
(0, 0)
x切片
x = 0
判別式
D = 0
判別式D = 0 は、x切片が1つあることを示しています。つまり、グラフはx軸と一点で交わります。
二次方程式の解の公式
ax² + bx + c = 0 の解: x = (-b ± √(b² - 4ac)) / (2a)
二次方程式の解は、グラフとx軸の交点の x 座標と一致します。判別式 D = b² - 4ac の値によって、解の数が決まります。
D > 0 の場合

二次方程式は 2つの実数解 を持ちます。

グラフはx軸と2点で交わります。

D = 0 の場合

二次方程式は 重解(1つの実数解) を持ちます。

グラフはx軸と1点で接します。

D < 0 の場合

二次方程式は 実数解を持ちません

グラフはx軸と交わりません。

現在のグラフ: 判別式 D = 0 のため、1つの実数解があります。
y = 0
x = 0
プロットされた点
グラフ上をクリックして点をプロットしてください

使い方:

  • スライダーを動かして二次関数の係数を変更できます
  • 一般形タブと標準形タブで表示を切り替えられます
  • グラフ上をクリックして点をプロットすると、その点と二次関数の関係が表示されます
  • x値またはy値を入力して対応する値を計算できます
📝

このページのポイント

ページ上部のインタラクティブグラフツールを使いながら、二次関数の基本と応用を学べます。係数を変えると放物線がどう変化するか、実際に確かめながら理解を深めましょう。

1.二次関数とは

二次関数(にじかんすう)とは、変数 \(x\) の二乗を含む関数で、一般的に \(f(x) = ax^2 + bx + c\) の形で表されます。ここで、\(a\)、\(b\)、\(c\) は定数で、特に \(a \neq 0\) です(\(a = 0\) の場合は一次関数になります)。

二次関数の主な特徴:

グラフの形状
放物線(ほうぶつせん)と呼ばれる曲線を描く
頂点
グラフには必ず1つの頂点(最高点または最低点)がある
対称性
頂点を通る垂直な直線(軸)に関して左右対称
電気工学での利用
電力損失の計算、共振回路の解析、エネルギー計算など幅広く応用される

2.二次関数の基本形と性質

標準形と一般形

二次関数は主に2つの形式で表されます:

一般形

\( f(x) = ax^2 + bx + c \)

一般形は最も基本的な表現方法です。係数 \(a\)、\(b\)、\(c\) によって放物線の形状が決まります:

  • \(a\) の符号:放物線の開く向き(正なら上向き、負なら下向き)
  • \(|a|\) の大きさ:放物線の開き具合(大きいほど狭く、小さいほど広い)
  • \(b\) と \(c\):放物線の位置(平行移動に関係)

標準形

\( f(x) = a(x - p)^2 + q \)

標準形は頂点の座標がすぐにわかる形式です:

  • 頂点の座標は \((p, q)\)
  • \(a\) の符号:放物線の開く向き(正なら上向き、負なら下向き)
  • \(|a|\) の大きさ:放物線の開き具合

一般形から標準形への変換(平方完成):

\[
\begin{aligned}
f(x) &= ax^2 + bx + c \\[10pt]
&= a\left(x^2 + \frac{b}{a}x\right) + c \\[10pt]
&= a\left(x^2 + \frac{b}{a}x + \frac{b^2}{4a^2}\right) + c - a\frac{b^2}{4a^2} \\[10pt]
&= a\left(x + \frac{b}{2a}\right)^2 + c - \frac{b^2}{4a} \\[10pt]
&= a\left(x - \left(-\frac{b}{2a}\right)\right)^2 + \left(c - \frac{b^2}{4a}\right)
\end{aligned}
\]
          

つまり、頂点の座標は \(\left(-\frac{b}{2a}, c-\frac{b^2}{4a}\right)\) となります。

グラフの特徴

二次関数のグラフである放物線には、次のような特徴があります:

形状:常に放物線となる
対称性:軸に関して左右対称
\(a\) の影響
  • \(a > 0\) のとき:上に凸(∪の形)で最小値を持つ
  • \(a < 0\) のとき:下に凸(∩の形)で最大値を持つ
  • \(|a|\) が大きいほど:放物線の開きが狭くなる
  • \(|a|\) が小さいほど:放物線の開きが広くなる
平行移動:\(b\) と \(c\) の値によってグラフ全体が移動

頂点と軸

二次関数のグラフにおいて、頂点と軸は重要な要素です:

頂点の座標

\[ \begin{aligned} \text{頂点のx座標} &= -\frac{b}{2a} \\[10pt] \text{頂点のy座標} &= f\left(-\frac{b}{2a}\right) = c-\frac{b^2}{4a} \end{aligned} \]

頂点は、\(a > 0\) のとき最小値を取る点、\(a < 0\) のとき最大値を取る点です。

軸の方程式

\( x = -\frac{b}{2a} \)

軸は放物線を左右対称に分ける垂直な直線で、頂点を通ります。

例を見てみましょう:

\(f(x) = 2x^2 - 4x + 5\) の頂点と軸を求めます。

この関数では、\(a = 2\)、\(b = -4\)、\(c = 5\) です。

頂点のx座標:

\[
\begin{aligned}
x &= -\frac{b}{2a} \\[10pt]
&= -\frac{-4}{2 \times 2} \\[10pt]
&= \frac{4}{4} \\[10pt]
&= 1
\end{aligned}
\]
        

頂点のy座標:

\[
\begin{aligned}
y &= c - \frac{b^2}{4a} \\[10pt]
&= 5 - \frac{(-4)^2}{4 \times 2} \\[10pt]
&= 5 - \frac{16}{8} \\[10pt]
&= 5 - 2 \\[10pt]
&= 3
\end{aligned}
\]
        

よって頂点の座標は \((1, 3)\) です。

軸の方程式は \(x = 1\) となります。

x軸との交点(解の公式)

二次関数 \(f(x) = ax^2 + bx + c\) のグラフがx軸と交わる点、つまり \(f(x) = 0\) となる点を求めるには、二次方程式 \(ax^2 + bx + c = 0\) を解く必要があります。

判別式

\( D = b^2 - 4ac \)

判別式 \(D\) によって、x軸との交点の数が決まります:

  • \(D > 0\) のとき:2つの交点がある
  • \(D = 0\) のとき:1つの交点がある(放物線がx軸に接している)
  • \(D < 0\) のとき:交点がない(放物線がx軸と交わらない)

解の公式

\( x = \frac{-b \pm \sqrt{b^2 - 4ac}}{2a} \)

この公式を使って、二次方程式の解、つまりx軸との交点のx座標を求めることができます。

例を見てみましょう:

\(f(x) = 2x^2 - 4x - 6\) のx軸との交点を求めます。

この関数では、\(a = 2\)、\(b = -4\)、\(c = -6\) です。

まず判別式を計算します:

\[
\begin{aligned}
D &= b^2 - 4ac \\[10pt]
&= (-4)^2 - 4 \times 2 \times (-6) \\[10pt]
&= 16 + 48 \\[10pt]
&= 64
\end{aligned}
\]
        

\(D > 0\) なので、2つの交点があります。

解の公式を使ってx座標を求めます:

\[
\begin{aligned}
x &= \frac{-b \pm \sqrt{D}}{2a} \\[10pt]
&= \frac{-(-4) \pm \sqrt{64}}{2 \times 2} \\[10pt]
&= \frac{4 \pm 8}{4} \\[10pt]
x_1 &= \frac{4 + 8}{4} = 3 \\[10pt]
x_2 &= \frac{4 - 8}{4} = -1
\end{aligned}
\]
        

よってx軸との交点は \((3, 0)\) と \((-1, 0)\) です。

3.二次関数のグラフの変形

平行移動

二次関数のグラフは、式の形を変えることで平行移動させることができます:

水平方向の移動

\( f(x) = a(x - h)^2 + k \)

基本の放物線 \(y = ax^2\) を右に \(h\) だけ平行移動します(\(h\) が負の場合は左に移動)。

垂直方向の移動

\( f(x) = ax^2 + k \)

基本の放物線 \(y = ax^2\) を上に \(k\) だけ平行移動します(\(k\) が負の場合は下に移動)。

複合的な移動

\( f(x) = a(x - h)^2 + k \)

これは標準形そのもので、基本の放物線 \(y = ax^2\) を右に \(h\)、上に \(k\) だけ平行移動したものになります。頂点の座標は \((h, k)\) です。

拡大・縮小

係数 \(a\) の絶対値を変えることで、放物線の開き具合(拡大・縮小)を調整できます:

垂直方向の拡大・縮小

\( f(x) = ax^2 \quad (\, |a| > 1 \text{ または } 0 < |a| < 1 \,) \)
  • \(|a| > 1\) のとき:放物線は縦方向に引き伸ばされる(より狭くなる)
  • \(0 < |a| < 1\) のとき:放物線は縦方向に縮められる(より広くなる)

反射

係数 \(a\) の符号を変えることで、放物線を上下反転させることができます:

x軸に関する反射

\( f(x) = -ax^2 \)

元の関数 \(y = ax^2\) のグラフをx軸に関して反射(上下反転)します。

  • \(a > 0\) の場合:上に凸(∪の形)→ 下に凸(∩の形)
  • \(a < 0\) の場合:下に凸(∩の形)→ 上に凸(∪の形)

4.二次関数の応用

最大値・最小値問題

二次関数は、頂点で最大値または最小値を取るという性質があるため、最適化問題によく応用されます:

最大値・最小値の求め方

\( \text{最大値または最小値} = f\left(-\frac{b}{2a}\right) = c - \frac{b^2}{4a} \)
  • \(a > 0\) のとき:\(f\left(-\frac{b}{2a}\right)\) は最小値
  • \(a < 0\) のとき:\(f\left(-\frac{b}{2a}\right)\) は最大値
例題:面積の最大化

周囲の長さが24mの長方形があります。この長方形の面積が最大になるのは、縦と横がどのような長さのときでしょうか?

解法:

長方形の縦の長さを \(x\) m、横の長さを \(y\) m とします。

周囲の長さが24mなので:\(2x + 2y = 24\)

これを変形して \(y\) について解くと:\(y = 12 - x\)

面積 \(A\) は \(A = xy\) なので:\(A = x(12 - x) = 12x - x^2\)

これは \(f(x) = -x^2 + 12x\) という二次関数になります(\(a = -1\)、\(b = 12\)、\(c = 0\))。

\(a < 0\) なので、この関数は下に凸で、頂点で最大値を取ります。

頂点のx座標は:

\[
\begin{aligned}
x &= -\frac{b}{2a} \\[10pt]
&= -\frac{12}{2 \times (-1)} \\[10pt]
&= \frac{12}{2} \\[10pt]
&= 6
\end{aligned}
\]
        

よって \(x = 6\) のとき、\(y = 12 - 6 = 6\) となります。

面積の最大値は:\(A = 6 \times 6 = 36\) m²

周囲の長さが一定の長方形の場合、正方形のときに面積が最大になることが分かりました。

電気工学での応用例

二次関数は電気工学の様々な場面で応用されます:

電力損失の計算

電流 \(I\) が流れる抵抗 \(R\) での電力損失 \(P\) は、\(P = I^2R\) という二次関数で表されます。

例えば、送電線での損失を最小化するための最適な電流値を求める問題などに応用できます。

共振回路の解析

LC共振回路の共振周波数付近でのインピーダンス特性は、しばしば二次関数で近似できます。

共振点での最大/最小値を求める問題に二次関数の知識が役立ちます。

電力効率の最適化

出力電力と入力電力の関係が二次関数で表される場合、最大効率点を求める問題に応用できます。

例題:最適な負荷抵抗

内部抵抗 \(r\) を持つ電源から、負荷抵抗 \(R\) に供給される電力 \(P\) は次の式で与えられます:

\[
P = \frac{E^2R}{(R+r)^2}
\]
          

ここで \(E\) は電源の電圧です。最大電力が供給される負荷抵抗 \(R\) の値を求めましょう。

この関数の最大値を求めるために、\(R\) について微分して0とおきます(微分は高校数学ですが、考え方を示します):

\[
\begin{aligned}
\frac{dP}{dR} &= 0 \\[10pt]
\end{aligned}
\]
          

計算すると、\(R = r\) のとき最大電力となることがわかります。

つまり、負荷抵抗が電源の内部抵抗と等しいとき、最大電力が供給されます(最大電力移送定理)。

5.例題で練習

例題1:二次関数のグラフの特徴を調べる

難易度:★☆☆
\(f(x) = 2x^2 - 8x + 7\) の(1)頂点の座標、(2)軸の方程式、(3)グラフの開く向き、(4)x軸との交点を求めよ。

(1)頂点の座標を求めます。ここで、\(a = 2\)、\(b = -8\)、\(c = 7\) です。

頂点のx座標:

\[
\begin{aligned}
x &= -\frac{b}{2a} \\[10pt]
&= -\frac{-8}{2 \times 2} \\[10pt]
&= \frac{8}{4} \\[10pt]
&= 2
\end{aligned}
\]
          

頂点のy座標:

\[
\begin{aligned}
y &= f(2) \\
&= 2(2)^2 - 8(2) + 7 \\[10pt]
&= 2 \times 4 - 16 + 7 \\[10pt]
&= 8 - 16 + 7 \\[10pt]
&= -1
\end{aligned}
\]
          

または、公式を使って:

\[
\begin{aligned}
y &= c - \frac{b^2}{4a} \\[10pt]
&= 7 - \frac{(-8)^2}{4 \times 2} \\[10pt]
&= 7 - \frac{64}{8} \\[10pt]
&= 7 - 8 \\[10pt]
&= -1
\end{aligned}
\]
          

よって頂点の座標は \((2, -1)\) です。

(2)軸の方程式は \(x = 2\) です。

(3)係数 \(a = 2 > 0\) なので、グラフは上に凸(∪の形)です。

(4)x軸との交点を求めるには、\(f(x) = 0\) を解きます:

\[
\begin{aligned}
2x^2 - 8x + 7 &= 0
\end{aligned}
\]
          

判別式を計算します:

\[
\begin{aligned}
D &= b^2 - 4ac \\[10pt]
&= (-8)^2 - 4 \times 2 \times 7 \\[10pt]
&= 64 - 56 \\[10pt]
&= 8
\end{aligned}
\]
          

\(D > 0\) なので、2つの交点があります。解の公式を使って:

\[
\begin{aligned}
x &= \frac{-b \pm \sqrt{D}}{2a} \\[10pt]
&= \frac{-(-8) \pm \sqrt{8}}{2 \times 2} \\[10pt]
&= \frac{8 \pm 2\sqrt{2}}{4} \\[10pt]
&= 2 \pm \frac{\sqrt{2}}{2}
\end{aligned}
\]
          

よってx軸との交点は \(x = 2 + \frac{\sqrt{2}}{2} \approx 2.71

よってx軸との交点は \(x = 2 + \frac{\sqrt{2}}{2} \approx 2.71\) と \(x = 2 - \frac{\sqrt{2}}{2} \approx 1.29\) です。

よって結果は:
  • 頂点の座標:\((2, -1)\)
  • 軸の方程式:\(x = 2\)
  • グラフの向き:上に凸(∪の形)
  • x軸との交点:\(x \approx 1.29\) と \(x \approx 2.71\)

例題2:二次関数を標準形に変形する

難易度:★★☆
\(f(x) = 3x^2 + 12x + 8\) を標準形に変形せよ。

一般形 \(f(x) = ax^2 + bx + c\) から標準形 \(f(x) = a(x - p)^2 + q\) に変形するには、平方完成を行います。

ここで、\(a = 3\)、\(b = 12\)、\(c = 8\) です。

\[
\begin{aligned}
f(x) &= 3x^2 + 12x + 8 \\[10pt]
&= 3(x^2 + 4x) + 8 \\[10pt]
&= 3(x^2 + 4x + 4 - 4) + 8 \\[10pt]
&= 3((x + 2)^2 - 4) + 8 \\[10pt]
&= 3(x + 2)^2 - 12 + 8 \\[10pt]
&= 3(x + 2)^2 - 4 \\[10pt]
&= 3(x - (-2))^2 - 4
\end{aligned}
\]
          

よって標準形は \(f(x) = 3(x+2)^2 - 4\) です。

この形から頂点の座標が \((-2, -4)\) であることがわかります。

よって結果は:\(f(x) = 3(x+2)^2 - 4\)(頂点の座標は \((-2, -4)\))

例題3:最大値・最小値問題

難易度:★★☆
\(f(x) = -2x^2 + 8x - 3\) の最大値と、それを与えるxの値を求めよ。

ここで、\(a = -2\)、\(b = 8\)、\(c = -3\) です。

\(a < 0\) なので、この関数は下に凸(∩の形)で、頂点で最大値を取ります。

最大値を与えるxの値(頂点のx座標):

\[
\begin{aligned}
x &= -\frac{b}{2a} \\[10pt]
&= -\frac{8}{2 \times (-2)} \\[10pt]
&= \frac{8}{-4} \\[10pt]
&= -2 \times \frac{-8}{4} \\[10pt]
&= 2
\end{aligned}
\]
          

最大値(頂点のy座標):

\[
\begin{aligned}
f(2) &= -2(2)^2 + 8(2) - 3 \\[10pt]
&= -2 \times 4 + 16 - 3 \\[10pt]
&= -8 + 16 - 3 \\[10pt]
&= 5
\end{aligned}
\]
          

または、公式を使って:

\[
\begin{aligned}
\text{最大値} &= c - \frac{b^2}{4a} \\[10pt]
&= -3 - \frac{8^2}{4 \times (-2)} \\[10pt]
&= -3 - \frac{64}{-8} \\[10pt]
&= -3 + 8 \\[10pt]
&= 5
\end{aligned}
\]
          
よって結果は:最大値は \(5\)、それを与えるxの値は \(x = 2\)

例題4:応用問題(電気回路)

難易度:★★★
内部抵抗 \(r = 4\) Ωの電源があり、電圧は \(E = 12\) Vです。この電源に負荷抵抗 \(R\) を接続したとき、負荷に供給される電力 \(P\) は \(P = \frac{E^2R}{(R+r)^2}\) で表されます。最大電力とそのときの負荷抵抗 \(R\) の値を求めよ。

与えられた式に値を代入します:

\[
\begin{aligned}
P &= \frac{E^2R}{(R+r)^2} \\[10pt]
&= \frac{12^2 \times R}{(R+4)^2} \\[10pt]
&= \frac{144R}{(R+4)^2}
\end{aligned}
\]
          

電力 \(P\) が最大になる \(R\) の値を求めるために、微分して0とおきます(計算過程は省略します)。

最大電力定理により、負荷抵抗が内部抵抗と等しいとき、最大電力が供給されることがわかっています。

よって \(R = r = 4\) Ωのとき、電力が最大になります。

最大電力の値を計算します:

\[
\begin{aligned}
P_{max} &= \frac{144 \times 4}{(4+4)^2} \\[10pt]
&= \frac{576}{64} \\[10pt]
&= 9 \text{ W}
\end{aligned}
\]
          
よって結果は:最大電力は \(9\) W、そのときの負荷抵抗は \(R = 4\) Ω
💪

これらの例題を通じて、二次関数の扱い方が身につくと思います。特に放物線の特徴を把握して、頂点や交点などを素早く求められるようになることが大切です。電気系の試験では、二次関数を使った最適化問題もよく出題されるので、しっかり練習しておきましょう!

6.自分で解いてみよう!

ほな、学んだことを使って実際に解いてみよか!答えは隠してあるから、自分で計算してから確認してな。答えを見るには「答えを表示」ボタンをクリックするか、答えの部分をタッチしてみてな!

練習問題1:二次関数の基本

基礎

次の二次関数の頂点の座標と軸の方程式を求めよ。

\(f(x) = 3x^2 - 6x + 5\)

練習問題2:二次関数の標準形

基礎

次の二次関数を標準形に変形せよ。

\(f(x) = 2x^2 - 8x + 11\)

練習問題3:x軸との交点

標準

次の二次関数のグラフがx軸と交わる点の座標を求めよ。

\(f(x) = x^2 - 6x + 8\)

練習問題4:最大値・最小値

標準

次の二次関数の最小値とそれを与えるxの値を求めよ。

\(f(x) = 2x^2 - 12x + 23\)

練習問題5:応用問題(最適化)

応用

次の問題を解け:

ある導線の抵抗値は長さに比例し、長さ1mあたり2Ωです。全長12mの導線を2本の導線に切り分け、これらを並列接続します。この並列回路の合成抵抗が最小になるのは、どのように切り分けたときですか?また、そのときの合成抵抗の値を求めよ。

練習問題はどうやった?正解できたかな?頂点の座標を求めたり、標準形に変形したりする問題は、電気系の試験でもよく出題されるから、しっかり覚えておこう!