電験三種 数学基礎 | 一次関数解説

目次

重要ポイント

一次関数 傾き 切片 グラフ 電験数学

ようこそ!このページでは、電気系資格試験に出てくる一次関数をわかりやすく解説していきます!一次関数は電圧と電流の関係や特性グラフなど、試験でよく出るので、しっかり押さえておきましょう!

📝

このページのポイント

一次関数の基本から応用まで、電気系資格試験でよく出る計算方法を詳しく解説します。グラフの書き方や特性曲線の分析など、実践的な力が身につきます。

グラフの使い方

このグラフは一次関数「y = ax + b」を視覚的に理解するためのツールです。傾き(a)と切片(b)のスライダーを動かすと、直線の傾きや位置がリアルタイムで変化します。傾きが正なら右上がり、負なら右下がり、0なら水平になります。 緑の点はy軸との交点(y切片)、赤の点はx軸との交点(x切片)です。これらを観察して、xとyの関係や座標軸との交わり方を確認できます。 様々な値に設定して試してみることで、一次関数の性質や電気工学での関係(例:オームの法則 V=RI)を直感的に理解できます。テスト勉強や問題解決の助けにお使いください!

関数操作
座標計算
プロットされた点
1.0
0.0
y = 1.0x + 0.0
x切片: (0.0, 0)
y切片: (0, 0.0)

座標計算ツール

y = 0.0

2点間の距離

距離 = 0.0
グラフをクリックして点をプロットしてください。

ツールの使い方

1.一次関数とは

一次関数(いちじかんすう)とは、\(y = ax + b\) という形で表される関数です。\(a\) を傾き(または勾配)、\(b\) を\(y\)切片と呼びます。グラフは常に直線になります。

一次関数には主に以下のような特徴があります:

グラフの形
常に直線になり、\(a\) の値で右上がり(\(a > 0\))か右下がり(\(a < 0\))かが決まる

変化の割合
\(x\) が1増えると、\(y\) は常に \(a\) だけ増加する(一定の変化率)

表し方
\(y = ax + b\) 以外に、\(ax + by + c = 0\) という一般形や、2点を通る直線などで表すことができる

電気工学での応用
オームの法則(\(V = RI\))、温度係数、直流回路の電圧・電流特性など多くの現象が一次関数で表される

2.詳細な計算方法

傾きと切片の求め方

一次関数 \(y = ax + b\) において、\(a\)(傾き)と\(b\)(\(y\)切片)を求める方法を説明します。

傾きと切片の意味:

\(1.\) \(a\)(傾き):\(x\) が1増えたときの \(y\) の増加量
\(2.\) \(b\)(\(y\)切片):グラフが\(y\)軸と交わる点の\(y\)座標(\(x = 0\) のときの\(y\)の値)

傾きの求め方:

2点 \((x_1, y_1)\) と \((x_2, y_2)\) を通る直線の傾き \(a\) は次の式で求められます

\(a = \frac{y_2 - y_1}{x_2 - x_1}\)

例えば、点 \((2, 3)\) と点 \((5, 9)\) を通る直線の傾きは

\(a = \frac{9 - 3}{5 - 2} = \frac{6}{3} = 2\)

この直線の傾きは \(a = 2\) です

\(y\)切片の求め方:

傾き \(a\) と直線上の1点 \((x_1, y_1)\) がわかっている場合、\(y\)切片 \(b\) は次の式で求められます

\(b = y_1 - a \times x_1\)

例えば、点 \((2, 3)\) を通り、傾きが \(a = 2\) の直線の\(y\)切片は

\(b = 3 - 2 \times 2 = 3 - 4 = -1\)

よって、この直線の式は \(y = 2x - 1\) となります

2点から一次関数を求める

2点の座標がわかっているとき、その2点を通る一次関数の式を求める方法を説明します。

2点から一次関数を求める手順:

\(1.\) 2点の座標から傾き \(a\) を計算する
\(2.\) 求めた傾きと、どちらかの点の座標を使って \(y\)切片 \(b\) を計算する
\(3.\) \(a\) と \(b\) の値を \(y = ax + b\) に代入して、一次関数の式を完成させる

例を見てみましょう:

点 \(A(1, 2)\) と点 \(B(4, 11)\) を通る一次関数の式を求めます

まず、傾き \(a\) を計算します

\(a = \frac{y_2 - y_1}{x_2 - x_1} = \frac{11 - 2}{4 - 1} = \frac{9}{3} = 3\)

次に、点 \(A(1, 2)\) を使って \(y\)切片 \(b\) を求めます

\(b = y_1 - a \times x_1 = 2 - 3 \times 1 = 2 - 3 = -1\)

よって、求める一次関数の式は

\(y = 3x - 1\)

確認のため、点 \(B(4, 11)\) がこの式を満たすか確かめましょう

\(y = 3 \times 4 - 1 = 12 - 1 = 11\)

点 \(B\) の \(y\) 座標は \(11\) なので、この式は確かに点 \(B\) を通ります

グラフの書き方

一次関数 \(y = ax + b\) のグラフを書く方法を説明します。

グラフを描く手順:

\(1.\) \(y\)切片 \(b\) を見つける(\(x = 0\) のときの \(y\) の値)
\(2.\) \(x\)切片を計算する(\(y = 0\) のときの \(x\) の値で、\(x = -\frac{b}{a}\))
\(3.\) 別の点をもう1つ計算する(例えば \(x = 1\) のときの \(y\) の値)
\(4.\) これらの点をプロットし、直線で結ぶ

例を見てみましょう:

一次関数 \(y = 2x - 3\) のグラフを描きます

まず、\(y\)切片は \(b = -3\) なので、点 \((0, -3)\) を見つけます

次に、\(x\)切片を計算します。\(y = 0\) とすると

\(0 = 2x - 3\)

\(2x = 3\)

\(x = \frac{3}{2} = 1.5\)

よって、\(x\)切片は \((1.5, 0)\) です

さらに別の点として、\(x = 2\) のときの \(y\) の値を計算します

\(y = 2 \times 2 - 3 = 4 - 3 = 1\)

よって、もう一つの点は \((2, 1)\) です

これらの3点 \((0, -3)\)、\((1.5, 0)\)、\((2, 1)\) をプロットし、直線で結ぶとグラフが完成します

交点の求め方

一次関数と\(x\)軸、\(y\)軸との交点

一次関数 \(y = ax + b\) のグラフと座標軸との交点の求め方

交点の求め方:

\(y\)軸との交点:\(x = 0\) を代入して \((0, b)\)

\(x\)軸との交点:\(y = 0\) を代入して \(ax + b = 0\) を解き、\(x = -\frac{b}{a}\)

よって、\(x\)軸との交点は \((-\frac{b}{a}, 0)\)

例を見てみましょう:

一次関数 \(y = 3x - 6\) について

\(y\)軸との交点は \((0, -6)\)

\(x\)軸との交点は \(y = 0\) とすると

\(0 = 3x - 6\)

\(3x = 6\)

\(x = 2\)

よって、\(x\)軸との交点は \((2, 0)\)

2つの一次関数の交点

2つの一次関数 \(y = a_1x + b_1\) と \(y = a_2x + b_2\) の交点の求め方

交点の求め方:

両方の式で \(y\) の値が等しいとして方程式を立てる:\(a_1x + b_1 = a_2x + b_2\)

\(x\) について解く:\((a_1 - a_2)x = b_2 - b_1\)、\(x = \frac{b_2 - b_1}{a_1 - a_2}\)

求めた \(x\) の値をどちらかの式に代入して \(y\) の値を求める

例を見てみましょう:

一次関数 \(y = 2x + 1\) と \(y = -x + 7\) の交点を求めます

\(2x + 1 = -x + 7\)

\(2x + x = 7 - 1\)

\(3x = 6\)

\(x = 2\)

この \(x = 2\) を一つ目の式に代入します

\(y = 2 \times 2 + 1 = 4 + 1 = 5\)

よって、交点の座標は \((2, 5)\) です

確認のため、\(x = 2\) を二つ目の式にも代入してみます

\(y = -2 + 7 = 5\)

同じ \(y = 5\) が得られるので、確かに \((2, 5)\) が交点です

3.例題で練習

例題1:一次関数の式を求める

難易度:★☆☆
点 \(A(3, 4)\) と点 \(B(6, 10)\) を通る一次関数の式を求めよ。

2点から一次関数の式を求めます:

まず、傾き \(a\) を計算します

\(a = \frac{y_2 - y_1}{x_2 - x_1} = \frac{10 - 4}{6 - 3} = \frac{6}{3} = 2\)

次に、点 \(A(3, 4)\) を使って \(y\)切片 \(b\) を求めます

\(b = y - ax = 4 - 2 \times 3 = 4 - 6 = -2\)

よって、求める一次関数の式は \(y = 2x - 2\) です

よって結果は:\(y = 2x - 2\)

例題2:傾きと1点から一次関数を求める

難易度:★☆☆
傾きが \(-3\) で、点 \((2, 5)\) を通る一次関数の式を求めよ。

傾きと1点から一次関数の式を求めます:

傾き \(a = -3\) と点 \((2, 5)\) が与えられています

\(y\)切片 \(b\) を求めます

\(b = y - ax = 5 - (-3) \times 2 = 5 + 6 = 11\)

よって、求める一次関数の式は \(y = -3x + 11\) です

よって結果は:\(y = -3x + 11\)

例題3:一次関数と座標軸の交点

難易度:★★☆
一次関数 \(y = 2x - 6\) と \(x\)軸および \(y\)軸との交点を求めよ。

一次関数と座標軸の交点を求めます:

\(y\)軸との交点は、\(x = 0\) のときの \(y\) の値です

\(y = 2 \times 0 - 6 = -6\)

よって、\(y\)軸との交点は \((0, -6)\) です

\(x\)軸との交点は、\(y = 0\) のときの \(x\) の値です

\(0 = 2x - 6\)

\(2x = 6\)

\(x = 3\)

よって、\(x\)軸との交点は \((3, 0)\) です

よって結果は:\(y\)軸との交点は \((0, -6)\)、\(x\)軸との交点は \((3, 0)\)

例題4:2つの一次関数の交点

難易度:★★☆
2つの一次関数 \(y = 3x - 2\) と \(y = -x + 6\) の交点を求めよ。

2つの一次関数の交点を求めます:

交点では両方の \(y\) の値が等しいので

\(3x - 2 = -x + 6\)

\(3x + x = 6 + 2\)

\(4x = 8\)

\(x = 2\)

この \(x = 2\) を一つ目の式に代入して \(y\) を求めます

\(y = 3 \times 2 - 2 = 6 - 2 = 4\)

よって、交点の座標は \((2, 4)\) です

よって結果は:交点の座標は \((2, 4)\)

例題5:一般形から一次関数の式を求める

難易度:★★★
一般形 \(2x - 3y + 6 = 0\) を一次関数の形 \(y = ax + b\) に変形せよ。

一般形から一次関数の形に変形します:

与えられた式 \(2x - 3y + 6 = 0\) から \(y\) について解きます

\(-3y = -2x - 6\)

\(y = \frac{2x + 6}{3}\)

\(y = \frac{2}{3}x + 2\)

よって結果は:\(y = \frac{2}{3}x + 2\)

例題6:電気回路への応用

難易度:★★★
ある抵抗器において、電圧 \(V\)(ボルト)と電流 \(I\)(アンペア)の関係が \(V = 5I + 0.2\) で表されるとき、以下の問いに答えよ。
(1) この抵抗器の抵抗値 \(R\)(オーム)を求めよ。
(2) 電圧が \(10.2\) ボルトのとき、電流は何アンペアか。

電気回路への一次関数の応用問題を解きます:

(1) オームの法則より、抵抗 \(R\) は \(V = RI\) で表されます

与えられた式 \(V = 5I + 0.2\) と比較すると、傾き \(5\) が抵抗値 \(R\) に相当します

ただし、理想的なオームの法則では \(V = RI\)(切片が0)ですが、この抵抗器では切片が \(0.2\) あります

これは接触電圧や測定誤差などによるものかもしれません

よって、この抵抗器の抵抗値は \(R = 5\) オームです

(2) 電圧が \(V = 10.2\) ボルトのとき、電流 \(I\) を求めます

\(10.2 = 5I + 0.2\)

\(5I = 10.2 - 0.2 = 10\)

\(I = \frac{10}{5} = 2\) アンペア

よって結果は:(1) 抵抗値 \(R = 5\) オーム、(2) 電流 \(I = 2\) アンペア

💪

これらの例題を通じて、一次関数の基本的な扱い方が身につくと思います。さらに練習を重ねることで、複雑な問題も解けるようになります!電気系の試験でよく出てくる電圧-電流特性や温度特性なども、一次関数の知識があれば簡単に理解できますよ!頑張りましょう!

4.自分で解いてみよう!練習問題

ほな、学んだことを使って実際に解いてみよか!答えは隠してあるから、自分で計算してから確認してな。答えを見るには「答えを表示」ボタンをクリックするか、答えの部分をタッチしてみてな!

練習問題1:2点から一次関数を求める

基礎

次の2点を通る一次関数の式を求めよ:

点 \(A(-2, 5)\) と点 \(B(4, -7)\)

練習問題2:傾きと1点から一次関数を求める

基礎

傾きが \(\frac{3}{4}\) で、点 \((2, -1)\) を通る一次関数の式を求めよ:

傾き \(a = \frac{3}{4}\)、点 \((2, -1)\)

練習問題3:一次関数と座標軸の交点

標準

次の一次関数と \(x\)軸および \(y\)軸との交点を求めよ:

一次関数 \(y = -3x + 6\)

練習問題4:2つの一次関数の交点

応用

次の2つの一次関数の交点を求めよ:

\(y = 2x - 3\) と \(y = -x + 5\)

練習問題5:電気回路への応用

標準

次の問題を解け:

ある電熱線において、温度 \(T\)(℃)と抵抗値 \(R\)(Ω)の関係が \(R = 0.02T + 5\) で表されている。
(1) この電熱線の温度係数 \(\alpha\)(Ω/℃)を求めよ。
(2) 抵抗値が \(6\) Ωのとき、温度は何℃か。

練習問題はどうやった?正解できたかな?